イエティ「待て待て待て、話をきけって」
勇者「魔物と語る舌などもたんっ!そこになおれっ!」
イエティ「いやいやいや、そもそも俺魔物じゃねーし」
勇者「そのような醜悪な姿で戯れ言を言うなっ!」
イエティ「それなら言わせて貰うけど、人間だって大概グロテスクなナリしてるぜ?哺乳類の癖に毛むくじゃらじゃないとか」
勇者「おのれ愚弄するか。不細工な魔物の分際で」
イエティ「話通じねぇこいつ…。つうか魔物じゃねーっつってんだろーが」
勇者「これ以上の問答は無用だ。叩き斬―」
イエティ は にげだした
勇者「あっ!?待てこのっ!!」
125: 名無しさん@読者の声:2012/9/27(木) 18:29:40 ID:d.JdckU3Ns
イエティ「ハァー…。ゆとり教育の弊害ってやつかねぇ…。ちったぁUMAとして落ち着いてきたかと思えば…。単に逃げ足が早くて運が良かっただけだよ俺は。戦闘力は並みだから他あたれ」
ガルーダ「またまたご謙遜を」
イエティ「事実だよ。そこそこ鍛えたけど、手刀で海を割れる程の力は持ち得なかったしな。今日まで逃げ続けてきただけだ」
ガルーダ「でも…」
イエティ「大正もクラシーもねーんだよ。面倒くせーな。じゃあ、あれだ。俺が心の師としてる奴を紹介してやっからまずはそっちに行ってみろよ」
ガルーダ「そんなお人がいるんですか?」
イエティ「ああ、チョップで海が割れる正真正銘の化け物だ(心の師とか嘘だけど)」
126: とりまえず今日はここまで:2012/9/27(木) 18:31:35 ID:LyahHI45dA
ガルーダ「色々とありがとうございましたー」ノシ
イエティ「おー、まあ気をつけろよ。あっちで出番があるといいな」ノシ
ガサガサ
イエティ「………行ったか。しかしまあ随分と無理矢理感のあるコラボだったな。時系列とか大丈夫なんだろうか…?」
シャドーピープル「誰目線のセリフですかそれは…?」ガサリ
イエティ「うおっ!?…ちっ。嫌な奴に会っちまった」
シャドーピープル「随分な挨拶ですね。小生自身には害はないというのに」
イエティ「はっ、どーだか」
シャドーピープル「つれない方だ。久しぶりに邂逅したというのに」
127: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:23:05 ID:LyahHI45dA
イエティ「邂逅ねぇ…。意味わかって使ってんのかよ?」
シャドーピープル「何をそんなに警戒しているのだか…。思いがけない出会いですよ。確かにね」
イエティ「こんな辺鄙な場所でか?」
シャドーピープル「彼女の死を悼んでいるのは何も貴方だけではないのですよ」っ花
イエティ「ふん」
シャドーピープル「………」黙祷
イエティ「……ちっ」
シャドーピープル「………、…ふぅ。さてと、如何です?御変わりないですか?」
イエティ「…よしてくれ。旧交を温めるような間柄じゃねーだろう」
シャドーピープル「ふっ、やれやれ頑なな方だ。では親睦を深めましょう。如何です?その後は?」
イエティ「一緒じゃねーか」
128: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:24:08 ID:YVXgcBcZ/.
