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殺し屋「無念です……。」
[8] -25 -50 

1: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 22:53:20 ID:jXjtQP5wys
初SSです(・_・;)
マンネリなストーリー、読みにくい文章になってしまうかもしれませんが、何卒よろしくお願いします(´・ω・`)



2: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 23:00:08 ID:M3Wkvy33qg
殺し屋「無念です…。」


男「ちょっと待って!この意味不明な状況何一つ処理せず、自害しようとしないでくれる!?」

殺し屋「駄目なんです!私はもう死ぬしか道は残されてないんです!!」

男「ええぇぇぇ…。」
3: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 23:42:53 ID:3ZN46PwZVU
約1分前

コンビニのエロ本コーナーで一際異才を放つエロ本の袋とじを堂々とハサミで切る、という荒業を行なったら、これまた普通に店員に怒られるという充実した一時を過ごし、家路を急ぐ事に。すると、気分転換にいつもと違う道で帰ってみよう…と俺の中の悪魔が囁いたため、裏路地を通った事から事件が始まった……。
男「薄暗いなぁ…お化けとか出ねぇだろうな…。やべぇ少し安易だったかも…俺ホラー映画で唐突に奇声上げて、自己中心的な行動取って、一番最初に死ぬタイプって言われてんだぞぉ……。」


4: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 23:58:35 ID:rEsLET6s.U
その時だった。
シュッ…トッ
アナログテレビの起動音より小さな音が背後から鳴った。

シュパァアンッ!!空気を切り裂く様な音が鳴り響いた。

男「うあああああッ!!?」
俺はとっさに背後から強烈な殺気を感じ取り、イナバウアーの様な体制で何かをかわした。

それは長さ30cm程の包丁だった。

背後を見ると(イナバウアーの体制から)、頭に黒い帽子を深く被り、黒いマフラーを首に巻き、黒いジャージに身を包んだ、如何にも危険な人物がいた……。ていうか思いっきり俺の頸動脈狙ったよねこの人。

俺は思った。
男「(やべぇ……死んだ。)」
5: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 00:12:17 ID:mjiyMOsgto
男「(あぁ…エロ本の袋とじに手を出すからこんな事になるんだ…背後の黒い人は多分あのコンビニの店員に、俺を殺すように依頼されたんだろう……でもええねん……だって袋とじの中のインリン最高やったもん!!)」

ビュッ… 

カランッ!

男「へっ…?」
俺固まる。背後見る。黒い人、包丁落とした。黒い人、包丁拾う。黒い人、正座の様な体制取る。

黒い人「無念です……。」

俺「はぁああああああ!!!??」

冒頭戻る。

6: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 09:02:37 ID:Ctk3Ee1sGs
男「何で!?俺、君の絶望に起因するような事、まるでしてないよ!!?そもそも俺、被害者なんですけど!!」

女「うるさい!!あなたに私の何が分かるの!?」

男「うんごめん!俺も君程、意味不明な人間初めてだわ!!」

女「………っ。」

女「……なんです…。」

男「は?」

女「一撃…じゃないと……駄目なんです…。」

男「は?」
7: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 09:05:57 ID:rEsLET6s.U
あぁぁぁぁぁ(°□°;))

すいません…
女じゃなくて殺し屋です

緊張してます
すいません…(ノ△T)

8: 名無しさん@読者の声:2012/3/13(火) 09:23:45 ID:ZkE1xnFobM
殺し屋「だから…あなたの事…一撃で仕留めないと駄目だったんです…。」

男「…えっと…何故に……?」

殺し屋「実は私…すごくメンタルが弱いんです……。極端に言うと、バカっ!とか一言言われただけで胃が痛くなってしまうくらいに……。それに人が私に対して悲しい表情をする事も、耐えられないんです……。」

男「?それと一撃で仕留めないといけないのと、何が関係してんだ?」

殺し屋「…だって、人間殺されそうになったら、酷く悲しい表情するじゃないですか…。」

男「だから?」

殺し屋「私はそれが耐えられない…。」
男「ズバリあなたは殺し屋をやめるべきでしょう。」

9: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 09:36:26 ID:jXjtQP5wys
殺し屋「仕方ないじゃないですか!どのバイト先の面接でも、「自分、基本会話NGなんで。」って言ったら落とされるんですもん!!」

男「そらそうだわ!!」

殺し屋「だから私に残された道は殺し屋しかなかったんです!!」

男「君の道は極端過ぎるよ!!」

殺し屋「だって殺し屋なら、悪い人を一撃で首チョンパして、ノールックでとんずらこいたら、めでたしめでたしなんですもん!!」

男「何サイテーな行為コミカルに語ってんの!?」
10: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 10:03:59 ID:M3Wkvy33qg
殺し屋「………。」
男「……おい。」

殺し屋「………。」
男「おい。」

殺し屋「は、はい!?すいません!ぼーっとしてました!」
男「(急に意味不明な事言ったり、静かになったり、情緒不安定か。)」

殺し屋「あの〜……何であなたは私に対して、悲しい表情や罵倒をしないんですか?私……いくら依頼されたからって、あなたの事殺そうとしたんですよ?」

男「呆れてものが言えないだけ。」

殺し屋「ですよね〜。」

男「それと……俺、お前の事最初に見た時…何か……悲しいなと思ったんだ。」

殺し屋「えっ……。」

男「よく分かんねぇけど、そう思ったんだよ。……だから、コイツになら殺されてもいいかなって自然に思えたんだ。」

殺し屋「………。」
男「それに……悲しい表情してるお前がすごく綺麗に見えたんだよ。ハハ変な話だよな。」

ボンッ

男「ボンッ?」
11: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 10:31:08 ID:mjiyMOsgto
男「うわわっ!?」
殺し屋の顔が火がついた様に真っ赤になってる……。何か煙とか出てるし。

殺し屋「はわわわわわわわわ」

男「おい!大丈夫か!?」

殺し屋「ひやっ!?」
殺し屋が俺の顔を見て驚く。俺の精神に10ポイントのダメージ。

殺し屋「す、すいません!!あの、しょの!はじっ!!初めてだったのでぇ(裏声)!!!」

男「……初めて?」
殺し屋「あの…綺麗……とか言われたの初めて…だったので/////」


12: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 10:53:29 ID:T./AFUEEvE
殺し屋「ふぅぅぅ…。」

男「落ち着いたか?」

殺し屋「…はい。お手数掛けます。」

男「(まったくだ)っで一つ質問があるんだが……俺を殺すように依頼したのは誰だ?コンビニの店員か?」

殺し屋「?違いますよ?」

男「えっ…違うの?」

殺し屋「そんな意外そうな顔されても(汗)。そもそもあなたを殺すように依頼してきたのは一つの組織ですよ?」

男「組…織?」

殺し屋「はい。○○組という所の……ぶっちゃけヤクザです。」

男「はい?」

13: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 11:14:30 ID:Ctk3Ee1sGs
男「・・・・・・・(フリーズ中)。」

殺し屋「あの〜もしもぉし?…駄目だ。ただの屍のようです。」

男「(ヤクザ?ヤバくね?ていうか何で?俺何もしてねぇよ?袋とじ破いただけだよ?そんなちょっとした好奇心も許されないの?)」

殺し屋「…あのぉ?大丈夫ですか?フリーズさん?」

男「…この程度の戦闘力で私を倒せるとでも?」

殺し屋「なんとか大丈夫そうですね…。」
14: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 11:59:04 ID:.Lm3BW7986
殺し屋「ものは相談なんですが…。私を雇ってみませんか?」
男「えっ?」

殺し屋「私はあなたの殺害に失敗してますし、あなたに顔覚えられてる上に、組織の情報も流してしまったし、組織に戻っても確実に始末されるだけです。それならいっそのこと…です。」

男「俺を殺せばいいんじゃないの?俺が言うのもなんだけど…。」

殺し屋「あなたを一撃で仕留られなかった時点で、私の殺意は消え失せてます。それに……。」

男「それに?」

殺し屋「私とまともに話をしてくれる人、初めてだったので…。そんな人を殺すくらいなら、組織の元に戻って自分が始末される方がずっとマシです。」

男「……。」

15: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 12:13:12 ID:T./AFUEEvE
男「…分かったよ。そうさせてもらう。」

殺し屋「本当ですか!?ありがとうございます!!」

男「じゃあよろしくな。」スッ

殺し屋「いやぁっ!!」

男「えっ…?」

握手をしようと、殺し屋の手を取ろうとしたら叫び声を上げられたあげく、バックステップで距離を取られた……。


・クラスの女子にマジギレされた回数、2回
・肝心な時にインポになる回数、3回
・女子による平手打ち、4回
・叫び声を上げられながらバックステップで距離を取られた回数 、1回

・俺のメンタルブレイク数、 プライスレス
16: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 12:43:29 ID:mjiyMOsgto
男「(ずぅぅううん……。)」

殺し屋「あっ!えっと!越冬!違うんです!!別にあなたの事、病原菌扱いしてるわけじゃあないんです!!」

男「びょっ病原菌…(ずぅぅうううん…)。」

殺し屋「ああぁっ!!違うんです!!私に触るとあなたの手が汚れてっ!!!あぅあぅ…。」

男「俺の手が…汚れる?」

殺し屋「あっ!あの……その…ですね…。」

男「(さっきから、この娘震えてる……?)」

17: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 13:38:27 ID:CYOwNol3Qc
男「…とにかく、ボディタッチはNGなんですねお嬢。」

殺し屋「はい。そうして頂けたら、うれしいです……キャバ嬢的な扱いしないでください。」

男「んじゃまあ、改めて…俺は男っつーんだ。よろしく頼むぜ。」

殺し屋「あっ…はい。私は殺し屋です。よろしくです。男さん。」

男「おう。…ていうか、殺し屋は俺のボディーガードとして雇うんだよな?さすがにヤクザの組長の首、取って来いなんて言えねぇし。」

殺し屋「はい。そうさせてもらいます。相手は中々名の知れたヤクザなので、暗殺は厳しいかと思うので。」

男「……という事は…?」

殺し屋「はい。私、風呂無しでも全然大丈夫ですよ。」

男「やっぱ俺ん家来るのね…。つーか風呂くらいあるわ!」


18: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 13:48:05 ID:mjiyMOsgto
とりあえず一段落しました(´Д`)

おそらく見ている人は居ないでしょうが、誰かの目に止まるよう頑張り続けます\(^ー^)/

19: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 14:43:24 ID:jXjtQP5wys
後、>>5の黒い人は殺し屋です…。
ミスばかりですいません(-o-;)
文章も読みづらい部分が多いかもしれません(・_・;)

これに愛想をつかさず長い目で見てもらえたら非常に嬉しいです(´・ω・`)
20: 名無しさん@読者の声:2012/3/13(火) 14:50:47 ID:oR9LTLZEIM
みとるおー
可愛いから続けろください
21: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:06:45 ID:ZkE1xnFobM
俺はニートなので、週5でバイトして、なんとか毎日を食い繋いでいる状況なのである。よって殺し屋を雇う金など皆無。なので毎日3食の食事、寝床の保証で手を打つことになった。

男「おい。飯できたぞ〜。」

殺し屋「ご飯!?ガルルルル!!」

男「どうどう。ほら、いいぞ。」

殺し屋「いただきまぁす!!バクバクッむしゃむしゃッ!!」

こうして俺と殺し屋のワイルドライフが始まった。
22: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:09:39 ID:qmuTkL.bmE
>>20
うわぁ…。
めっちゃ嬉しい

見てくれる人がいる喜びをひしひしと感じております(^O^)

23: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:14:21 ID:ZkE1xnFobM
殺し屋「ふぅ…。やっぱり男さんの料理は最高ですね。頬っぺた落ちちゃいます。拾ってください。」

男「じゃあ触るぞ。」

殺し屋「すいません…勘弁して下さい。」

男「…何でそんなに嫌なんだよ?」

殺し屋「えと……すいません…。」

男「いや…別にいいけどよ。」


24: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:26:32 ID:GJy45.yZXg
男「あのさ…。俺を狙う○○組って所の話、もっと詳しく教えてくんない?」

殺し屋「あっはい。いいですよ。でも実の所あまりよく分かって無い事が多いんです。何でも組長の顔は組織の末端ですら分かっていないらしくて、徹底した秘密主義らしいんです。」

男「…ふぅん。」

殺し屋「ヤミ金、暴行など、あまり良くない噂も多々ありますね。けど、組同士の闘争などで亡くなってしまった人の体は、産まれつき体の不自由な人や事故で移植が必要となった人達にドナーとして後世に役立てるなんて話も聞いたりしてます。」

男「良いのか悪いのかよく分からん奴らだな…。」


25: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:33:59 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「私からも一ついいですか?」

男「ん…?」

殺し屋「ベットの下にある段ボールの中身は何ですが?」

男「核だ。」

殺し屋「えぇぇええええええ!?」

男「だから絶対触るなよ。死ぬよ。男のベットの下で遺体として発見されるよ?」

殺し屋「凄い死因が気になるニュースになりそうですね…。分かりました。」

男「(エロ本に決まってんだろ。馬鹿でよかった。)」
26: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 15:56:14 ID:jXjtQP5wys
当初、寝る時は殺し屋にベットで寝るように言ったんだが、それは申し訳なさすぎて死ぬ、と断られたため、日替わりで一人がソファーの上に寝る、というローテーション制でいく事にした。

それはそうと、俺は殺し屋と暮らしていく上で、新しい言葉を作った。その名も「殺爆」だ。

男「今夜は冷えるな。」

殺し屋「はい。え〜と今日は私がソファーで寝る日ですね。男さんはお気遣いなく。」

男「う〜〜ん…。流石に気が引けるなぁ……一緒に寝るか?」

「殺爆」ボンッ

殺し屋「ふぇぇええええええええっ!?そんなっ!しょんな事っ!出来るわけないじゃないですか!!まったくにゃにを言ってるんですか!!?」

男「HAHAHAHA」

字面のわりに全く危険性はなく、良いストレス解消になるため、一日一回は拝む事を日課にしている。

27: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 17:08:24 ID:ZkE1xnFobM
その夜…

殺し屋「すぅ…。すぅ…。」

男「…。」

殺し屋「すぅ…。男さぁん…。ふふっ…。」

男「…まだ…いいか。」

28: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 17:55:29 ID:.Lm3BW7986
次の日
男「よぉしっ!今日はバイト無いし、どっか行くか!」

殺し屋「えっ…。私、基本人混みNGなんですけど…。」

男「少しくらいなら大丈夫だろ?」

殺し屋「私がよくても事務所がNGなんで。」

男「どこ所属だよ…。お前に付くスポンサーなんていねぇよ。」

殺し屋「………。松…竹。」

男「お前今、手頃な奴じゃないかなぁ〜…とか思って撰んだろ…松竹舐めんな。とっとと行くぞ。」
殺し屋「殺生なぁ…。」
29: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 18:01:42 ID:CYOwNol3Qc
男「……。」

殺し屋「……。」

男「…おい。俺の背後にピッタリくっつきながら歩くな。ぱっと見、交尾してるみたいになってるぞ。」

殺し屋「……。」

男「おい…。」

殺し屋「……静かにしてください。…今、外界の音をシャットアウトしてるんです。」

男「お前はジョーンズか。」
30: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 19:48:23 ID:qmuTkL.bmE
男と殺し屋の絵を書いてみました(^_^;)
http://ryu.boy.jp/up/?act=download&id1=2615

見れない場合はお知らせください。再度うpしてみます。

※下手クソで気分を害す可能性があります。

31: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 20:43:10 ID:3ZN46PwZVU
追記・イラスト更新は不評の場合中止しますf^_^;
32: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 21:14:52 ID:mjiyMOsgto
男「ていうかお前、俺が買い物とかバイト行く時、護衛してたじゃねぇか。」

殺し屋「あの時は影から見守って、出来る限り人との接触、避けてましたから…おおっとっ!」

男「どした!?」

殺し屋「危ねぇな…あの人今、人の悪口言ってましたよ警部。」

男「誰が警部だ。つーか悪口に敏感過ぎるわ。」
33: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 22:12:00 ID:.Lm3BW7986
男「ったく…。周りは周り、お前はお前なんだ。お前に関係無い周りの戯言なんて、無視しとけっつーの。」

殺し屋「そうは言っても…。なんだか周りの人達皆が、私に対して悪口言ってる様に聞こえてしまって……苦しくて…。」

男「……。」

男「……よし。この際だからはっきり言っておく…。」

殺し屋「?」

男「周りはお前になんて全然興味無い!!」

殺し屋(ビクッ!)

男「お前は何だ!有名人か!?違うだろ!そんなただの一般人を周りの人間が、一々気に止めるわけないだろ!!」

殺し屋「……ウルウル(涙目)。」

俺の大声に周りの人達がざわめく。

男「お前に興味がある人間なんて居ないんだよ!!」

殺し屋「…ふぇっ。」

男「俺以外!!!」
殺し屋「……えっ。」

男「だから今は俺だけを見てろ!俺だけと遊んで、俺だけと一緒に楽しもう!!他の奴になんてお前の笑顔を奪わせねぇ!!分かったか!!!」

殺し屋「……。」
34: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 22:50:17 ID:jXjtQP5wys
周りの人々は一度だけこちらを痛い目で見ると、すぐにいつも通り歩き始めた。やはり他人は他人でしかない。

男「……。」

殺し屋「・・・・・・。」

男「……。」

殺し屋「・・・・・・。」

男「すいませ〜ん誰かこいつに一時停止ボタン押しましたか〜?」

35: 名無しさん@読者の声:2012/3/13(火) 22:58:12 ID:8Y9fTMZCO6
っCC

イラストはSS絵スレに載せた方がいいですよ
36: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 23:11:54 ID:rEsLET6s.U
男「(…ヤバい…。勢いで色々言い過ぎたかも…。只でさえメンタル弱いのに大きな声で、すげぇ偉そうな事言っちまった気が……。)」

殺し屋「…ダメ…。」
男「はい…?」

殺し屋「…駄目…ですよ…そんな事言われたら私…。本当に男さんの事しか見れなくなっちゃいますよぉ/////」

男「(ドキン!)」
37: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/13(火) 23:17:29 ID:M3Wkvy33qg
>>35
支援ありがとうございます!!

