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殺し屋「無念です……。」
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1: ◆p1lPe6tSdk:2012/3/12(月) 22:53:20 ID:jXjtQP5wys
初SSです(・_・;)
マンネリなストーリー、読みにくい文章になってしまうかもしれませんが、何卒よろしくお願いします(´・ω・`)



181: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:04:26 ID:hHMvkSkuVQ
男「ハハ。…やっぱりお前は、お前だよ。どんなクズの娘だろうが、それは変わらない。」

殺し屋「…男さん。」

男「俺…カッコいいだろ?」

殺し屋「…はい。……貴方を好きになれて…本当に良かったです…。」

男「えっ?」

殺し屋「えっ?」

182: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:10:15 ID:hHMvkSkuVQ
男「お前…今、俺の事好きって…。」

殺し屋「…ちょっと待って下さい。まさか、気づいてなかったとか、言い出しませんよね?」

男「……////。」

殺し屋「何、顔赤くしてるんですか?コッチは割りと本気で怒ってるんですけど?」
183: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:31:39 ID:hHMvkSkuVQ
男「いやぁ、すまない。まさかお前が俺の事を…。」ニコニコ

殺し屋「はぁ…本当にサイテーです…。サイテー鈍感童貞男です…。」

男「ありがとうな…。」

殺し屋「ふぇっ!?何でですか!?////」

男「んっ?嬉しかったから、なんとなく。」

殺し屋「…まったく貴方って人は…////」


184: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:46:31 ID:hHMvkSkuVQ
男「あとさ、殺し屋に伝えておきたい話があるんだ。」

殺し屋「…何ですか?」

男「俺の親父の話だ。」

殺し屋「親父さんの…。」

男「ああ。もう、死んじまってんだけどな。…俺の親父はすげえ人間でさ、何でも出来て、周りからの信頼も厚かったんだ。…けど一番大事な仕事を目の前にして、愛人…母さんと恋をしちまったんだ。」

殺し屋「…。」

男「それのせいで仕事が、全部おじゃんになっちまってよ…。結果的に今まで積み上げてきた、功績も信頼も全部失っちまったんだ。」

185: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 15:54:44 ID:hHMvkSkuVQ
男「その後、親父は病で倒れて、俺の顔を拝む前に死んじまったんだよな。」

殺し屋「…。」
殺し屋が表情を曇らせる。


男「俺の周りの人間は、口を揃えてこう言った「親父さんのようには、ならないようにな。」ってな。」

男「だから…俺は少し、女の人が怖いんだ…。恋をする事がいけない事って…ずっと言われてきたから…。」

186: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:18:42 ID:hHMvkSkuVQ
男「でも、お前の好意は素直に嬉しい…。今だって平気な顔してるけど、心臓バックバクだ…。だけど…それ以上にお前と、これからどう接していいのか分からないんだ…。」

殺し屋「……。」

殺し屋「…ゆっくり考えていきませんか?」

男「…ゆっくり…?」

殺し屋「はい。私も少し…時間が欲しいんです…。本当は今すぐにでも、男さんに触れてみたいし、触れてもらいたい。…けど、やっぱり…どこか怖くて、それが出来ないんですよ…だから…ゆっくり考える時間が欲しいんです。」

男「あっ、さっき汚れちまったって言ったのは…」
殺し屋「分かってますよ。男さんの優しさは、これ以上ないってくらい理解してますから…。」
そう言って微笑む殺し屋。

187: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:49:30 ID:hHMvkSkuVQ
殺し屋「だから…だからこそ…いつか、必ず…男さんに触れられるようになって…色んなアプローチをして、男さんをメロメロにさせてやるんですからね!」
腰に手を当て、胸を張る殺し屋。

男「……。」
意表を突かれた様な顔をする男。

男「…ハハハ。そうだな。そうだよな…。」
クスリと、笑う男。
188: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 16:58:56 ID:hHMvkSkuVQ
男「あ〜あ。…まったく世の親父共は本当に大バカ野郎だな。子供に面倒なもん押し付けて、勝手に死んで行きやがってよぉ。…本当に大バカ野郎だぜ…。」

