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【SS】ネコミミ 巨乳 猫シッポ
[8] -25 -50 

1:🎏 :2011/6/20(月) 08:13:56 ID:gywVNbxdnY
┌──────────┐
1.拾った猫が女の子になった……。助けて……(45)

2.犬ミミとネコミミ、あなたはどっち!?(861)

3.父親が悪の組織のボスになっちゃったwwどうしよう(459)
└──────────┘
「ふぅ、やっぱ駄目か〜」
 PCでスレを建ててみたものの、猫が女の子になることが常識的に考えて、
「妄想乙ww」やら「糞スレだ」とか言われるのがオチなのに何をボケていたのだろうか……。


2:🎏 枕 ◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 08:17:03 ID:nDn4WhI9kU

「どうしたものか……」
 モニターから視線を外し、時計を確認する。
 午前0時20分。
 俺の両親が旅行に行って2日目になったところか。

3:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 08:22:09 ID:nDn4WhI9kU

 耳を澄ませば寝息が1つ聞こえる。
 本来は、俺は一人っ子で家には留守番の俺しかいないのだが、
「ん〜、それは煮干し……です〜zzz」
 時計からソファーに目を移すと「ソイツ」がいた。
4:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 08:23:11 ID:nXyXl27.Z.
支援してやんよ!
5:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 08:26:45 ID:nDn4WhI9kU

 「ソイツ」は、黒髪ショートの上にネコミミを乗せ、臀部のやや上から猫の尻尾が出ていた。そして、今は丸くなっているせいか、パジャマの中にある豊満なお胸様がチラチラ見える。
 思春期の真っ只中の男子には危険すぎるシロモノだ。
6:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 08:29:01 ID:gywVNbxdnY
>>4
さんくすだぜ!
まぁ、そろそろ学校が始まるから授業中に書き貯めとくぜ。
今の書き貯めストックでどこまで行くか……
7:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 08:57:18 ID:BDKRTRECcU
大学から(`・ω・´)つC

8:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 09:02:27 ID:p7Bq6yWMIA
黒髪ショートとは分かってるじゃないか>>1

支援
9:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 09:34:39 ID:I4Ogu54lPM
黒髪ネコミミ萌え!
10:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 09:38:48 ID:vuDfmScwUo
>>7
大学からかwwさんくす
ついでに俺は高校からだ
>>8>>9
このキャラは中学時代から頭の中に居たぜww名前は後日出すww
11:🎏 お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2011/6/20(月) 09:41:29 ID:DK9EQLTnTs
ひっそり支援しますw

12:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 09:42:18 ID:vuDfmScwUo

 何故こんな娘が家に居るのか……。それは、昨日に遡ることになってしまう。

 日付的には昨日、時間的には8時間前のこと。俺は帰宅部の活動の最中、晩飯の買い物の為スーパーに赴いていた。
13:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 09:45:10 ID:vuDfmScwUo
>>11
姉様、こっそりせず堂々としてくだされww
さて続き……、む、チャイムが鳴ったか。残念(・ω・`)
14:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 10:41:28 ID:vuDfmScwUo

 俺は、晩飯に使おうと思い買った煮干しと缶詰めの入った袋と鞄を手に呆然としているしかなかった。理由は、大雨。
「あー、夕立か……。しばらく止みそうにないな」
 ぼやいていると足下から猫の鳴き声がした。
15:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 10:46:50 ID:8Tj1mgtFrQ

 シャラン……
 尻尾に鈴を付けた黒猫がいた。ソイツの視線の先にはスーパーの袋。勿論、俺の晩飯。
「ダメだ!! これは俺の晩飯なんだ」
 袋を後ろに庇い、猫を警戒する。
 黒猫に横切れると不幸の前触れだが、目をつけられるとどうなるのかって思いながらの警戒だった
16:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 11:45:45 ID:8Tj1mgtFrQ

 すると、猫は俺に尻尾を向けて自分の住み処に戻っていく。明らかガッカリしてるよ。
 猫の行き先を見ていると段ボールがあった。
17:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 14:16:25 ID:AuFOlv3.8A

 捨て猫か……。今、親いないし、捨ててこいって言われても説得すればいいかな。猫、飼ってみたかったしな。
 俺は、雨の中捨て猫に駆け寄り段ボールの中にあった毛布ごと猫を抱えて帰った。
「ったく、ずぶ濡れじゃねぇか」
18:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 15:16:10 ID:RX6ejfAZHw

 家の玄関で濡れた衣類を絞る。
 黒猫が予想以上に大人しくて思ったより早く着けた。
 取り合えずパンツ一丁で缶詰めを棚に直す。ついでに煮干しも。
 しかし、赤ん坊くらいの大きさの猫と缶詰め、煮干し(業務用)、そして自分の鞄を同時に持って帰ってくるのは無謀だったか、足に缶詰めが当たってかなり痛かった。
19:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 20:59:56 ID:xl8G25TyvI

「猫の飯どうしようか……。煮干しでいいのか?」
 ふと猫の方に視線を移すと、ソイツは俺のことを品定めするかのように見ていた。
 そして、品定めが終わったのか俺の方に寄ってくる。勿論、濡れた体でペタペタと……。
「って、お前! 濡れた足で床を歩くな!」
 俺は猫を抱えて風呂場に直行した。
20:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 21:03:57 ID:czcpOjLQMo
「ついでだから洗う、か。逃げるなよ、猫!」
 俺は猫の濡れた体に適当にシャンプーを付け泡立てる。
 最初はそれこそ暴れていたが、途中で観念したのか大人しくなった。
21:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 21:08:55 ID:xl8G25TyvI

 俺がシャワーを浴びて体を拭いている間、猫は俺から目を逸らしていた気がする。まぁ、気のせいだろう。
 下着をはいて猫を拭く。
 そう言えば、昔、猫を電子レンジに入れてチンした話があったが、あれって電子のせいで猫の血液が沸騰してボン、な感じの話だっけ。
22:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/20(月) 21:10:32 ID:xl8G25TyvI
今日はここまでなのさ!!
また明日、朝に時間ができたら書くお(キリッ(・ω・´)

23:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 21:22:02 ID:vmvGe1KNEw
試演
24:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 21:22:12 ID:hGj6KeYvPI
1オツカレチャ━(´∀`_)━ソ!!
25:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 21:23:18 ID:d1t6xWIdwE
紫煙
26:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 21:39:23 ID:oxWoSWSq8k
SHIEN
27:🎏 名無しさん:2011/6/20(月) 22:07:18 ID:geqLNmGaN6
支援
28:🎏 ガッチャピン ◆njsK9r1FDk:2011/6/20(月) 22:35:43 ID:7fR9N5PviM
ひっそりヒソヒソと支援。
29:🎏 ゴヨー ◆mVJ3Txn3AE:2011/6/20(月) 23:50:07 ID:l7FkHhEbE2
こそっと支援
30:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:34:33 ID:06VbkKPXl2
>>23->>29
俺が寝てる間にww
支援さんくす(・ω・´)
コソコソしてる奴は出てきな!! 俺がなでなでのモッフモフにしてやるww
という訳で今日も書いてくおww
注意:書き貯めが無くなったらそこで本日分強制終了
31:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:38:57 ID:06VbkKPXl2

 猫は、疲れていたのか俺の腕の中で寝てしまった。抱いておくのもアレなので、ソファーにパジャマと一緒に置いて、一旦2階の自室に行くためリビングを後にした。趣味の物を取りにいく為だけだがな。
32:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:43:21 ID:06VbkKPXl2

 最初は驚いた。手に持ったPSPを落としてしまったぐらいに。
 再びリビングに戻ると、猫がいたソファーに『ネコミミ、巨乳、猫シッポ』の美少女が月明かりを浴びて眠っていたのだから。
 しかも、いつの間にか俺のパジャマを着ていたものだから俺の下半身的に危なかった。
33:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:46:43 ID:06VbkKPXl2

 回想を終えたところでPCの電源を落とす。やっぱり消灯しながらのPCは厳しい。
「明日は、この娘に色々聞かないといけないな……」
 そして、俺は床の上で意識を投げ捨てた。
34:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:49:18 ID:2Spu4LuhD2

 夢を見た。何か昔にあったような夢を。
 尻尾に鈴を付けた猫を抱えた俺。
 猫は眠っているように動かない。
 そこで意識が飛ぶ。
35:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 07:51:03 ID:06VbkKPXl2
朝の部終了(・ω・´)
後は休み時間か昼休み、そして夜に書くぜお(・ω・´)
36:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 08:53:15 ID:tNiFzxYd/s
支援(´∀`)!
37:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 08:55:48 ID:MtEPDD/kP2
再び大学から支援

38:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 09:40:02 ID:wrNla6o2Ko
>>36>>37
さんくす!!
39:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 09:47:01 ID:wrNla6o2Ko

 目玉焼きとベーコンの匂いがする。
 おかしい……。家には俺しかいないはず……!?
 勢いよく跳ね上がる。清々しい朝だ。
 床で寝たはずの俺はソファーの上にいた。
 辺りを見回すと少女が台所に立っていた。すると、俺の寝ぼけは一目散に逃げていった。
40:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 09:49:38 ID:X2XRyBy23Y
つC
41:🎏 お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2011/6/21(火) 10:23:02 ID:mP7ADbnPkw
他にもスネークがいたとかw
これからの展開を期待
シリアスであって欲しい…
支援
42:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 12:43:53 ID:2Spu4LuhD2
>>40
さんくす(・ω・´)キリッ
>>41
シリアスもあるよ、多分
43:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 12:49:17 ID:2Spu4LuhD2

 テーブルの上に置いた眼鏡をかける。
「あ、主人、起きられましたか?」
 どうやらネコミミの娘だったみたいだ。
「……は?」
 おかしいな。意識はさっき覚醒したはずなのに話についていけない。
 取り合えず、眼鏡を外し自分の頬を力一杯ぶん殴った。
44:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 12:58:04 ID:2Spu4LuhD2

「しゅ、主人!? 朝からどうなされたのですか!?」
「うるさい!? まず、俺はお前のことは知らないし、第一にお前はあの猫か!?」
 良かった。気が動転していたが、一番聞きたいことが聞けた。
「そうですよ。当たり前じゃないですか」
 その答えは些か信じられなかったが、真実そのものだった。
 彼女は、自分の尻尾を振り鈴を鳴らす。
 どうやら本当みたいだ。
45:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 13:04:39 ID:EcMeLPhD4M


(*´д`*)っCCCCC
46:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 13:06:42 ID:AUmRqMJtbw
理解が早いな主人www

47:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 13:07:25 ID:u3XA8imIlk
>>45
チェーンマイン型の支援だと!?
さんくすww
48:🎏 枕マイン
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 13:11:22 ID:u3XA8imIlk

「とにかくお前は誰なんだ?」
「私ですか? おぼ……、いえ、……ブツブツ……」
 何故かブツブツ言いだしてしまった。とにかく名前だけでも言ってくれ
49:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 13:13:07 ID:u3XA8imIlk
>>46
彼は頭は柔らかい方かもしれないのさ
>>48

枕マインって何だよ、マインってww
50:🎏 名無しさま:2011/6/21(火) 13:20:00 ID:sjK4Tuv5aE
つーC
つーC

一応、シュツルム・ファウストのつもり。
51:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 14:20:50 ID:f2oBULdTPY

「私の名前はファ・グランツです。主人と会うために遠路はるばるやってまいりました」
 この台詞を言うまでに10分かかったのは伏せておこう。
「ん、あぁ。俺もしなくちゃな。」
「主人のことは頑張って調べたので大丈夫です」
「お前、個人情報保護法って知ってるか?」
「主人が何時までおもr……」
「だー、馬鹿! 言わんでいい、言わんで!!」
 取り合えず、こいつの危険度は把握できたと思う。
52:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 15:54:31 ID:vuDfmScwUo
>>50
飛ばすなよ、絶対に飛ばすなよ!! 絶対だからな!!
53:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 18:28:43 ID:wX4nipuzhA

「まあまあ、朝ご飯にしましょうよ」
 ファはそう言って俺をテーブルに誘う。
 確かに何やかんやで昨日の晩は食べずにメイトだけで済ましたから腹が減っている。
「んじゃ、食べるか」
 その瞬間、待ってましたとばかりに顔を輝かせるファ。
(畜生、可愛い……)
54:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 18:35:31 ID:PtnBJHNVv6

 テーブルには、トースト、目玉焼きとベーコン、煮干し(業務用)。
「何故煮干し!?」
 洋食の中に煮干しが泳いでいる感じがして思わずツッコミを入れてしまった。「だって煮干し、美味しいじゃないですか」
 ファは、さも当たり前なように言う。だからってそのまま出すことはないだろ。
「加熱してきたほうが良いですか? と言うより何か変ですか?」
 色々問題があるが、とにかく、
「洋食に煮干しはない!」
55:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 18:37:42 ID:.2LJY5jCWk
しぇん
56:🎏 :2011/6/21(火) 18:42:46 ID:PtnBJHNVv6
>>55
しゃんくすww
つか、一々酉付けるのが面倒だからSSの時だけにするわ
57:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 18:51:58 ID:wX4nipuzhA

 煮干しを隅に置きつつ、朝飯を食べる。土曜日の8時に朝飯を食べるなんて何年ぶりだろうか。
 まず目玉焼きを一口。ベーコンも食べる。
「美味い……」
 喋ろうとしたら長くなるのでカット。
「なぁ、これって家の冷蔵庫にあった奴はだよな」
 あまりにも信じられないので聞いてしまう。
「勿論ですよ。シャンタク鳥の卵や海亀の肉とでも思ったのですか?」
 失礼ですね、と言いそっぽを向くファ。
 つか、そんな危なそうなものとは思ってないし、そのネタは何人に伝わるんだ?
58:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 19:02:56 ID:PtnBJHNVv6

 朝飯は、とにかく美味かった。料理が下手とか兵器化するようなベタな展開にならなくてよかった。
 俺はデザート代わりに煮干しをかじりながらファに質問することにした。
 まず1つ目。
「何処で俺の事を調べたんだ?」
「禁則事項です」
 某団体の癒し担当の人みたいに言われた。ネタでは大丈夫なのか?

59:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 19:08:28 ID:SJ78b/5rEM
試演
60:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 19:09:42 ID:PtnBJHNVv6

 次、2つ目。
「お前は飼い猫なのか?」
「違います。ですが、野良でもありません。強いて言うなら、あなたの元で飼われたいです」
 色々変な方向にズレそうなので、次。
「猫なのに語尾に『にゃ』とかナ行を『にゃ』にしないのか?」
「付けてほしいですか……、にゃ?」
 ブバッとかなりの勢いで鼻血が噴出する。
「ごめん、破壊力強すぎるから無しで……」
61:🎏 :2011/6/21(火) 19:10:50 ID:wX4nipuzhA
>>59
あんがとう。お礼になでなでしてあげるからカモンww
62:🎏 59:2011/6/21(火) 19:12:04 ID:X2XRyBy23Y
/(´∀`)/いきまーすww
63:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 19:20:04 ID:PtnBJHNVv6

「これぐらいにしよう。血がヤバい感じがする」
 鼻に栓をしながら言う。まさか、あそこまでの量が出るとは思わなかった。
「えー、では、お皿を洗ってきますね」
 そう言ってファは慣れた手つきで皿をかき集める。
「やけに手慣れてるんだな。どっかで習ったのか?」
 血を拭きながら聞く。すごく雑巾が血まみれだ。
「はい、私の育った所で大体の家事を教えてもらいました。……の…めに」
 最後辺りが聞き取れなかたが、まぁいいか。
 彼女が洗い物を始めたのか、食器のカチャカチャと言う音が聞こえてくる。
 少し二度寝するかな。
64:🎏 :2011/6/21(火) 19:22:29 ID:PtnBJHNVv6
>>62
(/´∀(⊂(゚д゚枕)
うわっ、本当に来たww
65:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/21(火) 20:43:47 ID:PtnBJHNVv6

 俺は元々休日はよく眠る人間だ。だから、テーブルの上で二度寝することも容易にできた。
 ツンと頬に突かれる感触があった。
 ツンツンツンツンツンツンツン……………
「だぁー、鬱陶しい!! 何時までツンツンしてんだ!!」
 勢いよく飛び起きる。ガバッと。すると、キャ、と言う声が聞こえ、ムニィと崩れないプリンのような感触が手に伝わってきた。その直後、体が壁まで吹き飛び意識がブラックアウトした。
 意味が分からねぇ。
66:🎏 :2011/6/21(火) 20:48:08 ID:PtnBJHNVv6
今日はここまでなのさ〜
眠い(=ω=´)キリ-
また明日〜。
支援してくれる全ての人に我が愛の胞子を
そして、芽吹け
67:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 22:11:47 ID:U4N30N2fJw
壁|´・ω・)ソー

壁|´・ω・)つC コトッ
壁|ミ ピヤッ C
68:🎏 45:2011/6/21(火) 22:16:21 ID:mA20w6lIqY
ファ可愛いよファ(*´д`*)ハァハァ・・
69:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 22:17:48 ID:2nP4.VCSKg
>愛の胞子…
あらやらしい

つC
70:🎏 62:2011/6/21(火) 22:18:20 ID:BDKRTRECcU
(´;ω;`)
71:🎏 :2011/6/21(火) 22:57:30 ID:wX4nipuzhA
>>67
сC (・д・ )支援爆弾だと…… さんくすwドカン
>>68
貴様にファはやらん!
だが、なでなでするのはよし!!
>>69
撒き散らかしてやろうか?
まあ、したら俺が手錠ガシャンだがなww
>>70
すまんすまんwwいきなりだったから、ついww
( ;ω;)ゞ(´∀`)
よしよし
72:🎏 70:2011/6/21(火) 23:30:38 ID:BDKRTRECcU
<●> <●>やったね


さらに支援
73:🎏 名無しさん:2011/6/21(火) 23:48:02 ID:U4N30N2fJw
主はガンダム知ってるようだね
74:🎏 名無しさま:2011/6/21(火) 23:50:54 ID:1wrL3v2gjU
つ εεーC
つ εεーC

あ、発射しちゃった。
避けて、バーニィ!
75:🎏 :2011/6/22(水) 06:17:09 ID:m0.OUcgNh2
>>72
さんくすだが、こっち見んなww
>>73
ある程度は、ね
一番好きなのはハムさんww
家には1/60スケールのOOガンダムがあるぜ
>>74
バタァァロォォォル

     ドカム
76:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 07:33:25 ID:/gijs/Dxc2

 あわわわ……、やってすまいました。
 主人に胸を揉まれて、つい、ついですよ。つい加減出来ずに押してしまいました。
 あわわわ……、後でちゃんと説明したくとは……。
 はぁ〜、こんなことで驚いていては今後の生活に差し障りが出てきてしまいます。
 これからはちゃんと注意しないと……。
77:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 07:48:33 ID:c.725AFeoo

「やべぇ、頭がガンガンする……」
 どうやら俺は何らかの力によって壁まで吹き飛ばされてしまったみたいだ。でも、あの場にいたのはファだけ。
「し、ししゅ主人、大丈夫ですか?」
「大丈夫もないも……」
 説明を求めようとするが、俺は、自分が仰向けになっているのにファの顔が上にあることに気付く。
78:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 07:57:05 ID:/gijs/Dxc2

 俺が頭を預けているモノは、柔らかさの中に程よい弾力性があるものだった。
 体を三回転捻りをしてその場から逃げる。あれ以上あの場にいたら、また鼻血が盛んになるところだった。
 ファは、唖然と正座をしたまま自分の太股と俺を交互に見る。
 この勢いは、まずい。
 そう思った俺は、
「も、もう12時前かー。通りで腹が減ってるわけだ。ふ、ファ……、何か作ってくれないか?」
 と、苦し紛れの苦笑付きで言葉を紡いだ。
79:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 08:10:42 ID:/gijs/Dxc2

 すると、ファは顔を綻ばせて何かを呟き始めた。
「…ば……す。…人…初め…頼…れ……たです」
 何を言っているか分からないが、取り合えずショボーンとさせることは回避できたようだ。
「では! 作ってきますです!!」
「あ、あぁ。頼んだ」
 ファの何か凄いオーラに押され後退りする俺。そんな俺を尻目に台所に入り準備をし始めるネコミミ娘。
 準備をし始めたと思った瞬間、ファが弱々しく俺を見て言う。
「あ、あのー、食事の後に少しお話してもよろしいでしょうか?」
 俺は、そんな弱々しい視線に気づかずPCに向かいながら軽く返事した。
80:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 09:01:42 ID:hyRLWZcB.Y
ファかわいいよファ
神竜石使ったら強いよ
81:🎏 :2011/6/22(水) 10:45:12 ID:qdtJayzUvk
>>80
すまんがそのネタは知らんな〜
神龍石って何だ?
82:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 10:54:19 ID:kUeuO1XOuE
ファイアーエムブレムw
83:🎏 :2011/6/22(水) 11:39:48 ID:qdtJayzUvk
>>82
なるほど、わからんww
84:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 12:40:48 ID:qdtJayzUvk

 テーブルに並んだ昼飯は、家の台所の邪魔者扱いされていたスパゲティだった。母親が駄目と言う理由でほとんど我が家では食べない。
 しかし、多い。ミートにカルボナーラ、ナポリタン。昼だけでは食べきれなさそうな量だ。
「少し作り過ぎちゃいました」
 えへへ……、とファは照れ臭そうに言う。
「どれくらいなんだ?」
「台所にあったのを半分くらいです」
 ざっと見積もっただけでも300gの二袋分くらいあるんだが……。
85:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 12:43:47 ID:t7ahNFM3Pc
けっこんなSSみてらんねえな!

Cこれ置いていってやるからせいぜい頑張れよ!
86:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 12:49:42 ID:TYjRuZ9I2k

 目の前の猫は、何を考えてこの量のスパゲティを作ったのだろうか。流石の俺でも300gが限界だ。そして、猫は俺の半分くらいしか食べてない。
「余りましたね……」
 シュンとネコミミが垂れる。
「もうす「これ以上は無理だぞ、吐く」
 満腹だと言うのに散々勧めてくる。最初は入ったが、もう無理だ。
「晩飯に回すか」
 俺の提案にファは、はい、と力無く答えた。
87:🎏 :2011/6/22(水) 12:51:57 ID:qdtJayzUvk
>>85
ツンデレ乙ww
さんくすだ(・ω・´)
88:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 13:02:28 ID:qdtJayzUvk

 昼飯が終わって昼飯前のことを思い出す。
「そう言えば、話ってなんだ?」
 ファは、苦笑しながら「話さないとダメですか?」と聞いてくる。
「まぁ、気になるからな」
 では、と言って彼女の口が重そうに口を開いた。
「私は他の人とは違うのは一目瞭然ですよね」
 まぁ、ネコミミと尻尾だからな。
「私は、多分妖怪あたりでは化け猫に近いのだと思います。実は私が生まれたところは容器の中だったと思います」

89:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 13:15:22 ID:qdtJayzUvk

「言うとしたら試験管みたいな感じですか、そんな感じです」
 そこで俺は説明を遮る。
「何かベタに人体実験みたいな感じだな」
「人体実験はしてませんでしたが、品種改良みたいなことはしていました」
「何か野菜みたいだな。それに何のためにしてたんだ、そんなこと」
 俺は、ほとんど本を読んでいる感じで聞いていた。だから、目の前の肩の震えを見逃すことになった。
「簡単に言ったら組織間の勢力争いのためです。私たちは、その争いに勝つために産み出されたみたいなものなの……です……」
 ファは、顔を俯けて言う。
「……しです」
 最初は聞き取れなかった。そして、聞き返さなかったら良かったのかもしれない。
「何て言った?」
「人殺しなんですよ! 私たちは!!」
 本当に聞かなきゃよかった。
90:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/22(水) 13:21:11 ID:qdtJayzUvk

 話を整理すると、つまり……。
 ファは、ある組織の品種改良みたいなもので産み出され、組織のために他組織の人間を殺してきた。あの怪力もそのための物らしい。
「……………」
「……………」
 リビングをかなり重い空気が支配していた。
 それより、こんな暴露って物語で言うと後半辺りにするものじゃなかったっけ? こんな出会ったばかりにしても良いのか?
 残ったスパゲティが完全に固くなってしまった気がした。
91:🎏 :2011/6/22(水) 17:32:35 ID:muRYQT.caY
すまない、みんな……
今、凄くしんどいんだ
まぁ、
整理とかもやらないと
んじゃ、ごめん(ーдー`)

92:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 17:38:00 ID:ZpXrMDv/zs
ゆっくりがんばれ
紫煙
93:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 17:55:44 ID:mP7ADbnPkw
自分のペースでいいよノシ
支援
94:🎏 名無しさん:2011/6/22(水) 20:04:35 ID:1mfaKp09pQ
ヤバい。これ凄いすきだわ
支援
95:🎏 45:2011/6/22(水) 22:01:47 ID:KO1ifPIKJE


じゃあ遠慮なく


 ナデ   .∧_∧
  .ナデ(´∀` *)
  .((⊂    )
 (*・ω・).| | |
 (∩∩) (_(__)
>>1


96:🎏 :2011/6/23(木) 07:14:42 ID:HU21Wg9ZbI
>>92->>93
わかったよ、自分のペースで書くよ
>>94
好きだと……。まさか、そんな……ことを言ってくれるとは!! 我は感動だ!!
サンクス!
>>95
おまっ!! 人の頭を軽々しk……、ふにゃ〜
97:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 07:45:43 ID:MHq8.v1lnY

 ピンポーン
 どれくらい時間が経っただろうか。10分? 20分? もっと経っている気がする。しかし、時計を見ると、まだ30度しか針は進んでいなかった。
 ピンポーンピンポーンピンポーン
 来訪者らしい。しかし、チャイムをこれだけ鳴らす必要は普通はない。こんなことをするのは「アイツ」しかいない。
「すまん、誰か見てくる」
 俺は、俯くファとこの空気から逃げるように玄関に向かった。
98:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 07:50:40 ID:MHq8.v1lnY
 ドンドンドンドンドン
 俺が玄関に着いた時には、ドアが軋む勢いでノックされていた。
「開けなさーい! いるのは分かってるんだからねー!!」
 居留守は無理なようだ。開けるか。
 俺は嘆息しながらドアノブに手をかけた。
99:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 07:57:52 ID:HU21Wg9ZbI

「やっと開けたわね。大地!」
 相も変わらず五月蝿いのがやって来た。
「で、何か用……? 那由多さん」
「あんたねぇ、いい加減他人行儀はやめてって言ってるじゃない。中学からの付き合いじゃない」
 そう言って那由多は目を吊り上げる。
 確かに中学からクラスや部活に掃除の班、挙げ句の果てには進学先の高校まで一緒だが、決して恋人関係という訳ではない。どちらかと言うとストーカーみたいな奴だ。
100:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 08:06:20 ID:MHq8.v1lnY

 再び何用か聞くと目の前にスーパーの袋を突き出される。
「あんた、今一人でしょ? だから、この優し〜い僕が料理を作りに来てあげたのよ」
 ふふん、と言って彼女は、頭の右サイドに括った短いテールを揺らして、無い胸を張る。
 でも、今ここで家に入られるのは不味い。だから、追い返す。
「ありがたさが一杯で胸が張り裂けそうだ。とても、ありがたい。でも、断る」
 ほとんど棒読みだったが、目の前の那由多を揺らがせるには十分だった。

101:🎏 :2011/6/23(木) 08:09:16 ID:HU21Wg9ZbI
やぁやぁ、やばいよ。もう100越しちゃったよww

つか、設定とかで気になることがあるなら何時でも聞いてくれよ(・ω・`)
102:🎏 名無しさん:2011/6/23(木) 11:11:48 ID:R.LK4B9fF2
みんなのスペックうp
103:🎏 名無しさん:2011/6/23(木) 11:36:58 ID:5otdYbOOAI
私怨
104:🎏 :2011/6/23(木) 12:49:33 ID:LB.GhxHW7c
>>103
さんくる、だが怨むなよww
>>102
ほらよ!! スペックだ

牧野 大地
高一の15才 眼鏡 
両親は旅行中
160p/57s
帰宅部

ファ・グランツ
年齢不詳
ネコミミ 巨乳 猫シッポ
165p/ s
猫フォームもあるよ

那由多
高一の16才
ややつり目 貧乳 サイドテール
剣道部所属
大地とは腐れきった縁
156p/g……うわ何するやめ…


筆者 16歳の高二、剣道部
老け顔だって
167p/60s
今はこれくらいにしてくれ
105:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 13:05:26 ID:qM.b6uzOB.
「あ、あんたねぇ! このかわいい千奈さんが萌やし野郎に栄養満点な料理を作ってあげることの何が不満なのよ!!」
「だってお前絶望的に料理が下手じゃん」
 図星を突いたせいで俺の顎が削れた気がした。皆も発言には気をつけろよ。
106:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 17:57:34 ID:iQYRyho3CY
「このバカ萌やし! もういいわよ!!」
 そう言って那由多はズンズンとこの場から去っていった。
 俺はふらつく足で立ち上がりドアを閉めてぼやく。
「結局あいつは何がしたかったんだ。袋も持って帰ってるし……」
 リビングに戻る道筋で何回か体を強打して、最終的に足の小指をリビングの入口で強打した時は泣きたくなった。
107:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/23(木) 19:36:50 ID:ej1XEMAMdY

「し、主人……」
 ファに声をかけられリビングの方に顔を向けると、黒猫が煮干しを食べていた。そして、一旦ソファーの影に隠れたかと思うと、そこからファが顔を出した。
「煮干し……、食べますか?」
 そう言ってファは煮干し(業務用)を持って寄ってきた。
「カルシウム採って体を強くしましょう」
 いや、骨太になっても痛いのは変わらないから。
108:🎏 :2011/6/24(金) 06:24:45 ID:K5ohjjgLG6
すまん、寝落ちしてかけなかった
人間、疲れたら何やってる最中でも寝てしまうんだなww
携帯を腰で敷いてたわww
109:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/24(金) 07:30:25 ID:mqZWbQxoWM

小指の痛みから立ち直ってから少し経ったが体の節々が痛む。
「主人、さっきの人って誰なのですか!?」
 ファは、先程の来訪者に興味を持ったらしく、どれだけ回避しようとこの話題を振ってくる。
「単なる長い付き合いの友達だ」
「女の子の声でした! 付き合いってことは、こ……恋人ですか!?」
 人の話をよく聞け。友達だと言っただろ、友達と。
「もしかしたら、私の…イバ…になるかもしれませんし……
110:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/24(金) 07:37:16 ID:3v0XlV.ze.

「しかし、お前急に元のテンション……、いや、それ以上になったな……」
 そう言うと、ファは煮干しをカジってはにかむように言う。
「あ、当たり前です。主人に何時までも黒r……、いや、ネガティブな所を見せる訳にはいきませんから」
 まぁ、変な空気じゃなくなったから良いとするか……。
 だが、その時の俺は彼女の「人殺し」の言葉が心の片隅に引っ掛かっていた。
111:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/24(金) 08:03:14 ID:3v0XlV.ze.

「うん、そうよ。確定って感じじゃないけど、匂いはあったわ」
 牧野家のすぐ側の路地裏で少女が、まるでスパイのような電話をしている。
「えぇ、あの猫特有のよ」
 しかし、相手の声までは聞き取れない。何者だ。
「あの猫は、一応うちでは最強の部類なんだから。じゃあ、説得の方よろしくね、鳴滝さん」
 !? 鳴滝と言ったか、あの娘は。なら、早くボスに……、ガハッ。
「おとーさんも大変ね〜。今さらヤクザみたいな奴等とかと縄張り争いだなんてさ〜。」
 少女は、路地裏のごみ箱から人を引きずり出す。
「まぁ、そんなのも面白いけどね」
 少女は、気絶した黒服の男を引きづりながら路地裏を更に進んでいった。
112:🎏 名無しさん:2011/6/24(金) 13:08:29 ID:DK9EQLTnTs
支援してます
ファイトン
113:🎏 45:2011/6/24(金) 18:51:09 ID:XG/4n8s58M


支援するよ><

114:🎏 :2011/6/24(金) 19:23:07 ID:R0yH.EHpis
>>112>>113
さんくすなのさ〜
今日は何故か中学時代の無駄ネガティブが再発して、書き貯めができなかったお(・ω・`)
今もややネガティブww
115:🎏 お姉様
◆RO2jhvAC9Y:2011/6/24(金) 23:00:39 ID:96o6g0aHlQ
書き溜めとか言っておいてなんですが、急かしてクオリティが下がるのは悲しいからゆっくりでいいと思いますよノシ
ネガティブになってるなら尚の事無理はしないでw
支援
116:🎏 名無しさん:2011/6/24(金) 23:39:43 ID:vmvGe1KNEw
支援だよ!
117:🎏 :2011/6/25(土) 08:38:18 ID:wL9IXYZH5g
>>115
いや〜、心配かけてすいません(・ω・`)
でも、寝たからもう大丈夫、……多分
クオリティは、俺の妄想力によってなりたっているので刻一刻と下がってますwwご了承をww
>>116
39なのです( ̄▽ ̄)ノ

これからも、うんうん机の前で悩む枕とファたちをよろしくなのさ( ̄▽ ̄)ノシ
118:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:10:33 ID:O2xW3Z186.

 ファです。夜です。
 え? あれから何をしていたか、ですか?
 ほとんど何もしてませんよ。だから、語る必要は皆無に等しいです。べ、別に昼寝をずっとしていたとか、主人がPCでネットしていたとかしかないです。
 需要があれば、話しましょうか、それは。
 しかし、主人は凄いですよね〜。こんな得体の知れない化け猫をナチュラルに受け入れるのですから。普通は、もっと警戒したり拒絶したりするものだと思ったのですが……。
 やはり、親御さんの影響なのかも知れません。何たって、調べても調べても出てきませんでしたから、何かヤバいことをしているに違いありません! 勘ですが。
119:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:17:41 ID:BCMohBA8GQ

 何か凄まじく嫌な気配がする。背中にゾクリと来る感じのが。
 しかし、風呂はゆっくりできる。今日の出来事が嘘のように静かだ。
 それに、地の文だけである程度大丈夫だからな。
 俺はそんな事を思いながら、お湯の抱擁を受けている。風呂とトイレは、楽園かヘブンかもしれないな。
 そんなことを思っていると突然、風呂場の戸がすごい勢いで開けられた。

120:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:22:43 ID:BCMohBA8GQ

「主人!! お背中をお流しいたします!!」
「ぐがっ。おい、お前何考えて──、うぉわ!!」
 ファが入ってきた時に後頭部を打った俺には、こいつの怪力に抵抗する術はなかった。
 したがって、ファによりお湯の抱擁から引き剥がされる。

121:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:29:16 ID:O2xW3Z186.

