狩り場を飛び交う真しやかな噂話、しかしそれらは時として現実となり狩人達に立ちはだかるだろう・・・
モンハンSSを書かせていただきますm(__)m
またお前かという方もいらっしゃるやもしれませんが、先に言わせてもらいます。ごめんなさい
このSSは一話完結の短編集です。詳しくは前作
【モンハン】絶対狩猟域【SS】をご覧になるとわかるかもしれません
・・・宣伝じゃないですよ
それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい
521: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 00:35:37 ID:meKR5wKa2c
フラン「そろそろいこっか」
フランは立ち上がり身支度を整える
ショット「ようやくかニャ、待ちくたびれたニャ」
ショットは切れ味を確かめるようにニャン刀を振る
フラン「待たせちゃってごめんね」
フランは申し訳なさそうに謝る、しかしショットは
ショット「旦那さんがマイペースなのはわかりきってることニャ、今更きにしないニャ」
フラン「・・・ありがと」
フラン「さて、いきますか!!」
ショット「旦那さん」
フラン「ん?」
ショット「その…あまり無理はしないでほしいニャ」
ショット「旦那さんが頑張るのは見てて僕も嬉しいけど…旦那さんが無理する所は見たくないニャ」
フラン「・・・ショット」
フラン「わかった、無理はしないよ」
ショット「ニャー」
522: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 00:40:34 ID:9InhhhQ79Q
フラン「しかし…暑いね〜」
フランはクーラードリンクを飲み干し、砂原の真ん中を歩いていた
ショット「僕はあんまりきにニャらないけど…旦那さんは気になるかニャ?」
フラン「んー、クーラー飲まないと死んじゃうね」
ショット「洒落にならないニャ」
フラン「さて、ディアブロスはどこにいるのかな?」
ショット「旦那さんはディアブロスと戦った事はあるのかニャ?」
フラン「うん…皆に連れられて見学って形で」
ショット「じゃあまともに戦うのは初めてかニャ」
フラン「あの時はあんなの倒せないって思ってたけど…いつの間にかこれくらいのクエストは受けられるようになったんだな…」
ショット「そうニャ、旦那さんは日々成長してるニャ、自信を持つニャ」
523: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 00:47:13 ID:9InhhhQ79Q
フラン「ショットは私をいつも励ましてくれるね」
ショット「旦那さんが励まさせるような態度を取るからニャ」
フラン「あはは、ごめ…」
ドゴーン!!
フラン「っ!!」
ショット「ニャー!?」
突如としてフラン達の真後ろから突き出た角
そこから姿を表したのは紛れもない暴君 ディアブロスだった
フラン「ディアブロス!!」
フランは後ろに飛び退き距離を取る
それと同時にディアブロスは地中に潜った
ショット「ニャ、どこから来るかわからないニャ…旦那さん!!」
フラン「わかってる」
フラン武器を仕舞い、走り始めた
ディアブロスは下から狙ってくるため、走って居場所をわからなくし、撹乱するのだ
痺れを切らしたディアブロスが飛び出た所に太刀を降り下ろす
浅くではあるが、足に傷をつける事が出来た
524: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 00:53:02 ID:meKR5wKa2c
フラン「そこ!!」
切り下がりを利用して、足の間に潜り込み足を切りつける
ディアブロスは尻尾を回して応戦するが、足元にいるフランには当たらない
フラン「これでどう!?」
フランは練気を溜めて、ディアブロスに必殺の鬼人大回転斬りを繰り出した
刀身が白く輝き鮮血が走る
ディアブロスは思わず大きくよろめき、たまらず地中に逃げる
フラン「させない!!」
尻尾まで潜り込むのと同時にフランは音爆弾を投げつけた
不快な音が地中にいるディアブロスには効果絶大で地中からでてもがき苦しむ
フラン「はあああ!!」
そのまま怒濤の連続攻撃を叩き込み、練気を黄色にまで溜めた
525: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 00:58:52 ID:meKR5wKa2c
ディアブロスが地中から飛び出し、体制を整える
フランを睨み付け、口からは黒煙が吹き出ていた
フラン「怒ったみたいね…ショット!!」
ショット「了解ニャ!!」
フランは武器を仕舞い、いつでも逃げられるように走り出す
怒り状態にして暴れさせた後の疲労で一気に叩くというのが彼女の戦闘スタイルだった
しかし、フランは怒り状態のディアブロスのスピードを甘く見ていた
ディアブロスが突進を開始したの同時にディアブロスに向けて走り出す
ギリギリまで惹き付けてから横に飛び退く予定だっのだが
フラン「はやっ!?きゃあああ!!」
予想外のスピードに足がもつれてしまい、ディアブロスの突進を正面から受けてしまった
526: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 01:05:52 ID:meKR5wKa2c
