人と竜、本来相容れない存在が交差する物語
モンハンSSを書かせていただきます
このSSは短編集みたいな物で一話完結のお話を
作者の妄…想像が続く限り書いていこうと思います
後、擬人化擬竜化の表現があるので苦手な方は
ご回覧なられないことをおすすめします
尚、1日一話更新を目指します。よろしくお願いいたしますm(__)m
2: さぎし:2011/11/27(日) 15:14:07 ID:UdCBQzYwOk
【王者の苦悩】
今日は厄日か?
ボロボロになった体を引きずりながら悪態をつく
俺の名前はリオレウス
回りからは「空の王者」と呼ばれている
なんどこんなにボロボロなのかって?ハンターに襲われたんだよ
なんとか一人を集中的に狙って三乙させたが…
ありゃ、かなりの腕前だったな〜
とりあえずすぐに巣に戻りたい、ていうかこれ生き残れるか?
野垂れ死ぬのも悪くないかな…
そう思いながらも目を閉じた時
「見つけたわよ!!リオレウス!!」
今日は厄日か?
3: さぎし:2011/11/27(日) 15:20:18 ID:m4Uz9RrgRI
声のする方向に首を向けると、威勢のいい声とは裏腹に可憐とも思える小柄な女ハンターが立っていた
レイア装備っていったっけ?に身を包み、手には不釣り合いなハンマーを持ってこちらを威嚇している
「やれやれだ」
俺が唸ったのを勘違いしたのか、ハンターは
「開戦の合図って訳?いいじゃない!!」
ハンマー片手に走ってきたのだが…
お嬢さん、真っ直ぐ過ぎやしないかい?
バックブレス余裕ですた
「きゃうぅ!!」
意外に可愛い声を出して吹っ飛ぶ女ハンター、まあレイア装備だし死にやしないだろ
「わわっ消えろ!!消えろ!!」
夢中で前転しまくってる
何?あの可愛い生き物
4: さぎし:2011/11/27(日) 15:26:28 ID:m4Uz9RrgRI
「よくもやったわね!!今度はこっちからいくわよ!!」
先に仕掛けたのはそっちだろうに…言葉が通じないから弁解も出来んが
そしてまた真っ直ぐ来るないい加減学習してくれよ
今度は飛び上がる
風圧で吹き飛ばしてみる
「わー!!」
このお嬢さん…戦う気があるのかね?
やってられないから逃げる事にする、ヘタレサーセン
だが…不意に体に激痛が走った
先程の戦いの傷口が開いたみたいだな…
仕方ないからその場に倒れ伏す
「え!?え?な、なに?なんなのよ?」
混乱してる…まあ、無理もないな、いきなり倒れこんだんだから
5: さぎし:2011/11/27(日) 15:38:09 ID:UdCBQzYwOk
「よ、よくわからないけど…」
おーい、このお嬢さんの親御さん出てこーい
倒れこんで動けないとはいえ、普通武器をしまって近づくか?
遂には手を伸ばせば届く距離まで来た
「っ!?あんた!!ボロボロじゃない!!」
悪かったな、傷物で
不機嫌を訴える為に唸ってみる。一瞬ハンマーに手が伸びたのが見えた
「どうしよう…」
おいおい、このお嬢さん何する気だい?
俺は僅かに動く頭で彼女の腰にあるハンマーをつつく
「え?何?これ?」
彼女がハンマーを抜刀したので首を振るジェスチャーで大きく振りかぶって降り下ろすように伝えた
「・・・止めを…刺せって?」
俺はふんふんと頷いた
物わかりが早くて
いい子じゃないか
6: さぎし:2011/11/27(日) 15:52:21 ID:m4Uz9RrgRI
来るであろう衝撃に心踊らせながら待つ
別にどMじゃないからな?
・・・なんで来ない?
目を開けるとなにやらアイテムポーチをゴソゴソしてるお嬢さん
そしてなにやら取り出した黄色の小瓶
「モンスターに効くかどうかわからないけど…飲んでみて」
そして半ば無理矢理口の中に押し込まれる
・・・苦っ
だが体が軽くなり痛みが無くなるのを感じた
体を見てみると傷口が完全に塞がっている
嬉しくて思わず
咆哮してしまった
「うわーーー!!」
あ、この子いるの忘れてた
7: 1:2011/11/27(日) 16:04:14 ID:UdCBQzYwOk
感謝と謝罪を込めて
顔を舐めてやる
「ひゃっ!!くすぐったい!!」
うーむ、新鮮な反応
嬉しいので顔をなめ回していると、不意に手で遮られた
どうしたかと見てみると彼女と目があった
「なんであなたを治したか…わかるよね?」
ああ、わかってるさ
彼女から離れて臨戦態勢をとる
彼女もハンマーを構えて今までに見せたことのない顔つきをしている
はっきり言おう
惚れた
「やあぁぁぁぁ!!」
彼女が全身に力を込めて突進してくる
ここで手加減したら失礼だろう
俺は全力で彼女を迎え討った
8: トキ:2011/11/27(日) 16:54:24 ID:RXwsYJSRA.
おかえり
さぎしたん(≧ω≦)
9: さぎし:2011/11/27(日) 16:59:59 ID:w.7DrG1zg2
>>8
ただいまです♪
後、コテは外しといて下さいね
10: トキ:2011/11/27(日) 17:02:22 ID:VwxIAK9LCQ
おかえり
さぎしたん(≧ω≦)
11: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 17:04:02 ID:gdsRLqBUn.
(´CωC`)
12: さぎし:2011/11/27(日) 17:09:16 ID:l5W1Sce4Lg
「ふう…」
30分にも及ぶ長い死闘にようやく決着がついた
勝ったのは私
今は虫の息のリオレウスの側に腰を下ろしている
「凄く…強かったよ」
今は息絶え絶えなリオレウスに語りかける
もちろん言葉がなんてわからないから意味無い事なんて分かってる
「グルルルル」
リオレウスが唸る
早く止めを刺せと言わんばかりに
「もし、もしもだよ…あんたが生まれ変わって人間になったらさ…あたしの所に来なよ」
竜が人間になる
そんなのおとぎ話でしか聞いた事がない
それでも私はそれにすがりたかった
私は静かにハンマーを振り上げ
「またね」
呼吸を整えて、降り下ろした
13: さぎし:2011/11/27(日) 17:10:22 ID:w.7DrG1zg2
>>11
支援感謝です♪
ちょっwww可愛いwww
14: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 17:14:47 ID:O2Dmey52w.
さぎしたんキタ━(゚∀゚)━!
つC
つラッキーラッシー
15: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 17:18:29 ID:KYyA7Wj2II
考えてたネタと被ってしまった……
悔しい!! でも、支援しちゃう!!ビクンビクン
16: さぎし:2011/11/27(日) 17:21:08 ID:w.7DrG1zg2
ほっとく訳にもいかないので、息をしなくなったリオレウスから素材を剥ぎ取りにかかる
「あ…紅玉」
火竜の紅玉
かなりの希少な素材だ
「ヒックグス…」
涙をこらえきれなかった。たった数分とはいえ過ごしてついさっきまでは死闘を繰り広げていたこの火竜を殺してしまったことを…
でも、私はハンター
殺らなきゃ、殺られる
「報告…しないとな」
ネコタクを呼んで
村に帰る
アイルーは私を見て
怪訝な顔をしていたが
何も言わずに出してくれた
17: さぎし:2011/11/27(日) 17:22:52 ID:l5W1Sce4Lg
>>14
ちょ!!
