男の子が泣いていた。
その子の腕の中は赤くて黒いモノがあった。よく見たら、黒は猫で、赤は血だった。
周りの人間は彼を見て見ぬ振りをする。
何でだろうか。
俺はいつの間にか男の子に声をかけていた。
「その猫、どうしたんだい?」
2: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:05:45 ID:.jcKCcP6YU
男「うあ……夢か」
後輩「どうかしましたか、先輩?」
男「いや、な。昔の夢を見てただけだ」
後輩「そうっすか」
男「つか、なんだ? 例の企画のことか?」
後輩「はい」
3: 名無しさん@読者の声:2011/10/14(金) 20:05:45 ID:ISwT7KiVT6
にげとあんどC
4: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:06:33 ID:ISwT7KiVT6
>>3
さんくす&m9
5: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:11:55 ID:SPfrpNB3IA
後輩「素体となるボディは修復中ですが、治れば何時でも蘇生が可能です」
男「て、ことは何かが足りないと?」
後輩「理解が早くて助かります」
後輩「単なる蘇生はこの組織には赤子の手を捻るぎらい簡単です。」
後輩「ですが、先輩のアレは足りない部品が沢山あります」
6: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:17:13 ID:PJ3eZYY9Oc
男「取りにいかないといけないのか、それらは」
後輩「はい。…………でも、本当にすることなんすか? 無茶がありすぎるっすよ?」
男「まあ、あれだ。組織の科学力を育てるって思ったら大丈夫だ」
後輩「やるのは俺らじゃないから言えるんすよねw」
男「まあなwしかも、約束でもあるしな」
後輩「一年前のっすか?」
男「まあな……」
7: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:24:21 ID:3VMoeRUJGU
男「で、だ。肝心の足りない物は?」
後輩「あ、はい。えーと、
1.人間の死体(15、6歳の少女の体)
2.素体の思い出の物(おそらく飼い主と関係するものがよいと思われる)
3.猫又のDNA」
後輩「最初の2つはともかく、最後のって……」
男「妖怪の猫又だろうな」
後輩「……そんなの現実にいるんすか?」
男「居るんじゃないか。書いているぐらいだしな」
8: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:27:30 ID:oIyqF.vsnw
男「んじゃあ、1つ目は任していいか?」
後輩「了解っす」
男「俺は2つ目のをする」
後輩「……最後のは?」
男「後回しだ」
後輩「手がかりは無しっすか……」
9: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:35:19 ID:QdjjoMbeQY
後輩「人間の死体か……」
後輩「そんな都合よく見つかるのか?」
『昨日未明。〇〇山に散策に出掛けた娘からの連絡が途絶えたと通報があり、警察は──』
後輩「アホなやつだなww一人で山とか──」
『行方不明者の名前は、
篠宮 看子さん、15歳だそうです。しかし──』
後輩「美味い話だな……」
10: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:43:46 ID:u9BCN7IGks
後輩「ボス! 少し良いですか?」
ボス「あら、後輩ちゃん。どうしたの?」
後輩「ちゃん付けは……。まあ、いいや」
後輩「少し取りに行きたいものがあって……」
ボス「部隊を動かしたいの?」
後輩「はい」
ボス「場所と取りにいくもの、その他を話して」
後輩「場所は〇〇山。取りにいくものは篠宮 看子、16歳。その他として、警察に見つからず、尚且つ、警察より早く篠宮 看子を見つけないといけません」
ボス「それって例の企画に必要なの?」
後輩「はい」
ボス「分かったわ。承認するわ。ただし……」
後輩「死んでいないと持って帰ってきてはいけない」
ボス「正解。生きてたらちゃんと返してあげてね」
後輩「わかりました!」
11: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:48:16 ID:1r4cMPRIRY
男「えーと、確か素体の飼い主は……」
男「ったく、このデータベース、使いにくいんだよ」
男「…………………………………あった」
男「あの男の子だな」
男「××県〇×市の…………なんだ俺の家の近くか」
男「明日、会社帰りに寄るか」
12: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 20:56:39 ID:h/zKzQkqaA
男「ただいまー」
妻「あら? あなた、今日は長くなるんじゃなかったの?」
男「まあ、目処が付いたからな」
娘「おとーさん、おかえりー!」
男「ああ、ただいま」
娘「今日ね、またあの子に守られちゃった……」
男「最近、よく話に出てくるあの子か」
娘「うん。でもね、あたしを守ってボロボロになっちゃったの」
娘「でもね、大丈夫だ、って言ってすぐにどこかに行っちゃうの」
男「次に会ったらお礼を言わなきゃな」
娘「うん」
13: ◆l5jAGZ/DL2:2011/10/14(金) 21:03:46 ID:1r4cMPRIRY
男「娘にとって、その子はヒーローなんだな」
娘「うん。でもね……」
男「なんだい?」
娘「あたし、その子の後ろに立つんじゃなくて隣に立ちたい!」
男「そうか。なら、泣いてちゃいけないな」
娘「うん! 明日の明日、おとーさんのところに行っていい?」
男「大丈夫だと思うぞ。皆、娘のことが好きみたいだからな」
娘「わかった!! 約束だよ!?」
男「ああ、約束だ」
妻「はいはい。約束もいいけど、まず、ご飯よ」
男「ああ」
娘「はーい」
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