シャドーピープル「では、お為ごかしはやめにしましょう。如何ですか?念願のUMAとしての生活は?」
イエティ「………」
シャドーピープル「人飼いをしていた魔物として懸賞金をかけられたものの、実に七年もの間逃げ仰せ、遂にその存在を疑われるに至った生活はどうです?」
イエティ「説明的な台詞をありがとうよ。チルチルとミチルの気分だな」
シャドーピープル「青い鳥ですか」
イエティ「はしゃぐような真似は出来ねーけどな。徒労感でいっぱいだよ」
シャドーピープル「随分とすれたチルチルとミチルですね」
イエティ「ファンタジーのようにはいかねーさ。生きてる限りは、『幸せに暮らしましたとさ』なんて締め括られることも、後日談が語られることもねーからな」
129: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:25:18 ID:89UjQmB8So
シャドーピープル「悟ったようなことを仰る」
イエティ「別に。逃げてるだけさ。ずっと、今もな」
シャドーピープル「それは、何からですか?」
イエティ「…ちっ。何から何まで全部だよ。つーか何でテメーとこんな話ししなくちゃなんねーんだ」
シャドーピープル「言ったでしょう?彼女の死を悼んでいるのは貴方だけではないからと」
イエティ「…関係ねーだろ」
シャドーピープル「割に合わないのですよ。彼女の死と引き換えに得た貴方の現状がね」
イエティ「関係ねーっつってんだろ!」
シャドーピープル「ふっ、怖い怖い。しかし安心しましたよ。憤る程度の気概を持ち合わせているとはね」
130: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:26:57 ID:M73Vd5Yv/s
イエティ「テメーは喧嘩売りに来たのか…?」
シャドーピープル「そのような益の無いことはしませんよ。再三言いますが彼女の死を悼んでいるだけです」
イエティ「…仇討ちに行って犬死にしてこいとでも言いてーのかよ」
シャドーピープル「それこそ益の無い。ナンセンスでしょうに。と言いたいところですが、それも一つの手段と言えるでしょうね。どれ程早く、どれ程遠くに逃げたところで、いずれは過去に捕まるのでしょうから」
イエティ「……」
シャドーピープル「死なない限り…、いえ、貴方の言葉を引用しましょうか。生きてる限りはね…」
イエティ「ふん…」
131: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:28:08 ID:fKdwo/cnFI
シャドーピープル「少々意地悪が過ぎましたかね?」
イエティ「別に。テメーみてーな傍観者気取りに何か言われても痛し痒しだよ」
シャドーピープル「ふ、可愛いげのない方だ」
イエティ「テメーなんぞにデレる程安くねーんだよ」
シャドーピープル「素直な貴方というのも存外胸焼けがしますね。…さて、私はそろそろおいとまさせていただくとしましょうかね?」
イエティ「おー、帰れ帰れ」
シャドーピープル「では最後に、友人として一つ忠告を」
イエティ「誰が友人だ」
シャドーピープル「近辺で武装した人間が散策していましたよ」
イエティ「っ!?テメッ!それをもっと先に言えよバカ野郎!」
132: 名無しさん@読者の声:2012/9/30(日) 00:30:00 ID:M73Vd5Yv/s
シャドーピープル「折しも先程貴方が言った通り、小生は傍観者気取りの悦楽の奴隷。舞台で踊る方に批評を飛ばすほど野暮ではないのでね。…ではごきげんよう」フッ
イエティ「ほんっとにろくでもねーよな!テメーは!」
ガサッ
ムコウデコエガキコエタゾッ!?