スゲぇ励みになりますo(^-^)o

画像は画像スレに貼った方がいいんですか(汗)
助言助かりました(^_^;)
38: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 11:20:36 ID:CYOwNol3Qc
画像スレに男と殺し屋の画像貼ってきましたo(^-^)o

備考・手前の黒い方が殺し屋です。何か両方、男みたいになってしまいました(^_^;)
39: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 11:31:45 ID:3ZN46PwZVU
男「(いや、ドキンじゃねぇよ!こいつを見ろ!俺!!万年ジャージ女だぞ!色気皆無だぞ!可愛いくなんてないんだぞ!!一刻も早くこの空気、何とかしないと!!)」

スッ(殺し屋が俺の隣、近距離に立つ。)
殺し屋「……責任…取ってくださいよね…。」

男「まるでヤった後、みたいだな。」

殺し屋「台無しか。」
40: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 11:42:49 ID:CYOwNol3Qc
殺し屋「…サイッテー…。」

男「真顔で言うなよ!リアルにショックだわ!!」

殺し屋「さっきの人目を気にせず、私のために叫んでくれた事、最高に嬉しかったですけど、何か、もうどうでもいいです。」

男「さっき上げた好感度が水泡に!?」
殺し屋「…ったく、もう知りません…。ふんッ。」

男「ああぁ!?待ってくれぇ!!1分前の君、カムバッーク!!」
41: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 13:08:31 ID:T./AFUEEvE
男「あのぉ〜殺し屋さん…?」

殺し屋「何でしょうか童貞さん…?」

男「俺の何で童貞と判断しやがった!!」

殺し屋「童貞特有の童貞臭がします。」
男「嗅覚で!?…そんな…童貞も20歳過ぎたら、匂いとして、体から滲みでるようになるのか…。」

殺し屋「本当に…童貞なんですか…?」
男「当てずっぽうかよ!?童貞で悪かったなぁ!!」

殺し屋「ふっ…ふぅ〜ん…。そ、そうなんですか…まだ童貞なんですか………♪…。」

男「…?(何か機嫌良くなった?本当にコイツは何考えてんのか、全然分からん。)」
42: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 16:04:03 ID:qmuTkL.bmE
殺し屋「…ふぅ。仕方ありませんね。私の寛容なる器により、さっきのゲス発言には目を瞑ってあげましょう。」

男「あ、ありがとう…。」

殺し屋「それで、これから何処に行く予定なんですか?」

男「ああ…スポーツセンターにでも行こっかなって思ってる。やっぱり休みの日くらい体、動かしてぇじゃん。」

殺し屋「男さんってそんなに活動的でしたっけ…?」

男「お前がヒキニートなだけだ。こう見えて、けっこう運動できんだぜ。」

殺し屋「…へぇえ。」

43: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 16:22:20 ID:T./AFUEEvE
10分後

何で俺……スポーツセンター行こう、とか馬鹿な事言っちゃったんだろう……。
殺し屋「ウルァァァァァァァ!!」

パガァアンッ!!

男「ええええ!!テニスってこんな爆音が響き渡るスポーツでしたっけ!?」

殺し屋の運動神経はハンパじゃなかった。

男「クソッ!うりゃっ!」

パカァンッ!

殺し屋「ゥルリャアアアアアア!!」

ドッパァアンッ!!
男「こんなに勝機が見えない勝負初めてだわ!!」

殺し屋「遊戯王カードのウルレアアアアアアア!!」

ドッパァァアアアン!!

男「凄い!小ボケまで、かましてきやがった!!」
44: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 17:36:05 ID:GJy45.yZXg
男「(フフフ卓球ならどうだ…。ただただ力任せにやればいいスポーツではない。絶妙なコントロールと技術が必要となってくる…。)さぁ行くぞ!高校時代は「高速の金玉」と呼ばれていた俺の実力見せてやる!!」

殺し屋「男さんそれ、ナチュラルに馬鹿にされてますよ!」

男「そいやッ!!」
カカァンっ!!

男「(どうだ!ネット、スレスレの低空サーブだ!!)」

殺し屋「フッ!!」
シュパァンッ!

男「ええええぇぇ……。」

殺し屋「サァーッ!サァーッ!サァアーーッ!!」

男「本家より喜んでるし……。」
45: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 17:51:31 ID:3ZN46PwZVU
その後、バッティング、ボウリング、ロッククライミングと勝負にならない勝負をした結果、俺はすっかり意気消沈となった…。

殺し屋「ああぁ楽しかった〜♪今日はとっても楽しかったです、連れて来てくれてありがとうございました!」

男「…そうか…俺も楽しかったぜ……。」

殺し屋「大丈夫ですか?…何かそのまま昇天してしまいそうな感じですけど(汗)」

男「…大丈夫だ…ちょっとトイレ行って来る…。」

殺し屋「あっ…はい。ここで待ってます。」

男「(強すぎるだろ…アイツ……。んっ?)パンチングマシーンか…。こんなものまであるんだな。」

男「………。」


46: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 17:59:37 ID:.Lm3BW7986
殺し屋「(男さん遅いな…。まさか○○組の連中に!?…いやそれは無いはず。こんな公共の場でそんな大きなアクション起こすわけないし……。でも…念のため様子見に行ってみよう。)」

タッタッタ

殺し屋「…!?」

47: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 21:01:17 ID:rEsLET6s.U
殺し屋「(パンチングマシーンの計測用ミットの皮が破れてる。しかも、ただ破れてるだけじゃない。中心から四方に綺麗に弾け飛んでる…。多分、真ん中に叩き込まれた拳のエネルギーが逃げ場を失って四散したんだろう。どれだけ正確で鋭いパンチを打てば、ああなるんだろう……っ!?)」


アベレージ……


750っ!?
パンチングマシーンはその計測結果をたたき出したままエラーを起こして、止まっていた。

殺し屋「人間技じゃない……。」
48: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 21:39:09 ID:jXjtQP5wys
男「ふぅ。」

殺し屋「遅いですよ…。」

男「あっ、ああ悪い。大便だったから。ヘビー級だったから。」

殺し屋「女性に対して、それを平気で言わないで下さい。」

男「はいはい。後、わざわざトイレの前まで悪いな。心配して来てくれたのか?」

殺し屋「あっ…いえそのっ……一応…ボディーガードですから。」

男「そか。じゃあ帰るか。」

殺し屋「はい。(それにしても、あのパンチングマシーンの件はなんだっだろう…。気に止める程の事でもないのかな…?)」
49: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/14(水) 23:54:48 ID:.Lm3BW7986
次の日inバイト先

男「ふぁあ〜…むにゃむにゃ…。」

チーフ「こら」
パコッ

男「いだッ!!?何するんですか!?」
チーフ「いくら厨房に居るからって、そんな大きな欠伸してんじゃないわよ。」

男「だからってフライパンで殴らないで下さいよ!たんこぶ出来ちゃいますよ!!」

チーフ「そんな強く叩いてないわよ。パコッくらいよ。」

男「いいえ!今のはコミカルに処理されただけです!実際はバッコォォオオンッ!!でした!」

チーフ「…ったく小さい男ね」

男「誰のち○こが小さいってぇっ!?」
チーフ「あんた…私に対して被害妄想気味じゃない?」
50: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 00:25:37 ID:CYOwNol3Qc
チーフ「ほらキビキビ働け。」ドスッ

男「痛いっ!尻蹴らないで下さいよ!」

店員A「ハハッまたやってるぜ。チーフの男(名前)いじめ。」

店員B「ああ。いいよなぁ〜。チーフ美人だし、スタイル抜群だし、仕事とか完璧にこなすし…ったくチーフに蹴られてるアイツが羨ましく思えるぜ。」

店員A「でもチーフ、絶対男に気があるよなぁ。だって男にだけ厳しいし。あれって、多分男に構って欲しいからキツく当たってんだろ?」

店員B「だよなぁ〜…。男がシフト入って無い日は、いつも上の空だし。ハァ…あんな童貞のどこがいいんだか…。」

店員A「ああいう完璧な人には、だらしない人間が魅力的に見えんのかもな。」
店員B「それはそうと…なんか殺気感じね…?」

店員A「何、達人みたいな事言ってんだよ。そんなの感じるわけ……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
殺し屋「さっきから何ですか…あの女…男さんにベタベタッベタベタとぉ……#。」

店員A「ほんまや…。」



51: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 14:15:00 ID:CYOwNol3Qc
店員B「あの娘、いつも目立たない端のテーブルでドリンクバーだけ頼んで、12時間粘る、迷惑な娘だよね…?」

店員A「いつもは端のテーブルなんだけど、今日はカウンター席で厨房を凝視してるな…。」

チーフ「ったく、ステーキ用の鉄板はこう洗うのよ。」
ゴシゴシッ

男「おおっ手際いいですね!流石っ!」

チーフ「このくらい…別に……。」


殺し屋「……フッ…鉄板を上手く洗浄出来たくらいで、良いご身分ですねぇ…。」

店員B「いや、ドリンクバーしか頼まない、あなたもあなたですよ…。」
52: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 14:36:03 ID:qmuTkL.bmE
店員A「おいお前、ちょっと注意して来いよ。ここ最近、ずっとあんな感じで居座ってんだぞ…。」

店員B「ムリムリムリ!今、あの娘に話し掛けたら、なんか取り返しのつかない事になる気がする…。」

店員A「だよなぁ〜…。この際、チーフに頼んでみるか?」

店員B「う〜ん…。そうしてみるか…。」

53: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 15:12:39 ID:M3Wkvy33qg
チーフ「ふぅ…。まあ、鉄板はこんな感じで…きゃっ!!」ツルッ!
チーフが湿ったタイルに足を滑らした!!

男「おおっと!?」
ドサッ
俺は何とかチーフの肩を抱きかかえる形で受け止めた。

男「大丈夫ですか!?」

チーフ「あっ…べっ別に…あり…がとう……///// 」

殺し屋「……。」
ポーン

店員B「呼び鈴、鳴らした!?」

54: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 16:02:38 ID:GJy45.yZXg
店員A「ど、どういたしましたか?お客様…。ご注文があるのなら、メニューをお持ちしますが…?」

殺し屋「そうですね…。注文…ありますよ…。」

店員A「は、はい。今メニューを…」
殺し屋「あの女の首…お願いします…。」

店員A「はい…?」

55: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 17:20:19 ID:.Lm3BW7986
殺し屋「あっ!す、すいません!…つい本音が…。」

店員A「は…はは…は…(ヤバいヤバいこの娘ヤバい)。」

殺し屋「…あの〜…あの女の人って、やっぱり男さんの事……好き……なんですよね…?」

店員A「……。」

殺し屋「…すいません…。分かってます…自分が変な奴だって事くらい…。迷惑だって事くらい…。でも、こんな私でも…絶対に譲りたくない事があるんです…。」

店員A「………。つまりあなたは、男の事が好きって事ですよね?」

ボンッ

店員A「ボンッ?」
56: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 17:49:01 ID:rEsLET6s.U
殺し屋「はわわわわっ!!にゃっにゃんで分かったんですかぁっ!?いやっ違うんでしゅよっ!!男さんは私に初めて優しくしてくれた方で、私のために怒ってくれたりもしてくれて!!だからそのっあのっですね!!」
プシュゥー…。

店員A「凄い…顔真っ赤ww。(…最初はヤバい女だと思ったけど…何か、可愛い人だな…。)」

57: 名無しさん@読者の声:2012/3/15(木) 20:54:10 ID:8uKbgHD6iE
続きが気になるー

つC
58: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 21:07:35 ID:qmuTkL.bmE
>>57
支援ありがとうございますV(^-^)V

そう言って貰えるだけで作者としては、最高に幸せです(*^o^*)
59: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 21:33:14 ID:jXjtQP5wys
店員A「(…ったくいい女にばっかりモテやがって、あの野郎。まぁ…アイツが良い奴だって事くらい理解してるけど…。)…はい。分かりました。今、チーフ呼んで来ますね。」

殺し屋「えっ!?」

店員A「チーフの気持ちを僕が代弁して、それをあなたが聞いたとしても何の確証にもなりません。それに…僕にそれを聞くのは、ちょっとズルい気もします。」

殺し屋「うっ…。」

店員A「では、チーフを呼んで来ますね」

殺し屋「あうあう〜…。」
60: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 22:02:32 ID:ZkE1xnFobM
チーフ「客が呼んでる?クレームか?」

店員A「あぁ〜…半分そうかもしれません(苦笑)。」

男「(ヤバッ!間違ってポテトに砂糖かけちまった事がバレたか!!クソッ俺のバイト生活詰んだ!!)」

チーフ「何番テーブルのお客様?」

店員A「あちらのカウンター席のお客様です。」

男「ブッ!?(殺し屋じゃねえか!!何考えてんだあのバカ!!)」

チーフ「あれは…いつも端のテーブルにいる女の子…。」

店員A「すいませんが、僕の手には負えないみたいで。」

チーフ「…………どうしよ……。」

店員A「どうかしました?」

チーフ「…いや…何でも無いわ。行って来る。」

61: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 22:33:33 ID:ZkE1xnFobM
チーフ「すいません。大変長らくお待たせしました。この店でチーフをやらせて頂いている者です。ご用件をお伺いしても宜しいですか?」

殺し屋「はっ!はいっ!わ、私はこ、ころっ殺し屋れす!!」

チーフ「……ぅっ…。」

殺し屋「えっえと……。用件というのは…ですね。…あの……その…。」
もじもじ…もじもじ

チーフ「……ッ〜。」

男「ったく何やってんだ、あのバカ。トイレの場所聞くためだけに、わざわざチーフを呼ぶなんて。」

店員A「トイレ我慢してるから、もじもじしてるんじゃねえよ!!バカッ!」

男「えっ…違うんですか…。」

店員A「(クソッ何でこんな奴にばっか女が…。)」


殺し屋「ふぅうー…よし…。あのっ!チーフさんは男さんの事…」
チーフ「ごめんなさい…これ以上私に話しかけないで。」

殺し屋「えっ…?」

男「えっ…?」
店員A「あっ…ヤバいかも(汗)」

62: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 23:34:44 ID:T./AFUEEvE
殺し屋「あ…ぅ…す、すいません…グスッ……ヒック…ウルウル」

チーフ「あっ……。」

男「…。」
タッタッタ

店員A「あっおい男!?ちょっと待て!」

男「……確かにあいつは変な奴です…。どうしよもなく人見知りで、言ってる事意味不明で、悪口一つで塞ぎこんじまうような奴です。」

店員A「…。」

男「そんなアイツが自分から人に話し掛けようとする所、今日初めて見たんです。何に背中を押されて、こんな事してるかは分かりませんけど…。汗も吹き出して、唇も震えて、それでも歯を食いしばって、勇気を振り絞って会話しようとしてました。口ではバカとか罵ってましたけど、俺はそれが……たまらなく嬉しかった。」

店員A「…でもよ。」

男「分かってます。チーフは完璧な大人です。けど、そんなアイツの事情なんて知りません。だから、そんなアイツのハッキリ喋らない姿に腹を立ててしまうのも、普通な事だと思います。けど…。」

店員A「…。」


男「俺は欠陥がある大人なんで、この苛立ちを抑える方法を知りません…。」
63: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/15(木) 23:56:41 ID:CYOwNol3Qc
店員A「(うわぁ…。最悪な状況になっちまったぁ…。万事休すか…。)」

男「…。」
タッタッタ

殺し屋「…ヒック…ヒック…。」

チーフ「……。」

チーフ「…もう…ムリ…。」
バッ!!

殺し屋「えっ…!?」

男「は?」



チーフ「可愛い過ぎるんじゃコノヤロォオーーーウ!!」

殺し屋「ふぇぇえええええええっ!!?」

男「…。」
店員A「…。」

男・店員A「はいっ?」

64: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 09:57:01 ID:.Lm3BW7986
チーフが殺し屋に抱き付こうと襲いかかる!!殺し屋はそれを持ち前の瞬発力で難なくかわすが…

チーフ「待ってぇ〜!お願いだからギュッとさせてぇ〜〜!!」

殺し屋「いやぁあああああ!!私に触らないでぇええええ!!」

男「あれ…チーフですよね…?」

店員A「おそらく…。」

男「何か俺、凄い恥ずかしいんですけど…。」

店員A「お前、「俺は欠陥がある大人なんで、この苛立ちを抑える方法を知りません…。」とか言って、大見得切ってたもんな。」

男「うわぁぁ…(赤面)。」

65: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 10:15:04 ID:GJy45.yZXg
殺し屋「男しゃぁあああああああん!!」

男「うわぁ…。本気でいたたまれないくらい泣いてる…。」

殺し屋はチーフに隠れる様、俺の背後に立つ。けど…こんな時でさえ俺に触れて来ようとはしなかった…。

チーフ「コッ…コッチ来て…優しくするからぁ…。」


66: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 12:35:34 ID:mjiyMOsgto
殺し屋「ヒック…エッグ……グスッ」

男「ちょっチーフ、落ち着いて下さい!!」

チーフ「どきなさい男…。私は今からその可愛い生物を愛でに愛でまくるの…。思いっきり抱きしめて、頬をぷにぷにし、ホテルに持ち帰るわ。」

男「何最後にでっかい要求してるんですか!?」

チーフ「仕方ないの…。最初から気付いていた事なの…。その子は可愛い過ぎるわ。いつも小刻みに震えていて、もじもじしてて、帽子の下から覗かせる瞳がくりくりしてて……もう、耐えられないわ…可愛すぎ。」

ボンッ

殺し屋「わっわたひが可愛い!?しょっそんな、馬鹿な事言わにゃいで下さい!!」

男「ごめん!殺爆してる所悪いけど、これ以上、状況悪化させないでくれる!?」
67: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 15:07:57 ID:.Lm3BW7986
チーフ「…〜〜っ。もう我慢出来ないっ!殺し屋ちゃ〜〜んっ!!」

男「うわっ!!危なっ!?」


その時だった。
シュッ…トッ

男「(あれ…この音、どこかで…)」

ガクンッ
チーフ「えっ…?」

気付いた時には殺し屋がチーフの後ろに立ち、スーツの裾をカット用ナイフで壁に貼り付けていた。

殺し屋「…すいません。男さんにまで危害がおよぶのは、我慢できません…。」
68: 名無しさん@読者の声:2012/3/16(金) 15:41:46 ID:qmuTkL.bmE
このSS最初見た時文字読みづらくてスルーしてたけど、最近読みやすくなってきて中々おもろい

今後に期待
69: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 19:38:32 ID:mjiyMOsgto
>>68
コメントありがとうございます!

