男の子が泣いていた。
その子の腕の中は赤くて黒いモノがあった。よく見たら、黒は猫で、赤は血だった。
周りの人間は彼を見て見ぬ振りをする。
何でだろうか。
俺はいつの間にか男の子に声をかけていた。
「その猫、どうしたんだい?」
123: ◆l5jAGZ/DL2:2011/12/31(土) 10:56:04 ID:1h4sU4ikJI
後輩「まあ、簡単に言うとな、お手伝いさんだ」
鷹「何を手伝うの?」
後輩「うちとの関係があるマンガ作家さんだ」
猫「どんな関わりですか……?」
後輩「単なる資料提供だ。あの人は現実にないものをかなりのクオリティで書いている。それはうちの資料のお陰だ」
猫「組織の内部写真とかですか? それってダメなのでは……」
後輩「もーまんたい。ボスの考えに基づいているし、ボスからもGOサインは出ている」
124: ◆l5jAGZ/DL2:2011/12/31(土) 10:58:28 ID:Xh00wEirNs
後輩「と、言う訳で鷹にはモデル兼アシスタントとして行ってもらう」
鷹「了解。何時から?」
後輩「今日からだ。早速準備だ!!」
鷹「分かったー」
125: ◆l5jAGZ/DL2:2011/12/31(土) 11:05:21 ID:1h4sU4ikJI
猫(これは……チャンスですね)
鷹「猫ー?」
猫(邪魔な鷹が居なくなることは私も遂に一人立ちができますね)
鷹「ねー、猫ー?」
猫(こうなったら、早々に計画を……)
鷹「えいっ」ムニンッ
猫「ひゃあっ……」ビクンッ
鷹「おおっ、柔らかい」
ムニムニムニムニ
猫「鷹、ななな何を!? あぁっ!?」ビクッ
鷹「猫が気付いてくれないから」ムニムニムニムニムニムニ
猫「取り合えず、揉むのを止めてくださいぃっ!」
126: ◆l5jAGZ/DL2:2011/12/31(土) 11:09:29 ID:Xh00wEirNs
─5分後─
猫「ハァハァ……。け、結局、話は……何れすか」
鷹「単刀直入に言うね」
猫「はい」
鷹「私、猫が好き。だから、私と付き合って」
猫「嫌です。未来永劫に、天変地異が有ろうとも、万物の法則が乱れようと、嫌です」スパン
鷹「即答!?」
127: ◆l5jAGZ/DL2:2011/12/31(土) 11:14:50 ID:Xh00wEirNs
猫「まず、私には主人という心に決めた人が居ます。そして、私たちは少なくとも同性です」
鷹「で、でもぉ……」
猫「まあ、一緒に居るぐらいなら大丈夫ですよ」ハァ…
鷹「猫……」
猫(私も甘いですね)
鷹「大好きぃぃ!!」ガバッ
猫「ちょっと!? 抱き着かないでください!」
128: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/10(火) 07:16:55 ID:I1aDBPdnmg
鷹「それじゃあ、行ってくるね、ファ姉」
猫「はいはい……。頑張ってきてくださいね」
後輩「何かお前にすごく懐いたな」
ファ「後輩も懐かれたかったのですか?」
後輩「欲を言えば、な」
猫「妹としてですか? それとも他の……? どっちにしても男にチクった方がいいですね」
後輩「やめろ」
129: 名無しさん@読者の声:2012/1/10(火) 07:24:13 ID:UQPjzjChP2
久しぶりの更新ktkr!!