そんなに期待しないで!!
支援とラッシーありがとうございます♪
>>15
支援感謝です♪
えっと…すいませんでした
18: さぎし:2011/11/27(日) 17:26:48 ID:l5W1Sce4Lg
「あいあい、確かにリオレウスの討伐を確認しましたよっと」
「・・・はい」
「どうかしたんかの?」
「なんでもありません」
村長から報酬を貰って家に帰る
今日は色々と疲れたからキッチンアイルー達に
スタミナがつく料理でも作ってもらおう
そう考えながらベッドに倒れこむ
「ぐぇっ!!」
19: さぎし:2011/11/27(日) 17:32:08 ID:w.7DrG1zg2
「!?」
ムギュっとした音と共に何かが呻いた音がした
急いで布団をめくると
赤い髪で綺麗に整った顔立ちで、蒼の瞳が印象的な男がいた
「だ、誰!?」
「あ、えと…」
混乱してはいるが、私にはある一つの確信があった
「もしかして…リオレウス?」
「!!」
ブンブンと首がとれるくらいに振る
「な、なんで…」
「またねって、言ってくれたから…」
「そ、それだけのために?」
「それに…人間になったら、お前の所にこいって」
20: 1:2011/11/27(日) 17:38:29 ID:l5W1Sce4Lg
最初は訳がわからなかったが…次第に涙が溢れてきた
「!!ど、どうした!?なんかしちゃったか!?」
「違う…違うの…」
「え?」
「嬉しいの…また、会えた」
私は顔をクシャクシャにしてレウスに抱きついていた
「ごめん」
レウスは謝りながらも頭を撫でてくれた、それが気持ちよくて思いっきり擦りよった
「ねぇ」
「ん?」
「これから、よろしくね?」
「こちらこそ」
三日後、ハンマー使いの女ハンターとレウス装備の男ハンターが結婚し
仲睦まじくいつまでも幸せに過ごしたが
それはまた、別のお話
【王者の苦悩】
完
21: 名無しさん@読者の声:2011/11/28(月) 13:04:41 ID:Iq/FZsJprc
またさぎしたんのSSが読める(*´∀`)つC
22: さぎし:2011/11/28(月) 13:10:37 ID:ElWhNBG81s
>>21
期待に答えられるかわかりませんが
頑張りますね
支援感謝です♪
23: さぎし:2011/11/28(月) 21:48:14 ID:Sw0MpfAOAk
【渓流の音楽隊】
俺の名前はホルン
一応ハンターだ、狩猟笛を使わせてもらっている
さて、いきなりの自己紹介すまないとは思ってるが詳しい事は省略させてくれ、今は切羽詰まってるからだ
まず今の状況を軽く
説明させてほしい
なに、そんな奇想天外な状況じゃないんだ
渓流なのにボルボロスがいるとか、ジンオウガが何故か木の上で寝るというナルガクルガの真似事をしてるとか状況じゃない
何故なら…
何頭ものクルペッコに取り囲まれているだけだからな
24: さぎし:2011/11/28(月) 22:11:46 ID:uZn9xXorvI
なあ、皆さん
そんなにガン見しないでくださいよ…
こちとら上位入りたての駆け出しハンターなんだからね?見てこれ、まだハンターSなんだよ?
途方にくれながらも
一頭のクルペッコを見る
うん、スゲー目を爛々と輝かせてこっちを見てくる。うん、こっち見んな
何を隠そう、今俺を視線で穴を開ける程に凝視してるこのクルペッコこそがこの事態を招いた張本人(ん?張本竜か?)なのだ
これを説明するには少しばかり時間を戻す必要がある
というわけで
回想スタート☆
25: さぎし:2011/11/28(月) 22:36:55 ID:uZn9xXorvI
〜〜〜10分前〜〜〜
俺はハチミツやらなんやらが欲しくて渓流の素材ツアーに出ていた
ハンターってつらいね
上位ハンターがぼやいてみる
ハチミツを採ってる時に気がついたんだが、クルペッコが鼻提灯出しながらスピスピ寝てたのを発見した
意外に寝顔は可愛らしいなと思いつつハチミツを採ってたんだが…
後ろからジャギィに押され、つい寝てるクルペッコに寄りかかってしまった
ジャギィこの野郎!!
悪態の一つでもついてやりたかったがジャギィはスタコラと逃げ去っていた
逃げ足の早いやつめ
肝心のクルペッコは寝起きで寝惚けてるのか
フラフラと足取りがおぼつかない
これはいける!!素早く抜刀し移動力が上がる旋律を吹き逃げるが勝ちだ!!
26: さぎし:2011/11/29(火) 00:16:54 ID:uZn9xXorvI
そう…そこで抜刀しなければ良かったのだ…
抜刀した直後に覚醒したクルペッコが一鳴きしたのを聞いてパニックに陥った俺はろくに旋律も整えず吹いてしまった
ああ…終わったな、こりゃ演奏が止められる筈もなく馬鹿みたいに吹き続ける俺
笑いたきゃ笑えよorz
だが、いつまで経っても、クルペッコが動かない
怪訝に思い演奏を止めると…何故に期待する眼差しでこちらを見ておられになっておいでですかな?
困惑する俺をよそにクルペッコは火打石をカチカチ鳴らし始めた
おいおい、まさかそのまま突っ込んで来るんじゃないんだろうな?
27: さぎし:2011/11/29(火) 00:23:53 ID:uZn9xXorvI
そのまさかだった
火花を発しながらこっちに突進してくるクルペッコ
まずいって!!
急いで俺は前転回避で
右に逃げた
見ると何故かクルペッコはこちらを見つめている
そして不満げに
「クェ」
と、鳴いた
何がなんなのかさっぱりわからないがとりあえず敵意は無いらしい
恐る恐る近づいてみる
クルペッコは動かない
遂に手を伸ばせば触れる位置まで近づいた
それでもクルペッコは動かない
手を伸ばしクルペッコの喉、つまり発声器官に触れてみる
「クルルルルル」
満足そうに鳴くクルペッコを見て可愛いと思ってしまった
28: さぎし:2011/11/29(火) 00:31:13 ID:uZn9xXorvI
不意になにやら温かいものに包まれる
上を見るとクルペッコが俺を抱き抱えるように羽で包み込んでいた
火打石を使っているからかほんのり温かい
その温かさを味わっているとなにやら体に浮遊感が・・・
クルペッコが俺をくわえていた
やっぱ食べるんかい!!