ショット「旦那さん!!」
ショットが懐から回復笛を取りだし吹き始める
ショット「ギニャア!!」
だが、ディアブロスが尻尾を打ち付け、ショットを弾き飛ばした
フラン「ショ…ット」
フランは突進の衝撃がまだ残っており、ふらついていた
「グォォォォ!!」
ディアブロスは高らかに咆哮をあげる
フラン「しまった、バインドボイス!!」
なんの対応もしていないフランは耳を塞いで耐えてしまう
次に目に入ったのは目前まで迫るディアブロスの角
フラン「(私…死ぬのかな?)」
フランには数秒後にはあの角に串刺しにされている自分が写っており、どう足掻いても避けれない未来だということもわかっていた
フランは逃れられない死を前にして目を閉じた
527: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 02:31:52 ID:xPrX795wMM
フラン「・・・?」
何も起こらない
確かにフランは角竜の角に突き上げられる未来を辿るはずだったのだが…
ゆっくりと目を開けると、見覚えのある青と黄色のストライプ
まるでフランを守るように立ちはだかるその影は
フラン「ティガ…レックス」
轟竜 ティガレックスだった
528: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 02:37:55 ID:xPrX795wMM
轟竜はチラリとフランを見ると角竜に向き直り威嚇の咆哮をあげた
角竜は突然の乱入者に混乱してたようだが、自分の縄張りを侵す者は全て削除と言わんばかりに角を突き立てる
ディアブロスの行動は概ね正しい
会ったばかりの乱入者は実力がわからずまずは様子見というのが多い
ならばこちらから不意討ちをかけてやれば無様な醜態を晒せる、と
しかし、ディアブロスの最大の誤算は、相対している轟竜はただの轟竜ではなかった
轟竜は爪でディアブロスの目を潰す、ディアブロスは驚いて飛び退くが右目を潰されてしまった
轟竜は右目が潰れたのを確認すると、死角に入り込むように右側に移動し、豪腕で薙ぎ払った
たまらず転倒する角竜
それを押さえつけ、轟竜は自慢の牙で角をへし折った
529: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 02:43:31 ID:zENg4eWgjc
ショット「旦那さん!!何してるニャ!!こんなとこにいたら巻き込まれるニャ!!」
フラン「・・・」
突然の轟竜の出現
あんなにてこずっていた角竜を蹴散らした轟竜をフランはどうしても初めて会う気がしなかった
さらに轟竜をよく見ると身体中傷だらけである
つまり、あの轟竜はかなりの修羅場を潜り抜け、場数を踏んできた上位に相当するモンスターであると
しかし、これは下位のクエストで本来乱入はおろか、上位モンスターは出現はしない
ギルドでさえ予測しえない異常事態にフランはある答えを導きだしていた
あの轟竜は、先日あった轟竜と同じだと
530: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 02:50:59 ID:xPrX795wMM
そうこうしてる内に戦いは終わりに近づいていた
角竜を踏みつけ勝利の雄叫びをあげる轟竜
角竜はもう虫の息だった
角竜の瞳に光が失われる。それと同時に轟竜は踏みつけていた足をどけてフランにゆっくりと近づいた
フラン「・・・」
フランは動かない
動けないかもしれないが、フランは動かなかった
ショット「旦那さん!!何してるニャ!!早く逃げるニャ!!」
フランを庇うように前に立ちニャン刀を構える
ショット「だ、旦那さんに少しでも触れてみろニャ!!ボコボコのギッタンギッタンにしてやるニャ!!」
主人を逃がそうと轟竜の前に立つショット
しかし全身の毛は逆立ち、今にも逃げ出しそうな雰囲気だった
ショット「旦那さん?」
フランは何かに誘われるようにゆっくりと轟竜に近づく
轟竜はそれをただじっと待っているだけだった
531: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 02:58:29 ID:xPrX795wMM
フラン「・・・あの時の、ティガレックスだよね」
轟竜に触れながら疑問を口にするフラン
轟竜はそれに優し気な唸りで答えた
フラン「なんで?なんで私を助けるの?」
轟竜は答えない
フラン「・・・」
フランは太刀を抜き放ち、轟竜に突きつける
轟竜はただそれをじっと見続けているだけだった
フラン「・・・」
フランは理解している
自分が本気でこの轟竜と戦えば自分が負ける事を、圧倒的なまでの力の差を見せつけられてなお、彼女は太刀を降ろさない
何故なら、彼女は狩人だから
この轟竜には恩がある
しかし、相手はモンスターでこちらは狩人
相反する存在だからこそぶつかり合うしかないのだ
フラン「私達は…多分また出会う」
太刀を突きつけながらフランは言葉を紡ぐ
フラン「だから…次会うときは…遠慮はしない」
532: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 03:02:44 ID:xPrX795wMM
フランの強い決意
轟竜はそれを察したのかゆっくりと去る
フラン「待って!!」
フランの呼び止めに、轟竜は振り替えり唸る
