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少女「止まないのう…雨」
[8] -25 -50 

1: ◆AhbsYJYbSg:2011/6/15(水) 22:57:24 ID:l7FkHhEbE2
SSスレです。内容はどちらかというとシリアスが中心になります。

では、よろしくです。
>>0


497: ◆AhbsYJYbSg:2012/2/24(金) 21:49:29 ID:AZN8vEPq8w

陸「独りで悩んで、独りで全部背負うのがカッコイイとでも?
色んな人に迷惑かけて心配かけてるくせに、結局自分の頭には『計画』の二文字だけ…。
だだの自己中じゃん。すごーくカッコ悪いよ」ニッコリ

碌「ぐ…っ違う!俺は…」

陸「何が違うの?
僕を洗脳したのも、お母さんを監禁したのも…自分の邪魔されたくなかったからだよね?
死ぬほど自分勝手じゃん」サラリ

碌「…っ」グサグサッ


母「…(実は碌、昔から精神的に打たれ弱いんだよね…。それに陸が産まれた時、あの人デレデレだったからなぁ…これはキツいわ。
…あたしも、ずっと陸の側にいられた訳じゃなし…ある意味同罪ね。

ま、自業自得か…甘んじて受けな、碌)」フウ…

陸「…何か反論は?」ジロリ

碌「…く…」フラリ

陸「…それから、最後に一つだけ。



…『そばにいてあげられなくって、ごめんね』」

498: 名無しさん@読者の声:2012/2/26(日) 09:34:11 ID:XrXt4U/td.
CCCCC
499: ◆AhbsYJYbSg:2012/2/26(日) 18:31:07 ID:EKSJzxcqmM
>>498
Cがいっぱい…感謝です!
つうまい棒(コンポタ)
500: ◆AhbsYJYbSg:2012/2/26(日) 18:38:49 ID:Ams6nMNmjg

碌「!」

陸「独りぼっちは、寂しいもんね。…ずっと辛かったよね。
止めてあげられなくてごめんね、父さん…」

母「…陸…」

陸「…もう、終わりにしよう?これからは、独りじゃない…ううん、独りになんてさせない。約束する」







碌「…


最後に言いたい事は…それだけか?」スッ

母「!…ちょっとあんた、そんな言い方…」

陸「うん。それだけだね」スッ

母「!…陸!?」
501: ◆AhbsYJYbSg:2012/2/26(日) 19:01:18 ID:g/4JcTXXFc

碌「お前がなんと言おうと、計画は実行する。
例え、この世にたった2人だけの家族に罵られようが、恨まれようが…それがお前たちの為だからだ」

陸「そう言うと思ってたよ…ほんと頑固だよね。友達いないでしょ?」ズバッ

碌「ふん、なんとでも言え…っ。
お前こそ、チビでその上ガチガチの石頭のくせに。だから虐められるんじゃないのか?」フフン

陸「…」イラッ





母「ちょ…ちょっと2人とも、いい加減に…」タッ…


スッ


母「こ…『恋人』!?どうして止めるのさ!」

恋「…時には、こどもを信じることも必要じゃなくて?

それに、あの2人…」


…ギャアギャア…


恋「なんだか…親子がキャッチボールしてるように見えない?」クスッ
502: ◆AhbsYJYbSg:2012/2/28(火) 19:50:47 ID:SFi0c66N7.

母「!(…そっか…考えてみたら、碌と陸がこんなに言葉を交わしたのは初めてかも…。
キャッチボール、か…そうだよね、親子だもんね…)」

恋「ふしぎだわ…あんなに悪口を言い合ってるのに、なんだか微笑ましく見えるんだもの…あれも一つの『愛』ね」クスクス

母「…ほんとだ。(ああ、まるで…)」




陸「…ふん、だいたい、今時『人類滅亡』なんて古いんだよ!
いい年して、考えることは幼稚園児並みですか〜?」ベー

碌「仕方ないだろ、それしか思い付かなかったんだから!
それに幼稚園児は余計だ!自分は『年長さん』なみの身長のくせにな」フフン

陸「…(プチン)

…『チャームポイントはクルクルパーマ』」ボソッ

碌「なっ…!?お前、なぜ俺の黒歴史を知って…っ」フラッ



母(会えなかった月日を…埋めようとしてるみたいだ…)
503: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/2(金) 16:54:45 ID:HTBgGj87.M

碌「ハアハア…ったく、まさかお前が、こんなに頑固だったとは…一体誰に似たんだ」フウ…

母(アンタだよアンタ)

陸「それは僕のセリフだ!僕だって、父さんがこんなに石頭だとは思わなかった!

