初めてSSを書かせてもらいます。
一応江戸時代が舞台ですが、勉強不足なもので変なとこもあるかも。
そういうところは、SSだから!と広い心でスルーしてください。
幼稚な文で申し訳ないですが、そこもSSだから!とスルーしてください。
以上のことが大丈夫なイケメンであれば、最後までお付き合いください。
読みづらかったらごめんねっ!
603: 名無しさん@読者の声:2012/3/11(日) 01:08:50 ID:5Ed33nzkrM
客間を出た聡依は、しばらく自室で将棋盤と向き合っていた。
しかし、なぜだか集中できない。妙に客間の方が気になり、何度もそちらに目をやってしまう。
その行動に彼自身も、自分らしくないと思うのだろう。やや面倒くさげに髪を掻き上げた。
「こうしていても気になるだけだしなぁ……」
ちらっと外に目をやると、心地よさげな日差しが降り注いでいた。先ほどの柔らかな風。そろそろ春だな、と呑気に考え、頬を緩める。
「散歩でも行くかなぁ。退屈だし」
彼は一つ、手を打つと、将棋盤を片し始めた。駒を集め、箱にしまう。
それらを盤の上に置き、いつもの場所にと移動させた。
「よろしい。では、行きましょっ」
誰に言うでもなくそう呟き、うんっと一つ、大きく伸びをした。
604: 名無しさん@読者の声:2012/3/11(日) 01:10:26 ID:5Ed33nzkrM
一人、草履を履き、門をくぐる。柔らかな空気に包まれた外は、すっかり冬を忘れているようだった。
聡依は川沿いをぶらぶら歩きながら、周りを眺めていた。
冬だなぁ、と呟いてしまうような、空の青の薄さ。そんな彼の目に映ったのは、二匹の猫の姿だった。
「にゃにゃっ! バカ家主だにゃっ!」
「やぁ、元気?」
声をかけてきたのは猫の方からである。聡依は二匹の前でしゃがみこみ、そう言葉を返した。
「元気だにゃ。お前も相変わらず元気そうだにゃ」
毛並みの美しい三毛猫の方が答えた。隣のぶち猫は、軽い欠伸をする。
そちらの方は野良猫のようだ。若干、毛並みが汚れている。
「お前んとのバカ猫は元気かにゃ?」
605: 名無しさん@読者の声:2012/3/11(日) 01:12:22 ID:5Ed33nzkrM
「うん? バカ猫って暁の事?」
あれはバカだけど、化け猫だよ。付け加えられた言葉に、ぶち猫が笑った。聡依も笑みを返す。
「そういえば最近、ネコ集会していないみたいだけど。戦は終わったの?」
二匹の猫たちはそろって首を横に振った。
戦、というのこの町の南と北で分かれた猫たちの戦いのことである。確か、第4次南北猫戦争だったと聡依は記憶していた。
「休戦しただけだにゃ」
「正月を挟んだでしょう? それでお互いに気が緩んだから、冬が終わるまで休戦しようって話になったにゃ」
一体何を賭して戦っているのかはわからないが、忙しそうな猫たちである。ふうん、と適当な相槌を聡依は打つ。
「じゃあ、まぁ頑張って」
そう言って話を打ち切る。
散歩に戻ろうと、膝を伸ばしていると、ぶち猫が彼の足を叩いた。
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