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【モンハン】狩人見聞録【SS】
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1: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/3/31(土) 12:00:04 ID:XlSJgOCK.c
狩り場を飛び交う真しやかな噂話、しかしそれらは時として現実となり狩人達に立ちはだかるだろう・・・

モンハンSSを書かせていただきますm(__)m
またお前かという方もいらっしゃるやもしれませんが、先に言わせてもらいます。ごめんなさい

このSSは一話完結の短編集です。詳しくは前作
【モンハン】絶対狩猟域【SS】をご覧になるとわかるかもしれません

・・・宣伝じゃないですよ


それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい


240: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 17:48:11 ID:5L3W2AsthQ
デウス「うむ…確かに全額確認した」

「お前もたまには普通のハンターみたいにモンスターを狩りに行ってもいいんだぞ?」

デウス「これがクエストみたいなもんだ」

「・・・」

デウス「また依頼があったら呼んでくれ」

「・・・ああ」
241: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 17:55:35 ID:5L3W2AsthQ
俺の名前はデウス
デウス・アレイ

ギルドに雇われている暗殺者で主な仕事の一つはハンターの暗殺だ

一口に暗殺といってもそんな気軽に出来るのではなく
ギルドが定めた掟を破りなおかつ警告を無視したりするハンターを粛清という形で暗殺する

だから俺の存在はギルドに黙認されていて一般のハンターは皆知らない

今までに俺の正体を知っているのは、ギルドと依頼を回す男、それから俺が殺してきた奴ら
まあ、死人に口無しだから喋れる訳がないが

そんなこんなでギルドの忠実な犬をしている俺だが、一応ハンターライセンスも持っているため、狩り場に足を踏み入れる事もできる

俺の主な仕事の二つ目は調査だ
242: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 18:03:13 ID:5L3W2AsthQ
調査とは、ギルドが追っているハンターの素行を調べる為に内密に狩り場に潜入しハンターの動向を確かめるという作業

ハンターに気づかれず常に動向を追うことの出来る立ち回りを要求されるため、ある意味暗殺よりも難しく面倒だ
小型モンスターに襲われて居場所がバレそうになった事もある

そして素行を調査し、ギルドに報告
ギルドの決定で殺すかどうかを決める

243: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 18:09:22 ID:VSvhXhJdv.
これが俺の仕事であり日常
毎日必ず血を見て過ごし、人との関わり合いを絶つ

だが、とっくの昔に慣れたし、ギルドに恩返しをしていると思えば苦にもならなかった

だから俺は孤独
依頼を回され暗殺するだけの殺戮人形と遜色ないのだ
244: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 18:42:47 ID:uNboVcn0GE
デウス「さて…久しぶりの町だし…買い物でもしていくか…」

俺はドンドルマに来ていた
ここなら雑貨が沢山あるからだ
暗殺者と言えば暗殺器具を持ち合わせているというイメージがあるみたいだが俺が相手取るのはハンター
屈強な飛竜を一人で狩ってしまう程の猛者もいるため油断は出来ない
餅は餅屋の言葉通り、ハンターを殺すにはハンターの武器を使った方が手っ取り早い

デウス「・・・やはり投げナイフが一番だな」

俺は投げナイフを愛用していた
投擲には自信があるし
先端に毒を塗れば一撃で仕留める事も出来る
何より音を立てずに殺す事が出来るのが魅力だった
245: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 18:55:56 ID:oUAVR/363k
店主「いらっしゃい、何をお求めで?」

デウス「投げナイフを99本頼む」

店主「お客さん、投げナイフはアイテムポーチに五本までしか入りませんよ?アイテムボックスにお送りできませんし」

デウス「我が儘王女の豪華晩餐会」

店主「・・・25000zになります」

デウス「無理を言ってすまない」

店主「いえいえ、またどうぞ」
246: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 19:03:05 ID:uNboVcn0GE
俺は立場上様々な特権を持っている

今のは店で通常購入不可能な品を買える事が出来るギルドの偉い立場しか知らない合言葉だ
他にもアイテムポーチの所持アイテム数を増やしたり、アイテムの所持数が上限が上がるなんて事もある

危険と隣り合わせだからこれくらいのサポートをしてあげたいとの事らしい

これはこれで便利だから俺はありがたく使わせてもらっているが

「ちょっと、そこのお兄さん!!」

デウス「ん?」

「あんた暇かい?曲芸でも見てかないかい?面白いよ!!」

デウス「すまないが…今は急いでいて」

「いいじゃないか、この賽は投げられた、咎人に断罪をは中々面白いよ?」

デウス「・・・そうだな、見せてもらおう」
247: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 19:06:41 ID:oUAVR/363k
芸人に連れられテントの中に入ると、そこには男がいた

