2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
チーム:変態収監所【家族】
[8] -25 -50 

1: 名無しですが何か?:2012/3/4(日) 12:18:34 ID:1lvOPQUkic
お題【家族】

下記の順番でお願いします。

キマラシ ◆0sHUq1EiMQ
枕 ◆t5ttWOhuII
乙潤 ◆nyan.ce4UM
寅午 ◆.eH7uaEVrQ
鬱岡 ◆CevUvUjMhQ
普乳 ◆kSd3h.IkGU
お姉様 ◆RO2jhvAC9Y
PK ◆UnV9.Bq5g.



27: 乙潤 ◆nyan.ce4UM:2012/3/8(木) 21:23:44 ID:IZEwmfHPwo
今日は何と扉の扱いが雑な日なのだろうか。

いっそのことドアを取っ払おうかとも考えたのだが、今はそんな場合ではない。

「で、だ。作戦というほどでも無いのだが、きっとあのバカ息子は再び何らかの形で私達にアプローチをかけてくると思う。」
「えっ、でもさっき、『喜んで縁何て切ってやる!』って……」

不思議そうな顔で妻が言う。

「あの状況だ。感情に任せてああは言ったが、息子にとって、今このタイミングで勘当されたのは大打撃だろう。しかしこれでお互い他人だ。家族でなくなったからこそ、冷酷に、卑怯な手段をとってでも何かをしてくる。そう思ったんだ。」

「なるほど。でもその何かって何をしてくるんですか?」

「すまんがそれはわからん。だが、蛇の道は蛇というからには、良からぬ側の人間の手を借りて行動を起こす可能性は高いだろう。とりあえずしばらくは来客、外出などに細心の注意を払う必要があるな。家にいるみんなにもこれを伝えねば。」

「わかりました。では私が伝えてきますね〜!」

妻が伝えに行こうしたところで今度はゆっくりと扉が開く。
28: 寅午 ◆.eH7uaEVrQ:2012/3/9(金) 09:27:24 ID:sdOKoiAXn.
「お、お父様……」

久々に見た「きちんと」開かれる扉に感動すら覚えたが、娘の様子が異常だったため褒めるのは後にしておくことにした。

「どうした?」
「う、うぅ……っ」

上の娘が珍しく見せる取り乱した姿に妻が駆け寄る。

「どうしたの?泣かないで頂戴」
29: 普乳 ◆kSd3h.IkGU:2012/3/10(土) 16:05:11 ID:oJgqTZyDuc

「お、お兄様が……、ぅ、うああああ……!!」
「落ち着いて。兄がどうしたの?」
「バ、バイクで……、事故に遭われて……っく、ぅう」
「それで?」
「相手の方が慰謝料等で一億寄越せと……」

 部屋にいた全員に衝撃が走った。
30: お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2012/3/10(土) 20:51:13 ID:doDuHsc89U
私「振り込め詐欺か。まったく…あの馬鹿の考えそうなことだ」
私は肩を落とし、残ったウイスキーを飲みほす。
長女「お父様…でもお兄様が事故を…」
妻「心配することないわよ、お兄様は大丈夫だから」
長女「うぅ…本当…?」
私「ああ、心配することはない。怖かったな…気分転換に散歩に出かけるといい。メイド、娘を買い物に連れて行ってあげてくれ」
メイド「畏まりました。さぁお嬢様、こちらへ」
メイドに連れられ、長女は部屋を出て行った。
ドアは静かに閉められた。
妻「あなたの言ったとおりになりましたね…」
私「まさかこれで一億出すとでも思ったのかあいつは…浅はかなものだ。預けた親戚はいったいどういう教育をしてくれたんだ」
妻「まあ……あの人ですからね」
私「それで納得できてしまうのが痛いところだな」
まだ昼前だと言うのに、今日と言う日に限ってなぜこんなに問題が起きるんだ。
私「なんで今日なんだ……」
31: PK:2012/3/10(土) 21:32:57 ID:90CFbYzMvA
「おー、どーだった?」
ソファの上に寝転がりながら、電話を終えたあいつに声をかける。
もともと乗り気じゃなかったみたいだが、シナリオをこっちが用意し、なおかつ借金までチャラにしてやると言ったら
簡単に乗ってきやがった。これだからバカは扱いやすい。