 俺は目は悪い。とは言え極端に悪い訳ではない。
 したがって、ファの綺麗な顔が今までで一番ドアップされ、その下にあるバスタオルの中へ窮屈そうに収められた胸も見えてしまう。
「うわ……ひゃあ!?」
 滞空状態の俺には分かりにくいが、どうやらこのバカ猫は、たまたま落ちていた石鹸に足を滑らせたみたいだ。
 そして、転ける。
122:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:35:37 ID:BCMohBA8GQ

 よくある王道パターンでは、そのまま猫が俺を引っ張って胸か股に俺の顔が突入するが、──甘かった。
 奴は、あろうことか手を放し、受身を取る。
 そして、俺はそのまま投げ飛ばされた感じになり、開いていた戸から脱衣場に放り出される。
 その際、また体を数ヶ所打ってしまった。
 風呂から上がった俺は、湿布を体の至るところに貼る破目になってしまった。
123:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/25(土) 09:45:21 ID:BCMohBA8GQ

 二日目の出来事。
 猫を拾ったら、女の子になってしまった。その娘は、俺の事を主人と呼び、えらくなついている。因みに、俺はそいつに懐かしさを少し感じた。何故だろう。
 珍妙な来客が来て、追い返したが、また来そうな予感がする。
 P.S. 風呂場で星が見れるとは思わなかったよ。
 
「ふぅ、こんなものか」
 俺は、母さんから頼まれた「その日の出来事」を書いていた。
 ファは、まだやることがあるらしくリビングで何かをしていた。
 俺は、痛む節々を引きずりながらベッドに向かった。
124:🎏 名無しさん:2011/6/25(土) 10:37:07 ID:kq9xT7NXZc
しえん(はぁと
125:🎏 :2011/6/26(日) 09:11:23 ID:vuDfmScwUo
>>124
さんきゅ(はぁと

126:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/26(日) 09:20:53 ID:8Tj1mgtFrQ

 また夢を見た。昨日の続きの夢。
 サラリーマンらしき男が、黒猫を抱えた俺に声をかけてくる。
(その猫、どうしたんだい?)
 俺は、涙をこぼして男に訴える。
(猫が、──が─んじゃった……。)
 男は、そうか、と言って俺に目線を合わせる。
(じゃあ、猫を、いや──ちゃんとまた会えるようにしようか)
 そう言って男は、俺の腕から黒猫を優しく奪い取る。そして、こっちに、と言って近くの河原の方に向かって行った。
127:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/26(日) 09:27:57 ID:8Tj1mgtFrQ

 男は、どこからかスコップを二つ持ってきて、片方を俺に渡した。
 男は、右腕を折っていてが、片手で上手く穴を掘っていく。俺は、それに習って同じように掘り進めていく。
 猫の墓はすぐに完成した。ちょっとした山に名前を書いた貧相な棒を突き立てた墓。
 男に線香に火を点けてもらい、それも立てる。
 去り際に男は言った。
(また、あの黒猫に会いたいかい?)
 そこで目の前がホワイトアウトした。
128:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/26(日) 09:36:21 ID:8Tj1mgtFrQ

 二日連続で見た夢を覚えているのは、俺にとっては珍しい。完全に、ではないが。猫についての夢、か。
 寝ぼけ眼を擦りながら、一階のリビングに降りる。
 時計を見ると9時。日曜にしては早い。
 テーブルでは、ファが無防備な寝顔でいた。
「まったく、何をしてたんだろな……」
 そこまで熱中していたのか、本が色々散らかっている。俺は、それらをかき集める。
 ナンプレ、漢検、漫画のハウツー本に小説の原稿、乳繰り合い……、色々だな。
 待て、おかしい……。
「何で俺のエロ本がここにある!?」
 朝っぱらから泣きたくなった。
 ついでに、秘蔵の本だった。
129:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/26(日) 09:49:30 ID:vuDfmScwUo
「あ、主人……。おはよいございまふでふ」
「す、すすスマン、起こしちまったか……」
 俺の顔が引きつっているのが分かる。
 ヤバい。
「大丈夫ですよ。それよりナンプレ貸してください。キリの良いところまでしたいです」
 俺は、本の束からナンプレを取り出して渡す。
「ん? この小説の原稿、俺が昔書いた……」
 ついでにPCにデータとして残っていたやつだ。
「良い厨二でしたよ」
「ぶふっ!? よ、読んだのか?」
「はい。文章は、我流みたいでしたが、なかなかでした」
 顔が赤くなるのが分かる。
 だが、そんな俺を追撃するように、ファは言葉を紡ぐ。
「小説の方は面白かったですが、本の趣味と言うか、性への趣味が広いですね、主人。ストライクゾーンがぐばっとみたいな感じですかね? 大暴投以外の球はストライクですか?」
 朝からファの後ろに阿修羅が立っていた。
 そして、彼女は阿修羅の如く口撃してくる。

130:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/26(日) 09:56:24 ID:8Tj1mgtFrQ

「貧乳から巨乳にロリから美人さん、SからMプレイまで、本当に多かったですね〜」
 阿修羅が、いやルシファーが彼女に宿っていた。
「しかし、主人の持っているR-18はほとんど回収し、この世から滅しました」
「お前! 俺のコレクションを、まさか!?」
「PCの中のゲームは完全にデリートして、本は全て焼却いたしました」
 俺は、ルシファーの前には無力でorzな状態になってしまった。
131:🎏 名無しさん:2011/6/26(日) 20:56:42 ID:J0HoLIw7hY
支援あげ
132:🎏 名無しさん:2011/6/26(日) 20:58:57 ID:aZBzwundFE
しえん☆★☆
133:🎏 :2011/6/26(日) 22:12:00 ID:tn/hDKVLvo
>>131>>132
サンクスなのさ(・ω・´)

休日ってことであまり投下出来なかったが、これからはテスト前になってくるから、さらにヤバいww
朝は必ず投下する、多分
とにかく、また鈍亀になってしまいます(TωT`)
では、また明日ノシ

134:🎏 45:2011/6/26(日) 23:08:27 ID:ghGuSb6yOU
>>133
ゆっくりでもいいよー
俺も来週からテストだorz


っC
135:🎏 :2011/6/27(月) 08:18:32 ID:oeAST7gn1E
>>134
サンクス(・ω・´)
テストとリア充なんか爆発すればいい
136:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 08:24:48 ID:oeAST7gn1E

「待てよ!? PCにはロックがかかっていたはずだ……!?」
 そうだ、ハッタリだ。
 そうであることを願い、自室にあるPCの前に行く。そして、起動。
 家のPCは2つあり、1階はネットが繋がっており、自室のPCは繋がっていない。当然、自室のPCはエロゲ用になる。
 俺は目の前の状況に愕然とするしかなかった。
「なん……だと……?」
 ほとんどのフォルダが消失していた。
137:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 08:29:05 ID:oeAST7gn1E

「そんなバカな!! 親の追跡から逃れたロックだぞ!? 何でこんなことになってるんだよ!?」
「そんなロックでは私を止めることなんてできませんよ」
 いつの間にか背後に、音もなく、ネコミミを生やしたルシファーが立っていた。
138:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 08:42:45 ID:xkBI939eI6

「お、おおお、お前……。い、いつの間に……」
「私は猫なので、足音を出さずに歩くことなんて朝ご飯前ですよ」
 それに、と言って奴は俺にトドメの言葉を突き立ててくる。
「ハッキングなんて、私たちの間では日常茶飯事でしたから」
 俺は目眩を起こしながら言う。
「う、嘘だ…………そんなこと……」
「本当の不偏的な現実なのですよ」
 魔王はナチュラルにオーバーキルの体勢に入っていた。
139:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 11:49:17 ID:8foKywDeGA

 朝からファにいじめられ、秘蔵のファイルまで消された後に食べた朝食は涙の味しかしなかった。未開封の奴まで焼失したんだぞ。
 それをした当の本人は満面の笑みで朝食を食べている。まるで一仕事を終えた後の爽快感を醸し出している。
 とても温度差のある食卓だった。
140:🎏 名無しさん:2011/6/27(月) 11:56:02 ID:JteCkc8U8o
猫は男の敵だがGJwww
支援w
141:🎏 :2011/6/27(月) 20:16:51 ID:aSIlGt8xq.
>>140
ファを敵に回したら性欲処理が出来なくなるぜww
サンクス
142:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 20:24:30 ID:aSIlGt8xq.

「主人は私だけを見ていたらいいのです」
 朝食後、俺と会って3日目の猫はドヤ顔で言ってきやがった。
 しかし、どうしてそんなに俺に対しての好感度が高いんだ。
「私は、主人には沢山のご恩をもらっています。ですから、それに報いなければならないのです。まぁ、建前ですけどね」
 フンと鼻を鳴らし胸を張る彼女。
 何処かの腐れ縁女と違って「バイン」とか「たゆん」みたいな効果音が付きそうだ。
143:🎏 名無しさん:2011/6/27(月) 20:25:51 ID:6AUDjs5hyY
しえん
144:🎏 名無しさん:2011/6/27(月) 20:30:50 ID:RkRCXWL5i.
萌えん…いや支援
145:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/27(月) 20:32:49 ID:.2LJY5jCWk

 ピンポーン
 昨日に引き続き昼食の直後に来客を告げるチャイムが鳴った。
「私が出ましょうか?」
「いや、お前が出ると色々面倒だから俺が出る」
 そう言ってファを制止させる。
 チャイムを乱打しないということは那由多ではないみたいだな。
「はい、どちら様でしょうか」
「牧野さん、少しお伺いしたいのですが──、」
 インターホンからは、若い男の声がした。
「お宅に今、メス猫が入り込んでいると思うのですが、ご存じないでしょうか? その猫、我々の猫なのですが……」
 背筋に嫌な汗が伝ってきた。
146:🎏 :2011/6/27(月) 20:34:29 ID:.2LJY5jCWk
>>143
IIID@@@@
>>144
しらん……、いやサンクス
147:🎏 名無しさん:2011/6/28(火) 03:37:13 ID:hGj6KeYvPI
死炎
齎黶
148:🎏 名無しさん:2011/6/28(火) 07:15:44 ID:KeDVb.lmqA
>>147
あれが噂の厨二病か……
149:🎏 :2011/6/28(火) 08:14:43 ID:qCroC/IXOQ
>>147
サンくす(・ω・´)
>>148
言ってやるなww
150:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/28(火) 08:22:32 ID:t8KPYQdY2E

 メス猫ってのは、この状況ではファか……。それに、我々ってのが気になる。
 ファの方を見ると俯いて震えていた。
「あの声は……、滝さん……」
 ファの様子を見て分かる。確定……か。
「今外に出ますから少し待ってください」
 俺は警戒しながら玄関に向かう。
 あいつの知り合いみたいだからな……、狼あたりが来るかもなww
 俺は意を決してドアノブに手をかけた。
151:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/28(火) 08:36:17 ID:t8KPYQdY2E

 真っ先に目に入ったのは、黒いスーツ。
 背は、俺より……高い。15pくらい上だ。
 相手の顔を見ると声通りの若い男だった。20代後半のリーマン風な感じ。
「ん? 親御さんじゃないの? ん〜、参ったな」
 男は頭をかきながら言う。
「まぁいいか。君、こんな黒猫が家にいない?」
 そう言って男は「あの」黒猫の写真を見せてくる。
 その猫には「あの」鈴がついている。
 ファの知り合いと言うことが確定した。
152:🎏 147:2011/6/28(火) 10:47:20 ID:PdY6u7Sl42
うっせえww
153:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/28(火) 12:55:46 ID:pJomv6lHPc

「それより、あなたは誰ですか? 名乗りもしない見ず知らずの人と話せるほど自分はできていないので」
 男は、おっとすまない、と言って懐から名刺を取り出す。
『○○証券 広報課
     鳴滝 健 』
「サラリーマンの方がどうしてこんな黒猫を探しているのですか」
「それはうr、こっちの都合さ」
 そう言いながら、彼は二枚目の写真を取り出し見せてくる。
154:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/28(火) 16:56:10 ID:qmHVdpvpoU

「ついでだけど、こんな娘のことは知ってるかい」
 それは、ネコミミをショートカットの上に乗せ、猫シッポも着けた巨乳の少女だった。
 俺は息をつまらせ思案する。さっきの名刺は表のモノ、そして、今は裏の用事で来ているのではないのかと。
 目の前の男は何かの確信を得たらしく、こう言う。
「へぇ〜。君が猫の言ってた『主人』か〜。そら、庇うかな」
 ボサボサの短髪が笑いと共に揺れ、細めた目が俺を射抜く。
 外見じゃなくて中身が狼かよ……。
155:🎏 名無しさん:2011/6/28(火) 23:54:15 ID:WklyhewQAk
しえーん!!
156:🎏 :2011/6/30(木) 07:38:50 ID:2Spu4LuhD2
>>155
支援サンクス(*´∇`*)

昨日、宿題のせいで書けなかったww畜生ww

157:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/30(木) 07:47:45 ID:2Spu4LuhD2

 鳴滝と名乗った男は懐に、また手を突っ込む。
 俺は暑いせいか、それとも鳴滝の目に射抜かれたせいなのか汗が玉のように流れていく。
 彼が取り出したのは、太陽の光を受けて黒く光る──携帯だった。
「あ、先輩。どうもです」
 彼は、「先輩」と言う人物に連絡し始める。
 俺は、息を吐き出し安心していた。自分への視線が違う方に向いたから。
158:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/30(木) 08:19:24 ID:2Spu4LuhD2

「ねk……いや、ファの居場所は分かりました。ですが、彼女の言っていた「主人」も一緒で、その主人を……、え?」
 彼は、上司に何か言われたらしく、俺に携帯を差し出してくる。
「代われってさ」
「あ、はい。」
 俺は、鳴滝から携帯を受け取る。
「代わりました。牧野ですが──」
『君がファの言っていた「主人」かい?』
 肯定する。
 電話先の男の声は、貫禄のありそうなやや低めな声だった。
『と、言うことはあの時の……かな』
「どういうことですか?」
 俺が怪訝思うが、電話先の男はとぼける。
『どう言うことだろね。まぁ、忘れてるならいいか』
『それに、近いうちに会えるかも知れないから、その時でいいか』
 俺は、電話越しに話す彼に聞かなければならないことを聞く。
「ファは、連れていくのですか?」
159:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/6/30(木) 08:36:04 ID:06VbkKPXl2

 んー、と彼は唸る。そして、結論を出したらしく言う。
『彼女のことは君に任すよ。君がファを拒絶したいなら、今そこで鳴滝に彼女を渡せばいい。一緒にいたいなら鳴滝を追い返せばいいよ』
 そう言って彼は、鳴滝に代わってくれ、と言った。
160:🎏 名無しさん:2011/6/30(木) 21:01:50 ID:k2jRzAA1S.
屍縁
鰤魘
161:🎏 名無しさん:2011/6/30(木) 21:05:05 ID:g2vBUaf.4A
偲艶
162:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 00:45:10 ID:2O75eau4Jo
士円
鷙鹽
齎魘
163:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 06:16:06 ID:lHgs9X8Kws
幟鴛
164:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 07:07:07 ID:rjlvdlH7y2
ファを想像するとシャイニングハーツのシャオメイが出てくる
165:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/1(金) 07:32:53 ID:5rB46GWqYU
>>161->>163
お前ら……(・∀・`)
読めなくなってきたよww>>164
そうか〜。
(し、知らない……)

ついでに、ファのモデルは『とともの。』のフェルパーって言う猫の亜人的な種族だ(・ω・´;)ゴマカシジャネーシ

テスト前なのに勉強しない、できない(・Д・;)
166:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/1(金) 07:39:52 ID:5rB46GWqYU

「話は聞いたけど、どうするんだ?」
 そう言われ、俺は暫し考え込む。
 追い出す理由は、……………………あるな。
 コレクションが、家宝までが完全消滅したからな。親父のまで消されてたな……。
 だが、そんなことより彼女のことが気になるのは確かだ。
 どうして彼女は俺を選んで固執するのか。彼女の過去も気になる。
 そんなことが無くても、俺の中では、答えは簡単に決まっていた。
167:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/1(金) 07:48:36 ID:5rB46GWqYU

「ファを…………俺にください!!」
 一瞬、時が止まる。
 え? 俺、何か地雷踏んだ? クラスターボム辺りを踏んだ?
 そして、鳴滝はいきなり吹き出して大爆笑する。それに俺は更に混乱する。
「ブフッ、お前wwそんなこと言わなくてもアイツはお前のものだww」
 ヒィヒィ言いながら俺の肩を叩く。そして、肩を掴んで彼は玄関に向かう。
「せっかくだから、アイツに挨拶ぐらいさせろww」
 そう言って抗議する俺に聞く耳を持たない鳴滝。
 そして、堂々と家の中に入っていく。
168:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 10:46:44 ID:q8yBMHlaAc
シャオメイ参考↓
http://p2.ms/4jq4f


フェルパー参考↓
http://p2.ms/4x5q0
169:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 11:00:14 ID:CJ97iOoReo
絶対的支援!!!!!!!!!!!!!!!!
170:🎏 :2011/7/1(金) 12:49:59 ID:amLy7OpnWI
>>168
参考サンクス!
なるほどな〜、確かにシャオメイにも似てる
詳しいこと言えば、とともの。2のフェルパーが俺のイメージに一番近いんだ(・ω・`)
>>169
絶対的って大袈裟なww
サンクス(//∀//)
171:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 13:25:23 ID:yMFwn/qwcU
>>170
枕なんか知ったことか!!
シャオメェェェェェイ!!
172:🎏 164:2011/7/1(金) 20:46:11 ID:j7abkq0ivU
>>171
同志がいた!!

>>1
続き楽しみにしてます!!
つCCCCCCCCCCC
173:🎏 名無しさん:2011/7/1(金) 22:34:50 ID:GJdvYM6wNI
1よ!!聞こえいるか!
このSSは完全に支援されている!
おとなしく続きを投下しなさい!
さもなくば大量のCによってこのSSは埋めつくされるだろう!
これは脅しではない!!
174:🎏 :2011/7/2(土) 00:11:27 ID:UD76.b3EeQ
>>171
自重しないことは良いことだ。続けなさい(・ω・´)
>>172
IIID@@@@
>>173
止めてくれww投下は明日の朝やるからww埋めるなww
175:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 09:15:59 ID:amLy7OpnWI

「よぉ、ファ。元気にしてっか?」
 リビングに入るや否や陽気に声をかける鳴滝。
 だが、ファはこちらを向かない。それどころか、より一層肩を抱いてしまう。
「私は帰りません。帰りません、主人と一緒がいい。帰りません、帰りません、帰りません、かえりません、かえりません、かえりません。……帰りません!!」
 まるで壊れかけのロボットのように繰り返し喋るファ。
 鳴滝は、その姿を見て嘆息し、俺から離れて息を大きく吸う。
 そして、吐き出す。
「猫!! 立て!!」
「は、ははは、はいっ!!」
 ファは、脊椎反射のように立ち上がる。
 つい、さっきまでの怯えは飛んでいったようだ。
176:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 09:25:05 ID:LcJEBo4xxk

彼曰く、
「猫に色々仕込んだのは、俺なんだ」
 だからって普通は、あんなのにはならない。
「猫、お前は俺が連れ戻しに来たと思っているようだな」
 鳴滝が問いかけると、ファは、「は、はい……」と首肯する。
「本来はそうだったんだが、先輩とお前の主人のお陰で面白いことになった」
 え? と言う短い声と共に彼女は疑問符を浮かべる。
「どう言うこと……ですか?」
177:🎏 :2011/7/2(土) 09:28:45 ID:amLy7OpnWI

 鳴滝は嫌な笑みと共に携帯を取り出す。
「まぁ、こう言うことだ」
 嫌な予感しかしない。
 そう感じた俺は、鳴滝から携帯を奪おうとするが、遅かった。
『ファを…………俺にください!!』
 俺は顔から溶岩が出てしまいそうだった。
178:🎏 45:2011/7/2(土) 09:35:33 ID:Gz4GB4sgKE
こうしんktkr
(*´д`*)っCCCCC
179:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 09:37:14 ID:amLy7OpnWI

「という訳で、猫、お前は主人と好きなだけニャンニャンできるぜ」
 鳴滝の意地の悪い笑いが聞こえる。
 あんた、いつの間に録っていたんだ……。
「主人……。それって本当ですか?」
 目に涙を溜め、おずおずと聞いてくるファ。
「ほんとの本当だぜ。大地の──」
 鳴滝が言おうとした瞬間、ファは彼をキッと睨む。
「滝さんには聞いてないです!! 主人に聞いているのです!」
 彼は肩をすくめる。そして、真っ赤に茹でられた俺に、言ってやれと言ってくる。
 俺は顔を背け呟く。
「ほ…………本当……だ」
180:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 10:01:04 ID:LcJEBo4xxk

「しゅ、主人〜!」
「うおっ、うごぁ……」
 顔を背けていたせいでファのタックルをもろに食らう。そして、体が壁まで持っていかれる。
 その様子を見た鳴滝は、頭をかきながら回れ右をする。
「また今度遊びにくるわ。お邪魔みたいだしな」
 そう笑いながら言って彼はこの場から去る。
「ちょ、待ってくださいよ、鳴滝さん! こいつを何とかしてくださいよ! 鳴t──」
「ダメですよ、主人〜。あんな告白をしたのですから、私をちゃんと見てくれないと〜。エヘヘ〜」
 俺は途方に暮れ、天井を仰ぐ。
 ファの耳は、さっきまで頭に伏せていたのに、今ではピンと直立している。
 俺が解放されるのには、かなりの時間を要した。
181:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 10:10:12 ID:amLy7OpnWI

 三日目の出来g(ry
 俺のコレクションが全て猫に消された。父さんのまで消されてた。ごめん。
 追い出したくなったが、、俺が舌足らずなせいで俺が残念な結果になっただけだった。
 ファの知り合いが来て色々話し合って、結局俺がファを預かることになった。
 父さんたちがいない間にこんな事になるなんて思ってもいなかったよ。

 俺は、手帳を閉じて机の本棚にしまう。
 明日からまた学校か。
182:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/2(土) 10:12:19 ID:amLy7OpnWI
>>178
毎度支援サンクス
(;゚ω゚)〈書き溜めが残り少ないお
183:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 18:23:40 ID:E4ejpxF5Ts
歯肉炎
184:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 18:24:57 ID:PeIDbuXnh.
歯槽膿漏
185:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 18:52:38 ID:JAT71menpg
再石灰化
186:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 19:05:58 ID:pRBDX9eeHE
スミガキ
187:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 19:27:32 ID:sqMBjNDvfQ
熟れ過ぎたトマト
188:🎏 名無しさん:2011/7/2(土) 19:29:14 ID:vESC6xgQx.
歯間ブラシ
189:🎏 :2011/7/3(日) 08:24:09 ID:5BQgrUmd3Q
>>183->>188
お前ら……、何がしたいんだwwww
190:🎏 名無しさん:2011/7/3(日) 08:26:27 ID:gor6Q5maOY
もはや支援じゃないwww
191:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/3(日) 08:31:16 ID:5BQgrUmd3Q

 夢は見なかった。
 二日連続で見れたのだから三日目も見せてくれたらよかったのにな。
 時計は……2時4……、面倒。
 覚醒しきっていない頭で体を動かす。
 ムニッとした柔らかい枕を俺は抱いていた。抱き枕ぐらいの大きさだ。
 枕が逃げるように動く。俺はそれを逃がすまいと抱きつく。
 枕には激しい凹凸があり、俺は枕が逃げないように凹んでいる部分を抱き締める。
 丁度、柔らかい部分に顔を埋める。
 まるでマシュマロに頭を突っ込んでいるみたいだった。
192:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/3(日) 08:40:19 ID:6z/14JqL9w

 鳥の鳴き声が聞こえる。とは言っても、雀やメジロではなく、カラスの声で目が覚めたものだから風流も趣のへったくれもない。
 そういや、近くにカラスの溜まり場があったな。
 そんなことを思いながら体を動かす。
「し、主人〜。そろそろ起きて下さいよ〜」
 ファの声が聞こえ、うつ伏せの状態から起き上がる。
 その時、手に低反発枕の感覚が伝わった。
「しゅじん……、さすがに、まだこのような行為は、早いと思います……が、しゅじんがそのおつもりなら……」
 朝から俺は盛大にベッドから転げ落ちた。

193:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/3(日) 08:47:15 ID:5BQgrUmd3Q

 ファが朝食を作っている間、俺は制服に着替えていた。カッターシャツと深緑系のズボンのありきたりな制服。夏服だからネクタイは締めない。
 そう言えば、夜の抱き枕は……。
 ベッドを見るが、そんなもの何処にもない。
 つまり、抱き枕=ファとなって、凹んでいた所は腰で、マシュマロは低反発枕となる!?
 冷静さを保とうとするが上手くいかず、顔が真っ赤な誓いになってしまう。
 渓谷があったら飛び込みたい。
194:🎏 名無しさん:2011/7/3(日) 20:16:40 ID:2Zm1PZmvXA
勃起した
紫煙
195:🎏 :2011/7/4(月) 07:13:55 ID:aluIs9w1cc
>>194
おいwwww勃起すなしww
支援サンクス(´〜`)
196:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/4(月) 07:20:53 ID:vySZ4b9w0.

 俺が冷静さを保とうとしていると部屋のドアが独りでに開いた。
「主人〜。朝食ができ──って何してるのですか!?」
 ファか。ノックもせずに入ってくるとは……。
 ついでに言うと、今の俺は、エヴァでいう暴走状態で、床を全速力で転がっていた。そのせいで視界が安定しない。
「そう……か。なら降りるか……、おぇ」
 俺は、おぼつかない足取りで下に降りていく。
 その時、ファは顔を引きつらせていた。
197:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/4(月) 07:27:15 ID:aluIs9w1cc

「じゃあ、行ってくるよ」
 朝食を食べて、ようやく落ち着きを取り戻した主人。
しかし、何故あのような奇行に走ったのかは謎のままです。本当に分からないです。
 主人が家を出て10分。もの凄く寂しい感じがします。
 主人が学校から戻ってくるのは、早くても4時。何をしていても暇になります。
 そう考えてテーブルの上にあった起き上がりコブシで遊んでいると、来訪者を報せるチャイムが鳴りました。
 誰でしょうか?
198:🎏 まま枕
◆Vhf/fg62GI:2011/7/4(月) 07:30:01 ID:vySZ4b9w0.
う、う、うわぁぁぁぁ
ついに、ついに恐れていたことが!?
ストックが切れた!?
ヤバいΣ(゜д゜;)
と、言うことで本日書き溜め、明日も多分書き溜めになりますわぁ(`д´;)
199:🎏 名無しさん:2011/7/4(月) 07:32:33 ID:NZTQkSZei2
起き上がり………拳!?

支援
200:🎏 名無しさん:2011/7/4(月) 07:56:41 ID:lRDDPRUc.k
これだけ書けてよく文才がないとwww書き溜め頑張って下さいノシ
支援
201:🎏 名無しさん:2011/7/4(月) 08:47:14 ID:DgQGPfo82A
[壁]ω・)つC
202:🎏 名無しさん:2011/7/4(月) 23:18:59 ID:1JEnnakN/6
C
203:🎏 :2011/7/5(火) 13:45:21 ID:wzBr5Bka8w
>>199
コブシじゃなかったっけ?
>>200
むぅ、そうかな?
大抵、行き当たりばったりやから詰まり易いし、設定なんか滅茶苦茶やけど
>>201>>202
サンクス

夜に少しだけ投下に来ますっさぁ
204:🎏 名無しさん:2011/7/5(火) 14:19:36 ID:Knt.65.HSo
起き上がり小法師(こぼし)じゃないの?

CCCCCC
205:🎏 名無しさん:2011/7/5(火) 16:23:15 ID:RD4206Vd0.
ファ「くらえ!!起き上がり拳!」

男「ぐわああぁぁぁ」
206:🎏 :2011/7/5(火) 18:30:48 ID:EAlIYTM2nQ
>>204
コボシかwwやべぇ、勘違いやべぇww
サンクス
>>205
止めんかww
207:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/5(火) 18:46:17 ID:EAlIYTM2nQ

 朝から面倒臭い奴に絡まれるのは、俺が高校に入ってからだ。
「大地、聞いてる!?」
「聞こえてるから耳元で騒ぐな」
 一昨日、家にやって来た那由多 千奈。こいつは、いつも朝は俺に絡んでくる。時間をずらしても絶対ブッキングする。マジでストーカーかよ。
 しかし、何でこいつはこんなに五月蝿いのだろうか。体の中に拡声器でも埋め込んでいるのか?
「そう言えば、那由多」
 そう声をかけると、那由多のサイドテールが激しく動く。
「一昨日って結局何しに来たんだ?」
 こいつは、一昨日俺の顎を削るだけ削って帰った。確か、昼飯を作りに来たとか行っていた気がしたが。「そ、そそそれはね、きき急用が、を思い出してしゃ……」
 明らか狼狽している。
 そう分かるくらい噛んだりしどろもどろとしている。
 そう言えば、こいつ、嘘下手だったっけな。
208:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/5(火) 18:55:44 ID:/FU8BZ3Ip.

 短いサイドテールを振り、狼狽する那由多。だが、どれだけ動いても胸は動かない。
 そんなことを考えていると視界が倒立した。そして、遅れてくる衝撃。
「今、変なこと考えたわね、あんた」
 むくれた顔が見えた。
 しかし、片腕を動かすだけで、もやしっ子とは言え、男の俺を投げ飛ばすって化け物かよ。
「お前みたいな塗り壁に欲情なんk……」
 言い終わる前に、俺は那由多から遠ざかっていく。
 振り上げた足は、綺麗に筋肉が付いていて、形が整っていた。付け根の方に目を移すと、青と白のストライプの布があった。
 恥じらいぐらい持ちやがれってんだよ。
209:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/6(水) 07:41:49 ID:PFd5IkYMPw

「痛つつ……。あんな全力で蹴る奴が普通いるかよ」
「あんたが失礼なこと、言うからじゃない」
 そんな会話をしながら1Aの戸を開ける。
「お、夫婦じゃん。今日も一緒に登校か〜」
 出会い頭にこんなことを言ってきたのは、魚頭 鱗。その名の通り魚の生まれ変わり(通説)で泳ぐのが無駄に速い。
 しかし、その魚頭は、発言した瞬間に頭から沈んだ。魚が陸地に上がるとこうなるのか。
 勿論、沈めたのは俺の横の鬼。
 お〜、怖い怖い。
210:🎏 名無しさん:2011/7/6(水) 20:05:01 ID:EjEN6Z0XuU
>>付け根の方に目を移すと
いちいち勃起させんなし
紫煙
211:🎏 :2011/7/7(木) 07:36:35 ID:hCtaFsbJms
>>210
まぁ、想像力が豊かなお方ww
(少し狙っていたのは伏せておこう)ニヤリ
支援サンクスヽ(・∀・)ノ
212:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/7(木) 07:43:07 ID:hCtaFsbJms

「牧野ー。耳寄りな情報が──、」
「いらん」
 朝の予鈴で自分の席に座ると、隣の席の左舞が話しかけてくる。
 大抵、面倒臭いから適当にしてるがな。
「つれないな〜。まぁ、いつもだしな」
 ニヤニヤしながら言う左舞。正直ウザイな。
「とにかく聞けよ」
 そう言って左舞は俺の肩に手をかける。
 ちっ、是が非でも聞かせたいのか……。
213:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/7(木) 07:53:54 ID:HsDZno4SYI

「転校生だ。しかも、外人らしき転校生だ……。分かるか?」
 いや、知らんし言葉通じねぇから面倒なものだろ。
「違げぇよ!!」
 そう言ってサb……もとい、左舞は力説をし始める。
「右も左も分からない転校生を手取り足取り案内して、そして頃合いを見て告白!! 転校生は戸惑いながらも世話になって感謝を感じている。つまり!!」
 周りの男子が息を飲む。女子は呆れている。
「告白の成功率は格段に跳ね上がる!!」
「な、なんだってー!!」
 面倒臭い、左舞と周りの男子が面倒臭い。
 チャイムが鳴り、少しして担任が入ってくる。
 そして、左舞の言う通り転校生がいるみたいだ。
「入ってこい」
 戸が開くと、クラス全域が魅了された。
 俺と一部以外は。
214:🎏 名無しさん:2011/7/7(木) 22:40:48 ID:9/E9YOn.aU
wktk
支援するよ
215:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/8(金) 07:44:55 ID:0R2in2fkhI
>>214
ファ「いつもご支援ありがとうございます」

ちょww取るな、俺の楽しみをww

ファ「いえいえ、今日のあなたは楽しむ権利は無いと思いますがww」

どう言うこt……

ファ「書き溜めノートをお忘れになって、いつもの時間に書けないですよねww反省してください」

はい……します。そして、昼か夜に書きます。すいませんでした。

ファ「よろしい。では、皆さん後ほど」
216:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/8(金) 19:23:57 ID:V/P52W5gbw

 転校生が教壇に立つ。
 それまで同級生全員が息を詰まらせて見ていた。
 俺は開いた口が塞がらない。そして、同級生たちとは違う雰囲気にいる。
 転校生は、俺が最近出会った奴に似ていたが、他人の空似だろう。まず、アイツにあるべきモノがない。
「じゃあ、自己紹介よろしくね」
そう言って、担任のロウソクが転校生に促す。
 ついでに、ロウソクはアダ名で50代にして一本だけ残った教師の頭への皮肉である。
 転校生がややこちらを見ながら口を開く。
 周りのバカな男は、俺を見た!? とか思っているだろうが違う、確実に。
「ファ・グランツです。中途半端な時期かもしれませんが、よろしくお願いいたします」
 そう言って、ニコッと微笑み会釈する。
 確信した。まんま本人だ……。
217:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/8(金) 19:40:37 ID:GHiO1Zicv.

 あの微笑み方に会釈の時に頭を気にしてたし敬語だし何より俺を見すぎだ、アイツ!
 俺は内心で叫んで悶絶していたが、アイツは俺のことをいざ知らずで教室を沸かしていた。
「んじゃ、皆から質問あるか?」
 そうロウソクが言った瞬間、教室のほとんどがウェーブした。
 その様子にファは体を仰け反らせて驚いていた。
 ざまぁ見ろ。
 ロウソクは、一時間目が自分の授業とのことで自習という名目の質問攻めtimeにした。
 しかし、周りがアイツに魅了されるのは、
 ……何かフクザツだ。
218:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/8(金) 19:58:19 ID:V/P52W5gbw

「ねぇ、出身何処なの?」
「えっと……、日本の中です」
「名前は外国人みたいなのに?」
「単に父が外国人だっだだけなのd──「ファさんってどんな音楽が好きなの?」
 質問タイムになってからクラスの皆さんから様々な質問をされる私。
 流石に目が回りそうです。
 あぅ〜、主人が遠いですー!! 主人も突っ伏していないで助けてくださいー。

「ファさんって彼氏いるの?」
「います。将来を誓って下さった主人が」
 ほとんど自然に出てしまいました。
 皆さんは、一瞬静止した後、怒濤の勢いで寄ってきました。
 不味かったでしょうか…………あぅ。
219:🎏 名無しさん:2011/7/9(土) 09:54:49 ID:Gh4s7KCnN.
ぬこ嬢はいただいた
返してほしくば可急的速やかに投稿し我がムスコを勃起せしめてみせよ
220:🎏 :2011/7/9(土) 10:14:55 ID:ROsw1KTm3g
>>219
ちょww待てww
こっから先、勃つ所ないぞwwファに何とかしてもらえww
ファ「あの……、胸ぐらいなら大丈……ぶですよ」

ファ「下の方はダメですよ! 主人へ捧げるのですから」//

テス勉につき、迎えに来るのは夜あたりだ。
それまで待つんだなぁ
221:🎏 名無しさん:2011/7/9(土) 12:59:14 ID:ewlhFz6yw2
アワビ!!
222:🎏 :2011/7/9(土) 20:25:18 ID:r3EEu8GYm6
アワビはダメだ
マシュマロにしとけ
223:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/9(土) 20:43:50 ID:95ljOoZeyM

 いきなりクラスの連中がファの方に行ったと思ったら、かなりの数の視線が俺に集中する。
 何だってんだ。
「まさかな〜」と魚頭。
 それに続いて「あるわけない」とか「あり得ない」と口々と言うクラスメート。だから何なんだ。
 頭に疑問符を出現させていると、ファが力一杯叫ぶ。
「そんなことないです! 主人は私に素敵な告白をしてくれたのです!」
 俺が吹くのと同時に右から鉄拳が飛んでくる。
 やべぇ、体が左に飛んだ。
「何すんだ!?」
 無い胸を張る那由多。
「鉄拳制裁よ、不埒者っ」
 体を起こそうとする俺に横薙ぎの蹴りを繰り出す塗り壁女。
 鼻先掠めたぞ。あと少し、体が前にあったら首がもげるところだった。
 その様子を見て、野次馬どもがはやし立てる。

224:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/9(土) 20:44:15 ID:r3EEu8GYm6
「どう言うことですか、主人!!??」
 ファまで入ってきて、修羅場に突入する。かなりややこしい状態だ。
 そこから先は記憶をするのを放棄していたせいか、ほとんど頭に入ってきていない。
 唯一覚えているのは、隣で授業をしていたタクノココケシがアダ名の数学教師が怒鳴り込んできたのが、メシアが降臨する並に素晴らしく感じたことぐらいだ。
225:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/11(月) 08:02:39 ID:Oqel6tw8Wc

 THE 昼休み。
 俺は、ファに連れられて屋上に来ていた。
「凄いですねー、学校って所って」
「凄いですねー、じゃねぇよ!! お前、何でここにいる!? ネコミミとシッポはどうした!?」
 こいつのせいで午前中の授業は頭の中に入ってこなかった。只でさえ中間がヤバかったのに挽回が難しくなる。
 別に見とれていた訳ではない。何時ボロが出るか分からなかったからだ。

226:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/11(月) 08:11:57 ID:Oqel6tw8Wc

 そんな俺の心配を知らないファは揚々と胸を張る。そして、揺らす。
「ここに来れた理由はですね──」
 ズイッと寄るファ。
 寄るな、揺らすな、かわいいなぁ!!
 頭の中が一瞬混乱する。
「滝さんがここへの転入手続きをしてくれたのですよ」
 鳴滝め……、と心の中で呟いた。
227:🎏 名無しさん:2011/7/11(月) 22:14:30 ID:Gh4s7KCnN.
>>ズイッと寄る
女のコに寄られたことなんてあるわけないよ
キモヲタ童貞だもの…………











泣いてねぇよ!!

