SSスレです。内容はどちらかというとシリアスが中心になります。
では、よろしくです。
>>0
522: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/16(金) 10:57:09 ID:AUdLdHLZEE
千「!…遅かったか…」
陸「あれが…『九尾の狐』」ゴクッ
猫「…す、すごい迫力だにゃ…!」ガタガタ
狐(…はぁ…お腹空いたよぅ…)グウウ
陸「…きゅっ…九尾さん!!」タタッ
狐『(あらぁ可愛い子達。
…きゅーび、って…?妾の事かしら)
…なに用か、人間』ジロッ
陸・千「お願いします!日本を滅ぼすのは、やめてください!」
狐(…滅ぼす…?あ、なるほど妾がこの國を滅ぼす……、
ってええぇえ!?なんで!?)ガーン
523: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/16(金) 10:58:43 ID:i7etF7UDUg
千「どうか…どうか…っ!」ギュッ
狐(ちょっと待ってちょっと待って…ぇ…なんで妾、目覚めた瞬間ワルモノ!?
そんな…確かに見た目はちょっと怖いかもしれないけど、少しでも可愛く見えるように美容と健康には気を使ってるのに…。
…きっと…そう、多分聞き間違いよ!平和主義で有名な妾が悪役だなんてそんな)
千「かくなる上は、わらしの命を生け贄にしても…!」グッ
陸「そんな…いやだよ千代ちゃん!」ギュッ
狐(完・全に極悪人です本当にありがとうござ…っておかしい!おかしいこんなの!
きっと話せば分かってくれるはず…ファイトだ自分!)グッ
狐『ふむ…そなたらの願い、聞いてやらぬ事もないが…ただではのう…(そう、せっかくの縁だし、妾と友達に!)』ニコニコ
千「や、やはり生け贄が必要なのか…っ」ガクッ
陸「心配しないで千代ちゃん。その時は僕も…!」ギュッ
狐(ごっ…!
誤解よぉおお!)ボーン
524: 名無しさん@読者の声:2012/3/17(土) 00:30:13 ID:wyiq/WzH/Y
狐のキャラがw
思ってたのと違うww
アゲル(・ω・)/C
525: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 10:00:49 ID:AUdLdHLZEE
>>524
Cありがとうです!
つ堅揚げポテト
526: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 10:02:08 ID:0UW08OXRsc
狐(ど、どうしたら分かって貰えるの…?
昔から人見知りが激しくて、つい無愛想な態度をとっちゃうのは妾の悪い癖。
あぁもう、妾のバカバカバカ!)ポカポカ
千「きゅっ…九尾殿が怒っておられる…!まさか、まだ生け贄が足りないのか…?」ガタガタ
猫「しょうがにゃい…2人で足りにゃいなら、にゃーの命も差し出す。死ぬときは皆一緒にゃ!!」カタカタ
陸「うるる…千代ちゃん…」ギュッ
狐(違うのに!違うのに!!
あぁもう、どうしたら…
…!)ピコーン
狐『…ふん、矮小な命の火なぞいらぬ。腹の足しにもならぬからのう。
それよりも肉じゃ。妾は肉が欲しい(お食事を一緒にすれば、きっと仲良くなれるはず!やだぁ妾天才♪)』ワクワク
527: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:05:34 ID:dQogQk0cu.
陸「に、『肉』って…まさか…。
この町の人達を差し出せってこと…?!」ガーン
千「な…なんと無慈悲な…っ」ガクッ
猫「ぅう…もう終わりだにゃ…」グスッ
狐(…
ぅん…うん、いいの。誤解されるのは…慣れてる。
…あ、れ…なんでかな、目頭が…熱く…っ)ブワッ
…ぐうううっ!
528: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:08:58 ID:dG2jpSBg82
猫「…//」
千「お…お主、こんな時に何をのんきに腹など鳴らしておるんじゃ!」ペシッ
猫「す…すまにゃい、にゃんだか無性にお腹が空いて…」グウッ
陸「あれ…でもさ、なんかいい匂いしない?」キョロキョロ
狐(ん…?この匂い…)ピクッ
タタッ…
夜「出来た!できましたよ皆さん、この唐揚げは最高傑作です!」ジュウウ
狐(かっ…唐揚げ…!)ジュルリ
千「月夜…!お主、無事だったのか!」ホッ
陸「えっと…月夜お兄ちゃん、それ…」
夜「陸君や皆が帰ってきたときにお腹を空かせているだろうと思って、一足先に帰って作っていたんです。
見てください、このジューシーな肉汁、すばらしい色合い!あまりの出来に感動していた所、窓から皆さんが見えたので思わず持ってきちゃいました」ニコニコ
529: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/17(土) 13:13:55 ID:dG2jpSBg82
千「つ…月夜、すまぬが今…」
夜「さらに!昼間あまった油揚げで、稲荷寿司もたっぷりと!」ジャーン
狐(……!!……っ!!!)ダラダラ
猫「う…美味そうだにゃあ」ジュルリ
千「月夜、今はそれどころではないんじゃ!
