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忘却線上の星
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1: 名無しさん@読者の声:2011/9/5(月) 01:09:18 ID:.gB2sDwzQY

自分を流れ星に例えた人が居た。光るのは一瞬だけ、あとは消えて忘れ去られるのがオチさって。あの人は明るく伝えてくれたけど内心は分からない。



女の子「星が綺麗です。」

謎の影「そうですね。」

女の子「私は忘れたくありません。だから、毎日夜空を見上げるのです。」

影「風邪を引く前に部屋に入りましょう。」

女の子「忘れるのは、哀しいです。」

影「そうですね。」

女の子「…冷たいです。」

影「今日は生憎の雨ですから。」

女の子「誰かが泣いているのですか。」

影「それは…─、」

────────



働く女とそれに付き従う男の話。生暖かい目でお付き合い下さいませ。


147: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:42:13 ID:W.VRo3TgFg
>>140
保管庫願いありがとうございます(´;ж;`)何度も読み返して頂けるような内容だと嬉しいです。

美月「そうか、なら私もオムライスを食べて責任を取ろう」

陽人「そんな期待の眼差しでみなくても作りますから。」

>>146
かしこまりました!こんな話が良い、ここはどうなったの?など有ればなんなりとお申し付け下さいませ(´`*)

私めも、御好意に甘え番外編を書く覚悟を致しました。本当にありがとうございます。

それでは寝る前に少し。

【妊娠発覚】
148: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:47:04 ID:1vEpWDI0fk
それは、美月と陽人が実家に帰っていた時だった。

春子「またね〜、二人とも。」

仁己「美月さん、今度美味しいオムライス食べに行きましょうね。」

美月「はいっ…!お邪魔しました。」

陽人「勿論俺m「早く帰りなさい。」

陽人(俺だって最近忙しくてデートしてないのに…!)

陽人「さ、帰りましょう美月さん。」
149: ◆PNH1xCGbTU:2011/10/3(月) 00:49:03 ID:Kv92L3edQ2
春子「二人が居なくなるとやっぱり静かね、パパ。」

仁己「これで孫でも授かったら、また楽しくなるんでしょうね。」

春子「……ふふ。」

仁己「どうしたんですか母さん?」

春子「何でもないわ〜、パパ…未来のお爺ちゃんね。」


150: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 00:55:38 ID:1vEpWDI0fk
【とある日のオフィス】

時刻は午後23時、オフィスには二人しか居なかった。

陽人「美月さん。」

美月「なんだ。」

陽人「良い加減にして下さい。」

美月「何がだ。」

陽人「そろそろ潮時です。」

美月「……、駄目か。」

陽人「当たり前です。」

美月「でも一人だと不安で仕方無いんだ。春子さんや仁己さんには仕事が有る、なるべくこの場にいたいんだ。」


151: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 01:03:06 ID:Kv92L3edQ2
陽人「俺、頼りないですか?」

美月「…え?」

陽人「俺に、仕事任せられないですか?」

美月「あの、そう言うわけじゃないんだ椎名…!」

陽人「それなら、安心して休んで下さい。」

美月「お前か、上司に色々吹き込んでるのは。最近、休め休めとうるさいんだが。」

陽人「さぁ、なんのことやら。」
152: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 01:14:23 ID:Kv92L3edQ2
今日はこの辺で、お休みなさいませ(*゚ω゚*)ノ
153: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/3(月) 23:18:48 ID:OTGYPq8VP.
美月「…分かった、…分かった。」

陽人「拗ねないで下さい。」

美月「拗ねてない。」

陽人「…帰りましょうか。」

美月「そうだな、明日上司に言うよ。」

陽人「今日、俺の家来ませんか?」

美月「…どうした?」

陽人「美月が淋しくて寝れないかなー、と。」

美月「あぁ、転がり込む。」



陽人(…本気で淋しくいのか。)
154: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:06:08 ID:S6BEHeF2Xw
美月(……美月?呼び捨て、呼び捨てしなかったかこいつ。)



社外に出て、ふと空を見上げると今夜は月が霞んで居た。
155: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:17:14 ID:3eZP0LpeFc
美月「上司さん、お時間頂けますか?」

上司「うん、良いよー。」

美月「私、…実は妊娠5ヶ月目に入ってるんです。」

上司「それはびっくりだね。もっとお腹が膨らむものだと思ってた。」

美月「私も心配したんですが、…順調みたいです。」

上司「確かに、笑顔が素敵になったね星川くん。」
156: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 00:32:48 ID:ochZEk/WO.
美月「…ありがとう、ございます。」

美月「引き継ぎは、椎名と早乙女にお願いします。」

上司「復帰に関しては、良く椎名くんと話すと良いよ。はい、これ、産休と育休の用紙ね。」

美月「復帰はさせて頂きます。」

上司「ははっ、君ももうすぐわかるよ。家族ってどんなものなのか。」
157: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/4(火) 01:49:25 ID:tMXuJA2ahY

