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チーム:夜会【騙す】
[8] -25 -50 

1: 名無しですが何か?:2012/3/4(日) 12:58:12 ID:1lvOPQUkic
お題【騙す】

下記の順番でお願いします。

ガッチャピン ◆njsK9r1FDk
ゲソ ◆9nEkyiWUj6
トニー ◆zDv4YdgCF6
名無しくん ◆eRDUfXaGp2
鍵山 ◆OOv0QE0xGM



2: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/4(日) 17:26:09 ID:6UUiCHuofE
この生活をして早くも20年程。代わり映えのしない毎日、見飽きた動作。
白髪が増えつつある生え際を撫でつけ、今日も仕事に向かう。


3: ゲソ ◆9nEkyiWUj6:2012/3/4(日) 17:44:49 ID:GJy45.yZXg
17時を過ぎた頃だろうか。彼は彼の仕事へと歩みだす。

沈む夕日が映し出す、彼の陰影に隠された真意を、或いはすれ違う女は知っていたのかもしれない。
4: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/4(日) 19:30:11 ID:AUdLdHLZEE
「すみません、道を聞きたいのですが」
彼の向かいから小走りに急いでいた女は、そう彼を呼び止めた。なんでしょうか、と自然な仕種で振り返った彼は、その穏やかな笑顔の下で冷徹に女を観察しはじめる。

5: 名無しくん ◆eRDUfXaGp2:2012/3/4(日) 20:06:27 ID:PAa42pmhtk
息があがり閉じることのない唇は紅く塗られ、こぼれる吐息には白く色がついていた。
細い目には印象的な薄紫のラインが置かれ妖艶な雰囲気を演出する、だがなによりもそれを思わせるのは口元にあるほくろだろうか。

「どちらまで行かれるのですか?」

6: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/4(日) 21:04:44 ID:SjykLH18N2
そう問うと女はどことなく寂しげな表情を浮かべながら答えた。
「この街の美術館まで…」
男はふと既視感を感じたがそれを拭い去った。
「残念ですが今日はもう閉館したはずですよ」
7: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/4(日) 22:07:54 ID:6UUiCHuofE
すると一転、女は伏し目がちになり、
「……それは分かってますが、大事な約束をしてまして…」
と口が小さく動き、同時にほくろもそれに追随する。

…口にあまり出したく無かったのだろうか。
「そうでしたか」
だが、こちらも仕事が待っている。
「でしたらあちらの道を少し行けば交番がありますので、そちらで聞いては如何でしょうか…?」


8: ゲソ ◆9nEkyiWUj6:2012/3/5(月) 07:35:29 ID:jXjtQP5wys
美術館は"今日の仕事"への通り道であるため、案内することも思案したが、愚考だと彼はそれを意識の外へと追いやり無難な提案をした。
9: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/5(月) 08:58:06 ID:1HASR0l9Qw
しかし、またもやそれは思考の内に留まった。彼が思案している間に、女が挨拶もそこそこに立ち去っていったからだ。彼は少し瞠目しつつそれを見送ると、己も再び歩き始める。
ふと彼が見上げた空では、燃えるような橙を宵闇が浸蝕してきていた。急がなくては、と彼は足早に女が進んだは逆の方向へと消えていった。
10: 名無しくん:2012/3/5(月) 13:16:01 ID:j/9XH463.Y
戸建ての木造住宅が立ち並ぶ住宅街、稀に通りすぎる人は今までのように冷たく見えた。

そういえばこの先を曲がれば先ほどの女が探していた美術館がある。

何故だろう…?美術館の方へと向かう足が重い、「たかが道案内をしなかっただけで良心の呵責が…?」「それとも…」馬鹿馬鹿しい、男は今までのように重い足に嘘をつき、先へ進んだ。
11: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/5(月) 13:55:28 ID:AeHidzNwG.
『モーリッツ・エッシャー 〜不思議な視覚の世界』
重い足を進め、目に飛び込んできた美術館の看板にはそう書かれていた。
男はエッシャーという名前をしばし考え思い出す。
「あぁ、トリック・アートの人か…」

所謂『騙し絵』というやつだ。それは昇っても元の位置に戻る階段だったり構造上あり得ない立体だったり――。

そういえば、と男はあの女が約束をしていたことを思い出し、それらしき人物を探してみた。
12: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/5(月) 16:28:12 ID:6UUiCHuofE
目当ての人物はすぐに見つかった。
艶のある短い黒髪、それに合う鋭い眼光。口元には横一線で、何かを待ちわびる表情。
携帯を片手に待つ男の姿は、背景と重なって非常に格好がつく。

(確かに、彼女の待ち合わせ人には相応だが…如何せん…)



(似合いすぎてる…)
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