そう突っ込もうとしたときに、器用に首を動かし俺を背中に乗っけて飛びたった
風を受けながらクルペッコの背に掴まる
中々の絶景だった
空を自由に、飛びたいな〜
なんてフレーズが出そうになるのを堪えてたら
いつの間にか到着していたらしい
クルペッコの背から降りると、クルペッコがなにやら鳴き声を発した
気がついたら…
何頭ものクルペッコに囲まれていた
29: さぎし:2011/11/29(火) 00:39:47 ID:OQjkwj5YxQ
〜〜〜回想終了〜〜〜
そして現在に至る訳だ
何がしたいのか全くわからない、助けを求めるように連れてきたクルペッコを見るが…
爛々とした目を見て無意味だと悟った
どうすればいいのかわからない、逃げようにも囲まれてちゃ逃げられない
乙する覚悟で戦うか?ベースキャンプにも戻れるし一石二鳥だな
だが、危害を加えてこないモンスターを攻撃するのは気が引ける・・・
そこ、甘いとか言うな
試しに抜刀して脅かしてみようと思い抜刀してみた
途端にクルペッコ共の視線が集中する。ミナイデー
30: さぎし:2011/11/29(火) 00:44:45 ID:uZn9xXorvI
「もしかして…」
俺は頭の中である仮説を立てる
もしかしたらこいつらは待ってるのかもしれない、俺が演奏するのを
もちろんこんなのあり得ないとわかっているし状況が状況なら自意識過剰乙wwwとか言われてもおかしくないのである
だか…今はこの仮説を信じたかった
先程のクルペッコの行動はどちらかと言うと攻撃ではなかった気がする
火花も小さかったし
何より、攻撃する気なら羽で包まないだろ
クルペッコ達を見据えながら俺は高らかに笛を吹き鳴らした
31: さぎし:2011/11/29(火) 00:58:04 ID:OQjkwj5YxQ
「クェーー♪」
「クエ♪クエ♪」
「クエ♪クェー♪」
「クゥワ♪」
俺が笛を吹くと同時にクルペッコ達が一斉に鳴き出した
それぞれに特徴のある
音程を奏でているが
はっきり言おう
雑音だった
俺は無言でアイテムポーチを探り音爆弾を取り出すと大合唱しているクルペッコ達の中心めがけて放り込んだ
ガギィィィン!!
高周波の音が鳴り響き
合唱を止めさせる
32: 名無しさん@読者の声:2011/11/29(火) 01:07:28 ID:O2Dmey52w.
やめたげてーw
支援
33: さぎし:2011/11/29(火) 01:20:48 ID:uZn9xXorvI
>>32
クルペッコが、合唱を、止めるまで、私は、音爆弾を投げるのを、止めない!!
支援感謝です♪
後、皆様にお詫びと謝罪をしなくてはなりません
1日一話完結を目指すと宣言しましたが…
早速終了のお知らせが
ていうか諸事情により
今日(?)の投下を終了致します
皆様には誠に申し訳ないと思っております
明日はこの続きから再開したいと思います
ここまでのご回覧
乙狩れ様でした♪
34: 名無しさん@読者の声:2011/11/29(火) 02:02:59 ID:6lQB3A7Rtk
今までさぎしの作品好きだったけどこれは自分的にはだめだった
35: さぎし:2011/11/29(火) 06:31:02 ID:X/e8SDb5uw
>>34
人間好き嫌いがありますからね
嫌いなら嫌いとはっきり仰ってくれても構いませんよ
今まで会話文に地の文
という感じで書いていたので違う書き方をしようと思ったんですよ
しかし、>>34さん的にはこれはないと
ご意見ありがとうございました
お見苦しいかとは思いますがもう少し続けさせてくださいm(__)m
36: さぎし:2011/11/29(火) 08:40:49 ID:WAMP9I3Be6
「クエ!!」
「クェ!クェ!」
「クェーー!!」
口々に不満げに鳴き声をあげるクルペッコ達
俺がもう一度音爆弾を振りかぶると、分かっているのかピタッと止まる
理解が早くて助かった
無駄に音爆弾を消費する所だった
「あのなあ、音楽ってのは一人でやるんじゃないんだよ、もちろん一人でやるやつもあるが折角こんだけ数が揃ってるんだから、お互いの音を理解した上で演奏するべきだろ」
小さいころは音楽家を
目指していたので
この手の話題には結構話せる方だ
「とりあえず各々が出せる音域を確かめるから一匹ずつ音を出してみてくれ」
37: さぎし:2011/11/29(火) 19:03:41 ID:8C0o4sgn8A
それぞれの出せる音域を確かめてみたが
悪くない、寧ろ良い
綺麗な音を奏でている
なのに何故あんな雑音が…
きっと好きなものを混ぜても必ず美味しくなるとは限らない理論の派生だろう、きっとそうだ
そしてまたもや後で気がついたんだが、どうやらこいつらは言葉を理解出来るらしい。命令を聞いたときは正直びっくりした
元がいいなら教えるのはそんなに苦労はしない
俺は笛を吹きながら一匹一匹に出せる音域の確認をさせ、練習させた
38: さぎし:2011/11/29(火) 19:10:16 ID:tP/EhEtJvg
練習の結果、クルペッコ達は驚くほど飲み込みが早くて、すぐに理解してくれた
なんとなく音楽に通じる部分があったんだろう
昔を思い出しながら
狩りの事をすっかり忘れていた
「いいぞ、そっちはその音域で…あー、違う違うこっちはこの音程で頼む。いや、お前はこの音階を・・・あ!!」
突然でかい声を出した俺をびっくりしたように見つめてくるクルペッコ達
俺はすっかり忘れていた。クエスト制限時間を
持ってきていた時計を見てみると…後、何分もなかった…
「まずい!!帰らねーと!!」
俺は急いでエリア移動をしようと走り出したが…クルペッコ達が行く手を遮る
ええい、今は立ち止まってる場合ではないのだ!!
39: さぎし:2011/11/29(火) 19:17:30 ID:tP/EhEtJvg
俺はアイテムポーチから音爆弾を取りだし投げつける
ガギィィィン!!
本日二回目の音爆弾
聞いてていい思いはしないが背に腹は変えられないだろう
クルペッコ達が怯んだ隙に脇をすり抜けようとすると、一頭のクルペッコが立ち塞がった
爛々とした目をした
初めて会ったクルペッコである
「退いてくれ!!急いでるんだ!!・・・邪魔をするなら」
俺は背に担いでいる狩猟笛に手を伸ばしながら威嚇する。言葉がわかることを期待しているが、退かないなら戦闘は避けられない
心苦しいが今は自分を鬼にしなくては
クルペッコは怯えもせずにこちらを静かに見つめたままだ
40: さぎし:2011/11/29(火) 19:25:37 ID:8C0o4sgn8A
「・・・チガウ」
こいつ・・・喋るぞ!?
「ジャマ、シナイ。ワレラウタウタウ。オマエオシエル…クェ」
「だから教えただろ?頼む!!帰らなきゃいけないんだ!!」
「・・・ナマエ」
「?」
「ワレラ、ココニアツマル、オマエクル、ナマエヒツヨウ、クェ」
「・・・つまり、俺の名前が知りたいって事か?」
「クェ!!クェ!!」
「わかった!!わかったって!!」
「はあ…俺の名前はホルンだ、よろしくな」
「ホルン!!ホルン!!」
「な、なあ?もういいよな?」
「ホルン、クル、ワレラ、ウタウタウ。アツマル、クェ!!」
「・・・」ボン!!
