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チーム:夜会【騙す】
[8] -25 -50 

1: 名無しですが何か?:2012/3/4(日) 12:58:12 ID:1lvOPQUkic
お題【騙す】

下記の順番でお願いします。

ガッチャピン ◆njsK9r1FDk
ゲソ ◆9nEkyiWUj6
トニー ◆zDv4YdgCF6
名無しくん ◆eRDUfXaGp2
鍵山 ◆OOv0QE0xGM



13: ゲソ ◆9nEkyiWUj6:2012/3/5(月) 19:58:49 ID:rEsLET6s.U
自分には関係ない。そう彼は自分に言い聞かせ、彼は仕事へと向かった。

彼はその時点で、その黒髪の男に声を掛けなかったことへの、数時間後の後悔を予期することが出来なかった。
14: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/5(月) 20:22:35 ID:1HASR0l9Qw
場所は変わり、美術館の近くにあるとある喫茶店。小さい喫茶店だからか、顔なじみになったウェイターがいつものですね、とほがらかに席へ案内する。彼は人好きのするような笑みでそれに応えると、自分の仕事をはじめた。
彼の仕事は、個人が経営している探偵事務所に勤めている、いわゆる探偵である。依頼は逃げた飼い犬やら飼い猫やらを探す、というものがほとんどだが、半年に一度ほど、浮気調査といったものが入る。そして、今回がその半年に一度だった。
15: 名無しくん ◆eRDUfXaGp2:2012/3/6(火) 01:34:09 ID:0XS1Gbf6Yk
女の勘ってやつは怖いものだ…決して数は多いとは言えないが今日までの依頼は全て女性からでそのうち白が0、つまりは確実に浮気をしていた。
仕事として割り切るならこんなに美味しい話はない、なんせちょっと探れば確実にボロが出るのだ、男とは鈍くて馬鹿な生き物、俺はそう解釈している。

だが今日の依頼は特別だ、何故なら…
「お待たせいたしました」
考えを遮るかのようにウェイターがコーヒーを持ってきた、軽く会釈をしコーヒーをすすりながら今回の依頼主の「男性」を待つ。

すると…

カランカラン

16: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/6(火) 11:05:47 ID:bFDtNE5BAA
入ってきた男は辺りを見渡し私の方へ歩いてきた。
「失礼、探偵の男さんですか?」
「えぇ、じゃああなたが…」
「はい、今回の依頼をしました岡崎です」
「分かりました、では早速詳しい話を…」
「とりあえず何か飲ませてください。…あ、すみませんブレンドを一杯お願いします」
男は依頼人岡崎の態度に少しの不快感を覚える。
「で、今回依頼するのはこの二人の関係の調査です」
そういって岡崎は二枚の写真を取り出した。
17: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/6(火) 17:59:01 ID:gI11xxLelI
「…この2人で、間違いないのですか?」
「ええ、こちらの2人の調査を依頼したい。」

写っていたのは極々普通のカップル。取り立てて言うことは無いが、先程の映像が脳裏に浮かび上がる。
(ははぁ、これはさっきの…)

「分かりました、引き受けましょう。期限はいつ頃までにしましょうか?」
「調査自体は二週間で結構です。」
「分かりました。できる限りの事をさせて頂きます。」

男は必要事項を岡崎に告げ、先に喫茶店を出て行った。
18: ゲソ:2012/3/6(火) 20:07:26 ID:T./AFUEEvE
空耳だろうか、探偵はそのときサイレンの音を耳にした。

