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殺し屋「無念です……。」
[8] -25 -50 

1: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 22:53:20 ID:jXjtQP5wys
初SSです(・_・;)
マンネリなストーリー、読みにくい文章になってしまうかもしれませんが、何卒よろしくお願いします(´・ω・`)



226: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:40:28 ID:5xCag8MhJg
幹部B「来るなぁ…くっ来るなぁああっ!!」
恐怖で、震えた声を上げる幹部B。

殺し屋と幹部Bの距離が、1m程になった…。


スッ
殺し屋「ふっー…ふっー…。」
殺し屋が包丁を振り上げる。


その直後…。

ガチャっ
殺し屋の背後から、不気味な機械音が聞こえた。

227: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/9(月) 17:51:05 ID:5xCag8MhJg
男「なっ!?」
その音の正体に気付いた男が、驚愕の声を上げる。




倒れていた組員の1人が意識を取り戻し、殺し屋に向かって拳銃を構えていたのだ…。

殺し屋「ふっー…。ふっー…。」
殺し屋は、それに気付く事ができていない…。

ビュンッ!!
殺し屋「あぁああああっ!!」
幹部B目がけて、包丁を振り下ろす殺し屋。

幹部B「今だ!!やれぇええええ!!!」
組員に向かって叫ぶ幹部B。

男「ーーっ!!」




パァアン!
銃声が鳴り響いた…。
228: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/10(火) 20:38:34 ID:32m..MKD.M
ビシャシャッ!
2人の体から血が飛び散る…。


幹部B「ガヒッ…。」
1人は殺し屋の包丁によって、肩から腹部まで大きく切り裂かれた幹部B。




そして…もう1人は……


ポタタタッ
男「うっ…ぐっ…。」
銃弾から殺し屋を庇った男だった…。

229: 名無しさん@読者の声:2012/4/11(水) 04:40:06 ID:Gc30sO6xPA
前から読んでて続き楽しみにしてます
こっそり支援
つC
230: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 17:33:51 ID:R.prheMCv.
<<229
支援ありがとうございます!!
前々から読んでいただけてるなんて、身に余る嬉しさです。
更新スピード落ちてしまってますが、必ず完結させます(^^;;

最後までお付き合いいただけたら、この上なく嬉しいです(//∇//)
231: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 17:52:27 ID:YZuxArY2xI
ドサッ
幹部B「…。」
力なく地面に突っ伏す幹部B。


殺し屋「ハア…。ハア…。」
ドッ
力が抜けてしまったのか、倒れる様に地面に膝を付く殺し屋。


殺し屋「…ハァハァ…やった…。男さん…私やりましたよ…。」
男に向かって、歓喜の声を上げる。




男「…よく…やったな。」
男の目の前には、頭をかち割られた様に頭部から激しく出血している組員が力なく倒れていた…。

殺し屋「男…さん…?」
男の異変に気づく殺し屋。



男「ごめん…。」

ドサッ…
優しく微笑んだ男が、静かに地面へと沈んだ…。

殺し屋「…えっ?」

232: 名無しさん@読者の声:2012/4/11(水) 19:29:40 ID:PJaff4if8M
凄く面白い。

支援させて頂く。
233: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 20:11:56 ID:YZuxArY2xI
<<232
何ともったいなきお言葉…ヽ(;▽;)ノ

マジ嬉しいです有難うございます!!
234: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 20:50:49 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「…男さん…?」
状況が理解出来ない殺し屋。

殺し屋「男さん…男さん…?」
男の倒れているコンクリートが赤く染まり出す…。


それに気付いた殺し屋が口を大きく開ける。



殺し屋「男さぁあああああああああああんっ!!!」

235: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:04:48 ID:jqb8msR6tI
ズザッ!
殺し屋「男さん!!男さん!!しっかりして下さい!!」
男の元へ駆けつけた殺し屋が大声で呼び掛ける。

スッ…
男「…ハハ…わりぃ…ドジっちまった…。」
体を仰向けにし、情けなく笑う男…。

殺し屋「ーーっ!!」
男の腹部からの大量出血に声にならない悲鳴を上げる殺し屋。

男「…殺し屋…。」

殺し屋「…だっ大丈夫ですよ!いっ今救急車をよっ呼びますから!!だっ大丈夫に決まってますからっ!!」
そう言って男に笑って見せる殺し屋。
その瞳からは、大粒の涙が零れている…。




男「…殺し屋……


…聞いてくれ…。」

236: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:21:49 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「ーっ……。」
何かを叫ぼうとした殺し屋。
だが、男の表情を見てそれをやめる。