「クェ!?」
これ以上いても埒があかなそうだったのでモドリ玉で戻った
41: さぎし:2011/11/29(火) 19:33:33 ID:tP/EhEtJvg
村に帰った俺を出迎えてくれたのは、やや申し訳なさそうな顔をした村長さんだった
「お帰りなさいませ、ハンター様、それと申し訳ありません」
「なにかあったんですか?」
「ハンター様に依頼した渓流の素材ツアーですが…実は最近クルペッコが近辺に姿を現すようになっているんですよ」
「!!」
「今はまだ被害がありませんがもしかしたらハンター様に討伐を依頼するかもしれません」
「・・・そうですか」
42: さぎし:2011/11/29(火) 19:42:23 ID:tP/EhEtJvg
村長の話を聞いて
俺は少々やりきれない気持ちになった
いくら人語を理解するとはいえ、あいつらはモンスター、俺達人間に危害を加えないとは絶対に言い切れない…
でも、俺はあのクルペッコ達は人を襲わないんじゃないかと薄々思っていた。あのクルペッコ達ならきっと上手くやってくれるだろうと
だがそれはあくまでこちらが何もしなければの話
この村には俺以外にもハンターはいて、そいつらがクルペッコを狩らないとは言えないし、ましてや狩られたのが自分達の仲間だと知ったらあいつらはどういう気持ちになるだろう
「わかりました…クルペッコ討伐の件は考えておきます」
「今すぐじゃなくてもよろしいですからね?」
「え?」
43: さぎし:2011/11/29(火) 19:47:46 ID:tP/EhEtJvg
「クルペッコ討伐は今すぐじゃなくてもよろしいですよ」
村長の言葉に耳を疑った、まさか?いやそんな…
「何故?」
「まだ被害も出ておりませんし…偶々この地域に来ただけかもしれませんしね…それにみだりに生態系を崩すような行為はギルドに禁止されておりますから」
「つまり、クルペッコが被害を加えない存在と分かれば、討伐はしなくてもいいという事ですか?」
「そうですけど…一体どういう意味で…」
「ありがとうございます!!村長さん!!」
「はあ…」
この時村長さんをマジでイケメンだと思った
村長さん女性だけど
44: さぎし:2011/11/29(火) 19:51:20 ID:8C0o4sgn8A
「・・・ハンター様にはなにやら事情がおありのようですね」
「う…」
この人はエスパーか?
「ハンター様がクルペッコが安全な存在だと皆さんに伝える事が出来れば…どうにかなるかもしれませんね…」
「!!」
「まあ、私は何も聞いてませんからなんとも言えませんが」
「村長さん…」
「頑張ってくださいね」
「はい!!」
俺は久し振りに浮かれた気分で家へと向かった
45: さぎし:2011/11/29(火) 20:36:32 ID:tP/EhEtJvg
家に帰ると早速俺は
紙と筆を取った
「楽譜を書くなんて久し振りだな…」
そんなことぼやきながら筆を滑らせる
うん、中々にいい調子だ
俺の中では既にある企画がまとまっていた
クルペッコ達による
コンサートだ
もちろん成功率は限りなく低いが、もしも生活すればクルペッコ達が狩られる可能性は間違いなく減るだろう
・・・あれ?なんでクルペッコを庇うような立場になってんだ?
「名前か…」
筆を置き、あのクルペッコのいった言葉を復唱する
仲間をまとめていたのもあいつだし、あいつだけは言葉を話せた
「あいつの名前も、考えてやるか」
そんなことを考えながら筆を滑らせ始めた
46: さぎし:2011/11/29(火) 20:46:24 ID:8C0o4sgn8A
気がついたら、辺りはかなり暗くなっていた
熱中すると周りが見えなくなるって本当なんだな…
ろくに飯も食べてないのに気づいてアイルーを呼ぶ
「おーい、すまないが飯を作ってくれないか?」
「ガッテンですニャ!!旦那さん!!」
「旦那さんのご飯は僕が作るニャ!!」
「ムサシ!!生意気だニャ!!」
「コジロウこそ!!」
ニャーニャーニャーニャーニャー
「メニューは何になさいますかニャ?」
「スタミナがつく奴を頼む」
「かしこまりましたニャ」
「いつもすまないな、サクラ」
「お気になさらず」
47: さぎし:2011/11/29(火) 20:52:00 ID:8C0o4sgn8A
さて…サクラが作ってる間にいける所まで進めるか…
ただその前に
「大体ムサシはいつも僕の邪魔をしてくるニャ!!」
「コジロウが僕の攻撃範囲に入ってくるのがいけないニャ!!」
「怒ったニャ!!決闘ニャ!!」
「がんりゅーじまで決闘だニャ!!」
「おい、そこの毛玉二匹」
「「ギニャ!?」」
取っ組み合いの喧嘩に発展しそうになるのをチョップで止める
「それ以上騒いだら次からオトモ解除するぞ?」
「な!?旦那さん!!」
「堪忍、堪忍ニャ…」
「わかったら静かにしててくれ」
「「すみませんニャ…」」
48: さぎし:2011/11/29(火) 22:28:04 ID:tP/EhEtJvg
すっかり落ち込んでる二匹を無視してサクラの作ってくれた料理を食べることにする。うん、旨い
「いつもながらサクラの料理は旨いな」
「ありがとうございますニャ」
「むう、このままじゃサクラのなつき度がうなぎ登りなのニャ」
「ていうかもうMAXなのニャ」
「お前らもだろがwww」
メニューは肉を中心にしてピリ辛の味付けをしてくれた。実に的確だ
「本当にいいアイルー達を雇ったな」
「だ、旦那さん!!」
「一生ついていきますニャ!!」
「大袈裟過ぎだろwww」
49: さぎし:2011/11/29(火) 23:56:55 ID:tP/EhEtJvg
短編集なのに長い!!
クルペッコ編が終わらないぃぃぃぃぃ!!
オチとか終わりとかは
頭の中では出来てるのにそれを上手く文に出来ない(´・ω・`)
ああ…文才が欲しい
今日の投下は終了に
なります
明日か明後日には
クルペッコ編を終了させないと・・・
ここまでのご回覧
乙狩れ様でした♪
50: さぎし:2011/11/30(水) 10:15:57 ID:gP4JtfV4Ig
〜〜〜翌日〜〜〜
俺は書き上げた楽譜を
片手に渓流に来ていた
来たはいいが…一つだけ問題があった
「どうやって会えばいいんだ?」
昨日クルペッコと出会ったのは全くの偶然でありどこにいけば会えるのか全くわからなかった
「しらみ潰しに探すか…でも、時間がかかるしなぁ…」
途方にくれている俺を見かねてムサシが助言をしてくれた
「千里眼の薬を使ってはいかがですかニャ?」
「ムサシ!僕の考えを読むニャ!!」
「先に考えたのは僕ニャ!!」
ニャーニャーニャーニャーニャー
「さて、どこにいるんかな…苦い」
千里眼で場所が分かったので移動する
毛玉二匹?ほっとく
51: 名無しさん@読者の声:2011/11/30(水) 18:22:47 ID:1wh9jtz0AQ
だんなたんさんじょう!