「すまないなデウス」

デウス「いや、合言葉のお陰で助かった、依頼か?」

「ああ、ここでは話せんからギルドに戻ってからな」

デウス「曲芸か…そういや一度も見たことが無かったな」

「ははは、まあ見てみるといい」

デウス「・・・身軽だな」

「ああ、彼ら血の滲むような特訓をしているんだ」

デウス「(あの身軽な動き…何かに利用できないものか…)」

「終わったようだね、いこうか」

デウス「ああ」
248: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 22:53:33 ID:pB4ehVw4to
「マルコ・トムソン、こいつが今回のターゲットだ」

デウス「見た目は好青年だが…?」

「一度のクエストで大量のモンスターを虐殺する男だ」

デウス「それはまた豪快だな」

「さらにこの男の厄介な所は…その戦闘力の高さ」

「古龍討伐を一人でやってのけ、無傷で生還する奴だ」

デウス「・・・」

「更に…ギルドは過去三度に渡りこいつに暗殺者を差し向けた」

デウス「だがこいつは生きている…つまり」

「そう…マルコは暗殺者をことごとく蹴散らしていったのだよ」

249: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 22:57:25 ID:LvVWz41AbE
デウス「それで俺に役目が回って来たわけか…光栄だな」

「デウス、今回の依頼は強制ではない…断ってくれても構わん」

デウス「安心しろ、依頼は必ず達成する。それが俺のポリシーだ」

「・・・こいつはかなり危険な男だ、くれぐれも油断するなよ」

デウス「ああ」

「この依頼を達成したら報酬に上乗せである話をしてやろう」

デウス「話?」

「お前の両親の事だ」

デウス「!!」

「お前の両親は古龍に殺されたと言ったが…実は違う」

デウス「・・・聞く価値のある話みたいだな」

デウス「必ず戻る」

バタン

「・・・死ぬなよ、デウス」
250: さぎし(投下終了) ◆kvG4ejFyq2:2012/4/11(水) 23:04:51 ID:pB4ehVw4to
俺は道具を揃え樹海へと赴いていた
マルコがヒプノックを狩りに来るらしい

デウス「暗殺者を三度退けた男か…こいつは殺りがいがあるな」

ニヒルな笑いを浮かべながら慎重に辺りを探る
端から見たら不審な事この上ないが、こちらも真剣なんだ
土を踏む音、鎧の擦れ会う金属音、ヒプノックの威嚇、小型モンスターのざわめき
それは全てを聞き取り奴の居場所を探る、そして安全なポイントから確実に奴の息の根を止める
何しろ奴はかなりの使い手らしいから念入りに、だ

デウス「しかし…夜の樹海はやはり不気味だな」

そんなことを呟きながら慎重に歩を進めていると

デウス「・・・飛竜の風切り音!?」

急いで茂みに隠れ辺りを見回す
しかし、俺はそれにすでに発見されていた

「グルルルルル…」

そいつは尻尾で地面を叩きながら威嚇してくる

デウス「ナルガ…クルガ」
251: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/12(木) 09:12:12 ID:ihVx7QWlDA
何故こんなところにナルガクルガがいるのか
そんなことを考えるより先にまずは距離を置く
下手に咆哮されては今までの苦労が水の泡だからだ

しかしナルガクルガは威嚇するだけで襲おうとしなかった

何か様子がおかしい

そう感づいた俺はゆっくりと距離を詰めた
そうして歩くうちに手を伸ばせばナルガに触れるくらいまで近くについた

ナルガはまだ襲おうとしない
いや、襲えないの間違いかもしれない

漆黒の毛並みと夜で暗かった為遠目からではわからなかったが、右太股に裂傷がありそこから出血をしていた
さらに傷口の膿具合から毒に侵されているらしい
252: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/12(木) 09:17:37 ID:ihVx7QWlDA
別に飛竜愛護精神があるわけではないが、見てしまった以上放置するというのは気分が悪い

俺はアイテムポーチから解毒薬と回復薬と活力剤を取り出した
それらを包帯に染み込ませナルガの右太股に巻く

ナルガ「ガゥ」

痛むのか抗議の声を出すナルガ

デウス「我慢しろ、すぐ直るから」

最後に傷口周辺に生命の粉塵を振りかけ、生肉を食べさせた

まあ、こんな所だろ
253: さぎし(少量更新すみません) ◆kvG4ejFyq2:2012/4/12(木) 23:49:08 ID:Cg889WV0OI
治療が終わると俺は素早く任務に戻った

