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少女「止まないのう…雨」
[8] -25 -50 

1: ◆AhbsYJYbSg:2011/6/15(水) 22:57:24 ID:l7FkHhEbE2
SSスレです。内容はどちらかというとシリアスが中心になります。

では、よろしくです。
>>0


522: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/16(金) 10:57:09 ID:AUdLdHLZEE

千「!…遅かったか…」

陸「あれが…『九尾の狐』」ゴクッ

猫「…す、すごい迫力だにゃ…!」ガタガタ











狐(…はぁ…お腹空いたよぅ…)グウウ

陸「…きゅっ…九尾さん!!」タタッ

狐『(あらぁ可愛い子達。
…きゅーび、って…?妾の事かしら)
…なに用か、人間』ジロッ

陸・千「お願いします!日本を滅ぼすのは、やめてください!」

狐(…滅ぼす…?あ、なるほど妾がこの國を滅ぼす……、

ってええぇえ!?なんで!?)ガーン

523: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/16(金) 10:58:43 ID:i7etF7UDUg

千「どうか…どうか…っ!」ギュッ

狐(ちょっと待ってちょっと待って…ぇ…なんで妾、目覚めた瞬間ワルモノ!?
そんな…確かに見た目はちょっと怖いかもしれないけど、少しでも可愛く見えるように美容と健康には気を使ってるのに…。

…きっと…そう、多分聞き間違いよ!平和主義で有名な妾が悪役だなんてそんな)

千「かくなる上は、わらしの命を生け贄にしても…!」グッ

陸「そんな…いやだよ千代ちゃん!」ギュッ

狐(完・全に極悪人です本当にありがとうござ…っておかしい!おかしいこんなの!
きっと話せば分かってくれるはず…ファイトだ自分!)グッ

狐『ふむ…そなたらの願い、聞いてやらぬ事もないが…ただではのう…(そう、せっかくの縁だし、妾と友達に!)』ニコニコ

千「や、やはり生け贄が必要なのか…っ」ガクッ

陸「心配しないで千代ちゃん。その時は僕も…!」ギュッ

狐(ごっ…!


誤解よぉおお!)ボーン

524: 名無しさん@読者の声:2012/3/17(土) 00:30:13 ID:wyiq/WzH/Y
狐のキャラがw
思ってたのと違うww


アゲル(・ω・)/C
525: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 10:00:49 ID:AUdLdHLZEE
>>524
Cありがとうです!
つ堅揚げポテト
526: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 10:02:08 ID:0UW08OXRsc

狐(ど、どうしたら分かって貰えるの…?
昔から人見知りが激しくて、つい無愛想な態度をとっちゃうのは妾の悪い癖。
あぁもう、妾のバカバカバカ!)ポカポカ

千「きゅっ…九尾殿が怒っておられる…!まさか、まだ生け贄が足りないのか…?」ガタガタ

猫「しょうがにゃい…2人で足りにゃいなら、にゃーの命も差し出す。死ぬときは皆一緒にゃ!!」カタカタ

陸「うるる…千代ちゃん…」ギュッ

狐(違うのに!違うのに!!

あぁもう、どうしたら…

…!)ピコーン

狐『…ふん、矮小な命の火なぞいらぬ。腹の足しにもならぬからのう。
それよりも肉じゃ。妾は肉が欲しい(お食事を一緒にすれば、きっと仲良くなれるはず!やだぁ妾天才♪)』ワクワク


527: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:05:34 ID:dQogQk0cu.

陸「に、『肉』って…まさか…。

この町の人達を差し出せってこと…?!」ガーン

千「な…なんと無慈悲な…っ」ガクッ

猫「ぅう…もう終わりだにゃ…」グスッ




狐(…

ぅん…うん、いいの。誤解されるのは…慣れてる。

…あ、れ…なんでかな、目頭が…熱く…っ)ブワッ








…ぐうううっ!