男「…ありかとう…。」
男が笑う。
その笑顔は優し過ぎた…。


男「…俺はさ…ヤクザの息子に…生まれちまったんだ…。」
静かに語り出す…。

男「…だから…今までいっぱい…酷い事してきた…。そうする事でしか、生きていけなかったんだ……。そうする事でしか…俺の存在を認めてくれなかったんだ…。」

殺し屋「……。」

男「…人を殺すために…拳を鍛え…悪徳な金の稼ぎ方を教わり…組長として恥じないようにと、心掛けて生きて来た…。自分が最低な事をしてるって事くらい理解してた…。けど、俺にはその生き方しか出来なかった…俺はその生き方しか知らなかった…。」

男「…だから…今回も一緒だと思ってた…罪悪感を抱きながらも、お前を騙し…組のために悪事を働こうとしていた…。…だけど…お前と過ごして…知っちまったんだ……





…人を好きになる幸せを…。」

237: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:31:48 ID:jqb8msR6tI
殺し屋「ーーっ」
口元を抑える殺し屋。
涙を堪えるために…。

男「…お前と一緒にいると…体がふわふわして…心地よくて…。お前が近くに寄ると、心臓の鼓動が速くなって……幸せな気持ちになって…。俺……気付いちまったんだ……こんな幸せな…生き方…あったんだって……。」
男の瞳から涙が零れ始める…。



男「…あぁぁ〜……お前と…出会えて…お前を…好きになれて…本当に…幸せだったなぁあ…。」



238: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 21:54:25 ID:jqb8msR6tI

殺し屋「…なっ…何を言ってるんですか……グスッ…これからは…ヒッ…そういう風に…生きられるんですよ…。」
嗚咽が漏れる殺し屋…。

男「……ぅっ…ヒッ…。」
涙を止める事が出来ない男と殺し屋…。

男「…ゲホッ!…ゴホッ!!」
喉に登ってきた血を抑えることが出来ず、吐血してしまう男。

殺し屋「おっ男さん!!」
男の身体に向かって、手を伸ばす殺し屋。

しかし、男の手に触れる直前に身体が硬直してしまう。

殺し屋「クッ!…ぅっ!!」
手に力を込めるが、本能がそれを拒絶してしまう。

殺し屋「何でよ!!何で触れる事が出来ないのよぉ!!ふざけんなよっ!男さんがこんな状態なのに、何怯えてんだよっ!!」
自分の不甲斐なさに、涙ながら憤慨する殺し屋。

殺し屋「私が汚れてるからって何だっ!!私が触れたら、男さんが汚れてしまうからって何だっ!!そんなの関係無いだろぉっ!!動けっ!!動けっ!!動けよぉおおっ!!」


男「…殺し屋……。」




239: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/11(水) 22:09:06 ID:jqb8msR6tI
男「……っ。」

男「……あっあのさぁ!!…おぼっ…覚えてるかぁっ…あの噂っ!!」
殺し屋に明るく問いかける男。

殺し屋「…ヒッ…グスっ…?」

男「…◯◯組は…戦死した組員の体を……生まれつき…身体の不自由な人や…事故で四肢を…失った人達に…ドナーとして提供するって…噂……あれ…本当なんだぜ…。」

男「…俺が…少しでも…自分の罪悪感を紛らわそうっつー…最低な理由で作った……特殊な制度なんだけどさ…。」

男「…俺も…そうしようと…思うんだ……。」

殺し屋「ーーーっ!」


240: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 21:30:56 ID:3pGy78Zs8A

殺し屋「なっ…なんで…そんな…かなしいこと…いうんれすかぁあ…。」
悲しみで、崩れ落ちそうになる殺し屋…。

男「…だってさ…そうしたらさ……俺の代わりに…生きてくれるだろう…?」
表情を消して、呟く男。

殺し屋「なっ…なにを…」
男の真意が読めない殺し屋。


241: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 21:59:14 ID:3pGy78Zs8A
男「…殺し屋…お願いだ……病院で…伝えてくれ…。」

男「…俺の体を…使ってほしいって…。」

殺し屋「…なんっ…なんで…。」


男「…だって…もし…俺の左腕を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…困ってる人に…手を差し伸べてくれるかもしれない…。」


男「…もし…俺の両足を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…困ってる人の元へ駆けつけてくれる…かもしれない…。」


男「…もし…俺の眼球を移植した人が…いるのなら…その人が俺の変わりに…助けを求めてる人を…見つけてくれる…かもしれない…。」


男「…いろんな…人が…最低な俺の変わりに……最高の事を…してくれるかもしれない…。」




男「…けど……だけど………だけどな……俺の右腕は……右腕だけは…移植しないでほしいって……伝えてく欲しいんだ…。」


殺し屋「…えっ…」


242: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/12(木) 22:19:08 ID:3pGy78Zs8A

