初めてSSを書かせてもらいます。
一応江戸時代が舞台ですが、勉強不足なもので変なとこもあるかも。
そういうところは、SSだから!と広い心でスルーしてください。
幼稚な文で申し訳ないですが、そこもSSだから!とスルーしてください。
以上のことが大丈夫なイケメンであれば、最後までお付き合いください。
読みづらかったらごめんねっ!
475: 譲:2012/2/23(木) 01:04:09 ID:POlqxi9/V6
男が横道に逸れたのは、それはそれは突然のことだった。
そろそろ休憩を、と女が声をかけようとすると、隣に男の姿が見えない。
驚き以上に焦りながら辺りを見回し、男の姿を探すと、彼は河原に座り、何かをしていた。
彼女は彼が退治している物を見て、目を細める。
「ここは君のいるところじゃないよ。君はもう亡くなったのです」
しゃがみこみ、彼が柔らかな口調でそう語りかけている。
きょとん、とした顔のそれは、男をじっと見つめ返していた。
まったく、言っていることがわからないようだ。
「まだ、なにもわかっていないのかな? 大丈夫。思い出さなくてもいいよ。理解できなくてもいいよ。怖いことはもう何もないから。大丈夫」
彼はそう優しく言うと、それをそっと抱きしめた。
彼女は堪らず目をそらす。
一体、何があったというのだろうか。
痩せこけた頬、額から流れる血。
折れそうなほど枯れてしまった腕が、彼の体をどう受け止めようかと迷い、宙に浮いた。
「ねぇ、僕を許しておくれよ。こうして君に何も教えず、ただこの世から去らせようとする僕を」
そう言うと、彼はそっとそれの体を放した。
情けない泣き笑いを浮かべ、その手でそれの体を切ってしまう。
あぁ、そんなにも脆いのか。
彼女は低く、呟いてしまった。
それは彼に切られるとともに、靄のように霞んで消えてしまった。
最後まで悲しそうな表情はうかがえなかった。
どこまでも不思議そうに、全く状況を理解しないまま。
ただ少しだけ、残念そうな顔で。
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