528: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:08:58 ID:dG2jpSBg82

猫「…//」

千「お…お主、こんな時に何をのんきに腹など鳴らしておるんじゃ!」ペシッ

猫「す…すまにゃい、にゃんだか無性にお腹が空いて…」グウッ

陸「あれ…でもさ、なんかいい匂いしない?」キョロキョロ

狐(ん…?この匂い…)ピクッ


タタッ…


夜「出来た!できましたよ皆さん、この唐揚げは最高傑作です!」ジュウウ

狐(かっ…唐揚げ…!)ジュルリ

千「月夜…!お主、無事だったのか!」ホッ

陸「えっと…月夜お兄ちゃん、それ…」

夜「陸君や皆が帰ってきたときにお腹を空かせているだろうと思って、一足先に帰って作っていたんです。
見てください、このジューシーな肉汁、すばらしい色合い!あまりの出来に感動していた所、窓から皆さんが見えたので思わず持ってきちゃいました」ニコニコ

529: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:13:55 ID:dG2jpSBg82

千「つ…月夜、すまぬが今…」

夜「さらに!昼間あまった油揚げで、稲荷寿司もたっぷりと!」ジャーン

狐(……!!……っ!!!)ダラダラ

猫「う…美味そうだにゃあ」ジュルリ

千「月夜、今はそれどころではないんじゃ!
この国が滅びるかどうかという大事な瀬戸際…」

狐『…それでよい』プルプル

千・陸「…え?」クルッ

狐『…だから、その貧乏臭い食事で勘弁してやると…言う………ッッ





…っっあ゛ぁー!!もうぅ我慢できないっ!
妾は腹ペコなのよぉお!!友達が欲しいのよぉおお!!!
一緒に食べましょうよぉおおお!!!』ウワアアン



皆「…」


――
530: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 12:10:31 ID:bZAFLw.CyI
タタッ


皇「待て…どうしたというのだ、恋人よ!」ガシッ

恋「…離してちょうだい」

皇「恋人…」

恋「…はじめて、なの」カタカタ

皇「?」

恋「…どうしてこんな事を思うのか、自分でも分からない…でも、あなたに嫌われるのが怖いの。
だから離して!アタシはこれからも独りで…」バッ…


ギュッ


恋「!」

皇「…分かるか?我も、主と同じだ」カタカタ

恋「皇、帝…」

皇「怖いのは本気だからだ、恋人。
…共に、生きてはくれぬか。これからは悪事ではなく、友である妖怪たちを救っていこう。あの子供に、教えられたように」

恋「…皇帝…っ!」ギュッ







吊「…リア充氏ねリア充氏ねリア充氏ねリア充氏ね…」ブツブツ

戦「良カッタネ、愛ダネ」ニコニコ

吊「…うぅ…オレの姐さァん…あんな低身長(チビ)のどこがいいんスかァ…」シクシク

531: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 12:39:39 ID:bZAFLw.CyI
戦「…吊レ男ハ、コレカラドウスルノ?」

吊「オレは…どうするっスかねぇ。
ここで食事(バイキング)しようにも、あの鎌いたち(キンニク)に変なツボを押されたらしくて、子供の血が飲めなくなっちまって…」フウ…