この国が滅びるかどうかという大事な瀬戸際…」
狐『…それでよい』プルプル
千・陸「…え?」クルッ
狐『…だから、その貧乏臭い食事で勘弁してやると…言う………ッッ
…っっあ゛ぁー!!もうぅ我慢できないっ!
妾は腹ペコなのよぉお!!友達が欲しいのよぉおお!!!
一緒に食べましょうよぉおおお!!!』ウワアアン
皆「…」
――
530: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 12:10:31 ID:bZAFLw.CyI
タタッ
皇「待て…どうしたというのだ、恋人よ!」ガシッ
恋「…離してちょうだい」
皇「恋人…」
恋「…はじめて、なの」カタカタ
皇「?」
恋「…どうしてこんな事を思うのか、自分でも分からない…でも、あなたに嫌われるのが怖いの。
だから離して!アタシはこれからも独りで…」バッ…
ギュッ
恋「!」
皇「…分かるか?我も、主と同じだ」カタカタ
恋「皇、帝…」
皇「怖いのは本気だからだ、恋人。
…共に、生きてはくれぬか。これからは悪事ではなく、友である妖怪たちを救っていこう。あの子供に、教えられたように」
恋「…皇帝…っ!」ギュッ
吊「…リア充氏ねリア充氏ねリア充氏ねリア充氏ね…」ブツブツ
戦「良カッタネ、愛ダネ」ニコニコ
吊「…うぅ…オレの姐さァん…あんな低身長(チビ)のどこがいいんスかァ…」シクシク
531: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 12:39:39 ID:bZAFLw.CyI
戦「…吊レ男ハ、コレカラドウスルノ?」
吊「オレは…どうするっスかねぇ。
ここで食事(バイキング)しようにも、あの鎌いたち(キンニク)に変なツボを押されたらしくて、子供の血が飲めなくなっちまって…」フウ…
戦「オイラハフィンランドニ戻ッテ、仲間達ノ墓ヲ建テ直スンダ。
…良カッタラ、一緒ニ来ナイ?」
吊「マジっスか!?うおおー、やっぱ持つべきモノは友だちッス!」ワーイ
戦「ア…デモソノ前ニ…」
吊「?」
戦「深雪ニ、挨拶シテ行コウカナ…//」ポッ
吊「…やっぱアンタも敵ッス!!」ウワーン
―――
ふれあい公園
狐「…ッ!…ッ!!」ガツガツ
532: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 13:08:58 ID:bZAFLw.CyI
千「す、すごい食べっぷりじゃな…」ゴクリ
狐「からあげ追加お願い!…あったりまえじゃない、妾の飢餓は三千年分よ!?」ガツガツ
夜「お待ちどうさま!さあジャンジャン作りますよー!!」ジュウウ
鎌「おいおい…なにもキャンプ用品まで出す事ねぇだろ。どんだけ料理馬」
夜「あ、食べないんですね?了解しましたー」ヒョイッ
鎌「食べます嘘ですスンマセンしたぁ!!」ズザーッ
雪「食卓で…シェフに逆らっちゃ…だめ」モグモグ
傘「あ!なんか僕のからあげ減ってるんだけど!」ガタッ
猫「…気のひぇいひゃにゃいか?」モグモグ
533: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 13:31:46 ID:bZAFLw.CyI
傘「…一体どの口が言ってるのかな?」メラッ
濡「どうベルちゃん、おいし?」
犬「…ワンッ!」ガツガツ
陸「…でも、本当に良かった。みんなが無事で」ニコッ
鎌「ったりめぇだろ?弟子が頑張ってんのに、師匠が負けるわけにいかねぇかんな」エッヘン
濡「…そう言う割りには、ずいぶんボロボロにされてもたみたいやけど…?」フフッ
猫「陸は強かったぞ!きっとおみゃーなんて、一瞬でやられちゃうにゃ!」ニヤニヤ
鎌「あんだと…?よっしゃチビ!今から勝負だ!」ウオー
雪「やめて、よ…大人気ない」ズバッ
鎌「っ!」ザクッ
534: 名無しさん@読者の声:2012/3/24(土) 19:08:17 ID:wa9yfBBJgA
よし、支援だ
535: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 21:46:07 ID:2a1pYsQwAA
>>534
ありがとうございます、励みになります!
つ堅揚げポテト(コンソメ)
536: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 21:47:49 ID:2a1pYsQwAA
陸「みんな…ううん。
兄ちゃん、晴くん、流華お姉ちゃん、雨、月夜お兄ちゃん、深雪ちゃん、それから…千代ちゃん。
人間の為に、戦ってくれてありがとう。…またこうして会えて、本当に嬉しいや」ヘヘッ
鎌「なんだよ水くせぇな。当たり前じゃねぇか」
濡「そうどすえ?陸ちゃんの大切なモンは、ウチらにとっても大切なんよ」ニコッ
陸「…だから、僕も…嘘なんかじゃなく本当の事、言うね」ギュッ
千「!…(陸…)」
陸「僕には…半分、妖怪さとりの血が流れてるんだ。近づいた相手の心なら、それが人間でも妖怪でも関係なく読めてしまう。
だから…嘘ついててごめんなさい。皆が妖怪だって事、最初から分かってた…っ」フルフル
雪「…」
傘「陸君…」
陸「今は昔よりも力を制御できるようになってきたけど、それでもこれから先…皆に不快な思いをさせると思うんだ。
…だけど…それでも僕は、みんなと…一緒にいたい!」ポロッ
537: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:10:38 ID:2a1pYsQwAA
陸「僕にとって、皆はお父さんと同じくらい大切な家族なんだ!