「あー、なんか女の子が出ました。しかし『お兄さんがバイクで事故』まで言った瞬間に泣きだしまして……
話最後まで聞いてくれてるかはわかんねーっす。一応慰謝料として一億必要、とは言っときましたが……」

「が、なんだ?」

「いや、その……」

「良いから言え。怒らねーから。むしろいわねーと殴る」
そう言って拳をちらつかせる。

「わ、わかったっすよ。あのっすねその、正直言って……さすがにこれは無理っすわ。
タイミング良すぎますし、なによりあんたが書いたシナリオがしょぼすぎます。
『電話で事故の医者料に一億円必要という』って……中学生でも無理だってわかりますよ。字間違えてますし」

「……」
笑顔で立ち上がり、笑顔で近づいていく。

「……あー、おーけー、カームダウンっす。落ちつけっす。
いいですか、いくらあんたが馬鹿でもきっとなにかひとつくらいは俺を殴らずにすむ方法を」

「いや、殴ろうなんて考えてねーよ」
笑顔のまま相手の言葉を遮り、そして続ける。
「ちょっと(ピー)そうかなーとか(オイー)を切り落とそうかなーって思ってるだけだし。
あ、よかったな。殴られはしないかもしんねーぞ?」
ここでもうちょっと笑ってみる。元仲間は泣きそうな顔になっている。

「す、すいませんっしたー!!!」
そして、そう言い捨ててどこへともなく逃げて行った。

……まぁいつか戻ってくるだろ。ここ、あいつんちだし。
32: キマラシ ◆0sHUq1EiMQ:2012/3/11(日) 02:09:04 ID:tcRtqtvME2

「つうか、マジ一億どうすんだよwwもうwこの際www妹誘拐してw身の代金wwwでも要求すっかなwwwwwそうだwwwwそうしようwwwww」

気でも狂ったのか笑いながら仲間にそう言い放った。

33: 枕 ◆t5ttWOhuII:2012/3/11(日) 10:57:33 ID:gV4cgvBG5M

 ゾクッとしたものが私の背中を走り抜けた。

「お兄様……」

 私は手元の写真に目を落とした。

 そこには私と下の妹と…………黒い髪のお兄様が居た。

 皆、笑顔だ……。

「前みたいに、皆で笑えないのかな……」
34: 乙潤 ◆nyan.ce4UM:2012/3/11(日) 14:59:59 ID:0B9Jecr0mE
「よーぉ〜帰ってきたのか使えない詐欺師ちゃんよぉ〜。」

オドオドしつつもあいつが家に帰って来た。
そりゃ財布も携帯も置いたままじゃ何処にもいけねぇだろうなぁ〜。

「あ、あの〜。もし、もしですよ?よかったら私の考えたプランで一億を奪っt「あ〜もういいよお前。邪魔だから黙って今から俺の話し聞けや。。」

駄目だ。これは覚悟を決めたやつの目だ。
確実に異常な何かをたくらんでる。そう思った。

「俺ぁ〜決めたんだよぉ〜。ヒャハハ、妹達を拉致ってよぉ〜親父に身代金要求すんだぁ〜。どうだ?手っ取り早くて簡単だろぉ?アヒャヒャ、使えないお前にも一度だけ挽回できるチャンスやろうかぁ?アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……」

狂気。ただ純粋な狂気。
温室育ちだったお坊ちゃまはこんなにも簡単に壊れるのかと、驚きにも感心にも取れる感情が胸の中で渦巻く。

「黙ってねぇでよぉ〜チャンスやるってんだからさぁ〜てめぇは大人しくYesかハイか言えばいいんだ、よっ!」

理不尽なテンプルーへの右フック。
今まで口だけの奴だと思っていたが、意外にも意識が飛びそうなほどの重い拳に驚愕する。

従わないと命が危ない。
「はい。」
詐欺師は自らの命を取った。
35: 寅午 ◆.eH7uaEVrQ:2012/3/12(月) 05:48:35 ID:47PMIPHl4o


メイドに手を引かれながら、ぼんやりとお店までの道を歩いた。
考えていたのは、お兄様のこと。

事故?慰謝料…払えなかったらどうなるの?…お兄様に怪我は?無事なの?相手の方の怪我はどのくらいなんだろう?もし一生治らないような怪我を負わせていたとしたら?お父様は詐欺だと仰っていたけど…どうしてそんなことがわかるの。

そんな考えがぐるぐると廻る。

「お嬢ちゃん!」

ふいに背後で大声があがり、私はビクリと体を跳ねさせた。
振り返ると、車道の脇に留めてあるバイクにまたがった男性が、大きく手招きをしていた。

「ワンピースのお嬢ちゃん、君だよ!」

ワンピース?
……あ、もしかして…私?