男「だからこそ…俺達は、先代の大バカ野郎を受け継がねぇように、幸せになんねぇとな。」
太陽の様な笑顔で笑う男。

殺し屋「…はい!」
それに、答える殺し屋。もちろん、笑顔を添えて…。
189: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 18:35:25 ID:4MSejU.22U
書き忘れてましたが、画像スレに幹部と殺し屋の絵をうpしてあります(^^;;

興味のある方は是非( ´ ▽ ` )ノ
190: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/28(水) 20:09:35 ID:q830ITMIn6
翌朝。

ポフっ
殺し屋「(…ふう。)」

朝日が窓から射し込み初めたばかりの早朝。
音を立てないように、優しく布団を畳む殺し屋の姿が、そこにはあった。

殺し屋「…(男さんは……大丈夫。よく眠ってる。)」
背後のソファーで眠っている男の姿を確認し、ほっと胸を撫で下ろす。

殺し屋「…。」
男が起きないようにすり足で、玄関まで移動する殺し屋。

殺し屋「いってきます。」
男に向かって微笑む。
返事は期待していない。

ガチャッ

ドアが閉まった音のみが部屋に響いた…。
191: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 15:29:00 ID:3d.OhuWroU
殺し屋「…さよなら…じゃないですよ…。」
玄関前で呟く殺し屋。

殺し屋「ただいまを言うための…いってきます…です。」
彼女は踏み出す

…男を守るため。

◯◯組を潰すため。
192: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 17:24:26 ID:5mLEbpE8Bo
殺し屋「(…昨日の一件で◯◯組も、本格的に私達の事を始末しにくるだろう。流石に幹部が殺られて、黙っていられるはずがないし…。)」
大小様々な屋根の上を駆け抜ける殺し屋。

殺し屋「(…なら、コチラから仕掛けてやるまでだ…。)」
覚悟の眼差しを向ける。
視線の先は、◯◯組本部のビル…。

殺し屋「(よし…。依頼された時の場所から、移動してはいないみたいだ…。)」
ッ…。
音も無く、ビルの屋上に着地する。


殺し屋「…待ってて下さい。男さん…。貴方と私の時間を邪魔する者達を……今、消してきますから…。」



193: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 17:56:37 ID:oR9LTLZEIM
殺し屋がビル内に侵入してから数十分…



殺し屋「おかしい…。」
殺し屋がいるのはビルの駐車場……地下一階だ。

殺し屋「(人の気配を一切感じない…。)」
屋上から侵入し、最上階から地下一階まで、くま無く探したにも関わらず、人っ子一人見つける事が出来なかった。

殺し屋「(此処が本部では無いのか…?それとも、組員全員で何処かに……いや、それは無い…例えそうだとしても、此処に一人も組員を残しておかないのは、おかしい…。)」
駐車場の主柱の影で、熟考する殺し屋。

そこに……。



???「何をお探しですか?お嬢さん。」
殺し屋「ッ!!?」
殺し屋の耳元で不気味な低音が囁いた。
194: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 18:46:19 ID:oR9LTLZEIM
ドッ!
殺し屋「くッ…。」
地面を強く蹴り、バックステップで距離を取る殺し屋。

???「…不法侵入とは、あまり感心出来ませんねぇ〜。」

殺し屋「……。(まるで、気配を感じなかった…。この人一体…。)」
静かに包丁を構える。

???「おやおや。見た目によらず、やんちゃなんですねぇ。これは、少しお仕置きが必要なようだ…。」

コッコッコッコッ!

殺し屋「なっ!?」
複数の足音が徐々に大きくなっていく。こちらに向かって走ってきているようだ…。



???「あっ…と、自己紹介がまだでしたね。私は、◯◯組の…一般的に言えば、幹部と呼ばれる役職についている者です。」
にっこりと笑う幹部B。
その背後には数十人の、組員と思われる人間が、銃器を構えてコチラを睨んでる。

殺し屋「(人の気配は、まるで感じなかったはず!?なのに何で!?)」





195: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 18:51:13 ID:oR9LTLZEIM
幹部B「苦労したんですよ。貴方が此処に侵入して来ると聞いて、わざわざ外で、貴方が駐車場に入るまで、気配を消して待機していたんですから…。おかげで気の荒いウチの組員達は、相当ストレス溜まっちゃったみたいで…。」