そうでしたか…(汗)
力不足ですいませんでした…(T_T)

今後はその期待に答えられる様に、精進して行きたいと思います(」゜□゜)」
70: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 19:56:32 ID:jXjtQP5wys
チーフ「ぅ……。」

男「殺…し屋…?」
殺し屋の様子があまりにも、いつもの雰囲気と違っていたため、本人確認を取ってしまった。

殺し屋「……。」

チーフ「あ…ああぁっ…。」
チーフが力無くその場に座り込む…。

男「大丈夫ですか!?チーフ!?」

殺し屋「あっ…ああ!?私ったら、何て事を!?す、すいません!!大丈夫ですか!?」

チーフ「…恥ずかしい…。」

男・殺し屋「?」

チーフ「さっきまでの自分が恥ずかしい…。」

男「ああ〜それは……まったくです。」

流石に「そんな事無いですよ。」とは、言えなかった。

71: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 20:19:18 ID:M3Wkvy33qg
事情聴取in控え室

男「で、チーフはレズって事でいいんですよね?」

チーフ「待て。そう結論を急ぐな。少し落ち着かせてくれ…。」

殺し屋「…。」
殺し屋は未だに俺の背後に隠れたままだ。…どんだけ怖かったんだよ…。

チーフ「ふぅ……。分かった…。結論から言う。」

男「…。」

チーフ「私はバイだ!!」

男「大声で何言ってんですか。厨房のコック陣が驚きの余り包丁で指切ってしまってますよ。」
72: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 20:30:41 ID:CYOwNol3Qc
チーフ「いや、正確に言えば、恋愛感情を抱くのは男(性別)だから、どっちかと言うと男寄りのバイね。」

殺し屋「……やっぱり…。」

男「はぁ…。」

チーフ「でも、殺し屋ちゃんみたいな可愛い子も、自我を見失う程大好きなの…。」

ボンッ

殺し屋「わたっ私の事が、だ、だいしゅき!?なっ何を言って□%○△☆◎@っ!!」

男「お前今日死ぬんじゃねえの…?」
73: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/16(金) 23:08:51 ID:jXjtQP5wys
チーフ「今まで私は出来るだけ可愛い女の子との接触を避けてきたの…。このバイト先で働き始めてからもずっとよ。」

男「そういえば、チーフが女性と話してる所、あんまり見た事ないですね。」

チーフ「そう…。そのおかげで、ここ最近は取り乱す事も無くなってきて、もしかしたら女の子と普通に会話出来るようになったんじないかな?って過信してしまったの…。迂闊だったわ……。」

男「……まぁ、やってしまった事は仕方ないですから。とりあえず、殺し屋に謝ってこの件は丸くおさめましょう。」

チーフ「そうね…。殺し屋ちゃん…迷惑かけた上に、怖い思いさせて…本当にごめんなさい……。」

殺し屋「……。」

74: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 00:04:35 ID:GJy45.yZXg
殺し屋「……。わかりました…。許します。けどその代わり、一つ質問に答えていただきます。」

チーフ「ありがとう…質問って何?」

殺し屋「とりあえず…男さんには席を外してもらいます。」

男「は?何でだよ?」

殺し屋「何でもです!今からガールズトークが始まるんですよ!?グータンヌーボですよ!?そこに理由なんていりません!」

男「お、おぅ…。分かったよ…。けど、相手さんバイたから、グータンヌードにされないように気をつけろよ。」

殺し屋「さっされませんよっ!!/////」
75: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 00:22:29 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「…ふぅ。(まったくあの人にはデリカシーの欠片もないんでしょうか…。)」

チーフ「で、質問って言うのは何かしら?私、可愛い女の子の質問ならいくらでも答えるわよ。フフフ。」

殺し屋「かわっ!?…ふ…ふふ、流石に慣れましたよ…。その程度で、私はもう照れたりしにゃいんですからね!」

チーフ「(結局噛んでるし、ふふっやっぱりかぁわい…。)」

殺し屋「えとっ…質問というのはですね…。…ふぅ……。ぶっちゃけ聞きますけど、チーフさんは男さんの事が好きなんですよねっ!?」


チーフ「っ///// !?」
ガタッ!!
座っていた椅子から転びそうになるチーフさん。どうだ!!(ちょっとした仕返し気分になる私。)


チーフ「…〜っ///// 。…フフッ…そういう殺し屋ちゃんも…男の事好きなんじゃないの?」

ボンッ

殺し屋「はわわわわわわわわわわっ///// !?」
(見事にカウンターをもらう私。)

76: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 02:06:25 ID:T./AFUEEvE
>>74
男の「〜相手さんバイたから〜」
は、「〜相手さんバイだから〜」の間違いです(泣)

すいません…
77: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 12:13:33 ID:3ZN46PwZVU
チーフ「…確かに、そうよ。私は男の事が好きよ。アイツはね、私の事助けてくれたの…。」

殺し屋「…?」

チーフ「実は私、昔は本当にレズだったの。女性にしか興味が無くて、男性は汚い存在だと思ってた…。」

チーフ「そんな時だった…。私がセクハラされたのは…。」

殺し屋「えっ……。」

チーフ「店内に酔っ払った客が居てね、いきなり私のお尻に触ってきたわ…。私は…気持ち悪すぎて思わず嘔吐してしまったのよ…。」

殺し屋「……。」

チーフ「周りの人達も、痴漢してきた男も壮絶としてたわ…。その時にね…痴漢してきた男が、私に向かってこう言ったの…「汚い。」って……。」

殺し屋「…そんな…。」

チーフ「…ショックだったわ…。自分が汚いと思ってた存在に、汚いって言われた事がどんな事よりも…。その時、ドカァン!って大きな音が鳴り響いたの…見れば、近くにいたアイツが痴漢してきた男を殴り飛ばしてたの。」

「そしてこう言ってくれた…「チーフみたいな綺麗な女を汚いって…お前馬鹿じゃねえの?汚いのは、てめえのち○こだけだ!てめえみたいな人間が居るから、男は皆ただのエロ男爵だと思われんだよ!!男ならなぁ…女の全部に興奮しやがれ!!!」って…ふふ…最低でしょ?アイツ。」


殺し屋「……うわぁ。言いそう……。」
78: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 14:16:38 ID:3ZN46PwZVU
チーフ「けどね、アイツが最低な発言をするのは、助けた人の事を想っての発言だと思うの…。」

殺し屋「えっ…。」
チーフ「だってほら、もしアイツがあの時、本当にかっこいいセリフを叫んでいたのなら、私は今まで通りにアイツと接する事はできなくなってた思うの…。恩人であるアイツに遠慮して、偉そうに仕事を指示したり、悪口言ったり、ケツ蹴ったり、靴隠したり出来くなってたと思うの。」

殺し屋「それは恩人じゃなくても、やっちゃいけないと思います。」
79: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 15:36:27 ID:jXjtQP5wys
チーフ「とにかく…私はね、アイツのそういう不器用で、優しい所が大好きになってしまったの…。毎日夢に見るくらいに、アイツにすっかり心奪われてるわ…。だから、いくら殺し屋ちゃんが可愛いからって、この気持ちは絶対に……譲れない。」

殺し屋「……そんなの…。」

殺し屋「のぞむところです。ニッ」

チーフ「…フフ。」

80: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 16:56:58 ID:rEsLET6s.U
その後…

男「…あの〜チーフ…」

チーフ「はい。殺し屋ちゃん、あ〜んっ。」

殺し屋「パクっ…ふみゅ〜このパフェ最高ですぅ。」

チーフ「ウフフ、それを食べる殺し屋ちゃんも最高よぉ。」

男「働いてください。」

こうして、殺し屋に友達(?)ができたのであった。

男「何で俺の周りには変な女しか居ないんだ…。」

店員A「くそぅ…何で、こんな奴にばっか…。」
81: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 17:05:42 ID:qmuTkL.bmE
とりあえず一段落しました(´・ω・`)

読みにくい文脈になってる時があったら言って頂けると、この上なく有難いです。

もし改善すべき点があるのなら、指摘して頂けたら今後の作風に取り入れて行きたいと思うので、何卒よろしくお願いしますm(__)m

一人でも多く、この作品が皆さんの目に止まるように頑張っていきたいと思います。
82: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 17:34:28 ID:T./AFUEEvE
殺し屋と共に過ごす事になってから1週間が過ぎようとしていたある日…。
俺は最大の問題に直面していた…。
いや…問題を見落としていたと言ってもいい…。


男「(性欲が処理出来ない…。殺し屋と同居しているため、エロ本が読めない…。AVが見れない…。ヤバい…あの天井の模様、なんかエロくね?)」

末期症状が出る始末である。
83: 名無しさん@読者の声:2012/3/17(土) 20:28:51 ID:HCJb5.6lOo
つCCCC
84: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 20:40:55 ID:jXjtQP5wys
殺し屋「男さぁ〜ん。冷蔵庫の中のプリン食べていいですか?」

男「…好きにしろ。(よく考えたらコイツは俺のボディーガードであるわけだから、ほぼ24時間一緒なんだよな。クソっ流石にコイツの前でエロ本読むわけにいかねぇし…。仕方ねぇ…奥の手使うか。)」

殺し屋「〜♪」

85: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 20:45:28 ID:qmuTkL.bmE
>>83

支援ありがとうございます(≧∇≦)

今後も読み続けて頂ける様に頑張ります!!
86: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 20:54:08 ID:Ctk3Ee1sGs
スクッ

殺し屋「あれ?何処に行かれるんですか、男さん?」

男「ベランダだ。電話するだけだから。…聞き耳立てんなよ。」

殺し屋「はぁ〜い♪」

殺し屋に念を押し、ベランダに出る俺。
プルルルルルルッ…ガチャ

店員A「何で休みの日まで、お前の声を聞かにゃならんのだ…。」

男「…すいません…一世一代のピンチなんです…。折り入って、お願いしたい事があるんですが…。」

店員A「…ふぅ。…何だよ?」

87: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 20:56:59 ID:.Lm3BW7986
男「エロ本を買って来てくれませんか?」

ップー…ップー

男「きっ…切られた…だと!?」

至極当たり前である。
88: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 22:00:41 ID:CYOwNol3Qc
プルルルルルルッ…ガチャ
店員A「殺すぞ?」

男「落ち着いて下さい。とりあえず話を聞いて下さい。そしたらきっと俺の気持ちが分かって頂けるはずです。」

店員A「……。」

男「前にも話しましたけど俺、殺し屋と同居しているんですよ。」

店員A「腹立つ事にな。」

男「ちょっとした事情があって四六時中アイツが俺の事、監視してる状態なんですよ…。」

店員A「そのこころは?」

男「欲求不満なんですよHAHA。」

ップー…ップー…

男「りっ…理解してもらえない…だと!?」

至極当然である。

89: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 22:14:14 ID:ZkE1xnFobM
プルルルルルルッ…ガチャ
店員A「もう死ねよお前。」

男「…先輩が欲しがってた、有名人そっくりさん詰め合わせ裏DVD…欲しくないんですか?」

店員A「詳しく聞こう。」

男「話が分かる人で僕も嬉しいですよ。…作戦はこうです。」

・殺し屋が唯一俺から注意を怠る時間、すなわち風呂の時間に作戦決行。

・この時までに先輩はAVorエロ本を購入、俺の家の前で待機。

・殺し屋が風呂に入ったと同時に俺が電話で連絡、先輩突入。

・レッツ パーリィ ナイッ!
90: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 22:21:37 ID:ZkE1xnFobM
店員A「どうせなら店員Bも呼ぶか?そしたら沢山仕入れられるし。」

男「でも店員Bさん用の報酬無いですよ?」

店員A「アイツはエロいイベントなら理由を問わず参加するから。」

男「扱い安いですね…。」

店員A「よしっ。じゃあとりあえず、夜8時くらいにお前ん家いくわ。」

男「よろしくお願いします。サイコーの夜を過ごしましょう!」

店員A「ったりめぇよ!」
91: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 22:37:10 ID:Ctk3Ee1sGs
その夜。

殺し屋「じゃあ私、先にお風呂に入って来ますね。」

男「ちょっと待て。…実は最近聞いた話なんだが、長時間風呂に入り続けると、若干痩せるんだってよ。」

殺し屋「えっ!?そうなんですか!?」

男「そうらしいんだよ〜。」

殺し屋「男さんは…その…痩せてる女性は…好みですか?」

男「?まぁ、どっちかって言うと…。」

殺し屋「…すいません…少し長風呂になるかもしれません…。」

男「あ、ああ。たまにはゆっくりするといい。(よしっこれで時間稼げる!!)」
92: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 23:33:10 ID:Ctk3Ee1sGs
プルルルルルルッ…ガチャ
男「行けます。オーバー」

店員A「はいよ。(無視)」

ガチャ

店員B「よぉす。ほら見ろ、中々の豊作だったぜ。」

店員A「ほら、酒も買って来たぞ。」

男「お疲れさまです。どうぞ入って下さい。殺し屋はおそらく1時間くらいは風呂に入ってる予定なんで。」

店員A・B「お邪魔しやぁす。」

男「あっ店員Aさん。有名人そっくりさん詰め合わせ裏DVDは再来週までに渡しますね。」

店員A「?…いいけどよ。すぐに用意出来ねぇもんなのか?」

男「…これを見て下さい。」

鎖でがんじがらめにされた上に鍵を3つも使って、厳重にロックされた段ボールを見せる。

店員A「何これ…?」

男「俺の愛すべき、オカズ達です(泣)」
93: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/17(土) 23:55:01 ID:M3Wkvy33qg
男「殺し屋にジョークで、この中に核が入ってるって言ったら、こうなりました…。」

店員B「彼女、バカなの?」

男「みたいです…。けど、見てくださいよコレ。俺頑張って鍵2個も外したんですよ!この1週間アイツが風呂入ってる合間を縫って何とかここまで、やってきたんですよぉ!!けどもう無理なんですよぉお!!性欲がたぎるんだよぉぉお!!」

店員A「エロ本見たさに、手探りで鍵2個開けるって…何もんだよお前…。」
94: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 00:21:04 ID:Ctk3Ee1sGs
店員A「…まぁいい。時間も無いし、とっとと始めようぜ…。」

男「はい…。全ての因果に…ケリをつけましょう!」

店員B「一人だけ覚悟が壮大なんだが…。」

そこからの俺達の調子の乗り様は常軌を逸していた。
95: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 12:32:43 ID:mjiyMOsgto
ピッ(再生)

男・店員A、B「ゥオオオオオっ…。」

DVDが再生すると同時に、言語機能が低下する俺達

男「ヤバいよヤバいよぉ。」

興奮の余り、某リアクション芸人の様になる俺。

店員A「見えっ…パンツ見えねえじゃねぇかコノヤロウ!」

カメラワークの悪さに抗議する店員Aさん。

店員B「…ふむふむ。」

AVとエロ本を同時進行で楽しむ店員Bさん。流石熟練の変態である。

96: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 12:44:29 ID:GJy45.yZXg
酒が入り、ボルテージも更に上がってく 俺達。

男「ちょっ!何やってんスか!?」

店員Bさんが逆立ち をしていた…。ホラー映画を見ている様な恐怖がそこにはあった。

店員B「凄いだろ。俺、逆立ちしながら、エロ本読めるんだぜ。」

人間狂えば、何をするか分からないものだ。

男「何やってんスかww。」

ただその時の俺には、その光景が微笑ましく思えた…。


シャワーーッ
殺し屋「ふっふ〜ん〜♪」

97: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 12:57:00 ID:M3Wkvy33qg
店員A「フッ…フッ」

店員Aさんの息づかいが荒くなっている 。気になってそっちの方に視線を写す。

男「はっ!?」
衝撃の光景が俺の目の前に広がっていた。


店員Aさんがブリッジをしていた…。

店員A「いや…こうしたら、この女のスカートの中、見れるんじゃねえかと思ってよ…。」

思考力が非常に危険な状態である。

男「ハハwwww。」

そんな光景すら、かけがえのないものに 感じる俺…。

この時すでに殺し屋が風呂に入っている事など、記憶に留めていなかった。
98: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 13:27:54 ID:3ZN46PwZVU
男「よぅしっ。」
俺も負けじと何かしらするために、近くにあったAVとエロ本を手にする。

刹那…


ガチャッ
殺し屋「ふぅー。男さん、すいません。つい長風呂を…」

男「…。」

店員A、B「…。」
殺し屋「・・・・・。」

一瞬世界が止まった。

99: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 13:53:22 ID:rEsLET6s.U
ここで一度状況を整理しておく。

・殺し屋
風呂に入り終え、火照った体を冷まそうと部屋に戻る。すると余りの光景に一時停止。

・店員B
逆立ちをしながらエロ本を読んでいる。理由は謎。

・店員A
ブリッジをしながらのAV鑑賞。画面に映る女のスカートの中を覗くため。

・男
口にAVをくわえ、両手にエロ本を棒状に丸めて持っている、いわゆる三刀流。この後「俺は、エロノア・ゾロだ!」 っと叫ぼうとしていた模様。
100: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 14:37:46 ID:CYOwNol3Qc
100レス記念に画像スレにチーフと男の絵を貼って来ました
V(^-^)V

興味のある方は是非。

このSSが100レスまで続く事が出来たのは皆さんの支援があってこそです。

本当にありがとうございました(*^o^*)

101: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 16:11:01 ID:rEsLET6s.U
とりあえずブリッジをやめて、正座になる店員Aさん。

店員A「……。逆に聞こう…この状況、君はどう思う?」
意味不明な方法で相手の出方を探る店員Aさん。

店員B「……。」
逆立ちをし続ける事で、何かを見出そうとする店員Bさん。

男「……。」
とりあえず退路を確保する俺。
102: 名無しさん@読者の声:2012/3/18(日) 22:58:46 ID:qmuTkL.bmE
ギャグはおもしろい方だと思う

ていうか何より殺し屋が可愛い(T_T)

っCCCCCC
103: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/18(日) 23:53:49 ID:.Lm3BW7986
>>102

支援ありがとうございます!!