男「…俺の右腕は……。」





男「…俺の右腕は……大好きなお前が……触れてくれた…この右腕だけは……





…死んでも…俺のもんだ…。




お前が触れてくれた…この右腕は…俺の誇りだから…。


誰にも…渡したく…ねぇんだ…。」



殺し屋「……… ああ……


『私は…汚れてるんですよ…』


『いやっ!いやぁあっ!?触らないでぇえええっ!!』


『私は…汚れてるから…男さんに触れたら……男さんまで…汚れてしまうから…。』


ああ…


あああ…


この人は……最期まで…




最期まで……私の事……励ましてくれるんだ……。

243: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/15(日) 13:54:31 ID:HiP0NopJqA
殺し屋「…まったく……貴方って…人は……。」
殺し屋が身を屈める。



殺し屋「最高に……大好き…です…。」
スッ…

殺し屋と男の唇が重なった。

男「っ!」




殺し屋「これで…男さんの唇は…一生……私のものですね…。」
最後に…殺し屋が男のために用意した表情は、ハジけるような笑顔だった。


男「……ハハ……それは…最高に幸せだなぁ……。」


男は本当に幸せな笑みを浮かべ、重いまぶたを閉じたのだった。


244: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:03:24 ID:buiuwTdrrQ


そして…数年の時が流れた。

245: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:09:34 ID:buiuwTdrrQ

殺し屋「……。」
一つの墓石の前で屈み込む殺し屋。

スッ…
殺し屋「…今日は…寒いですね。」
そう小さく呟きながら、花束を添える。


すると…


???「…やっぱりここか。」
後ろから誰かが囁いた。

殺し屋「…はい。」
それに短く答える殺し屋。



246: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:30:03 ID:I21cfgmb12

???「…大丈夫か?」


殺し屋「…ふふ。有難うございます。でも大丈夫です。ちゃんと過去とは決別できましたから…。」

???「そっか…。でも、まさかお前がこの人のために墓を建てたいと言い出すとはな…。」

殺し屋「ハハ…自分でも信じられません…。でも、過去を認める事で私はこの人のために花を添える事が出来るんです。」

???「……お前は本当に…強くなったな…。もし、これが俺の墓であったとしても、お前は同じ事を言ってくれてたのかもな。」

殺し屋「それ…シャレになってませんよ。……まったく…





男さんは…。」
247: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 21:48:39 ID:I21cfgmb12
男「すまん。すまん。最近ブラックジョークにハマってるからさ。」

殺し屋「黒さが尋常じゃないですよ…ったく、あの時私がどんな思いをしていた事か……反省して下さい。」
割りと本気で男を睨みつける殺し屋。

男「…すいません。」

殺し屋「シャレにもあの時、男さん一度心臓止まってたんですよ…なのに…ご臨終確定した直後に急に起き上がるんですから…医者の先生も驚きの余り卒倒してましたからね…。」

男「ほんとすいません…。」

殺し屋「…まぁ…こうして生きてくれているわけですから…許してあげますけど…。あの時本当に…私…死ぬ程悲しかったんですから…。」

男「…ごめん…。」

殺し屋「…もう絶対に…一人にしないで下さいよ…。」

男「…約束する。」

248: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 22:08:35 ID:I21cfgmb12

男「…じゃあ…帰るか。」

殺し屋「…はい。」

男「あっ…と、ちょっと待って。」
ザッ
墓石の前に駆け寄る男。

殺し屋「?」

スッ
男「…。」
墓石に向かって手を合わせる。


そして…。

男「…あんたの娘は俺が幸せにする…。あんたには出来なかった事かもしれねぇが、俺には出来る。…俺はコイツの事が大好きだから…。俺にはそれだけの覚悟がある…。だからあんたの娘…貰うぜ。」
その墓石には**の名前が刻まれていた。

殺し屋「…男さん。」
微笑む殺し屋。
その頬は夕日と同じくらい赤みがかっていた。

男「それに…もうすぐ孫の顔も見せてやる予定だからな。楽しみにしてな。」


ボンッ『殺爆』

殺し屋「なっにゃにを言ってるんですかぁっ!?いやっその嫌なわけではにゃいですけどっ!確かに男さんにはいっぱい抱き締めてもらいたいわけですけどぉっ!!だからって//////」

男「ハハ。親父さんが嫉妬するくらい最高に幸せになろうぜ。」
そう言って殺し屋の手を握る男。

殺し屋「…うぅ……無念です…/////。」
二人の幸せ過ぎる日々はこれからも続くのでした。

おしまい。
249: ◆YkwVCqa05Y:2012/4/16(月) 22:17:24 ID:I21cfgmb12
いやぁあ…

本当に楽しかったです。
このSSを執筆するのが最近の一番の楽しみでした。

支援して下さった皆さん…
心よりお礼を申し上げます。
そして今回もまたランキングに入る事がてきました。
9位です。

まさか二度もランキングに入る事が出来るなんて思ってもいなかったので感謝感激感動たまりません。
本当に有難うございました。

また、ここでSSを書かして頂く事になるかもしれませんが、その時にもまたご一読願おうなんて…贅沢ですかね…。
…すいません。

ではまた。


250: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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sage:


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