商人「はい、最近仕入れた極上の品でございますよ」
勇者「ほう?興味がある。見てみたい」
商人「いいですよ、しかし旦那も中々の二枚目なのに…隅に置けませんねぇ」
商人「こいつですよ」
勇者「ふむ…えらく露出してるな」
商人「なんせ水着ですからね」
勇者「だが…意外に防御力が高いな…」
商人「なんでも色々いじくり回したようですよ」
勇者「ふむ…これを貰おうか」
商人「え?本気ですか?」
勇者「俺は本気だぞ?」
商人「はあ…まあ、38000Gになります」
勇者「高いな…防御力相応か」チャリン
商人「毎度」
さっそく装備しますか?
はい←ピッ
いいえ
商人「え」
618: 1:2012/2/25(土) 11:07:18 ID:EgOrOssl86
偽勇者「そいつは日々囁かれる根も葉も無い噂に疲れていた」
偽勇者「それでも耐えていたさ、お前達の存在がいたからな…」
賢者「勇者様…」
勇者「・・・」
偽勇者「だが…限界というものがある」
偽勇者「ついに仲間の事まで流れ始め…こいつの限界を迎えた」
偽勇者「この山の別名を知ってるか?」
銃士「死神の住まう山、じゃないのか?」
偽勇者「この山の別名は」
偽勇者「勇者達の墓場だ」
戦士「!!」
銃士「!?」
賢者「!?」
619: 1:2012/2/25(土) 11:17:47 ID:EgOrOssl86
偽勇者「何故不思議に思わない、神話やおとぎ話に出てくる歴代勇者のその後を」
偽勇者「皆同じ末路を辿ったよ…世界に裏切られ、自分が命を賭けてまで守ったこの世界に意味はあるのかと葛藤し」
偽勇者「そしてこの山に辿り着き…最期を迎える」
偽勇者「ここは呪われてるのさ、歴代勇者達の強い呪いが蔓延るな」
偽勇者「わかったなら早くそいつを離して山を降りろ…呪いに当てられても知らんからな…」
620: 1:2012/2/25(土) 14:15:50 ID:HUyNmpQ.3E
賢者「・・・勇者様」
勇者「・・・」
賢者「あの話…本当なんですか?」
勇者「・・・」
賢者「勇者様!!」
勇者「本当…だ」
賢者「・・・何故」
勇者「お前達に…迷惑をかけたくなかった」
勇者「大切な仲間だから…傷つけたく…」
パン!!
勇者「・・・」
賢者「〜〜っ!!」
621: 1:2012/2/25(土) 14:24:54 ID:HUyNmpQ.3E
賢者「馬鹿です!!勇者様は大馬鹿野郎です!!」
勇者「・・・」
賢者「そうやって一人で背負い込んで!!私達に何も話さないで!!迷惑をかけたくない?それが迷惑なんです!!」
勇者「・・・」
賢者「私も!!銃士さんも!!戦士さんも!!皆さん勇者様の仲間なんです!!仲間でいたいんです!!」
賢者「だから!!勇者様は私達をもっと頼ってください!!仲間なんですから!!」
勇者「・・・」
戦士「おい、勇者よ」
戦士「てめぇが何考えんのかわかんねーけど…アタシはまだお前に勝ってないんだ」
戦士「アタシはお前に勝つまで絶対にお前から離れねーからな」
銃士「君は昔から変わらず、周りに気を遣っていたね…」
銃士「それも個性だと半ば諦めてたけど…今回ばかりは賢者に味方するよ」
銃士「なんでもかんでも一人で突っ走るな、直ぐ近くに歩んでくれる人がいるんだ」
勇者「・・・」
622: 1:2012/2/25(土) 14:29:22 ID:DS2DCCPo0c
賢者「私じゃ力不足かもしれません…足手まといかもしれません…それでも」