フラン「おまじない…私に会うまで、絶対に誰にも狩られないように」
フランは轟竜に近づき、その口に唇を重ねた
轟竜は満足気に唸り、そのままどこかへと飛び去った
フラン「・・・」
フランはそれを静かに見送る
その瞳に強い決意を灯しながら
533: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 03:09:11 ID:zENg4eWgjc
数年後、集会所では腕利きのハンター達がある話し合いをしていた
「おい、あの噂は本当だったのか?」
「ああ、バカ強いティガレックスだとよ」
「知ってるぜ、俺会ったことあるからな」
「マジかよ!?どんなだった!?」
「どんな…って、ありゃ化物だよ…人間じゃ勝てねぇよ…」
「ちょっと!!クエスト受注しないなら溜まり場にしないで下さい!!」
受付の忠告にハンター達は頭を書きながら散っていく
「はあ…最近はティガレックスのせいで、めっきり依頼も減っちゃったしなぁ…」
「ねえ、クエスト受注していいかな?」
「はい…って、フランさん!!」
フラン「相変わらず暇そうね」
「暇っていうか、クエストを斡旋出来ないんですよ〜」
534: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 03:15:21 ID:xPrX795wMM
フラン「何?依頼不足なの?」
「不足っていうか…まあ、そんなところですよ」
フラン「まあいいわ、クエスト受けていい?」
「あ、はい!!何のですか?」
フラン「ティガレックス」
フランが轟竜の名を口にした瞬間、集会所の空気が凍りついた
「・・・え?」
受付も笑顔がひきつる
フラン「駄目?HRも問題ないと思うんだけど」
フランは微笑みながら受付に語りかける
「フランよぉ、無茶は言わんから、止めておけ」
「そ、そうだよ!!命を捨てる気か!?」
「確かに、ここ最近お前は伸びてきてるけどよ…」
「お前は期待の若手なんだからさ!!」
ハンター達は口々に考え直すようにフランを諭す
しかしフランは凛とした口調で
フラン「あのティガレックスには借りがあるから、私が狩らなくちゃいけないの」
そういいながら受付の受注書を手に取り
フラン「じゃあ、行ってきます」
残された者は皆唖然としていたが、ややあってフランの無事を祈願し始めた
535: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 03:23:04 ID:zENg4eWgjc
あれから数年
フランはハンターとして大きな成長をしていた
今ではフランが狩れないモンスターはいないとまで噂されている程に
しかし、彼女はティガレックスのクエストだけは絶対に受けなかった
彼女の過去を知る一部の者は理由を察し、深くは聞かなかった
ベリオSを身に付け、背には琥珀の刀、ライトニングワークスを背負う彼女は、ただ一点を見ていた
視線の先には轟竜 ティガレックスが待ち構えていた
フラン「おまじない、効いたんだね」
フランは柔らかく微笑み、しかし次の瞬間には狩人の顔になり、ライトニングワークスを抜き放った
フラン「じゃあ…いくよ」
フランが駆け出すの同時に、轟竜も地を蹴った
【甘い轟竜】
fin
536: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 03:26:00 ID:zENg4eWgjc
どうにも寝れなくて執筆した結果がこれだよ!!
皆様おはこんばんちわ
さぎしです
リクエストされたティガレックスを書きましたが…
誰か私にアルティメットファイナル土下座をする権利を下さい
折角リクエストしてくださったのにご期待に答えられなくてすみませんでしたぁ!!
537: っファンゴの頭:2012/5/3(木) 07:26:34 ID:cNuH.yi6uQ
∪∪∪∪∪∪∪∪
⊃CCCCCCCC⊂
⊃CCC5:43CCC⊂
⊃CCCCCCCC⊂
∩∩∩∩∩∩∩∩
ウェヒヒwwwステンバーイ
あ、焼き土下座なら言ってくれれば準備しますよ?
538: 名無しさん@読者の声:2012/5/3(木) 08:05:33 ID:3Zewjy5m3Q
おつー
俺の嫁月迅竜はまだかね…
539: 464:2012/5/3(木) 10:43:50 ID:l0eh7Yfw42
リクエストした者です
ど 土下座なんてしないでください!
とても面白くて、更新をwktkしながら待ってたし…
リクエストありがとうございました!
なんか偉そうですが、お腹いっぱいになる作品を書いていただいて俺は満足です!
つC×9999 轟竜の天鱗×2
540: さぎし ◆CmqzxPj4w6:2012/5/3(木) 13:03:50 ID:zomXB8ZOco
>>537
焼き土下座はお膝が熱くなるからヤなのです
・・・はい、すみません
支援爆弾感謝です♪
>>538
乙狩れ様です♪
月迅竜…ナルガたんの事かー!?
>>539
土下座が駄目なら切腹か!?
あんなので満足いただけていただけるとは、こちらこそありがとうございます!
リクエスト話は書いていて楽しかったです!!
本日はバタバタしていて更新がやや遅くなりますが、必ず更新いたします
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