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少女「止まないのう…雨」
[8] -25 -50 

1: ◆AhbsYJYbSg:2011/6/15(水) 22:57:24 ID:l7FkHhEbE2
SSスレです。内容はどちらかというとシリアスが中心になります。

では、よろしくです。
>>0


537: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:10:38 ID:2a1pYsQwAA

陸「僕にとって、皆はお父さんと同じくらい大切な家族なんだ!
ごめん…わがままだって…自分勝手だって分かってる。
でも、僕はみんなが…大好きだから…っ!」ポロポロッ

鎌「…

チビ、よく聞け。俺は妖怪鎌いたち。風を操る妖怪だ。
たまに、寝ぼけて天井をぶっ壊しちまうかもしんねぇが…そんときはまぁ、大目に見てくれよな」ニッ

陸「…?」グスッ

流華「ウチは妖怪濡れ女。今はこんな格好やけど、本体はそれはそれは醜い蛇の体どす。
…陸ちゃんが見たら、気絶してまうかも…」クスクス

月夜「私は夜叉。日本最強と謳われた、炎を操る恐ろしい妖怪です。
ちなみに料理を残す人には容赦はしません。よ〜く覚えておいてくださいよ」キラーン
538: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/24(土) 22:43:53 ID:2a1pYsQwAA

雪「おら…雪ん娘。
お風呂、凍らせちゃうけど…ごめん、ね?」ペコッ

陸「…っ」ボロボロ

傘「僕は唐傘お化け。本体は一つ目の、気持ち悪〜い妖怪さ」ニヤッ

猫「にゃーは妖怪猫又。…イライラさせることがあったらゴメンにゃ?決して悪気がある訳じゃにゃいのにゃ」ポリポリ

傘「どうだかね…」フッ

陸「ぅう…っ…、みんな…っ!!」ボロボロッ

千「…分かったじゃろ、陸。お主の思いは決してわがままでは無い。
誰かと一緒にいたいというのは、生き物全てが心の底で願っておる事じゃ。
…当然、わしらもな」ニコッ

猫「わーい!これからもみんな一緒だにゃ!!」ウヒョー

鎌「おらチビ、いつまで泣いてんだよ!」ポンポン

陸「えへへ、うん…でも、なんだか嬉しくってさ」グスッ

夜「…さあ、今日は陸君と私たちの家族記念日です!皆さんでお祝いしましょう!」ニコニコ



―ワイワイ―


千「…」


…ズキン…
539: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:42:20 ID:WGYzPBZgJc


陸「あ、そうだ!僕そろそろお父さんを迎えに行かなくっちゃ!きっと待ちくたびれてる」ガタッ

鎌「一人で平気か?なんなら着いて…」

陸「ううん、大丈夫!」タタッ…

千「…っ…陸!!」ガタッ

陸「…ん?」クルッ

千「……いや。

…気を、つけてな」ニコッ

陸「…?…うん。
千代ちゃんも、今日はゆっくり休んでね」ニコッ


タタッ


千「…っ…」ズグン…

濡「?…千代はんどないしたん?顔が真っ青どすえ?

千「…あぁ、さすがに疲れが溜まっておるようじゃ…心配ないさ」クラッ

540: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:44:32 ID:WGYzPBZgJc


狐(ああ…しあわせ〜。夢にまで見た食事、団欒…もう最っ高!