…でもま、知れて良かったけどね」ニッ

碌「…まあな」ニッ

母「!碌、あんた…」ホッ

碌「お前の意志が固いのはよくわかった…だが、俺の信念は曲げない。
どうしても邪魔をするというのなら…この俺を倒してみるがいい。

『黒炎・死神龍』」スッ



…ずるり

504: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/2(金) 17:22:12 ID:i7etF7UDUg

黒龍『…ギッ…シャアアアッ!』ズルズル

恋「!なんなの、あの力…なんて禍々しい…」ゴクッ

母「(!?あれは…碌の遣う中でも、最強の式神…。
あいつ、本気で陸を…っ)

…陸!」タタッ


黒龍『…』ブウンッ


…ゴオオッ!


母「!これは…炎の壁!?
そんな…りくーっ!!」ボオオッ






碌「…信念を貫く為にはな…必ず犠牲が必要なんだ。
それが多ければ多いほど、与えられる物は大きくなる。
この龍は、俺の『心』そのもの。陸…お前に、俺の信念が砕けるか?」ズズ…

陸「うん。だって、僕は独りじゃないもん」サラッ

505: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/2(金) 17:40:16 ID:k8jkmRk.Bk

碌「!…なにを言ってる?
今のお前は一人だ。あの日本妖怪共や、母親の助けも届かない。どう見てもひとりぼっちだろ?」

陸「…父さんには、分からないよ。
本当にひとりぼっちの人なんていない。必ず、応援してくれる『誰か』が心の隅にいるはずなんだ。
…父さんだって、そうでしょう?」

碌「…」

陸「だけど…父さんの『信念』は、きっと皆の『誰か』を消してしまう。
そんな悲しい計画なんか…僕が全部壊してやる!」ギュッ

碌「ふ…口だけは一人前だな。
ならば俺を倒せ。そして証明してみろ!
この世界に、まだ守る価値があるということを!!
…焼き払え、黒龍!」スッ


黒龍『…ッ』ボッ


…ボオオオッ!!


陸「…終わりにしよう、父さん。




…『千羽鶴』」ポオッ

506: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/2(金) 17:51:43 ID:k8jkmRk.Bk


――


姉『…っ…ぐ…』ハアハア


スタスタ


弥『おーい「―」、飯の時間…!
お主、その傷…』

姉『…』ギュッ

弥『またか…また奴らか!!』グッ

姉『…自分を産んでくれた両親を、「奴ら」などと呼ぶものでは無いよ、弥一。
わしなら平気じゃ…放っとけ、ぼんくら息子』シッシッ

弥『…。

お主は強いな、「―」』

姉『…?』

507: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/2(金) 18:06:49 ID:dG2jpSBg82

弥『わしは今まで、お主が涙ぐむ所すら見たことが無いぞ』

姉『…あいにく、下に何十人も妹達がおるでな…泣く暇が無いだけじゃよ』フン

碌『それもそうか……!』クスッ

姉『?…なんじゃ?』

碌『いや…顔立ちはそくっりなのに、千代とは正反対だと思ってな。泣き虫な所も、髪の色も…』

姉『…』

碌『…待ってろ、今薬を持ってきてやる』タッ…





姉(…ちがうよ、弥一。


…わしは、本当は…)








千「…姉様!」

姉「!」パチッ
508: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/4(日) 11:44:34 ID:dG2jpSBg82

姉「千代…わしは…」ググッ

千「!…動いてはなりませぬ!
姉様の体は、もう…」ギュッ

姉「…そうか。
わしは、負けたのか…」フウ


ポタッポタッ…


姉「…ふ…泣き虫め。今度は何を泣いておる?
そんなに、惨めなわしが可哀想か」フン

千「違います…悔しいのです」ポタッ

姉「…?」

千「姉様を…救えなかった自分が許せなくて…泣いておるのです」ポタッポタッ…
509: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/4(日) 12:01:31 ID:jyBeSMxwJA

姉「…

…千代、わしはな…ずっとお主が羨ましかった」

千「…?」グスッ

姉「千代は赤子の時から、全身全霊で泣いておったじゃろう?悲しければ泣き、痛ければ泣き…。
わしには、最期まで無理じゃったよ…お主のように、しっかりと自らの思いを示す事が…」

千「そんな…っそれは違います。
わらしはただ…ただ弱かっただけ。
…わらしなんかよりずっと強かった姉様に、うらやましがられる事など…」

姉「ふふ…わしは強くなどないよ。
今になって分かる…泣くことも『強さ』だったんじゃと。
…もっと…もっと、泣けば良かった」ポタッ

千「!…姉、様…」

姉「どうしようもなく飢えておった時も、痛め付けられた時も…声を上げて泣けば良かった。
自らを殺して耐えた所で…自分が壊れてしまっては、意味が無いんじゃ…!」
510: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/6(火) 19:37:17 ID:HTBgGj87.M