私は何故、胸から血を流しているのだろうか?十余年、幸せな家庭の幸せな主婦として過ごした私は、テレビドラマにある様な愛憎劇とは無縁だったはずなのに、とそこまで考えてから考えるのをやめた。幸せな主婦ではあったが、幸せな家庭は私が一方的思っていただけなのかもしれないのだから。血が止まらない。血が生暖かい。
19: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/6(火) 20:37:14 ID:0UW08OXRsc
滔々と血が流れ、意識が薄れていく。いや、薄れているのは血だ。血が、赤から白濁した半透明に変わり――それがただのお湯だと、私は気づいた。
ああ、私は何をしていたのだろうか。そうだ、洗い物をしていたんだ。そう、なんだか寒かったからぬるいお湯で、お皿を洗っていたんだ。いや、手元にはお皿なんてない。あるのは、流しっぱなしだったせいか水溜まりになってしまっている、冷え切ったお湯だけだ。もとから水なのかもしれない。わからない。
自分で自分がわからなくなって、空を見る。鼠色が青を隠していた。雨が降るかもしれない。洗濯物を畳まなくては。洗濯なんてしただろうか。今朝したばっかりじゃないか。今朝とはいつの話だろうか。そもそも今は何時なのか。
もう、わけがわからない。とにかく外に行かなくては。この家から、出なくては――……
20: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/7(水) 01:48:28 ID:Opd5Ib3YrA
名無しくんが忙しい様なので飛ばします。



『調査利用目的確認書』
簡単に言えば探偵の調査を依頼人が違法行為に使わないと証明する書類。今回で言えば岡崎が依頼した二人の情報を悪用しない、というわけだ。
普通男性が浮気調査と言ったら妻を調査するのが筋だろう。だが不思議な事に岡崎は知人である依頼の二人が浮気をしていないかを知りたいというのだ。確認書はしっかり書かせたがまさか『別れさせ工作』の下準備なんじゃ……などと考えていると

「お、ここか…」

隣の街にある依頼の夫婦の家に辿り着いた。
そう美術館で女を待っていた男の家だ。だが妻はあの道を尋ねてきた女ではないようだ。女の待ち人はこの男ではなかったのか、それともやはりこの男は浮気をしているのか……。

考えを巡らせているとガチャと玄関の開く音。咄嗟に探偵らしく身を隠す。そこには髪を濡らし慌てた様子で家の外に飛び出す女がいた。
21: ゲソ ◆9nEkyiWUj6:2012/3/7(水) 14:49:06 ID:qmuTkL.bmE
※12時間ルールで次の順番に回ります。

突然のことに探偵は避けきることが出来ず、ぶつかり顔を合わせてしまった。髪だけではなく、不可解にも全身を黒い液体でしとらせた彼女は、錯乱しているようだったが、調査対象に予期せぬ形で顔を知られてはいけない。探偵は即座に立ち去ろうとした。しかし倒れゆく女が目に入り、僅かに残る探偵の良心が足どめをしてしまった。倒れた女を中心に広がる黒い水溜まりを見て、探偵はやっと状況を理解する。
22: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/7(水) 15:43:12 ID:1HASR0l9Qw
探偵が黒と思っていたのは、褐色に程近い、赤だった。黒だったものが、急に色付いたかのように映える。探偵は赤が血であると認識し、慌てる。おびただしい量のそれは、少なくとも女だけのものではないだろう。そして、探偵の勘が正しければ、全て人のものだ。いったい誰のものなのか。探偵が知るよしはない。
もはやちょっとした池のような血。探偵が吸い込まれるようにそれの中心を見る。見続ける。しばらくして、遠くで頭を割るような音量のサイレンが響いた。その音で我に返った探偵は救急車、と漏らす。と同時に、響いていた音は霧消した。

23: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/8(木) 12:18:05 ID:qvo.LPcHN.
※12時間経ったので飛ばします


幻聴か?今はとにかく救急車を呼ばねば。しかし調査対象に顔を知られるのは最大のタブーだ。このままここにいるのはマズい。かといって逃げたら俺が何かしたみたいじゃないか──

探偵は必死に考える。が、冷静になりきれていなかった。もしかしたら殺人事件の渦中かもしれないのだ。テレビじゃ探偵といえば難事件を解決がお決まりだが実際の探偵の仕事は地味なものがほとんど。こんな状況におかれるのは初めてだった。
24: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/8(木) 19:00:32 ID:.XFomPqRuI
そうこうしている内に流れる血が弱くなっている…