228:🎏 :2011/7/12(火) 07:27:31 ID:u.01eqXcGY
>>227
こんなのは大抵イケメンに限るって付くからww一握りの奴だけだからww



泣いてねぇよ……
229:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/12(火) 07:40:44 ID:u.01eqXcGY

「んで、ネコミミとシッポは?」
 そう俺が言うと、ファは、んっふっふと含み笑いをして言う。
「ズバリ、簡単なことですよ〜」
 面倒なので適当に相槌を打っておく。
 ピョコ。
 こんな効果音が聞こえた気がした。
「何で急にネコミミとシッポが出てくるんだ?」
「ご都合主義ですよ」
 唇に指を当て、ナイショのポーズを取るファ。
 便利なこった……。
230:🎏 名無しさん:2011/7/12(火) 21:17:56 ID:0SiCzE5f8U
支援でっていう
231:🎏 :2011/7/13(水) 07:45:05 ID:hCtaFsbJms
サンクス……ふぅ
232:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/13(水) 08:02:06 ID:hCtaFsbJms

 昼休みだから弁当を食べるなんてこと俺はしない。どっちかと言うと、3時間目の後に早弁する派だ。
 だから、自動的に俺は、ファが弁当をつつく姿を見ることになる。
 食後ファは鞄を漁りながらながら聞いてくる。
「そう言えば、朝、主人に突っかかってきた人って、確か一昨日の──」
 ファが朝の回想をしているようなので手伝う。
「那由多のことか?」
 後にも先にも、俺に突っかかってくるのはアイツぐらいだ。だが、それは放課後に崩されることになるが、それは後で。
 那由多の名前を出した途端に、目の前のネコ娘は取り出した煮干しを落とした。
「あ……あの人、『那由多』という名字なのですか……?」
 そんなに驚くことはないだろう、と言いかけた俺は、ファの次の言葉により言いかけた言葉を四散させてしまった。
「那由多と人が私の組織のボスなのですが……」
 え? どゆこと?
233:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/13(水) 08:36:26 ID:hCtaFsbJms

 唖然とした俺にファは説明を加えてくれる。
「私の組織のボスは、十年以上、組織の創設者である人がボスだったのです」
「それって長いのか?」
「はい。下手したら一年も持たずにボスが代わる組織もあります」
 ファがいるような組織は複数あるみたいなのだが、一年も持たずに代わるってどっかの政権みたいだな。
 話を戻します、とファ。
「初代ボスも流石に老化には勝てず、五年前に代替わりの案を出しました」
「それで那由多って人がボスに」
 ファは首を横に振る。
「案には那由多さんの名前が出ましたが、あの人は最初は断ったらしいです」
 何でだ。普通なら飛び付くと思うが……。
「いえ、案が出た当時、那由多さんにはお子さんがいらっしゃって、まだ小学生だったらしく子育てを優先したらしいのです」
「何か……凄い模範的な父親だな。……ん? その子どもって、まさか」
「僕だけど?」
 俺の背後でドスを聞かせた声がして背筋が凍った気がした。
234:🎏 名無しさん:2011/7/13(水) 22:21:08 ID:zL5MJ3MBmw
ウホッイイ男登場の予感
支援支援

べ、別に>>1のケツ穴が目当てなわけじゃないんだからね///////
235:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/14(木) 07:33:40 ID:OO/VPONYBA
>>234
狙うなww狙うなら魚頭か左舞にしとけww
ついでに新キャラはまだ出ない
236:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/14(木) 07:42:00 ID:5rB46GWqYU

「僕だけど、その子どもってのは」
 二度言わんくても分かる。
「しかし那由多、お前何時からそこに?」
 すると、ぬr……那由多は「さっきから」と言ってファの方に向き直る。
 しかし、信じにくいな……こいつが変な組織の一員だなんて。
「猫! あんた、何様のつもりなの!?」
 那由多が来ていたことを事前に気づいていたファは、しまっていたネコミミを出す。
 なるほど、猫って呼ぶのは俺と鳴滝以外にもいる。ってことは、こいつも関係者なんだな。
 ネコミミが出ても驚かなかったしな。
237:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/14(木) 07:47:54 ID:5rB46GWqYU

 何のことか分からないという顔をしているファに那由多は、さっきの言葉に補足をした。
「何様のつもりでアンタは、大地にベタベタしてるつもりなの、って聞いてるの!」
 ファは、更に首を捻り、キョトンとする。
 そして、言う。

「何様って……、奥様のつもりですが」

 こうかは ばつぐんだ!
 きゅうしょに 当たった!
238:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/14(木) 07:55:04 ID:OO/VPONYBA

 ファは、更に追い討ちをかける。
「一昨日は胸を触られましたし」
 2HIT!!
「昨日は告白されましたし」
 3HIT!!
「今朝は抱かれて、胸も揉みしだかれました」
 4HIT!! 5HIT!!
 ファは顔を赤らめて体を抱きながらもじもじする。
 那由多は……、膝を着き、何か不吉極まりないことを言っている。
 あ、圧倒的だ……。
「それに私と主人は以前から結ばれる運命にあったのですよ」
 ファは、訳の分からないことまで言ってオーバーキルをしていた。

239:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/15(金) 07:57:56 ID:RZfh4LaCfw

 放課後、帰り道でファがいきなり寄り道をすると言い出して見も知らない所に連行された。
「何でいきなり寄り道なんだ?」
 俺の手をさっきまで無理矢理引っ張っていたファに聞く。
「滝さんに言われたのですよ。学校に行かせる代わりに主人を連れて来い、と」
 俺は、またあの人か、と肩を落とした。
 ファは、そんな俺の様子を見て言う。
「滝さんは頼まれただけみたいでしたよ」
「どう言うことだ?」
「簡単に言うと、組織の中で主人がどんな人か気になるという人が急増しているみたいです」
 つまり、組織に顔を出して、その話題を鎮火させろと。
「まあ、そんなところですかね。それに一番見たがっていたのは那由多さんらしいですし」
 那由多って……あぁ父親の方か。
 しかし、組織のリーダーが問題の中心って……。
240:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/15(金) 08:13:33 ID:RZfh4LaCfw

「着きました。ここです」
 ファが止まったのは、住宅街にはよくある普通の民家だった。
「正直、もっと変な所かと思ってたけど……、普通だな」
 ただ他と違うのは、屋根が趣味の悪さが出ている赤色のグラデーションぐらいだ。
「主人……、こんな所でも私の『身体』が産まれた場所なのですから」
 ファが苦く笑いながら言ってくる。
 普通的な民家の表札を見ると、『カフルス団』という明らかに普通じゃない名前が書いてあった。
241:🎏 名無しさん:2011/7/17(日) 17:45:00 ID:OLmWiSegIE
支援〜
242:🎏 名無しさん:2011/7/17(日) 17:50:56 ID:LMoYg3QaqI
おいおい更新滞ってんじゃないの?

おじさん支援やめちゃうぞ?
243:🎏 :2011/7/17(日) 18:21:35 ID:whVTxekQiU
>>241->>242
すまねぇすまねぇ
土日は色々ていへんなんだ(;´д`)
夜に更新に来たい
244:🎏 :2011/7/17(日) 20:05:51 ID:qcaPIllo26
危ねぇww忘れて寝落ちしかけたww
書いてく( ̄ー ̄)ZE
245:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/17(日) 20:16:02 ID:qcaPIllo26

 ここがファの産まれた場所か。
「もっと研究所みたいなもんだと……」
 言い終わる前に、彼女はもう玄関の戸を堂々と開けていた。
 インターフォンぐらい鳴らそうぜ……。
 民家の中にズカズカと入っていくファに俺は、不法侵入じゃ、とか考えても無駄なことを考えてついていった。
「来ましたよ」
 ファがガラッと引き戸を開けた先には二人の人物がいた。
 片方は、言わずと知れた滝さんこと、鳴滝 健。
 もう片方は、初見である。少女でつり目と腰まで伸ばした髪をつむじ辺りで結んでいる。
 そのポニーテイルの少女は、ファを目にした途端、俺の視界からは消えていた。
246:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/17(日) 20:22:54 ID:Ov.dBYlKDs

「ファ姉〜。会いたかったよ〜!!」
 気がついたら、横にいたはずのファが床に押し倒され、身体をまさぐられていた。
 少女の背中には翼が生えており、忙しなく羽ばたかせている。鷹の羽みたいな色をしている。
「ファ姉、柔らかーい」
「ちょっと!! 風、離れてください!!」
 俺が唖然としていると、鳴滝が「いつものことだから気にするな」と言い、席を勧めてくる。
 まぁ、いつものことなら仕方がないな。
247:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/17(日) 20:35:14 ID:qcaPIllo26

「まぁ簡単に言うとしたら、ウチの組織は地域密着型の組織だから民家の外見をしてる。地下が本部だ」
 地下に作って大丈夫なのか? ガス管とか水道管とか。
「大丈夫だ。正義と悪のお約束ということだから」
 あぁ、そう……。
「そう言えば、なんで地域密着型なんですか? 悪の組織なら、もっと辺境の土地に拠点を持ったり、市民を襲ったりするはずなのに──」
 言い切る前に鳴滝が口を挟んでくる。
「今のご時世、近所の人や市民の皆さんと仲良くしないとやっていけないんだよ。だから仕方がない」
 苦笑してしまう。なんて夢のへったくれも無い現実だ。
「辺境に拠を構えないのはな…………」
 鳴滝は一拍置いて言い放った。
「スーパーやコンビニ等、買い物が出来る所がないからだ!!!!!!!!」
 物凄く現実的な答えだった。
248:🎏 名無しさん:2011/7/17(日) 20:43:44 ID:ep9SWaqGp.
サンレッド思い出した
249:🎏 :2011/7/17(日) 20:49:27 ID:Ov.dBYlKDs
>>248
YESですぜww
前に書いたのが、サンレッドを参考にしたから
今日はこれくらいにするの。
明日は……書けたら、夜に来る(;´ー`)
250:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/19(火) 07:55:37 ID:8bzGHhpvNQ

 正直、夢の欠片も消し飛んだので話題を変える。
 俺は後ろで暴れている二匹の方をチラリ見る。
 どうやらファは、懐に入り込まれ、鷹の少女──タカ子でいいか──を振り払えないどいるようだ。
「あいつらって、どうやって作られたんですか?」
 鳴滝の方に向き直りながら言った。
 鳴滝は目を細めて言う。
「牧野。お前、作ったって言ったよな……」
 俺は肯定したが、鳴滝の声から疑問が伝わってくる。どうして『産んだ』じゃなくて『作った』って言ったんだ、と。
 俺は、鳴滝が二の句を継ぐ前に言った。
「ファが、自分は品種改良のようにして作られた、とか言ってましたから」
 俺は再び少女たちを見ていた。
「主人〜、いい加減助けてください……。滝さんも!! って、風! 何処に手を入れてるのですか!」
 眼福なので、もう少し放っておくことにした。それは、滝さんも一緒なようだ。
251:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/19(火) 08:03:02 ID:8bzGHhpvNQ

「まあ、ファ達のことに関しちゃあ、後で見せるか」
 そう言って、彼は時計を見ながら頭をかく。
「遅いな〜、先輩。もう30分も過ぎてるじゃん」
 時計を見てみる。30分前ということは……4時か。俺らが来たくらいに本当は来る筈だったらしい。
 俺と鳴滝は、若者を見るエロジジイな目でファ達を見ていた。
 しかし、そんな和気あいあいな雰囲気は、激しく戸が開く音で終わりを迎えた。
252:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/19(火) 08:11:11 ID:dmGvMWuEjg

「鳴滝! 馬鹿たちが来たぞ、準備しろ!」
 いきなり居間に入ってきたオッサンが叫ぶ。
 すると、鳴滝はちゃぶ台の傍にあった棚の側面を叩く。それと同時に居間がガクンと動く。
 俺が狼狽していると横から声がかけられた。
「安心してください、主人。単なるエレベーターですよ」
 タカ子を振り切ったらしいファが俺の側にいた。
 こんなエレベーターがあってたまるか。

253:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/19(火) 08:32:15 ID:8bzGHhpvNQ

 ファが俺にべったりしてくるのをタカ子が凄い形相で睨んでくる。
「ねぇ、アンタ。ファ姉の何なの?」
 胸に穴が開きそうなほど睨んでくるタカ子の問いに答えようとしたところに3方向から様々な油が投入される。
「主人で夫です」とファ。
「猫の恋人」と鳴滝。
「あぁ、君がファの……」とオッサン。
 気付けば、みるみるとタカ子の顔が朱に染まる。
 その顔が真っ赤になった途端に目の前に爪が迫り、止まった。
254:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/19(火) 12:21:56 ID:ZBS214iojE

 どうやらタカ子が瞬時に俺の首を取ろうとしてファが阻止したようだ。
「ファ姉、止めてよ。コイツヲ殺ス」
 物騒過ぎる……。まだ逝きたくないです。
「風、調子に乗りすぎです。頭を、冷やしな──っさい!!」
 そして、タカ子が居間のちゃぶ台の上に沈んだ。
 俺は腰が抜けて動けないでいる。
「お、おい……。だ大丈夫なのか?」
 見るからに大丈夫ではないのに聞いてしまう。
「大丈夫です。単に気絶させただけですから」
 微笑みながら返してくるが、どう考えても無理がある。
 気絶させただけでちゃぶ台が昇天するのか。
 ちゃぶ台を見た鳴滝とオッサンは肩をすくめていた。
255:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/20(水) 10:38:14 ID:SgaQdN.34M

「すまないな、ウチのが迷惑かけて」
 オッサンが代表して俺に謝罪をするが、そんな事より腰をどうにかしたい。
「えっと……あなたは?」
 何処かで見たことのあるオッサンなのだが……。
「俺か? 俺は、ここカフルス団のボスを務めている、那由多 労低だ」
 そう言ってオッサンは顎の無精髭を擦る。
 昨日の電話の相手の声にそっくりだ。それに、昼のことを思い出す。
「え!? 那由多のお父さんですか!?」
 思わず叫んでしまった。
「ん? あぁ、千奈のことか? まあ、そうだが……あいつと同じ高校なのか。道理で君のことばかりを……」
 あいつ、俺をどう言ってやがるんだ。
 でも、こっちのことを知っているのなら話しやすいのは確かだ。
256:🎏 :2011/7/20(水) 10:40:32 ID:SgaQdN.34M
多分、今日はここまで
文化祭の台本がキツい……。
腱鞘炎になりそう……

読者の皆、ご愛読大感謝
257:🎏 名無しさん:2011/7/20(水) 14:43:44 ID:krXaA8SDZM
毎朝ちぇっくしてるくらい楽しみにしてますー
( ´∀`)

腱鞘炎かぁ...
体をお大事に!
258:🎏 :2011/7/21(木) 07:45:06 ID:BSWNKwcxU2
>>257
うおー、毎朝か(*´∇`*)
ありがてぇ(・ω・´)
腱鞘炎の心配はもうないぜ。一日で書き終えたからww雑? 知らん、速度ジューシーやww

問題は夏休みで書き貯めどうするか、やわ
259:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/21(木) 07:55:15 ID:BSWNKwcxU2

 ガコンと音を鳴らし、居間が移動を止める。それと同時に戸が開き、人が入ってくる。
「大丈夫、那由多君!?」
 うん、あれだ。特殊加工されたマスクを被ってるんだ。
 いくら悪っぽい組織でも露骨に怪人って人が居るわけがない。
「まあ、何とかってところですね。三毛屋さん、皆は出しましたか?」
 と那由多 父が言う。
 しかし、名前は普通なんだな……外見の割に。
三毛屋さんが居間の惨状と俺の姿を見る。
 諸々面倒臭いことだ、と言った那由多 父は会議室で話すと言って、取り合えずこの場は収まった。
260:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/21(木) 08:02:17 ID:BSWNKwcxU2

 抜けた腰が歩けるようになるぐらいまで回復して、俺とファは会議室へ向かった。
 今、もう一度驚かされたら容易く腰が抜けるだろう。もう腰がキャストオフするのではないだろうか。
 ついでに、那由多父たちはタカ子を背負って先に行ってしまった。ニヤつきながら。
「大丈夫ですか? 歩けますか?」
「ま、まあ、なんとか」
 おぼつかない足取りで会議室の前まで来る。
「ファ・グランツ、入りますよ」
 ファに続いて会議室の中へ入っていった。
261:🎏 名無しさん:2011/7/21(木) 19:08:52 ID:OuZMF61W4s
支援〜
262:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/22(金) 08:44:18 ID:Y5jBiviVB6
>>261
サンクスなのさ
ついに夏休みww
部活やら遊びやらで更新出来なくなる時もあるけど、そこら辺はご了承してほしい(・ω・´)
263:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/22(金) 08:54:52 ID:Y5jBiviVB6

「いらっしゃい、牧野 大地君」
 会議室の奥、何故かひとつだけ豪華な椅子、ボスの席に座った那由多父がいた。
 その左右に鳴滝と三毛屋さんが座っている。
 他の重役は外に出払っているのだろうか、席はその三つしか埋まっていない。
 そんな過疎な部屋の真ん中に──つまり、テーブルの上に──畳が敷かれてタカ子が正座させられているのは、凄くシュールだ。
 ムクれて正座させられているタカ子が少し可愛いと思ったが、ざまぁの方が勝っていて、にやけていた。
 俺とファは席を勧められて座る。丁度、那由多父と対面する。
「上でドンパチしているが、まあ、まず自己紹介からしようか」
264:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/22(金) 09:04:33 ID:UAbliHkc.U

「改めて、カフルス団の長の那由多 労低だ。うちの娘が世話になってる」
 那由多には毎回えらい目に逢わされている、なんて言えるわけもなく、俺は頬を掻いて苦笑いをする。
「俺も改めて、鳴滝 健だ。一応、幹部でもある」
 あ、そう。でっていう。
「僕は三毛屋。今じゃ少ない初期からの面子で、那由多君が高校生の時から知ってるよ」
 かなりの年上ってことは分かったが、怪人みたいな外見でそのしゃべり方は止めて頂きたい。ギャップで心臓に悪い。
265:🎏 名無しさん:2011/7/22(金) 09:05:19 ID:kQTHu4dMzs
厨二的な名前は世界感をだしていいんだろうが、歳をとると区別がつかなくなる。あれ?これだれだっけ?って読み返すことがしばしば私怨
266:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/22(金) 09:09:15 ID:Y5jBiviVB6

「涼風、自己紹介」
 さっきから仏頂面のタカ子に順番が回る。
 ボスの命令であるから従わざるえないタカ子は渋々と口を開く。
「涼風 風」
 スズカゼ フウがタカ子の本名か……。
「……………………………………………………」
 沈黙。
「ってそれだけかよ!!」
 流石にツッコまざるおえなかった。
267:🎏 :2011/7/22(金) 09:12:47 ID:Y5jBiviVB6
>>265
そうか……
荒削りだから分かりにくいと思う
分からなくなったら質問してくらはい
268:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/24(日) 09:59:50 ID:GHiO1Zicv.

 俺の場を弁えないツッコミが功を成したのか、気まずい雰囲気がリセットされる。
 タカ子は一瞬萎縮するが、再び睨んでくる。しかし、そこには先程のような嫌悪感漂うものは出せない様子だ。
 他のメンバーは吹き出していた。
 だが、そんなことは気にしない。俺は続ける。
「お前よりファの方がよっぽどマシな自己紹介したぞ。問題はあったがな」
 今朝のことを思い出す。
 タカ子は、俺に言われたことが不満なのか、顔を真っ赤にしている。
 そのまま来るか、と思い身構えるが、タカ子は羽をばたつかせるだけ。
 あ、固定されてる。
 さっきのことがあったからなのか、タカ子は畳に足を固定されてるいた。
「ざまぁww」
 小さな声が漏れていた。
269:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/24(日) 10:20:47 ID:TkMhD2L1WY

 タカ子を怒鳴ったおかげかスカッとして自分の自己紹介は驚くほどスラスラできた。
 タカ子の目が丸く開かれるのを見て、またざまぁwwって思ってしまう。
「さて、自己紹介も終わったことだから上をどうにかしようか」
 そう言って那由多父は手元のリモコンを操作する。
 スクリーンに映されたのは戦場だった。コマ〇ドーとかラ〇ボーとか居そうな感じの。
「まだ入られていないだけマシか」
 鳴滝は頬杖をつく。
「今回は過激だね〜。皆、周りを守りながらだから不利で辛いね〜」
 三毛屋さんは呑気に言う。
 那由多父は、ファに懇願しようとする。
「ファ、頼まれ──」
「嫌です。主人からは離れません」
 取りつく島もなかったという。
270:🎏 名無しさん:2011/7/24(日) 19:57:17 ID:.58yr6KOBQ
動物耳大好きなので、毎日一回はチェックしてます!
ガンバ!!>>1
そして支援!
271:🎏 :2011/7/25(月) 07:55:55 ID:0PNGbbt2Ac
>>270
あざーすです(・ω・´)
補習の前に書こうと思ったら、教室が開いていない!?
との訳で帰ったら書きます
272:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/25(月) 12:14:45 ID:UAbliHkc.U

「涼風はコレだからな〜」
 那由多父は、タカ子を見てため息をつく。
 そして、俺に目で訴えてくる。
「な、なぁファ」
 俺が彼女に話しかけると、首を傾げながら、「何ですか、主人?」と言ってくる。正直、心が痛い……。
 俺は意を決して言う。
「たのm────」
「イヤです。そんなことをしている間に主人が怪我でもしたら、私はココを壊滅させないと気が済まないです」
 怖ぇよ。怪我でそんなことされたら世界が終わるよ。
273:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/25(月) 12:31:45 ID:Y5jBiviVB6

 しかし、俺は引かない。
「んじゃ、今から何もしないで敵がここに入ってきて、俺に怪我をさせたらどうするんだ?」
 ファは苦い顔をして目を泳がせる。心なしか、尻尾が目の動きと連動しているように見える。
 あと一押し。
「それにココには、お前を鍛えた滝さんや那由多のお父さん…………三毛屋さんもいる」
 俺は、そこで一旦、部屋の中央に目を向ける。
「いざとなったらタk──涼風もいる」
「でもでも! 風が何かしたら!!」
 ここまで来たら、バレバレだ。
 ファは、単に俺の側に居たいだけのように見える。「そうなる前に戻ってきたらいいじゃないか」
 ファが顔を伏せる。
 そう言えば、犬とかは誉められて、ご褒美を貰えれば喜ぶんだっけ。
「ちゃんとアイツ等を追い返したら、……ご褒美をやろう」
 ファは顔を伏せたまま、「本当ですか」と聞いてくる。
「ああ、約束は守る。ただ、殺しはダメだからな。したら、ご褒美は抜きだ」
 俺の言えることは言った。あとは、ファが腰を上げてくれるか、だ。
 ファは、顔を朱に染め、ドアの方へ向かう。
 そして、俺の方に向き直り言う。
「ちゃんとできたら、約束通り、ご褒美下さいね!!」
 ファは、普段は鳴らさない尻尾の鈴を鳴らして、颯爽と走っていった。
274:🎏 :2011/7/25(月) 12:34:57 ID:Y5jBiviVB6
今日はここで一旦切ります。
明日、明後日と和歌山に向かうので、多分来れないと思います。手が空いたら来ます。(・ω・´)
また、全員分のスペック書こかな〜。
275:🎏 名無しさん:2011/7/25(月) 19:59:12 ID:w93D0iAIc2
>>1スリーサイズを忘れんなよ
もちろん>>1のな
276:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/28(木) 20:28:56 ID:/uat8O.W.A
今回はスペック編だze
女性陣、主人公、男性陣を1つにつき、二人ずつ載せるぜ(・ω・´)

1.ファ・グランツ
年齢不明
165p/46s
高一
90/60/82
黒髪ショートで巨乳。猫の時の毛並みは黒
ややタレ目気味
牧野大地を主人と呼び、慕う
尻尾には普段は鳴らない鈴が着いており、嬉しい時には、かなりの頻度で鳴らす

2.那由多 千奈
16才
156p/g……ふべらっ!
高一
71/52/74
ややつり目
肩に髪がかからない程度の右サイドテール
貧……塗り壁
大地とは中学からの腐れ縁。まるでストーカーの様な
277:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/28(木) 20:36:02 ID:PSKJJMPfEc
3.涼風 風
年齢不明
150p/40s
80/55/80
タカ羽、つり目、ポニーテール
ポニーテールは腰まで届く
ファへの溺愛っぷりが半端ではないが、ファはそれを頑なに拒絶する
かなりの速度で飛べる

牧野大地
15才
高一
眼鏡で帰宅部
顔つきは主人公補正がかかる
両親は一週間の旅行中
278:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/28(木) 20:43:20 ID:PSKJJMPfEc
5.那由多 父
本名:那由多 労低
41才
171p/70s
カフルス団のボスを務める傍ら、民間企業の部長も務めている
那由多 千奈の父親
ついでに前作の主人公
(『手下A』参照)
6.三毛屋さん
本名、年齢共に不明
174p(角込み)/?s
何処にでもいる怪人でかなりの顔つき
その割にしゃべり方はオカマっぽく面倒見の良い性格。
カフルス団の初期メンバーで参謀役である
279:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/28(木) 20:48:56 ID:/uat8O.W.A
7.鳴滝 健
26才
182p/71s
カフルス団の幹部
那由多 労低と一緒の会社で労低の後輩
ファや風に色々叩き込んだ教官みたいな人

作者.枕
16才の高二
168p/60s
スリーサイズ? それって男が測るもの?
眼鏡とコンタクトを併用
剣道部に生息
日々、妄想と趣味に全力を注ぐ男
280:🎏 :2011/7/28(木) 20:49:53 ID:PSKJJMPfEc
>>275
俺は測ったことがないから無理だww
281:🎏 名無しさん:2011/7/29(金) 19:55:12 ID:E4ejpxF5Ts
そろそろ更新されるだろうと読みパンツを脱いで二時間経った

夏だし逆に気持ちイイがナニかに目覚める前に投下してくれ
282:🎏 :2011/7/29(金) 20:59:20 ID:vYBhxj/UrU
>>281
すまないwwゲームしてた
つか、もう4時間になりそうだなww
更新しまふ
283:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/7/29(金) 21:08:00 ID:TkMhD2L1WY

 外に出た私は、屋根の上まで跳び、窓から侵入しようとした奴を蹴り落とす。
 そして、下で戦っている皆に怒号を飛ばす。

「いつまで呆けてんの、この愚図どもが!!」

 久々に出した大声で、相手はすくみ、味方は動きが良くなる。
 カフルス団には、こんな防衛戦は日常的にあり、その度に幹部の誰かが怒号を飛ばして味方の動きを良くする。
 良くならなかったら罰が待っているから、皆、怖いのだろう。
284:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/7/29(金) 21:12:49 ID:TkMhD2L1WY

「ファさん! これを」
 屋根に登ってきた戦闘員の一人が私の愛用していた『物』を差し出してくる。
 一瞬、癖で手に取りそうになったが、寸で手を引っ込める。
「いらない。殺さないから、今回は」
 相手の顔を見ずに断って眼下を一瞥する。
 そして、私は屋根を蹴って敵陣に降り立った。
285:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/29(金) 21:21:05 ID:vYBhxj/UrU

「いや〜、相も変わらず強いね、ファちゃんは」
 三毛屋さんが笑う。
「一件落着かな」
 那由多父は、気を早くして嘆息する。
 俺は、スクリーンに映ったファに魅了されていた。
「あいつ、あんなに強いのか……」
 俺のボソッとした呟きに鳴滝が口を挟む。
「力だけの戦い方をしていた奴とは思えんな」
 ファは、一騎当千の活躍をスクリーン越しにしていた。
286:🎏 名無しさん:2011/7/30(土) 18:22:14 ID:LMoYg3QaqI
よしそろそろだよな?

俺は全裸
ムスコ大佐の戦闘準備も完了している


可急的速やかに投稿セヨ
287:🎏 :2011/7/30(土) 19:16:01 ID:8g5.7bmli.
>>286
すまない
今、ランニング中なんす
m(__)m
帰ってシャワー浴びたら投下します
288:🎏 :2011/7/30(土) 19:50:27 ID:1fyU4ys1uc
嘘だ、嘘だと言ってよ!!
バーニィ、書き貯めノートが紛失するなんて嘘だろ、バーニィ!!
そんな訳でアドリブで書いてく(T∧T`)
289:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/30(土) 20:08:30 ID:1fyU4ys1uc

 鳴滝は遠くを見て、感慨深く息をつく。
「アイツは、そこに正座している馬鹿みたく、最初は直感で動いてたんだ」
 俺が何のことかと聞くと、そう言って彼は答えてくれた。
 正座しているタカ子は、スクリーンを凝視し続け、こっちの話は聞こえていないようだ。
 念のため、鳴滝の近くの椅子に座り直す。
「あれ? ファちゃんの勇姿、もっとよく見たいの?」
 そう言って三毛屋さんにからかわれたが、結果として最悪の事態には陥らなかった。
 なぜなら、俺が席に座った途端に、会議室のドアが爆破され、俺の元居た席は謎の男たちに蜂の巣にされたからだ。
290:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/30(土) 20:25:22 ID:t8s32ODA8E

 目の前が暗い、そして、柔らかい。
 俺は、取り合えずソレを目の前から退かすため、柔らかいモノに手をかける。
「ひゃあ、ん……」
「え?」
 押し上げると短い悲鳴と共に、赤面したタカ子が居た。
 手足を拘束されて動けないため、正座の状態で畳ごと爆風で飛ばされたらしい。
「早く手を退けてよ!!」
「あ、あぁ……すまん」
 手を退けると、また目の前が暗くなっていく。
「ば、馬鹿!! そのまま放したら!」
 ムギュ!!
 ファほど無いが、なかなかだな。
291:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/30(土) 20:46:16 ID:t8s32ODA8E

 会議室の隅で、くだらない茶番をしていた俺たちだが、他はそんな場合ではなかった。
「あ、後で……ころ……」
 赤面して不吉な文言を呟いているタカ子を尻目に会議室全体を見る。
 煙が晴れきっていない中で複数のノズルフラッシュが瞬いている。
「那由多 労低! 今日こそ貴様の最後じゃあ、ゴラァ!!」
 銃撃と共にそんな暴言が聞こえる。
 俺は体制を低くして辺りを見回す。
「ねぇ、大地だっけ、あんた?」
 タカ子が声をかけてくる。
「何だ?」
「これの鍵、貰ってきて」
 タカ子は、自分の手足の拘束具を見る。
 近くに俺しか居ないから仕方なくって感じが、ひしひしと伝わってくる。
「分かった。でもさ、涼風……」
「何?」
「服が引っ掛かって動けん……」
292:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/7/30(土) 21:03:12 ID:1fyU4ys1uc

「お、終わりましたよ、主人」
 かなりの惨状の庭に様々な反省点が窺える。
「もう少し、早くできたかも、しれないです」
 殺しをしないというハンデがこんなに厳しいとは思わなかった。
 溜まった疲労のせいで、その場に座り込む。
 制服のスカートが捲れているが、私は気にせず、主人の条件を達成できたことの嬉しさに浸る。
「主人、……やりましたよ……エヘヘ」
 自然に顔がにやけてしまう。
 何をお願いしようか迷ってしまう。
 そんな私一人の妄想空間は、味方のある報告によって打ち砕かれてしまった。
「会議室に敵ですか!?」
 その報告を聞いた瞬間、私は疲れた体に鞭を打ち、走り出した。
293:🎏 名無しさん:2011/7/30(土) 21:47:46 ID:fxTh1psQ8E
どうでもいいかもしれんが

マズルフラッシュでは?


294:🎏 :2011/7/30(土) 21:53:07 ID:1fyU4ys1uc
>>293
Σ(゜д゜;)
 ( ゚Д゚ )
 (*゚Д゚*)ポッ

295:🎏 名無しさん:2011/7/31(日) 06:38:50 ID:fxTh1psQ8E
タカ嬢のおっぱい頂きまつた
ハアハアぺろぺろ


>>294
こっち見…………

ウホッ



296:🎏 :2011/7/31(日) 08:09:57 ID:ROsw1KTm3g
>>295
へ、へんたいだー
べ、別にあんたの方に向いた訳じゃないんだから
照れ隠しなんだからww
297:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/31(日) 08:24:31 ID:ROsw1KTm3g

(鳴滝さん、少しいいですか?)
 俺は、タカ子の拘束具の鍵を持っている鳴滝に小声で声をかける。
(ちょっと待て)
 そう手で制され、斜めにしたテーブルに隠れ続ける。
 煙で薄暗い会議室に相手の怒号と両陣の弾が飛び交う。
 テーブルからチラリと顔を出し、相手を窺う。
 体格が良いのは、2人。ひょろ長いのが1人に、リーダー格らしきデブが薄く見える。
(馬鹿か。頭、パーンするぞ)
 鳴滝に言われ、引っ込む。
(用件は早めに済ませろ)
 鳴滝がかなり格好よく見えて、何故か腑に落ちない感じがした。
298:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/7/31(日) 08:48:21 ID:oapO67xkXk

 鍵も手に入れたし、タカ子の方に戻るか。
 そう思った俺は、煙が晴れていることに気づく。
 不味くないか、これ。下手したら蜂の巣になるじゃんかよ。
 テーブルからタカ子の畳までかなりの距離に見える。
 ひょろ長がタカ子の畳に向かってくのが見えた。
「嬢ちゃん。何してんだ、そんな格好で」
 ひょろ長がそう言いながらタカ子に銃口を突きつけるのが見える。
 形振りを構っている暇なんてなかった。足が勝手に動いて前に進む。
「うおらぁぁ!!」
 体制も何も考えない汚いショルダータックルだ。
 だが、銃口はタカ子から外れる。その口から弾が次々と出てくる。
 地面に倒れる俺とひょろ長。しかし、俺はすぐに動く。
 涼風の拘束具に鍵を差し込む。
 三つ目までがすんなりと外れる。だが、そこで終わる。
「よぉやってくれたなぁ、兄ちゃん」
 ひょろ長に銃口を突きつけられる。後頭部にひんやりとした感覚が走り、全身に広がる。
「嬢ちゃんも何もするなよぉ」
 あぁ、何か格好悪いな。ファに殺すなって言っといて、俺が殺されるって。
 俺は、目を瞑り涼風の最後の拘束具に鍵を差し込む。
 頭を弾が貫くのが脳裏をよぎったが、鍵はすんなりと回った。
299:🎏 名無しさん:2011/7/31(日) 09:27:33 ID:nY.A9E95zg
支援
300:🎏 :2011/7/31(日) 09:29:32 ID:uPjCIkV5NY
>>299
サンクス(*゚д゚*)ポッ
そして300達成
301:🎏 名無しさん:2011/7/31(日) 15:05:07 ID:9ZI2B1cqd6
ファ可愛いよファ
302:🎏 名無しさん:2011/7/31(日) 20:42:02 ID:Y.HQszlQz6
全裸になる

クーラーは寒いので窓を開ける

網戸壊れてるから蚊が大量侵入

ムスコ大佐重症

責任とってよね/////
303:🎏 名無しさん:2011/7/31(日) 23:47:11 ID:9ZI2B1cqd6
>>302
想像して吹いたwwww
304:🎏 :2011/8/1(月) 07:19:51 ID:vSWoMhEip.
>>301
だよね(*´∇`*)
サンクス
>>302
責任? 何ですか、それはww
ムスコにはムヒを塗りなさいww
305:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/1(月) 07:31:54 ID:vSWoMhEip.

 ゆっくり目を開けて振り替える。
「大丈夫ですか、主人?」
 肩を揺らして見るからに疲れている。なのに、満面の笑みを作っているファがいた。
「いや〜本当に不味かったな〜」
 テーブルからのっそりと那由多父が顔を出す。彼が着こなしていたスーツは完全に使い物にならなくなっていた。
 会議室の入り口に目を移すと、さっきまで銃を乱射していた奴等が伸びて、鳴滝たちに連行されていた。
 俺は、『あえて』ひょろ長の方は見なかった。嫌な予感しかしない。
 しかし、ファは満面の笑みを崩し始め、目に涙を貯めていた。
 あぁ、やっぱり……。
「す、すいま……せん。かげんができ、でき、できません……でした」

306:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/1(月) 07:35:54 ID:vSWoMhEip.