…あれ……妾、なーんか大事なことを忘れているような…?)モグモグ



傘「ねえ疾風…実は、君にお願いがあるんだけど…ちょっとついてきて」ガタッ

鎌「おう、どうしたよ改まって(ラッキー、これで堂々と片付けサボれるぜ)」ガタッ




狐『(お願い…あ!)…ひょうだ、ほっとひゃなは!』トントン

千「え…わらしですか?」キョトン

狐『ひつは、はなはひふぁいぶぁばっ…ゲホゲホッ!!』モゴモゴ

千「あの…せめて口を空に」タラッ

狐『ゴクゴクっ…ぷはあ!ごめんなさい妾としたことが…。
実は、あなたに会いたがってる人がいるんだ。ちょっと付き合ってもらえる?』ガタッ

千「?…わらしに…?」ガタッ


――


千「…わらしは…夢でも見ておるのか…?」アングリ
541: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:46:18 ID:WGYzPBZgJc

狐『今から千年くらい前、一度だけ妾の封印が解けそうになったことがあって…結局その時は不発に終わったんだけれど、妾の意識に一瞬だけ触れた魂があったの。
なんだかこの世に未練ありまくりみたいだったから、消える前に妾の霊力で保護してあげてたんだよね〜』ドヤァ

千「…弥一…!」ポロッ

弥『…じゃから、その名は捨てたと言うとるじゃろ?
…久しぶりじゃな、千代。泣き虫なのは…変わらんようじゃな』ニカッ

千「…ばか、たれ」ポロポロ

弥『ん』

千「…っこのど阿呆!あんぽんたん!気障野郎!」ガーッ

弥『ん…そうじゃな』

千「…このっ…このっ…!」ハアハア

弥『…髪、似合うな』ボソッ

千「…っ!」ヒュッ


パァアン!!
542: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/25(日) 21:49:03 ID:WGYzPBZgJc

弥『いっ…
…たああ!!な…何ゆえ褒めたのに殴られねばならんのじゃ!!』ガーン

千「…おなご、というものはのう…あまりに待たされ続けると、仏の心も鬼に変わるもんなんじゃ!よく覚えとけ!!」フンッ

弥『…そうか…待ってて、くれたんじゃな』フッ

千「!…ふ、ふん…//」カアッ



狐(…うっわ〜完璧場違いじゃん妾…。
みっ…見てなさい!今年こそは妾も、いい男捕まえて見せるんだからっ)キーッ



弥『…髪を切ったということは…よほどの強敵と当たったようじゃな』

千『ああ…姉様を、倒す為に』ギュッ

弥『…そうか。

…本当にこれで良かったんじゃな、千代?髪を切ったということは…』

千「…分かっておるさ。わらしはもうすぐ…

寿命が尽きて、消えるじゃろう」
543: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/26(月) 15:36:00 ID:7OYnA6STbw

――


鎌「な…俺に、三年で医者になれっつうのか!?んなもん無理に決まって…」

傘「お願いだよ疾風!君なら、余命三年のロン君の病気もなおせるはずなんだ。
鎌いたちは昔から、人体の構造にもっとも詳しい妖怪でしょう?」

鎌「あのなぁ…簡単に言うが、体に詳しいからって薬も簡単に作れるわけねぇだろ。第一、俺の一族に伝わる医術書はとっくに燃えちまってるし…」フウ

傘「…

ふーん、見捨てるんだね…」ジーッ

鎌「…!」グサッ

傘「まあそうだよね…誰でも自分が一番大切だもんね…。

あぁ…っ!かわいそうなロン君…っ」オーイオイ

鎌「…

…半年だ」フルフル

傘「え?」ピクッ
544: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/26(月) 15:38:41 ID:7OYnA6STbw