私のことですか?と身ぶりで尋ねると、こくこくと大きく頷かれた。

「お嬢様、無視してしまいましょう」

メイドさんが握っていた手の力を強める。

「痛いわメイドさん…それに大切な用かもしれないから」

手を振りほどこうとしたけれど、メイドさんは頑なに離そうとしない。

そうこうするうちに、もう片側の腕を誰かに掴まれた。

「君のお兄さんが大変なんスよ、来てくれませんかね」

先ほどのバイクの男性だった。

「は、はい!」

真剣な表情に押されて、私はしっかりと返事をする。
私を止めるメイドを振り払って、彼は私をバイクに乗せた。

「大丈夫だから落ち着いてね」
「……はい」

その優しい言葉に私はほっと息をついた。
髪もお兄様と違って黒だし、男らしいし、素敵な方だと少し心惹かれた。

「…ごめんね」

呟いた彼の言葉は、エンジンに掻き消されて私の耳まではとどかなかった。
36: 鬱岡 ◆CevUvUjMhQ:2012/3/12(月) 23:26:06 ID:uMelaGOOoQ

「…ごめんね」

 これは誰の何に対しての言葉だったのだろうか。
 

 或いは父の、家族というコミュニティを守り切れなかった悔恨か。
 或いは母の、息子の道を違えてしまった懺悔か。

 或いは姉妹の、笑顔を保つことができなかった無念か。
 或いは兄の、家族に対して残された唯一の良心か。

 或いは詐欺師の、これから先が見えてしまったことに対する諦観か。
 或いはメイドの、暗い笑みを携えた策謀か。

 或いは義母の、恵まれない出演に対する狂気か。
 或いは作者の、義父の出番があるかないかもわからない出番に対する謝罪か。


 どこまでも暗く、人間の感情の一端を表すその言葉は一人の口から漏れたもの。
 されどそれは、皆の行く末を束ね物語を幸せな結末へと紡ぐ一筋の光明となり得るのだろうか。
 


 少しばかり場所を移したここは、ある意味その団結と精神性はもう一つの家族と言えるであろう所。
 兄が組と呼ぶ組織の部屋の扉の前だ。
37: 普乳 ◆kSd3h.IkGU:2012/3/13(火) 00:23:46 ID:NZ0gmpkD7I

「さ、降りて。行くよ」
「あの、どこに……?」

 妹さんは不安げに着いてくる。僅かに残った良心がチクリと痛むが今更気にかけていられない。
 だから、……心の中で謝る。ごめんなさい……、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい……、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……

「失礼します。……連れてきました」

 部屋の扉を開けると煙草の匂いがした。普段は嗅がないその匂いに眉間に皺を寄せる。

「おいおい、せっかくの美貌が台無しだぜェ〜?じゃ、お前はもういい、出てけ」
「……失礼しました」

 私を連れてきた男性は出ていってしまった。
 兄の元気な姿にほっとしたのも束の間、

「きゃっ…!?」

物凄い力で引き摺られソファに押し倒された。そして直ぐに口枷を付けられ、首輪と手錠が鎖で繋がっている物で拘束されてしまった。

「〜っ!〜っ!」

 抗議の声を上げるが当然声になっていない。それでも抵抗しているとスカートの中に手を突っ込まれ下着を剥ぎ取られた。

「…!!」

 実の兄に、誰にも見せたことのない秘部を舐めるように見つめられ涙が流れた。
38: お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2012/3/13(火) 22:42:43 ID:tmR2D2iuX.
??「何しとんじゃヴォケェー!!」
兄は叫び声と共に蹴り飛ばされ視界から消えた。
??「われは何しとるんかわかっとんのか!?手ぇ出したら交渉もやりにくくなるじゃろがクソが!!」
蹴り飛ばした男は兄の顔目掛けて何度も蹴りをいれていた。
兄「す、すいません若!つい勢いで…もうしません!勘弁しtry」
言い終わる前に若と呼ばれる男の蹴りが兄の口にめり込み、兄は口を両手で塞ぎ丸まり痙攣を起こしていた。