そう言って貰えるなんて思ってもみませんでした(;∇;)/

ありがたや〜
ありがたや〜
104: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 01:04:29 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「…NOW LORDING…。」

余りにキチガイ…もとい突飛過ぎる状況により殺し屋の思考が追いついてない。

男「(チャンスだ!ここで、もっともらしい言い訳をすれば、まだ弁解の余地はある!!)」

店員B「…殺し屋ちゃん…落ち着いて聞いて欲しい。」

エロ師匠が行った!!
105: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 12:28:00 ID:jXjtQP5wys
店員B「…俺達はね…性欲教という宗教団体に入っているんだ。その信徒である俺達は定期的に性的な書物、または映像を見ながら、定められたポーズをとらなくてはならないんだ…。殺し屋ちゃんを不快な思いにさせたのなら謝る…けどコレは仕方のない事なんだ…。」

どんな修羅場をくぐり抜けてきたら、そんな言い訳が出てくるんだろう。っと俺達は尊敬の眼差しで店員Bさんを見る。

殺し屋「・・・・・・・・・・。」

最期の審判を待つ俺達。


ボカンッ

男「ボカン?」
106: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 12:58:32 ID:GJy45.yZXg
殺し屋「////////////////////。」

殺し屋の顔が赤を通り越して紅蓮になっている。

俺達は思った。
男・店員A、B「(うん。話聞いてないねこの娘……。)」


結果、殺し屋は正気に戻るまで、近くにあった家具を力いっぱい投げつけてきたのであった。


男「この度は真に申し訳ありませんでした。」

殺し屋「……っふん。」

その後、殺し屋は三日間口を聞いてくれなくなった…。
107: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 15:41:10 ID:GJy45.yZXg
今日はチーフの家に遊びに行く事になった。なんでも、実家から美味しい肉を仕入れたらしく、俺達にすき焼きをご馳走してくれるらしい。

男「たしか…この辺に…あった。あそこがチーフの住んでるマンションだな。行こうぜ。」

殺し屋「はい。えと、チーフさんは一人暮らしなんですよね?」

男「らしいな。あの人しっかりしてるから、部屋とかスッゴい綺麗なんだろうな。お前…散らかしたり、汚したりするなよ。」

殺し屋「子供じゃありませんし、そんな事しませんよ…。もう…。」

そんな他愛のない会話をしている内に玄関前に到着。


ピンポーン

チーフ「はぁ〜い。」
108: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 17:38:23 ID:T./AFUEEvE
ガチャッ

チーフ「すいません…。新聞はもう取ってるので…」
男・殺し屋「……は?」


チーフ「ッ!!?」
バタンッ!
開けたドアを高速で閉めるチーフ。

殺し屋「…男さん…今……いえ、きっと見間違いです…。」

男「うん。多分そうだ…。あのチーフが、あんなだるんだるんのタンクトップを着てるはずがない…。」

チーフ「あっ貴方達が来るのは木曜日!!明日でしょ!?何で今日来てんのよ!!?」

男「あれ、今日って木曜日だろ?」

殺し屋「水曜日ですよ…。」

曜日感覚まで狂いだす、今日この頃。
109: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 17:49:25 ID:GJy45.yZXg
15分玄関先で待たされ、ようやく中に入れて貰える俺達。

チーフ「ハァッ…ハァッ…どうぞぉ…ッゲホ。」

男「フルマラソン走った後みたいな、息の切れ方してますよ…。」

殺し屋「すいません!私が待ち合わせの時間を男さんから確認していなかったばっかりに!!」

チーフ「殺し屋ちゃんは悪く無いわよ…。悪いのはこのアホんだらよ…。」

男「っテヘ」
110: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 20:41:05 ID:ZkE1xnFobM
部屋は綺麗に整えられていて、シックな家具達が大人の雰囲気を演出している。…様に見えるのは、恐らく外面だけだろう。部屋の角には長年蓄積された埃が身を潜めている。他にも多数、つつけばボロが出そうな所がある。
ほら、ここの棚の下なんてエロ本が…

男「(エロ本っ!?)」
触手系の割りとディープな奴だった…。

そういえばこの人、可愛い系の女子が大好物だったな…。

チーフ「どうしたのよ?あんまり女性の部屋を凝視するのは、どうかと思うわよ。」

男「いえ…すいません…。チーフがこんなにも、ドジッ娘だったとは……。」

チーフ「なっ何言ってんのよ!?そんなわけないじゃない!!」
111: 名無しさん@読者の声:2012/3/19(月) 20:48:54 ID:xSUxzuKwUQ
触手とは、いい趣味をお持ちだな

っCCCCC
112: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 21:19:06 ID:3ZN46PwZVU
男「(ていうかプライベートでは、けっこうだらしないんだな…。ちょっとギャップ萌え。)結局今日これから、すき焼きパーティーは出来るんですか?」

チーフ「まぁ…肉はあるし。別に問題ないわよ。」

殺し屋「やった!」

チーフ「殺し屋ちゃんが可愛いから、やってあげるんだからね。感謝しなさい。」

男「ありがとうございます…。」
殺し屋「/////。」

チーフ「あっそれと殺し屋ちゃんには、やって貰いたい事があるのよ。」

殺し屋「?」
113: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 21:27:03 ID:M3Wkvy33qg
>>111
チーフ「分かってるじゃないの。…あのヌメヌメっとしてて、女の子が宙吊りになって、体の自由が完全に奪われてて、媚薬なんかも分泌されたりして…」

男「ああ…なんかもうチーフの登場当初のクールキャラが懐かしく感じます…。」

支援ありがとうございます(≧∇≦)

これからはシリアス展開もありますので、ご期待下さい!!
114: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 21:41:40 ID:M3Wkvy33qg
何故かエプロン姿になっている殺し屋。嫌な予感しかしない…。

チーフ「男から殺し屋ちゃんは包丁を使わしたら、右に出るものは居ない…。って聞いたから、野菜とか切って欲しいのよ。後、エプロン姿超可愛い。」

男「(根本的に包丁を使う用途が違うけどね…。ていうかそれ思っいきり皮肉だから…。)」

殺し屋「////////。わ、分かりました。野菜は任せて下さい!」

男「(何良い顔で引き受けてんだ!!)」

115: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 21:49:45 ID:rEsLET6s.U
チーフ「はい。殺し屋ちゃん、この包丁使って。」

殺し屋「あ、大丈夫です。自前のがあるので…。」
そう言って、長さ30センチの包丁を取り出す殺し屋。

ドン引きにも程がある行為である。

チーフ「へぇ。準備いいのね殺し屋ちゃん。」

殺し屋「えへへ。」

男「(チーフの順応力の高さに全俺が泣いた。)」
116: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 22:08:32 ID:3ZN46PwZVU
チーフ「じゃあ殺し屋ちゃん、このボールに入ってる野菜類を食べやすい大きさに切ってくれる?」

殺し屋「はい。」
そう言い残し、ボールを持って台所から離れる殺し屋。

チーフ「どうしたの殺し屋ちゃん?」

男「?」


すると殺し屋は、ボールを上に大きく振り、ボールに入ってる野菜類を空中に投げ出す。

男「はっ!?」
チーフ「えっ!?」

瞬間、ヒュヒュヒュンッ!と高速で包丁を振りまわす殺し屋。余りのスピードに、包丁の光を跳ね返す姿がミラーボールに見えた程だ。

ポトトトトトトッ
一瞬の内に一口大にカットされた野菜類をボールでキャッチする殺し屋。

殺し屋「出来ましたっ!」

チーフ「…。」
流石に言葉を失うチーフ。

男「(忘れてた…。コイツは殺しのスペシャリストだった…。)」

チーフ「凄っ!凄いわ殺し屋ちゃん!!」

殺し屋「えへへへへへ/////。」
117: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/19(月) 23:49:59 ID:ZkE1xnFobM
その後、殺し屋の意外な活躍により予想以上に早く完成したすき焼き。

殺し屋「いっただっきまぁーす!」

チーフ「はぁ〜い。ゆっくり食べてね。」

男「いっただっきまぁーす!」

チーフ「はぁ〜い。早く死んでね。」

男「温度差凄いな…。」

殺し屋「はふっはふっ…おいひぃ〜…。」

ゴクっゴクっ
チーフ「ぷはぁっ…美味い!」
日本酒を一気に煽るチーフ。

男「相変わらずの酒豪ですね…。」

チーフ「ほら。アンタも飲みなさいよ男。」

男「じゃあ失礼して…。ゴクッ…ぷはっ美味い!」

殺し屋「……。」


チビッ
118: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 00:16:10 ID:GJy45.yZXg
チーフ「ウフフッ…。ほら…もっと豪快に飲みなさいよ。女々しいわね。」

男「ちょっ…チーフ!?近いッスよ!?」
チーフが俺の肩に両手を置き、下から舐める様な視線を向けてくる。無論、距離も近いため、チーフの豊満な胸がやんわり俺の肘に当たる…。

男「うっ/////!? 」

チーフ「何よ?照れてんの?…ふふっ/////これだから童貞は…。どれもっと近う寄れ…。」

男「お許し下さいお代官様ぁ〜。」

性別が逆である。

殺し屋「何をやってるんでしゅかぁああああああああ!」

男「!?」
チーフ「!?」

殺し屋「ヒック…ヒッ…まったく油断もしゅきもない…。」
酔ってるしコイツ…。
119: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 14:18:37 ID:ZkE1xnFobM
俺の使っていたコップに小さく唇の後が残ってる。恐らく殺し屋のものだろう…。

殺し屋「こらそこぉー、くっつきすぎじゃないでしゅかぁ〜…。」

男「おい落ち着け。取りあえずこの水飲め。な?」

殺し屋「だいたい男さんは…ヒック…過ぎるんですよぉ〜…。」

駄目だ。こちらからのコミュニケーションに応対する気はないらしい…。単独ライブ状態だ。

男「クソッ…チーフからも何とか言ってやって下さいよ。」

チーフ「酔いが回って呂律が悪くなる殺し屋ちゃん可愛い、酔いが回って呂律が悪くなる殺し屋ちゃん可愛い、酔いが回って…」

殺し屋の行動が余りにストライクだったのか、妙なお経を唱えだすチーフ。

駄目だこりゃ。
120: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 14:27:21 ID:.Lm3BW7986
殺し屋「だいたいでしゅね…男さんはえ…えっ…えっちぃ過ぎるんですよぉ!!」

男「うっ!」

チーフ「殺し屋ちゃんあま噛み可愛い、殺し屋ちゃんあま噛み可愛い、殺し屋ちゃんあま噛み可愛い、殺し屋ちゃんあま…」
お経も佳境に入るチーフ。

ホント駄目だこの人。


121: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 16:05:15 ID:qmuTkL.bmE
殺し屋「…だいたいこの前だって…わたひがお風呂に入ってる間にっ!?」
ツルっ!


殺し屋が俺に近付こうと一歩踏み出した瞬間、いつの間にか床にこぼれていた酒露に足を滑らせる。

男「っ危なっ!?」
チーフ「へっ?」

何とか倒れない様にテーブルに手を付く殺し屋、その反動によりチーフと殺し屋の顔がほぼゼロ距離になる。

それに気付いた殺し屋の体が跳ねる様にビクついた…。



殺し屋「いっ…。イヤぁっ!?触らないでぇぇえっ!!」

チーフ「…えっ。」
122: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 21:17:31 ID:3ZN46PwZVU
殺し屋「あっ!ちっ違…!?」
ガチャッ

チーフから離れようと状態を起こす殺し屋。その際に無造作に振りだされた右手が、すき焼きの中に浸かっていたお玉をはね飛ばす。

ビシャシャッ!
男「つっ!!?」

お玉の中に入っていた高温のすき焼きの汁が俺にかかった。

殺し屋「ーーーっ!!?」

チーフ「男!?大丈夫!!?」
123: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 22:00:39 ID:ZkE1xnFobM
殺し屋「お……男…さん……。」
殺し屋の顔が真っ青に染まる。

チーフ「大丈夫!?ちょっと腕見せて!」

男「……大袈裟ですよ。こんなのちょっとした火傷ッス…。殺し屋もあんまり気にすんなよ。…こんなのただの事故…」
殺し屋「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
土下座をしながら謝り続ける殺し屋に言葉を遮られる。

男「おっ…おい…。そこまでしなくても…。」
124: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/20(火) 23:46:09 ID:jXjtQP5wys
殺し屋「ごめんなさい!ごめんなさい!私みたいな卑しい人間が男さんの体に傷を付けてしまうなんて!!なんてお詫びをすればいいのかっ…!!」

男「……お前…。」

殺し屋「怒って下さい!蔑んで下さい!私みたいな人間が、男さんを傷つけていい理由なんて無いんですっ!!」
完全に酔いも醒めている殺し屋が、涙混じりにそう叫ぶ…。

チーフ「…殺し屋ちゃん…。」

男「……。」

男「そうだな…。なんかすげぇ腹立って来たから怒ってやるよ…。」
125: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 00:14:28 ID:ZkE1xnFobM
そう言って窓を開け放つ俺。

チーフ「男…?アンタなにして…」
殺し屋「グスッ……?」



男「馬ッ鹿やろぉおおおおおおおおお!!」
窓の外に向けてそう叫ぶ。

殺し屋「っ!?」
チーフ「っ!?」

男「おい聞いてんのか!?コイツに今まで酷い事言ってきたクソ野郎共!!どうせてめえらだろ、コイツに卑しいとか汚らわしいとか酷ぇ事言ったのは!!てめえらのせいでコイツは今泣きじゃくってんだよ!!腹立つんだよてめえらぁああ!!!」

殺し屋「ーーっ…。」

男「てめえらのせいでコイツはこんなにも傷付いてんだよ!弱くなってんだよ!脆くなってんだよ!責任取れよ!!出て来てコイツに謝りやがれぇえええっ!!」

殺し屋「……。」
ポタ…ポタ…。
126: 名無しさん@読者の声:2012/3/21(水) 00:21:44 ID:Ctk3Ee1sGs
…男かっこよすぎるだろ。惚れるわボケ

っCCCCCC
127: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 12:52:02 ID:.Lm3BW7986
>>126
返答遅れて申し訳ないです…。

支援ありがとうございます!