 気まずい雰囲気が流れる。
「あ、あー。まあ、二人ともさ。そろそろ家に戻ったら? 明日も学校だろ」
 那由多父の言葉によって俺とファは、鉛のような足を引きずって本部を後にした。

307:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/1(月) 08:15:30 ID:/.s4wskQ2k

 四日目の(ry
 ファが学校に来てしまった。しかも、すぐに俺のことを見つけて寄ってくる始末。
 一番、那由多がうるさかったな(笑
 それと、ファの生まれたって所に行ってきた。那由多のお父さんも居たからびっくりしたよ。
 そこでちょっとした事件があって、ファと少し気まずいことになってしまった。
 本当にハードで疲れる日々を過ごしてるよ。

 結局、帰りは無言で帰った。かなり重かった。
 俺は、手帳を閉じ、決心する。
「明日、また話さないとな。コミュニケーションは大切だしな!!」
 勢いよく立ったせいか机の蛍光灯に頭をぶつけてしまった。
308:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 07:51:27 ID:SHDIumdW9A

 朝は独りだった。
 テーブルの上に書き置きがあり、勿論ファからだった。
『先に行ってます』
 それだけだった。
 他に弁当と冷めきっていない白飯と味噌汁。冷めきっていないということは、出てそんなに経ってない。
「いただきます……」
 俺は、白米を口にする。彼女が炊いたと思えない。いつもならもっと美味しい。でも、今日はしょっぱかった。
309:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:08:16 ID:SHDIumdW9A

「行ってます……」
 そう言って鍵を閉める。
 つい、この前に知り合ったばかりのはずなのに、彼女がいないと……体の何処かを失ったみたいな感じがする。
 いつもより早く出たせいか、教室には誰も居なかった。
「……ん? 制服?」
 制服があった、彼女の席に。でも、何故?
 俺は疑問に思い、制服を手に取る。
 その下に隠すように置いてあったものが露になる。
「……!?」
 流石にこれ以上は危ない。そう感じ元に戻す。

310:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:13:26 ID:SHDIumdW9A

 不意打ちのせいで心臓が早鐘を打っていた。
「ニャー」
 足元に白猫がいた。
「どうしたんだ? 迷子か?」
 猫を持ち上げる。
「変態さんだね」
 目の前から声が聞こえる。聞き覚えのない声だ。
「まさか……」
 目の前の白猫が……。
「その通りですよ、1年の変態くん」
 嘘だろ……、おい。
311:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:22:32 ID:SHDIumdW9A

「着替えるので後ろを向いて」
 優しく言われ、後ろを向く。
しかし、何でファの席に?
 俺は、一度教室を出てクラスを確認する。
『2年A組』
「学年、間違えてた……」
 どうやら、呆けて2階、上の学年に来てしまったようだ。(1年は3階)
「朝から居眠りでもしたの?」
 先程の2年の先輩が教室から顔を出す。
「そのようです。すいません……」
 かなり恥ずかしい。
 先輩は、俺を見て微笑む。
「袖振り合うのも多生の縁って言うし、話しよか」
 そう言って先輩は歩きだした。
312:🎏 名無しさん:2011/8/2(火) 08:26:49 ID:UAXP9HM5/A
新キャラキター

wktkとおっきが止まんねー
313:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:30:30 ID:3COzYhv2RU

 先輩の名前は『猫又 多尾(ネコマタ タビ)』。
 容姿は、ファと対極な感じで、俺の肩ぐらいで髪は完全な白。胸は体型に相応な感じである。
 彼女が、俺のことを1年生と分かったのは、襟の校章のお陰だ。俺の校章には『F』、先輩は『J』の文字が入っている。それで見分けたのだ。
314:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:40:35 ID:SHDIumdW9A

「牧野君ね〜。了解、覚えた」
 自分は帰宅部だから、こんな先輩がいるなんて思いもしなかった。
「牧野君、聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「大丈夫ですけど……、何ですか?」
 そう聞くと、彼女は白いネコミミと尻尾を出す。
「やっぱり」
 頭に疑問符を浮かべる。何をしたいのだろうか。
「牧野君、何で私のコレを見て驚かなかったの?」
「まるで驚いてほしいって言ってるみたいですね」
「そんな訳じゃないけど大抵驚くでしょ、普通」
 そう言い、彼女は嘆息する。
「君は、こっち側の人間なのかい? 妖怪側の」
 妖怪?
「……嘘ぉ!?」
 ファみたいに悪の組織に作られたじゃなくて!?


315:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 08:46:00 ID:3COzYhv2RU

「悪の組織はわからないけど、私みたいな子が近くにいるのね」
「は、はい」
 考えてみろ。猫又 多尾っていかにもな名前じゃないか。
「ってことは、先輩は猫又ですか、妖怪の」
 彼女は両手で丸を作る。
「いや〜、まさか見つかるなんて思わなかったな〜。こんなに早く来る子居なかったし」
 笑ってる。自分の正体バレて笑ってるよ、この人。
 そこに黒い影が落ちてきた。
316:🎏 :2011/8/2(火) 08:47:19 ID:3COzYhv2RU
>>312
昨日、急に思いついたキャラどすww
アドリブだからできることww

317:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/2(火) 23:49:06 ID:YnyQLsU.0Y

「あなた、何者ですか!? 主人に何をしようとしたのですか!?」
 黒猫が間に入ってきた。今度は聞き覚えのある声。
 その黒猫は警戒心を丸出しにし、猫又先輩を睨み付ける。
 しかし、猫又先輩は動じずに微笑む。
「あら、あなたが牧野君の言ってた子? ということは人間もーどにも成れるのね」
「な!?」
 自分の知らない先輩が自分の主人の名前を知っている。そんなことをファは思ったのかもしれない。
「もう一回聞きます!! あなたは何者ですか!?」
「人間もーども見てみたいや。なってくれる」
「は、話を──」
「なって」
「う、ぐ……。わ、分かりました。着替えてきたら、質問に答えてください」
 おぉ、ファが折れた。彼女が折れるのは珍しい。
「あ。でも、やることあるから昼休みに屋上で話そうか」
 マイペースな先輩だなぁ……。
318:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/3(水) 00:00:19 ID:pEgwvaKiTo

 で、昼休み。
「ファ、あのさ。……大丈夫なのか?」
 屋上に行く前に聞いてみた。
 彼女はキョトンとして言う。
「えーと、大丈夫ですが……何ですか?」
「昨日のことだよ、昨日」
「大丈夫ですよ」
 そう言い彼女は笑う。
「私、気持ちの切り替えは早いって言ってましたよね。ですから、大丈夫です」
 そう言えば、そうだった。なんか心配した自分がバカみたいだ。
「なら、何で昨日の夜、一言も口を聞いてくれなかったんだ?」
 思い出しただけで、心が陰る。
「えーと、恥ずかしいのですが、疲労と主人に怒られるのが怖くて、一言も」
 本当に俺がバカみたいだ。まさかの俺に怒られるのが怖かったって……ガキかよ。
 まあ、ファの機嫌も大丈夫みたいだからいいか。
 階段が終わり、屋上のドアに俺は手をかけて回した。
319:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/3(水) 07:35:08 ID:IGLMNTw6mw

 屋上への扉を開けた瞬間、湿気を含んだ空気が肌を駆け抜ける。天気予報で今日は湿気は少ないはずなのだが。
 俺は、湿気をあまり気にせず一歩屋上に踏み込み、足を引く。
「どうしました、主人?」
 後ろでファが心配しているが、そんな場合ではない。足を踏み入れた瞬間、すごい威圧感を感じた。
「やー、やー。すごい、すごい」
 いつの間にか目の前に猫又先輩がいた。
320:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/3(水) 07:56:57 ID:IGLMNTw6mw

「何だったんですか、さっきの」
 俺は、先輩に尋ねる。
 俺たちは屋上に座って弁当を食べていた。しかし、俺は弁当が喉を通らず、汗を浮かべている。
「簡単に言ったら、人払いみたいなもの〜」
 呑気に先輩が言う。
「普通は、踏み入れたらバタン! って感じなんだけどね〜」
 洒落にならん……。
「なんでそんなもの、仕掛けてるのですか!?」
 一足早く食べ終わったファが怒り半分に聞く。
 それを先輩は、単なる好奇心、と言う。これにはファと二人で絶句するしかなかった。
「いや、私を見て驚かなかったから、どんなものかなって思ってさ」
「ふ、ふふ、ふざけないでください! 主人は、私のようなものを見慣れている以外普通で脆弱なお方なんです!! 万が一、お体に何かあったら……」
 ファよ、心配してくれるのは良いが、流石に傷ついたぞ……。
321:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/3(水) 08:09:44 ID:IGLMNTw6mw

「で、朝も聞きましたが、貴女は何者なのですか!?」
 いつもの大人しいファは何処へ行ったのか、今は、かなり頭に来ているらしい。
「まあ、朝に牧野君にも説明したけど……」
 あまり聞いてないですがね。
「簡単に言えば、猫又。妖怪よ」
 ファは、朝の俺と同じ反応をする。
「わ、私みたいな組織で作られたのではなく?」
「えぇ。それにファちゃんからは、私たちに似た匂いがするし……」
 先輩が、もしかしたら、と続ける。
「私たちを真似たのじゃない、ファちゃんの組織の人って」
 なんか、あり得そうで怖い。
 と、ここで昼休み終了のチャイムが鳴る。
「話が聞きたくなったら、また来てね〜」
 そう言って猫又先輩は屋上から去っていった。
 ロクに弁当を食べてない状態で、俺は、授業に出なければいけないことが確定してしまった。
322:🎏 名無しさん:2011/8/3(水) 08:25:51 ID:wk8XPfIg7U
ねこみみとしっぽだけでケモノなんて絶対認めないんだから…!


でも
つCCCCC
323:🎏 :2011/8/3(水) 08:49:40 ID:IGLMNTw6mw
>>322
他にも出てくるよ、羽とか
支援サンクス
324:🎏 :2011/8/3(水) 09:00:46 ID:PQWh2SVNq2
>>322
ついでにネコミミ
ひらがなではなく片仮名だぜww(・ω・´)
325:🎏 322:2011/8/3(水) 09:04:01 ID:wNxURqQaaA
>>324
おぉう…そいつはすまなかった。
でもさ、ねこみみって平仮名のほうが可愛くない?

ネコミミ愛してるぜ!
326:🎏 :2011/8/3(水) 10:37:44 ID:OIUkNEXuPA
>>325
確かにひらがなは可愛くなるよな……
だが、俺はあのファのネコミミはややシャープな感じなんだ。
だから、片仮名の方がいいんじゃないか、と思ったんだ
327:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/4(木) 08:43:20 ID:SHDIumdW9A

 午後は地獄だった。
 腹が減って机に突っ伏すと、ロウソクにチョークを投げつけられるし、隣の左舞からは変なこと言われた。
 極めつけは、那由多に休み時間にボディブロー喰らったことだ。食った飯を吐きそうになった。
 そんで、帰り道。
 行く手を阻む塗り壁を、もとい那由多を撒き、帰途につく。
 そして、家の扉の前に立つ。
 そこで家の中に侵入者がいることに気がついた。
328:🎏 リングテール
◆cuhUrfe.BM:2011/8/4(木) 09:11:14 ID:5zkEImsvYs
ネコ「ファ!ファ!ファ!し・え・ん!!」

イヌ「さっきからファコールが止まらない」

ネコ「俺はドキドキが止まらない」

329:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/4(木) 09:29:06 ID:YiiS9ktafE
>>328
ファ「これは微笑み返した方がいいのですか?」
風「私に頂戴、ファ姉の笑顔!」
ファ「それは嫌です」
330:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/4(木) 09:53:27 ID:zg7w5eH26s

「なんで家の扉が開いてるんだよ……」
 俺は、少しだけ開いた扉の前で固まる。
「ちゃんと鍵は閉めましたか?」
 ファが確認してくるが、愚問だ。
「取り合えず、入るか」
 慎重に家に上がる。荒らされた形跡はなかったが、その代わり人影が2つあった。
 俺はリビングに飛び込み、侵入者の一人を後ろから捕まえた。

331:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/4(木) 09:59:43 ID:YiiS9ktafE

「きゃ!!」
 手に柔らかい感触が伝わる。
 あれ? この大きさは何処かで……。
 リビングの電気が点く。
「あらら、おかえりね。牧野君」
 捕まえた奴の前には、何故か猫又先輩がいた。
 じゃあ、こいつは……。
「いつまで揉んでるの!」
 バサッと目の前に何かが生えてきて飛ばされる。
 幸いファが受け止めてくれた。
「何故、貴女たちが居るのですか、私たちの家に」
 ネコミミを生やした猫又先輩と、羽を生やした涼風が我が家のリビングにいた。
332:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/4(木) 10:10:41 ID:YiiS9ktafE

 話を聞くと、先輩は気まぐれで散歩していたら、かなり挙動不審な涼風が我が家の前でうろうろしていたらしい。声をかけてみたが、狼狽してしどろもどろになりしゃべる涼風に困った先輩は、家の方を見る。
「それで牧野君の家って気がついて侵入したのよ」
「どうしてそうなったんですか……」
 流石にげんなりしかねない。
 どうして侵入することに結び付く。
「んで、涼風は何で俺の家に来たんだ?」
 先輩は色々面倒なので、涼風に振る。
「も、勿論、ファ姉に会いに来たのよ!」
 すると、ファが涼風の後ろに立ち、持ち上げる。
「そんな用事なら、風、帰ってください」
「あ、あぁ〜。勘弁してよ、ファ姉〜」
 何この人外ばっか……。
333:🎏 ナズSS@作者:2011/8/4(木) 10:16:34 ID:wRzyAJiW92
ナズ「べ…別に支援なんか…、……し…支援」

男「これがナズデレというやつか…」
334:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 09:02:58 ID:nbLq2SdwII
さあ恋!!
どんどん恋!!


335:🎏 :2011/8/5(金) 09:09:38 ID:9BBeAkjHQM
>>333
サンクスでし(*´∇`*)
>>334
すいません
今日と明日は、更新は出来ないと思います
文化祭の準備や補習、SS企画とかもありますし……、空いた時間で考えれたら考えます(・ω・`)
336:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/5(金) 14:32:06 ID:kLQdZSsZjo
いろいろお疲れ様です(`・ω・´)シャキーン
更新ゆったり待ってます(*´∀`*)つしえん

337:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/5(金) 23:58:49 ID:LnY6KAI9VQ
>>336
サンクスです
早くに寝たら、こんな時間に起きてしまったww
総合の方にも行きつつ、書いてきましね
338:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 00:11:14 ID:vXN.vmAZBg

「で、結局いつまで居るのですか、二人共」
 ファが頬を引き吊らせながら言う。
「そうね〜、今、牧野君のご両親はいらっしゃらないみたいだし……、泊まっちゃおかな」
 先輩がそう言った途端、
 ベキッ!! と何かが粉砕される音がした。

 俺がファの方に振り向くと、彼女は食器棚から割り箸を取り出した格好のままで、割り箸を握り潰していた。
「で? 風は?」
 これはヤバイ。
 ファの声には、かなりの怒気が含まれていて、矛先が向いていない俺でも萎縮してしまった。
「え、え……と。ほ……本部から……ファ姉の監視を頼まれて……一応、ここにしばらく居ることに──」
 割り箸さんが軽快な音を立てて体を粉砕されてしまった。
339:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 00:23:15 ID:vXN.vmAZBg

 で、結局ファの人格を豹変させてしまう猫又先輩は今晩お泊まり、涼風はしばらく居座ることになった。
「風呂沸きましたよ〜」
 食後、俺がリビングに足を運んだとき、皆がみんな自由にくつろいでいた。
 ファは煮干しを食べ、涼風はそれを観察し、先輩はソファで伸びている。
 そして、各々が俺をスルー。
 あれ? 何これ……。先輩はともかく、ファと涼風は聞こえてたよね。何で振り向きすらしないの?
「あ、お風呂沸いたの? なら、入らせてもらうね」
 そう言って伸びていたはずの先輩は、俺の横をすり抜けようとして、止めた。
「どうしたんですか?」
「お風呂、どこ?」
 ですよね。
340:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 00:51:06 ID:vXN.vmAZBg

 何です、何です、何ですか!? 何で風と猫又先輩が家に泊まることになるのですか!? 主人も甘いです!? 普通、私に告白してくれたなら、もっと私にくっついて下さってもよくないですか!?
「風呂沸きましたよ〜」
 しかし、まだです。主人の部屋に侵入させなければ! まだ挽回のチャンスはあります。
「お風呂、どこ?」
「ですよね」
 私は、頭の中から急に現実に戻り、行動する。
「先輩! こっちです! 風、あなたもついて来なさい!」
「あ、う……」
 先輩と風が私についてくる。
 そうです。私には、この家に関しては一日の長があります! そして、主人とも2、3歩先に行ってます! 焦らなくて大丈夫なのです。
「ここです」
 私は脱衣所の戸を開けて先輩たちを招き入れる。
 一通り説明し終わって、私はリビングに戻ろうとする。
 しかし、先輩に捕まってしまう。
「せっかくだし、3人の仲を深めるってことで」
 私は、主人との仲を深めたいのですが……。
341:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 09:54:48 ID:4/vnVkiiiA
フヒッ
これからムフフッな展開でつねわかります

さあ、準備はできてまつ!!
早く投下してくだぱい!!
342:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 10:11:06 ID:cvftcB8OL2
>>341
すまない
投下予定は夜だww
今日はやることが多いからww
343:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/6(土) 20:31:11 ID:lB/2DiDtXo
今日という1日の最後に更新を!!
願います……願います!!
344:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 21:22:02 ID:3NN9RW.rt.
>>343
更新に来たぜよ
林トモアキさんの作品は笑って時を忘れてしまいそうだww
行け! 鈴蘭ミサイル!!
345:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 21:44:45 ID:3NN9RW.rt.

 私は迫り来る魔の手から逃れられず、服を脱がされ、浴槽に投げ込まれる。
「うぅ、私が風呂嫌いと知っての狼藉ですか……」
 私は大抵、浴槽に入らず、シャワーで済ましている。
「私は好きだけどね、お風呂は」
 猫又先輩は、そう言って浴槽に乱入してくる。
「貴女は、それでも猫……って、何、股の間に入ってくるのですか!?」
「ふっふっふー。そりゃ、女の子同士の裸の付き合いでしょ」
 怪しげに笑いながら、迫ってくる先輩。ほぼ懐に入られているので防御がしようにもできない。
「ファ姉、私も忘れないでね〜」
「うひゃあ!?」
 風が後ろから私の胸を鷲掴みする。
「前がお留守ね、ファちゃ〜ん」
「しまっ!? あぁ!!」
 完全に懐に入り込まれ、抵抗の手段を消される。
 懐に猫又、背後に鷹という絶望感漂う状況に陥ってしまった私は、もはや成す術がなく、彼女たちに弄ばれていた。
「風、あなた、いつまで……あん、ダメ……」
「あぁ、ファ姉のおっぱい大きい〜」
「そうね、どうしたらこんなになるの」
 そう言って先輩は、私の首筋から鎖骨にかけて舐め回す。
「牧野君って本当に恵まれてるわね〜」
「きゃ、何処を舐め……くぅ…………」
 主人〜、助けてください〜。
346:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 21:53:53 ID:3NN9RW.rt.

「風呂場からヤバい声が聞こえる……」
 3人が3人、着替えをリビングに置いたまま風呂場に向かったのに気づき、持ってきたのはいいものの……。
「退散、……した方がいいな」
 風呂場から先輩と涼風の喝采とファの甘い悲鳴が聞こえ、俺が危ない。
 俺は、心の中で助けを求めるファに謝りながら、その場を後にした。
347:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 22:03:24 ID:3NN9RW.rt.

「ひ、酷い目に会いました……」
 パジャマを身に付けたファたちがリビングに入ってくる。
 何故かファのパジャマだけが、かなり着崩れている。そのせいで胸がかなり見える。
「俺も入ってくるわ」
 そう言ってリビングを後にするが、
「お風呂、飲んだらダメだよ」
 先輩が俺に耳打ちをし、俺が盛大にずっこける。
「しませんよ!! そんなこと!!」
 涼風の顔ツヤの良さは何も言うまい……。
348:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/6(土) 22:09:20 ID:3NN9RW.rt.

「あの動物どもが……」
 恐らく、彼女らは浴槽内で暴れたのだろう。
 湯船の水かさが明らかに少ない。それに羽と毛が沢山浮いている。
 俺のことも考えてほしいものだ。
 そう思い、シャワーに手をかける。
「……………………」
 浴槽には、指一本付けてすらいないからな!?
349:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 16:32:13 ID:m3z7YbJwok
支援
350:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/7(日) 18:52:49 ID:hYbZoOIgOM
>>指一本つけてすらいないからな!?
そりゃそうだ。つける前に俺が飲み干したからな。
フヒッフヒヒおいしかったでつ
351:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/7(日) 22:04:32 ID:JKhWg8Krss
>>349
大地「支援ありがとう。いつも、猫たちが暴走してばっかりの話なのにな」
>>350
多尾「変態さんですね」
ファ「猫又先輩、何ですか、その鞭……」
風「何で風呂のお湯を>>350が飲むのよ!?」
ファ「風は黙っててください!」
352:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/7(日) 22:15:32 ID:JKhWg8Krss

「猫又先輩と涼風は、ファと同じ部屋を使って──」
「何でですか、主人!? 私が先程どうなったかはご存知ですよね!?」
 ファが色々騒いでいるが仕方がない。
 今、余っている部屋がファが使っている部屋か倉庫部屋しかない。
 まさか、客人を倉庫部屋に入れる訳にはなるまい。
「って訳だ」
 そう説明しても、まだ不平を言うファ。
「なら、私が主人の──」
 突然、ファの両肩が二本の手に捕まる。
「ファ姉、我が儘言ったら大地に迷惑かけちゃうよ」
「そうそう。牧野君もお疲れだし、素直に聞き分けた方が良いよ〜」
 そして、三人はファの部屋へ消えていく。
「し、主人! 助……」
 助けを求める声は無情にもドアの音にかき消されてしまった。
「すまんな……ファ」
 さて、寝るか。
353:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/7(日) 22:25:13 ID:W1MXYBDB1Q

 5日目(ry
 今日は焦った。
 朝早くからファが居なくて、いつもより早くに家を出た。
 早起きは三問の得……だっけ?
 いつもは関わりのない上級生の教室に入って、綺麗な先輩と知り合いになれた。
 それにファとも仲直りできたし、何より、那由多に絡まれなかった。
 アイツに絡まれたら、無事では済まないからな……。
 それと、朝知り合った先輩とファの知り合いが家に来て急遽、宿泊会になってしまった。ファがかなり弄られて可哀想だったかな。

「あと、二日したら帰ってくるのか……」
 どう説明したらいいのか思い浮かばないな、と思いつつ布団に入って寝る。
 今日は比較的平和だったな…………。
354:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/8(月) 08:53:16 ID:iw48xqbQOY

「なあ、──。僕のこと、どう思ってる?」
 俺は、膝の上にいる黒猫に話しかける。
「ミャー」
「ははは、何言ってるか分からないや」
 そう言って笑う俺。
「大地ー! ちょっといい?」
「待っててね、──。お母さん、なーに?」
 俺は猫を降ろし、母親の元に駆けていく。
 黒猫は、その光景を目に焼き付けるように眺めていた。
355:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/8(月) 09:05:59 ID:iw48xqbQOY

「また夢かー」
 しかし、何回見ても黒猫が出てくる。その割に名前が思い出せない。
「……ん?」
 ベッドの中で何かが蠢いている。
 俺は、勢いよく毛布をはね除ける。
「………………」
 絶句する。
 何でベッドの中に猫二匹と鷹が居るんだよ。
「おい、鷹。頭に乗るな」
 鷹が羽を羽ばたかせ、頭に乗ってくる。爪が痛い。流石、猛禽類。
「じゃなくて! 何でお前ら動物状態で俺のベッドにいる!」
 代表して白猫が口を開く。
「夜這い?」
「少なくてもその姿だけは止めてください、先輩」
 そう言うと、白猫は小首を傾げる。
「牧野君、動物嫌い?」
「違います。ベッドに毛や羽が落ちるからです」
 何故か、残念な気持ちになる。
 ついでに、動物は好きな方である。
「お前は、いつまで俺の頭に乗ってるんだ、涼風!」

356:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/8(月) 09:28:43 ID:iw48xqbQOY

 鷹モードの涼風を引き剥がす時にできた傷を撫でる。何でアイツは俺の頭の上なんか乗ったんだ。
「本来なら私が主人の上に乗るはずだったのですよ。なのに、風は……」
 先輩と涼風が俺の部屋から去っていった後の会話である。
「どっちにしろ重いから」 俺はうんざりした声で言う。
「私、そんなに重いですか!?」
「いや、頭に鷹や猫が乗ったら誰でも重いだろ」
357:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/8(月) 10:47:34 ID:h6rBRWpy92

「先輩の家に?」
 朝食時に猫又先輩が、泊まりに来ない? と提案してきた。
「そう。昨日、夜にばあ様に牧野君のこと話したら、ばあ様興味持っちゃって」
 と言って、先輩は軽く笑う。
「食われたりしない……ですよね」
 失礼だが、一番心配であることだ。
 先輩は、快活に笑い言う。
「そんなこと無いって。まあ、『悪いこと』したら分からないけどさ」
「わ、悪いこと……ですか?」
 先輩がニヤリと嫌な笑顔を作る。
「例えば、……風ちゃんが入ったらいけない所に入ってしまいました」
「え?」
 ファの料理に舌鼓を打っていた風に豆鉄砲が当たる。
「そしたら……?」
 俺は、箸を止めて、息を飲む。
「焼き鳥になって帰ってきます」
 俺は、思いっきり吹き出した。
「す、涼風が、ハハッ焼き鳥に……。ハハハハハ……ヤバイ、想像できねぇ……ヒィヒィ」
「だ、大地! 笑いすぎ! 猫又さんも何言ってるのですか!?」
「ふふふ、単なる例示よ、例示」
「…………」
 ファは、四人で囲んだ食卓で一人だけ笑わず、黙々と朝食を食べていた。
358:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/9(火) 08:50:12 ID:dwO8W3Tfho
人外好きにはタマラン

期待してやんよ


359:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/9(火) 08:58:11 ID:/HJJ1AxBc2
>>358
期待してくれてさんくすww
人ならざるモノには何処か惹かれるよねww
360:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/9(火) 09:08:17 ID:npWdJ6hSpU

 結局、その日は猫又先輩の家に行くことになった。
 そんで昼休み。
「主人、たまには二人で食べましょう……」
 今日のファには何処か覇気が足らない気がする。
「たまにはって言う程日数は経ってないけど……まあ、いいか」
 取り合えず、ここから移動することにし、席を立つ。
「主人、屋上じゃないですが、いいですよね?」
 俺が、まあ大丈夫だろ、と頷いた。すると、彼女は目を輝かせて俺の腕を取る。
 その瞬間、クラスの一部からはうんざりした視線が、クラスの男子からは嫉妬の視線が向けられたことは言うまでもない。
361:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/9(火) 09:29:07 ID:/HJJ1AxBc2

「ここです!!」
 ファに腕を引っ張られ連れられて来たのは、
「中庭?」
「はい、隠れスポットですよ」
 うちの高校には、申し訳程度だが、中庭がある。大抵の学生たちは、狭い、暑い、教室がいいと言って中庭には来たがらない。
「どうして中庭なんだ?」
「夏は大抵、暑くてダメな環境ですが、今日は、風通しが良くて気温も低いからです」
 確かに、最近は梅雨の中休みみたいな感じだし、今日は湿気も珍しく、そこまで高くはない。
「一応、敷物をしてー、フッフフーン♪」
 今のファは、かなりの上機嫌に見える。見ているこっちも楽しくなってくる。
「ささっ、食べましょうよ、主人」
362:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 08:47:07 ID:aoULehLvsc
イ゛ェアアアアア

支援!!
363:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/10(水) 10:46:59 ID:OIUkNEXuPA
>>362
さんくす(・ω・´)
最近、これの着地点をどうしようか悩んでる……
どうしよ(・・;)
364:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/10(水) 12:03:46 ID:lB/2DiDtXo
鬱エンドじゃないなら
@ファとケコーンEND

A今後でてくるのも含めた全ての人外とハーレムEND

B俺と主人公がウホッEND

C俺と枕がウホッEND
365:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/10(水) 14:33:41 ID:Dou9LoAFlQ
>>364
少なくとも3と4はないし、あり得ない
多分、あと作品内時間の7日目が区切り
その後に続けるかは、その時の気分と皆の声による
366:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/10(水) 15:05:24 ID:xHF2NwVH4U

 き、気まずい……。
「どうしたのですか、主人?」
 そう言って彼女は微笑む。その手には箸。そして、自分の手にも箸。
 問題は向いている方向だ。
 俺の箸は弁当に向いている。これは普通だ。
 しかし、ファの箸は、……俺に。これはおかしい。しかも、プルプルしてきている。
「あのさ……」
「早く食べてください。手が、辛いです」
 つまり今の俺は、ファに
「ハイ、あーん」とされているのだ。
 しかし、彼女の箸は、既に彼女の口につけられている。
 ただでさえ恥ずかしいのに、それに加えて……。
「えい」
「んぐ!?」
「隙ありですよ、主人」
 ダメだ。顔が、彼女の顔がまともに見れない……。
367:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/11(木) 07:13:39 ID:gd9NchuwBQ

 ファのアーン攻撃から数時間、つまり放課後。
 家に帰ってきた俺たちは、事前に荷造りしていたカバンと涼風を手に集合場所に赴いていた。
「風、いい加減自分で歩きなさい」
「嫌ー。ファ姉と触れ合いたいから嫌ー」
 俺は、そんなやり取りを目の隅に納めつつ歩く。
「ファ姉〜。飛んでもいい?」
「ダメです。ここは、私たちの縄張りでないのです。それに、普段は人に紛れるように隠しておかないと」
 俺は、そのやり取りを目の隅から追い出し、さらに歩を進める。
「あっ。ファ姉、手を放すなんて反則!!」
「知りません。我が儘な子は放っていきます」
「じゃあ、いいもん」
 風がそう言った瞬間、体が重くなり、背中に柔らかい感触が伝わってきた。
368:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/11(木) 07:25:37 ID:bXJ84TEVX6

「あの〜、何をしていらっしゃるのですか、涼風さん……?」
「おんぶ」
 背中の鷹は、平然と答える。
 ファがダメだから俺? お前は俺のこと、嫌いじゃなかったのですか?
「あと……」
 背中の鷹が言う。
「風でいいよ、呼び方」
「…………は? お前、何か変なものでも拾い食いしたのか?」
「私がそんなことすると思うの!?」
 違うか……。なら、どういう風の吹き回しだろうか。
「主人から離れなさい、風!!」
 あぁ、ついにファの臨界点が……。
「ファ姉が手を繋いでくれないからだよ〜」
 ファからギリッという音が聞こえてくる。
「なら、何で主人の上なんですか!? 貴女、一昨日は主人のこと、あんなに嫌ってたじゃないですか!」
「大地は、これでも命の恩人だしね〜」
 ……それがフラグか。
 こんなやり取りをしている間に集合場所が見えてきた。
369:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/12(金) 06:43:05 ID:IJatnNosH.

 集合場所に着くと、先輩と一人の珍客がいた。
「何よ、文句ある?」
「いや……」
 そんな有無を言わさない目で見られると、言いたいことも言えない。
「猫又先輩から打診か来たのよ。大地も来るからどうって」
 そう、そこに居たのは我らが最終兵器、那由多 千奈だった。
「取り合えず…………、一発殴らせろ!」
「うわっ、あぶねぇ! こっちは人背負ってんだぞ」
「大丈夫。僕、猫と鷹だけは遠慮なしに殴れるから」
 そう言ってにこやかに笑う最終兵器。猫と鷹は、勿論ファと風だろう。
「だ、大地……ゆ、揺れるよ」
 背中で風が何か言っているが、今は、回避に専念しないと…………殺られる。
 そんなこんなで出発できたのが、10分後。俺が名前通り、大地と化してからだった。
370:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/12(金) 07:09:24 ID:7e9yZWCL2.

 主人が気絶してしまったので、私が代わりに先輩の家までのことを話します。
 主人は誰が担ぐのか、という論争を私は、主人を担ぐのは当然私です、と無理を言い押しきりました。
 しかし、主人を背中にとは、かなり美味しいです。無理言って正解でした。
 後ろで約二名がぎゃーすか五月蝿いですが、無視です。
「あぁ最高です……」
 おっと、嬉しさのあまり鼻が……。
「ファちゃん、鼻血出てるよ」
 やはりですか。両手が塞がっているため、猫又先輩に鼻栓をしてもらって先に進みます。
「何処まで行くのですか、先輩?」
 鼻栓をしてもらったついでです。
「ん? そろそろだけど」
「山奥とかではないのですか?」
「まあ、普通は、ね」
 先輩は、そう言って微笑む。
「それでは、先輩の家は特別なのですか?」
「いえす、おふこーす」
 先輩は横文字が苦手みたいですね。さすが、日本の妖怪。
371:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/12(金) 07:32:14 ID:IJatnNosH.

「着いたよー」
 先輩が歩みを止めたその先にあったのは、純和風の一言で言えそうな大屋敷。
「婆さん、帰ってきたよ〜。お客さんも一緒に」
 前言撤回。インターホンがありました。門の木の色と同化していたので分からなかったです。
 先輩がインターホンから離れると同時に、門が独りでに開き、中から着物姿の老女が『浮きながら』薄く微笑みました。
372:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/12(金) 07:57:14 ID:IJatnNosH.

 目が覚めると知らない天井が眼前に広がる。
「何処だ、ここ」
 体を起こそうとするが、
「動けない……」
 何故か指一本も動かせなかった。
「そりゃ〜、俺が動けなくしてるからな」
 声のする方向を見ると、那由多父ぐらいの中年が居た。
「金縛り……ですか?」
「簡単に言ったらな」
 中年は、お嬢に頼まれたからな、と付け足した。
 ということは、ここは先輩の家か。
「ファたちは?」
「他の女の子たちは、……着替えの最中じゃ」
 なるほど、それでこの扱いか……。
「金縛り、解いてくださいよ」
「嫌じゃな。お前さん覗きに行く気じゃろ」
 中年が明らか不機嫌になる。
「違いますよ。目が開いてるのに動けないのが嫌なだけです」
「本当か?」
 何、この扱いの悪さ。これでも客だよね、俺。まさか、餌とかじゃないよね。
373:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/12(金) 12:24:56 ID:VkmpehvOko
大地と化していたにワロタwwwwwwww
374:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/13(土) 08:37:34 ID:7e9yZWCL2.

 中年をなんとか説得し、金縛りを解いてもらってから数分もせずに部屋の戸が叩かれる。
「おう、いいぞ」
 中年は、俺の方を見ず、返事をする。俺も大丈夫だがな。
 戸が開かれた先には、着物を着た女性陣が居た。
「んじゃ、後は頼む」
 そう言って中年は去っていった。
「お疲れさま、牛頭(ゴズ)」
 牛頭と呼ばれた中年は、腕を振って猫又先輩に返事をしていた。
「さて、と」
 先輩は、俺に向き直り言う。
「起きたのなら、婆さんのところに行くわよ」
375:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/13(土) 08:58:45 ID:IJatnNosH.