鎌「余命三年だぁ?…上等じゃねぇかっ!!三年といわず半年で薬を作ってみせらぁ!!」ドーン

傘「本当!?ありがとう疾風!(ふ…ちょろいね)」ニヤリ

鎌「あったりめぇだろ!!俺を誰だと思っ…

…!?」ハッ

傘「?…疾風?どうしたのさ」キョトン

鎌「…傷が…」

傘「え?」

鎌「俺の傷が、治ってる…」ポオオ



――



千「…ふう。さすがに…きつい、な」トサッ

弥『…残った幸運の力を、この戦いで傷ついた物・人・妖怪全てに分け与えるとは…相変わらず、超のつくお人よしじゃな』ヤレヤレ

千「…お主とて…似たような、ものではないか」フウ

弥『…まあな。

もう一度聞くが…本当に、これで良かったんじゃな?』

千「…わらしは、もう十分生きた。もはや…思い残すことなど…」





―…千代ちゃん…―

545: ◆AhbsYJYbSg:2012/3/26(月) 15:41:01 ID:7OYnA6STbw




千「…

…弥一、最後に…頼みが、あるんじゃが」ゼエゼエ

弥『…今度は、いつぞやと立場が逆になったようじゃな。…聞こう』

千「陸に…あの子に、伝えてくれ…―」




――


陸「…!」ピタッ

父「…陸?どうしたんだい」キョトン

陸「…っごめんお父さん、僕先に行ってる!

…『紙飛行機』!」スッ


ポンッ!


飛『…ウェイウェーイ!!また会えて嬉しいぜ坊主!!』キラリン

陸「ごめん飛行機くん、すぐ出発して!!」ヒョイッ

飛『おう、なんか急いでんだな!?飛ばしてくぜぇええええ!!!』ギュンッ!


――



546: 名無しさん@読者の声:2012/3/30(金) 00:17:45 ID:xMKVCy8GCA
しえんー
つキャラメルスコーン
547: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:40:43 ID:Ih/mfrdMYI
>>546
おお、ありがとうございます!
今日で終わりなので、皆さんぜひ最後まで付き合って下さい。
つマロングラッセ

548: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:45:36 ID:Ih/mfrdMYI


陸「…うそ、だよね…?」

弥『…お主が、陸か…

…千代の最後のことばじゃ。「約束を守れなくて、すまぬ」…と』




犬「…キューン…」シュン

鎌「ふざけんなよ千代!!…おい目ぇ開けろ!!」ユサユサ

雪「…っ…」ポタポタ

猫「おい!こんなのってにゃいぞ!!せっかく…せっかく皆で…っ」ポロポロ

狐『ごめんなさい…妾が気付いた時には、もう…』グスッ

濡「うちが…うちがもっと早う気付いてれば…」ギュッ



陸「…」スタ…スタ



夜「…誰のせいでもありません。まさか、もう彼女の霊力がわずかだったなんて、誰も…」グッ

傘「千代!…お願いだから起きてよ、千代ぉ!」ポタポタ



陸「…

…ずるいよ、千代ちゃん」


549: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:50:04 ID:Ih/mfrdMYI

陸「いつもそうだよね…自分一人で背負って、勝手にいなくなる…残された人の気持ち、少しは考えてよ…」スタスタ

弥(…話しかけても無駄じゃが…まあ、好きにさせてやるか。
千代の体はもうすぐ跡形も無く消える。そう、魂すら…)

陸「初めて会った時のこと…覚えてる?
あの時の僕はね…半分死んでたようなものだった。辛い現実から逃げて…何もかもあきらめてた。
…だけど、今は違う。なんでか分かる?
君に…千代ちゃんに、出会えたからだよ」ニコッ


550: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:51:11 ID:Ih/mfrdMYI
陸「君は言ってくれたよね、『自信をもて』…って。だからこそ、僕は今こうしてここにいる。…勇気をくれたのは、いつだって千代ちゃんだった」

弥(…)

陸「…そう…君のおかげで、僕はわがままになった。たくさん、いろんな『望み』が生まれた。
…だけど…知ってる?そのたくさんの望みを思い浮かべるとさ…なぜか真っ先に、君の笑顔が思い浮かぶんだよ」ポロッ

弥(…

…千代のやつ…思い残すことはない、じゃと…?あの大嘘つきめ)フウ

陸「…君を死なせるわけにはいかない。だって、知ってるから。

君が誰より生きたがってた事…僕は知ってる。だから…」スッ

皆「!!」


――


母「…小枝を踏む音で、悲しみに沈む小人たちは後ろを振り返りました。
そこにいたのは王子様。森の散策の途中、小人たちの嘆きを耳にしたのです」

碌「…」

母「…王子様は白雪姫に近づき、静かに跪きました。そして…―」


――



狐『あ…キス…//』ポッ

陸「…戻ってきてよ…千代ちゃん!!」スッ




…フオオッ!!!…―
551: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:54:30 ID:Ih/mfrdMYI