自分の作ったキャラがカッコいいと言って貰えるなんて感謝感激です(*^o^*)
128: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 13:30:10 ID:Ctk3Ee1sGs
男「ふぅ…。スッキリした…。」

殺し屋「…ヒッ…グスン……。」

男「…言っとくけど、俺はお前の事これっぽっちも卑しいとか、思ってねぇからよ…。俺はお前の事…………」

殺し屋「男…さぁん…。」

男「……エロいと思ってるからよ。」

殺し屋「……。」

男「お前、よく見たらメリハリあって意外とエロいんだよな〜。普段厚着してるからあんまり目立た無いけど、俺はお前のエロさを理解してるぞ。」

殺し屋「……。」


殺し屋「……ぷっ。…アハハハハハっ。」

男「は?」

殺し屋「いや…。改めて思い知らされたというか…。ハァ…やっぱり男さんは馬鹿ですよ…。」

男「…何だよそれ。」

チーフ「…男…。」
ガツン!
男「ぶっ!?」

チーフ「近所迷惑じゃこらぁあああ!!」

グーで殴られました。
129: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 13:56:05 ID:jXjtQP5wys
チーフ「ほらとっとと洗面所行って、火傷した部分冷やしてこい!この馬鹿!」
ドスッ
男「いたい!ケツ蹴らないで下さいよ!」タッタッタ


チーフ「…ふぅ。ったくアイツは…。」

殺し屋「…あのぉ…さっきはすみませんでした!!」

チーフ「ん…?」

殺し屋「触らないでっとか酷い事言ってすみませんでした!あれは…」
チーフ「いいわよ。分かってる。殺し屋ちゃんが色んな事抱えてるのは、私もアイツも良く分かってるから…。それにこの前店で、迷惑掛けちゃったから、これでお相子よ。ね?」
殺し屋「…ありがとうございます…。それと…。」

チーフ「?」
130: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 14:24:01 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「さっきので確信しました…。やっぱり私…男さんの事が好きです。」

チーフ「……ふふ。本当に思い知らされたのは、そっちの方だったって事ね…。」


殺し屋「…はい。…男さんは私が落ち込んでたり、泣いてたりすると、いつもああ言う風に励ましてくれるんです…。私が普通に人と話せる様になったのは、男さんが私の事励まし続けてくれたからです…。私は男さんと知り合ってからまだ日は浅いですけど…。それでもこの気持ちは…どんなものにも絶対負けません!!」

チーフ「……臨む所よ…ふふ。」

殺し屋「…へへ。」
131: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 14:38:05 ID:GJy45.yZXg
チーフ「それに私だって男と知り合ってから、まだそんなに経って無いのよ?」

殺し屋「えっ、そうなんですか?」

チーフ「ええ。今からちょうど1ヶ月前くらいかしら…。だから時間なんて問題じゃないわ。」

殺し屋「そうだったんですか…(私と男さんが出会ったのは約2週間前。…そんなに変わらないのか。)」

男「ふぃー。洗面所ありがとうございました。やっぱり全然大した事無かったッスよ。」


殺し屋「(時間なんて…関係無い…そうですよね。)」


私の気持ちを再認識した、そんな一時だった。

132: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 14:42:30 ID:ZkE1xnFobM
ここからはシリアスになっていきます。
今まで散らばめてきた、色んなふく線を拾い集めて一気にラストまで書き上げていくので、宜しくお願いします!
133: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 18:02:17 ID:GJy45.yZXg
すき焼きパーティーを終えたチーフの家からの帰り道。


???「……〜♪。」
電柱から何者かの人影が、地面に微かに伸びている。



殺し屋「右腕、大丈夫ですか…?」

男「大丈夫だっつーの。ったく何回聞いてんだよ。」

殺し屋「だって…。」

男「だってもあさってもねぇよ。終わった話だ、いつまでも引きずってんじゃねぇよ。」

殺し屋「…はい…っあっ!?すいません!私、チーフの家に忘れ物してきちゃいました!」

男「んっ?そうなのか?」

殺し屋「はい!すぐに戻るので先に帰っといて下さい!」
ザッ!

男「あっそれなら俺も…って居ないし…。」

男「ハァ…帰るか…。」
134: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 21:04:14 ID:qmuTkL.bmE
焦って書いたら文脈が、えらい事に…。

申し訳ない…。
135: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 22:13:42 ID:.Lm3BW7986
???「…。」



男「……。」
ザッ…。ザッ…。



???「…。」


男「…。」
ザッ…。ザッ…。



???「…。」

男「……。」
ザッ…。ザッ…。



???「…。」
男「……。」
ザッ…。ザッ…。



殺し屋「…。」シュッ…トッ
???「…っ!?」
男「…。」
ザッ…。ザッ…。



殺し屋「…。」
???「…へぇ。よく気付いたな。」



男「……。」
ザッ…。ザッ…。

136: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 22:24:54 ID:qmuTkL.bmE
???「いつ俺がお前らの後をつけてる事に気付いた?足音は完璧に消していたはずだが…?」

殺し屋「最初からですよ。…服を擦る音までは、消せてませんでしたから。」

???「ハッ!流石だな、やっぱり隠密専門の殺し屋には敵わねぇなぁ!」

殺し屋「…○○組の人ですね…。」


???「ああ。○○組の…そうだな…簡単に言えば幹部って感じの立場だ。宜しく頼むぜ。」
137: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 23:29:34 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「…幹部…。」

幹部「わざわざこんな人気のねぇ裏路地で接触して来たっつー事は、殺る気満々ってわけか。まぁ分かりやすくてコッチも助けるどな。…で、組織を裏切ったあげく、殺害対象のボディーガードまで勤めてる殺し屋さんはどう…っ!?」
シュパァアアンッ!!

殺し屋の長包丁が幹部の言葉の先を切る。
殺し屋「…。」


幹部「せっかちだなぁあ。この野郎…。」
138: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/21(水) 23:50:17 ID:ZkE1xnFobM
殺し屋「(私の斬撃をいとも容易くかわした所を見るに、この人ただの武闘派じゃ無い…。)」

幹部「仕方ねぇなぁ…。まぁ俺としても、とっととあの男の首、持って帰んねぇといけねぇわけだしな…。」
コッコッコ

そう言い、爪先で地面を鳴らす幹部。


シャキンッ!
幹部「面倒だから死んでくれ…。」
靴の爪先から長さ20センチ程の鎌状の刃が飛び出す。


殺し屋「っ!?」
139: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 00:28:25 ID:qmuTkL.bmE
ダンッ!
幹部「よっと!」
地面が爆発した様な 轟音と共に一気に距離を詰める幹部。

殺し屋「(速いっ!?)」

幹部「おらよっ!!」
ビュオンッ!!

殺し屋「っ!?」
ムチの様なしなやかな右足のキックが殺し屋の頬をかすめる。

鎌状の刃が殺し屋の頬を浅くえぐった。
殺し屋「くっ!?」

幹部「フッ!」
ビュンッ!
激しい呼吸音と共に殺し屋の顎を目掛けて左足を振り上げる。

殺し屋「(左足にも刃が!?)」
殺し屋もそれに応戦するために、包丁を構える。


ガキィイイイン!!

刃と刃が激しくぶつかり、身を引き裂く様な高音が響き渡る。
140: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 11:22:47 ID:CYOwNol3Qc
頬から血が垂れる殺し屋。
殺し屋「……(人間離れした脚力、股関節の可動域。それにムエタイにも似た、しなやかなキック。これ程までの格闘家は初めてだ…。)。」

幹部「やるじゃん。まぁ…次で終わらすけど。」

そう言い地面に手を付く幹部。

幹部「遺言は残さなくていいよな?」
ジリ…。
141: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 15:00:13 ID:3ZN46PwZVU
殺し屋「(クラウチングスタート!?)」

ドッパァン!
幹部「るぁっ!!」
後ろ足で蹴られた地面に小さなクレーターが出来る程の強烈な瞬発力で、殺し屋に突進する幹部。

殺し屋「(速すぎて視覚で捕らえる事が出来ない。…けど、あそこまであからさまな突進なら終着点が読める。そこに包丁を振り抜けば…!!)」


幹部「オラァアッ!!」
ダッシュの勢いを利用して殺し屋の顔面、目掛けて足を振り上げた。


そこへ…
殺し屋「(ここだっ!!)」
予め、予期して位置へと、包丁を振り抜く殺し屋。


142: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 15:33:37 ID:3ZN46PwZVU
シュパァアアンッ!

殺し屋「えっ…。」
空気を切り裂く音だけが、建物と建物の間を反芻した。

幹部「あんな、あからさまな突進するわけねぇだろ。」
幹部の声が地面の方から響く。

幹部の足が殺し屋の包丁に着弾する直前に勢いを殺し、正座をする様に空中で折り畳まれたのだ。


幹部「フッ!」
その状態から両足を地面から離し、両手でバランスを取る。
…言わゆる…


殺し屋「…カポ…エラ…。」

幹部「奥の手っつーのは、こう使うんだよ。」

ビュンッ!
殺し屋の顔面、目掛けて幹部の右足が伸びた…。
143: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 15:53:30 ID:CYOwNol3Qc
幹部「あん?」

しかし、幹部の刃が捕らえたのは殺し屋が身に付けていたマフラーだけだった…。そこに殺し屋の姿は無い。



殺し屋「…。先ほど、何故私がこんな場所で接触して来たかについて…話してましたよね?」
殺し屋の声がどこからともなく聞こえてくる。しかし、依然として殺し屋の姿を目視する事は出来ない…。

殺し屋「人気の無い場所で、戦いたいから?…それは違います。」
トットットットッ…
建物と建物の間に小さく壁を叩く音が響いている…。



幹部「なっ!!?」その音の理由に気付いた幹部が驚愕の声を上げる。


殺し屋「この場所が私にとって、最も戦いやすいステージだからです。」



殺し屋が壁と壁の間を高速で飛び回っていた…。
さながらスーパーボールの様に。

144: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 16:35:10 ID:mjiyMOsgto
幹部「(クソが…。さすがあの男の血を受け継いでいるだけあるぜ……この…化物め…。)」

トットット
殺し屋「行きますよ。」
ビュン!


幹部「そこだっ!!」
ブォオン!!
気配を感じた位置に回し蹴りをかます幹部。

しかし、
ブシャアア!!

幹部の右肩から血飛沫が上がる。

幹部「ぐあああっ!?」

トットッビュン!
殺し屋「……次。」

幹部「こンのぉぉおおおおお!!」
まず、身動きを封じるために、殺し屋の足にローキックをかまそうとするが…。

ブシャアアア
血飛沫が上がるのは、幹部の背中。


幹部「ゴパァッ!?(動きの速さについていけねぇわけじゃねぇ…。コイツの真に恐ろしい所は、速度の緩急だ…。スピードが常にアップダウンを繰り返してやがる…、随時フェイントしてる様なもんだぞコレ…。)」

145: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 16:47:38 ID:jXjtQP5wys
ブシャアア!!

幹部の腹部から血飛沫が上がる。

幹部「…ぅっ…。」
幹部が膝を付く…。

トンッ
殺し屋「血を流しすぎましたね…。ほっといても勝手に出血多量で死んでくれそうですけど…念のために。」
動きを止め、確実にトドメをさそうとする殺し屋。


殺し屋「さよなら。」
そう言い、包丁を振り上げる…。



その瞬間、幹部の口元が醜く歪んだ。




幹部「俺に触れるな、汚らわしいクズ女が。」



ビクッ
殺し屋「ーーーっ。」
その言葉を聞き、殺し屋の手から包丁が滑り落ちた…。
146: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 17:16:05 ID:M3Wkvy33qg
ビュオオオン!!
それを機に幹部の左足が唸りを上げる。


プシュウウ…。
殺し屋「あぐっ……。」
殺し屋の左肩から血飛沫が上がる…。



幹部「ふひ…。ヒャハハはハハはは!!ざまぁねぇなぁクズ女ぁ!!!悪口一つで身動き取れなくなるなんてよぉおおお!!」
涎を撒き散らし、下卑た笑い声を上げる幹部。


殺し屋「ヒッ……。」
涙目になる殺し屋…。


幹部「散々調子に乗ってくれちゃってよぉぉお。腹立つったらねぇぜ!!だいたい何で、てめえみてぇな糞の裏切り者をとっとと始末しねぇんだよ!!ウチの組長は頭イッちまってんじゃねぇのかっ!?その上、幹部である俺に面すら見せねぇなんて、調子乗んのも大概にしやがれぇええっ!!!」
ドカァアアン!!

苛立ちの余り、近くに置いてあったゴミ箱を粉々に蹴飛ばす幹部。


幹部「ホントはなぁあ…。てめえらの事始末しろ、なんて命令は下されてねぇんだよぉお…。俺の独断で、てめえらの事始末しようとしてんだよぉ。てめえらの首、組に持ち帰ったら、あの糞の組長も俺の事認めやがる!!そう思った……だからその為に、てめえらにはとっとと死んで貰わねぇといけねぇっつーのに…散々調子に乗ってくれちゃってよぉおおお…。計画変更だ…。てめえはじっくり八つ裂きにしてやるよ…クソ女。」


147: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 18:29:32 ID:Ctk3Ee1sGs
殺し屋「うぐっ……。」

幹部が足を降りかぶる…。
幹部「せいぜい、いい声で泣きわめけ…。」


刹那…。
ビシャシャッ
幹部「ーッ!?」
視界が真っ赤に染まる。


殺し屋が自分の血を幹部の目に、飛ばしたのだ。

殺し屋「ハァハァッ…。」
タッタッタ
即座にその場から立ち去る殺し屋。


幹部「ぐっあ…。こんのくそがァあああああああアアアアアッ!!」
怒り心頭の幹部の絶叫が地鳴りした…。







???「おい…そこで何をしてる…?」
148: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 18:46:10 ID:T./AFUEEvE
幹部「…てめえは…。」



男「……。」


幹部「ヒャッハァ!!こりゃあいい!!わざわざそっちから出向いてくれるなんてよぉお!ぶち殺しに行く手間が省けたぜぇ!!」


地面に落ちているボロボロのマフラー、それにあちらこちらにこべりついている血痕を見る…。


男「…殺し屋の帰りが遅ぇから…まさかと思って来てみたら……。これ……てめえがやったのか?」

幹部「ああ〜〜…。あの糞女なら今頃涙流して、泣いてんぜぇえ…。ったく馬鹿じゃねぇのっ感じだ…。悪口一つで戦闘不能になりやがって…せっかくいたぶってやろうと思ったのに、逃げ出しやがって…。役立たずの極みだなぁああ…。お前をそう思うだろぉお?」

男「……。」

男「……そうか…。これは俺のミスだな……。」

幹部「あん?」
149: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 18:51:39 ID:ZkE1xnFobM
誤字多すぎ…
本当に申し訳ありません。

正しくは…
ーーーーーーーーー幹部「…てめえは…。」



男「……。」


幹部「ヒャッハァ!!こりゃあいい!!わざわざそっちから出向いてくれるなんてよぉお!ぶち殺しに行く手間が省けたぜぇ!!」

地面に落ちているボロボロのマフラー、それにあちらこちらにこべりついている血痕を見る…。

男「…殺し屋の帰りが遅ぇから…まさかと思って来てみたら……。これ……てめえがやったのか?」

幹部「ああ〜〜…。あの糞女なら今頃涙流して、泣いてんぜぇえ…。ったく馬鹿じゃねぇのって感じだ…。悪口一つで戦闘不能になりやがって…せっかくいたぶってやろうと思ったのに、逃げ出しやがって…。役立たずの極みだなぁああ…。お前もそう思うだろぉお?」

男「……。」

男「……そうか…。これは俺のミスだな……。」

幹部「あん?」

150: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 19:11:15 ID:rEsLET6s.U
幹部「…何訳わかんねぇ事言ってんだ…?」

男「………。」


幹部「……お前面倒だわ…。だから殺す。」
ゴバァン!!
地面が割れる強烈な音と共に前進する幹部。


男「……。」


幹部「…死ねっ!!!!」






ぺきっ



幹部「は?」

自分の目の前で起きた出来事が理解出来ない幹部。

それもそのはずだ。男に目掛けて放った超高速の右足のハイキック、常人には何が起こったかすら分からないはずだ…



その右足を男の左ジャブがへし折ったのだから…。


男「……。」

151: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 20:53:25 ID:Ctk3Ee1sGs
幹部「(何だコレ?何だコレ?何か俺の足へんな方向に向いてね?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で…)」


男「…悪い。個人的にすげぇイライラしてるんだ…。死んだら、ごめんな…。」ダンッ!

男が行なったのは左拳を引き付け、その反動で右拳を突き出す。一口に言えばただのワンツーだが、踏み込みの速さが異常。
ジャブを打ってからストレートを打ち終わるまでの動作が瞬間移動の様だった…。


勿論、その踏み込みによる2発目の拳のパワーは測りしれない。


パガァアアアアンッ!!
幹部「ーーーっ」
声を上げる暇も無く、数メートル先まで吹っ飛ぶ幹部。


行き場を失い壁に
叩きつけられた幹部に命の保証は無かった…。

男「…。」


男「そろそろ…。潮時か……。」
152: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 21:42:07 ID:Ctk3Ee1sGs
一方その頃…。


殺し屋「……。ハァ…ハァ。(怖い…。怖い怖い怖い…。)…グス…エグ…。」


ガタガタ……小刻みに震え続ける殺し屋。
殺し屋「…ぅ…うぁ…(あの悪口…を言われるのが…怖い…嫌だ…嫌だ…嫌だよぉお…。)」


殺し屋「(…肩から…血が止まらない…。身体が強ばって上手く…動けない…。足が震えて立つ事すらままならない…………)」




殺し屋「だけど……頑張ろう…。男さんが傷つくくらいなら、死んだ方がマシだ…。」


再び戦場に戻るため足を踏み出す殺し屋。

153: 名無しさん@読者の声:2012/3/22(木) 21:49:15 ID:ZkE1xnFobM
急に頭角を現してきたSS

ただ焦ってるのか、誤字多いな。
ゆっくり書くといい
っCCCCC
154: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 22:41:00 ID:.Lm3BW7986
>>153
支援ありがとうございます!