若「能無しが…すまねぇな嬢ちゃん、怖かったよな……ほら、下着汚しちゃったけど履いていいからね。おいお前ら、大事な客人に何してくれてんだ。はよ外せや」
「は、はい若!」
カメラや刃物を持っていた男達はすぐさま私の手錠と鎖を外してくれた。
床に投げ捨てられていた下着を拾い、私は部屋の隅に走り座り込んだ。出入口に別の男が居るため逃げ出す事は出来なかった。
若「嬢さん、もう何もしないから怖がんなくていいから、早く下着をはいた方がいい。風邪ひいちゃまずいからな。」
若「そんで、誰や。こんなくだらん芸を考えた味噌粕は」
「こ、こいつです頭…娘襲ってるディスク送りつけたら、簡単に金を払うからって…」
男の一人が丸まった兄を指差す。兄は口を塞いだまま若に視線を向ける。
呼吸も荒く、手は赤く染まり、目尻には涙を浮かせていた。
それをまるで野良犬を哀れむかの様に見下ろし、兄の前に大股を開いて座った。
若「お前はホンマに能足りんやな…せやから他からモタレや言われるんや。わしらは辺り構わず、ささらもさらやりゃえいっちゅうもんやないんや。交渉はビジネスや。どんだけ要領よく事を儲けるかを楽しみながらいかないかん。」
若「それにな、われのしよることは組を危険に晒しとんのやぞ?われがパクられんのは勝手やがな、察はここぞとばかりに親父までしょっぴこうとするやろう。そんでケツ割らないかんのはわしらや…そんなみっともない真似してみぃ、何処がわしらを引き取るんや?なあ、われはここまで考えたんか?なぁ?モタレよ、あぁん?」
若は兄の髪を掴み上げ、勢いよく地面に叩きつけた。
その瞬間、私は何が起きてるのか理解する間もなく若の腕にしがみついていた。
長女「ごめんなさい、もうやめてください!私の兄なんです!まだ何処もなにもされていません!兄も本気じゃなかったんです!だからもうやめて下さい!死んじゃいます!!もう許して下さい!!」
私は若の腕にすがり、泣いていた。
39: PK:2012/3/13(火) 23:28:10 ID:8KNNMHCSzM
「あん?じょーちゃん、こんな奴のことまだ兄貴言うんかいな。ゆーとくけどこんな屑、わし等ん中でも希少種やぞ?」
若が私がすがりつく腕とは逆の手で兄の髪の毛を引っ張り、頭を持ち上げる。

「助け……」
血まみれの鼻が曲がった顔で、命乞いをしている。きっと、鼻が折れているのだろう
その顔からはかつての優しかった兄の面影など、みじんも感じられなかった。

血まみれの兄の姿にどこか非現実なものを感じながらも、兄を助けてもらえるよう必死に言葉をつなぐ。

「お、おねがいです。兄を助けてください。なんでもします。お、お金が必要なら私が何とかします。だから……」

「……」ドサッ

若はそれまでつかんでいた兄の髪の毛を離し、少し考え込む。

「おいじょーちゃん。自分、なんでもするゆーたよな?」

嫌な予感を感じつつも、それに頷く。

「そやなぁ……とりあえず、わしの腕離し」

それまでずっと若の腕にしがみついていたことに気づき、慌てて離す。

「そんでやな。流石にじょーちゃんから金もらうわけにはいかん。かといってこっちも商売やさかい、このままじょーちゃんにお帰りいただくわけにもいかん。
まぁワシ個人としては帰ってもらってこの屑の処分したいんやけどな」