(……ええいままよ‼)

探偵は携帯をかけながら女の傷に手を当て、止血を試みた。


………
……




25: ゲソ:2012/3/8(木) 23:05:20 ID:mjiyMOsgto
血液は粘りつくんだな、と探偵は救急車に同乗しながら心の中で呟いた。救急隊員が言うには詳しい状況を訊かなくてはいけないらしい。
26: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/8(木) 23:48:48 ID:HTBgGj87.M
しかし探偵にわかるのは血がたくさんあった、ということ程度で、その他のことはむしろ救急隊員のほうが詳しいだろう。それを正直に話すと、隊員は少し訝しげになりながらも、そうですか、と応えた。
――職業柄、洞察力には優れていたつもりだったが……。
探偵は車の天井を見上げ、憂鬱な気分でそう思った。サイレンが響く。探偵は音が違うな、と考えた。
27: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/9(金) 11:53:53 ID:McH/7foGJk
だが具体的にどう違うかがはっきりしない。そもそも救急車のサイレンがどんな音だったのか思い出せない。今頃調査対象の男の家には警察が入っているのだろう。こんな状況では今回の依頼は失敗に終わりそうだ。岡崎にはなんと説明しようか。

あれこれと思案している内に病院に着いた。手術室に運ばれる女。とりあえず待合室で待っていると男が玄関から駆け込んできた。
28: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/10(土) 00:13:05 ID:h4TF95GUdk
「貴方が発見してくれた人ですか?」
「はい、もう少し早く連絡出来たら良かったのですが…」
ここは印象をよくしておくほうが得策だろう。何故なら…
「それでは、発見した時の状況を少々聞かせてもらえますか?」
「ええ、良いですよ。えーっと…」
「申し遅れました、私の名前は遠井です」
そう言いつつ、彼は警察手帳を出してきた。
29: ゲソ ◆9nEkyiWUj6:2012/3/10(土) 03:56:13 ID:.Lm3BW7986
確かに遠井という文字が見えたが、探偵が想像していた警察手帳よりもそれは厚く、手帳にすら見えなかった。しかし現実にはそういうものなのだろう。
「はじめて警察手帳を見ました」
探偵は他愛のない話を切り出し時間稼ぎをした。
「以前は手帳だったんですがね」
単なる通行人として説明すべきか、探偵として説明すべきか悩んでいたからだ。
「彼女は大丈夫なんですかね、血だらけでしたが」
そろそろ決めなければならない。
「詳しくお聞かせ願えますか」
30: トニー ◆zDv4YdgCF6:2012/3/10(土) 14:06:23 ID:jyBeSMxwJA
遠井に低い声でそう言われ、探偵は名刺を差し出した。あんなに血まみれだったのだ、たかだか探偵の出る幕ではない――そう考えての行為である。
「探偵、ですか」
遠井が呟く。うっかり漏れてしまったかのような声量だったが、間近にいた探偵にはしっかりと聞こえた。
31: 鍵 ◆OOv0QE0xGM:2012/3/11(日) 20:18:53 ID:4biYXxiI9E
※飛ばします

「──ではあなたは不審な人物などは見ていない、と。」
「…えぇ」

遠井に答える探偵。質問もほとんど終わりかとホッとしかけた時。

「あなた探偵ということでしたがあの女は調査対象だったんですか?」

一応探偵にも守秘義務はある。正直に話すべきか否か。
32: ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2012/3/12(月) 02:19:09 ID:h4TF95GUdk
…守秘義務があるし、面倒事に巻き込まれたく無いのでここは誤魔化しておく事にした

「いいえ、違います。今回はたまたま通りかかっただけですよ。」

「分かりました。…ではまた何かありましたら、ご連絡下さい」


そう言うとすぐに、遠井は立ち去っていった。
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