「婆さん、連れてきたよ」
 そう言って猫又先輩は戸をノックなしで開ける。
「多尾、入るときは戸を叩きなさい。それと当主らしき振る舞いも気を──」
「分かってるって婆さん」
 注意されたが先輩は直そうともせず、お婆さんの隣に座る。
「皆も遠慮せずに座ってねー」
 そんなことを言われても出来るわけがない。それが日本人である。
「座りましょう、主人」
 ファが俺に耳打ちをする。俺は、それに頷き座る。
 俺が座ると後に続いて全員が座った。
 全員が座ったのを見て、お婆さんが口を開く。
「隠しているものをお出しなさい。ここでは遠慮することはないのですから」
 すごく優しい声だった。
 ファと風は隠していた耳や羽とかを出す。ついでに、那由多は懐から拳銃を取り出した。
「何でそんなものを持ってるんだ!?」
 赤の他人の前で思いっきりツッコミを入れてしまった。
376:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/14(日) 11:33:58 ID:fzsYjzQ232
定期age
377:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/15(月) 09:15:55 ID:VkmpehvOko
昨日に続き本日も更新はないのか

だが支援は継続する
378:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/15(月) 10:35:54 ID:eQC/GUMJhU
>>376
定期ageさんくす(*´∇`*)
>>377
すいません
昨日、今日と父親の家で孝行していました(--;)
家に戻ったら更新します
379:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/15(月) 18:14:07 ID:/.s4wskQ2k

「おやおや、これはまた面白いものを。何故持ってこられたのですか?」
 猫又先輩のお婆さんに隠しているものを出せと言われて、ファはネコミミと尻尾、風は羽、そして那由多は拳銃を出した。今は、拳銃のことを問い詰められている。
「私の組織の幹部から言われました。お前の行く所で何が起こるか分からないから、と」
 そんなこと言いそうなのは……。
「一応、その方のお名前を教えてもらえない? もしかしたら知ってるかもしれないですし」
 お婆さんは、ゆっくりと問いかける。
 出てきた答えは、まあ、予想はできていた。
380:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/15(月) 18:29:59 ID:vSWoMhEip.

「鳴滝 健です」
 那由多が予想通りの名前を出す。
「やっぱりあの人か」
「大地、何か言った?」
「何でもない」
 那由多に聞かれ、適当にごまかす俺。こんなところで話は詰まらせない。
「違いましたか……」
 お婆さんが嘆息する。
「黒猫の娘を見て、あの人かと思いましたけど……」
 この人、ファのことを知ってる!?
 俺は思わずファを見る。が、彼女も分かってはいないみたいで首を傾げている。
「どういうこと、婆さ……婆様?」
 猫又先輩が代表して聞く。
 お婆さんは、やや遠くを見ながら言う。
「四年ぐらい前のことでしたか……。多尾、あなたが寝込んだ時の話です」
 ダメだ、俺には付いていけそうにない。
「ある人間がここに訪ねてきました。私の…………でぃーえぬえーを分けてほしい、と言って」
381:🎏 枕[約4年前]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/15(月) 23:44:16 ID:6yFfNLr.bM

「頼みます!!」
「そう言われてもねぇ」
 スーツの男が私の前で床に頭を擦りつける。
「私も頼まれてるのです、少年に!」
 30代後半の男は、声を荒らげ言った。
 だが、私には孫娘の看病や当主としての仕事で忙しい。今回もこの男がどうしてもと懇願してきたからであって、早く孫娘の元に戻りたい。

382:🎏 枕[約4年前]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/15(月) 23:56:32 ID:9n91uD18qo

「なら、貴方。私の孫娘の病を治してくれる?」
 この提案が出たのは、気紛れだ。追い返すのも時間がかかりそうで面倒臭そうだと思った。
「分かりました。看せてもらえますか、孫娘さんを」
 男は立ち上がって言った。
「こっちです」
 どうせ無理だ。私ですら匙を投げたというのに……。ただの人間に出来る訳がない。

 一週間後、孫娘はとても元気に走り回っていた。
383:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/16(火) 08:29:23 ID:PbKLmFTZws

「そんな話でした」
 猫又先輩のお婆さんが語り終える。
 気になることは、やはり……。
「婆様、その男の名は?」
 先輩が誰よりも早く聞く。やはり、自分の命を助けただけあって知りたいのだろう。
 お婆さんが口を開く。
「その男の名は、那由多 労低……変わった名前でしたから覚え易かったですのよ」
 全員に衝撃が走る。
 あの人、何してるんだよ……。
「おとーさんが!? 何日も帰ってこなかった時の謎が解けたよ……」
 どうやら那由多に思い当たる節があるらしい。
「あらあら、那由多さんの娘さんだったの? 通りで似てると……」

384:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/16(火) 08:53:06 ID:PbKLmFTZws

 お婆さんが急に俺の方を見る。
「貴方……、多尾の姿を見ても怖がらなかったみたいですね」
「あ……はい」
 何だ、急に?
「よかったわね、多尾。この子は嘘をついている様子もないですし、決定ね」
 そんな事を言い出すお婆さん。頬を赤らめる猫又先輩。話に付いていけない俺とその他三名。
「ど、どういうことですか?」
 俺の質問にお婆さんは答えず、猫又先輩に返事を促す。
 そして、猫又先輩が重々しく口を開く。
「実は、私を見て怖がらなかった人と結婚するって婆様との約束なの」
385:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/16(火) 13:20:01 ID:dwO8W3Tfho
フラグがビンビンしてっぞ!!

オラの股間のフラグもビn(ry


386:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/17(水) 08:57:26 ID:LRWltMF1pk
>>385
止めしwwその逸物を使い物に出来なくしてやろうかww
387:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/17(水) 09:07:19 ID:LRWltMF1pk

「昔に決めたの、婆様と」
「決められたの間違えでは?」
 そう言ったのは風。考えたら彼女は、両手を上げて万々歳なはずなのに、唖然としている。
「ううん、私から婆様に言ったの」
 あれ? こういうのって勝手に決められるのが普通じゃ……。
「だから……私と結婚して! 牧野君……いや、大地君!!」
 近づいてきた猫又先輩が俺の手を取り言った。
「い、いや……自分は……まだ」
「大丈夫、年月なんかあっという間だから!」
388:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/17(水) 09:17:39 ID:LRWltMF1pk

 ダメだ、今のこの人は何を言っても聞かない。
 俺は、助けを求めるようとファ達の方を向く。
 那由多と風は……口が開いたまま塞がっていないから使い物にならない。
 ファは、俯いて震えている。
 すごく不味い感じがする
389:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/17(水) 14:55:00 ID:vSWoMhEip.

 いきなり戸が開かれる。
「お嬢!! まさか、その萌やしとご結婚なさるのですか!?」
 こんな修羅場直前なギリギリの部屋に油を注いだのは、二人の中年だった。
 片やスキンヘッド、片や角刈りの中年だ。二人とも頬に傷がある。
「牛頭馬頭、何か文句でも?」
 猫又先輩から強い敵意が感じ取れる。
「主人が……もやし?」
 俯いて震えていたファもかなり低い声で言った。
 勇敢にも牛頭と馬頭は反論する。
「そんな人間、何処にでもいます!! そんな愚図よりも相応しいお方は多々います!!」と馬頭は紙束を出して言う。見合いのアレだろうか。
「俺の妖気に当てただけで指一本動かせなかったのですよ!! そんな萌やしにここは任せられないです!」
 すごい言われようだな、俺。
 この部屋は、すでに火種の準備が完了した上で油を撒いてからマッチを擦っているのと同じで、どうなるか分かっているはずだ。
 そう、ドカンと爆発した、二つの爆弾が。
390:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/17(水) 16:06:22 ID:nbLq2SdwII
ふおおお

本日は時間差更新かッ!!

391:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/17(水) 16:36:29 ID:XpS76ehPu2
>>390
単なる気紛れですww
電車の中が暇で仕方がない。なら、SSを書けばいいじゃん的なノリでww
392:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/18(木) 11:02:03 ID:N6hxpfWI.U
不定期支援
393:🎏 :2011/8/18(木) 11:12:31 ID:36QQf22kwg
>>392
さんくすなの(・ω・´)
394:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/18(木) 11:21:52 ID:VFWOe1J26E

 数十分後。
「どうしてこうなった……」
「おい、もやし!! どうした、怖じ気づいたか!?」
「牛頭! 仕方ねぇよwwこいつはもやしだからな」
 屋敷の道場で俺対牛頭馬頭の試合が行われている。
「大地君、そんな中年タッグ、さっさと負かしちゃいなさい!!」
「主人、ファイトです!」
 原因は勿論、白と黒の猫のせいだ。
 仕方がなく、渡された竹刀を中段で構える。
「やっとやる気になったかww」
「なら、俺たちも!!」
 牛頭馬頭コンビの筋肉が変化し、盛り上がる。
 うへぇ、顔が牛と馬だ……。こんなの聞いてないぞ
395:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/19(金) 08:13:22 ID:fwKVdMCAJY

「軽く伸してやるぜw」
 そう言って牛頭が向かってくる。
 牛頭の放った拳が俺の頭を捉えようとする。
 パァンと軽快な音が鳴る。
 よろめいたのは、牛頭。
「てめぇ……」
 牛頭が体勢を立て直し、こちらを睨めつけてくる。
 その様子を見ていた馬頭は、笑っている。
 いける。
 そう俺は確信した。
「まぐれは二回も起きねぇぞ!!」
 そう言って牛頭は、再び拳を振り上げるが遅い。
「たあぁぁ!!」
 拳が顔とすれ違う同時に牛頭の胴部ではなく、脛を狙う。
 牛頭は、さっきより大きくよろめく。
「面!!」
 牛頭が床に沈む。

396:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/19(金) 08:28:38 ID:fwKVdMCAJY

「さすが、大地君!!」
「主人ー、あと一人です!」
「大地、馬なんてあっと言う間に終わらして!」
「…………なんで、腕が鈍らないのか不思議すぎる」

 猫又先輩、ファ、風、那由多の順で声をかけられるが、そんな場合ではない。
 相棒をただのもやしと下卑していた奴に伸されたのだ。かなり警戒している。
「俺は相棒のように油断はしないぜ」
「来るのが逆なら、まず、お前が大地に沈んでたぜ……」
「ほざけ!!」
 キレのいいストレートが飛んでくる。
「!?」
 俺は、それを寸での所で避け、反撃しようとしたが……、
「ぐっ!?」
 土手っ腹に蹴りを入れられ壁まで一直線で飛ばされた。
397:🎏 :2011/8/20(土) 18:55:02 ID:p19766r6o2
>>396
訂正
 相棒をただのもやしと下卑していた奴
   ↓
 相棒がただのもやしと下卑していた奴
398:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/20(土) 19:11:45 ID:uI5pOjwxMQ

「がはははははは。脆いな、もやし!!」
 馬頭の笑い声が頭に響く。
「主人!!」
 ファが悲鳴に近い声を上げ、こっちに向かってくる。しかし、それを制する手があった。
「先輩、退いてください! 主人が!」
「ダメよ。これは、男の戦いよ。無粋な邪魔はしたらダメ」
 少し頭に血が昇る。
「私を……ううん、男のプライドを賭けた戦いよ!!」
 その言葉にファは稲妻に打たれたような顔をする。
「た、確かにそうです。誰が嫁云々以前に主人はバカにされ憤った。つまり、プライドを……」
「そうよ、だから邪魔はしたらダメ」
「分かりました」
 ブチッ。
 頭の中で色々弾け飛んだ気がした。
「なぁにが男の戦いだ!? 何がプライドを賭けた戦いだ!?」
 俺は震える足を大地に突き刺し言う。
「お前らが勝手に仕込んだだけだろが、このオセロ猫コンビが!!」
 俺の様子を見て風と那由多は嘆息。オセロ猫コンビは唖然とする。
「俺の日常は何処に行ったんだよ!? 気がついたら、悪の組織と関わるし、朝早くに学校に行けば妖怪に絡まれるし! しかも、いつの間にか嵌められて妖怪と戦うし!! 俺は、正義のヒーローでも退魔師でもねぇ!! 普通の学生だ!! 不幸だー!!」
 ひとしきり言いたいことを言って息を切らす俺。
 馬頭の目にはどんな風に写っていただろうか。
399:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/20(土) 19:20:46 ID:p19766r6o2

「那由多!! 替えのやつを!!」
 俺の持っていた竹刀はさっきの馬頭の蹴りで粉砕されている。
「大地!」
 そう言って那由多は替えの竹刀を…………
「って危ねぇ!」
 飛んできたのは素振り用の木刀で竹刀に比べたら、かなり重い。
 なんとか受け取ったものの、土手っ腹に喰らった今、キャッチするのはかなりキツかった。
 投げた本人は親指を立てこちらに向けてくる。
 ため息しかでない……。
 俺は馬頭の方に向き、言う。
「…………第2ラウンド、始めるか……」
400:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/22(月) 07:10:34 ID:khD4m4Cf5.

 第2ラウンドはすぐに終わった。馬頭は、土手っ腹を抑えて沈んでいた。
 はしゃいでいる奴らを無視して俺は道場を出る。
 空が憎らしい程青い。
「しゅ、主人ー!!」
 俺は振り向き様に拳を置く。
 オセロの黒はそのまま突っ込んでくる。ジャストミート。ファの鳩尾に綺麗に拳が入り込む。
「かふっ……」
 ファは、いつぞやの俺のように、大地と化した。
401:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/22(月) 07:26:20 ID:khD4m4Cf5.

「ひ、酷いですよ……主人〜」
 涙目になる黒猫。だが、今の俺にはそんなこと関係なしだ。
 この直後に白猫も同じ感じで大地に伏せる。
 そして、説教。
 説教が終わったのは、空が朱から黒に変わり始める頃だった。
402:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/22(月) 09:00:24 ID:DucXgvQV9g
モテるうえにケンカ強くて毎日桃色だとぅ!

くそがあああああああああああああああ

でもファかわえええええ


…ふぅ。

ちょっと俺も大地と化してくる。
403:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/22(月) 23:04:46 ID:9fCeCErm.2
不定期支援

大地は剣道経験者?それとも剣術経験者?
404:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/22(月) 23:09:22 ID:9n91uD18qo
>>402
それが主人公補正

踏んでやろうかww
>>403
一応、剣道経験者
だけど、厨2病になった時に殺陣とか色々調べて、こっそり練習していたらしい
405:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/22(月) 23:15:59 ID:eDhl4PA.B6
1の剣道着見たことある俺は勝ち組C
406:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/23(火) 07:06:59 ID:NiiwNBE2zI
>>405
マジかww
支援さんくす
407:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/23(火) 07:12:17 ID:f5oV5Xna/g

 全員がはしゃいだ夕食から30分経って、俺は風呂に入っていた。単なる浴槽じゃなく、大浴場なのだが。
「それにしても広い……」
 しかも、鹿威しの音まで聞こえてきて本格的だ。
 俺がゆっくり羽を伸ばしていると大浴場の戸が開かれた。
408:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/23(火) 07:46:53 ID:E6cvBTDDD.

 さて、この瞬間、皆さんは女性陣のお姿を想像していらっしゃると思うが、残念ながらその予想は大暴投。
 入ってきたのは、かの中年ズ、牛頭馬頭だった。
「ヒック……。お、もやしじゃんか」
「おぉ、本当らねぇか……うぇっぷ」
 二人とも笑ってはいるが……、酒臭い!! 馬頭なんか呂律回ってないし!

「は、ははは……、牛頭馬頭さんじゃないですか」
 俺は苦笑しながら、返事をする。
「いやぁ、お前さんのことは見直したぜ〜」
「そうら、そうら。なんれあんな力をもっれるんだ〜?」
 ダメだ……。牛頭はともかく、馬頭の言葉が分からない……。
 って待てよ。酔ってる時に風呂に入ったら!?
 俺が思い出した時には、牛頭馬頭は水面に浮いていた。
409:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/23(火) 07:56:21 ID:E6cvBTDDD.

 牛頭馬頭が浮いた後に来た女性陣に説明するのがとにかく大変だった。
 水面に浮く中年×2、その二人を伸したことのある少年。俺でも違う意味で状況を取れてしまう。
 まあ、なんとか誤解は解けたから良いものの……。
 そして、俺が危惧していた就寝時間がやってくる。
410:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/23(火) 19:02:33 ID:fzsYjzQ232
ムフフッな展開だな
三十路のオジサンでもわかっちゃうゾ


ゴソゴソ


よぅし
パンツ脱いだ
411:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/24(水) 00:33:20 ID:11mRuqWoIM
↑奇遇ですな


人生これから20代の俺もパンツ脱いだ
412:🎏 :2011/8/24(水) 06:56:53 ID:q6SaulBtrg

すまんな、寝落ちしてたわ

ムフフな展開は今後の彼らの状態で有無が変わる
413:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/24(水) 07:18:03 ID:XjaF0K1UM6

 主人が宴会気味な酔いの牛頭馬頭を浴場から連れ出してから少し経って、猫又先輩が大変な事を発表しました。
「今日は私たち四人と大地君でまとめて寝ます」
 風呂場から上がる絶叫。主人に怪しまれても仕方がないです。
「そ、それってそい……ぜ、ぜぜゼコ寝!?」
「千奈、声が裏返って動揺してるのがまる分かりですよ」
「うっさいわね、ファ!! あんたはどうなのよ!?」
 千奈の質問に私は顔が赤くなってしまいます。
「添い寝ぐらいはしたことがありますよ……」
 そう呟いた瞬間、先輩と千奈があり得ない速さで詰め寄ってきて、内心かなり肝を冷やしましたよ。
「アンタねぇ!! アンタのは添い寝じゃなく夜這い! よ・ば・い、なのよ!」
「千奈ちゃん、そんなに近くで脅したらダメよ」
 先輩が嫌な顔をする。
 この笑みは、ま……不味い。
「風!」
 とっさに風を呼び、彼女の方へ向くと……、
「………………はふぅ」
 頭の中が伺い知れるぐらいの間抜け面がありましたよ、はい。
 結局、私は二度目の悲鳴を上げることになりました。
414:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/24(水) 08:00:41 ID:XjaF0K1UM6

 就寝前、俺たちはやや大きめの部屋に案内された。
 これで思い浮かぶのが…………ゼコ寝。
「俺、一人部屋が──」
「却下です」
「却下ね」
「却下!」
「……はふぅ」
 一人ダメな奴が居たが、他の三人から却下を喰らってしまった。
「なら、俺は一番端な」
 そう言った瞬間、ただでさえ険しかった三人の目は、更に険しくなる。
 何か地雷踏んだか、俺?
 爆発しそうな緊張感の中、部屋の襖が叩かれる。
「は、はい。どうぞ。」
 俺が返事をすると襖が開いた。そこに居たのは、この家の家政婦さんだった。
「当主様が牧野様をお呼びです」
 お婆さんが俺に?
 俺は、取り合えず腰を上げて家政婦さんに付いていくことにした。
415:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/24(水) 08:20:41 ID:XjaF0K1UM6

 無言で進む家政婦さんの後を歩いて数分、やっとお婆さんの部屋に着いたらしい。
「どうぞ」
 家政婦さんが襖を開け、入れと目で促してくる。
 俺は緊張した面持ちで部屋に入る。
 そこには一人の若い猫又の女性が着物を着崩して座っていた。
「ようこそ、牧野大地」
 とてもおっとりした口調なのに芯がしっかりした声だ。でも、聞いたことがあるような声だな。
 俺は目を逸らしながら思考する。
 それを見かねてか、猫又の女性はこっちに来いと、手招きする。
 その際に見えた脇にやや惹かれたことは黙っておこう。

416:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/24(水) 15:53:15 ID:nbLq2SdwII
ハヤクシロヨサムイダロ
417:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/24(水) 15:57:10 ID:kT/onBangw
雑魚寝(ざこね)じゃないの?
418:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/24(水) 16:30:13 ID:gd9NchuwBQ
>>416
また明日……かな?
>>417
なん……だと……
調べてきたら、本当に雑魚寝だったー!!
思い込みが多いな、俺(--;)
419:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/25(木) 07:22:21 ID:ph9VJTnbnU

 俺は…………今、ピンチだ。
 何故かって?
 そりゃ勿論……
「貴方は本当に美味しそう……」
 目の前の謎の猫又美女に押し倒されているからとしか言いようがない。
 猫又美女が俺の胸に沈む。
 まず、疑問が思い浮かび、次にくすぐったい感覚がやってくる。
「うひゃあ!!」
 やば……変な声が……。
「気持ち良かったのですか? なら……」
 猫又美女が俺の胸に、首に、いつの間にか脱がされて脇まで舐められた。
「いい加減にしてください!」
 そう言って猫又美女を突き放す。
「貴女は何者なんですか!?」
 目の前の彼女は、妖艶に微笑んだだけだった。
420:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/25(木) 07:58:41 ID:ph9VJTnbnU

 主人が寝室から退場して数分後……戦いの火蓋が切られました。
 勝負の内容は至ってシンプル。
 枕投げ。
 ですが、自分で言うのもなんですか、ここは人外魔境。単なる枕が普段ではあり得ない飛び交います。
 そして、最終的に立っていた者の勝ちです。
 猫又先輩が言うには、主人はしばらく戻ってこれないらしく、気兼ねなくできます。
 主人の隣を賭けた一戦、敗けるわけにはいきません!!
421:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/26(金) 07:14:00 ID:Cm7ipRKnhY

 全員が枕を構え、スタンバイする。
 猫又先輩の目覚ましが開戦の合図を告げる。
「「「「っ!?」」」」
 全員が全員、枕を右に投げる。
 まさか、全員が同じ思考だったのですか!?
 私は、すぐに左から来る枕を受け止めようと構えましたが、身の危険を感じて右に横っ飛び。その直後に私の顔があった所には白い物体が通り過ぎていました。
 すぐに周りを見渡すと、風が他の二人を沈めていました。
422:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/26(金) 07:29:23 ID:Cm7ipRKnhY

「風、あなた……まさか」
 風は自慢気に胸を張りましたが、かなり頭に来ました。
 速さしか能がないと思ってましたが、少しは頭を働かせてるようです。
 誰よりも早く枕を手に入れ、全員の顔に高速でぶつける。簡単なように見えて速い風にしかできない技ですか……。
「弾には重さが無いなら直接ぶつけに行けばいいってことよ、ファ姉」
 不敵に笑ったその顔をぶん殴ってやりたいのですが、今は枕投げ。我慢しましょう。
423:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/27(土) 17:25:39 ID:5.mRO.Syjs
続きまだ〜( ´∀`)ハハハ
424:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/27(土) 20:13:15 ID:dwO8W3Tfho
枕投げのシーンの枕を>>1に変換して激昂する俺ガイル
425:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/27(土) 20:28:46 ID:wjy5tpIzt.
今日は関大に行ってきてクタクタですたい(´-ω-`)

すいませんが、明日の夜辺りに再開します
気まぐれで予定変更もあり得るので悪しからず
426:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/27(土) 20:31:06 ID:.ReIhUgXv.
関大!
僕も第一志望です!
お互い頑張りましょう!
427:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/28(日) 20:52:37 ID:fzsYjzQ232
定期支援ッ下ろし方よろしツ!!

下ろし方始めェ!!

投下!!投下!!


428:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/8/28(日) 21:26:29 ID:tsGeUYJJo2

「邪魔な二人を落としてくれたのは感謝します、風」
 睨み合ったまま言う。
 先に動いたら殺られる、と感覚が言っている。だが、そんなことをしていたら主人が戻ってきてしまう。
 早めに終わらせて布団を直さないと……。
 その瞬間、視界から風が消える。
 とっさの判断で腕をクロスさせる。
(顎さえ守れば……!)
 しかし、腕には衝撃は伝わらず後頭部にモフッとした感触が襲い、私の意識はそこで途切れた。
429:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/28(日) 21:39:30 ID:tsGeUYJJo2

 ヤバいヤバいヤバい。これは流石に、ズボンは流石にダメだろ!!
 今の俺は、とにかくされるがままだった。体を舐められ、押し倒され、ズボンに手をかけられている。
「や、止めてくれ。それは流石に無理だ!」
「ふふふ……。よいではないですか。私だって出来上がってしまっているのです。ですから、静めてもらうまで相手をしてもらわないと」
 ダメだ。逃げなくては……。
 そうだ!
「お、おお俺!! 猫又先輩のお婆さんに呼ばれてるんです!! ですから、行かないと……!」
 どうにか立ち上がろうとするが、ズボンを掴まれて座り直される。
 猫又美女は再び妖艶に微笑み言う。
「私が、そのお婆さんですよ」
 え? (゚Д゚ )
 え? (゚Д゚)
430:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/28(日) 22:41:25 ID:8Pfi2vLbf2

「ど、どどどどういうことですか!? 貴女がお婆さん!? どう見たってピチピチのお姉さんじゃないですか!?」
 明らかに狼狽してしまう俺。
「簡単に言ったら体の年齢を変化させているだけですよ」
 妖艶に、ではなく優しく微笑むお婆さん(?)
「しかし、なんで急にあんなことを?」
 俺が聞くと、お婆さんは微笑んで言う。
「気まぐれですよ」
 俺は、すっと立ち上がり部屋から逃げ出した。
 気まぐれで食われて堪るか!!
 俺が去った後、お婆さんは牛頭馬頭を呼んで言った。
「久しぶりに相手をしてもらえないでしょうか」
 勿論、俺は知らない。
431:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/28(日) 22:51:26 ID:fzsYjzQ232
ま、まさかの……

どえらい……いやどえろい展開に……?
432:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/29(月) 07:06:04 ID:hEcHMO6tOA
>>431
残念だが、お婆さんのエロい話は書かない
自分で妄想してくれ
433:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/29(月) 07:12:33 ID:yKS4UNZEOw

 俺は、広い屋敷をややさ迷いつつ、何とか寝室に辿り着いた。
「ただいまー、……って皆寝てるのかよ」
 晩飯の時にあれだけ騒いでたしなぁ。
 俺は皆を起こさないように自分の布団に向かう。
 そうだ、報告書かないとな。

434:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/29(月) 08:10:55 ID:hEcHMO6tOA

 6日目の報告
 今日は、昨日会った先輩の家に泊まりに行った。
 最初、ファは不機嫌だったけど途中から元に戻ってくれて良かったんだが、そのせいでゴタゴタに巻き込まれたよ。
 先輩も先輩でいきなり結婚してとか言い出すし、そのせいで家の人と悶着があったし……。
 おば……このことは書かないでおこう。
 ようやく、明日帰ってくるんだよね。
 この一週間がかなり充実していて大変だったよ。
 帰ってきたら、色々話しながら彼女たちを紹介したいな。
435:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/29(月) 14:26:36 ID:Z9e7QRkYb2

「ふー」
 月明かりが差し込む部屋で俺は布団に倒れ込む。
「むぎゅ……」
 何か居る。間違えたのかと思ったが、端の、俺の布団だ。
 無言で布団を剥ぎ取る。
「おい……何で居る」
 そこに居たのは、風だった。
「ね、寝相が悪いから」
「嘘をつくな。そんなに悪いなら布団が捲れ上がってるだろ」
 口笛を吹き出す風。白々しすぎる。
 彼女はゆっくりと起き上がり俺の方を見る。
「あ、あのさ大地。散歩行かない?」
「なんでまた……」
「さ、さっきの大地ののし掛かりで目が覚めたから」
「それは俺の布団に入っていたお前が悪い」
 困った顔をされても俺は動じず切り返す。
 ついでに月明かりのお陰で多少だが風の表情は分かっている。
 寝たいのだが、風が布団の真ん中を占拠しているために、布団に入れない。
 どうしようか考えていると、風が急に俺へと詰め寄ってきて言う。
「お、お願い! 少しでいいから……」
 俺は渋々と承諾せざる負えなかった。
436:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/30(火) 05:19:01 ID:yEfpPMRUeM
相変わらずに子冤(^3^)/
437:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/30(火) 07:08:01 ID:AjcjljNXrA
>>436
さんくすなの
六日目はあと少し続きます

438:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/30(火) 07:08:55 ID:kUBOWIuGu.
支援
439:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/30(火) 07:14:28 ID:SHDIumdW9A
>>438
さんくすだぜ(・ω・´)
最近、水術師の方が止まってしまっているが、許してください
ある程度落ち着いたら再開します
440:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/30(火) 07:51:37 ID:3COzYhv2RU

「つ、月が綺麗だね……」
「まあ、朧月も良いかもな」
 風に散歩へと連行されたが、さっきからこのような会話で後が続かない。
「「………………」」
 き、気まずい。
「あのさ、風」
「な、ななななな何!?」
 俺は、何故か動揺している風の顔を見て言う。
「お前、顔赤いぞ。酒でも飲んだのか?」
「………………え?」
 風は、頭に疑問符を浮かべるみたいだ。
 仕方がない、もう一回言うか。
「いや、だからお前、酒飲んでるだろ」
 明らかにしょんぼりする風。
 あれ、顔の赤みが取れていく。酔ってないのか?
「……だよね。大地だからね…………」
「失礼だな、おい」
 そろそろ午前2時を過ぎる頃か。
 携帯で時間を確認した俺は、踵を返して部屋に帰ろうとする。
「待って!」
 俺は腕を掴まれて強制的に振り向かされる。
 そこにあったのは朧月と鷹の羽、そして風の顔だった。
 だが、月と羽はすぐに見えなくなった。
 その代わりに柔らかい感触が唇に伝わってきた。
441:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/30(火) 14:38:08 ID:o1cUwXgYPs
ハァ〜〜〜〜(_´Д`)〜〜〜〜〜〜〜ンンンン!

ファちゃ〜ん主人がリア充ですよ〜!鉄拳制裁お願いします〜www
442:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/30(火) 20:19:29 ID:VkmpehvOko
クソッ
いきなりリア充のなまか入りかYO


べ、別に泣いてなんかないんだYO!!

443:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 07:10:14 ID:IGLMNTw6mw
>>441
ファ姉は就寝中です
>>442
大丈夫だ。
お前にも何時かは、そんな時期が来るさ(・ω・´)
444:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 07:28:23 ID:gHaraPQwDs

「っ!?」
 息が止まる。
 俺が驚愕している内に口の中を柔らかいモノが蹂躙していく。
 ちょっとして朧月が顔を出す。
「お、お前!」
 驚きすぎて語彙が貧弱になる。
「何でいきなり、き……」
 頭の中がぐちゃぐちゃになり、何を言いたいのかが分からなくなる。
 俺がしどろもどろしていると、風が口を開く。
「いきなりだけどね、私と付き合っ……て……ください」
「は?」
 な、ななななな何言ってるのですか、この人は?
 貴女様は、つい先日まで俺のこと毛嫌いしてましたよね?
「どうしてこうなった」
「どうしてかって?」
 おっと、つい本音が出てしまった。

445:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 07:43:09 ID:IGLMNTw6mw

「どうして大地を好きになったのかってのは、やっぱり、あの助けてくれた時かな……」
 カフルス団に行った時のアレか。
「俺に手を出そうとして畳に正座で拘束されてたやつか……」
「うん……。それで今日の牛頭馬頭と戦った時に告白しようって決めたの」
 まさか、そんなのがフラグだったとは…………。
「返事は?」
 どうやら彼女は返答を期待しているようだ。
 俺は、やや迷ってから口を開く。
「俺……今は、リスの尻尾をモフモフしたいんだ」
「はぁ?」
 風が訳の分からないという顔をする。まあ、俺も分からん。
「いやぁ、最近な。ハマってるゲームがあってさー。その中のリスっ娘がかわいいなぁ……なんてぶぅ!!」
 見事な右回し蹴りでした……。
446:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 07:53:46 ID:IGLMNTw6mw

 目が覚めたら、そこは布団の中だった。頭から布団をかけられているらしく、暗いし、息苦しい。
 そして、重い。
 なんとか起き上がった俺は、部屋の状況を見る。
 皆は布団の中に、居ない。
 俺は視線を自分の布団に向ける。
「「「「…………zzz」」」」
 女性陣4人が全員、俺の布団にもたれかかって寝ていた。
 俺は、嘆息しながら窓の外を見る。
「憎いほどの晴れだな」
 そう言った瞬間、部屋の戸がかなりの速度で開かれ、
「お嬢様方、早く準備を…………すいませんでした」
 ゆっくり閉じていった。
 在らぬ誤解がまた1つできてしまった。
447:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/31(水) 18:21:30 ID:20hoZjH8FE
ファちゃ〜んおきて〜www愛してるよ〜ww
448:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 20:00:15 ID:V5Rn3F/IBg
>>447
多尾「えっと、110って知ってるかな?ww」

風「そんなことしなくても私が>>447をバラバラにします」

千奈「止めなさい」ハァ

ファ「…………ムニャムニャ」
449:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/8/31(水) 20:25:11 ID:dmMeQbLclQ

「ヤバい!!」
 俺は壁にあった時計を見て叫ぶ。
「どうしたの、大地君。今日は創立記念日だけど」
 事情を知らない三人と呑気に寝ている黒猫わ傍目に急いで着替える俺。
「今日、父さんと母さんが帰ってくるんですよ!!」
 手際良く荷物をまとめて帰る準備をする。
「おい、ファ起きろ! お前のこととか色々説明するんだから」
 黒猫は、いくら揺すっても起きる気配はない。
 呆れた俺はボケッとしている三人にも同じことを言う。
 弾かれたように準備を始める三人。
 ムクリと起きるファ。
 時計の短針は既に左から上に登り始めていた。
 父さん達が帰ってくるまで、あと約三時間ってところか……。
450:🎏 名無しさん@読者の声:2011/8/31(水) 21:41:00 ID:tttHQoe6sg
じ、時間差更新だとッ!?

支援遅れをとるなッ!!
451:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/1(木) 07:05:37 ID:/W08sWJM1I
>>450
暇になったら書いてしまうんだ
許してヒヤシンス
452:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/1(木) 07:16:07 ID:55nATxUWV6

 ダッシュで家に戻って30分。俺は急いでいた。
「ファは飯の準備! その他はリビング、風呂場、廊下を掃除して!」
「主人、どんなものをすれば……」
「取り合えず適当に!」
 そう指示を飛ばし、自分のモノを部屋に持ち帰る俺。
「大地ー。お風呂場の洗剤切れてるー!」
「確か棚の中にあるー!」 焦っているせいか声が大きくなってしまう。
 那由多がまだ下で唸っている。俺は全速力で一階に降りる。
「大地、棚ってどれなの」
 俺は脱衣所の棚の上を指す。
 そして、急いで他の場所を見に行った。
453:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/1(木) 07:40:17 ID:/W08sWJM1I

「お、終わった……」
 テーブルにへたりこみ、息を漏らす。
 俺の部屋は置いておいて、一階は完璧に綺麗だ。流石は女子とでも言うべきか。
 時刻は、11時半。もうそろそろ帰ってくるはずの時間だ。
「大地君のご両親ってどんな人なの?」
「楽しい人よ」
 先輩の質問にサッと答えたのは那由多。すごいドヤ顔をしている。
「まあ、見てて退屈はしないですね。近くにいるとアレですが……。あと、変なことにも慣れてますよ」
「変なこと、ですか?」
 ファが首を傾げて聞いてくる。
「まあ、この一週間のことも話せば驚かずに聞いてくれると思うしな」
 思わず苦笑してしまう。
 そんなこんなで話をしていたのはいいが、時計の短針はいつの間にか1を指していた。
「遅い……」
 父さん達が帰ってこないお陰で全員の腹の虫が大合唱をしている。
 そんな中で俺の携帯に一本の電話がかかってきた。
454:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/1(木) 08:05:23 ID:/W08sWJM1I

『あ、大地? ハロロ〜ン、元気……なのは聞かなくても大丈夫かな』
 相変わらずの高いテンションだな、母親よ。
「ハロロ〜ン、じゃねぇよ母さん。今、何処なんだよ。予定はとうに過ぎてるんだけど……」
『それなんだけどさー』
 母さんはバツの悪そうに喋る。
『急にこっちで仕事貰っちゃったからしばらく戻れないや』
 携帯から聞こえる笑い声。俺はそれに対して状況が掴めない。
「ドウイウコトデスカ、オカアサマ?」
『だから〜、仕事貰っちゃったからしばらくは、そっちに戻れないってこと。あっはっはっはっ』
「それじゃ、いつ戻ってくるんだよ」
『ちょっと待ってね』
 そう言って母親は、後ろに居るであろう父親に予定を聞いて、戻ってくる。
『少なくとも夏休みは無理かな〜。上手くことが運んだら9月には帰れるけど、下手したら新年に戻ってこれるか分からないな〜』
 はい? それはこの面子と少なくとも夏休みは過ごせと?
『仕送りとかはするから安心してね。日記は、まあ……もういいや。面倒でしょ? んじゃ、頑張ってね〜。バイバ〜イ』
 そして、一方的に切られる。
「えっとお母さんは何て言ってましたか?」
 恐る恐るファが聞いてくる。それに俺は嘆息しながら答える。
「少なくとも9月までは帰ってこないそうだ、ご両親様たちは……」
 俺はゆっくり席を立ち、頭を抱え叫ぶ。

「う、嘘だろーーー!!??」

 こうして六月の中頃は過ぎていく。
455:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/1(木) 08:11:40 ID:55nATxUWV6
あー、どうでしたでしょうか?
終わりって言えば終わりです。
一応、アンケート取ります。

Q1.面白かった?
1.満足したぜ
2.もっとサービスしてくれても良かったんだがw
3.満足できなかった……

Q2.この先どうしよう?
1.ファの過去編
2.夏休み編
3.保管娘へ
4.消せよww

Q3.一番好きなキャラは?

