自分を流れ星に例えた人が居た。光るのは一瞬だけ、あとは消えて忘れ去られるのがオチさって。あの人は明るく伝えてくれたけど内心は分からない。
女の子「星が綺麗です。」
謎の影「そうですね。」
女の子「私は忘れたくありません。だから、毎日夜空を見上げるのです。」
影「風邪を引く前に部屋に入りましょう。」
女の子「忘れるのは、哀しいです。」
影「そうですね。」
女の子「…冷たいです。」
影「今日は生憎の雨ですから。」
女の子「誰かが泣いているのですか。」
影「それは…─、」
────────
働く女とそれに付き従う男の話。生暖かい目でお付き合い下さいませ。
127: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 02:59:09 ID:bN69lXYabc
少女を落ち着かせる事へ必死で、忍び寄る足音に気づかなかった。懐中電灯の灯りが眩しい。
少年は少女を担ぎ、無理矢理突破した。暗く、もうどこを走って居るか分からない。どれくらい距離をおいたのかも分からない。
自分の体力の限界も有り、その場に座り込んだ。
?「陽人、無駄な抵抗は止めて下さい。」
?「ハル君、男前〜。」
少年「……っ!嫌だっ、嫌だっ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!」
再度懐中電灯で照らされ、大きな影に恐怖心が募る。彼女を守らなければ、必死で抵抗を試みるも簡単に抱き抱えられてしまう。
仁己「…っ、帰ったら爪切りしなきゃいけませんね。」
春子「あら〜、パパ大丈夫?」
仁己「大丈夫です、…それより、美月さんは。」
少年「お姉ちゃんが…っ!お姉ちゃんが、苦しそうに、で、…僕がっ…守ってあげなきゃ…!だから、だからっ!離してぇ…っ!」
仁己「言う事を聞きなさい、今から家に帰りますよ陽人。」
懐中電灯で照らされた顔は、少年の父と母だった。もう誰が敵で誰が味方が混乱し、少年は父親の顔を凝視した。
春子「…さ、美月ちゃんも帰りましょう。」
仁己「陽人も落ち着きなさい、…良く頑張りました。」
128: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 03:08:58 ID:0F6P3PjF1g
────────
春子「あの後、美月ちゃんと美月ちゃんの家に行ったの。そしたらね、…美月ちゃんのママ、が。」
真剣に話を聞く美月の目を見て、普段は陽気な春子の瞳に涙が浮かぶ。
仁己「母さん、…俺が言います。美月さんの母親はあなたを要らない、と母さんに告げたんです。」
春子「…美月ちゃん、美月ちゃん、そのショックから、軽い記憶喪失になったの。美月ちゃん自身が混乱してて、記憶がごちゃごちゃで、断片的で。今すぐは治らない、って言われたの。」
仁己「1から、作り上げて行こうと春子と約束して、現在に至ります。養育費・生活費は美月さんの父親が出してくれていました。はじめは断ったんですけどね。」
美月「……ありがとう、ございます。…仁己さん、春子さん、本当に今まで、…沢山、色々、ありがとうございます…っ。」
129: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 03:14:35 ID:bN69lXYabc
春子「私、美月ちゃん大好きだもの。…お礼なんていらないわ!」
美月「…私、ちゃんと、お父さんとお母さんって呼べるようになりたいんです。」
仁己「……うちの愚息でよければ。」
春子「……!もしかして。」
美月「名字を椎名に、する日は近いと思います。」
大粒の滴を止めどなく溢れさせ、美月は今までの分も泣いた。春子も勿論貰い泣きした。仁己は穏やかな表情で、二人を撫でた。
130: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:23:58 ID:aB8gXMzUg2
仁己「美月さんの御両親は、まだ生きています。もし、逢いたいのなら連絡先を…」
美月「…私の両親は、此処に居ますから。」
春子「美月ちゃん…、今日は泊まって行く?」
美月「あ…、陽人さんに行こうかt」
陽人「ただいまー。」
美月「!?」
131: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:29:34 ID:sQ7xs5wTYI
陽人「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん、美月さん…聞いたの。」
美月「椎名っ…、その、っ……わたしっ…!」
陽人「大丈夫、僕が側に居るから、…なんて。母さんと父さんもありがとうございます、美月さんもお疲れ様。…美月さん。」
美月「本当に…、迷惑ばかり、…ごめんなさい、椎名。」
陽人「美月さん。…俺、美月さんの中から消されるのはもう勘弁です。だから、ずっと傍に居たいし、居て下さい。俺が、美月さんを守ります。」
陽人「結婚、して下さい。」
132: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:35:44 ID:sQ7xs5wTYI
仁己「…親の前で。」
春子「ハル君やっぱり男前。パパに似たのね〜。」
美月「…此方こそ、宜しくお願いします…っ!」
返事を言い切らぬうちに、美月は陽人の腕の中に引き寄せられていた。羞恥で顔が暑い。
仁己「さ、母さん。」
春子「やだパパ、恥ずかしい〜!」
陽人「父さん、母さん…、結婚します。」
仁己「どや顔で言われても。」
春子「おめでとう〜!椎名美月ちゃん、いらっしゃい…!」
美月「…椎名、そろそろ、離してくれないと御両親に顔が向けれない…!」