賢者「勇者様と喜びを分かち合いたい、悲しみを共有したい、苦しみを乗り越えたい」
賢者「勇者様の…お側にいたいんです…」
賢者「勇者様の事が…好きですから…」
勇者「・・・」
偽勇者「惑わされるな!!お前の決断でまたそいつらに迷惑が…」
勇者「黙れ」
偽勇者「っ!?」
623: 1:2012/2/25(土) 14:37:14 ID:HUyNmpQ.3E
勇者「簡単な事だった」
勇者「俺はいつも逃げていたんだ…何もかもから…」
勇者「辛いのが嫌で、悲しいのが嫌で、傷つくのが嫌で、怖いのが嫌で」
勇者「そんな自分に嫌気がしても…中々抜け出せなかった」
勇者「周りに迷惑をかける…確かにそうだ」
勇者「自分が命を賭けた意味は…ひょっとしたら無いのかもしれない」
偽勇者「そ、そうだ!!その通…」
勇者「でも…例え世界に嫌われようと、自分のしたことに意味が無かろうと、俺には仲間がいた」
勇者「どんなときでも一緒にいて、助け合った…仲間が」
勇者「・・・もう、終わりにしよう」スラリ
偽勇者「っ!!」
勇者「賢者、銃士、戦士」
勇者「一緒に…戦ってくれ」
戦士「そうこなくちゃっな」
銃士「支援は任せたまえ」
賢者「全力を出します!!」
勇者「行くぞ!!」
624: 名無しさん@読者の声:2012/2/25(土) 15:05:40 ID:H03.Cb48go
勇者「イクぞ」ビクンビクン
に見えた。自分の頭の中が腐ってやがるwwCCC
625: 名無しさん@読者の声:2012/2/25(土) 17:25:19 ID:A36.rRUHjU
>>624
うっ
ふう
626: 1:2012/2/25(土) 18:47:32 ID:tII4jXRnG2
>>624
あの…自分の被害妄想だったら非常に申し訳ありませんが、>>601の書き込みも貴方ですよね?
その…支援は感謝していますし、お読みになってもらえて凄くありがたいんですけど…
やっぱりそういう発言は思ったままの方がいいと思うんです
出過ぎた事を申し訳ありませんが、>>625のような掛け合いが発生しないとは限らないので…
すみません、少し頭冷やしてきます。ごめんなさい
627: 名無しさん@読者の声:2012/2/25(土) 19:12:06 ID:89gvyHE3LQ
お前ら反省しろ
見てるよガンバ!
CCCCC
628: 名無しさん@読者の声:2012/2/25(土) 20:01:27 ID:MkT8PRPnPE
勇者も賢者も戦士も銃士も大好きだ!!
っCCCCC
629: 1:2012/2/26(日) 01:56:00 ID:ucuJBTcCFk
すいません、取り乱しました
言い方はどうあれ、応援してくださったのには変わりないですよね
本当にすみませんでした。
今までの遅れを取り戻すために少しですが投下いたします
>>627
すみません、ありがとうございます
支援感謝です
>>628
そういってもらえると凄く嬉しいです、ありがとうございます
630: 1:2012/2/26(日) 02:01:52 ID:9OlYbe6a82
ガキン!!キン!!
偽勇者「くそっ!!」
勇者「はあああ!!」
ギィン!!
偽勇者「ふん、俺はお前なんだからお前の動きなんて…」
ドン!!
偽勇者「くっ!!」チュイン!!
銃士「流石に三対一じゃ分が悪くないかい?」ニコ
戦士「おらああ!!」
ドズン!!