終わり(・ω・´)
水術師の方もそろそろ復活します(・ω・´)
456:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/1(木) 11:31:55 ID:Zf4HK0pmwo
Q1:2
Q2:2

まだまだ続けるのだぁ!
457:🎏 シャオメイの人:2011/9/1(木) 12:22:49 ID:Wzk1LGrtCA
Q1…2
Q2…2
Q3…ファ・グランツ

>>1乙!!!!
458:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/1(木) 12:51:23 ID:wQ08J0KhCs
のだな♪
もっと…もっと萌えをよこせ〜wwwwwwプギャー
459:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/1(木) 13:35:02 ID:GQ.4KR8dJ6
Q1:@
Q2:なんかいろいろ中途半端な希ガスなのでA
Q3:ファに決まってんだろぉぉぉ


460:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/1(木) 19:41:06 ID:RXzqRISjrs
問1 A
問2 A
問3 ファ一択!


>>458
それは絵文字使ってないかい?
461:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/2(金) 04:20:53 ID:iXguee2VbA
んにゃ使ってないよん??

なんか変??
σ(^_^;)?
462:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/2(金) 07:06:25 ID:iizISMs7sQ
ちょww2が多いww
んじゃ、夏休み編は少ししたら書き始めます
現実はもう終わってるけどねww

463:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/2(金) 20:44:42 ID:4R3BDj7Zn.
 休憩で小話

千奈「やっぱりアンタが人気ね」

ファ「当たり前です。私はメインヒロインですから」エッヘン

多尾「私たちは後半からだったしねー」ムスッ

風「でも、私にはアドバンテージがあるよ」ニヤッ

ファ「聞き捨てならないですね、風。どんなアドバンテージなんですか?」

ファ「ちょっとやそっとのアドバンテージなんかモノともしませんよ。なんたって添い寝していますからね、私は主人に」ドヤッ

千奈「だーかーらー、アンタは夜這いでしょ!!」

多尾「でも、気になるわね。私たちより先に行ってるって」

ファ「さぁ、吐きなさい、風」ズイッ

風「大地とキスした」シレッ

三人『……なっ!?』

風「大地もファーストみたいだったなー」ポー

ファ「う、嘘……」グラッ

ファ「キ、キスなんて高等な技を先に?」ドサッ

千奈「ちょっと、ファ!?」
多尾「あらあら、よほどのショックみたいね」ジーッ

風「フフフ……」ポエー
464:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/3(土) 06:56:44 ID:uUSCKAB2Do
風かわええよ〜(;´д`)ハァハァ風たん(;´д`)ハァハァハァハァいいよッいいよ〜(;´д`)ハァハァハァハァ
465:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/3(土) 10:06:12 ID:SreLzOfR6w
>>464
おいこら絵文字
466:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/3(土) 12:50:05 ID:pADSXJwjhg
えっ絵文字はいってた??ごめんm(_ _)m
467:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/3(土) 13:22:37 ID:xQOFpziQKw
>>458
2を□で囲ってるやつ
>>464
いいよといいよの間

ちょっと気になったので…
468:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/3(土) 13:56:34 ID:xL/FyBbn.2
うわっまじだ!!
ごめんm(_ _)m
全く気付かなかった!

469:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/5(月) 07:07:56 ID:fSgxHAMyE.

 暑い。今はその一言に尽きる。
 時期は夏真っ盛り。ファと出会って1ヶ月経ち、学生の楽しみである夏休みが明日やってくる。
 即ち、今は終業式の真っ最中である。
「……であることから、しっかりとした学生らしい夏休みを送ってください」
 やっと長い校長のお喋りが終わった。
 教頭がうんたらかんたら言っているが関係ない。
 俺は周りに聞こえないように大きな欠伸をした。
470:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/5(月) 07:29:18 ID:fSgxHAMyE.

 終業式が終わり、教室に戻った生徒一同はめい一杯喋っている。担任が戻ってきた瞬間、ほぼ全員が嫌な顔をしていたが。
「皆大好きなものを渡すぞー」
 担任のロウソクの声によって全員からため息が漏れる。俺も例外ではない。
「牧野ー」
 ぼーっとしてたらいつの間にか呼ばれていた。
 俺は急いで席を立ち、嫌なモノと対峙する。
「なかなかじゃないか」
 そう言われて手渡される二つ折りの厚紙。言われた意味が分からず、とりあえず席に戻りそれを広げる。
 3と4の羅列の中に1つだけ5を見つける。
「……嘘だろ」
 その科目は、自分が得意でもない古文だった。
 すると、左右から覗く影が俺に被った。
471:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/5(月) 08:43:43 ID:qZj.l0Zql6

「へぇ、あんたがねぇ」
 右からそう言ってきたのは『那由多 千奈』。中学からの腐れ縁でストーカーかと思うほど遭遇率が高い。ついでに言うと、悪の組織のボスの一人娘ということが六月に発覚した。
「私が頑張った甲斐がありましたね」
 左から言ってきたのは、『ファ・グランツ』。那由多のいる悪の組織の構成員では最強とかうんたら。人間社会に溶け込むために姿を隠しているが、実は猫である。家ではリラックスとかうんたらで猫の一部、ネコミミと猫シッポを出している。俺に何故かべたべたで、俺を主人と呼ぶ。
「アンタだけじゃないでしょうが」
「いいえ、違いますよ。皆サボってたじゃないですか。特に千奈は」
「違うわよ!! あれは休憩よ!」
「何時間休憩するつもりだったのですか?」
「そ、そんなにしてないわよ!!」
 席替えの結果、那由多とファが左右に座ることになってから毎日この言い争いを聞くことになっている。
 担任が呆れて、俺と同じタイミングでため息をついた。
472:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/6(火) 07:22:01 ID:x73Msb.eO.

「主人、何処かに遊びに行きましょう、二人で!!」
 ファが終令が終わった途端に詰め寄ってくる。
「ファ、アンタ何抜け駆けしてんの!? こんなの放っといてココ行こっ! たまたまペアチケット当たったんだ」
 そう言って那由多が出してきたのは、とある夢の遊園地。ただし、ここからじゃ遠すぎるが。
 俺は、二人から目を離して言う。
「今日ぐらいはゆっくりさせてくれ」
 どうせ、明日からは海に行くのだから。
473:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/6(火) 07:49:03 ID:y/kUWUqGvk

 帰宅の為、学校を出た俺たちは後ろから聞こえてくる大声に呼び止められる。
「大地くーん!」
 そう言って校舎から走ってくるのは、学年が1つ上の『猫又 多尾』先輩。この人は名前の通り猫又の妖怪である。自称ではない。
 6月に初めて会い変態と言われたが、お気に入りにされてしまい、最終的には結婚を迫られた。それのお陰で本物の妖怪と戦わされたり、年齢を肉体的に詐称した先輩のお婆さんにも迫られて、とても大変な感じであった。
474:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/6(火) 08:00:45 ID:x73Msb.eO.

 取り合えず周りの視線が怖い。理由は簡単だ。
「死なさらせや、こん畜生め!!」
 背後から渾身のコークスクリューが飛んでくる。そして、俺の後頭部に直撃。
「てめぇ、牧野! お前は何でそんなにモテモテなんだ!? あれか!? 主人公体質ってやつか、あぁっ!?」
 俺の周りに3人もの美少女がいるからだ。
 そのせいでよく殴られる。今もそうだ。
「待て、魚!! これは俺の望んだ結果では……げふっ!!」
「うるせぇ!! 言い訳は聞かん!! それに「さかな」言うんじゃねぇ!! う・お・が・し・ら、だぁ!」
 魚頭からの猛攻から逃げ切ったのは俺がかなりのダメージを負ってからだった。
475:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/7(水) 07:29:41 ID:DhrFz0zHCA

 クラスメートからの猛攻から逃げ切り、ようやく家路にたどり着く。
「おかえりなさい、大地」
 ドアを開けた先にいたのは、鷹の翼を生やした少女、『涼風 風』。簡単に言うと、ファに同じ。
「大地、私の説明簡単じゃない!?」
「地の文を読むな!! それにあれぐらいしかねぇよ」
 後ろにいる3人を含めて、俺にトラブルを持ってくる奴らが勢揃いだ。
 今もトラブルが発生しているが、この際スルーだ。
「風! 貴女、なんて格好をしているのですか!?」
 スルースキルがない奴が一名いた。
「ファ姉もする?」
 そう言って差し出すは、ピンク色の布切れ。風が着けているのと同じやつだ。
 その布切れは、普通なんともない日常品だ。だが、今の風はそれ以外を身に纏っていない。
 つまり、
「なんで裸エプr「やります!!」
 俺を押し退けたファは、風からエプロンを奪い、奥に消えていった。
「大地君、大丈夫?」
 少なくともファの怪力で壁に叩きつけられたのは大丈夫ではない。
476:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/7(水) 07:53:23 ID:iizISMs7sQ

「いや〜すまんすまん。面白そうでな、つい」
「ついじゃないですよ、ついじゃ!!」
 壁に叩きつけられてから数分後、意識を取り戻した俺はリビングに向かった。
 そこには、バカが2人と那由多と先輩、そして諸悪の根源がいた。
「何で面白いってだけであんなことをするんですか!?」
 俺は諸悪の根源に問う。すると、彼は頭を掻き言う。
「俺だってただ面白いってだけで裸エプロンを勧めた訳じゃないんだぜ」
 彼はやれやれて肩を竦める。
「なかなか発展しない関係をどうしたら良いかって聞かれた結果だ」
 意味が分からん。
「まあ、面白いものも見れたからいいか」
「良いわけあるか!!」
 笑って誤魔化す彼に俺は渾身のツッコミを入れた。
477:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/7(水) 08:00:25 ID:iizISMs7sQ

「バカ2人!!」
 俺は正座をしているバカ2人の方へ向く。勿論、裸エプロンなんて馬鹿げたものではなく、ちゃんと服を着せている。
「これからは、あの鳴滝の言うことは信じるな!!」
 俺は、ツッコミが見事に鳩尾決まって、悶えている鳴滝を指差す。あれが悪の組織の幹部ってことが信じられなくなってくる。
 鳴滝はぐったりしたまま言う。
「サービス精神を……分かって……な…………いn……………」
 そして、沈んだ。
478:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/9(金) 05:31:21 ID:CY7jaTXltE
(´∀`)つC
(・∀・)つオロナミンz
(≧∇≦)つバイアグラΧ19
479:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/9(金) 06:59:18 ID:u2BWYDNpUI
>>478
下のは要らないww
さんくす(・ω・´)
480:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/9(金) 07:10:34 ID:u2BWYDNpUI

「ったく、鳩尾はないだろ、鳩尾はー」
 鳴滝は腹を擦って抗議してくるが気にしない。
「鳴滝さん、なんで今日来たんですか?」
「スルーかよ!? 大地君も豪胆になったものだな」
 聞こえてないみたいだから俺は再度聞く。
 すると、鳴滝は焦りだす。
「こ、答えるから鳩尾は止めてくれ!!」
 彼の悲鳴に近い声が上がる。
 俺の後ろで女性陣がぼそぼそと話をしているが、それはスルーして鳴滝の話を急かす。
「あと、あと少ししたら先輩も来るから! そん時に話す!」
 ちっ逃げられたか。
481:🎏 パンチ:2011/9/9(金) 16:11:12 ID:3cTTUsiJ.E
お初です!!

今日一日で読ませて貰ったけどスゲーよかった(≧□≦)

枕が書いてる他のSSってここにあるの??

あと一生のお願いがあるんやけども…

風下さいwwworn
482:🎏 パンチ:2011/9/9(金) 16:20:25 ID:95iun2QUrY

支援するの忘れてたたwww

支援www
483:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/9(金) 16:24:53 ID:55nATxUWV6
>>481
さんくすです(*´∇`*)

他は、保管娘に『手下A』が、現行で『雇われ者と幼い水術師』がありますよ

その願いは叶わないww
484:🎏 パンチ:2011/9/9(金) 16:54:26 ID:Wf0UH1vnPQ

なん…だと…

だがいただくぜwww


保管娘っては何処にあるでしょうか…

485:🎏 :2011/9/9(金) 17:38:28 ID:eGut0EenHc
>>484
保管庫のことねww
保管庫の中の『手下A』って作品
486:🎏 枕(小芝居)
◆Vhf/fg62GI:2011/9/11(日) 11:19:19 ID:SDPzWC/FIQ
人気がなくったっていいじゃない

ファ「いきなり何ですか」
いや、また入らなかったなってww

ファ「明らか文章がダメだからですね」ハァ…

それは言わないお約束。

ファ「そんなこと言わずにさっさと続きを書いてください。早く海に行きたいのですが……」

それは後少しの辛抱ですよwwあのオッサンが来たら揃いますから、海に行くメンバーは

ファ「早く更新してくださいよね……」

それは善処する(キリッ)
まあ、水術師の方もあるからボチボチとだけどねww

ファ「ダメです、この作者は後で処分しておきます。では皆さん、後程」ペコリ

あっ、誰かこのSSの絵を描いてくれたら嬉しいな
あれ? ファさん? どうして私の頭を鷲掴みに…………って、そっちは焼却炉ー!
487:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/11(日) 12:40:42 ID:yboG2oVRjw
おいおい待てよ
そいつを処分しちまったら誰が更新すんだ?
ったくしょうがねぇ奴らだな
この俺が代わりに踏まれてやr
488:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/11(日) 19:58:44 ID:yjsKgIJf5k
>>487
ファ「あなたも焼却炉に行きますか」

風「ファ姉、ここは鳥葬の方が苦しませれるよ」
489:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/11(日) 20:15:24 ID:YHSMbJRRo2

 あの男を待つこと10分、20分、30分…………。
「来ないですね」
「あぁ、先輩遅いな」
 何で俺は鳴滝と一緒のソファーに座っているのだろうか。
「あのお店のチーズケーキ、最高だったよ」
「千奈、本当!?」
「風ちゃん落ち着いて」
「相変わらずの食い意地ですねー。やっぱりショートが至高です」
 まあ、あんなケーキ屋談義してる所に入ろうとは思わないけど……。
 結局、遅刻野郎が来たのは時計の針が3を示していたのが、いつの間にか5の位置にまで下がった時だった。
「悪い悪い、土産を選んでたら遅くなったわー」
 入ってきた第一声がこれだ。
 女性陣たちは、すぐさま土産の箱に寄り付いて、それを引ったくった。箱には先程彼女たちが談義していたケーキ屋の名前がある。
「女って現金だなぁ」
「何、変なこと言ってるんですか、那由多さん」
 この男は『那由多 労低』。ファや鳴滝たちが所属している組織『カフルス団』の2代目ボスをやっている。傍目から見たら単なる冴えないオッサンなのだが……。ついでに、那由多 千奈の父親でもある。
 俺は短針がほとんど下に向いた時計を見て言う。
「晩飯食べてから少ししたら出発だな、これは」
490:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/11(日) 20:29:37 ID:YHSMbJRRo2

 夜、車の窓を覗けば暗闇と街灯しか見えない。
 俺たちは今、高速道路に乗ってC県に向かっていた。
「眠いぜ」
 横で運転している鳴滝にガムを差し出す。あの目が無駄に冴えるガム。彼は短く礼を言いガムを手に取る。
 後ろの席ではオセロ猫が寝ている。車に乗るやすぐに眠気が襲ったらしい。
 那由多親子と風は別の車で移動中だ。
 時刻は既に子の刻は過ぎてしまっていて車の走行音しか聞こえない。
 寝るか。
491:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/13(火) 07:13:52 ID:xH5UofDGiQ

「ガキ共、着いたぞー」
 朝からこの声を聞くことになろうとは。
 俺はひとつ大きな欠伸をして体を起こす。
「よく眠れたか?」
「鳴滝さんこそ居眠り運転しませんでしたか?」
 そう聞くと鳴滝は苦笑いをして俺の頭に軽くゲンコツを入れた。
492:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/13(火) 07:26:17 ID:0c140N3pvE

「「「「海だー!」」」」
 旅館に要らない荷物を置いて海に来るなり女たちは男に荷物を任せて砂浜を走っていく。
「元気だなー、あいつ等」
「少年も混ざってきな」
 鳴滝と那由多父がにやにやして俺の背中を押してくる。
 俺は女子たちの背中を仕方なしに追いかけたのだった。
493:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/13(火) 07:32:44 ID:0c140N3pvE

 適当にあった更衣室で着替えを済ませて那由多父たちの元に向かう。
「覗いてきたか?」
 鳴滝と那由多父が同時に聞いてくるものだから両方の二の腕で彼らの首を捉えてしまった。
「「○#&@*%£」」
 俺は同じ格好でダウンしている二人を見て嘆息してしまう。
「だーいちくーん」
 俺は猫又先輩の声を聞いて振り返った。
494:🎏 パンチ:2011/9/13(火) 13:10:15 ID:Pvvxlb30Ew
つC(@▽@;)
495:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/13(火) 16:59:37 ID:DvtX3S6YDo
ヌイタ
496:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 07:16:11 ID:kySsrieVRs
>>494
支援さんくす(・ω・´)
>>495
おい待て、何処でヌイタww
497:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 07:55:32 ID:0c140N3pvE


「どう、大地君?」
 着替え終わった猫又先輩たちは沈んでいるオッサン連中を無視し、俺に寄ってくる。
「ほほう、そうきたか」
「これは眼福ですね、先輩。着いてきた甲斐がありました」
 オヤジ共が顔を上げ、批評を始める。
「多尾ちゃんはパレオで来たか」
 那由多父が顎に手を当て言う。それに鳴滝が乗っかかる。
「パレオですか?」
「ああ、パレオは元々タヒチの民族衣装で確か『巻き付けるスカート』の意味だったと思う」
「なるほど」
「1950年代にアメリカでブームになって日本にブームが来たのは1990年後半だ」「今は定番になりつつありますね」
「夏らしいハイビスカスの柄も良いな」
 何だ、このオヤジ共は……。
498:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 08:05:50 ID:xH5UofDGiQ

「ねえ、大地。僕は?」
 那由多が先輩を押し退けて俺に近づいてくる。
 そして、オッサンたちの批評。
「我が娘はセパレーツの水着で来たか」
「体が引き締まってバランスが良いですね、千奈ちゃんは」
「自慢の娘だからな。しかも、千奈は無理な増量はしていないように見える」
「普通なら貧だと気にしますからね」
「だが、無理な増量は見た目のバランスを崩しかねない」
「流石ですね。身の程を弁えつつ、それを武器にするとは」
「俺的には、もう少しあっても良いのだがな」
「それは俺も同感d……っぷ!?」
「さっきから貧とかちっちゃいとか言い過ぎ! このオヤジ共が!」
 調子に乗った議論の末、那由多父と鳴滝は砂浜に沈められた。

499:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 08:21:16 ID:0c140N3pvE

 俺が物理的に沈んでいる二人を見ていると俺の背中がつつかれる。
「大地、わ……私は?」
 余程自信がないのか控え目に聞いてくる風。
 そして、沈んでいた二人がまた批評を始める。タフだな、おい。
「なるほど、涼風はタンキニか」
 今度は鳴滝が口火を切る。逆に那由多父が聞く。
「タンキニ?」
「造語ですよ。元々はタンクトップ・ビキニでそれを略した言葉です」
「セパレーツ水着に似てるな……」
「そうですね。千奈ちゃんのセパレーツに似ていますが、タンキニはそれより露出は少ないです」
「確かに……。だが、涼風のスタイルだと隠す必要があるとは思わないが」
「先輩の土産のせいですね、多分」
「なん……だと?」
「昨日、あいつはかなりの量のケーキを食べてました。それで腹回りを気にしてるのでしょう。出る直前になって水着を変えてましたから」
 確かに風が出発直前に荷物を漁っていた気がするな。その為だったのか。
500:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 08:35:59 ID:xH5UofDGiQ

「しゅーじん」
 ファが風を放り投げて俺に抱きついてくる。
 彼女はパーカーを着ていたが、相も変わらない柔らかさだった。
 そしてオッサン批評会。
「たまらんな……」
「はい。猫を侮ってましたよ」
 あれ? 何でオッサンたちは鼻を押さえているんだ?
「グランツは、パーカーで見えにくいが、王道のビキニだ。しかも、黒」
「それにあの胸ですからね。破壊力は計り知れないです……」
「恨めしいな」
「恨めしいですね」
 俺は憎悪の目を向けられ気まずくなる。
 そして、
「主人、誰の水着が一番ですか?」
 これは……地雷だ。
「泳いでくる!!」
 そう言って俺は海に逃げていった。
501:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 14:15:59 ID:SDPzWC/FIQ
自分の絵心の無さに泣いた( ┰_┰)

ファ「どうしたのですか」

簡単に言ったら皆の水着姿が描きたかったんだ

ファ「ああ、あれですか。どうなりましたか?」

多尾さんと千奈を描いたんだが、オワタ\(^0^)/

ファ「貴方はそれをどうしたいのですか?」

要望があったら考える。つか、晒す

ファ「晒すのなら要望は高そうですね。『下手乙w』みたいな感じで」

やめてー!
502:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/14(水) 16:34:45 ID:ktZ3XkQ/5A
早く晒せよ
風邪引くだろ
503:🎏 パンチ:2011/9/14(水) 19:24:28 ID:a5aLQG2kmI
wktk待機中www
504:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 19:44:48 ID:kZRDTsjnTs
こん畜生!!
期待するなよ!?
http://p2.ms/wncid
ロングが猫又 多尾
サイドが那由多 千奈だ
505:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/14(水) 20:06:22 ID:krZyOmcs06
これはwwwwwwぬけね〜wwwwwwwww誰か正書してくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
506:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/14(水) 20:36:25 ID:.oim3KBTTY
おまっ…

判断基準が抜けるかどうかてwww

とりあえず2人の雰囲気はよりわかったぞぅ!

ちなみに枕さんは絵の練習ってしてたりする?
507:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/14(水) 21:26:07 ID:Pq8i/xtXkE
するが上達しない

やっぱデッサンのやつが必要だな〜
508:🎏 505:2011/9/15(木) 02:48:57 ID:ETm0s3jQuI
ふぅ(;´д`)

俺頑張ったよ。
`・ω・)つ使用済みティッシュ
509:🎏 パンチ:2011/9/15(木) 13:30:23 ID:a5aLQG2kmI
よくやった…

枕はよくやったよ…
骨は拾ってやるよ…
510:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 13:53:08 ID:UJCSgRYTVU
多尾ちんちょっと描いてみた

需要ある&枕さんの許可あればあげるがどうするか
511:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/15(木) 14:10:52 ID:3jklh1cEvM
>>508
いらねぇww
>>509
まだだ。まだ死んでないww
>>510
大丈夫だ、問題ない
つか、貼ってくれ
512:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 15:37:16 ID:sqi6zFvD9g
専用スレに貼ろうか悩んだあげくこっちで許してください(´・ω・`)

http://imepic.jp/20110915/561480
513:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 15:39:57 ID:AjcaD2xkk.
>>512あ、清書はしてないからかなり汚いごめん(´・ω・`)
514:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/15(木) 16:23:44 ID:LITCCciaQQ
>>512
うわひゃあ、すげぇww
……でも多尾先輩は白猫なんだ

515:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 16:49:37 ID:BI4RmtpLcc
>>514大変失礼をした…
http://imepic.jp/20110915/605150
516:🎏 パンチ:2011/9/15(木) 16:54:10 ID:3YRMZU28O.

>>155GJ

これでイケるぜ!!!!
517:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/15(木) 18:41:58 ID:o0fHGpY0Eo
>>515
おうふww上手いww
それに比べて俺は…………

>>516
安価ー!!
518:🎏 ◆Vhf/fg62GI:2011/9/17(土) 06:24:46 ID:n9/skE8h1M
文化祭とか家の用事で書けないや(・ω・`)
明日、明後日の内には戻ってきます
519:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 10:04:43 ID:Gt62/y4k3g
頑張ってください
520:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 23:04:30 ID:xxoKtpJZLo
さあさあ
続き恋!!
オカズ恋!!
521:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/19(月) 10:17:49 ID:H9HEh.P5tg
>>519
サンクス(・ω・´)
頑張りますぜ
>>520
まあ、落ち着きな
φ(..)今から考えるから
522:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/19(月) 10:35:23 ID:tiavu5ee6g

「気持ちいいなー」
 迫る女性陣から必死に逃げ、今は海に浮かんでいる俺。
 海に身を任せるのもいいな……。
 そろそろ戻ろうとして身を起こすと、
 …………浜が遠かった。
「ヤバッ! かなり遠くまで流された」
 俺は身を翻し浜に向かって泳ぎ始めた。
523:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/19(月) 11:13:19 ID:tiavu5ee6g

 泳ぐ。泳ぐ。泳ぐ。
 だが、いくら泳いでも浜は近づいてこない。
 俺は再び海に浮かぶ。
「このまま浮かんでても、浜には着かないよな……」
 そう言ってため息を漏らす。
 太陽が眩しいと思った時だった。
「!?」
 俺は何者かに足を掴まれて海を引きずられる。
「だ、誰……ぶはっ」
 喋ろうとしたら口の中に海水が入ってきた。
 取り合えず運んでくれているみたいだから任せてみるか。
 しばらく行方を見ていると元居た浜ではなく、その隣の島に向かっていた。
524:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/9/19(月) 12:38:44 ID:H9HEh.P5tg

 主人が逃走して少し経ってから私たちは浜でゆっくりとくつろいでます。
「主人に日焼け止めを塗って欲しかったのですが、仕方がありませんね」
「ファ姉、私が!!」
「猫、俺がやろう」
「グランツ、任せろ」
 バカが三人連れました。というか、那由多さんは妻子持ちですよね……。
 主人を待ちますか。
525:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 13:50:31 ID:GQ.4KR8dJ6
まさか……
新キャラか?
ニヤニヤ
526:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 14:14:13 ID:i8xr6RFK9s
人魚だと俺は見た。
(`・ω´・)+キュピーン
527:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/19(月) 15:35:34 ID:Wda4D5DMy6
俺も(^ω^)
528:🎏 パンチ:2011/9/20(火) 01:24:35 ID:3YRMZU28O.
新キャラカマ〜ン( ̄▽ ̄)
529:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/20(火) 11:42:02 ID:BNIrz1vO32
>>525->>528
まあ新キャラだがレギュラーにはしない。つまりモブだ
人魚もでるよ、多分
530:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/20(火) 11:59:38 ID:dy5TjZd9P2

 五分ぐらい引っ張られていただろうか。俺の足を掴んでいた何かが手を放した。
 俺は不思議に思い、身を起こす。
「ここは……」
 さっきから何かが目指していた島の中みたいだ。
「しっかし、洞窟みたいだな」
 俺は鮫とかが居るのかと思い身震いする。しかし、洞窟は躊躇うのは許してはくれないみたいだ。
 壁に灯りが独りでに灯っていく。
「進めってか?」
 とりあえず暗闇の中の灯りを頼りに進むことにした。
531:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/20(火) 12:06:04 ID:Vk1ide30Ow
枕愛してるwwwwww結婚式はいつにするwwwwww
532:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/20(火) 12:14:54 ID:BNIrz1vO32

 少し泳いでいると広場らしき所に出た。
 俺は辺りを見回して上がれそうな場所を探す。
「あった、あった」
 テーブルのように平べったい岩を見つけ俺はその上で休むことにした。
「やっと休める」
 疲れていた体を休めるように俺はゆっくりと体を伸ばす。
「結局、俺の足を引っ張ったのって誰なんだろな」
 薄明かるい広場で考える。
 至った答えは、
「人魚、だな。溺れている人間を助けるって話があるぐらいだからな!」
「貴方を助けたのは人魚様たちではないですよ」
「どぅわ!?」
 いきなり声をかけられ俺は心臓が飛び出るような思いをした。
 声の持ち主は俺のいる岩に手をかけて、その身を俺に見せた。
「どうも、人間さん」
533:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/20(火) 12:16:48 ID:BNIrz1vO32
>>531
すまないな……
俺は結婚を約束した奴がいるんだ……
だから、だから……………




愛人でいいかww
534:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/20(火) 14:40:11 ID:LMarEPHiVA
愛人はいや〜wwwwww
535:🎏 パンチ:2011/9/20(火) 16:26:50 ID:3cTTUsiJ.E
結婚してやれよwwww
536:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/20(火) 17:35:26 ID:tiavu5ee6g
そうだそうだwww
537:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/20(火) 19:44:15 ID:4z8mnPQw36
皆ありがとう( p_q)エ-ン

俺幸せになるからね(;_;)
538:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/21(水) 09:51:24 ID:tiavu5ee6g
>>534->>537
お前らww
その流れ止めろww

また後で来る(・ω・´)
539:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/21(水) 12:24:02 ID:H1IjlYlxXs
枕たんキター!!!!!!C!!!!!!
あちしまちゅわいつまでも(^з^)-☆
540:🎏 パンチ:2011/9/21(水) 12:32:21 ID:VYewNsZDUs
枕ツンデレwww

式場きまったら教えてねwww

541:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/21(水) 18:21:31 ID:fSgxHAMyE.

 俺の目の前に上がってきたのは人の形をしていた。だが、それだけだ。
 やや体躯が良いが、全身は服の代わりに鱗を着ている。そして、腕や背中とかにヒレっぽいものがある。極めつけには首がなく頭が魚だった。
「どうも魚人です」
「お前かよ!?」
 気さくに挨拶してきたので普通にツッコんでしまう。
「お前なぁ!! 普通、そこは人魚だろが、普通! そんで気さく過ぎるだろがぁ!!」
「えっ!? ダメ……でしたか?」
「ダメじゃないがな、お前さ、空気読もうぜ……。あれか? 文字逆にしたら魚人だから人魚じゃなくてもいいや、ってやつか!? ふざけんなや、うぉい!!」
 段々口調が強くなり、いつの間にか説教になっていた。
542:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/21(水) 18:31:37 ID:fSgxHAMyE.

 叫び過ぎたのか肩で息をする俺。
 そこに魚人が話しかけてくる。
「お疲れのところすいませんが……」
「はぁはぁ……何だ?」
 俺は視線を岩から魚人に移して言う。
「浜に帰れないのを助けてやったからそのお礼をしろってか?」
「簡単に噛み砕けば、ですが、その通りです」
 どうやら俺はまた厄介事に巻き込まれるらしいな。
「で、何なんだ?」
「ちょっとした依頼です」
 ウインクをしようとする魚人だが、まぶたがなく、ただ気持ち悪いだけだった。
543:🎏 パンチ:2011/9/21(水) 19:16:50 ID:gJi/hYdnMU
つC


544:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/21(水) 21:25:13 ID:jlmirKLVJk
わwwwwwwらうwwwしwwwwwwwwwかwwwwwwないwwwwwwwww
545:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/22(木) 15:50:54 ID:DvtX3S6YDo
なんとか勃起した
546:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/22(木) 18:27:04 ID:mX5nqDIy9c
↑ちょっwwwwwwまてよwww瞼ないんだぞwwwwww

俺ら裏切られたんだぞ
( ┰_┰) つC
547:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/23(金) 08:51:13 ID:FWOigNX2uE
>>543->>546
ちゃんと人魚も出してやんよww
読んでくれてサンクス(*´∇`*)
548:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/9/23(金) 09:04:35 ID:FWOigNX2uE

 遅いですね、主人……。何処で漂っているのか。
 私はそう考えていると後ろから声をかけられました。
「ファ、なぁにボサッとしてんの」
「千奈ですか……」
 主人ではなかったので思わず肩が落ちてしまいましたよ。
「あんたねぇ、『何だ、主人じゃないのですか』みたいな顔すんじゃないの!」
 そこまで露骨に表情が出てましたか。ポーカーフェイスは難しいのですね。
「で、何なのですか?」
「あんたねぇ……人がせっかく……。まぁいいや。ほら、こっちに来て」
「私、主人を……!」
「あれはどっかで漂ってるって。パーカーも脱ぐ!」
 笑いながら私のパーカーを盗る千奈。
「行くよっ!」
 彼女がそう言った瞬間、私は浮遊感を感じ、目の前が蒼に染まりました。
「ぷはっ……あぐっ……み、水が!? ダメ……泳げなっ…………」
 数分後、私は砂浜に打ち上げられた鯨のようにぐったりとしていました。
549:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/23(金) 20:21:40 ID:wJGp4DvmQQ
(`;ω;´)ホント??ニンギョクル??
550:🎏 パンチ:2011/9/24(土) 12:33:29 ID:Wf0UH1vnPQ
俺達はただ祈る事しかできないのさ…
551:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/25(日) 08:05:14 ID:38BAHYlOOs

 俺はファたちが居る浜に戻ってきていた。
「戻るか……」
 適当にひとつだけポツンと見えるパラソルに向けて歩き始める。
「何であの魚人は俺にあんなことを頼んだんだよ。俺も人間なのによ」
 独り言をぶつぶつ言いながら目の前に関わりたくないシルエットが打ち上げられていた。
552:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/25(日) 08:13:40 ID:38BAHYlOOs

「あの……食べても美味しくないですよ」
 そいつは力無く言った。
「食べるも何も俺は頼まれてやってるんだ」
「ギョウシャの手先ですか!? 私をカコウしてシュッカするのですか!?」
「違うわ! しかも、妙にリアルだな!?」
 俺はそいつの顔に海水を思いっきりぶちまける。
「わっぷ!? 何するのですか、しょっぱいじゃないですか!?」
「知るか!! つか、お前人魚だろが! 海水は平気だろが。鯨みたいに打ち上げられやがって……」
 思わず嘆息してしまった。
553:🎏 パンチ:2011/9/25(日) 12:16:28 ID:3YRMZU28O.
更新乙ですwww
続きに期待agewww
554:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/27(火) 08:36:55 ID:iu2ZkVmg3E
気管支炎辛いです(-_-;)

辛いですが、書きますよ
(・ω・´)

555:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/27(火) 09:11:12 ID:RS4170JiDI

 今、俺は再び海で泳いでいた。だが、今回は荷物が俺の背中にくっついている。
「もっと優しく運んでください、人間さん」
 さっき拾った人魚が後ろで文句を言ってくる。
「お前、人魚なら自分で泳げよ……」
「お腹が空いたから無理でーす」
 ダメだ、コイツは。
「人間さーん」
「俺は人間って名前じゃない。どっちかって言うと、それ種族名だろ」
「じゃあ、なんて名前なんですかー?」
「牧野大地。お前は?」
「マーメですー。お腹が空きましたー」
 人魚改めマーメは、ファに引けを取らない程のグラマーな容姿の癖に喋り方は子供みたいだった。
「食べていいですかー」
 俺が何をと聞く前に彼女は行動に出ていた。
「痛っ!? 何してんだ!?」
「いやー、我慢できなかったから、ついー」
「つい、で食われてたまるか!!」
 噛みつかれたせいか俺の頭がヒリヒリする。
 何回か噛みつかれたところでようやくファたちの姿を見つけることができた。
556:🎏 パンチ:2011/9/27(火) 19:12:44 ID:kjE8vXm/Tk
>>554更新ktkrwww
まぁ無理せず頑張ってくださいな(^O^)
557:🎏 名無しさん@読者の声:2011/9/28(水) 22:21:10 ID:xxoKtpJZLo
更新できんのか

まあしっかり治してくだぱい
558:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/28(水) 22:31:32 ID:4R3BDj7Zn.
>>556>>557
すいません
流石に長文書いていたら咳が止まらなくなり、間違えて電話の切るボタンをダブルクリックした瞬間、泣きましたよww
「あっ……」Σ(゚д゚;)
(((゚д゚)))gkbr
こんな感じでさっきまで逝ってました。
明日こそ更新するぜ……

あー、咳がトラウマに……
559:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/29(木) 19:30:13 ID:xH5UofDGiQ

 海からマーメを抱え上陸した瞬間、俺は女性陣に囲まれ、簀巻きにされて物理的に吊し上げられた。
「大地!! 何者なの、その娘は!?」
「私は人魚のマーメなのですよー」
「あなたには聞いてません!」
 ファがマーメに威嚇する。
 帰ってくるなり早々に修羅場だな、ここ。
「仕方ないだろ、頼まれたんだから」
「本当?」
 俺が返事をする前に猫又先輩が人魚に聞く。
「私は頼んでないよー」
 その瞬間、俺は一層高く吊り上げられる。
 女性陣の目が怖い……。
「そ、そいつじゃないって。俺は、ち、違うやつに頼まれたんだ!!」
 足の方に疑いの眼差しが届く。
「話を聞くだけだからな」
 そう言って俺の足は数分ぶりに地に着いた。
560:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/29(木) 19:35:58 ID:0c140N3pvE

「さあ主人、誰に頼まれて拐ってきたのですか」
「違う!! 少なくとも誘拐じゃない!」
「誘拐犯は皆そう言い逃れする」
 風にそう言われ、俺は口ごもる。
 ここは素直に言うしかないよな。
 俺は、魚人との会話を思い浮かべながら、女性陣に弁解することにした。

561:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/29(木) 19:56:13 ID:xH5UofDGiQ

 やや回想。
「人魚を見かけたら守ってほしいのです」
 魚人は言う。
「彼らは昔から食べると不老不死になると言われています」
「まあ、そうだな」
 俺は適当に相槌を打つ。
「そんな事でたらめなのにあの連中は人魚たちを捕獲して、加工して売りさばいています」
「誰だ、あの連中って?」
 大抵、人間しか思い浮かばないがな。
「人間の集まりです」
 予想通りだな。
「連中は自分たちを悪の組織とか言ってます」
「えっ?」
「どうかしましたか?」
「いや、俺のすぐ近くに悪の組織が存在するのだが……」
「まさかパイレーツロンドとかじゃないですよね!?」
 その質問に俺は思わず吹き出してしまう。
「あはは、何その厨二っぽい名前」
「違うのですか……?」
 唖然としている魚人に向けて言う。
「つまりは、人魚を守って、その厨二集団を潰せばいいんだな?」
「は……はい」

562:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/9/29(木) 20:11:35 ID:0c140N3pvE

 それから浜に戻るまで俺は魚人と話していた。
「何でなんだ?」
「何がですか?」
 魚人が首をこっちに向けて聞いてくる。
「疑問に疑問はないだろ」
「いやぁ、どうも抽象的だなぁって思いまして」
 確かに突然だからな。
「何で人間が悪さをしているのを止めるのに同じ人間に頼むのかなってさ」
 魚人はポンと手を打つ。
「それは簡単ですよ」
 魚人は目蓋のない目で俺の目を覗き込んで言った。
「貴方にはそんな悪い淀みが無いからですよ」
563:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/1(土) 18:59:03 ID:7.L4erKj7U
ハアッハアッハアッ
更…………新…………は…………

くっまだか…………バタッ
564:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/1(土) 21:05:52 ID:jyp58Z6w46
>>563
いやぁ、すまん
剣道の試合のお陰でさっきまでダウンしてたww

565:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/1(土) 21:23:41 ID:3WxtW4VB7g

「て訳です」
 女性陣からの冷たい目が緩和されていくように思えた。
「だよね。大地君が無闇やたらに女の子を連れてくる訳ないからね」
「全く大地は僕たち勘違いさせるのが上手すぎだよ」
 猫又先輩と那由多が胸を撫で下ろす。
「マーメ、陸地は大丈夫なの?」
「大丈夫ですー。水分さえ取れば生きていけますよ」
 風はマーメに興味を向け、色々質問をしている。
 ファは…………。
「……………………」
「な、なんだ、ファ?」
「その魚人の仰る通り、主人の目には淀みがないですね」
 見るだけで分かるのか……?
 さっきまでファは海に入っていたのだろうか。彼女の髪と谷は水滴で濡れていて直視はできなかった。
566:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/1(土) 21:35:35 ID:3WxtW4VB7g

「お、牧野くん帰ってこれたのか」
 振り向いたその先にはオッサンがいた。
「おじさんと鳴滝さんじゃないですか、居たんですね……」
「アハハ……ひどいな、お前」
 額にシワを寄せた鳴滝が俺の頭を鷲掴みにする。
「女の子に囲まれてるハーレム王は違gdaぐ#ふ☆tjがっ!?」
「……主人に仇なす者には鉄槌を」
 一瞬の内に鳴滝は宙を舞い、逝った。
 四つぐらい影が見えた気がした。
567:🎏 パンチ:2011/10/2(日) 16:46:31 ID:1USVksIc2I
お帰り(^∀^)ノ
568:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/2(日) 20:24:36 ID:GV4BA/9fro
>>567
帰ってきましたよ
ソロモンみたいな感じでww
ま、テストとか昇段審査が近いのでかなり不定期になりますがね……

569:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/2(日) 20:32:59 ID:unZ8/kGbD.