支援
52: さぎし:2011/11/30(水) 18:25:18 ID:FsedaSvsrA
千里眼が示す場所に着くとあのクルペッコがしきりに周りをキョロキョロしているのが見えた
うん…可愛いとか、思ってないんだからね
飛び立とうとするのをペイントボールで阻止する、こちらに気づいたクルペッコが
「ホルン、キタ、ホルン、キタ!!」
「クェクェクェクェクェ」
何事かを叫んだ後、周りに向かって何かを知らせるような感じで鳴き始めた
すると何頭ものクルペッコが降臨
雰囲気からして恐らく
昨日の奴らで間違いないだろう
53: さぎし:2011/11/30(水) 18:26:14 ID:FsedaSvsrA
>>51
[壁]_-)・・・支援感謝
[壁]つ愛
54: さぎし:2011/11/30(水) 18:30:50 ID:5Hag5NEFy2
「ニャー!?クルペッコが大量に出てきたニャ!!」
「旦那さん!!ここは撤退ニャ、数が多すぎるニャー!!」
「お前ら落ち着け」
「こ、怖いけど、旦那さんは僕が守るのニャ!!」
「ムサシ!!僕もいるのニャ!!」
「「こい!!旦那さんには指一本触れさせないのニャ!!」」
「・・・」
俺は無言で(←ここ、重要)で大樽Gを取りだし
「ステンバーイ、ステンバーイ」
チュドーン!!
「「ギニャー!!」」
二匹には悪いがしばらく寝ててもらおう
55: さぎし:2011/11/30(水) 18:37:05 ID:hKOyz/u7wA
「ホルンクル!!ワレラウタウタウ。」
「わかった、落ち着け」
俺は手にした楽譜を見せてみる
「これ、読めるか?」
「クェ?」
どうやら読めないらしい、まあ想定の範囲内だ
「デ、デモ!ワレラガンバル!!ホルンノキタイ、ウラギラナイ!!」
怒られるかと思ったのか必死に弁解するクルペッコ…うん、可愛い
「大丈夫だから、一緒に頑張ろうぜ、クルペ」
「ナマ…エ!?」
「ああ、クルペ、お前の名前だ」
56: さぎし:2011/11/30(水) 18:42:32 ID:WpDpWV85XM
「クルペ!!クルペ!!クルペ!!」
てを叩きながらその場で小躍りをするクルペ、即興とはいえ、名付けた名前を気に入ってくれたのは嬉しいものだ
「さあ、練習を始めようぜ!!言っとくが俺は厳しいぞ?」
「「クェー♪」」
クルペ達に音程やらなにやらを教えにかかる
音楽の事にこんなに集中したのは子供のころ依頼だ、あの時は本気で音楽家を目指してたなぁ…
え?なんで今はハンターをやってるかって?
ありきたりだが
親がモンスターに殺されたからだ
57: さぎし:2011/11/30(水) 23:22:42 ID:8C0o4sgn8A
そりゃあガキの頃は
モンスターを酷く恨んだな、恨みすぎて毎日剣を振って手に血豆が出来たくらいだからな
だがハンターをやりはじめて自然の摂理や掟を知った俺は今やモンスターに対しての感謝や尊敬さえしている
子供の俺がみたら頭がおかしいんじゃないかって思われるだろうな…
昔話はさておき
順調に全員がハーモニーを奏で始めた頃に試しに皆で合わせる事にした
「じゃあ…いくぞ」
「〜♪〜〜♪〜♪♪」
「クェ♪〜♪」
「クェ♪クェ♪」
「クェ〜♪」
若干のズレはあるものの音楽としてはまとまっていた。これなら本当にコンサートを開けそうだ
58: さぎし:2011/11/30(水) 23:27:57 ID:tP/EhEtJvg
クエスト制限時間が
近づいてきたころ
俺はクルペに別れを告げるついでにあることを頼んだ
「クルペ、ちょっといいか?」
「クェ?」
「お前らなら安心だが一応な?出来るだけ人間を襲わないで欲しいんだ、というか出来るだけ周りの生物にも出来れば被害を出さないでほしい」
「クェ?」
「お前らが人間を襲ってしまうと、俺や他のハンターがお前らを狩らなくてはいけなくなる。俺はお前を殺したくない」
「・・・」
「だから頼む、なんとか皆に説明して人間に出会っても攻撃せずに逃げるように伝えてくれないか?」
59: さぎし:2011/11/30(水) 23:32:07 ID:tP/EhEtJvg
「クルペ、ヨクワカラナイ…」
「!!」
「デモ、ホルンガニンゲンオソウナイッタラ、クルペ、ニンゲンオソワナイ」
「クルペ!!」
「クェ」
「・・・ありがとう、また来るからさ、待っててくれよな?」
「クルペ、ホルンマツ!!」
名残惜しそうに喉をすりよせてくるクルペ
俺は優しく喉を撫でてやった。
「クルルルルルル」
どうやら喉を撫でてもらうと気持ちいいらしい
「じゃあな、クルペ」
俺はクルペに別れを告げて、渓流を後にした
60: さぎし:2011/11/30(水) 23:42:23 ID:8C0o4sgn8A
「コンサート…ですか?」
「ええ、開きたいな〜と思いましてね」
「それは構いませんが…一体誰が…」
「・・・クルペッコです」
「・・・はい?」
「クルペッコ達によるコンサートを開きたいと思っています」
村長は唖然としている
まあ、普通に考えてあり得ない話なんだな…
ん?もしかして俺が普通じゃないのか?
「本気ですか?」
村長が何かを値踏みする視線を投げ掛ける
俺は生唾を飲み込みながら
「本気です」
「・・・」
61: さぎし:2011/11/30(水) 23:50:17 ID:tP/EhEtJvg
「もしや、あの時クルペッコ討伐を渋ったのは」
「こいつが理由ですよ」
「そうですか…」
やはり無理か…人間モンスターが共存なんて土台無理なお話なんだろうな…
諦めた俺は村長に背を向けて去ろうとした、しかし
「もし、そのクルペッコ達が村の皆さんに被害が及んだ時、ハンター様はそのクルペッコ達を狩る勇気はおありですか?」
真剣な眼差し
美人の真剣な表情ってこうも惹き付けられるものなのか?不謹慎だが
見惚れてた
62: さぎし:2011/11/30(水) 23:54:14 ID:8C0o4sgn8A
だが…言葉の意味をゆっくりと噛み砕いてみる
つまり…
「あいつらが人を襲うとは思えませんが、もしも襲いかかったら…」
「その時は、自分の手で終わらせます」
「・・・ハンター様の覚悟はよくわかりました」
「それじゃあ!!」
「皆さんには私から伝えておきます」
「ありがとうございます!!」
「ただし、ハンター様が仰られた言葉の重み、よく噛み締めて下さいね」
「・・・はい」
63: さぎし:2011/12/1(木) 00:03:13 ID:ga3EvxxhO6
家に帰った俺は真っ先に机に向かった
奏でる曲の最終調整である
上手くいけば近日中に演奏会が開けるかもしれない
「もしも…被害が及んだら…か」
村長の言葉を再度呟く
自分に言い聞かせるように、ゆっくりと…
実際の所、あいつらを狩るつもりは無かった
だが世の中に絶対の二文字はない。あらゆる状況を考えて最悪の事態に備えることにした
「とりあえず、村人がパニックにならないことを祈るだけだな」
村人がパニックになり
その行動がクルペ達を興奮させる結果になったらそれこそ踏んだり蹴ったりだ
どちらにしても、俺はクルペ達を狩る状況にならないことを祈る事しか出来なかった
64: さぎし:2011/12/1(木) 00:07:41 ID:Uz83IF4R4M
終わらない クルペッコ編 終わらない
僕もう疲れたよパルシオン
今日の投下はここまでとします見てくださった方々
ありがとうございました
明日!!明日には必ず完結させます!!ていうか完結させないとまずい
短編集じゃなくなっちゃう
ここまでのご回覧
お疲れ様でした♪
65: さぎし:2011/12/1(木) 17:29:40 ID:oMqyib8Ie.