すいません…
ラストが見えて来たのでついつい焦ってしまって…。

今後もご一読願えるように、精進して行きたいと思います!
155: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/22(木) 23:48:41 ID:x8j1Dxz3Ls
ザッ…ザッ…

殺し屋「……っ何これ…!?」


幹部が壁に埋まっている。
…呼吸音が聞こえて来ない…。恐らくすでに息を引きとっているのだろう。


殺し屋「いったい誰が……(近くに人の気配は感じない…。それにこの殺され方…まるでダンプカーにはね飛ばされた様な……。…でもそんな事より…)」


殺し屋「……。(…この人と戦う必要が無くなって、ほっとしている自分がいる…。)」


殺し屋の頬を涙が伝う…。

殺し屋「…何で私は…こんなにも…弱いんだろう…。」
156: ♯1120:2012/3/23(金) 13:35:24 ID:U/s15IjZY2
ピンポーン

男[……。]
がちゃッ

殺し屋「ただいまです…。ハハ……。」

マフラーは無く、肩からは血を流し、体のいたる所が
埃だらけの、見るも無残な殺し屋が玄関の前で立っていた。

男「……救急箱取って来る。」
感情の読めない男の声が囁く。

殺し屋「……申し訳ないです…。」
今にも泣き出しそうな、かすれた声で答える殺し屋。
157: ♯1120:2012/3/23(金) 14:28:49 ID:U/s15IjZY2
男「ちょっと肩貸せ。」
包帯を手に持ち、優しく語りかける。

殺し屋「……大丈夫です。…自分で出来ますから…。」
生気の抜けた顔で答える殺し屋。

男「…そうか…。じゃあ暖けぇココアいれてやるよ。」

殺し屋「……。」
返事は無い。

男「……。」
トポポポっ
ポットに水を入れる。

殺し屋「…何があったか、聞かないんですね…。」

男「…俺の為に戦ってくれてたんだろ、そんぐらい分かるよ…。」

殺し屋「……。」


殺し屋「…何にも…ヒック…出来なかったんです…。」
自分の弱さを隠しきれない殺し屋…。

158: 名無しさん@読者の声:2012/3/23(金) 14:33:35 ID:75kuZ9qRrA
すみません
シリアスなとこ申し訳ありませんが、トリ失敗してますよ

っCCCC
159: ♯1120:2012/3/23(金) 15:05:16 ID:U/s15IjZY2
殺し屋「…敵に悪口言われて…どうしようもなく悲しくて…グスッ…怖くて…逃げてしまったんです…。最低ですよね…ヒッ…大切な人を死んでも守るって決めてたのに…。私って人間は…ヒグッ…。」

男「…それでも…お前が…こんなになるまで俺の為に戦ってくれた事実に、変わりはない…。」

殺し屋「…男さんは、優しすぎますよ…。こんな私に…優しくする必要なんて無いのに…。」

男「……。」

殺し屋「…すいません…。今は一人にして下さい…。」

男「…分かった。」
タッタッタ…

殺し屋「……ハハ…(男さんにまで…八つ当たりするなんて…どんだけ最低なんだ…私は…。)」
160: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/23(金) 15:13:53 ID:U/s15IjZY2
>>158
うわぁああああ恥ずかしいいいい
機種変したのが仇となったぁあああ
教えてくれてありがとうございましたぁああ
トリ変えさしていただきますぅうう

後、支援ありがとうございますぅううう!!
161: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/23(金) 18:04:00 ID:U/s15IjZY2
…犬も遠吠えをやめるほど闇が深まったその夜…。

ソファーの上で眠る男が静かに寝息を立てている。
男「すぅ…すぅ…。」



???「……。」
すぅー…っと何者かの影が男の体に重なる。

バサッ
男「…っ!?」
男に掛けられていた毛布が剥がされた。
162: #1200:2012/3/24(土) 01:39:18 ID:mVT99oJ4S.
男「なっ!?」


ぎゅぅ〜〜〜〜〜〜…
殺し屋「……ヒック…うぇっ…うぁああああああん!」
嗚咽をあげている殺し屋に腕を強く抱きしめられている。

男「おっおい…どうしたんだよ?」

殺し屋「わっ…わるぐち…ヒグッ…いわれったぁあ…。」

男「…悪口?」

殺し屋「なんで…ぅあ…そんなひどい…ヒッ…こというのぉお!」

男「…殺し屋…。」

いつもの泣き方とは違い、子供のように、駄々をこねるように泣きじゃくる殺し屋。

殺し屋「いやだぁあ……いやだよぉおお!」
痛みを感じる程俺の腕を強く握り締める殺し屋。

殺し屋の表情からは、悲しみしか感じられなかった…。
163: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 01:52:30 ID:mVT99oJ4S.
男「殺し屋!殺し屋!しっかりしろ!!」

殺し屋「…っ?」
涙で光が乱反射している殺し屋の目に、いつも通りの眼差しが戻る。

殺し屋「私…何を…。」

男「だっ大丈夫か…?」

殺し屋「男さん…?何で……」
殺し屋の視線が俺の腕へと移る。
いいや…この言い方は正しくない。

殺し屋が触れている俺の腕だ。

殺し屋「いやっ…いやぁあああああああああっ!!?」
それに気づいた殺し屋の絶叫が室内を木魂した。


164: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 13:29:42 ID:mVT99oJ4S.
殺し屋「いやっいやぁいやああああああっ!!」

殺し屋の体が小刻みに震えている。
まるで何かに恐怖を抱いているように。

男「殺し屋!?」


殺し屋「いやぁああ……お願い…お願いだからぁあ……



…嫌いにならないでよぉお…。」

男「えっ…。」


165: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 13:50:55 ID:mVT99oJ4S.
男「何で…お前が俺に触れたら…俺がお前の事嫌いになるんだよ…。」

殺し屋「わたっ…私が…汚れているから…男さんに触れたら…私のせいで…男さんまで汚しちゃうから…。」
溢れる涙を抑えきれない殺し屋が、そう語る…。

殺し屋の発言に憤りを感じた。

男「何で…お前の身体が汚れてるんだよ…。」
怒気を孕んだ声で質問を投げかける。



殺し屋「私が……犯罪者の…子だから…。」
166: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 16:32:36 ID:mVT99oJ4S.
男「…犯罪者の…子供?」
予期せぬ答えに戸惑う。

殺し屋「……**って人…知ってますよね…?」

男「…ああ(当たり前だ…。日本人でその名を知らない人間はいない、と言って言い程の大犯罪者だからな。)」

**
強盗、殺人、誘拐、金を手に入れるためなら、どんな悪事でも平気でやってのける劣悪極まりない犯罪者。その名は日本だけでなく、世界にも知れ渡っている程だ。日本最大の汚点とも、謳われている。類稀なる変装技術、話術、格闘術を持ち合わせているため、現在に至ってもまだ、足取りすら掴めていない状況である。


殺し屋「私はその人の…隠し子なんです…。」

男「……。」
言葉を失う男。
167: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 17:48:26 ID:mVT99oJ4S.
殺し屋「捨て子だったんですよ私…。物心つくまでは私を拾ってくれた教会で育ったんです…。それから……あれは…私が5才くらいの時だったかな…、親を特定するための血液検査を受けてみないか?って教会の神父さんに聞かれたんです…。私は悩んだんですけど…やっぱり自分の親の事だから、知りたくて…受けてみる事にしたんです…。」

男「それで…。」

殺し屋「はい…。私が**の子供だって事が判明しちゃったんです…。」
168: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 20:43:48 ID:Dewk8lH7mI
殺し屋「…当時の私には、それがどんな意味を示すのか、まだ分からなかった…。でも現実はすぐに教えてくれましたよ…。検査が終わった後、私が神父さんの手を取ろうとした時、こう言われたんです……。」



『汚らわしい人間が…私に触れるな。お前のせいで私の手まで汚れてしまうではないか。』

男「……。」

殺し屋「……さっきまで優しかった神父さんが、私に向かってそう言ったんです…。」
169: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/24(土) 22:25:44 ID:A0vruzB9Dc
殺し屋「検査後…世界はガラっと変わりました。私みたいな汚れた人間を教会は匿え無いと言って、私の事を追い出しました……噂が広がるのも早く、町を歩けば罵倒され、私から距離を取って歩かれました…。」

男「……。」

殺し屋「…隣町に逃げたとしても、いつかは必ずバレてしまう事……幸せが長く続く事はありませんでした…。それ所か、一度好きになった人が真実を知って、私から離れていくのが……何よりも苦しかった…。」
170: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/25(日) 09:25:11 ID:RoUYVlH2YY
殺し屋「…好きだった人が私に向かって言うんですよ…。騙したなって…今までその薄汚れた手で私に触れていたのか…汚らわしいって……。」
殺し屋の身体が悲しみで震え出す。

殺し屋「何度も…何度も…ヒック…好きになっては、嫌われて…グスッ…近付いては、離れられて……。」

男「…何だよそれ…お前は汚れてねぇじゃねぇかよ…。」

殺し屋「…同じ…なんですよ…。」
殺し屋の口元が歪む

殺し屋「私は…**と同じなんですよ…。」


171: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 17:38:57 ID:sGRC1P9QCM
殺し屋「…2年程前から…**についての報道が減った事に気づいてますか…?」

男「…あ、ああ。確かに、最近目にしねぇな…。」

殺し屋「それは、**が…犯罪を起こさなくなったからなんですよ……。」

男「…それって…。」



殺し屋「…**は…すでに死んでいるんですよ……私が殺したんですから…。」
殺し屋が虚空を見つめながら、呟く。
172: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 17:51:27 ID:sGRC1P9QCM
男「なっ…!?」
思わず驚愕の声を上げる。

殺し屋「……。」
殺し屋が小さく口を開け、詳細について語り出す…。
173: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 18:24:40 ID:NvtirN5NTc

私が17の夏を迎えた時の事です。行き場を無くし、当ても無く、都会から離れた薄暗い小道を歩いていた時、**が私の目の前に現れましたんです。

最初は誰か分かりませんでした。けど、目の前のその人がこう言ったんですよ。

「…私は**だ…。今まですまなかった…。これを受け取ってくれ。」
そう言い、目の眩むような額の札束が入った、アタッシュケースを差し出してきました。


身体中の血管が切れそうな程の怒りが、私の精神を覆いつくしました。

…今まで私があなたのせいで、どんな目にあって、どんな思いをして…今日まで生きて来たと思ってる……。それを大金一つ差し出して、許して欲しいと?………






殺してやる…。


174: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 20:42:38 ID:NvtirN5NTc
正気に戻った時には、もう遅かった。

手には、いつの間にか手にしていた鎌。

身体中には、頭から赤いペンキでも被ったのかと思うくらいの血痕。

目の前には、原形が分からなくなる程にバラバラになった**が転がっていた…。

それは、私にとって初めての殺人でした…。

正気に戻った私は急いで**の死体を広い集め、近くの山に埋めた…。
未だ発見されていないのは、奇跡なのかもしれません…。

そして…全てが終わった時、私は思ったんですよ………





何だ…こんなもんか…って。
175: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 21:12:35 ID:no0TN9arUg
殺し屋「…私は……人一人殺しておいて、罪悪感や恐怖を…全く感じなかった…。その時…神父さんや周りの人達が、私に言った言葉の意味を…理解しました…。私は…**と同じで…



汚れた犯罪者…だったんです…。」
176: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 21:38:00 ID:no0TN9arUg
男「……。」

殺し屋「分かっていました……私みたいな汚れた人間が…男さんのそばに居続ける事なんて…できるわけ…無いって…。」
殺し屋の瞳が、再び潤む。

殺し屋「私が今、真実を告げなかったとしても…いつかは、必ずバレてしまう事……今までだってそうでしたから…。」
歯を食いしばって、涙を押し殺す。

殺し屋「私と…あなたの…関係も…ここまで…です。」
一雫の涙が零れる…。

殺し屋「けど…安心して下さい。…◯◯組の人達は、私が出来る限り始末してみせますから!!
だから、男さんは明日にでもここを発って、できる限り遠くに逃げてください。…それが、あなたを守れる私の最後の手段だから!!」
涙が殺し屋の顔を包む…。
それでも、彼女は男のために笑ってみせた。

殺し屋「だから…だから…



…さよならです…。」
この家から出て行くために、立ち上がる殺し屋。
177: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/26(月) 21:59:09 ID:no0TN9arUg
ガシッ

殺し屋「えっ!?」


男の右手が殺し屋の左手を掴む…。
男「……。」


殺し屋「なっ何をしてるんですかっ!!?私に触れたら、男さんの手まで汚れて…」
男「ああ。さっきお前が俺の右腕に触れたせいで、俺の右腕はもう汚れちまってるけどな。」

殺し屋「ーっ。」
殺し屋の表情が悲しみの一色に染まる。


男「でも、俺の右手がお前に汚されたおかげで、汚れた者同士、お前に触れる事ができる。」

殺し屋「えっ…。」

男「お前をこうして引き止める事ができる。」

男「俺は………それが幸せだ。」
男が微笑む…。

男「お前とまだそばにいる事が、できるからな。」

殺し屋「あ…あ…ああ。」

殺し屋「うああ…うあああ…」

殺し屋「うあああああああああああああん」
178: 名無しさん@読者の声:2012/3/26(月) 22:02:46 ID:no0TN9arUg
泣いたわボケ

っCCCCCCC
179: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/26(月) 22:53:16 ID:no0TN9arUg
>>178
支援ありがとうございます!!

俺はそんな貴方の言葉に泣いた(T . T)
感動できる話を書けたらなぁ〜と、思っていたので本当に嬉しいです。
180: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/27(火) 17:43:24 ID:4LheqjRvZ2
男「落ち着いたか?」

殺し屋「…はい。ありがとうございます。」
ベッドの上で、俺と殺し屋が並んで座っている。

男「じゃあ、優しくするからな…。」

殺し屋「いや、何抱こうとしてるんですか!?/////」

男「えっ…だって、エロフラグ立ったじゃん?…ほら、俺のアソコもそれにちなんで立ってるし。」
股間を指差す男

ボンッ

殺し屋「なっにゃにをゆってるんです○◇▽◆◎*%っ!!?/////」

男「和むねぇ〜。」





181: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:04:26 ID:hHMvkSkuVQ
男「ハハ。…やっぱりお前は、お前だよ。どんなクズの娘だろうが、それは変わらない。」

殺し屋「…男さん。」

男「俺…カッコいいだろ?」

殺し屋「…はい。……貴方を好きになれて…本当に良かったです…。」

男「えっ?」

殺し屋「えっ?」

182: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:10:15 ID:hHMvkSkuVQ
男「お前…今、俺の事好きって…。」

殺し屋「…ちょっと待って下さい。まさか、気づいてなかったとか、言い出しませんよね?」

男「……////。」

殺し屋「何、顔赤くしてるんですか?コッチは割りと本気で怒ってるんですけど?」
183: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:31:39 ID:hHMvkSkuVQ
男「いやぁ、すまない。まさかお前が俺の事を…。」ニコニコ

殺し屋「はぁ…本当にサイテーです…。サイテー鈍感童貞男です…。」

男「ありがとうな…。」

殺し屋「ふぇっ!?何でですか!?////」

男「んっ?嬉しかったから、なんとなく。」

殺し屋「…まったく貴方って人は…////」


184: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:46:31 ID:hHMvkSkuVQ
男「あとさ、殺し屋に伝えておきたい話があるんだ。」

殺し屋「…何ですか?」

男「俺の親父の話だ。」

殺し屋「親父さんの…。」

男「ああ。もう、死んじまってんだけどな。…俺の親父はすげえ人間でさ、何でも出来て、周りからの信頼も厚かったんだ。…けど一番大事な仕事を目の前にして、愛人…母さんと恋をしちまったんだ。」

殺し屋「…。」

男「それのせいで仕事が、全部おじゃんになっちまってよ…。結果的に今まで積み上げてきた、功績も信頼も全部失っちまったんだ。」

185: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:54:44 ID:hHMvkSkuVQ
男「その後、親父は病で倒れて、俺の顔を拝む前に死んじまったんだよな。」

殺し屋「…。」
殺し屋が表情を曇らせる。


男「俺の周りの人間は、口を揃えてこう言った「親父さんのようには、ならないようにな。」ってな。」

男「だから…俺は少し、女の人が怖いんだ…。恋をする事がいけない事って…ずっと言われてきたから…。」

186: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:18:42 ID:hHMvkSkuVQ
男「でも、お前の好意は素直に嬉しい…。今だって平気な顔してるけど、心臓バックバクだ…。だけど…それ以上にお前と、これからどう接していいのか分からないんだ…。」

殺し屋「……。」

殺し屋「…ゆっくり考えていきませんか?」

男「…ゆっくり…?」

殺し屋「はい。私も少し…時間が欲しいんです…。本当は今すぐにでも、男さんに触れてみたいし、触れてもらいたい。…けど、やっぱり…どこか怖くて、それが出来ないんですよ…だから…ゆっくり考える時間が欲しいんです。」

男「あっ、さっき汚れちまったって言ったのは…」
殺し屋「分かってますよ。男さんの優しさは、これ以上ないってくらい理解してますから…。」
そう言って微笑む殺し屋。

187: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:49:30 ID:hHMvkSkuVQ
殺し屋「だから…だからこそ…いつか、必ず…男さんに触れられるようになって…色んなアプローチをして、男さんをメロメロにさせてやるんですからね!」
腰に手を当て、胸を張る殺し屋。

男「……。」
意表を突かれた様な顔をする男。

男「…ハハハ。そうだな。そうだよな…。」
クスリと、笑う男。
188: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:58:56 ID:hHMvkSkuVQ
男「あ〜あ。…まったく世の親父共は本当に大バカ野郎だな。子供に面倒なもん押し付けて、勝手に死んで行きやがってよぉ。…本当に大バカ野郎だぜ…。」

男「だからこそ…俺達は、先代の大バカ野郎を受け継がねぇように、幸せになんねぇとな。」
太陽の様な笑顔で笑う男。

殺し屋「…はい!」
それに、答える殺し屋。もちろん、笑顔を添えて…。
189: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 18:35:25 ID:4MSejU.22U
書き忘れてましたが、画像スレに幹部と殺し屋の絵をうpしてあります(^^;;

興味のある方は是非( ´ ▽ ` )ノ
190: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 20:09:35 ID:q830ITMIn6
翌朝。

ポフっ
殺し屋「(…ふう。)」

朝日が窓から射し込み初めたばかりの早朝。
音を立てないように、優しく布団を畳む殺し屋の姿が、そこにはあった。

殺し屋「…(男さんは……大丈夫。よく眠ってる。)」
背後のソファーで眠っている男の姿を確認し、ほっと胸を撫で下ろす。

殺し屋「…。」
男が起きないようにすり足で、玄関まで移動する殺し屋。

殺し屋「いってきます。」
男に向かって微笑む。
返事は期待していない。

ガチャッ

ドアが閉まった音のみが部屋に響いた…。
191: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 15:29:00 ID:3d.OhuWroU
殺し屋「…さよなら…じゃないですよ…。」
玄関前で呟く殺し屋。

殺し屋「ただいまを言うための…いってきます…です。」
彼女は踏み出す

…男を守るため。

◯◯組を潰すため。
192: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 17:24:26 ID:5mLEbpE8Bo
殺し屋「(…昨日の一件で◯◯組も、本格的に私達の事を始末しにくるだろう。流石に幹部が殺られて、黙っていられるはずがないし…。)」
大小様々な屋根の上を駆け抜ける殺し屋。

殺し屋「(…なら、コチラから仕掛けてやるまでだ…。)」
覚悟の眼差しを向ける。
視線の先は、◯◯組本部のビル…。

殺し屋「(よし…。依頼された時の場所から、移動してはいないみたいだ…。)」
ッ…。
音も無く、ビルの屋上に着地する。


殺し屋「…待ってて下さい。男さん…。貴方と私の時間を邪魔する者達を……今、消してきますから…。」



193: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 17:56:37 ID:oR9LTLZEIM
殺し屋がビル内に侵入してから数十分…



殺し屋「おかしい…。」
殺し屋がいるのはビルの駐車場……地下一階だ。

殺し屋「(人の気配を一切感じない…。)」
屋上から侵入し、最上階から地下一階まで、くま無く探したにも関わらず、人っ子一人見つける事が出来なかった。

殺し屋「(此処が本部では無いのか…?それとも、組員全員で何処かに……いや、それは無い…例えそうだとしても、此処に一人も組員を残しておかないのは、おかしい…。)」
駐車場の主柱の影で、熟考する殺し屋。

そこに……。



???「何をお探しですか?お嬢さん。」
殺し屋「ッ!!?」
殺し屋の耳元で不気味な低音が囁いた。
194: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 18:46:19 ID:oR9LTLZEIM
ドッ!
殺し屋「くッ…。」
地面を強く蹴り、バックステップで距離を取る殺し屋。

???「…不法侵入とは、あまり感心出来ませんねぇ〜。」

殺し屋「……。(まるで、気配を感じなかった…。この人一体…。)」
静かに包丁を構える。

???「おやおや。見た目によらず、やんちゃなんですねぇ。これは、少しお仕置きが必要なようだ…。」

コッコッコッコッ!