 夜、俺たちはマーメを連れ、浜の近くにある建物の中にいた。
「別荘だなんてあったんだ……」
「まあ、内緒でだがな。お母さんには内緒で頼むぞ」
 驚愕する娘。それを笑いながら自慢し、妻には内緒にしてほしいと言う父親。大丈夫なのか、那由多家は……。
 そんな時、那由多父の電話が鳴った。
「すまん、お母さんからだ。先に始めといてくれ」
 そう言って彼は部屋を後にした。
 数分後、外から那由多父の謝罪の言葉がドア越しに聞こえてきていた。
570:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/2(日) 20:49:55 ID:6.u1f8QFLg

 外で謝罪する那由多父を置いて緊急会議が始まった。
「えーと、じゃあ『第一回!! パイレーツロンド(笑)をどうするか会議』を始める」
 那由多父に変わって鳴滝が進める。
「実はこの集団、日本の調査捕鯨とかも妨害してるんだ。『捕鯨反対!』とか言って硫酸を投げつけたり、漁船に体当たりしてる集団でもある」
 全員からへぇー、と声が上がる。
「アンタたちの方が海に酷いことしてるぞ、って言いたくなるよね」
 那由多が全員が思っていることを言う。
 確かにな。
「だから、今回の俺らは悪事じゃなく慈善事業として、パイレーツロンドを懲らしめるぞ!!」
 全員で腕を天井に突き上げる。
「以降、パイレーツロンドは『汚バカ』と呼称することにする!!」

571:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/2(日) 21:01:19 ID:uBvkOa71RM
今一番SS板で落ち着けるのは枕の所だ
ゆっくりのんびり行こうぜC
572:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/2(日) 21:25:07 ID:zLEOvVapk6
>>571
最近、盛り上がったり爆発したりと凄いよな〜、ここ

今日はこれぐらいにしますヽ(≡Д≡)ノ
おやすみなさい
573:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/3(月) 16:58:13 ID:lKxfnCS9Cc
(´・ω・)枕タン、アイラブユー更新ガムバッテCCC
574:🎏 パンチ:2011/10/3(月) 18:47:29 ID:EE02O.1MZc
久しぶりに着たら更新してたww
昇段試験頑張れよ(^∀^)ノ
そういえば俺も昔空手してて昇段試験とかあったなwww

575:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/3(月) 19:59:00 ID:7TQFjl8JpQ
>>573
さんくすだよ
抱き着いてやろうかー
>>574
数日後に屍が転がってると思うわ
真っ白に燃え尽きてな
576:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/3(月) 20:08:16 ID:7TQFjl8JpQ

「じゃあ、まず汚バカをどうするか決めるぞ」
 議長の鳴滝が全員に意見を求める。すると、全員から声が上がる。
「殲滅が良いかと」とファ。
「ぶっ壊すしかない」と那由多。
「鳥葬にしたい」と風。
「何かの怪しい術の贄でもいいかもね」と猫又先輩。
「コンクリに詰めて東京湾に投げ捨てましょうー」とマーメ。
 俺は勿論黙りを決め込んでいる。
 混ざっては絶対に行けない……。しかも、一人だけヤクザみたいだ。
「なら、汚バカは消毒でOKか?」
 鳴滝の確認に全員が異議なしと声を上げた。

577:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/3(月) 20:18:22 ID:7TQFjl8JpQ

 方向が決まったところでぐったりとした那由多父が戻ってきた。
「ふぅ、方向は決まったか?」
「はい、ばっちりですよ、那由多先輩」
 鳴滝の応答に彼は、そうか、と言ってため息をつく。
「どうしたんですか?」
「いや、なに。単に、妻に色々バレてな……」
 そこで一拍置く那由多父。そして、ため息と一緒に残念な報告をする。
「そんで俺だけ強制帰宅だ。だから、今回は参加できない」
「そ、それって……!!」
 ファたちが驚愕を隠せないでいる。
「まあ、頑張ってくれ。指揮は鳴滝に任せる。武装の方は好きにしてくれ」
 彼はそう言って深く肩を落とし、別荘を後にした。
578:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/4(火) 01:21:26 ID:jyikQt4bxs
パパンwwwwバカスwwwwwwそしてカワイソスwwwwwwwwww
579:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/4(火) 20:40:52 ID:y0LktPgl9c
>>578
慰めてやってくれ
彼も……疲れてるんだ
580:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/4(火) 20:50:02 ID:L2koK1di32

 那由多父が出ていってからは順調に物事が決まっていった。奴等のアジトも割れていたことも大きい。
 突入は明日の真昼。アタッカーにファと鳴滝。アタッカーのフォローに風と那由多。そして、待機兼マーメの護衛として俺と猫又先輩となった。
「今回は少数での突撃だからな。一気に潰すぞ。作戦時間まで自由にしていいぞ。じゃ、解散ー」
 そう言って鳴滝は別荘から離れていった。
581:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/4(火) 20:57:37 ID:q0K43wKQSA

「あのー、少し時間大丈夫ですか?」
「なんだ、ファ?」
「今回はどうしましょうか……」
「やっぱりしない方がいいだろな」
「……一応、主人にも聞いてきます。おやすみなさい、滝さん」
「おう」
 猫もかなり丸くなったな……。鷹も千奈ちゃんも昔から見たら丸いな。あいつのお陰か。
 鳴滝は夜空を仰ぎ、紫煙を吹きながら感傷に浸る。
582:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/5(水) 12:22:33 ID:XUCcTNMehw
紫煙ageCC
583:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/7(金) 17:53:24 ID:3jXct7SwVY
なんで更新しねぇんだYO!!

定期揚げだYO!!
584:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/7(金) 18:24:18 ID:Pf8ekf0Ta.
>>582>>583
定期的にとはさんくす

9時ぐらいにまた来るぜ!! 忘れてなければな!!

勉強なんて爆発だー!
585:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/7(金) 21:13:12 ID:Pf8ekf0Ta.

 次の日の昼下がり、空は昨日と違いどんよりとしていた。
カフルス団組は突入している時間か。
 俺は布団に転がってそう思った。
「大地君、ちょっと」
 猫又先輩に声をかけられ身を起こす。
「何ですか、先輩?」
 先輩は両手を後ろにしている。
 何かプレゼントでも?
 だが、今日はそんな記念になる日ではない。
「実は、明後日のことなんだけど……」
「帰った次の日ですか?」
「……そうよ」
 先輩が戸惑いながらも言う。
 視界の端でマーメが見ているがスルーだ。
「……あの、そのね……」
 先輩は何時になくオドオドしている。しかし、それも一瞬で、すぐに落ち着いた様子で彼女は言った。

「遊園地のペアチケットがあるんだけど、どう?」
586:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/7(金) 21:20:27 ID:32uyio1L4s

 昨日、猫には変なこと聞かれたな。昔は、関係なく殲滅してたのにな。
 汚バカのアジトの前で作戦開始時間を待つ。
 5、4、3、2……。
「よし、行くぞ!」
 事前に見つけておいた穴に特製の発煙筒を投げ入れる。
「行くぞ、猫!」
 威勢の良い声が後ろから聞こえる。
 俺は窓から、猫はドアを蹴破って侵入した。
587:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/7(金) 21:32:43 ID:1ut9nDqRpw

 俺と猫はかなりの早さで敵を無力化していく。
 後ろでは千奈ちゃんや鷹が無力化できなかった敵や隠れていた敵を確実に無力化しているはずだ。
「猫! 斬れ!!」
「了解です!」
 猫は背中の得物を抜き、堅牢に見える扉に斬りかかる。
「はあぁぁぁ!!」
 扉が豪快な音を立て崩れる。
「相変わらず斬れるな〜、その大剣」
「主人に許可してもらいました。人は斬れません。……しかし、何であったのでしょうか」
 猫の大剣は、実はこっそりとサーフボードに偽造して持ってきておいたんだ。
「ま、行くか」
「私たちの目標は『頭』を捕獲して汚バカを降伏させることですよね」
「正解だ」

588:🎏 枕[S:千奈]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/7(金) 21:44:52 ID:q0K43wKQSA

「滝さん達、飛ばしすぎ」
 私の隣でまた一人無力化した風が言った。
「まあ、確かにね……。一瞬で奥まで走っていったからね」
 私もまた一人蹴り飛ばし、その後ろにいた連中もまとめて無力化した。
「風、アレをお願い」
「了解」
 風はポケットからカプセルを取り出し、無力化した連中に投げつける。
 それは連中にぶつかるなり煙を上げた。
「何時見ても、質量保存の法則、無視してるよね」
 煙が晴れ、連中はカフルス団特製のトリモチに身を拘束されていた。
「気にしたら負け」
 風にそう言われ考えるのも面倒になり、トリモチから目を離す。
「さ、次に行こ」
589:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/8(土) 19:59:41 ID:IFKL1janvs
>>1見てるよー
(`・ω・)⊃CCCCCC
590:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/9(日) 09:49:33 ID:VxWkJSWhZ2
>>589
さんくすじゃ
提出物が終わらんー!
泣きたいぜ
591:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/9(日) 18:03:18 ID:ZcWpf5xQ5g
枕タンはやく……はやく更新を………俺のマグナムが風邪ひいちまう(;´д`)ハァハァ
592:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/9(日) 19:51:40 ID:KtFJ47OitU
>>591
風「>>591が何か言ってるよ」

すまない、今日は無理だ。

風「何で? テスト<娯楽なのに?」

明日が剣道の昇段審査で必至なんだ。

風「忙しいよね、枕の10月は」

まあな。1日に試合だったし、今はテスト中だし、明日は審査だし、テスト終わったら修学旅行だしな。

風「修学旅行の間は更新は?」

出来たらするつもりだ

風「と言うわけで、これから更新できない日が多くなってきますのでご了承を」

本当にごめんなさい!! ネタはある程度頭にあるんだ。
おやすみなさい!!
593:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/10(月) 21:27:01 ID:jyp58Z6w46

「邪魔です!!」
 目の前の数人に向け、大剣を横凪ぎに振るう。勿論、抜き身ではない。
 私は分かれ道で一度止まり息を整える。
「滝さん、どっちに進みますか?」
 振り向いたその先には、「…………あれ?」
 誰も居なかった。
「あちゃー。置いてきちゃいましたか」
 待つのもあれだから、という理由で、私は分かれ道を左に曲がって先を急いだ。
594:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/10(月) 21:35:46 ID:lt5aHmjKwg

「あ、……あの猫が……。張り切りすぎだろ……ハァハァ……」
 早く帰りたいのか、猫はいつも以上に気合いが入っている。
 俺も全力で追いかけているが、あいつの姿は見えない。
「道標は、この汚バカどもか……」
 廊下に転がっている気絶体を見ながら、それの続く限り追う。
「もっと……鍛えてたらよかった……ぜ……ハァハァ……」
 少し休憩がてら歩いていたら分かれ道があった。
「汚バカはないな……」
 汚バカの気絶体がここでなくなっている。
 猫がここまで来たのは確かだな。
「ゆっくり行くか……」

 俺は歩みを弱めて右に曲がった。
595:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/10(月) 23:10:49 ID:mLQbycA2bc
枕剣道お疲れ様支援

596:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/11(火) 18:43:38 ID:jDEa9QqT6g
>>595
さんくすだ(・ω・´)

まあ、滑ったがなww

書いていくか……
597:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/11(火) 18:53:24 ID:XoCiYgLVhw

「いやー、こんなに簡単に着けるとはな」
 他の部屋とは明らかに雰囲気が違う扉。ここがボスの居場所と考えてもいいだろう。
 しかし、気になる。
「猫が来てるなら扉なんか無惨になってると思うんだがな……」
 もしかしたら、あの分かれ道を左に行ったのか。
「だとしたら、どう突入するかだなー」
 適当に扉の前で突入法を探っていると後続の二人が追い付いてきたみたいだ。
 だが、猫の姿はなかった。
「あいつ、道、間違えたのか」
598:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/11(火) 19:00:53 ID:XoCiYgLVhw

 見つけましたよ、いかにもな扉を。滝さんはまだ追い付いてこないみたいですが、この際、突撃しましょう。
「早さが大事ですから……っね!」
 扉がバターのように斬れます。相変わらずの切れ味に惚れ惚れしますよ。
 さあ、さっさとここのボスを捕まえて主人とキャッキャッのウフフな……。
「ざ、雑念は今はなしです!!」
599:🎏 枕[S:ファ]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/11(火) 19:10:31 ID:jDEa9QqT6g

「な、なんですか、ここは……」
 機械が無機質に並び、壁には緑色の液体が。中に何かがいる見える。
 これはまるで……
「研究室じゃないですか……」
 雰囲気が私が生まれた場所に似てますね。
「うわー、まさかとは思いましたが……」
 私は一番奥のカプセルを見上げ、呟いた。
「造っているのか、洗脳しているのか……。どっちでしょうね」
600:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/11(火) 19:22:48 ID:jDEa9QqT6g

今日はここまで(・ω・´)600だぜ!! ゲストカモン!!

大地「あのさぁ……」

何だ、大地か。女の子じゃないのかよ。ケッ

大地「扱い酷いな……。つか、俺が主人公なんだよな……?」

なんだ、いきなり。主人公だから女の子に囲まれてるんだろ。

大地「いや最近、影薄いじゃんか、俺」

主人公なだけまだマシだと思え。
あるアニメではな、主人公なのに主人公から引きずり降ろされた奴もいるんだ。
シ〇・ア〇カってやつが

大地「主役交代は嫌だな」

まあ、他に主人公にできるは女性陣だけだな

大地「まあ、オッサンは嫌だからな……」

ま、という訳でこのSSは600に達しました!!

大地「このまま1000行くのか?」

その気力があったらな!!

大地「それじゃあs……」

さいなら〜!

大地「せ、台詞……」
601:🎏 枕@友達の携帯より
◆Vhf/fg62GI:2011/10/13(木) 08:28:33 ID:V0WOOxQzfs

突然ですが、悪報です

フィルタリングによって自分はこの掲示板に来れなくなります

それによってこのSSは一旦打ち切りになります

すいません
602:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 08:42:28 ID:GYH9D2.JxU
うは…
マジか…
603:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 13:33:57 ID:uLRV0pSTHM
ガビョーン
604:🎏 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
605:🎏 真・スレッドスターター:再開
再開しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
606:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 16:55:44 ID:cTECjkj2mA
♪  ∧,_∧  ♪
   ( ´・ω・) ))
 (( ( つ ヽ、
   〉 とノ )))
  (__ノ^(_)
wktkが止まらないっ!

   ∧_,∧ ♪
  (( (・ω・` )
♪  / ⊂ ) )) ♪
  ((( ヽつ 〈
   (_)^ヽ__)

607:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 20:34:20 ID:ba6qOsPuxA
あれ〜??
更新は??
608:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/19(水) 06:25:21 ID:fUYLiEF9Jk
枕大丈夫かな??
大丈夫なら一声くれ〜(;o;)
609:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/20(木) 18:45:08 ID:gFYlpQ8jZI
ほーい
久しぶりだな!!

修学旅行から帰国したばかりだぜ
家に帰ったら更新する予定だぜー!
610:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/20(木) 19:04:15 ID:/X0pWY6/w.
んだよ〜びびらせんなや!wktkしながら待ってるぜ!
611:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/20(木) 21:55:38 ID:etMQf0ZFmA

 俺は、鷹と千奈ちゃんに合図を送り、威勢よく扉を開けた。
「手を上げろ!」
 俺は声を上げて警告する。しかし、それに答える者は居なかった。それ以前に人影が1つもなかった。
「ハズレね」
 千奈ちゃんがそう言って警戒を解いた。
「調べるだけ調べる」
 鷹はいつの間にかそこら中を漁っていた。
 何でこいつ等はすぐに警戒を解くんだよ……。
 俺も物色し始めた。
 警戒は解かなかったがな。
612:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/22(土) 21:27:37 ID:eYlHYA4uUA
ふぅ〜
613:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 18:57:58 ID:EXjY2ApqEg
定期揚げ
614:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/24(月) 19:50:17 ID:IdEq0R574.
定期さげ
615:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/25(火) 17:14:54 ID:0iLnH4J98U
稀代阿解
616:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/10/25(火) 18:42:55 ID:ISwT7KiVT6
お前らww
期待したら駄文が書けないだろうww
617:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/25(火) 18:52:14 ID:1r4cMPRIRY

「あれ?」
「どうした、千奈ちゃん?」
 部屋にあった大きな額縁に何か引っ掛かるものがあったのか?
「滝さん、これ!」
 彼女が額縁の裏から剥がしたのは……手紙か?

618:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/25(火) 18:58:08 ID:ISwT7KiVT6

「開けてみる?」
 風の問いに千奈ちゃんは即答する。
「おい!! 罠か警戒しろよ!」
 だが、彼女たちは俺の言葉を無視し、手紙を開封する。
「滝さん、警戒しすぎだって」
 千奈ちゃんがケラケラと笑う。
 その手にあったのは一枚の紙だった。
 警戒のし過ぎ……か。
619:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/27(木) 23:59:43 ID:0bxCUGohi2

「んじゃあ、読むね」
 千奈は紙を広げて読み始める。

『侵入者諸君、よくここまで辿り着いたね。少し警備を考え直さないといけないみたいだね。
 これを読んでいるってことは、多分、地下にあるアレが起動し始めていると思う。起動したら、君たちは終わりだ
 私が何処にいるか?
 それは海外の本拠地さww
 君たちが生き残ることを頭の片隅で願いながら豪遊することにするよ
       byボス』

 とりあえず、俺はキレた。
620:🎏 枕[S:鳴滝]
◆Vhf/fg62GI:2011/10/28(金) 00:04:46 ID:u9BCN7IGks

「次の目標は地下の何かを破壊?」
 風が怪訝な顔をして聞いてくる。ああ、そうだ。
「多分、あの分かれ道だろうな」
「ファが先に行ってるのかな?」
 あり得るな、それ。ここのボスが自信満々に言うぐらいだから、猫だけじゃキツいかもな……。
「よし、急ぐぞ」

621:🎏 名無しさん@読者の声:2011/10/30(日) 16:45:57 ID:qdHG6dVYtM
なんで更新しないんだ…………






提起安芸


622:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/10/30(日) 17:47:06 ID:FSZcJ.LnAY
>>621
すまん、色々大変なんだ
テストが氏んだから……

朝から昼にかけて入れないのもキツいっす

安芸だと?Σ(゜д゜;)

諸事情により酉変更
623:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/10/30(日) 17:52:45 ID:1r4cMPRIRY

 地下にある研究室らしき場所。そこで造られてる人外。単なる組織には思えないですね。
 取り合えず放っときましょう。
「何か怪しいものはー」
 あの棚、怪しいですね。
 手に取るビーカーの中にある大漁のG……。
「気持ち悪……。戻しましょう」
624:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/10/30(日) 18:02:59 ID:PXPjvBOy7c

 10分ぐらいでしょうか。漁り続けてそこらがごちゃごちゃしてます。
 ま、ウチの組織じゃないから大丈夫なんですがね。
「あれ?」
 古びた本の中に一冊だけ新しいのが……。
 気になり手に取った瞬間、カチッと変な音が聞こえました。
「ま、不味いことしましたか……」
 そう呟いた瞬間、私の背中に衝撃が走りました。
625:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/1(火) 12:38:21 ID:t3o.gKfTxg
続き期待してるぜ!
つC
626:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/2(水) 19:51:51 ID:JPOJYwW2Gc
>>625
よし、任せろ!!
クオリティーはダメだがな!
支援さんくすだ!
627:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/2(水) 20:05:15 ID:r517UsUXT6

「いったぁ〜。一瞬、意識飛びましたよ……」
 上に覆い被さった本棚を自慢の怪力で退け、埃を払う。
「がぁぁぁ……」
 何ですか、このドロドロした物体は……。
「っ!? っぶないですね……!」
 ドロドロの2撃目を避け、距離を…………取れませんでした。
「放しなさい! ドロドロします!!」
 足を掴まれてじたばたともがく私。
「かくなる上は!」
 背中の大剣を抜き放ち、切りつける。
「な、なんとか離れれましたね」

628:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/2(水) 20:30:02 ID:rw3I/rAGFo

 相対してみると背丈は私より10pぐらい高いですね……。
 ダンッとドロドロがこっちに向かって跳んでくる!?
「は、早いっ!?」
 大剣を構え直す暇などなく、左に転がり体勢を立て直せ……ませんでした。
「や、やめっ!!」
 マウントは不味いですね、圧倒的に不利になりました……。
629:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/2(水) 20:41:09 ID:rw3I/rAGFo

 ドロドロなのにマウントを取られるって嫌な予感しかしません……。
 ほら、滴り落ちたドロドロが服を溶かしてぇ!?
「は、はははは放しなさい!! 服を溶かすなんて何処の淫獣ですか!?」
 不味いです! このままじゃ全裸はないですけど、ほぼ全裸になって!?
 じたばたともがくも無情にドロドロは拘束を緩めず、服がじわじわと溶けていくだけでした。
630:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/3(木) 12:37:06 ID:IPOYYxWBsA
ボッキシタ
ハヤクシロヨサムイダロ
631:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/4(金) 07:49:48 ID:OtBmIZHLOI

 あわわ、服が溶けてる時点で焦りは頂点ですよ、頂点!
 そして出るは火事場の馬鹿力。元々、馬鹿力ですがね。
「どっけえぇぇ!!」
 ドロドロとした感触が手を伝い、手を放したくなりましたが無視して後ろに投げ捨て、服を確認したら……。
「最悪です……」
 胸は露というより上半身の服がほぼ0。下半身のズボンは太ももより下が跡形もないです。かなり履きやすかったんですが、諦めましょう。
 服や羞恥の恨みを込めて、あいつをぶった切ったあと液体窒素で固めて粉砕しましょうか。
632:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/4(金) 17:03:57 ID:QvsrDr1sFA
う、ウホッ

ごちそうさまです!!
633:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/7(月) 18:44:29 ID:gdsRLqBUn.

「ドロドロは切りにくそうですね……」
 切ったら再生て流れは勘弁してほしいですからね。
 切った腕は……溶けてますね。踏んでも反応なし。なら、大丈夫。
 まずは両断しますか。それから……。
「ガアァァ!」
 人が考えてる最中にうるさいですね……。
「ウドェギャアァァ!」
 あぁ、もう! 黙ってください!
「アシァァァ!!」
「さっきからうるさいです!!」
634:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/7(月) 18:48:47 ID:VCHgmReH86

「あれ?」
 考え事をしてたらドロドロが居なくなって?
 よく見れば足元にドロドロしたものが。
「もしかしたら考えてる間に無意識に切り刻んでました?」
 楽しみがなくなった感じがします……。
「あ、服……」
 部屋の戸が開かれたのは、そう呟いたのと同時でした。
635:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/7(月) 19:23:42 ID:gdsRLqBUn.

 作戦が開始されてからかなりたったな……。
 カフルス団の別荘にいる俺と猫又先輩、あと人魚のマーメは完全に暇を持て余していた。
「大地さんー、とても久しぶりな感じがしますー」
「メタい発言はするな、色んな意味不味い」
「でも、本当にやることないのね……」
 猫又先輩がそう言ってため息をつく。
 確かに最低限の宿泊設備しかない気がする。
636:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/7(月) 19:45:26 ID:VCHgmReH86

「これだったら大地君を押し倒して襲った方がよかったかな」
 危険な台詞は止めてほしいものだ。
「私はカメラ待機ー?」
 違うから止めてくれ。
 結局、別荘の戸が叩かれたのは日が暮れた時だった。
637:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/8(火) 18:40:23 ID:9T2uppugkA
|ω・)コソ

|ω・)つC

|≡ピャッ C
638:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/11/9(水) 07:09:26 ID:vjJO9QEqdQ
>>637
 CД゚ )
 (゚ω゚ )モグモグ

さんくす
639:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/11/9(水) 07:33:06 ID:vjJO9QEqdQ

「主人ー!! 作戦終了し、帰還致しましたー!!」
 戸を開けた途端にファに抱き着かれる。
 ん? 胸辺りに凄い柔らかさが……って。
「ファ!! ふ、服は!?」
「溶かされました。お気に入りだったんですが……」
 いやいや、お気に入りとか以前にその格好!!
 今朝に比べてズボンがかなり短い。それにマントっぽい布を着てるけど中って……。
「大地、ファ姉は今、生だよ」と風が俺の耳元で呟く。
 その瞬間に俺は、赤い飛沫を辺りにばら蒔き、意識を飛ばした。
640:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/9(水) 07:59:22 ID:vjJO9QEqdQ

「ありがとうございました。本当に感謝します!!」
 そう言って俺の手を握る魚人。鱗が地味に痛い。
 汚バカ退治の翌日。マーメを連れて魚人と会った入り江に行って報告をしたら、こんなことになった。
「ここから追い出したってだけだから安心はできないと……」
「そんなこと無いです!!」
 自信満々に断言されてもなあ……。アフターサービスはないぞ。

641:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/9(水) 08:03:54 ID:KGzAM8k2i2

 浜に戻ってきた。
 戻ってきたのはいいが……。
「なんでお前ら全員、帰る準備できてるんだ!!」
 俺は海から上がってきたばかりで海パン。対して皆は車に荷物を詰め込み中だ。
「大地君、早く着替えてきたらどうだ? レディを待たせたら失礼だろ?」
 車から顔を覗かせる那由多父。あんた、帰ったんじゃ……。
642:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/9(水) 08:14:55 ID:vjJO9QEqdQ

 帰りの車の中での会話です。
「じゃあ、大地君。来週の日曜日に……」
「わ、分かりました。迎えに行った方がいいですか?」
「お願いね。でも、遅れないでね」
「了解です」
 これは主人と……誰でしょう。
 流石に疲れが溜まっていたのか、意識はすぐに沈んでいきました。

643:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/9(水) 13:13:12 ID:6XT5SRglFY
浮気フラグですね…
644:🎏
◆Vhf/fg62GI:2011/11/11(金) 07:19:59 ID:0qRAev2QxY
>>643
分からんぞ
ハーレムフラグかも知れん

なんせ、あいつは主人公補正があるからな……
645:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/11(金) 07:25:24 ID:ckuIzWtpdw

 で、海水浴から帰ってから次の日曜日。
『すいません、主人。今日、私たちは少し急ぎの用事が入ったのでカフルス団の方に行きます。晩御飯までには戻ります
        ファ』
 こんな置き手紙があった。
 カフルス団に集まるって余程のことみたいだけど、何か引っ掛かるな。
「普段なら前日に何か言ってくるのにな……」

646:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/11(金) 07:43:07 ID:0qRAev2QxY

 でも、考えたら好都合かな? 先輩は、1人で来てくださいって言ってたし。
 ああ、あいつらが居たら絶対に着いてくるからな……。
「ま、準備するか!」
 朝七時、待ち合わせ時間まで約一時間半。
647:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/11(金) 13:19:36 ID:VXxlo6gc.U
(;´д`)ハスハスハァハァハスハス
648:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/14(月) 07:14:10 ID:jNoOxKjX8o

『はい、どちら様でしょうか?』
 インターフォンを押して聞こえてきた声は、一度聞いたことがある声だった。
「あ、牧野でs──」
「大地さん!? はい、分かりました! すぐ多尾お嬢様を呼んでまいります!」
 あれ? あの時の女中さんだよな……。前、会った時は冷静って感じだったのにな。
 一時間も近くの公園で時間を潰していたのは秘密だ。
649:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/14(月) 07:29:29 ID:jNoOxKjX8o

 外で待つこと数分。目の前の門が申し訳ないほど動き、白い髪の毛が見える。
「お、おはようございます……」
「うん、おはよう……」
 何か、行く前から疲れてるような気が……。
「家の女中さんが張り切っちゃって……」
 どうやら女中さんが暴走してしまったみたいだった。
650:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/16(水) 20:09:03 ID:C3eyzHWtYU
恋!!
更新恋!!
651:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/16(水) 20:18:46 ID:HMJYUJcabU

「行きましょうか、猫又先輩」
 俺は先輩を促して前に進もうとした。が、できない。
「少し待って」
 いきなり俺の腕を取り、体を引っ付ける先輩ぃぃ!?
「先輩!? 何を!?」
「その先輩ってのは止めてね、少なくとも今日は」
「えっ!?」

652:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/16(水) 20:21:56 ID:pIgPmzpxL2

「私のことは多尾って呼ぶこと!! 先輩命令!」
 全然、先輩面しない先輩がいきなり何を……。
「えーと、多尾先輩?」
「ちっがーう!!」
 えっ!? 何が!? 言われた通りにしたつもりだが。
「先輩は付けるな!! 大地君!!」
 面倒臭いな……。
653:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/16(水) 20:28:03 ID:HMJYUJcabU

「えーと、多尾せ……、多尾?」
「何!?」
 うわっ、凄く目がキラキラしてる。
「何で俺の腕を貴女の体に密着させてるのですか?」
 そう言うと彼女はキョトンとし、さも当たり前なように言う。
「何でって私たち、恋人同士だからじゃないですか」

 どうしてこうなった。
654:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/16(水) 20:38:17 ID:HMJYUJcabU

「ささっ、早く行こ!!」
 彼女は俺を引っ張り、引きずり、連行する。
 俺って何でこんなに振り回されるのだろうか。
「ま、いっか」
「大地君、目指すはシーサイドだ!!」
655:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/17(木) 00:09:48 ID:1l4abc9L3I
ムヒョー
爆発しろ!!
俺の愚息といっしょに爆発しろ!!


ついでに支援
656:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/18(金) 21:25:43 ID:56UEjhngyc
>>655
遠慮しましょうww
愚息には
つダイナマイト

支援さんくすですぜ
657:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/18(金) 21:31:12 ID:56UEjhngyc

 〇Rに乗ること30分。
降りた駅から見えたのは、
「でっかい観覧車ですね」
「大地君、高いの苦手?」
「いえ、大丈夫ですよ」
 そう言うと、彼女は笑う。
「最後に乗りたいなー」
 何で最初にしないのか気になったが、気にしていないふりを俺はした。

658:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/18(金) 21:36:47 ID:n9ecgHDJME

「大地君!! あれに乗っちゃお!!」
 遊園地に入った瞬間、彼女が目を輝かせて指差したのは、ジェットコースター。しかも、看板にはスリル満点とか書いてある。
 嫌な予感しかしない。
「並んでてね。その間にアイス買ってくるから!」
 列に俺を並ばせ、彼女は去っていく。
 ついでに、アイスはチョコ味を頼んだ。
659:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/18(金) 21:43:10 ID:56UEjhngyc

 しかし、長いな……。30分は普通に待たないといけないんじゃないだろうか。
「ん?」
 俺の視界の隅に見覚えのある何かが見えた気がした。
「まさかな」

660:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 15:33:13 ID:C3eyzHWtYU
休日二日間この俺を放置とは……

いいプレイだったZE!!
661:🎏 :2011/11/20(日) 20:56:49 ID:ydXzZUk3ko
>>660
いやー、休日は親友と遊ぶのに忙しくてww

昨日はオープンスクールで休日出勤してた(・ω・`)
662:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/20(日) 21:06:04 ID:uZOnOzXKHk

 並ぶこと10分ぐらいして、彼女は戻ってきた。
「あ、猫又せんぱ……ぐぎっ!?」
 彼女のほぼノーモーションで蹴り上げた足が脛に直撃する。
「つぅ……。な、なんで……?」
「大地君は、痴呆症にでもかかっているの?」
 あ、そう言えば今は、多尾って呼ばないといけなかったっけ。
「た、多尾?」
「はい、よくできました」
 俺はご褒美としてチョコ味のソフトクリームを貰った。
「あれ? アイスじゃない……」
「間違えただけ!!」
 二度目の蹴り上げは同じ場所で悶絶するほど痛かった。
663:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/22(火) 20:35:45 ID:rBnFjYDgtI

 痛む足を気にしながら待つこと30分。ようやくジェットコースターにたどり着く。
「長かった……」
「人が多いから仕方ないねー」
 確かに多い。ネズミの遊園地みたいに多い。
 これだけ多かったら、自分の近くに知り合いが居ても分からないだろな。
664:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/22(火) 20:40:55 ID:rBnFjYDgtI

 ガコン!!
 ジェットコースターが進み始めると共に浮遊感を覚える。
「あ、あの……多尾?」
「何、大地君?」
 目がウキウキしてるよ、この人……。
「足場がないのは聞いてないんですけど……」
「言ってないからねー」
 その声に合わせてコースターが一瞬止まる。

 後に聞くと、俺は悲鳴にならない悲鳴を上げていたらしい。
665:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/25(金) 07:29:08 ID:gMBCdlvBpY

 覚悟がなかったらどんな強者でもチキンになるってことが分かったよ……。
「ジェットコースター恐怖症になりそう……」
「大丈夫だって。さ、次に行こ!!」
 気楽に笑いながら俺の背を叩くせんぱ──多尾。
「次は何処に行くのですか?」
 俺がそう聞くと、彼女は何も言わずに走り出した。
666:🎏 枕[S:ファ]
◆gTg4MOyrUY:2011/11/25(金) 07:36:31 ID:abfFXIg/oE

「ばれましたか……。2人とも、追いますよ!!」
 主人に内緒にして追尾していたのに、多尾先輩に感付かれてしまったみたいですね。
「ファ姉、お腹空いた」
「なら、適当に食べておいてください」
 手元の袋を隣にいた風に渡す。
「あのさ……」
「何ですか、千奈?」
「あの2人、見失ったんだけど……」
 私が叫んだ時には、主人たちの姿は影も形もなかったです。
「手分けして探しましょう!」
 そう言って私は近くの草むらから飛び出しました。
667:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/25(金) 07:46:20 ID:gMBCdlvBpY

 先輩がいきなり全力で走るものだから、それに引っ張られた自分は息絶え絶えだった。
「どうしたんですか、先輩……」
「……………」
 無言の圧力……。
「た、多尾?」
「簡単に言うと、猫とかが付いてきてたみたい」
「え?」
 猫って野良猫か? なら、大丈夫なんじゃ。
「鈍いのねー」
「じゃあ、何なのですか……」
「自分で考えること」
 彼女はそう言って、次の場所に向かっていった。
「ちょっと、待ってくださいよ!!」
668:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 21:55:40 ID:RQHWy6SVUI
オオオオン

定期亜毛ェェェェ

オオオオン
669:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 07:38:56 ID:7ta/dpHmDM
>>668
な、何で嘆いているんだ!?