〜〜〜翌日〜〜〜
俺はまたしても渓流に立っていた。今日のオトモはサクラである
「にわかには信じられませんが…旦那さんを信じますニャ」
「そうしてくれると非常に助かる」
空気の読めるオトモで助かったら、これがあの毛玉二匹だったらまた
ステンバーイするところだった
「ところで、そのクルペさんたちはどこにいらっしゃるのですかニャ?」
「ああ、今呼ぶ」
「?」
俺は家で作ってきた特製の角笛を高らかに吹き鳴らした
「♪〜♪〜♪〜♪」
66: さぎし:2011/12/1(木) 17:40:27 ID:oMqyib8Ie.
吹き鳴らしてから数秒後
まず、一頭のクルペッコが降り立った
「クェ!!」
視界の端にサクラが臨戦態勢をとったように見えたが見なかった事にしよう。一頭目が来てから間もないうちに二頭目が来た
そうこうしてる内にまたもやクルペッコ達に取り囲まれていた…あの時と違うのは怖くないってだけか。
「ホルン!!キタ!!ワレラレンシュウ、クェ!!」
クルペはいかにも嬉しそうにその場でステップを踏み始めた。なんか、シュールだった
「旦那さん…このクルペッコ達が件の?」
「ああ…」
「正気の沙汰じゃ無いですニャ」
「そんなこと言うなよ」
67: さぎし:2011/12/1(木) 18:22:12 ID:j7UOLnkwP.
〜同時刻集会所〜
「村長!!それは本当ですか!?」
「クルペッコ達のコンサートですって!?」
「いくらなんでも無理ですよ!!」
「・・・皆さんは最初から無理だと仰られるのですか?」
「お言葉ですが村長、相手はモンスターですよ!?いくらハンターがいるとはいえ、村人に襲いかかったら…」
「そんなことやってみないとわからないでしょう?」
「これを考えたのはホルンなんですよね?」
「ええ、確かに」
「尚更解せません、何故ホルン程の腕前のハンターがこんなことを…」
「私はホルンを、村のハンター様を信じております」
68: さぎし:2011/12/1(木) 18:28:50 ID:PtnSwGwKPI
「・・・ホルンはなんて言ってるんですか?」
「もしもクルペッコ達が襲いかかった場合、責任は自分でとる、と」
「村長は、本当にそんな考えを飲むんですか?」
「ハンター様がこれまでに村にしてくださった事を考えればこれは私からの恩返しだという事になりますね」
「・・・そうですか」
「よくわからんが、要はホルンがクルペッコを引き連れてコンサートを開くって事か?俺は賛成だな」
「!?」
「ホルンの腕前は皆知ってるだろ?だったらあいつを信じてやれよ」
「少なくともあいつとは長い付き合いだからな、デタラメを言わないのは俺が一番知ってるからな」
69: さぎし:2011/12/1(木) 19:28:01 ID:hTsbsopuA2
〜〜〜渓流〜〜〜
「じゃ、合わせてみよう」
「クェ〜♪」
「クェ♪クェ♪」
「クゥエー♪」
「おお、流石旦那さんですニャ、綺麗な音楽ですニャ!!」
「凄いのは俺じゃなくてこいつらだよ」
本当にこいつらは凄いと思った、出会ってまだ一週間も経ってないのに、こいつらは一生懸命に俺の言うことを聞いてくれて、無茶も聞いてくれて…
「ニャ!?旦那さんどうしたのニャ!?」
「え?」
気がついたら俺は泣いていた
「ホルン、ナク?ワレラガンバレナカッタ?」
「いや、違うんだよ、これは…嬉しいんだ」
「クェ?」
「人間は嬉しいときにも泣けるんだよ…だからクルペ達はなんも心配しなくていい」
「ホルン…」
70: さぎし:2011/12/1(木) 19:37:41 ID:hTsbsopuA2
「なんつーか、ありがとな、クルペ」
「クェ?」
「俺と出会ってくれて」
「・・・クルペモウレシイ!!ホルンアエテヨカッタ!!ホルンスキ!!」
「おまっ!?照れるから止めれ!!」
「スキ〜♪スキ〜♪」
「歌うな!!」
「旦那さんモテモテだニャ〜」
「茶化すな!!」
「クェ!!」
「まあ、いいか…皆、明日は必ず成功させようぜ!!」
「「「クェー!!」」」
71: さぎし:2011/12/1(木) 19:54:39 ID:h173FRh8P2
〜〜〜村〜〜〜
村に帰った俺を待ち構えてたのは、俺に意味深な視線を送る村人だった
「あれが例の?」ヒソヒソ
「ああ、モンスターにすっかり手玉に取られたハンターだってよ」ヒソヒソ
「ええ!?じゃああれは私達をどうするつもりなの!?」ヒソヒソ
「恐らく、我々を餌にするつもりなんだ、でなければこんなことを提案するはずがない」ヒソヒソ
「・・・あのなぁ!!」
「「!!」」
「勝手な想像で憶測を語るのは止めてくれ!!」
「だ、だが実際に私達は不安なんだ!!」
「そ、そうだそうだ!!あのモンスターなんだぞ!?」
「貴方の勝手な妄想でしょ!?私達の命が危ないのよ!?」
「もしかして…お前、操られてるんじゃないのか?」
「はぁ!?」
72: さぎし:2011/12/1(木) 19:58:17 ID:hTsbsopuA2
突然村人が発した発言に俺は驚きが隠せなかった
「そ、そうだ!!操られてるんだ!!そうじゃなきゃこんなことを言うはずがない」
「この村から去れ!!このモンスター人間!!」
「てめえら!!」
俺は怒りのあまり村人に手を振り上げた
「ヒィ!!」
バシッ!!