そう言って若は軽く笑う。話がなんだか変な方向に行っている気が……

「っちゅーわけで。まず、じょーちゃんが親から一億円借りてもらう。
そんで、それをそのままこっちに渡す。ここまではええか?」

なんだかわからないがとりあえず頷く。

「それと引き換えに、じょーちゃんはこの屑つれてこっから出ていく。これでどーや?」




40: 枕 ◆t5ttWOhuII:2012/3/14(水) 18:47:10 ID:qmh5YAfdUw

「わ、分かりました……。だから、兄を……お兄様を!」

 私がそう言うと、彼は何の躊躇いもなく兄を放す。

「お兄様!!」

 お兄様に駆け寄り、体を引き起こす。

 後ろから声が聞こえた。

「お嬢ちゃんがそのまま逃げる可能性も無いことはない。だから、1人か2人、付いてこい」

「私は逃げません!!」

 思わず声を荒らげてしまった。若と呼ばれた人は、頭を掻きながら困ったように言う。

「いやな、お嬢ちゃんのことが信用ならんって言ってる訳じゃないんよ? ただ、1つの可能性としてって事よ」

 彼は部下の人に「車を出すぞ」と言って奥に消えていった。
41: 寅午 ◆.eH7uaEVrQ:2012/3/15(木) 22:16:50 ID:25K21tG77g

しばらくお兄様を抱き締めたその体勢のまま、身動きができなかった。
体をこわばらせて若と呼ばれた男性の出ていった後をずっと見続ける。

「ぅ、」

兄だった。
折れた鼻からしたたる血が、私のスカートを汚した。

「お兄様、大丈夫ですか…!」

そっとその肩に触れようとした、瞬間。

「あ゛っへんりゃれえろおお!」

私は突き飛ばされ押し倒される。
先ほどと同じようなことをされるのか、という考えが頭をよぎり、逃れようにも体が動かない。

「ぅお、おまへのへいれ……」

違った。
兄は、私を殴る。殴る。

すぐさま周りの人々が止めに入ってくれたけれど、
それでも私は兄に手荒なことだけはしないよう頼んだ。
42: 普乳 ◆kSd3h.IkGU:2012/3/17(土) 21:55:04 ID:8uKbgHD6iE

 若と呼ばれていた人の部下を数人連れ、自分の家への道を辿る。携帯を見るとメイドから大量の着信とメールが着ていた。

「助けを読んでも無駄だからな」

 男たちにそう言われ、メイドに返事をする事を諦める。だがメイドは諦めていなかったようでメールが着た。マナーモードではないため、着メロであるマジンガーZが流れる。

「いいか、返信するんじゃねーぞ?」

 男たちは少々唖然としていたが、助けを呼ばない様釘を刺した。
 少女はそれに頷きまた歩き出す。

 10分ほど歩いたところで背後から激しいバイク音が聞こえてきた。一人の男が何事かと振り返ると

「ぶげらっ!?」

いきなり顔面を蹴られた。

「何事だっ!?」
「貴様ぁ…!」
「お嬢様は返して頂きますっ!」

 バイクに乗っていたのはメイドだった。

43: お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2012/3/17(土) 22:51:04 ID:GriouPw.r6
メイドは合気道と薙刀の有段者、そしてキックボクシングのアマチュアチャンピオンだった。
そして茶道に華道、舞踏に着付けの心得もあり、有名女子大学を主席で卒業し、大型二輪の免許を持つ才色兼備。