偽勇者「ちっ!!」ヒョイ
偽勇者「何故だ!!お前もこの世界に絶望したはずだ!!命を賭けるにはあまりにも汚いこの世界に!!」
勇者「確かにな!!だが…今は違う!!」
勇者「俺には共に歩んでくれる仲間がいる!!支えてくれる仲間がいる!!」
勇者「だから諦めない!!例え恐れられようと、忌み嫌われようと」
勇者「俺は…生きる!!」
631: 1(投下終了〜お疲れ様です):2012/2/26(日) 02:07:43 ID:9OlYbe6a82
偽勇者「お前は間違ってる!!こんな腐った世界に希望を抱くだと!?無駄な話だ!!」
勇者「やりもしない内に決めつけるな!!」
偽勇者「わかるさ!!だってずっとお前と一緒だったから!!」
勇者「!!」ピタッ
偽勇者「!?」
賢者「勇者様!?」
勇者「・・・そうだな、間違ってるのは確かに俺かもしれないな」
勇者「純真無垢な少年も、いつかは現実を見る」
勇者「でも…人は変われるんだ」
勇者「だったら変わっていけばいい…一緒に」スッ
偽勇者「!!」
勇者「ずっと気がつかなかった…ごめんな」
ドスッ!!
632: 名無しさん@読者の声:2012/2/26(日) 12:19:43 ID:bZDAvpTHq.
不定期支援
633: 1(支援感謝です♪):2012/2/26(日) 14:18:53 ID:Ix/8/HR8zU
偽勇者「・・・」
勇者「お前は俺が絶望した時も側にいてくれた、そして励ましてくれた」
勇者「お前は剣が産み出した悪夢なんかじゃない…紛れもない俺だ」
偽勇者「・・・」
勇者「お前は俺で、俺はお前、そして側にいてくれた、仲間だ」
偽勇者「・・・」
勇者「おしまいにしよう、なにもかも…我が儘はこれで終わりだ」
勇者「これからも…よろしく頼む」
634: 1:2012/2/26(日) 14:21:35 ID:Ix/8/HR8zU
偽勇者「ったく、反則だよな…そんなこと言うなんて…」
偽勇者様がそう呟いた後、徐々にその体が消えていき…
偽勇者「これからもよろしく」
穏やかな顔をして、消えていった…
勇者「・・・」
銃士「終わった…のか?」
勇者「ああ」
勇者「帰ろうか」
賢者「・・・はい」
635: 1:2012/2/26(日) 14:25:04 ID:Ix/8/HR8zU
それから私達はレイコール山脈を下山した。途中何度か魔物が襲いかかって来たが、その全てを勇者様が切り捨てた
下山するときには皆無言で…それでも、確かに勇者様が側に、ここにいるという実感があってか、戦士さんも銃士さんも安心しきったような顔をしていた
無事に下山し終えた私達は宿をとり、戦士さんと銃士さんは故郷へ、勇者様はまた王国へと戻っていった
そしてまた…日常が訪れる
636: 1:2012/2/26(日) 16:13:05 ID:Kwo9hE/z3E
〜〜〜酒場〜〜〜
客「賢者ちゃーん、ビールちょうだい!!」
賢者「はーい!!」
客「こっちにカクテルもー!!」
賢者「しばらくお待ちくださーい!!」
客「・・・賢者ちゃん、ずいぶんとイキイキしてるね」
主人「ま、愛しの勇者様が帰って来たからねぇ」
客「あれ?拳骨は?」
主人「・・・」
客「はは、あんな賢者ちゃん見た後じゃねー」
主人「なんかこう…娘が成長していくってこういうのかね…」
客「親心がわかるね」
カランカラン
637: 1:2012/2/26(日) 16:17:21 ID:Kwo9hE/z3E
賢者「あ、いらっしゃいま…」
勇者「よう、賢者」
賢者「勇者様!!」
賢者「いらしてくれたんですね!!」
勇者「用事があってな」
勇者「主人、すまないが賢者を借りてもいいか?」
主人「別に構わないけど…」
勇者「ありがとう」
勇者「いくぞ、賢者」
賢者「ふえ!?ちょ、エプロン外させてください!!」
勇者「待てない」
カランカラン
主人「強引だね〜」
客「ところで勇者様が持ってたあの箱って…もしかして」
主人「・・・赤飯、炊いとくか?」
客「いいねぇ、今日はお祝いかな」
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