戦「オイラハフィンランドニ戻ッテ、仲間達ノ墓ヲ建テ直スンダ。
…良カッタラ、一緒ニ来ナイ?」

吊「マジっスか!?うおおー、やっぱ持つべきモノは友だちッス!」ワーイ

戦「ア…デモソノ前ニ…」

吊「?」

戦「深雪ニ、挨拶シテ行コウカナ…//」ポッ

吊「…やっぱアンタも敵ッス!!」ウワーン




―――

ふれあい公園


狐「…ッ!…ッ!!」ガツガツ


532: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 13:08:58 ID:bZAFLw.CyI

千「す、すごい食べっぷりじゃな…」ゴクリ

狐「からあげ追加お願い!…あったりまえじゃない、妾の飢餓は三千年分よ!?」ガツガツ

夜「お待ちどうさま!さあジャンジャン作りますよー!!」ジュウウ

鎌「おいおい…なにもキャンプ用品まで出す事ねぇだろ。どんだけ料理馬」

夜「あ、食べないんですね?了解しましたー」ヒョイッ

鎌「食べます嘘ですスンマセンしたぁ!!」ズザーッ

雪「食卓で…シェフに逆らっちゃ…だめ」モグモグ

傘「あ!なんか僕のからあげ減ってるんだけど!」ガタッ

猫「…気のひぇいひゃにゃいか?」モグモグ

533: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 13:31:46 ID:bZAFLw.CyI
傘「…一体どの口が言ってるのかな?」メラッ

濡「どうベルちゃん、おいし?」

犬「…ワンッ!」ガツガツ


陸「…でも、本当に良かった。みんなが無事で」ニコッ

鎌「ったりめぇだろ?弟子が頑張ってんのに、師匠が負けるわけにいかねぇかんな」エッヘン

濡「…そう言う割りには、ずいぶんボロボロにされてもたみたいやけど…?」フフッ

猫「陸は強かったぞ!きっとおみゃーなんて、一瞬でやられちゃうにゃ!」ニヤニヤ

鎌「あんだと…?よっしゃチビ!今から勝負だ!」ウオー

雪「やめて、よ…大人気ない」ズバッ

鎌「っ!」ザクッ


534: 名無しさん@読者の声:2012/3/24(土) 19:08:17 ID:wa9yfBBJgA
よし、支援だ
535: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 21:46:07 ID:2a1pYsQwAA
>>534
ありがとうございます、励みになります!
つ堅揚げポテト(コンソメ)
536: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 21:47:49 ID:2a1pYsQwAA

陸「みんな…ううん。

兄ちゃん、晴くん、流華お姉ちゃん、雨、月夜お兄ちゃん、深雪ちゃん、それから…千代ちゃん。

人間の為に、戦ってくれてありがとう。…またこうして会えて、本当に嬉しいや」ヘヘッ

鎌「なんだよ水くせぇな。当たり前じゃねぇか」

濡「そうどすえ?陸ちゃんの大切なモンは、ウチらにとっても大切なんよ」ニコッ

陸「…だから、僕も…嘘なんかじゃなく本当の事、言うね」ギュッ

千「!…(陸…)」

陸「僕には…半分、妖怪さとりの血が流れてるんだ。近づいた相手の心なら、それが人間でも妖怪でも関係なく読めてしまう。
だから…嘘ついててごめんなさい。皆が妖怪だって事、最初から分かってた…っ」フルフル

雪「…」

傘「陸君…」

陸「今は昔よりも力を制御できるようになってきたけど、それでもこれから先…皆に不快な思いをさせると思うんだ。

…だけど…それでも僕は、みんなと…一緒にいたい!」ポロッ


537: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:10:38 ID:2a1pYsQwAA

陸「僕にとって、皆はお父さんと同じくらい大切な家族なんだ!
ごめん…わがままだって…自分勝手だって分かってる。
でも、僕はみんなが…大好きだから…っ!」ポロポロッ

鎌「…

チビ、よく聞け。俺は妖怪鎌いたち。風を操る妖怪だ。
たまに、寝ぼけて天井をぶっ壊しちまうかもしんねぇが…そんときはまぁ、大目に見てくれよな」ニッ

陸「…?」グスッ

流華「ウチは妖怪濡れ女。今はこんな格好やけど、本体はそれはそれは醜い蛇の体どす。
…陸ちゃんが見たら、気絶してまうかも…」クスクス

月夜「私は夜叉。日本最強と謳われた、炎を操る恐ろしい妖怪です。
ちなみに料理を残す人には容赦はしません。よ〜く覚えておいてくださいよ」キラーン
538: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:43:53 ID:2a1pYsQwAA

