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後輩「先輩、落とし物です」
[8] -25 -50 

1: 1 ◆OFa0FInsIU:2011/11/14(月) 18:32:36 ID:gdR95DCXGs

本格的に寒くなってきましたが、こりずにオカルト系SSを

また支援していただけたら嬉しいです


172: 名無しさん@読者の声:2011/12/21(水) 01:49:33 ID:3R25jpF2So
立場逆転で謎解きはディナーの後で思い出したw
173:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:12:32 ID:CKcIWALllQ
>>172
謎解きw影山も麗子ちゃんも可愛いですよね!

みなさんメリークリスマス!リア充?なにそれ食べれるの?

174:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:12:41 ID:CKcIWALllQ
晩御飯を食べ終え、一息吐く。思ったより疲れた1日だったな。お風呂入っておいで、と祖母に言われた。

「よし、順番じゃんけんしよう」
「さいしょはグー!じゃんけんっ」

ポン、と出された手の形は私の一人勝ちで、よしっとガッツポーズ。後輩と弟は2番目を決めるために白熱している。寝間着を持ち、風呂場へ向かおうとしたら後輩に肩を叩かれた。


175:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:12:49 ID:CKcIWALllQ

「先輩確かここのお風呂、窓がありましたよね?」
「ああ、うん。あるね」
「そっちから見られてる気がしても、振り向いちゃいけませんよ」
「え?」
「水場の窓辺には霊が寄るんですよ。あ、でも、背後に視線を感じたら上にいますよ」
「ちょ、」
「あと、だるまさんがころんだ、なんて考えちゃいけませんよ」
「ねえ、なんでそんな話、」
「それじゃあ、行ってらっしゃい」

どうやら後輩は弟にじゃんけんで負けたらしい。


176:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:12:56 ID:CKcIWALllQ
些かいつもより温度が低い気がするお風呂場からなんとか無事にあがり、上の荷物が置いてある部屋に行くと布団が敷いてあった。

「この部屋姉ちゃんだけだって」
「二人はどこで寝るの?」
「隣の部屋ー。つうか俺、あいつと二人かよ」

それじゃ、俺風呂行ってくると弟が服を持って出て行った。なるほど、さすがに男2女1は部屋別になるなのか。ばたりと布団に倒れ込むと急激な睡魔に襲われた。いいや、少し眠ってしまえ。


177:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:13:03 ID:CKcIWALllQ
ガタンガタンとちゃちな電車の音が聞こえる。鼻につく臭いは血のような、よくわからない気分が悪くなりそうな臭いだった。私が乗っているのは小さな電車。この光景を、私は、知っている。

「次は挽き肉」

不気味な声が聞こえる。この前の続きからか。ウインと聞こえた不吉な電子音に、意識がはっきりする。そういえば次は、私の番だったじゃないか!起きろ起きろと念じながら、ぎゅうと目を瞑る。運転手の不気味な声が私に問う。

「また逃げるんですか?」
「な、にを」
「今夜、またお会いしましょう」


178:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:13:11 ID:CKcIWALllQ

「先輩、大丈夫ですか?」

飛び起きて、視界に入ったのは後輩だった。眉を寄せて私の顔を覗き込む後輩の瞳には心配の色が写っていた。

「うなされてましたけど…」
「また、あの夢を見た」
「猿夢の続きですか」

こくりと頷けば、後輩は眉を下げ困ったような顔になった。

「2回目ですか」
「しかも今夜また、って言われた」
「やばいですね」
「だよね」


179:
◆OFa0FInsIU:2011/12/24(土) 20:13:30 ID:CKcIWALllQ
「なにしてんの」

がちゃりとドアが開き、弟が濡れた髪を吹きながら入ってきた。顔を見合わせる私たちを見て、怪訝そうに首を傾げる。

「あ、ねえ。今日君こっちで寝てよ」
「はあ?なに言ってるんですか?」
「ちょっと、緊急事態なんだ」

後輩が弟をなんとか頷かせ、私の手を引き隣の部屋へ移る。

「僕がいれば平気ですよ」
「そんな自信満々な」
「先輩には昔、借りがあるので。」

猿夢なんかに負けさせません、と後輩が笑う。

「僕が嘘つきじゃないって、信じてくれるでしょう?」
「…うん。」

大丈夫だと根拠なんてなくても思ってしまえるのは、彼の瞳に涙は無く、強く私を見つめていたからだろうか。


180: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 21:39:24 ID:yuq3.6YHeE
C
先輩にはついちご牛乳
後輩にはつあんまん
181: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 00:58:17 ID:fTO77Z9Njg
あれあれなんかドキドキしてきたぞ。

182: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 20:32:59 ID:zTNCLrUT72
後輩に っ朝の余りの肉まん
先輩に っトッポ&いちご牛乳
183:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:06 ID:ML6LWqC7eY
>>180
支援ありがとうございますー!
先輩「ありがとう」
後輩「おしい!甘い!」