・・・はずだったんだが

デウス「・・・お前、ついてくるなよ」

ナルガ「・・・」

なんと、ナルガがついてきてしまった
治療したからどこぞの木の上でじっとすればいいものを…
だが、ついてくるだけなら問題は無かった
ナルガがいるだけで大概の小型モンスターは襲うのを躊躇っているみたいで、スムーズに進めた
さらに俺が足音を消しているの理解しているのか足音を消してついてきている
少なくとも一般人には気づかれないレベルだ
まあ、すぐ近くにいる俺にとっては聞こえてしまうんだがな
というより、ナルガが時々尻尾を絡めてくるから思うように進めない
帰ったら月刊『狩りに生きる』のナルガクルガ編でも見るかな…
254: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 09:03:41 ID:1BXX4a8Ae6
そんなことを言ってる間にマルコを発見した

奴は既にヒプノックと対峙しておりやや優勢気味だった

早速俺は近くに潜み様子を伺う
戦闘中の動作や呼吸から相手を読み取るのだ
ナルガはもう側にはいないが、恐らくどこかしらには潜んでるだろう

俺としては邪魔されなければ構わないし、任務が終わればそれでいいのだからどうでもいいんだが
255: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 09:10:43 ID:1BXX4a8Ae6
マルコははっきり言えば達人の領域だった

ライトボウガンを構えながら物怖じせず冷静に引き金を引いていく
さらにその表情にはなんの躊躇いもなく、焦りも緊張もなかった
強いていうなら…楽しんでいるといったところか

ギルドの方ではこういった奴らをリストに入れることが多いらしい
龍を殺しすぎて、快楽に目覚めてしまった奴らを

そうこうしてるうちにマルコはヒプノックを狩ってしまった
少なくとも俺が見ている限りではかすり傷一つない所を見ると俺が見てなかった時も傷はつかなかったんだろうな…

まあ、なんにせよこれでお別れなんだがな

俺はマルコに静かに近づいた
256: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 11:32:33 ID:pK92tyH6AY
マルコ「あーあ、まーた稀胃石来なかったよ…これで何回目かな…」

マルコ「ヒプノック狩り飽きたし…たまにはデカイの狩りたいなぁ…」

マルコ「天鱗も欲しいし…はぁ」

マルコ「・・・ね、君もそう思うでしょ?」

デウス「・・・」ガサ

マルコ「こんばんわ♪」

デウス「マルコ・トムソンだな?」

マルコ「うん、僕だよ」

デウス「お前にギルドからの暗殺指令が出ている」

マルコ「へー」

デウス「・・・」
257: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 11:39:26 ID:w2y3YsPSZA
マルコ「やだなぁ、そんなに怖い顔することないじゃん」

無邪気に笑うマルコ
その顔は実際より幼く見えた

デウス「・・・随分冷静だな」

マルコ「まあ、何度かあるしね〜」

マルコ「それより…いいの?そんなに悠長に構えてて…死んじゃうよ?」

デウス「安心しろ、もう終わる」

マルコ「っ!!」

デウス「朧と消えろ」

毒投げナイフが予め仕掛けてあった簡易発射機からマルコの頭を正確に貫いた…はずだった

ガキン!!

デウス「・・・」

マルコ「うわ〜あっぶな〜」

マルコはとっさに引き金を引き、ナイフを撃ち落としていた
258: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 11:56:07 ID:1eb41G1XQA
マルコ「すっごいや!!まるで映画みたい!!」

撃ち落としたナイフを見ながら子供みたいにはしゃぐマルコ

デウス「・・・さすがに暗殺者を退けただけの事はある、か」

マルコ「おじさん、すごいね!!」

デウス「理由はどうであれ、お前に暗殺指令が出されているのは変わらない…」

マルコ「む〜、僕だって殺されるわけにはいかないし〜」

マルコ「っていうわけで、死んじゃえ!!」

デウス「っ!!」タン

ドゴーン!!

デウス「拡散弾LV3か…容赦ないな」


259: さぎし ◆kvG4ejFyq2:2012/4/14(土) 12:03:29 ID:jQTanhlEc2
マルコ「ほらほら〜」

ドンドンドンドン!!

デウス「・・・」ヒュン

マルコ「うわっと!!」

マルコ「あはは、楽しいね〜」

デウス「殺し合いをゲーム感覚か…ま、俺も似たようなもんだが…」

かれこれマルコとは15分は戦っている
マルコはライトボウガンで弾幕を張り、俺はその弾幕の間を縫うようにナイフを投擲する
マルコは多種多様な弾丸を持っていたため中々近づけなかった

マルコ「いいねいいね、ゾクゾクするよ」

全ては細い糸の上で踊り続ける一瞬の出来事。
先に隙を作った方が死ぬ
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sage:


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