「・・・あ?」
「ノトス?なんで…」
「・・・」
73: さぎし:2011/12/1(木) 20:06:34 ID:hTsbsopuA2
「よぉ!!ホルン!!相変わらず神経質そうな面してやがる」
「離せよ、こいつら殴らせろ」
「おいおい、本気か?こいつら一般人だぜ?力を考えろよ」
「殴らないと気が済まない!!」
「お前が殴ってなんになるんだ?」
「!!」
「今お前がこいつらを殴ればどうなるかわかっていってんのか?」
「そんなん、俺がギルドナイツに追われるだけだろ?」
「残念ながら違うな」
「どういう事だ?」
74: さぎし:2011/12/1(木) 20:15:56 ID:h173FRh8P2
「今の状況はお前が思ってる以上に悪い」
「まず、今回のコンサートに全面賛成した俺も追われる」
「!!」
「更に村長も村長職を解雇、最悪この村から追放される」
「なん・・・だと?」
「そして、クルペッコ達の一斉掃討」
「!?」
「分かるか?今お前が問題を起こしたら色んな迷惑がかかるんだよ」
「なんで…あいつらは…人間を襲わないのに…」
「それを知ってるのはお前だけだ」
「・・・」
75: さぎし:2011/12/1(木) 20:20:03 ID:hTsbsopuA2
「・・・お前はクルペッコ達の事を信じてるんだろ?」
「ああ」
「じゃあ、いいじゃねーか、何を言われようが」
「明日、こいつらに見せつけてやれよ、お前たちの絆を」
「俺達の…絆」
「少なくとも、俺は期待してるからな」
「・・・」
「じゃ、俺はいくわ」
「どこに?」
「明日に備えて休む」
「そうか…」
「期待している、か」
76: さぎし:2011/12/1(木) 20:25:58 ID:hTsbsopuA2
〜〜〜渓流〜〜〜
コンサート当日
俺は最終調整に入っていた
ちなみに昨日は一睡もしてない
「よし、調整はすべて終了だな、皆お疲れ」
「クェ!!」
「クェ〜」
「ワレラウタウタウ。ニンゲンタノシマセル!!」
「ああ、そうだな、頑張ってくれ」
「なあ、クルペ」
「ナニ?」
「もしも、もしもお前に危険が迫ったら…」
「俺がお前を守ってやるからな」
「・・・ウン」
77: さぎし:2011/12/1(木) 20:41:54 ID:h173FRh8P2
〜〜〜会場〜〜〜
「皆様、本日は渓流にお集まり頂き、誠にありがとうございます」
「本日はハンター様主催のクルペッコ達によるコンサートをご堪能下さい」
「それでは、主催者であるホルンさんより、一言頂きます」
パチパチパチパチパチパチ
「皆さん…今日はお集まり頂き感謝致します」
「皆様の中にはご不安になる方も多いかと思います」
「しかし、私はここに誓います。クルペッコ達は皆さんに危害は加えない事を」
「今日はお楽しみになられるように祈っております」
パチパチパチパチパチパチ
78: さぎし:2011/12/1(木) 20:48:20 ID:hTsbsopuA2
「それでは、クルペッコ達に登場してもらいましょう」
村長が俺に合図を送る
俺は角笛を吹き鳴らした
続々と集まるクルペッコ達、客の中から小さな悲鳴が上がったが、聞こえなかった事にした
クルペにサインを送る
これは昨日考えた奴だ
クルペが確認すると
客の前に立つ
客が小さく後ずさったが、クルペはそれに構わず客に向かってお辞儀をした
「・・・へ?」
客の一人が訳がわからないという顔をしている
だが、安全だとわかってくれたのか徐々に距離を戻してくれた
「それでは、演奏致します」
俺は一言注意してから
笛を吹いた
79: さぎし:2011/12/1(木) 20:54:36 ID:h173FRh8P2
「クェ〜♪〜♪」
「クェ♪クェ♪」
「クゥェ〜♪」
「♪〜♪〜♪」
俺の演奏に合わせてクルペッコ達が音を出してくれる。それは絶妙なハーモニーで奏でられていて、うっかり聞き惚れそうであった
客の様子を見てみると
中々に満足してくれているらしい、少なくとも目をつぶって音楽を聞いていた
俺は曲調を変えて笛を吹く。クルペッコ達も音色を微妙に変える
すべてが完璧のタイミングで極上の演奏が出来た
80: さぎし:2011/12/1(木) 21:38:53 ID:Mrz11mMr26
演奏が終わると渓流は一瞬の静寂に包まれた
だが…次の瞬間
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
割れんばかりの拍手と声援、そして惜しみのないクルペッコ達への称賛の嵐
「すげー!!」
「いい演奏だったわ!!」
「久々にいい物を聞いた」
「これは凄い!!」
「長生きはするもんじゃのう…」
「皆…!!」
「クェー!!」
「良かったですわね、ハンター様」
「村長さん、ありがとうございました!!」
「いえいえ、これはハンター様のお力ですよ、私はただ口を挟んだだけですわ」
「・・・はい」
「さあ、一番の功労者を労ってきてはいかがですか?」
「あ!!そうだった!!」
81: さぎし:2011/12/1(木) 22:30:40 ID:Mrz11mMr26
「クルペ!!」
「ホルン!!」
「今日はお疲れ、疲れただろ?」
「ダイジョウブ!!ホルンイッショ!!」
「・・・ああ、一緒だよ」
「?」
「仲間の所に戻ったらどうだ?仲間にもよろしく言っといてくれ」
「・・・ヤダ」
「クルペ?」
「クルペ、ホルンスキ、イッショイル」
「だから、渓流に来ればいつでも会える…」
「イッショイル、イイ」
「・・・クルペ」
「でしたらクルペちゃんを村の住人したらどうでしょう?」
82: さぎし:2011/12/1(木) 22:35:13 ID:Mrz11mMr26
「村長!?」
「ソンチョウ!!ソンチョウ!!」
「クルペちゃん一人なら村で移住スペースを作れますよ」
「でも、そんなの村の皆が黙ってないんじゃ…」
「先程許可をとって参りました、皆様全面的に賛成してくれましたよ」
「え…?」
「言ったでしょう?ハンター様が頑張られた成果ですと」
「クルペと…一緒」
「イッショ!!イッショ!!」
「どうですか?」
「是非お願いします!!」
83: さぎし:2011/12/1(木) 22:43:52 ID:Mrz11mMr26
こうして、村にクルペが住むことになった
しかも村長の計らいで
俺の家のすぐ隣である
朝起きれば毎日クルペと顔を突き合わせるだろう
だか、それでいい
恐らく俺はクルペの事が好きなんだろう
もちろん、愛しているの意味で
これからの充実したであろう毎日
それが末永く、出来れば永遠に続いて欲しいと思っている
【渓流の音楽隊】
fin
84: さぎし:2011/12/1(木) 22:45:38 ID:fr5BVVXGNc
・・・正直完結に3日もかけるとか…
こんなの短編じゃなぇ!!
まあ、誰も見てないみたいですし気が楽←←←
今日の投下は終了します
85: 名無しさん@読者の声:2011/12/1(木) 23:53:22 ID:uv2.j9ZRbc
みてるぞう
86: さぎし:2011/12/2(金) 00:08:43 ID:Mrz11mMr26
>>85
見られてた
(*/□\*)
87: 名無しさん@読者の声:2011/12/2(金) 09:07:31 ID:dQdSMz.X2A
毎日チェックしてますよ(`・ω・´)
完結祝い
つC
つ元気ドリンコ
88: さぎし:2011/12/2(金) 09:52:02 ID:5SMOo2RLI.
>>87
恥ずか死しそうだ…
支援&ドリンコ感謝です♪
89: 名無しさん@読者の声:2011/12/2(金) 14:38:07 ID:C5rgECJRcU
[壁]*・ω・)チラッ
毎日楽しみにしてますよー!!
ナルガたんの時から大好きです(〃▽〃)
支援支援+。:.゚ヽ(*´▽`)ノ゚.:。+゚
つ回復薬グレード
90: さぎし:2011/12/2(金) 16:19:46 ID:Y26KlcU0dY
>>89
おふう(*´д`*)
そんな昔から応援されていただけたとは!!