イエティ「……チッ」
ガサガサ
戦士「発っっ見!」
魔法使い「下がって戦士。陣形を乱さないでっ」
僧侶「補助魔法を展開します」
イエティ「テンプレなパーティだな。つか、いきなり臨戦態勢かよ」
魔法使い「ていうか、ゆうしゃは!?」
戦士「知らん!また迷子だろどうせ!」
イエティ「…ゆうしゃ?」
133: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:17:45 ID:PshM9LK1Oo
戦士「そうだ!我々こそが魔王討伐という崇高な使命を与えられた正規勇者パーティ!義によって貴様を斬り伏せる!」
イエティ「やれやれ。こういう輩を見て恥ずかしくなるのは歳を重ねた証拠かねぇ?肝心のゆうしゃとやらがおられないようだし」
戦士「貴様の相手などゆうしゃには役不足だ!我々だけで充分こと足りる」
イエティ「お、誤用してねーな。脳筋ってわけでもねーのか?」
魔法使い「待って。このマヌケな顔…、手配書で見たことあるわ」
僧侶「ええ。確か人飼いの魔物です。実在したのですね」
イエティ「あー、バレたか。しゃーねーなぁ…」
134: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:20:08 ID:dYjUAH.9VA
戦士「下劣な畜生風情が、楽に死ねると思うな」
イエティ「一々熱ぃなぁ。まあ嫌いじゃねーけども。それよか、ちょっと待てよ。一つ質問するけど、何でオレが今日までその存在を疑われる未確認生物扱いになったと思う?」
戦士「知るか!大方生き汚く逃げ延びてきたのだろう?」
イエティ「(正解w)外れだ。正解は、オレを確認した奴はほとんど例外なく、物言わぬ骸と化しているからだ。オレのエターナルフォースブリザードでな」
魔法使い「!?」
戦士「あぁ?」
僧侶「魔法使いさん何か知っているのですか?」
魔法使い「知ってる…けど、そんなはずないわ。理論上存在するだけの魔法だもの…。世界を生み出す程の魔力と、気が狂う程の術式を持ってはじめてなしえるとされる魔法よ。ハッタリだわ」
135: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:21:31 ID:PshM9LK1Oo
イエティ「たかが一匹の魔物に異常な執着と、高額な懸賞金に疑問を持ったことはなかったか?」
魔法使い「っ!?戦士!僧侶!出来るだけ距離を取ってっ!」
イエティ「遅い。射程距離内だ。エターナルフォースブリザード!」
魔法使い「くっ!」
戦士「っ!」
僧侶「…!?」
イエティ は じゅもん をとなえた しかし なにもおこらなかった
イエティ は にげたした
……………
魔法使い「……何も起きてない?」
僧侶「…皆さん無事のようですね」
戦士「ハッタリだったってことか?」
魔法使い「………、…よし。探しだして殺しましょう」
136: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:23:09 ID:dYjUAH.9VA
ガサガサ
イエティ「まともに相手してられるかっつーの…」
イエティ「つーか、アレだよなぁ。あいつらの言ってた『ゆうしゃ』って、まず間違いないんだろうなぁ…。はぁ…」
イエティ「今さら、下げる面がねーっつーの。逢わずに済むとはいかねーんだろーな、きっと」
イエティ「しかし、やっぱりアイツに会うとろくなことが起こらねーなぁ。何が邂逅だっつーの」
イエティ「邂逅っつーのは、こーゆーことを言うんだよ。まあ出逢うべくして、出逢ったのかも知れねーけど」
イエティ「…なぁ?」
ゆうしゃ「………」シャキン
ゆうしゃ が あらわれた
137: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:25:15 ID:PshM9LK1Oo
イエティ「身内に向けられる銃口は心底胸が冷えるって何処かのテロ牧師が言ってたけど、剣先でも変わらねーなぁ」
ゆうしゃ「……」
イエティ「あー、その、何だ…、久しぶりだな。…駄目だな、言葉が出ねぇや」
ゆうしゃ「……先ほどから何を言っている?貴様は私を知っているのか?」
イエティ「あぁ?」
ゆうしゃ「生憎、11より前の記憶が私にはない。…だが、貴様が私を知っていようが、これから私がすることに変わりはない」チャキ
イエティ「……はぁん。そういうことか。…まあいいさ。オマエに、勇者に討たれるのであれば、アイツもあの野郎も納得すんだろ…」
138: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:26:51 ID:lvC1nZ0oq.