────────

美月「とは言われたものの。…─今日から仕事しなくて良いのか。変な気分だ。」

腹部を圧迫しない服装になるとやはり目立つ。最近は少し胎動を感じるようになった。

美月「さて、我が子よ今日は何を聴くか。」

美月「…そうだな、一人じゃ無かった、君が居たな。ごめん。」

腹部を撫でながら一人呟く。きっと、産まれてくるこの子が、何かを紡いでくれるそんな気がした。
158:
◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 19:52:17 ID:K9qNJO3ZaM
お久しぶりです(´・ω・`)ノ皆様の忘却の彼方へ飛んでいるであろう私ですww

妊娠発覚はこれにて終わり。

番外編2
「みっちゃんと上司」

行きたいと思います(`ω´*)
159: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 19:59:15 ID:wnLpg.lGXw
彼女(?)の心臓は破裂寸前、身体全体が時限爆弾になったかのように鼓動が響く。手汗が止まらない。


男「…そっかぁ。」

み「───。」

男「あのね、みっちゃん。」

み「何よ。」

男「ごめんなさい。」

み「わ、…分かってるわよ!そんな事!はじめっから…っ!」

男「ううん、僕はね君とずっと友達で居たいんだ。」

み「分かったからこれ以上傷を抉らないで頂戴。」



ひたすら勉強して見付けた、自分なりの化粧をした、秘密の引き出しに仕舞い込んだ服を着た。誰よりも私は女の子だった。

ただあなたに見て欲しかった。
160: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:08:04 ID:K9qNJO3ZaM

それはもう、昔の話。

───────

み「なぁんて時もあったわねぇ…。」

お気に入りのソファーに身体を預け天井を見詰める。手入れを怠る事無く伸ばし続けた黒髪はさらりと重量に従った。

携帯を耳に当てる。

み「…もしもし〜?」

美月「あ、みっちゃんさん…あの。」

み「どうしたの、喧嘩でもした?」

美月「授かった、みたいなんです。…今、四ヶ月目で。」

み「あら!御祝いしなきゃ〜!身体大事にするのよ〜、おめでとう。また顔見せに来てネ。」

他愛の無い会話で通話を終了した。うまくやっているようで安心だ。

み「好きな人の子供授かれるなんて、女って憎いわぁ〜、羨ましい、…─やんなっちゃう。」

今の私は醜いわね、ブスだわ、彼女(?)は小声で吐露する。素直に喜べない、自分が居た。
161: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:15:02 ID:wnLpg.lGXw
こんな時は未だに彼の声が聴きたくなる。まだ、仕事かもしれないが臆する事無く通話ボタンを押した。

上司「はい、もしもし。」

み「あのカップル、うまくやってるみたいねぇ。」

上司「みっちゃん、どうしたの?」

み「美月ちゃんが四ヶ月だそうよ、アナタにはまだ報告来てないのかしら?」

上司「まだだね。相変わらず仕事してる。」

み「─…そう。ちゃんと見ててあげなさいよ。」

上司「ありがと、みっちゃん。今回もお世話になりました。今度、みっちゃんの好きな中華食べに行こうか。」

み「何よ、デートの御誘い?」



自然と笑みが浮かぶ。気付けば不細工な自分は隅に追いやられていた。彼の声は魔法でもかかっているのだろうか。
162: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:19:24 ID:K9qNJO3ZaM
一時期、徹底して男で居た。変な話ではあるが、兎に角周囲の意識に溶け込んだ。

み「俺は、男。」

鏡の中の人は完璧に他人の求めるそれだった。内面は後からついてくれば良いと、泣きそうな自分に言い聞かせる。
163: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:23:14 ID:K9qNJO3ZaM
男「みっちゃん、…やけに気合い入ってるね?」

み「そ、そんなことないぜ!これが当たり前なんだから!」

男「…そっかぁ。みっちゃんって男前だよね。」

み(やだ、全然嬉しくないわ…!)

み「まぁな…!」



気付けば彼女が出来た。相手からの告白。しかし、女の子への接し方が良く分からなかった。

友達以上になれない。
164: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:27:11 ID:K9qNJO3ZaM
カテゴリーは誰もが羨むハズの彼女なのに、違和感が生じるのはそう遅くは無かった。

彼女「…みーくんは、私の事嫌いなのかな?」

み「そんな事ねぇよ、大好きに決まってんだろ?」

彼女「…みーくんは、優しいからね。でもね、私他に好きな人が出来たの。」

み「だから、別れよう。」

彼女「……え?」

み「ごめんな、大事にしてやれなくて。新しい人と、幸せに、な。」

あぁ、やっと解放される。
彼女も自分も。
165: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:29:57 ID:wnLpg.lGXw
男「みっちゃん、別れたんだって?」

み「おう、…俺じゃ幸せにできないから。」

男「そっかぁ…。みっちゃん、気合い入れたんじゃなくてずっと無理してたんだねぇ。」

み「…は?」

男「無理しなくて良い時がきっと来るよ。みっちゃんはみっちゃんだから。」



み(…私にも好きな人が出来たって断ったのは伏せようかな。)
166: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/8(土) 20:32:19 ID:wnLpg.lGXw

─────────
上司「久しぶり、みっちゃん。」

み「相変わらずね。あ、餃子5人前追加で。」

上司「最近どう?」

み「特に何も無いわ。あのカップルの行く末を見守るくらい、…そうね、石焼きビビンバも食べたいわ。」

上司「みっちゃんも相変わらずだね。」
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