―――

――




三年後

銀朱町・市立さくら病院

天気・雨のち晴


ザアアァ…


父「…元気そうだな、碌。足の具合はどうだ?」バタン

碌「ふん…相変わらず、ウンともスンとも言わない。
もう諦めてるよ…あれだけの事をしたんだ。報いがあって当然だろう?
…それより、今日は何の用だ」

父「…
陸がな…小学校を卒業したんだ」

碌「…」

父「子供の成長は早いよな…この間まで、ほんの赤ん坊だったのに」クスッ

碌「…なぜそれを俺に話す。あの子はもう、お前の子だろう。
…用はそれだけか。だったらさっさと…」

父「…もうひとつ。
あの時止めてやれなくて、ごめんな」

碌「…」

父「あの日…お前が旅に出るって言い出したとき、無理にでもついて行けば良かったよ。
お前は俺にとって、大切な親友だったのに…俺は…」ギュッ

碌「…
やっぱり、陸はお前の子だな」ボソッ

父「…え?」

碌「用がすんだら帰れ。

…陸に、よろしくな」

552: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:56:11 ID:Ih/mfrdMYI
――



碌「…」

姉「ふん、無様な姿じゃのう碌よ。醜く『生』にしがみつくなど」ドロン

碌「…俺はあの時、確かに死んだはずだった…だが、どうやらまだそれは許されないらしい。どんなに辛くても、生きろ…ってことか。
お前もそうだろう?あの時確かに消滅したお前も、こうしてこの世界にいるんだからな」

姉「まあ…そうじゃな。
…消えた後…真っ白い世界で、わしは懐かしい声を聞いた…その声に導かれ、気がつくと…」

碌「俺も同じだ。…つぐなえ、ってことなのかもな」

姉「…つぐない、か…心当たりがありすぎる…」フウ

碌「とりあえずお前は、あの千代という妹に謝ることから始めたらどうだ。
えっと……!」

姉「…?なんじゃ」

碌「これは驚いたな…十年近く一緒にいたのに、俺はお前の名前すら知らない」

姉「そういえば、確かに名乗った覚えはないが…いまさら過ぎぬか?」

碌「そんなことは無いさ。…教えてくれ」

姉「…

わしの名はの…『八重』、というんじゃ」フッ

碌「そうか…いや、さらに驚きだな」ホウ

姉「?」

碌「『ヤエト・ユーンジャ』…まさか外国人だったとはな。出身は東南アジアか?」

姉「…(わしは馬鹿にされておるのだろうか)」

553: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:57:48 ID:Ih/mfrdMYI


藤が丘・フラワーショップ「雪華」

サアアァ…


濡「…ほんに明日行ってしまうん?もう少し延ばしたら…」

雪「ううん…決めたの。おら…いっぱい、外の世界を…見てみたい。
気付いたの…雪山にこもってるだけじゃ、だめだって」

濡「…せやね…。
雪ちゃんのお母さんも、旅が大好きな人だったんよ。血は争えんモノどすなぁ…」フゥ

雪「…ありがとう、流華。今まで…。
おらにとって、流華は…もうひとりのお母さん、だよ」ニコッ

濡「…っ元気でな…雪ちゃん…!」ヒシッ

雪「うん…流華も、ね」ギュッ



白練台・いたち小児科クリニック


鎌「…ふーむ…」

婆「…っ」ハラハラ

鎌「…ん。影もキレイさっぱり消えてるし、こりゃ完治だ。
…よくがんばったな」ニッ

孫「ほんとう!?…おばあちゃん…!」ヒシッ

婆「ロン…!…良かった…っ良かったよ…」ギュッ

鎌「ただし無理はすんなよ。一年に一回は必ず顔出すこと。…いいな?」

孫「うん!ありがとうございました、先生!」ペコッ

婆「…本当に…っ本当にありがとうねぇ…この恩は…一生、忘れません…」ポロポロ

傘「…」ホッ

554: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 19:59:58 ID:Ih/mfrdMYI
――