雪「おら…雪ん娘。
お風呂、凍らせちゃうけど…ごめん、ね?」ペコッ

陸「…っ」ボロボロ

傘「僕は唐傘お化け。本体は一つ目の、気持ち悪〜い妖怪さ」ニヤッ

猫「にゃーは妖怪猫又。…イライラさせることがあったらゴメンにゃ?決して悪気がある訳じゃにゃいのにゃ」ポリポリ

傘「どうだかね…」フッ

陸「ぅう…っ…、みんな…っ!!」ボロボロッ

千「…分かったじゃろ、陸。お主の思いは決してわがままでは無い。
誰かと一緒にいたいというのは、生き物全てが心の底で願っておる事じゃ。
…当然、わしらもな」ニコッ

猫「わーい!これからもみんな一緒だにゃ!!」ウヒョー

鎌「おらチビ、いつまで泣いてんだよ!」ポンポン

陸「えへへ、うん…でも、なんだか嬉しくってさ」グスッ

夜「…さあ、今日は陸君と私たちの家族記念日です!皆さんでお祝いしましょう!」ニコニコ



―ワイワイ―


千「…」


…ズキン…
539: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:42:20 ID:WGYzPBZgJc


陸「あ、そうだ!僕そろそろお父さんを迎えに行かなくっちゃ!きっと待ちくたびれてる」ガタッ

鎌「一人で平気か?なんなら着いて…」

陸「ううん、大丈夫!」タタッ…

千「…っ…陸!!」ガタッ

陸「…ん?」クルッ

千「……いや。

…気を、つけてな」ニコッ

陸「…?…うん。
千代ちゃんも、今日はゆっくり休んでね」ニコッ


タタッ


千「…っ…」ズグン…

濡「?…千代はんどないしたん?顔が真っ青どすえ?

千「…あぁ、さすがに疲れが溜まっておるようじゃ…心配ないさ」クラッ

540: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:44:32 ID:WGYzPBZgJc


狐(ああ…しあわせ〜。夢にまで見た食事、団欒…もう最っ高!

…あれ……妾、なーんか大事なことを忘れているような…?)モグモグ



傘「ねえ疾風…実は、君にお願いがあるんだけど…ちょっとついてきて」ガタッ

鎌「おう、どうしたよ改まって(ラッキー、これで堂々と片付けサボれるぜ)」ガタッ




狐『(お願い…あ!)…ひょうだ、ほっとひゃなは!』トントン

千「え…わらしですか?」キョトン

狐『ひつは、はなはひふぁいぶぁばっ…ゲホゲホッ!!』モゴモゴ

千「あの…せめて口を空に」タラッ

狐『ゴクゴクっ…ぷはあ!ごめんなさい妾としたことが…。
実は、あなたに会いたがってる人がいるんだ。ちょっと付き合ってもらえる?』ガタッ

千「?…わらしに…?」ガタッ


――


千「…わらしは…夢でも見ておるのか…?」アングリ
541: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:46:18 ID:WGYzPBZgJc

狐『今から千年くらい前、一度だけ妾の封印が解けそうになったことがあって…結局その時は不発に終わったんだけれど、妾の意識に一瞬だけ触れた魂があったの。
なんだかこの世に未練ありまくりみたいだったから、消える前に妾の霊力で保護してあげてたんだよね〜』ドヤァ

千「…弥一…!」ポロッ

弥『…じゃから、その名は捨てたと言うとるじゃろ?
…久しぶりじゃな、千代。泣き虫なのは…変わらんようじゃな』ニカッ

千「…ばか、たれ」ポロポロ

弥『ん』

千「…っこのど阿呆!あんぽんたん!気障野郎!」ガーッ

弥『ん…そうじゃな』

千「…このっ…このっ…!」ハアハア

弥『…髪、似合うな』ボソッ

千「…っ!」ヒュッ


パァアン!!
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名前:
sage:


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