ま、待ってろ。今更新するからさ!!
皆大好き、牛頭馬頭も再登場するからさ!!
670:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 07:44:46 ID:7ta/dpHmDM

 暗い中を壁に手を当て、進む俺と多尾。
 入る時は手を取られていたのだが、今では彼女が俺の腕に巻き付いてくる。
 そのせいか分からないが、穴が開くほどの視線がさっきから俺の首を狙っている。
「え、えっと多尾?」
「何? まさか怖いの?」
「違いますよ……。何か視線をさっきから感じるのですが……」
 そう言った瞬間、頭の上を何かが掠めた気がした。
671:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/28(月) 07:45:23 ID:zT9X29AL5s
っC支援、そして風かわいいよ風
672:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 07:50:06 ID:7ta/dpHmDM
>>671
さんくす
だが、風はやらんぞ、産みの親として!
欲しくば試練を受け……

痛っ!?
あ、ごめんなさい
嘘ですから殴らないで、蹴らないで!!
673:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 07:58:48 ID:7ta/dpHmDM

 先輩によって地面にへばりつかされる。
「何で来てるの、貴方たち!」
 先輩は猫目だから暗闇でも先が見えるのだろう。
 襲撃者が近くにあった灯籠によって照らされる。
 そこには牛頭と馬頭がいた。
674:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 08:09:06 ID:7ta/dpHmDM

「お嬢……。やっぱり俺たちは納得できません」
「そこの男はお嬢以外の女を周りに侍らせています」「そんな軽い男がお嬢の婿でいい訳がない!」
「よって、そいつを今、ここで始末します」
 そう牛頭馬頭が言う。
 先輩は言葉を返す。
「貴方たち……、どっちが喋ってたか見分けつかないね」
 その言葉に彼らは涙した。
675:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/28(月) 08:16:28 ID:bpXWVrAic2

「どうせ俺たちは声の質も一緒だし!!」
「黒服の時の背丈も顔つきも似てるから!!」
「「よく家の皆から間違えられるんだぁぁぁ!!」」
 複雑な悩みをお持ちなことで……。
「大地君、行こか……」
「はい。何かこっちまで落ち込みそうです」
 地に伏せ泣きわめく彼らの横を抜けようとしたが、やはり無理だった。
676:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/28(月) 08:39:57 ID:KQCSYmWF3Q
風のイラストが見たい!!見たいったら見たい!!
677:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/28(月) 15:57:35 ID:8tkFDEA3hA
さあたたかえ大地

そなたに我が股間の愛刀、備前オナ船を授けよう


678:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/30(水) 17:54:48 ID:.R2uKKmvEM
安定の放置プレイだな

くやしいっ
でも支援しちゃう//////ビクンビクン
おっさんだけど


679:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/11/30(水) 18:18:39 ID:VDnJeC4e6A
>>676
見たい?
でも、下手だからね、俺

>>677
大地「いらない!! そんなのを使う必要なんてあるわけないだろ!!」

多尾「ま、使うにしても切り落とさないと無理ですよね」

>>678
すまぬ
3つSSを抱えてたら遅くなってしまうんだ
テストなんて嫌だよ
680:🎏 名無しさん@読者の声:2011/11/30(水) 23:51:29 ID:8Ml7KPlhY6
>>679
ぜひ御願いしたい。あと自分のペースで更新していいから頑張って!!
っC
681:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:06:20 ID:YRREIsDfu6
>>679
何をお願いしたいか、50字以上で下ネタを使わずに言ってみろ!!
支援はそれまで預かっておいてやるぞ

682:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:11:49 ID:YRREIsDfu6
>>679じゃなく>>680

683:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:15:56 ID:Y.dqCajWKg

「俺たちをここまでコケにするたぁ、許せねぇ」
「本気で殺るか」
 あのー、字が違う気がしたんだが……。
「「覚悟ぉぉ!!」」
 やばい。ここは薄暗くて狭い通路。奴等はNSタックルのような感じで飛び込んでくる。
 ……逃げ場がない。終わったかもしれないな……。
684:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:23:52 ID:Y.dqCajWKg

 飛び込んでくる赤の馬面と青の牛面。
 その景色を遮ったのは白と黒だった。
「お嬢、退いてください!!」
「野良猫も退きなぁ!!」
 牛頭馬頭は警告したが、目の前の2人は退かない。
 2人は左右対称に構え、牛頭馬頭に拳を贈った。
 その瞬間、赤と青は今いた場所から消えた。
685:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:27:28 ID:Y.dqCajWKg

 あの2匹は何処に行ったのか見渡すと彼らは天井にいた。いや、生えていた。首が天井にめり込んでるのか?
 視線を下ろし2人を見ると、白と黒。
 プリ〇ュアを連想してしまったのは秘密だ。
686:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 00:34:25 ID:Y.dqCajWKg

「まったく暇な奴等ね」と白い猫が。
「主人に手を出すなんて10億年早いんですよ。それに私は主人がいるので野良じゃないです」と黒い猫が。
 っておい、待て。
「何でファがここにいるんだ!?」
 彼女は当たり前な感じで言った。
「それは勿論、じゃm──仕事の関係で……」
 こいつ……、邪魔しに、って言いかけたな。
687:🎏 680:2011/12/1(木) 06:35:23 ID:1sFWJKg1r2
>>681
お…御願いですからかわいい風の絵を見せて下さい!!
688:🎏 :2011/12/1(木) 07:34:54 ID:QNbItEn9RQ
>>678
貴様、>>671の条件を満たしていないな
よって、この件は考えておいてやるよ
689:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 07:43:19 ID:QNbItEn9RQ

 数十分後。人気のない遊園地の隅っこでは項垂れている者が数名、呆れている者が1名いた。
 1名の方が俺なのは言うまでもない。
「で、何で尾行していたんだ?」
「あるラノベでは、尾行することで相手の行動パターンと気配を消す力が養えるって、語尾が『さ〜』の人が言ってた」と風。
「それは敵幹部にでもやっとけ。それにお前は武芸者じゃないだろ……」
 目の前の鷹は「よく分かったね」と言ったが、元は俺の本を読んだだけだろ。
690:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 07:48:07 ID:5xkhhm62MI

「で、那由多。お前は?」
 俺が尋ねると、彼女は明らかに目を泳がせていた。
「えっと……、僕はね。た、偶々だよ、偶々!!」
「はい、ダウト」
 すぐに見破れるな。
「大地、そこは『ペロッ、これは嘘をついてる味だな!!』じゃないと」
 うるさいぞ、タカ子。
691:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 07:52:34 ID:5xkhhm62MI

「先輩、行きますか?」
 そう先輩に言ったら、凄い勢いでファが突っ込んできた。
「主人! 何であの2人に聞いて私に聞かないのですか!?」
 何だよ、聞いてほしいのかよ。
「…………」
「…………ジー」
「…………で、お前は何で来たんだ?」
 上目遣いに負けた訳じゃないぞ……。単に不公平かなって思っただけだからな!
692:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/1(木) 07:59:22 ID:5xkhhm62MI

「簡単に言うとですね。この遊園地に敵組織が紛れ込んでいるとボスから聞きまして──」
「…………ハァ」
「な、何ですか、主人! まるで私の言ったことが予想通り過ぎて、呆れを越して可哀想だなって目は!?」
 事実、そうなんだから仕方がない。もっとマシな言い訳を用意してると思ったんだがな……。
 そんな茶番をしている時に限って何かが起きるのは定番なのか、園内スピーカーからこんな声が流れてくる。
『あー、園内の諸君。この遊園地は、我々が占領した。我々は……まあ、簡単に言ったら……悪の組織だな……』
693:🎏 680:2011/12/1(木) 14:19:23 ID:9CD5Lm6VSI
枕殿イラストお疲れ様ッス!!
っバンホーテンのホットココア
694:🎏 :2011/12/3(土) 17:05:33 ID:Was8jKXelc
>>693
さんくす
大体のイメージだから適当だし、風とファで力尽きたよ
綺麗な絵を見たいなら、絵スレさんに頼んでくだせぇ
695:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/3(土) 17:13:31 ID:Was8jKXelc

「情報は正しかったのですよ、主人」
 認めたくないが、認めるしかない。
 第一に捕まっているからな、今。
「せっかくのデートが……。なんでよ……」
「多尾、何か言いましたか?」
 多尾に問いかけるが、何でもないと言われた。
「あー……人質になってもらってすまないね、諸君」
 シマウマ模様のスーツを着た男が前に出て話す。声的にはスピーカーの男か。
「我々が目的を果たすまで……まあ、大人しくしていてくれ……」
 男は面倒だと言って、俺たちの前から去っていった。
696:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/3(土) 17:21:17 ID:LR/ytgkbqg

 ヒーローショーでも行われるかのようなステージで敵組織の黒服たちは、観客席にいる俺たちを見張る。
「やっぱり他の一般人が邪魔ですね」とファは言う。
 確かに俺たち5人以外に一般人は30人程いる。その他の一般人は遊園地の外に出されたみたいだ。
「縄は大丈夫なのか? ウンともスンとも言わないんだが……」
「無問題よ、大地。少なくともアンタ以外は」
 那由多の言葉に他の3人が頷く。
「切り裂いたり、力ずくで裂いたりできるよ」と風。
 この超人どもめ。
697:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/3(土) 17:31:32 ID:Was8jKXelc

「羨ましい限りだね、少年君」
 密談していることに気づかれたらしく、シマウマスーツが俺の後ろに立っていた。
「何が目的ですか」
 俺の問いに男はこう答えた。
「正義の味方との戦争、かな? ま、俺たちは下っ端だからボスの意向は分からんがな」
 正義の味方? 何だよ、今頃の小学生でも信じなさそうな…………。
 隣にも悪の組織の構成員がいるから意外にいるかもな……。
「とんだバカですね、貴方の組織のボスは」
 ファが鋭い視線を飛ばす。
 何か、ヒーローとの戦争の前に悪の組織同士の戦争が始まりそうだな……。
698:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:19:40 ID:ek.5SuFRzg

「ま、俺も思うわ」
 あ、そこ同意するんだな……。
「大体、正義の味方ってガキの遊びかってぇの……。こんな時間だけ食う面倒事は嫌いなんだよ」
 この男、かなりの面倒臭がりだ。
「一般人には手は出さないよな」
「ま、そいつ等の動き次第だがな」
 それは不審な動きをすれば即座に始末する、というに聞こえた。
「今は従っておいた方が得策ね」
 那由多の言う通りだな。
699:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:33:12 ID:ek.5SuFRzg

 1時間くらい経っただろうか。一般人の方に動きが出始めた。
 中年の男がソワソワし始め、額に汗を浮かばせる。
「おい、オッサン。どうした?」
 黒服の1人が男に聞く。どうやら、トイレを我慢しているようだ。
「不味いよ、大地」
 風が耳元で囁いてくる。
「あの人、逃げようとすると思う」
「逃げるとしたら、縄を外された瞬間かな」
 那由多が話に加わってくる。
「逃げたら間違いなく殺られますね。そしたら……」
「パニック確定ね」
 ファの推測に先輩が付け加える。
 もし、そうなったらここにいる全員が始末されるだろうな。
700:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:38:02 ID:ek.5SuFRzg

「もし、彼が逃げ出そうとした時に、黒服たちに動きがあれば……」
 那由多の言葉で4人がこっちを向く。
 ため息混じりに俺は言う。
「そうなったら、あいつ等をブッ飛ばしてやれ」
 各々が首を縦に振った。
701:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/4(日) 16:42:21 ID:vwr6kDUtNM
更新キタ----(・∀・)----!!
702:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 17:12:19 ID:yvEPXiu.Rw
>>701
テスト前だからあまり更新できなくてごめんさい

年内には終わらしたいと思うが、無理な気がする
703:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/4(日) 17:18:29 ID:VDOy82iYU.
>>702
ゆっくりでいい、ゆっくりでいいぞぉ!!
704:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:11:10 ID:piwV0qFrog

 男の縄が外れる。やはり男は逃げ出そうとした。
 だが、黒服たちの対応は早い。
 1人が男を組み伏せた。まるで、予想していたかのように。
 それと同時に怒号が耳を突く。
「てめぇら、動くなぁぁ!!!!」
 あのシマウマスーツの男がパニックを防ぐために放ったものだった。そして、その声はこっちの出鼻を挫くのにも一役を買っていた。
「やられたわね……」
 そう言って那由多が歯噛みした。
705:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:23:21 ID:Ztizk4nQHk

「もう限界です。いつまで縛っておくのですか!」
 ファがシマウマスーツに対して吠える。
「そうは言っても正義の味方さんが来ないと、ねぇ」
 この問答は何回目になるだろうか。
 もう日は西に傾き、空が朱に染まり始めていた。
「居ないのを待っていても仕方がないでしょう!?」
 ファは何故かいつもと違って焦っている気がする。
「おい、ファ。何でそんなに焦って……」
 俺が全ての言葉を紡ぐ前に、空気が変わった。
706:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:34:34 ID:Ztizk4nQHk

 全ての視線が後ろに集中する。俺もそれに習う。
 夕日をバックに誰かが立っていた。
「何者だ、貴様!!」
 黒服の1人が叫んだ。
「……貴様等に名乗る名などない」
 そう言ってそいつは消えた。
「ぐっ!?」
「がはっ!!」
「ごふっ!!」
 そして、ステージの方から呻き声が聞こえた。
 周りの黒服は地に伏していた。
 あの一瞬で?
 そいつは、シマウマスーツにこう言った。
「あえて言うなら…………、ヒーローだ」
707:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:35:32 ID:EcB1hKr8to

「おいおい……、マジで現れたよ」
 シマウマスーツの男が今までで一番面倒な顔をし、目を細める。
「こりゃあ、退くに限るな……」
 って、逃げるのかよ……。そのまま戦闘に突入かと思ったんだが。
「主人。一般人は皆、避難しました」
 ファが俺の縄をほどく。
「早く私たちも……」
「どうしたんだ、ファ。お前、いつも以上に焦ってるよな」
「彼は危険です。特に、私たち悪の組織にとっては」
 縄が解けた。
 俺はもう一度ステージの方を見る。
「………………」
 そこには正義の味方が1人、こっちを見て立っているだけだった。
708:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:44:38 ID:/t3u.bxZ6I

 今、ここに居るのは俺とファ、そしてヒーローだった。
 那由多たちは先に行っている。
 目の前が二つの影によって暗くなる。
「お前か、猫」
「覚えていらっしゃるとは、光栄で!!」
 ファの拳が空を切る。
「お前は俺が唯一仕留め損ねた敵だ」
 ヒーローは少し離れて着地する。
「今回はベラベラ喋るのですね。さっさと掛かってきたらどうですか?」
 ファは目を細めて、跳んだ。
709:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:52:28 ID:/t3u.bxZ6I

 ファの全力はコンクリートをも砕く。今、目の前で証明されている。
 だが、当たらなければ意味がない。
「ちょこまか、と!!」
 蹴り出された足を奴は半身を逸らして避ける。
 無駄がない。
 ヒーローの動きはそう見えた。
 奴は逸らした半身を戻す。
「ぐふっ!」
 そして、拳を彼女に放っていた。
710:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:59:11 ID:/t3u.bxZ6I

 ファはステージから弾き出される。
「ファ!!」
 彼女の元へ向かう。
 だが、奴は許さない。
「お前は、あの猫の……悪の仲間か、一般人?」
 足が固まる。いや、震える。奴が大きく見える。
「仲間か?」
 奴は俺に掌を見せた。
711:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/7(水) 07:27:51 ID:.AL642LWkg

 俺に触れようとしていたヒーローの姿が横にぶれる。
「……し、主人には触らせません」
 ファだ。何とか無事みたいだった。
 しかし、無傷ではない。左腕は明らかに違う方向へ曲がり、額から出た血が右目を塞いでいる。
「主人、に……逃げましょう」
 彼女の姿を見て分かる。逃げた方がいいと。
「ああ。だけど……」
 奴がブッ飛んだ方向を見れば、もう立ち上がってこっちを、いや、ファを睨んでいた。
712:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:13:06 ID:jwabo7NvG2

「主人、私が囮になりますから逃げてください」
「嫌だ」
「で、でも! 主人が居ても何も変わりません!!」
 地味に胸を突くことを言ってきたな、おい。
「話は終わったか?」
「ご丁寧にどうも。まあ、まだなんだがな」
「行くぞ」
 問答が面倒になったのか、奴がこっちに向かってきた。

713:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:30:53 ID:jwabo7NvG2

 ファは体を捻り、蹴る。
「どうした、重さが感じられないぞ?」
 ファの体が逆さになった。
「こんなものか……」
 奴が拳を振り抜こうとする。
──主人!!
 ファが口を開いたのかは知らない。だけど、聞こえた。
 俺は足を動かす。
 怖さなんて関係なかった。ファを助けたい一心でいる。
 俺はヒーローに向かって突き進んだ。
714:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:47:44 ID:1F5QczKvnc

 後先の考えない無様なタックルだ。俺はぶつかった後、盛大に地に体を擦り付ける。
 だが、奴の体勢を崩すには上出来だった。
 奴の手から離れたファがやや遠くで着地した。
「さっきの俺に対しての質問に答えようか。ファとはどんな関係だという質問によ」
 俺はヒーローに向かって言う。

「ファはな、俺の家族だ!!」
715:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/8(木) 08:15:38 ID:ywmIqZSp2o
大地カッコいいな
716:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/8(木) 13:41:33 ID:3EPWydNmto
なんつうカッコよさ。

同じ名前だし、すげぇwktkする。
CCCCC
717:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 23:36:11 ID:LuxIfDOYRs
>>715>>716
たまには主人公らしさも必要だね

ぶっちゃけると、>>714の最後の台詞を言わせたかっただけなんだ
支援さんくすだ(・ω・´)
718:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 23:42:30 ID:ZuifM71Eps

「家族、だと?」
「ああ……」
 ヒーローが吠えた。
「ふざけるな……、悪に家族だと? ふざけるなぁぁぁぁぁぁあ!」
 俺の目の前には、奴の拳があった。
 ファは、……遠い。彼女の足では間に合わない。そして、俺には避ける術も防ぐ術もない。
 当たったら顔が吹っ飛ぶかな?
 俺は諦めて目を固く閉じた。
719:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/9(金) 07:11:03 ID:2/ksNIAli6

 おかしいな。痛みや衝撃を感じない。それに目を固く瞑っている感覚が残っている。
 俺は目を開け、見張る。
「よぉ、もやし……」
「身を張って女を守るたぁ、見直したぜ」
 そこに居たのは牛と馬。
「何で、お前らが……」
 いや、牛頭馬頭だった。
「勘違いすんじゃねぇぞ、俺はお嬢が悲しむのを見たくなかっただけだ」
 牛頭がぶっきらぼうに言う。
「牛頭はこんな言い方だけどな、俺たちはお前を認めることにした」
 馬頭は口を嬉しそうに曲げ、笑った。
「「行けよ、婿さんよ」」
720:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/9(金) 07:26:22 ID:2/ksNIAli6

「行ったな、馬頭」
「ああ、完璧だ」
 大地の気配が遠ざかるのを背に彼らは話す。
「お嬢の見込みに間違えはなかったな……」
「そうだな。もし、あいつ1人で逃げていたら、俺が全力で潰してたさ」
 2人は目の前のヒーローに狙いを定める。
「お前らは何者だ? 悪の仲間か?」
 2人は快活に笑う。
「がっはっはっ、正義の味方さんよ、」
「わっはっはっ、俺らは単なる、」
「「通りすがりの妖怪さ」」
 さて、久々に本気で戦えるぜ。
721:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/9(金) 07:37:49 ID:2/ksNIAli6

 表はマスコミとかで一杯になっているらしい。
 今、出ていっても揉まれるだけだから、裏から出る。
「おい、大丈夫か!?」
 那由多父がそこに居た。他の構成員たちも待機している。
「ヒーローが来たって聞いて飛んで来たんだが、問題はなかったみたいだな」
 那由多父の言葉にファが返す。
「この様が無事に見えますかね……」
「何、それだけ口が聞けたら問題ないさ」
 那由多父は優しくファの頭を撫でた。
「お疲れさん」
 なんか、良いとこを取られた気がする。
722:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 10:13:21 ID:X7SBxhlvQ.
うおおおおおおおおおおおおおおおッ!!

圧倒的私怨!!
723:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 10:38:26 ID:lFnFCMUGKc
>>722
なんか、すっごく怨まれた気が!?
支援さんくす(・ω・´)

さあて、あと一話分を残すだけさ〜
724:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 10:45:13 ID:OZ.akHp6kY

 遊園地騒動のせいで多尾先輩との件は、何時の日か埋め合わせをすることになった。
 俺たちの代わりに戦った牛頭馬頭は「正義の味方を再起不能にして帰ってきた」と聞いたから、心配することはないだろう。
 風や那由多たち、カフルス団は、今も平常運転らしい。
 そして、俺は病室にいた。勿論、前の件で俺を懸命に守ってくれた奴の。
725:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 10:51:41 ID:lFnFCMUGKc

「あとは腕の完治を待つだけだな」
 医者はファの腕を見て言う。
「こんなもの、寝てなくても治ります! だから、早く退院を……」
 医者は無言で彼女の腕を叩いた。
 彼女は案の定、悶絶して転がる。
「妖怪の遺伝子でも、基本は人間の体なんだからな」
 お前の体のほとんどは把握している、と医者は言う。
 ここはカフルス団の病院であり、彼はファを作ったらしい。
「じゃあ、後は頼むね」
 そう言って彼は病室から出ていった。
726:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 10:57:23 ID:lFnFCMUGKc

 茶番が終わったので、手に取ってあったリンゴを剥く。
「し、主人〜」
「何だ?」
「あれはヤブ医者です。だから、医者の交代を〜」
 リンゴを回しながら却下する。
「あれでも傷はちゃんと治してくれただろ」
「むー……」
 彼女は頬を膨らまし、左腕を擦る。
「ほい」
 剥き終わったリンゴをそのまま投げる。
 彼女は目を輝かせてそれを頬張った。
727:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 11:02:36 ID:OZ.akHp6kY

 シャクシャクとリンゴを食べる彼女。その彼女に聞く。
「あのさ」
「ふぁんれふかー?」
 いや、口の中を全部食ってからにしろ。
「むぅ……」

728:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/11(日) 11:08:13 ID:OZ.akHp6kY

「食べ終わりましたよ。何ですか?」
 俺は気になったことを聞いた。
「カフルス団ってさ、仕事してるのか?」
 彼女は再び含んだリンゴを噴く。汚いから止めろ。
「な、何をいきなり……」
「いや、俺がカフルス団の存在を知ってから、悪の仕事っぽいことをしてない気が……」
 その問いに、彼女は考え込み、こう呟いた。
「あんまり……やってませんね……」
729:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 11:37:31 ID:o6D2/o4bEU
いいなぁ〜人外を
こんなに可愛く書けて

>>1の文才に嫉妬

支援(*´д`*)
730:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 17:45:51 ID:UgNlKRPWhA
私怨
731:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 18:09:57 ID:h/ClQokcJU
試演
732:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 18:46:15 ID:35K7yLKyUg
肢艶
733:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 20:24:14 ID:PHb2NYku.U
(;´д`)ハァハァハァハァハァハァンッ(;´ж`)ウッキューン










(´・ω・)ショボーン…イッチャッタ
734:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/11(日) 21:31:48 ID:uIvSn9q4NQ
  _, ,_  パーン
( ‘д‘)
 ⊂彡☆))Д´) >>733
735:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:08:23 ID:iW5aYs19Do
>>729
文才とかは置いといて、
取り合えず妄想。それを文字にして書き出す。
これを繰り返していけば、上手くなっていく、はず
>>730->>732
支援さんくす
>>733
おい、何処でぬいた
>>734
叩いてやるなww

何かいきなり、こんなにもレスが付いたから、怖くなってきた((゚Д゚;))
736:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:16:04 ID:ZaNjet47sY

「む、昔はやってはいたのですよ!? ただ、最近は偶然、何もできてないだけですよ!?」
 手をワタワタさせて弁明しようとするファ。そこに俺は追撃を加えた。
「例えばどんなことをしていたんだ?」
 ハゥッ!? と言葉を詰まらせ、彼女は考え込む。
「正義の味方への嫌がらせとか、他の組織との抗争とか、様々……」
「お前は何処かのマフィアかヤクザの構成員か?」
737:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:29:57 ID:ZaNjet47sY

「意地悪です、今日の主人は……」
 目を潤ませて言うファ。
 くっ、それは反則だろうに!?
「でも……」
 顔を伏せ、言葉を濁す彼女。俺は不審に思い、近づいた。
 すると、ファは頭をあげて言った。
「こうしていると、主人が私に構ってくださりますから、嬉しいです……」
 ふ、不意打ちだった。
 思いもしなかった言葉に俺は顔を背ける。そこに手がやってきて、顔を強引に彼女の方向に持っていかれる。
 そして、柔らかい感触が口元を覆った。
738:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:37:07 ID:iW5aYs19Do

 何が起こった?
 心臓が今までにない早鐘を打っている。
「大好きですよ、主人」
 俺は周りの物を退け、破竹の如く後退する。
「もしかして、初めてでしたか、主人?」
 ファが不敵に笑った。
 しかし、初めてではない。あの時のことを思いだしつつ、平静を取り戻す。
「い、いや、二回目かな」
 ファは、その言葉によって、ピシリと固まってしまった。
739:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:43:50 ID:ZaNjet47sY

「だ、だだだだだ誰に盗られたのですか!? しかも、いつの間に!?」
 ファの悲痛な叫びが木霊する。俺はあえて、そこに爆弾を投下した。
「えーと、6月の多尾先輩の家に行ったときの夜に、風に不意打ちで……」
 プツンと、何かが切れた音が聞こえた。
 そこから先は、俺が発狂した猫を取り押さえられるまで苦労したと言っておこう。
740:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 07:50:58 ID:ZaNjet47sY

「よし、腕は完治し、これで退院だな」
 そう言われた瞬間、ファは感情を隠さずにぴょんぴょんと跳ねていた。
 夏休み最終日、彼女の腕は完全に元通りになった。
「主人、なんとか間に合いましたね!?」
「ああ、まったくだ」
 俺たちは医者に一礼をし、白い建物から出ていった。
741:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 17:31:33 ID:RKZQZp1hME

「主人、ちょっと行きたい所があるのですが……、一緒にどうですか?」
 唐突だった。
「まあ、いいけど」
 そう言うと、彼女は目を輝かして俺を引っ張って行った。
742:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 17:40:05 ID:RKZQZp1hME

「ここって……」
 見覚えのある町並みだった。
「そうですよ。主人の前に住んでいた町ですから」
 俺たちは歩みを進める。
 あの公園でよく遊んでいたな。遊んでいた友達、まあ1人だが、そいつは今もこの町に居るのだろうか?
「こっちですよ、主人」
 ファの足が速くなる。俺は彼女を追い抜かしそうな程のスピードで進んでいた。
743:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 17:54:13 ID:RKZQZp1hME

 次に来たのは空き地だった。
「猫の声が聞こえるな」
「はい。猫の集会場ですよ、ここは」
 俺の疑問にファが答えた。
 頭に引っ掛かったことが1つ。
「ここで……猫を拾ったけな」
 どんな色の猫か忘れたけど、小さい猫だった。
 連れて帰ったら、母さんに戻してこいって言われたっけ。でも、父さんが仕事の時は1人寂しいだろうって言って飼うことになったんだ。
「前に住んでた家に行っていいか?」
「はい、大丈夫ですよ」
 彼女は頬を緩めて言ってくれた。
744:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 18:43:41 ID:Xh00wEirNs

「懐かしいな……」
 俺は目の前の一軒家を見て呟く。
 標識には『空藤』とあり、別の住人がいることを示している。

745:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 18:51:14 ID:1h4sU4ikJI

 猫を雪の降る庭に無理矢理連れ出したり、一緒の布団で寝ていたら猫を体の下敷きにしてたり、色々あったな……。
「それだけを聞いてると、猫が可哀想ですよね」
 感傷に浸っている最中にファが茶々を入れる。
「う、うるさいぞ!」
 俺は顔を真っ赤にして叫んでいた。
 そこを中学生に見られ、脱兎の如く逃げる俺だった。
746:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/12(月) 19:00:32 ID:vQn24bs7N.


リアタイやで( ̄^ ̄)ドヤ←


つC
747:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 22:58:56 ID:1h4sU4ikJI
>>746
?(・ω・`)
支援さんくす(・ω・´)

今日か明日には終わらせれるかな?
748:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/12(月) 23:00:52 ID:qcDttONIGI
リアルタイムだと思って
書いたが更新なかった(;´д⊂)
749:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:05:45 ID:Xh00wEirNs

 恥ずかしさのあまり、逃げ出してきた俺たちは人気の多い交差点に出ていた。
 俺の目の前をトラックが通りすぎる。
「あ……」
 幻覚が見えた。黒猫がトラックで轢かれる瞬間が。
「……っ!?」
 青になった瞬間、俺は、また走り出した。
750:🎏 :2011/12/12(月) 23:08:21 ID:1h4sU4ikJI
>>748
すまないね……
今、更新してるから
751:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:15:44 ID:1h4sU4ikJI

「し、主人!? 何処に!?」
 ファの焦りを他所に、俺はある場所へと走った。
 そこに墓があるはずだ。
 俺は迷いながらも、ある場所に辿り着いた。
 そこは今も河原が残っていた。一時期はよく通っていた川だ。
「ここ辺りにあるはず。…………あった!」
752:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:23:38 ID:1h4sU4ikJI

 それは小さな墓で、墓標もアイスの棒を使った、簡素にも程がある墓だった。
 棒は、腐っていないし、新しい。まるで誰かが取り替えてるような感じがした。
 そこに書いてあったのは、
『僕の大好きな猫、ファのお墓』
 俺は背後にいる猫に言う。
「ファは、何時死んだんだ? そして、お前になった?」
753:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:33:45 ID:Xh00wEirNs

「飼い猫が死んだのは5年前、私として生まれたのは3年前です」
 振り返ったそこには、黒猫がいた。
「何で言わなかったんだ」
「言って信じられましたか?」
 無理だな。少なくとも、今も疑っているぐらいだ。
「なら、鈴と写真はどうですか?」
 黒猫は俺の胸に飛び込んでくる。そして、鳴らない鈴を鳴らした。
754:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:40:45 ID:1h4sU4ikJI

 尻尾の鈴を丁寧に取る。
「この鈴は私の機嫌がいい時などに鳴るようになっています」
 本当か確かめるために振る。が、音は出ない。
「私から離れているので鳴らないですよ」
「う、うるさいぞ! 写真は?」
 猫の手を借りて、俺は鈴の上半分を取り外す。
「寂しい時にはよく見てましたね、写真は」
 そこには、幼い俺とやや小さめの黒猫が確かにいた。
755:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/12(月) 23:51:21 ID:Xh00wEirNs

 猫から元の状態に戻ったファと河原に寝転がる。
「何で忘れてしまわれたのですか?」
「多分、引っ越した後の忙しさのせいかな?」
 ファの問いに俺はそう答えた。
 その回答に彼女は不服らしく、頬を膨らます。
「私は引っ越しごときで忘れ去られる存在だったのですかー!!」
 昔はそうだった。でも、今は違うと思う。
「病院の時のお返しだ」
 そう言って彼女の騒ぐ口を塞いだ。
 顔全体がトマトのように染まった彼女に言った。

「俺はファが大好きだ」
756:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/12(月) 23:53:21 ID:9CD5Lm6VSI
まさかとは思うがもうすぐ終わりじゃないだろうな…('A`)
757:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/13(火) 00:08:31 ID:Xh00wEirNs

「流石、若いの。熱いねー。ひゅーひゅー」
 いきなりの声に俺たちは電流が流れたように離れた。
「ふ、風!? 貴女、なんでここに!?」
 不敵に微笑む彼女は全て見てましたと言わんばかりの笑みだ。
「あんた達を見てると、僕の方が恥ずかしくなるわ」
 那由多までいた。風がいたから予想はできたが。
「いつも英雄さんは色を好むから仕方ないかな。なら、二番目にでも……」
 そう呟く多尾。
 日本では一夫多妻制はないですよー。
「悪に法はない」と風。
「いっその事、うちに来る?」とカフルス団に勧誘してくる那由多。
「それなら私も入ったら、大地君を……」と危険な発言をする多尾。
 思わず笑いが漏れる。隣のファも一緒だった。
「主人なしの生活は、私たちには考えられないみたいですね」
 俺も今がないのは考えられないでいる。
 多分、これからもそうだろう……。

      ─fin─
758:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/13(火) 00:11:02 ID:1h4sU4ikJI
>>756
残念、終わりなのだ


ってことで終了ー!
ご愛読してくれた方には最大級のさんくすをー!!

759:🎏 756:2011/12/13(火) 00:12:22 ID:FToABoPm86
oh…まさか終わるとは…だが言わせてもらうか。>>1乙!!そして風はもらっていく!!
760:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/13(火) 00:22:34 ID:0wEUMZPqbc
那由多って一人称僕だっけ?
>>1
761:🎏 760:2011/12/13(火) 00:30:26 ID:0wEUMZPqbc
一人称僕だったわ
すまん
何か違和感がある…
762:🎏 756:2011/12/13(火) 00:32:03 ID:ywmIqZSp2o
>>761
ボクっ娘良いじゃないか
763:🎏
◆gTg4MOyrUY:2011/12/13(火) 07:09:18 ID:1h4sU4ikJI
>>758
渡さんよ、風たちは渡さんよ!!
>>761
千奈さんは違和感出そうぜ! みたいなキャラにしたかったからww
764:🎏 お姉様 ◆RO2jhvAC9Y:2011/12/13(火) 13:47:04 ID:jUhRgLP6IQ
ひっそり覗かせてもらってました。
やっぱり文才ありまくりw

とにかく、本当に乙です!

つ旦~
765:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/13(火) 14:44:20 ID:zTNCLrUT72
今やっと>>1の3つ目の「父親が悪の…」ってスレが那由多のものなんじゃないか?と思った
乙!

そして>>763安価ミスだ
766:🎏 名無しさん@読者の声:2011/12/13(火) 15:11:30 ID:L42.WERUbA
(うД;`)ファが…俺のファが〜いなくなる〜…ウグッウゲッオェッ
767:🎏 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
250.73 KBytes

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