傘「…ありがと、疾風…ロン君を救ってくれて」

鎌「…あの婆さん、泣いて喜んでたんだよな…複雑だぜ」フウ

傘「…?」

鎌「だってそうだろ?妖怪の寿命は人間よりはるかに長ぇ…。いつかは死に別れなくちゃなんねぇんだ…」

傘「…それは、人間同士だってそうだよ。どちらかは必ず先にしんでしまう。
どんなに辛くても、残された人は先に進まなくちゃならないんだ。先に逝った人たちの為にもね…」

鎌「…俺もいつかは、忘れちまうんかな…弟たちや陸、千代のことも…」

傘「…忘れないよ、絶対。だって、僕らは妖怪だもん」ニコッ

鎌「…そうだな。
…よし、今度は記憶力の良くなる薬を開発してやんぜ!!今度も手伝ってくれよ、優秀な助手くん!」ゴオッ

傘「(本当に開発しちゃうんだろうな…)それよりさ…疾風も来るんでしょ、今日の夜、月夜の店で…」

鎌「『陸の卒業祝い&深雪の旅立ち祝い』…だろ?
行くに決まってんじゃねえか!大事な仲間の門出だ。しっかり祝ってやんねぇとな」ニッ

555: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 20:01:21 ID:Ih/mfrdMYI
赤香町・グリル『月の狐』

〜本日は午後より団体貸切の為休業〜



母「じゃ、あたしはオムライスにしようかな」

猫「さーばみそっ♪さーばみそっ♪」ルンルン

夜「オムライスとさばの味噌煮定食ですね。かしこまりました」ジュウゥ

狐「あ、妾はきつねうどん…」

夜「駄目です」ピシャッ

狐「えぇ!?けち〜!」ブー

夜「あなた店員でしょうが!!働かないとクビですよクビ!」

狐「なっ…なによ!わらわはこの世で最も強大な妖怪なのよ!?それを」

夜「…油揚げの入荷、少し減らしましょうかね…」フウ

狐「お客様、お水でございますわ♪」シュバッ

556: ◆AhbsYJYbSg:2012/4/2(月) 20:02:38 ID:Ih/mfrdMYI
母「それにしても、もうあれから三年か…早いもんだね」コトッ

猫「そうですにゃ…」シンミリ

夜「…私たち妖怪は、月日の流れをことさら早く感じます。ですが…この三年は私にとって、自分の人生を考えさせられる特別なものでした。
このレストランを開業できたのは、陸くんのおかげだと思ってますよ」ニコッ

母「…そっか」フフッ

猫「あっ…でも、屋敷を改造するっていうアイディアを出したのはにゃーだぞ!?」ガタッ

狐「名前を考えたのは妾よ!?」ガタッ

夜「…よっ…と」ジュウッ

猫・狐「無視すんな(にゃ)ー!!」ガーッ






赤香町・桜田市立第三小学校


ポツッ…ポツッ…


A「今日でもう、ここに来る事もねぇんだな…」ホウ

B「なんか寂しいよな…四人ともバラバラの中学だしよ…」

C「…そう、だね…」フウ

陸「…大丈夫」

A・B・C「え?」

陸「離れたって、僕らが友達なのは変わらないよ。…でしょ?」ニコッ

A「…だな」ニッ

B「…そうだよな!よし、みんなたまには集まろうぜ!」

C「うん!」ニコッ

C(ほんと、変わったな陸くん。前は弱々しいだけだったのに、今じゃみんなの中心だもん…)

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sage:


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