殺し屋「…何で…私が此処に来る事が…。」

幹部B「ああ〜っそうそう!今日は、わざわざ貴方ごときを始末するために、ウチの組長まで来て下さったんですよ?」
殺し屋の言葉を遮り、ハツラツとした声で喋る幹部B


刹那
…ザッザッ
殺し屋の背後から、靴が地面を擦る音が聞こえてくる…。


殺し屋「…っ!!!?」
背後に振り返った殺し屋が、余りの真実に言葉を失う…。

幹部B「…あの方が…◯◯組の組長ですよ?ねぇ………


















…男さん?」

男「……。」
そこには、殺し屋の見た事無い表情をした、男が佇んでいた…。




196: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:21:02 ID:oR9LTLZEIM
殺し屋「…男…さん…?」

男「……。」

男「…よくやってくれたな…幹部B。」
冷酷な顔で言い放つ男。

幹部B「いえいえ。全ては貴方のご命令に従ったまで。」

殺し屋「…ねぇ…嘘…ですよね…?」

男「……。」

197: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:27:45 ID:oR9LTLZEIM

殺し屋「こんなの…何かの…間違い…」
男「俺がお前に接触したのには、ある理由がある…。」




男「お前から**の情報を引き出すためだ…。それ以外の何物でもない…。」

殺し屋「ーーっ。」
その言葉は殺し屋から全ての表情を奪った…。
198: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 20:45:28 ID:U.oXxyuD36

殺し屋「…嘘…だ…そんなの…。」
かすれ切った声で呟く殺し屋…。

男「…**は、2年前◯◯組の一員だったんだ。優秀な男でな、どんな危険な命令にも、平気で従い、完璧にこなして組に戻ってくる、◯◯組にとって重要な人材だった。…だが、ある仕事中にウチの組員達を惨殺し、◯◯組の軍資金である金を持ち逃げしやがったんだ…。」

男「俺たちは、まんまと出し抜かれた挙句、**の尻尾すら掴めねぇまま逃しちまった…。このままじゃ、組の面目は丸つぶれだ。俺たちは、どうにかして**に落とし前をつけようとした……



…そこに飛び込んで来たのが、娘であるお前の情報だ。」

殺し屋「…ッ。」
抜け殻だった殺し屋の心に、微かな火が灯る。

199: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 21:07:14 ID:U.oXxyuD36
男「俺は、その時思い出したんだ…。**が言っていた言葉を……。」


**『僕には、娘がいるんですよ。僕はその子の存在を、つい最近まで知らなかった…。こんなクズみたいな人間の子供に生まれたせいで、あの子は苦しんでいるという事も知らなかった…。だから僕はお金を貯めて、せめてもの償いとしてあの子に渡したいんです。』


男「**がこう言ってた事を思い出してな…。もしかしたら、その言葉が真実で、**が娘であるお前に何らかの接触を試みた可能性があると考えたんだ…。もちろん確証は無い。だが、コッチも藁にでもすがる様な思いだったからな。その可能性に賭けてみた…。」

殺し屋「……。」

男「…だと言うのに、まさかすでに亡き者になっていたとはな…。顔が割れてないという理由で、わざわざ組長である俺が、くだらんバイトなどをして、如何にもただの一般人を装ってまで、お前に接触したってのに…。」


男「まったく…時間の無駄だった。」

殺し屋「……。」
200: ◆YkwVCqa05Y:2012/3/29(木) 21:34:00 ID:U.oXxyuD36

殺し屋「……じゃあ…何で…私が**の…情報を漏らしてない時点で…もう一人の幹部が…襲ってきたん…ですか…。」

男「あれは、俺のミスだ。あいつは戦闘技術はあるが、いかんせん理性が無くてな。作戦内容を話したら、勝手に暴走して、計画をおじゃんにしちまうんじゃないかと思って、放置しといたんだが…。まさか、作戦内容も知らずに暴れ出すとは…。あそこまで愚かだったとは俺も思ってなかったんだ。まぁ、落とし前として、しっかり殺しといてやったから別にいいんだけどな。」
饒舌に語る男。

殺し屋「……。」

殺し屋「…全部…嘘…だったんですか…?」
殺し屋の瞳から涙が、溢れ出す。

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