っCCCCCCCCCCCCC
130: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/10(火) 07:31:40 ID:I1aDBPdnmg
>>129
支援さんくす
少し朝練があるから、また後でになるや
なぁに、すぐに帰ってくるさ
131: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/10(火) 08:30:39 ID:CCH0sdSK1E
後輩「俺は決して鷹をどうとか思ってないからな! どっちかと言うと大きい方が好きだからな!!」
猫「私のことですか? 駄目ですよ、私は。ちゃんと心に決めた人が居ますから」
後輩「お前はないな」
猫「酷いですねー」
後輩「んじゃ、俺は業務に戻るわ」
猫「はいはーい」
猫「さてと、邪魔者もいなくなったので資料室にでも行きますか」
132: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/10(火) 17:21:47 ID:zPTHuy2lLc
猫「相も変わらず面倒臭いセキュリティですね……。そこまでして隠すようなものでもない気がするのですがね」カタカタ
猫「これでハッキング完了ですね」カタカタカタン
猫「あの人の住所は……」カチカチ
猫「む、少し古いですね……。まあ、行き当たりばったりで行きますか」
猫「そういえば、ここを出る支度もしないといけませんね」
猫「そうと決まれば善は急げです!」
133: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/10(火) 17:32:12 ID:zPTHuy2lLc
医師「良いのかい、行かせても?」
後輩「なんなら、無理矢理にでも止めるっすよ?」
男「構わないだろう。どうせ、その内、外に出すんだからな」
医師「それが早まっただけって言いたいのかい?」
男「ま、その通りだ」
後輩「何かやらかさないか少し心配っすね」
男「心配ならバレない程度にストーカーしておけ」
後輩「気が向いたらっすね……」
134: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:12:17 ID:vpPkJeAQG2
猫「外なうです!」
※ネコミミ等は仕舞っています
猫「久々に外に出ましたけど…………」
猫「変わりましたね、町並み」
猫「さて、主人を探しますか」
135: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:16:34 ID:vpPkJeAQG2
猫「あの……すいません。この写真の人を見たことは……」
市民1「ごめんね……。少し知らないや」
猫「あの、すいません」
市民2「……」フイッ
猫「あのぉ……」
市民3「アンケートとかはお断りしていますので」
猫「……はぁ」
136: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:20:30 ID:vpPkJeAQG2
猫「どうやら変わってしまったのは、町並みだけでなく、人の心まで変わってしまったようです……」
猫「雨……」
猫「昔、主人に拾われた時もこんな天気でしたっけ」
猫「くしゅん!!」
猫「この姿では服が水を吸って寒いです……」
137: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:25:56 ID:aeIOj7e3M6
猫(猫フォームになりましたけど……)
猫(どっちにしてもダメでしたね。こっちはこっちで毛が水を吸います……)
猫(段ボールが暖かそうに見えますね……)
猫(背に腹は代えれません。今日はあの段ボールで我慢しましょう)
??「あー、夕立かよ」
138: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:31:15 ID:aeIOj7e3M6
猫(あの少年から食べ物でも分けてもらいましょうか……)シャラン
少年「ダメだ!! これは俺の晩飯なんだ」
猫(残念ですね……。無理にせがる訳にもいきませんし……)トボトボ
男「ったく」ヒョイ
猫(あれ?)
男「ずぶ濡れじゃねーか」
猫(……この人、暖かいです)
139: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:35:04 ID:vpPkJeAQG2
少年「猫の飯どうしようか……。煮干しでいいのか?」
猫(この人、この家見たことがある気が)ピチャピチャ
少年「って、お前! 濡れた足で床を歩くな!」
少年「ついでに洗ってやるか……」
140: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:41:13 ID:vpPkJeAQG2
猫(にゃ!! にゃ!! 男の人に体洗われ……!!)
少年「こらっ、暴れるな!! 大人しくしろ!!」ゴシゴシ
猫(し、仕方ないですね……。今、暴れても得はないでしょうし……)
少年「やっと大人しくなったか」ゴシゴシ
猫(でも、この洗い方……。何処かで)
141: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 08:47:10 ID:vpPkJeAQG2
猫「む……、何時の間にか寝てしまってましたか」
猫「パジャマ……。裸なのもアレなので着せてもらいましょうか」
猫「それにしても眠いです……」コテン
猫「主人も……探さないと」zzz
少年「〜♪」
少年「なっ!?」ガシャシャン!!
少年「何で女の子がぁ!?」
142: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 09:44:33 ID:aeIOj7e3M6
猫「むぅ……」ムクッ
猫「そう言えば、私は拾われて……」
猫「えっと……取り合えず、この人をソファの方に……」
猫「しかし、この家具の配置の仕方……。あの家とほとんど同じです」
猫「テレビとかは新しいですけど、時計とかは長い間使ってますね」
猫「他人の家をガサ入れするのは気が進みませんが……、仕方ないですね」
猫「この人の部屋をまずしましょうか」ルンルン
猫「でも、このデジャブが気のせいじゃなかったのなら?」
猫「この人が主人、ということに?」
143: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 09:49:59 ID:vpPkJeAQG2
猫「うわぁ……。一杯ありますね……」
猫「ベッドの下にタンスの裏。ベタな所に隠してますねー」
猫「次は机の棚に行きますか」ガララッ
猫「写真立て?」
猫「この黒猫……、尻尾に私と同じ鈴がありますね」
猫「という事はあの人がやっぱり……」
144: ◆l5jAGZ/DL2:2012/1/11(水) 10:43:21 ID:aeIOj7e3M6
少年「ふぁ〜」ムクッ
少年「あれ? 俺、床で寝てたはずじゃ……」
猫「〜♪」
少年「なっ、あっ……あぁっ!!」
猫「あ、主人。起きられましたか?」
少年「は?」
─fin─
145: 名無しさん@読者の声:2012/1/11(水) 10:44:46 ID:dQzi.35icA
乙!
146: 名無しさん@読者の声:2012/1/11(水) 20:39:50 ID:Ys.lOC1fFc
激しく乙!!結局鷹は貰えなかったが楽しかったぜ!!
d(^Д^)b
147: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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