ゆうしゃ「…覚悟」ヒュンッ
イエティ「アーメン…なんつって」
ゆうしゃ「……」ピタッ
……………
イエティ「……、…何故刃を止める?まず何よりも先に急所をえぐれ。最大効率で死を与え続けろ。死体をタテに動揺を誘え。そう教えた筈だが…」
ゆうしゃ「…貴様は、…何だ?」
イエティ「…障害になるものの人間性、思想、立場、一切考えるな。鈍る。どのみち殺すことになるんだ。無駄きわまりない…って、トラ○ガンネタはもういいな。突っ込み役もいないし」
ゆうしゃ「…貴様は何故、何もしない?魔物らしく、いや生き物として死ぬ気で立ち向かうなり、生き汚く逃げるなりすべきではないのか?」
139: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:28:18 ID:EF3b5DnEJk
イエティ「……別に。ここでオマエに討たれて死ぬのも悪くねーと思っただけさ。償いの意味もこめてな」
ゆうしゃ「どういう意味だ?」
イエティ「…言ったって信じねーよ」
ゆうしゃ「……そうか。では、最後に言い残しておきたい言葉はあるか?」
イエティ「出来ればもう1日生きたい」
ゆうしゃ「何故だ?」
イエティ「明日ヒットスタジオに戸川純が出る」
ゆうしゃ「……なんだそれは?」
イエティ「オマエは霊界探偵にはなれそうにねーなぁ」
ゆうしゃ「…それが最後の言葉でいいんだな?」
イエティ「いや、待って。もうちょっと考えさせて」
140: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:31:12 ID:iWfnR.KrDA
イエティ「あー、そんじゃ、2つ頼みがあるんだが」
ゆうしゃ「…聞くだけ聞いてやる」
イエティ「オレって結構な懸賞金が懸けられてるから、まあ首は持っていくんだろうけどもさ。体の方は、この森のちょっと行った所にある丘に知り合いの墓が建ってんだけど、その近辺に埋めてくれねーかな?」
ゆうしゃ「……わかった」
イエティ「で、もう1つは…、その、なんだ…」
ゆうしゃ「何なのだ?」
イエティ「その…最期に…父さんと…」ゴニョゴニョ
ゆうしゃ「なんだ?はっきり言え。聞こえんぞ」
イエティ「あー!何でもねぇよ!ちくしょう」
ゆうしゃ「そうか。では、それだけでいいのだな?」
141: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:41:12 ID:dYjUAH.9VA
イエティ「いや、…これから魔王討伐に向かうんだろ?」
ゆうしゃ「既に向かっているわけだが」
イエティ「そうか。じゃあ、体に気をつけてな。あんまり無茶すんなよ。…これがもう1つだ」
ゆうしゃ「……、…もう一度聞くが、貴様は何者なのだ?」
イエティ「さぁな。魔王倒したら、オマエを保護した先代勇者にでも聞いてくれ」
ゆうしゃ「義父に?」
イエティ「ブッ。ハハッ、そんなことになってんのか。成る程ねぇ。……さて、もういいだろう?一思いにやってくれ」
ゆうしゃ「……よかろう。せめて、安らかに眠るがいい」
イエティ「ああ。おやすみ。……愛しい娘よ…」ズブリ
イエティ を やっつけた
142: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 03:52:09 ID:iWfnR.KrDA
第四部完っ!!
好きな言葉は有言実行!だけど有言実行は俺のことが好きじゃないらしいw
ということで、次で終わりとか言っといて、まだちょっと続きます。エピローグ書いて終わりです。これで終わりでいんじゃね?って声があればこれで終わりにするかもです。
しっかし、あのシリアスブレイカーがいないと書きづれぇ書きづれぇww
今回も補足は特に無い…よな?細かいギャグに補足いれんのも野暮だしな。
色々と反省したいこともあるけど、エピローグを書き終えた後で。これから書いていくから、まず今日中には終わらんので、気長に待つでもなく待ってておくれやす。待ちきれなかったら乗っ取ってもいいよっ!
では、読んでくれてサンキュー!ノシ
143: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 19:37:21 ID:gSvuiogmPI
イエチー(´;ω;`)
144: 名無しさん@読者の声:2012/10/2(火) 22:26:51 ID:EC5JFhD6HY
…ちょw作者さんこのやろう!www
イエティがイエティがイエティがっ!俺の心のオアシス返せぇええ!ww
そして何故、常にのっとり推奨なんだよww
まぁ仕方ないから最後まで付き合ってやんよ!
ゆうしゃだけでも幸せになってくれ…!
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