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幼い兄、進むはモノクローム
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1: :2012/3/13(火) 20:41:31 ID:JCMcRY0PdY

とある森。

光を浴びた小さな草むら。

花の香りの染み付いた、朽ちた梯子は木にもたれ、その脇近くの土の上には虫が群がる。そこから少しの距離置いて、またも群がる小さな虫。

静かな森に二つの羽音が広がった。




122: :2012/8/7(火) 18:27:30 ID:oEVCzzWWHs

しかしだけれど少年は
森にあるはずの無い、その無機質な光沢に少しの違和感と気味の悪さを感じました

何故でしょう?
洞窟のごつごつとしたいびつな岩の天井の中
その落とし穴の上だけが
きらりと平らな金属の天井だったせいかもしれません

123: :2012/8/7(火) 18:37:58 ID:Vuxtltmhiw

少年は少し考えます
一歩、落とし穴に近づこうと足を前に出しました

その時に、ちょうど足元の小石を蹴ってしまったのでしょう
小石がころころ転がって
穴の中へと消えました

そして聞こえた
かつん、堅いもの同士のぶつかる音
同時にかしゃん、金属の床がほんの少し上下して

するとするとどうでしょう
穴の上の天井までも、軽く上下したのです!

124: :2012/8/7(火) 18:41:17 ID:oEVCzzWWHs

そういうことか、

合点のいった少年は踵を返すと
先程まで少年がいた浮き島三つの水溜まり
そのほとりまで戻ってきました

そして水溜まりに浮かんだ三つのうち、少年に一番近い所にある浮き島の
ふやけた足を掴んでざぶり、陸地へと引き上げました

125: :2012/8/7(火) 18:45:41 ID:oEVCzzWWHs

そしてそのままずるずるずるり、
それの両足首をつかんで引きずります

ふやけた足首はやけに細く
硬い体はやけに重い
少年にそれを担ぐ力はありません

だからそのままずるりずるずる、
堅く冷たい落とし穴へ、
硬く冷たい男の子を引きずり進みます




126: :2012/8/7(火) 18:51:25 ID:oEVCzzWWHs

洞窟の中、
落とし穴まで戻ってきました

少年は一つ息を吐きます
引きずって来た男の子を一瞥し、
そして穴へと押し出しました

ぼとり、力無いそれは穴の中に落ちました
がしゃん、と金属の床が沈みました
それと同時に分厚い天井が落ちて来ます

今度は途中で止まらずに、天井は穴へと沈むのです


127: :2012/8/7(火) 18:53:27 ID:Vuxtltmhiw


ぐちゃり、



柔らかいものが潰れる不快な音が
静かな静かな洞窟に

何度も何度も反響しました



128: :2012/8/7(火) 19:02:48 ID:oEVCzzWWHs

穴に落とした男の子
彼は一体どうなったのか
そんなこと、想像せずともわかります
掴んだ足は、石の様に硬かったのに――

落とし穴は落ちて来た天井にふさがれて、ただの平らな道に変わりました

少年は金属の道を進みます
歩くたびに足元から伝わるぐちゃ、ごり、ぐちゅり、
そんな音など少年には聞こえていないかのように、進みます


129: :2012/8/7(火) 19:18:39 ID:Vuxtltmhiw
本日の更新分>>121-128

皆さんお久しぶりです!
覚えている方がいらっしゃるのか不安ですが、なんとか帰ってきました。

そして復帰早々死体をプレスするなんて所業に走ってしまってすみません!始める前にグロ注意くらい書けば良かったと後悔中(^ω^;=;^ω^)

毎日更新は出来ないかもしれませんが、放置だけはいたしません。皆さんに少しでも楽しんで頂けるよう頑張ります!
よければもう少しの間だけ、お付き合いくださいませ。
それでは、また。
130: 名無しさん:2012/8/7(火) 19:55:58 ID:4mtbQ2xT0g
物語の上がり下がりが無い…

重度のメンヘラが書いたような内容…
131: 名無しさん@読者の声:2012/8/7(火) 21:32:18 ID:96tNzcvs.g
待ってました

支援です
132: :2012/8/7(火) 21:35:57 ID:tJcEt8cdLA
>>130
出来るだけ淡々と進む原作の雰囲気を壊したく無かったので、起伏の無い文章にしていました。
折角目を通してくださったのに申し訳ないのですが、作風はこれからも変えることは無いです。
内容については、>>2で注意書きをしているのでご了承くださいませ。

不快に感じられたらすみません。ご意見ありがとうございました!
133: :2012/8/7(火) 21:38:16 ID:1jOFFSg.KI
>>131
待ってて下さってありがとうございます…!>>131さんに楽しんで頂けるようこれからも頑張ります。
支援ありがとうございました!
134: :2012/8/8(水) 22:12:38 ID:nOovXXZ/0c

洞窟の出口が奥の方に見えた頃
少年の頭上に何か小さなかたまりが落ちて来ました

べちゃ、と気味の悪い音が聞こえます

少年は何が落ちて来たのか確かめるため
恐る恐る、
頭に手をやろうとしました


135: :2012/8/8(水) 22:16:29 ID:nOovXXZ/0c

その瞬間、少年は軽いめまいにさいなまれました

ぐらり、視界が歪み
手は力が入らずに
ただだらりと垂れ下がり
足は前へと動き出しました

少年は驚きます
だって少年の足は、
少年の意思ではなく
独りでに動き出したのです

136: :2012/8/8(水) 22:20:11 ID:yYWADHzeSc

少年が止まろうとしても
足は言うことを聞きません

ちらりと目を前へやると
少年の前方、
洞窟の出口付近の天井に
騒がしく声を震わせる鳥達が見えました

137: 短いですが本日の更新は終了です:2012/8/8(水) 22:23:20 ID:yYWADHzeSc

勝手に動くその足は
ふらりふらりと覚束ない
けれど、だからといって
止まる気配はありません
自力での方向転換も出来そうにありません

ただただ前に足を動かす少年の
力無いその姿は
ぜんまい仕掛けの玩具の様で

一体、これを止めるには

ネジを止めるか、
玩具が壊れるか、

それ以外に方法などあるのでしょうか


138: 名無しさん@読者の声:2012/8/9(木) 00:09:02 ID:5m7vxPTq.w
この淡々とした文章が不気味さを幻想的にしていると思います

更新再開されて嬉しいC
139: :2012/8/9(木) 21:17:45 ID:Ow7SAWLc86
>>138
ふおお嬉しいお言葉をありがとうございます!
これからも>>138さんに楽しんで頂けるよう頑張りますね。
支援感謝です!
140: :2012/8/9(木) 21:32:50 ID:Ow7SAWLc86

少年は頭に神経を集中させました

頭上では、何か小さなものがうねっている感じがします
少年の頭に乗ったそれは生き物のようです
そして恐らく、それが少年の体を操っているのです

頭にそれが落ちてから、体の異変が始まったことは明らかでした

141: :2012/8/9(木) 21:40:33 ID:Ow7SAWLc86

ふと、少年は水溜まりでの出来事を思い出しました

迷わず入水していった、あの男の子の事です
たしか彼の頭にも虫が乗っていました
あれはただの自殺志願の少年では無かったのかもしれません

ただ体が操られ、
自由が利かず、
そのまま水溜まりに沈んでしまった
哀れな玩具だったのかもしれません

今まさに、足が勝手に前へ行く少年のように


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