殺し屋「なっ!?」
複数の足音が徐々に大きくなっていく。こちらに向かって走ってきているようだ…。



???「あっ…と、自己紹介がまだでしたね。私は、◯◯組の…一般的に言えば、幹部と呼ばれる役職についている者です。」
にっこりと笑う幹部B。
その背後には数十人の、組員と思われる人間が、銃器を構えてコチラを睨んでる。

殺し屋「(人の気配は、まるで感じなかったはず!?なのに何で!?)」





195: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 18:51:13 ID:oR9LTLZEIM
幹部B「苦労したんですよ。貴方が此処に侵入して来ると聞いて、わざわざ外で、貴方が駐車場に入るまで、気配を消して待機していたんですから…。おかげで気の荒いウチの組員達は、相当ストレス溜まっちゃったみたいで…。」

殺し屋「…何で…私が此処に来る事が…。」

幹部B「ああ〜っそうそう!今日は、わざわざ貴方ごときを始末するために、ウチの組長まで来て下さったんですよ?」
殺し屋の言葉を遮り、ハツラツとした声で喋る幹部B


刹那
…ザッザッ
殺し屋の背後から、靴が地面を擦る音が聞こえてくる…。


殺し屋「…っ!!!?」
背後に振り返った殺し屋が、余りの真実に言葉を失う…。

幹部B「…あの方が…◯◯組の組長ですよ?ねぇ………


















…男さん?」

男「……。」
そこには、殺し屋の見た事無い表情をした、男が佇んでいた…。




196: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:21:02 ID:oR9LTLZEIM
殺し屋「…男…さん…?」

男「……。」

男「…よくやってくれたな…幹部B。」
冷酷な顔で言い放つ男。

幹部B「いえいえ。全ては貴方のご命令に従ったまで。」

殺し屋「…ねぇ…嘘…ですよね…?」

男「……。」

197: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:27:45 ID:oR9LTLZEIM

殺し屋「こんなの…何かの…間違い…」
男「俺がお前に接触したのには、ある理由がある…。」




男「お前から**の情報を引き出すためだ…。それ以外の何物でもない…。」

殺し屋「ーーっ。」
その言葉は殺し屋から全ての表情を奪った…。
198: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:45:28 ID:U.oXxyuD36

殺し屋「…嘘…だ…そんなの…。」
かすれ切った声で呟く殺し屋…。

男「…**は、2年前◯◯組の一員だったんだ。優秀な男でな、どんな危険な命令にも、平気で従い、完璧にこなして組に戻ってくる、◯◯組にとって重要な人材だった。…だが、ある仕事中にウチの組員達を惨殺し、◯◯組の軍資金である金を持ち逃げしやがったんだ…。」

男「俺たちは、まんまと出し抜かれた挙句、**の尻尾すら掴めねぇまま逃しちまった…。このままじゃ、組の面目は丸つぶれだ。俺たちは、どうにかして**に落とし前をつけようとした……



…そこに飛び込んで来たのが、娘であるお前の情報だ。」

殺し屋「…ッ。」
抜け殻だった殺し屋の心に、微かな火が灯る。

199: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 21:07:14 ID:U.oXxyuD36
男「俺は、その時思い出したんだ…。**が言っていた言葉を……。」


**『僕には、娘がいるんですよ。僕はその子の存在を、つい最近まで知らなかった…。こんなクズみたいな人間の子供に生まれたせいで、あの子は苦しんでいるという事も知らなかった…。だから僕はお金を貯めて、せめてもの償いとしてあの子に渡したいんです。』


男「**がこう言ってた事を思い出してな…。もしかしたら、その言葉が真実で、**が娘であるお前に何らかの接触を試みた可能性があると考えたんだ…。もちろん確証は無い。だが、コッチも藁にでもすがる様な思いだったからな。その可能性に賭けてみた…。」

殺し屋「……。」

男「…だと言うのに、まさかすでに亡き者になっていたとはな…。顔が割れてないという理由で、わざわざ組長である俺が、くだらんバイトなどをして、如何にもただの一般人を装ってまで、お前に接触したってのに…。」


男「まったく…時間の無駄だった。」

殺し屋「……。」
200: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 21:34:00 ID:U.oXxyuD36

殺し屋「……じゃあ…何で…私が**の…情報を漏らしてない時点で…もう一人の幹部が…襲ってきたん…ですか…。」

男「あれは、俺のミスだ。あいつは戦闘技術はあるが、いかんせん理性が無くてな。作戦内容を話したら、勝手に暴走して、計画をおじゃんにしちまうんじゃないかと思って、放置しといたんだが…。まさか、作戦内容も知らずに暴れ出すとは…。あそこまで愚かだったとは俺も思ってなかったんだ。まぁ、落とし前として、しっかり殺しといてやったから別にいいんだけどな。」
饒舌に語る男。

殺し屋「……。」

殺し屋「…全部…嘘…だったんですか…?」
殺し屋の瞳から涙が、溢れ出す。

201: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 22:06:21 ID:U.oXxyuD36
男「……。」

殺し屋「…私の為に叫んでくれた…あの言葉も嘘だったんですか…?」

男「……。」

殺し屋「…いつも私の事を…励まし続けてくれた…あの言葉達も…嘘だったんですか…?」

男「……。」

殺し屋「わだしの……だいすぎだった…おとこざんの笑顔は…ぜんぶウソだったんでずかぁああっ!!!」




男「…ああ。」

202: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 22:17:43 ID:U.oXxyuD36
殺し屋「うぁ…うぁああぁあ…ぁあぁあああっ。」

男「……。」


男「俺の事は…好きなだけ罵るといい………この大馬鹿野郎ってな。」

殺し屋「…ヒッ…グスッ…ッ。」

男「もう面倒だ…。」
トットット
一定のリズムで、ステップを踏む男。
キユッ
男「終わりにしよう…。」
ボクシングの構えを取る。

幹部B「そうですね。茶番は、このくらいにしていただけると、コチラとしても有難いです。」
チヤッガチャッチヤッ!
その言葉に呼応する様に、銃器を構える◯◯組の面々。


男「終わりにしよう…全部。」


203: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 22:23:02 ID:U.oXxyuD36
…ギュ
殺し屋「……。」
震える手で、包丁を構える殺し屋…。

幹部B「ほほう。まだ戦意があるとは…見上げた精神です。」

男「いくぞ…殺し屋…。」

ボガッ! ドッ!
地面を蹴飛ばす音共に、二人の距離が縮む。


…そして…。


204: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 23:45:15 ID:MsRKeGtjjc
二人の足が交差する

ドカァアアアアンッ!!!
鼓膜が破れてもおかしく無いような、轟音が響き渡る。
それと同時に、悲鳴を上げる者がいた…
…それは……









組員達「がぁあああああああああッ!?」
爆発した様にふっ飛んだ組員達だ。

幹部「なッ!?…何をしてるんですかっ!?」
幹部が叫ぶ。矛先は…


幹部B「組長ッ!!!?」
男だった。

組員達をぶっ飛ばしたのは男だったのだ。

バサっ
殺し屋「…。」
殺し屋がキャッチしたのは、男が羽織っていた上着だ。
男が打撃を繰り出した際に、吹き飛んだのだろう。

男「ハハッ。」

男「なぁに……ついさっき言った事だろうがよ?」
皆の視線が男に集まる。

男「俺の親父は、女で人生を棒に振るような大バカ野郎だった……




俺も女で人生を棒に振るような、大バカ野郎って事だよ。」
http://ryu.boy.jp/up/uf/20120329233736834.JPG

殺し屋「…ほんと…男さんは……最高ですね…。」
205: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/30(金) 00:13:23 ID:MsRKeGtjjc
すいません。
画像は、画像スレに貼った方がいいと、ご助言を頂いたにも関わらず、自スレに貼ってしまって(/ _ ; )

でも、このssを書き始めた当初から、このシーンはどうしても絵で表現したかったので、自分の意志を突き通しました。

不快な思いをしてしまう方がいるのなら、真に申し訳ありません…。
恐らくこのssも、明日までには、完結すると思うので、何卒よろしくお願いします(*^^*)
206: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/30(金) 17:11:08 ID:IcBc8S6DnQ
幹部B「なっ……」
開いた口が塞がらない幹部B


殺し屋「…まったく…私がさっきの言葉で、どれだけ絶望したと思ってるんですか…。一瞬、自害しようとすら思ったんですからね…。」

男「うぅ…本当にすまん…。ホントはもっと早く裏切ろうとしてたんだが……俺が抱えている真実、罪をお前に話さないといけなかったから…。」

殺し屋「……。」

男「…ごめん…。俺は、お前を騙していたんだ…。許されていい事では無いって事くらい分かってる…。けど…」
殺し屋「許しません。」

男「うぁ…」

殺し屋「後で、たっぷりと甘えさしてくれないと……許してあげませんから…。」

男「……えっ。」

殺し屋「分かりましたかっ!?/////」
顔を真っ赤にして、詰め寄る殺し屋。

男「…はい。(お前は、本当に可愛い奴だよ…。惚れちまうわ…。)」
いつも通りの笑顔を見せる男。

207: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/30(金) 17:53:47 ID:xfdaG0F/ts
幹部B「おい…。」

殺し屋「そもそも何ですか、あの分かりづらい合図は!?バカ野郎の一言で、今から裏切るって気付くわけないじゃないですか!」

男「…気付いたじゃん…。」

殺し屋「不安だったんですよ!もしかしたら、本気で私の事殺そうとして、突っ込んできてるかもしれないと思いましたし!!」

男「…突っこむ前に、優しく名前呼んだじゃん…。今から殺そうと、思ってる相手にそんな事しないだろ…?」

殺し屋「正座っ!!」
男「はいすいません…。」
素早く正座の体制に移行する男。

幹部B「…。」




208: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/1(日) 00:27:41 ID:rdW18zxtwc
パキュンッ!!

殺し屋「ッ!?」
男「ッ!?」

幹部B「…確認をとりますが、男さんは◯◯組を裏切るおつもりなんですよね?」
天井に銃弾を打ち込み、冷静に語る幹部B。

男「ああ。違いねぇ。」
とりあえず、立ち上がる男。


幹部B「そうですか…。それは好都合です。私としては貴方みたいな餓鬼が、元組長の御子息という理由だけで私の上司である事に、少々疑問を抱いていたので。…これで合法的に貴方を殺して、私が組のトップになる事が出来ますね。」
笑顔という仮面を被り、眈々と語る幹部B。

男「…奇遇だなぁ。俺もテメェの憎たらしい顔面に、一発かましてやりてぇと思ってたんだよ。」

殺し屋「…協力しますよ。」

男「ありがとよ…。
…それじゃあ…。」

209: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/1(日) 00:48:44 ID:rdW18zxtwc
男「すぅ〜っ…。」
目一杯、息を吸い込む男。


男「女で人生を棒に振るような、大バカ野郎の俺とぉ!!」
大声で叫び、殺し屋に目配せをする。
殺し屋「……っ。」

殺し屋「…人を殺しても、何とも思えない最低な私のっ!!」
楽しそうに大声で呼応する殺し屋。

男「全てを打ち明けた最低なカップルが送る、初めての共同作業っ!!!」
組員達「ーーつ!?」
男の大声に気圧される組員達



男「気を付けろよ。俺たちは最低たけど………最強のカップルなんだぜ。」
その声が開戦の合図だった。

210: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/1(日) 16:29:42 ID:CFRnI5aN7k

組員達「うっ…。」
男と殺し屋の凄まじい闘気に、一瞬たじろぐ組員達。

ダンッ!
男「よっと!」
男の瞬間移動を思わせる様な踏む込みで、組員達の懐に入る。

組員達「ヒッ!?」


男「…一つ教えといてやるよ。喧嘩っつーのはな、出だしでビビったら負けなんだぜ。」
ビュンッ!と、
男がダイナミックに右フックを振りかぶる。

ゴッ!!
組員a「がっ!?」
ゴッ!!
組員b「ぎっ!?」
ゴッ!!
組員c「ぐっ!?」
ゴッ!!
組員d「げっ!?」
ゴッ!!
組員e「ごっ!?」

1人、2人、3人、4人、5人と、男の拳が組員達の顎をかすめる。
それだけなのに、組員達は目玉をひっくり返し、竹トンボの様に回転しながら宙を舞う。


男「来いよ。優しくぶっ飛ばしてやる。」

211: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/1(日) 18:26:16 ID:GhAySW96io

組員f「クソッ!」
鼻息を荒くし、男に向かって拳銃をかまえる。

ヒュンッ!

組員f「ッ!」
黒い影が組員fの真横を通過した。

その瞬間…。

ビシャシャッ
地面に真っ赤な血飛沫が描かれる。
組員f「……何だ…コレ…?」

ドサッ
それが自分の血であると気付く前に、組員fの意識は途切れた。

殺し屋「…私の大切な人に、拳銃を向けるなんて……死んでも、文句は言わせませんよ…。」
静かな怒りが込もった殺し屋の包丁からは、血がしたたっていた。
212: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/1(日) 19:01:30 ID:GhAySW96io

男「ふしゅっ!しゅっ!しゅっ!」
激しい呼吸音と共にパンチを繰り出す男。

殺し屋「……。」
人と人との間をくぐり抜け、血飛沫を撒き散らす殺し屋。

組員の数も、みるみると減っていく。


幹部B「(…流石に圧巻ですね。化け物二人が暴れる姿は…。まぁだからといって、私の勝利に何ら変わりはありませんけどね。)」


213: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 00:34:14 ID:Tat48qDSnk
ランキング驚きました…。

まさかの4位ヽ(;▽;)ノ

嬉しすぎて、涙涙です。
支援してくださった皆さん。
投票してくださった皆さん。

本当に本当に有難うございましたm(;▽:)m
214: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 00:57:33 ID:Tat48qDSnk

組員z「ぐっ…えっ…。」
ドサッ

殺し屋「ふぅ…(これで、あらかた片付いたか…。)」
動きを止め、辺りを見回す殺し屋。



ギュっ

殺し屋「えっ!?」


何者かが、殺し屋の手を握った…。


215: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 01:06:04 ID:Tat48qDSnk


幹部B「おやぁあ…?仲間の手を取ろうとしたら、間違えて汚物に触れてしまいましたぁ…。」
殺し屋の手を握ったのは、醜悪な笑みを浮かべた幹部Bだった。

殺し屋「いや…いやぁ…。」
それに気付いた殺し屋の表情が、恐怖で強張る。



殺し屋「いやぁああああああああああああっ!!?」
殺し屋を形作っていた精神が崩壊した。

男「殺し屋っ!!?」
殺し屋の悲鳴に、焦りを隠せない男。

幹部B「はい。終了。」

216: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 01:18:30 ID:Tat48qDSnk
殺し屋「いやっ!!いやぁあぁあぁ…。」
泣き喚きながら、地面にうずくまる殺し屋。

幹部B「はぁ〜い、男さんはそこを動かないで下さい。」
殺し屋に拳銃を突き付けながら、子供を叱る様に男に呼びかける。

男「くっ!」
苦虫を噛み潰したような顔をする男。

幹部B「私も、貴方に一つ教えといてあげます…。喧嘩というのは、相手の弱点を沢山知ってる方が勝つんですよ。」

217: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 13:48:56 ID:Nh6m/Hqols

男「…クズめ。」

幹部B「何とでも、言って下さい。どうせあなた達は、ここで死ぬんですから。」

殺し屋「あっあぁあぁ…。」
身体の震えを止める事が出来ない殺し屋。

幹部B「殴りかかろうとか、無駄な事考えない方がいいですよ?貴方の踏む込みの早さは、確かに異常ですけど、殴るスピードは恐るるに足りません。私に近付けたとしても、殴るまでには、私が引き金をひいてしまいますから。」

男「…っ。(クソッ…俺の弱点にも、気付いてやがったか…。)」

218: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 19:05:53 ID:bCLqaW66Q2

幹部B「さて、どうしてもらいましょうか…。」
男達を殺すための策を練る幹部B。
それが、至上の喜びであるかの様に、口元をつり上げる。

男「……。」

男「…分かった…。お前を殴るのは、諦める…。」

幹部「?」

219: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/2(月) 21:56:34 ID:oN33TXhDVo

幹部B「…潔いですね。流石に人質をとられては、なす術無しですか?」

男「…いいや。それは、違う。」

幹部B「は?」




男「お前を倒すのは、俺じゃないからだ。」


パキンッ!
甲高い金属音が響いた。

幹部B「えっ?」
幹部の持っていた拳銃が、真っ二つに割れたのだ。

殺し屋「ふーっ…ふーっ…」
歯を食いしばりながら、熱い吐息を漏らす殺し屋。

その手には、強く握りしめられた包丁が鋭く光っていた…。

220: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/4(水) 14:37:27 ID:YVSkdv0S0I

幹部B「ばっ馬鹿な…。何故そんな顔ができる…。何故戦う事ができる!?貴方に刻まれそのトラウマは、そう簡単に克服できるものでは無いはずでしょうが!!?」
身体中から、嫌な汗が滲み出る幹部B。

男「簡単そうに見えるか…?」
奥歯を強く噛みしめる男。

ぽたっ…ぽたっ…。
水滴が落ちる音が聞こえる。


221: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/4(水) 17:52:03 ID:tJ1UmALaiU
ぽたっ…ぽたっ…。
殺し屋「ふーっ…ふーっ…」
殺し屋の瞳から、止めどなく涙が溢れ出る。


それでも、包丁を握り締めたまま離さない…。

幹部B「っ!?」

男「簡単そうに…見えるか?」
222: 名無しさん@読者の声:2012/4/6(金) 20:48:03 ID:ytdP67NXJk
C!