133: ◆Rfq4NUNFd6:2011/9/29(木) 12:43:53 ID:aB8gXMzUg2
さて、寝落ちしながら書いたこの作品も終了に近付いて参りました。貴重な支援、本当にありがとうございます。
次はさっくり読めるギャグ多めを書いてみたいけどセンスがorz
これが完結したら、
後は番外編となります。
・妊娠発覚
・彩月の暴走
・孫誕生
・みっちゃんと上司
需要がなければはじめてのSSは削除願いへ出してきます(`ω´)b書いてて楽しかった反面、なんだか自己満な物語になってしまいましたorz
134: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 13:31:16 ID:TZ5or1PSAM
─────────
春子「ハル君、…美月ちゃんねの事なんだけどね。」
陽人「大丈夫だよ!…あのねママ、僕、ぷろぽーずしたんだ。」
春子「あら、素敵!誰に…?」
陽人「美月ちゃんに…!」
──…今の、ママとパパ位になったら。
135: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 13:40:03 ID:TZ5or1PSAM
少女は毎日お願いする。
流れ星が、消えませんように。
どうか、消えませんように。
まるで自分の曖昧な記憶と闘うように。何時かの約束を手繰り寄せ、離さないように。
────────
陽人「もう消えませんから。」
美月「もう消さないからな。」
忘却線上の星が、やっと見えた。其れは彼女が掴んだ中で一番の誇りで有り、温もりだった。
忘却線上の星::fin
136: 名無しさん@読者の声:2011/10/1(土) 13:49:30 ID:yP/F4NCETk
乙!
激しく保管庫希望!
137: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/1(土) 14:22:52 ID:SQsKa.TPWw
>>136
このような拙い作品を保管娘へ入れても良いのでしょうか(´;Д;`)ブワッありがとうございます。
終わる頃には、ちゃんと書き溜めてもっと彼等を動かしてあげたかったと後悔してしまいました。作者として未熟です。
支援、本当にありがとうございます。
138: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 13:12:59 ID:SnP2cyRSbc
削除依頼する事に決めました、読んでくださった方本当にありがとうございます(´;ω;`)b
139: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 17:30:37 ID:8H6.ft1E.w
え、もう終わり…?
140: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 17:32:47 ID:BA4ZmfDMAk
削除依頼やめてぇえ!!!!!
お願いだからやめてぇえ!!!
削除したら卵投げるから!
フルスイングで卵投げるからね。・゜・(/Д`)・゜・。ウワァアアン!!
141: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 18:42:47 ID:hPOCZiyTz6
>>139
ごめんなさい、…番外編に需要が無い気がして終わらせてしまいました。
>>140
もう、依頼してしまいました。本当にありがとうございます。泣きますよ…泣きますよ!(大事な事ry)
卵は投げるものではなく、己の懐で暖めて羽化させるものですよ(´ω`)なんて
続けても良いよ!
って方他にいらっしゃいますか…?
142: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 18:50:12 ID:aWkvQL1Wxc
はいノシ
俺はこの雰囲気が好きです!
143: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 19:02:30 ID:mLQbycA2bc
構ってちゃんくせーぞ!!削除は許さねー保管庫ったら保管庫に入れやがれー!!
144: ◆Rfq4NUNFd6:2011/10/2(日) 19:10:06 ID:iUqifnsgnc
>>142
雰囲気ですか…、ありがとうございます(*゚∀゚*)
なんだかもう…せっかちな自分殴りたいorz
>>143
構ってちゃん覚悟です。キリッ
なんて、皆様のお声が無ければ続ける理由が無いんです。ただでさえ自己満足な作品になってしまって、それを偉大なる保管庫だなんておおおえそれおおいいいうえう((((;;゚ж゚;;))))です。
やば、本気で泣きそうな私はなんなんだwww嬉しいのと感動でwww
(´;ж;`)
145: 140:2011/10/2(日) 19:54:45 ID:yY3nABhL3k
お願い!保存庫!
昨日から読み出してまだ読み終わってないんです。・゜・(/Д`)・゜・。ウワァアアン
それに今後も何回もみたいんです!!
今日の昼ご飯がオムライスだったのはこのSSのせいなんだから責任持って
保存庫へ(・`ω・)キリ!!!!
146: 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 22:36:50 ID:PVFnxfxmws
保管庫よりも番外編をかいてほしい……
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