ごめん…わがままだって…自分勝手だって分かってる。
でも、僕はみんなが…大好きだから…っ!」ポロポロッ
鎌「…
チビ、よく聞け。俺は妖怪鎌いたち。風を操る妖怪だ。
たまに、寝ぼけて天井をぶっ壊しちまうかもしんねぇが…そんときはまぁ、大目に見てくれよな」ニッ
陸「…?」グスッ
流華「ウチは妖怪濡れ女。今はこんな格好やけど、本体はそれはそれは醜い蛇の体どす。
…陸ちゃんが見たら、気絶してまうかも…」クスクス
月夜「私は夜叉。日本最強と謳われた、炎を操る恐ろしい妖怪です。
ちなみに料理を残す人には容赦はしません。よ〜く覚えておいてくださいよ」キラーン
538: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:43:53 ID:2a1pYsQwAA
雪「おら…雪ん娘。
お風呂、凍らせちゃうけど…ごめん、ね?」ペコッ
陸「…っ」ボロボロ
傘「僕は唐傘お化け。本体は一つ目の、気持ち悪〜い妖怪さ」ニヤッ
猫「にゃーは妖怪猫又。…イライラさせることがあったらゴメンにゃ?決して悪気がある訳じゃにゃいのにゃ」ポリポリ
傘「どうだかね…」フッ
陸「ぅう…っ…、みんな…っ!!」ボロボロッ
千「…分かったじゃろ、陸。お主の思いは決してわがままでは無い。
誰かと一緒にいたいというのは、生き物全てが心の底で願っておる事じゃ。
…当然、わしらもな」ニコッ
猫「わーい!これからもみんな一緒だにゃ!!」ウヒョー
鎌「おらチビ、いつまで泣いてんだよ!」ポンポン
陸「えへへ、うん…でも、なんだか嬉しくってさ」グスッ
夜「…さあ、今日は陸君と私たちの家族記念日です!皆さんでお祝いしましょう!」ニコニコ
―ワイワイ―
千「…」
…ズキン…
539: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:42:20 ID:WGYzPBZgJc
陸「あ、そうだ!僕そろそろお父さんを迎えに行かなくっちゃ!きっと待ちくたびれてる」ガタッ
鎌「一人で平気か?なんなら着いて…」
陸「ううん、大丈夫!」タタッ…
千「…っ…陸!!」ガタッ
陸「…ん?」クルッ
千「……いや。
…気を、つけてな」ニコッ
陸「…?…うん。
千代ちゃんも、今日はゆっくり休んでね」ニコッ
タタッ
千「…っ…」ズグン…
濡「?…千代はんどないしたん?顔が真っ青どすえ?
千「…あぁ、さすがに疲れが溜まっておるようじゃ…心配ないさ」クラッ
540: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:44:32 ID:WGYzPBZgJc
狐(ああ…しあわせ〜。夢にまで見た食事、団欒…もう最っ高!
…あれ……妾、なーんか大事なことを忘れているような…?)モグモグ
傘「ねえ疾風…実は、君にお願いがあるんだけど…ちょっとついてきて」ガタッ
鎌「おう、どうしたよ改まって(ラッキー、これで堂々と片付けサボれるぜ)」ガタッ
狐『(お願い…あ!)…ひょうだ、ほっとひゃなは!』トントン
千「え…わらしですか?」キョトン
狐『ひつは、はなはひふぁいぶぁばっ…ゲホゲホッ!!』モゴモゴ
千「あの…せめて口を空に」タラッ
狐『ゴクゴクっ…ぷはあ!ごめんなさい妾としたことが…。
実は、あなたに会いたがってる人がいるんだ。ちょっと付き合ってもらえる?』ガタッ
千「?…わらしに…?」ガタッ
――
千「…わらしは…夢でも見ておるのか…?」アングリ
541: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:46:18 ID:WGYzPBZgJc
狐『今から千年くらい前、一度だけ妾の封印が解けそうになったことがあって…結局その時は不発に終わったんだけれど、妾の意識に一瞬だけ触れた魂があったの。
なんだかこの世に未練ありまくりみたいだったから、消える前に妾の霊力で保護してあげてたんだよね〜』ドヤァ
千「…弥一…!」ポロッ
弥『…じゃから、その名は捨てたと言うとるじゃろ?
…久しぶりじゃな、千代。泣き虫なのは…変わらんようじゃな』ニカッ
千「…ばか、たれ」ポロポロ
弥『ん』
千「…っこのど阿呆!あんぽんたん!気障野郎!」ガーッ
弥『ん…そうじゃな』
千「…このっ…このっ…!」ハアハア
弥『…髪、似合うな』ボソッ
千「…っ!」ヒュッ
パァアン!!
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