続きが気になる
223: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/7(土) 23:06:04 ID:SorX02mC0I
<<222

支援有難うございます!
すいません…最近、忙しくて全然更新出来てませんでした( ; ; )

気合入れ直して頑張ります(`_´)ゞ
224: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:17:20 ID:5xCag8MhJg
男「そいつが今までどれ程の苦しみを味わって来たか……お前は知ってんのか?」

幹部B「…っ。」

男「俺でも理解できねぇのに…お前には分かんのか?」

幹部B「…っ。」

男「苦しむコイツを励ます事しかできねぇ俺が、こんな事言うのも可笑しいかもしれねぇがよ…。」



男「殺し屋の痛みを利用してんじゃねぇぞこのクズがぁあああああああ!!!」

幹部B「ヒッ!?」
男の怒声に情けない声を上げる幹部B
225: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:31:11 ID:5xCag8MhJg
ドサっ!
幹部B「うぁ…ぁあ。」
腰を抜かして、尻もちをつく幹部B


ザっ……ザっ……
殺し屋「ふっー…。ふっー…。」
涙を流しながら…歯を食いしばりながら…それでも、一歩一歩と幹部Bに歩み寄る殺し屋。

男「(…何でだよ…本当は…身が裂けそうなくらい苦しい癖に…何でそんなに頑張れんだよ…。)」



男「(…なんだよ…お前は…もう…弱くなんかねぇじゃねぇかよ…。お前は…もう十分過ぎるくらい強えじゃねぇかよ…。)」


226: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:40:28 ID:5xCag8MhJg
幹部B「来るなぁ…くっ来るなぁああっ!!」
恐怖で、震えた声を上げる幹部B。

殺し屋と幹部Bの距離が、1m程になった…。


スッ
殺し屋「ふっー…ふっー…。」
殺し屋が包丁を振り上げる。


その直後…。

ガチャっ
殺し屋の背後から、不気味な機械音が聞こえた。

227: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:51:05 ID:5xCag8MhJg
男「なっ!?」
その音の正体に気付いた男が、驚愕の声を上げる。




倒れていた組員の1人が意識を取り戻し、殺し屋に向かって拳銃を構えていたのだ…。

殺し屋「ふっー…。ふっー…。」
殺し屋は、それに気付く事ができていない…。

ビュンッ!!
殺し屋「あぁああああっ!!」
幹部B目がけて、包丁を振り下ろす殺し屋。

幹部B「今だ!!やれぇええええ!!!」
組員に向かって叫ぶ幹部B。

男「ーーっ!!」




パァアン!
銃声が鳴り響いた…。
228: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/10(火) 20:38:34 ID:32m..MKD.M
ビシャシャッ!
2人の体から血が飛び散る…。


幹部B「ガヒッ…。」
1人は殺し屋の包丁によって、肩から腹部まで大きく切り裂かれた幹部B。




そして…もう1人は……


ポタタタッ
男「うっ…ぐっ…。」
銃弾から殺し屋を庇った男だった…。

229: 名無しさん@読者の声:2012/4/11(水) 04:40:06 ID:Gc30sO6xPA
前から読んでて続き楽しみにしてます
こっそり支援
つC
230: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 17:33:51 ID:R.prheMCv.
<<229
支援ありがとうございます!!
前々から読んでいただけてるなんて、身に余る嬉しさです。
更新スピード落ちてしまってますが、必ず完結させます(^^;;

最後までお付き合いいただけたら、この上なく嬉しいです(//∇//)
231: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 17:52:27 ID:YZuxArY2xI
ドサッ
幹部B「…。」
力なく地面に突っ伏す幹部B。


殺し屋「ハア…。ハア…。」
ドッ
力が抜けてしまったのか、倒れる様に地面に膝を付く殺し屋。


殺し屋「…ハァハァ…やった…。男さん…私やりましたよ…。」
男に向かって、歓喜の声を上げる。




男「…よく…やったな。」
男の目の前には、頭をかち割られた様に頭部から激しく出血している組員が力なく倒れていた…。

殺し屋「男…さん…?」
男の異変に気づく殺し屋。



男「ごめん…。」

ドサッ…
優しく微笑んだ男が、静かに地面へと沈んだ…。

殺し屋「…えっ?」

232: 名無しさん@読者の声:2012/4/11(水) 19:29:40 ID:PJaff4if8M
凄く面白い。

支援させて頂く。
233: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 20:11:56 ID:YZuxArY2xI
<<232
何ともったいなきお言葉…ヽ(;▽;)ノ

マジ嬉しいです有難うございます!!
234: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 20:50:49 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「…男さん…?」
状況が理解出来ない殺し屋。

殺し屋「男さん…男さん…?」
男の倒れているコンクリートが赤く染まり出す…。


それに気付いた殺し屋が口を大きく開ける。



殺し屋「男さぁあああああああああああんっ!!!」

235: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:04:48 ID:jqb8msR6tI
ズザッ!
殺し屋「男さん!!男さん!!しっかりして下さい!!」
男の元へ駆けつけた殺し屋が大声で呼び掛ける。

スッ…
男「…ハハ…わりぃ…ドジっちまった…。」
体を仰向けにし、情けなく笑う男…。

殺し屋「ーーっ!!」
男の腹部からの大量出血に声にならない悲鳴を上げる殺し屋。

男「…殺し屋…。」

殺し屋「…だっ大丈夫ですよ!いっ今救急車をよっ呼びますから!!だっ大丈夫に決まってますからっ!!」
そう言って男に笑って見せる殺し屋。
その瞳からは、大粒の涙が零れている…。




男「…殺し屋……


…聞いてくれ…。」

236: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:21:49 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「ーっ……。」
何かを叫ぼうとした殺し屋。
だが、男の表情を見てそれをやめる。

男「…ありかとう…。」
男が笑う。
その笑顔は優し過ぎた…。


男「…俺はさ…ヤクザの息子に…生まれちまったんだ…。」
静かに語り出す…。

男「…だから…今までいっぱい…酷い事してきた…。そうする事でしか、生きていけなかったんだ……。そうする事でしか…俺の存在を認めてくれなかったんだ…。」

殺し屋「……。」

男「…人を殺すために…拳を鍛え…悪徳な金の稼ぎ方を教わり…組長として恥じないようにと、心掛けて生きて来た…。自分が最低な事をしてるって事くらい理解してた…。けど、俺にはその生き方しか出来なかった…俺はその生き方しか知らなかった…。」

男「…だから…今回も一緒だと思ってた…罪悪感を抱きながらも、お前を騙し…組のために悪事を働こうとしていた…。…だけど…お前と過ごして…知っちまったんだ……





…人を好きになる幸せを…。」

237: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:31:48 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「ーーっ」
口元を抑える殺し屋。
涙を堪えるために…。

男「…お前と一緒にいると…体がふわふわして…心地よくて…。お前が近くに寄ると、心臓の鼓動が速くなって……幸せな気持ちになって…。俺……気付いちまったんだ……こんな幸せな…生き方…あったんだって……。」
男の瞳から涙が零れ始める…。



男「…あぁぁ〜……お前と…出会えて…お前を…好きになれて…本当に…幸せだったなぁあ…。」



238: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:54:25 ID:jqb8msR6tI

殺し屋「…なっ…何を言ってるんですか……グスッ…これからは…ヒッ…そういう風に…生きられるんですよ…。」
嗚咽が漏れる殺し屋…。

男「……ぅっ…ヒッ…。」
涙を止める事が出来ない男と殺し屋…。

男「…ゲホッ!…ゴホッ!!」
喉に登ってきた血を抑えることが出来ず、吐血してしまう男。

殺し屋「おっ男さん!!」
男の身体に向かって、手を伸ばす殺し屋。

しかし、男の手に触れる直前に身体が硬直してしまう。

殺し屋「クッ!…ぅっ!!」
手に力を込めるが、本能がそれを拒絶してしまう。

殺し屋「何でよ!!何で触れる事が出来ないのよぉ!!ふざけんなよっ!男さんがこんな状態なのに、何怯えてんだよっ!!」
自分の不甲斐なさに、涙ながら憤慨する殺し屋。

殺し屋「私が汚れてるからって何だっ!!私が触れたら、男さんが汚れてしまうからって何だっ!!そんなの関係無いだろぉっ!!動けっ!!動けっ!!動けよぉおおっ!!」


男「…殺し屋……。」




239: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 22:09:06 ID:jqb8msR6tI
男「……っ。」

男「……あっあのさぁ!!…おぼっ…覚えてるかぁっ…あの噂っ!!」
殺し屋に明るく問いかける男。

殺し屋「…ヒッ…グスっ…?」

男「…◯◯組は…戦死した組員の体を……生まれつき…身体の不自由な人や…事故で四肢を…失った人達に…ドナーとして提供するって…噂……あれ…本当なんだぜ…。」

男「…俺が…少しでも…自分の罪悪感を紛らわそうっつー…最低な理由で作った……特殊な制度なんだけどさ…。」

男「…俺も…そうしようと…思うんだ……。」

殺し屋「ーーーっ!」


240: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 21:30:56 ID:3pGy78Zs8A

殺し屋「なっ…なんで…そんな…かなしいこと…いうんれすかぁあ…。」
悲しみで、崩れ落ちそうになる殺し屋…。

男「…だってさ…そうしたらさ……俺の代わりに…生きてくれるだろう…?」
表情を消して、呟く男。

殺し屋「なっ…なにを…」
男の真意が読めない殺し屋。


241: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 21:59:14 ID:3pGy78Zs8A
男「…殺し屋…お願いだ……病院で…伝えてくれ…。」

男「…俺の体を…使ってほしいって…。」

殺し屋「…なんっ…なんで…。」


男「…だって…もし…俺の左腕を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…困ってる人に…手を差し伸べてくれるかもしれない…。」


男「…もし…俺の両足を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…困ってる人の元へ駆けつけてくれる…かもしれない…。」


男「…もし…俺の眼球を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…助けを求めてる人を…見つけてくれる…かもしれない…。」


男「…いろんな…人が…最低な俺の変わりに……最高の事を…してくれるかもしれない…。」




男「…けど……だけど………だけどな……俺の右腕は……右腕だけは…移植しないでほしいって……伝えてく欲しいんだ…。」


殺し屋「…えっ…」


242: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 22:19:08 ID:3pGy78Zs8A

男「…俺の右腕は……。」





男「…俺の右腕は……大好きなお前が……触れてくれた…この右腕だけは……





…死んでも…俺のもんだ…。




お前が触れてくれた…この右腕は…俺の誇りだから…。


誰にも…渡したく…ねぇんだ…。」



殺し屋「……… ああ……


『私は…汚れてるんですよ…』


『いやっ!いやぁあっ!?触らないでぇえええっ!!』


『私は…汚れてるから…男さんに触れたら……男さんまで…汚れてしまうから…。』


ああ…


あああ…


この人は……最期まで…




最期まで……私の事……励ましてくれるんだ……。

243: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/15(日) 13:54:31 ID:HiP0NopJqA
殺し屋「…まったく……貴方って…人は……。」
殺し屋が身を屈める。



殺し屋「最高に……大好き…です…。」
スッ…

殺し屋と男の唇が重なった。

男「っ!」




殺し屋「これで…男さんの唇は…一生……私のものですね…。」
最後に…殺し屋が男のために用意した表情は、ハジけるような笑顔だった。


男「……ハハ……それは…最高に幸せだなぁ……。」


男は本当に幸せな笑みを浮かべ、重いまぶたを閉じたのだった。


244: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:03:24 ID:buiuwTdrrQ


そして…数年の時が流れた。

245: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:09:34 ID:buiuwTdrrQ

殺し屋「……。」
一つの墓石の前で屈み込む殺し屋。

スッ…
殺し屋「…今日は…寒いですね。」
そう小さく呟きながら、花束を添える。


すると…


???「…やっぱりここか。」
後ろから誰かが囁いた。

殺し屋「…はい。」
それに短く答える殺し屋。



246: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:30:03 ID:I21cfgmb12

???「…大丈夫か?」


殺し屋「…ふふ。有難うございます。でも大丈夫です。ちゃんと過去とは決別できましたから…。」

???「そっか…。でも、まさかお前がこの人のために墓を建てたいと言い出すとはな…。」

殺し屋「ハハ…自分でも信じられません…。でも、過去を認める事で私はこの人のために花を添える事が出来るんです。」

???「……お前は本当に…強くなったな…。もし、これが俺の墓であったとしても、お前は同じ事を言ってくれてたのかもな。」

殺し屋「それ…シャレになってませんよ。……まったく…





男さんは…。」
247: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:48:39 ID:I21cfgmb12
男「すまん。すまん。最近ブラックジョークにハマってるからさ。」

殺し屋「黒さが尋常じゃないですよ…ったく、あの時私がどんな思いをしていた事か……反省して下さい。」
割りと本気で男を睨みつける殺し屋。

男「…すいません。」

殺し屋「シャレにもあの時、男さん一度心臓止まってたんですよ…なのに…ご臨終確定した直後に急に起き上がるんですから…医者の先生も驚きの余り卒倒してましたからね…。」

男「ほんとすいません…。」

殺し屋「…まぁ…こうして生きてくれているわけですから…許してあげますけど…。あの時本当に…私…死ぬ程悲しかったんですから…。」

男「…ごめん…。」

殺し屋「…もう絶対に…一人にしないで下さいよ…。」

男「…約束する。」

248: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 22:08:35 ID:I21cfgmb12

男「…じゃあ…帰るか。」

殺し屋「…はい。」

男「あっ…と、ちょっと待って。」
ザッ
墓石の前に駆け寄る男。

殺し屋「?」

スッ
男「…。」
墓石に向かって手を合わせる。


そして…。

男「…あんたの娘は俺が幸せにする…。あんたには出来なかった事かもしれねぇが、俺には出来る。…俺はコイツの事が大好きだから…。俺にはそれだけの覚悟がある…。だからあんたの娘…貰うぜ。」
その墓石には**の名前が刻まれていた。

殺し屋「…男さん。」
微笑む殺し屋。
その頬は夕日と同じくらい赤みがかっていた。

男「それに…もうすぐ孫の顔も見せてやる予定だからな。楽しみにしてな。」


ボンッ『殺爆』

殺し屋「なっにゃにを言ってるんですかぁっ!?いやっその嫌なわけではにゃいですけどっ!確かに男さんにはいっぱい抱き締めてもらいたいわけですけどぉっ!!だからって//////」

男「ハハ。親父さんが嫉妬するくらい最高に幸せになろうぜ。」
そう言って殺し屋の手を握る男。

殺し屋「…うぅ……無念です…/////。」
二人の幸せ過ぎる日々はこれからも続くのでした。

おしまい。
249: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 22:17:24 ID:I21cfgmb12
いやぁあ…

本当に楽しかったです。
このSSを執筆するのが最近の一番の楽しみでした。

支援して下さった皆さん…
心よりお礼を申し上げます。
そして今回もまたランキングに入る事がてきました。
9位です。

まさか二度もランキングに入る事が出来るなんて思ってもいなかったので感謝感激感動たまりません。
本当に有難うございました。

また、ここでSSを書かして頂く事になるかもしれませんが、その時にもまたご一読願おうなんて…贅沢ですかね…。
…すいません。

ではまた。


250: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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名前:
sage:


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うpろだ
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