瞬く間に部下を一掃し、私を抱えてバイクを走らせた。
少女マンガの主人公になった気分だ…脇に強く抱かれ腕にメイドのDカップのマシュマロが当たって暖かいし柔らかいし格好いいし惚れてまうやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉry
メイド「お嬢様!お怪我はありませんか!?」
ハッと我に還る。
長女「あっ……大丈夫」
メイド「嗚呼お嬢様…良かった本当に無事で良かった…メイドはお嬢様に何かあったらと心配で心配で…私がもっと強くお嬢様を掴んでいれば怖い思いもさせなかったのに。帰ったらどんな罰でも受けます。」
メイドは目尻に涙を浮かべていた。
現場から随分離れたショッピングモールの駐車場で止まり、メイドは私を下ろした。
長女「そんな、助けてくれたのに罰なんて…でもどうして場所が?」
メイド「それは携帯のGPSと、お嬢様の髪留めとお召し物につけた発信機と盗聴kry」
長女「えっ」
メイド「えっ……」
髪留めを外し、よく見るとビーズに紛れて発信機、ワンピースのリボンの中に盗聴器と発信機が着いていた。
長女「知らなかった…これ、いつから着けてたの?」
メイド「誤解されませんようにお嬢様、これは今回外に出られて何かあってはいけないと念には念をとry」
長女「これ今朝自分で選んで着たワンピース…」
メイド「それはいついかなる場合にも対処できる様に全てのお召し物に着けさせてはいただいてるもので決して趣味で盗聴いや貞操を護るためいやあんな声やこんな音をとかそんなつもりはふじこふじこ」
長女「もういい…黙って」
メイド「すいませんでしたお嬢様!!お嬢様の事がどうしても気掛かりでつい…どうか、どうか私をお嫌いにならないで下さい」
深々と頭を下げ謝罪するメイド。
まさかメイドがこんな趣味を持っていたなんて…じゃあ今まで私が自室で籠もってしてたアイドルの真似やネットを見てうふふとかそこからさらにうふふとかうふふとかうふふふふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
メイド「お嬢様、お気を確かに!此処は安全とは限りません、ひとまず邸へ戻りませんと」
長女「あっ、は、はい。そうですね」
我に還った私はメイドの後ろに乗り、バイクは走り出した。






早く戻って、兄を救わなくては。
44: 乙潤 ◆nyan.ce4UM:2012/3/19(月) 21:40:03 ID:0B9Jecr0mE
メイドに乗せられ、ひとまず無事に自宅に帰ることができた。

「かくかくしかじかと言う訳でして〜」

メイドが、私に付けていた違法グッズ諸々を駆使して得た情報を全てお父様に話している。

「ふむ。メイドよ。普通ならお前は解雇相当のことをしていた訳なのだが、とりあえず今のところは役に立ったからお咎め無しということにしておこう。」

え、お父様。一応私にとっては私生活が一変するほどの一大事なんですけど……。

「まさかあのバカが自分の妹にまで手を掛けるようなやつだったとはな……」

「お父様!それでもお兄様が!お兄様がぁ!うぅっ……」

ボロボロと涙を流す娘。

「ねぇさまを泣かせるやつは、私がキャメルクラッチでしとめるから大丈夫だよっ!」

自分の兄がこの事件の中心だとも知らずに私を慰めてくれる妹。
落ち着かせようとしてくれることはとても嬉しい。思わず微笑みがこぼれる。

「ふふっ、ありがと。それでお父様。お兄様を助け出してはくれませんか?」
45: 寅午 ◆.eH7uaEVrQ:2012/3/20(火) 15:27:58 ID:G5S6hvVP/2

「……それはならん」

父の厳しい声色に、一瞬緩んだ空気が再びはりつめた。

「お兄様がしてらっしゃることは……私も薄々わかっています」
「ならばわかるだろう、金を払うことは私達のためにも、あの阿呆のためにもならん」

すすり泣く母が、あなた、と呟いて頭を振った。
妹は、父が母を泣かせたのだと判断し、キャメルクラッチを仕掛けようとする。
無言で妹を制止し、父と向き合う私。

普段はほのぼの仲良し家族である私達の思わぬ修羅場に居合わせた使用人達は、ひどく居心地が悪そうだった。
46: 普乳 ◆kSd3h.IkGU:2012/3/22(木) 19:10:54 ID:8uKbgHD6iE

「なぜお兄様を助けて下さらないのですか!」

「なぜか?ふ、その答えは簡単だ。アレはこの家の格に相応しくないレベルにまで堕ち、更には一億円を貸せとまで言ったのだぞ」

「ではお貸しなされれば…!!」

「馬鹿者っ!!」

 珍しい父の怒声に食堂にいたみなは一瞬身をすくませた。

「いいか!アイツのことは放っておけ!今はまだ子どもだから分からんだろうがな、将来母親になった時我が子に同じ事を言われたらお前は必ず私と同じ行動を取る!絶対にな!」

 それだけ言うと父は食堂から出ていった。乱暴に閉められたドアは悲鳴の様にキィキィと鳴っていた。
52.75 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字