ありがとうございます
( ;∀;)
支援&グレード感謝♪
91: さぎし:2011/12/2(金) 17:34:02 ID:BXUEK2.5u2
【尾槌竜と少女】
〜〜〜渓流〜〜〜
のどかな天気の中
鳥のさえずりを聞きながらワシは目を覚ます
うむ、実に平和じゃ
願わくばこの平和が続くといいのぅ
おっと、自己紹介がまだじゃったの、ワシはドボルベルク、人間からは尾槌竜と呼ばれているらしいの
ご覧の通りすっかりヨボヨボのジジイで出来ればあまり動きたくないお年頃というやつじゃ
ワシらはこの歳になると戦い敗れ死ににいくよりも静かにひっそりと死ぬのを選ぶ、元々戦闘的な性格はしとらんからの
そこでワシが選んだ死に場所はこの渓流
・・・じゃったが
死ぬに死ねなくなったんだの
92: さぎし:2011/12/2(金) 17:41:47 ID:4a/V8q7lfc
理由としては色々あるが、なんといってもここは実に平和だからの…
腰を落ち着けるにはちょうどいいんじゃよ
次の理由じゃが…遅いの
「ドボルさーん!!」
おほっ、きたきた
「すいません!!ハチミツ取ってたら遅くなっちゃいました」
全身をファルメルで固め腰にはシャドウサーベルを差した女ハンター
いや、正確には少女と言った方が正しいかの?
いつからかもう覚えとらんが気がついたらこの少女と一緒にいるようになったの
93: さぎし:2011/12/2(金) 17:51:44 ID:4a/V8q7lfc
「今日もいっぱいお話しましょうね〜♪」
幼女というには成長しすぎだが女性と呼ぶには幼い少女の瑞々しい肌で頬ずりをしてくる
ワシはロリコンではないがこの年齢ならギリギリセーフというやつじゃろ
というか正直この頬ずりが堪らなく気持ちいい
助平と呼ばれそうじゃの
少女は寝転がっているワシに寄りかかりながら話始めた
「今日はリオレイア狩りに行ったんですよ〜ちょっと危なかったけど、なんとか狩れました」
「片手剣だと風圧が厳しいですから苦戦しちゃいますね〜」
「でも、狩り終わったときは嬉しいんですよ」
「やった!!っていう気持ちになりますから」
94: さぎし:2011/12/2(金) 17:56:28 ID:4a/V8q7lfc
ワシはモンスターじゃからこの少女の話に答えられない、だがこの少女はそんなことを気にもせずにこうやって話かけてくれる
ワシは黙って聞いているだけじゃが、よくやったという気持ちを込めて
自慢の尻尾を優しく擦り付けた
「ありがとうございますね、ドボルさん」
ワシで良ければいつでもいいじゃよ、どうせもう長くない命じゃし、今を一生懸命に生きるのも一興と言えるじゃろう
少女の他愛ない話が続く、ワシはそれを黙って聞く、そうして話していて少女が必ず漏らすのは
「ドボルさんが…お爺ちゃんだったら良かったのにな…」
95: さぎし:2011/12/2(金) 18:03:16 ID:4fuIC8BBSA
これはいつか聞いた話(といっても、少女が話してくれた)なんじゃが、少女の両親は少女が小さい時にモンスターに殺されたらしい
当事幼かった少女とその兄は身寄りが無く親戚にたらい回しされたらしい
なんとか叔父が保護をしてくれたが、兄が成人して少女を養えるまでという条件じゃった
聞けば酷い話だと思うが食料確保なら真っ当な判断だといえるじゃろう
今は兄妹でハンターをやり生活費を稼いでるらしいが…いかんせん少女の方は優しく、モンスターを狩るのを嫌ったそうな
今ではおっかなビックリ狩ってはいるが、昔を考えるとよくここまで狩れるようになったと、教えた兄は凄いと思うの
96: さぎし:2011/12/2(金) 18:26:00 ID:GH7i5DEIyQ
「でも、私は寂しくないよ!!ドボルさんがいるし、村の皆も優しいし」
この言葉を聞くとワシは胸が痛くなる
恐らくこの少女はワシに対して子供が親に向けるのに近い感情を向けているじゃろう
ワシもこの少女に対しては孫や子供を可愛がるのと同じような愛情を注いでいる
ワシは、この少女の保護者にはなれない、たとえどれだけ少女が愛情を持ってくれたとしても絶対に叶わない夢なんじゃな
年齢を重ねるにつれ
様々なことを覚えてしまう、全てが悪いわけではないが…覚えなきゃ良かったと思うのは何個もある
「・・・でね、私はこう言ったの!!それはリオレイアの足跡じゃなくて、ジャギィの足跡が固まった物ですよって、あのハンターさん、唖然としてたなwww・・・ドボルさん?」
97: さぎし:2011/12/2(金) 18:46:34 ID:CA0eW9E7MM
気がつくと少女はワシの顔を覗きこむようにしていた、ちょ、顔近い
「大丈夫ですか?なんだか凄く悲しそうな顔をしてます」
その理由はお前さんなんだがね…まあそんなことは言えないんじゃが
「あ…、もう帰らなきゃ」
少女が漏らした言葉は別れを告げる内容だった
まあ、予想はしてたし
そろそろ来るだろうと踏んでいたので驚きはしなかった
ハンターにはクエスト制限時間というのが存在しており(中略)つまり、制限時間内に帰らないとクエストを失敗した事になるらしのじゃ
98: さぎし:2011/12/2(金) 18:50:02 ID:CA0eW9E7MM
「お別れですね…」
少女が別れを惜しむかのような目で見る
そんな目をしなさんな
また会えるから
「また来ますからね、ドボルさんもお元気で」
少女は駆け出していった、渓流にまた静けさが戻ったのを確認して
ワシはまた眠りについた
99: さぎし:2011/12/2(金) 19:31:12 ID:OqNKyRrRag
〜〜〜翌日〜〜〜
「ドボルさーん」
今日も来てくれたのか…ん?武器が違うような
「あ?気がつきました?これ、お父さんが使ってた剣なんです」
「封龍剣って言うんですよ、これ一振りで幾多の飛竜を狩ったんです」
ふむ、確かにこの剣からは我らが忌み嫌う気配が流れている
この剣を扱うには余程の訓練が必要だろう、またこの剣を手に入れるにはかなりの素材と金が必要とみた
この少女の父親は凄腕のハンターだということを見せつけられたようだった
「お兄ちゃんが見つけてくれたんですけど、お兄ちゃん片手剣が使えないから私にくれたんです」
100: さぎし:2011/12/2(金) 20:47:13 ID:0b0EqjotSc
「初めて使う筈なのに、凄いしっくりくるんです」
確かに、小柄な少女に対比してやや大きいその片手剣は少女の手に収まっていた、世の中には不思議な事もあるもんじゃのう
「それに…この剣を使うと…お父さんが傍にいるみたいで」
初めて見る少女の顔じゃった、嬉しさと虚しさとなにかが入り交じったような…ワシにはわからんかった
「だから、嬉しくてドボルさんに見せようって思って!!」
この少女は半分嘘をついていたが、深くは追及しないことにした
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