>>181
それが…恋です…(ドキドキ

>>182
後輩「パサパサだ…だけどやっと肉まんですよ!」
先輩「ああ、良かったね?」


さあ、次で最後です。
184:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:15 ID:ML6LWqC7eY

「先輩、僕があげた御守り持ってますか?」
「うん」

お風呂から上がって来た後輩に言われ、鞄を探りいつか貰った御守りを取り出す。

「とりあえずそれ、身につけておいてください」
「了解」

言われた通り寝間着のポケットにそれを入れる。ガチャッと扉が開き、弟が顔をのぞかせた。

「UNOやんない?」

トランプでもいいけど、とどこかから引っ張り出してきたUNOとトランプを見せる弟に、後輩と二人で顔を見合わせてから頷いた。


185:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:26 ID:ML6LWqC7eY

「ウノ!」
「ドロー4。で、ウノ」
「ここに来て4枚…」
「ドンマイ。私あがりー」
「俺もあがり」
「また負けた!」

だあああと頭を抱える後輩とそれを見て指を指して笑う弟。私もクスクスと笑いながらそんな光景を見る。ちらりと時計を見れば、すでに12時を回っていた。このまま朝になってしまえばいいのに、そう思った矢先に弟が立ち上がった。

「じゃ、俺そろそろ寝るから」
「あ、おやすみ」

ヒラヒラと手を振る後輩に、私も釣られて手を振る。小さく押さえていた不安が、泣き出してしまいそうなくらい大きく膨れ上がっていく気がした。


186:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:34 ID:ML6LWqC7eY

布団の上で、ぼんやりとしていたら急激に意識が睡魔に襲われる。他愛のない話をしていた後輩の声が遠くに、耳鳴りに飲み込まれていく。

「おやすみなさい、先輩」

やけにそれだけはっきり響いた後輩の声を聞いて、意識はすっかり闇に落ちていった。


187:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:42 ID:ML6LWqC7eY

ゆっくりと夢の中で目を開けば、さっき見た電車が見える。背筋に冷や汗が伝った。

「お待ちしておりました。では、続きを」

ウィンとまた機械音が響く。チェーンソーがちらりと視界の端にうつる。ああ、本格的にまずいんじゃないか?ポケットを探り御守りを握る。ピリピリと空気の振動を感じるくらいチェーンソーが近づいている。息を呑み、ぎゅうと目をつむる。

「先輩!」

鼓膜に届いた声と、引かれた腕に反射的に目を開けた。


188:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:32:55 ID:ML6LWqC7eY

引かれたことに寄って体が大きく後ろに逸れる。もとあった場所にはチェーンソーが宙を切った。ひとつ後ろの席に後輩がニヤニヤと笑いながら座っていた。

「飛び降りますよ!」
「は、え?」
「先輩、これはおもちゃの電車なんですよ。遊園地で子供が乗るような。速度も速くありません」
「あ、」

今まで、起こっていることにしか注目していなかったせいか、速度など考えてもいなかった。

「いっせーのー、」

手を繋ぎ直し、せ、のかけ声で電車から飛び降りる。真っ暗だった世界の地面に足を着ける。車掌は怒ったように声をあげていたが、なんて言ったかは聞き取れなかった。


189:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:33:08 ID:ML6LWqC7eY

明るい方へ、暗闇を走り抜ける。光は次第に大きくなり、少し前を走る後輩の髪をキラキラと照らしていた。






「おはようございます、先輩」

ぱっちりと起き上がると、後輩が笑っていた。数分しか寝ていないようなずっと寝ていたような。とりあえず、窓の外には朝日が溢れていた。

「えーと、」
「夢じゃないですよ。いや、夢ですけど」
「そんなトトロみたいな」

夢だけど夢じゃなかった!なんて笑えない。ただ手は繋がれたままだった。

「二度寝しますか?」
「そうしようか」

額を突き合わせ、二人して笑い合う。ごろりと布団にもう一度寝転がれば、やわらかな微睡みに落ちていく。

繋いだ手は、あたたかい。


190:
◆OFa0FInsIU:2011/12/25(日) 21:36:01 ID:NJQCaBM7CM
これにて第二期終了です。
最後までお付き合いありがとうございましたー!!後半戦ぐだぐだになってしまって申し訳ありませんでした…。なにがともあれ、コメントや支援、絵を描いたりしてくださった皆様、ありがとうございました!

そしてそして、1のときみたいに需要があればリクエストか番外をやろうと思ってます(・ω・*)リクエストがあればドゾー!

191: 181:2011/12/25(日) 21:55:55 ID:qg1eb06PPw
どうやらあのドキドキは1に恋をしていたかららしいぞー!
毎回楽しませてもらった!
本当にありがとう!
番外編、動物霊とかどうだろう。

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