千「…それでも、わらしは…姉様に、救われました」

姉「…」

千「…ずっと一緒にいてくれて、励ましてくれて…。
もし姉様と弥一が居なかったら、自分は赤子のままで生涯を終えていたやもしれませぬ。
…ありがとう、ございました」ペコリ

姉「…
…ばかじゃな、お主は」フッ

千「?」

姉「あれほどの悪行を築いたわしが、憎まれこそすれ、まさか感謝されるとは」フン

千「…姉様…」

姉「わしのした事に…後悔はしない。
…後悔なぞ、する資格すら無い」ギュッ

千「…」

姉「じゃが…そう、一つだけ…。
弥一には…あの男にだけは、誤解して欲しくなかったよ。
『強い』自分なぞ、本当のわしではない。…結局、それを伝えることもできず…わしは悪魔に身を委ね、そして…」ガタガタ

千「…

知っておりましたよ…弥一は」


511: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/6(火) 21:57:14 ID:k8jkmRk.Bk

姉「!」

千「弥一は姉様がまだ存命だった頃、口癖のように申しておりました。『強くなりたい』と。…その理由、お分かりになりますか?」

姉「…?…」

千「姉様が、強がらなくても良いように…辛いとき、自分の胸を貸せるように。
…貴女が何時でも泣けるように、強くなりたい…と」

姉「…弥一が、そんな事を…」



――



ザアアァ…


姉『…くっ…


はははは!!惨めじゃのう…っ弥一よ?やはりお主のように…罪深い陰陽師は、地に這いつくばり…血を垂れ流す姿が、似合いじゃ…!
お主は死ぬが…、わしは封印されるだけ!馬鹿な男よ…最初から、消滅の術を遣っておれば…そのように無様な姿を晒す事も、無かったであろうに…!!』シュウウ…

弥『…っ…、』ハアハア

姉『ふ、ふ…なんじゃ、最期に…何か言いたげではないか。
封印される前に…聞いてやるぞ。どうせ、お主はすぐに…』シュウウ…

弥『…ま…っ』ギュッ

姉『?』

弥『…すま、ぬ…「―」っ…』



ザアアァ…―


512: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/9(金) 20:26:24 ID:k8jkmRk.Bk
――


姉「…

千代、最期に…約束、してくれぬか」…カサッ

千「…?」

姉「わしを…決して許すな。
恨み続けてくれ。わしがちゃんと、地獄へ行けるように。
…よいな、妹よ…」ガサガサッ…


ザアアァ…ッ



千「…そんなこと…っ。


出来るわけ、な…!…ぅっ」ポタッ


…うわあああ…―



――



碌「…やられた」ボロッ

母「陸っ!」タタッ

陸「お母、さん」フラッ

母「よく頑張ったね…偉いぞ、陸!」ギュッ

陸「…へへ」ギュッ

碌「く…卑怯だ。あれほどの数の霊力の固まりを、防ぎきれるはずが…」ブツブツ

母「どの口が言ってんのさ、この大馬鹿者!」ケリッ

陸「お、お母さん…」

碌「…分かってる。俺の…完敗だ。
お前の勝ちだ、陸…計画は中止しよう」フン
513: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/12(月) 14:38:33 ID:HTBgGj87.M

陸「!…父さん…」

母「ふうん…もっとごねるかと思ってたけど、案外あっさりじゃない」

父「…仕方ないだろ。ここまでコテンパンにやられたら、九尾を復活させるだけの力なんて残らないさ」フゥ

母「…!

陸、後ろ」トントン

陸「…?……!」クルッ…


タタッ


千「陸!良かった、怪我はない…

……!?」ピタッ


ギュッ


514: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/12(月) 21:01:30 ID:1HASR0l9Qw

千「り…く…?」ギュッ

陸「全然良くないよ。

君が怪我してる。それに…」スッ

千「っ!」ビクッ

陸「…髪も、短くなった…」ナデナデ

千「…//」カアッ




碌・母「…」ジーッ

千「そっ…!

そそそういえば、雨(うるる)の姿が見えぬが…どこにおる?」アタフタ

陸「あれ…そういえば、恋人さん達もいないや…」キョロキョロ

母「…恋人たちは、さっき出ていったよ。陸に『ありがとう』、ってさ」

陸「…そっか…行っちゃったんだ。
それから、雨は?」

母「…雨、はね…」ギュッ

千・陸「…?」

母「その…あの子は、あたしを助ける為に…っ」ギュッ



碌「…

…『魂』」ボソッ

515: 名無しさん@読者の声:2012/3/15(木) 19:42:16 ID:QCThRSSDfI
私怨
516: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/16(金) 09:05:50 ID:0UW08OXRsc
>>515
私怨…汗
ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないです…。
つホットケーキ
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