女「男!!好きだ!!愛してる!!結婚を前提に付き合ってくれ!!寧ろ結婚しよう!!」
男「・・・え、やだ」
女「な、何故だ!?」
男「だって、お前変態じゃん」
女「わ、私のどこが変態だというのだ!?」
男「お前、朝からの行動を思い返してみ?」
女「朝か?朝はまずお前にモーニングコールを10回して、おはようメールを5通送ったな」
男「同じ奴から何回も連絡を入れられる恐怖を考えろ」
女「その後、男の家に向かい、お前が登校したのを確認して後ろから背中を眺め回してハアハアしながら後をつけて…」
男「ストーカーも入っていたとはな」
女「そして男が教室に入る瞬間、偶然を装い一緒に入り今に至るというわけだ」
2: 1:2012/6/7(木) 22:40:27 ID:XW2EvE/456
男「お前さ、冷静に考えろよ」
女「遠慮しろということか?」
男「違…いや、そうかもしれんが」
女「私とお前の仲だろう?」
男「いや…その…なんか違う」
女「男…」
男「ん?」
女「押し倒させろ!!」
男「ちょ!!押し倒すな!!」
ガラガラガラガラ
友「・・・」
男「よう、友」
女「友か、おはよう」
3: 1:2012/6/7(木) 22:44:26 ID:XW2EvE/456
友「男、おはよう。女さんも朝早いんだね」
女「ああ!!これも一重に男への愛だな」
男「俺としては普通にストーキングされてあまつさえ押し倒されかけたんですが」
女「既成事実を作ってしまえばこちらの物だ」
男「発想が怖いんだよ」
ガラガラガラガラ
幼「おはよう〜」
友「幼さん、おはよう」
男「よーっす」
女「おはよう、幼」
幼「男君、友君、女ちゃん、おはよう!!」
男「幼、お前朝早かっただろ」
幼「ふえ?なんでわかったの?」
男「リボン、逆」
幼「へ…わ、わああああ!!」
4: 1:2012/6/7(木) 22:47:44 ID:XW2EvE/456
友「相変わらずだね」
幼「う、ううう…」
男「ほら、直してやるからこっちこい」
幼「ごめん…男君」
男「気にすんなって」
女「・・・ふむ」
シュルシュル
男「よし、これでいいだろ」
幼「ありがと」
女「男!!」
男「ん?」
女「いきなりリボンがほどけてしまった、結んでくれ」
男「・・・自分でやれよ」
女「・・・ちっ」
幼「し、舌打ち聞こえてるよ、女ちゃん」
5: 1:2012/6/7(木) 22:51:58 ID:wc93T9Akyc
友「男、課題やってきた?」
男「なんとかな」
幼「あ、私まだ終わってない…」
男「へいへい、友、手伝ってくれ」
友「わかった」
女「実は私も真っ白で…」
男「お前は自分で埋めような」
女「・・・」
幼「お、男君…女ちゃんの手伝ってあげようよ」
男「いいんだよ」
男「あいつは、一人でなんでも出来るって知ってるからな…」
女「男…!!」
女「抱かせろー!!」ガバッ
男「だー!!引っ付くな!!」
友「いい?幼さん。ここの公式を解くにはこの二乗を…」
幼「なるほどー、さすが友君」
6: 名無しさん@読者の声:2012/6/7(木) 22:53:26 ID:D0cwAPPo0U
朝早いじゃなくて遅いだよな
7: 1:2012/6/7(木) 22:56:07 ID:XW2EvE/456
男「っと、もうHRか」
女「なん・・・だと?」
男「じゃあな、女」
女「くそっ!!私は!!男に会えるのを楽しみに!!」
友「盛り上がってるところ悪いけど、僕達皆同じクラスだからね?」
幼「更に言っちゃうと、男君と女ちゃんは友君挟んで隣だもんね〜」
女「はあ…男と隣になりたい…」
男「嫌だ」
女「隣に…隣になったら…」
男「嫌だったら嫌だ」
女「人目を忍んで男にエロい事を出来るのに」
男「せめてそこは教科書見せあったりとか言ってくれよ、お願いだから」
8: 名無しさん@読者の声:2012/6/7(木) 22:58:17 ID:wc93T9Akyc
>>6
わかりづらかったみたいですね。すみません
朝早く起きて油断してたからリボンが逆なのが気がつかなかったんです
分かりにくい表記申し訳ない
9: 1:2012/6/7(木) 23:03:14 ID:XW2EvE/456
女「とまあ、そんなことは妄想で補うとして」
男「補わないでくれ」
女「男!!愛してるからな!!」
男「いいから自分の席に戻れよ!!」
友「しかし、朝から微笑ましい物を見せてもらったよ」
男「どこが!?」
友「いいじゃない、女さんだから」
男「・・・そりゃあな、面はいいし、頭もいいし、運動出来るし、人望も厚いし」
友「これだけ聞いてればパーフェクトだけどね」
男「あの変態っぷりがな…」
友「でも、嫌いではないんでしょ?」
男「一緒にいて退屈はしないからな」
友「羨ましいね」
男「へいへい」
女「男ハアハア男ハアハア男ハアハア」
男「・・・前言撤回、退屈はしないけど、怖い」
友「・・・」
10: 1:2012/6/7(木) 23:07:46 ID:XW2EvE/456
授業中
女「・・・」ジー
男「・・・」カリカリ
女「・・・」ジー
男「・・・」カリカリ
先生「で、あるからにして…おい女、聞いてるのか?」
女「・・・」ジー
先生「女、問三番の問題を…」
女「5x-2です」ジー
先生「あ、はい…」
男「友、消しゴム貸して」
友「はい」
男「・・・」ヒュン
女「痛っ!!」ビシッ
男「友の消しゴムだから奪いはしな…」
女「男が投げた消しゴム…男が投げた…」
男「・・・すまん、友」
友「大丈夫だよ」カリカリ
11: 1:2012/6/7(木) 23:09:33 ID:wc93T9Akyc
こんばんは。こんな感じで学園物のSSを書いていきたいと思います
基本的に更新はまったりでいきますが、決して放置はいたしません
少し早いですが、今日の投下はこれで終了となります
12: 名無しさん@読者の声:2012/6/7(木) 23:23:45 ID:RS8xCclgAg
>>8
まさかのそっちだった
まぁ支援
13: 1(支援感謝):2012/6/8(金) 17:59:46 ID:ee5LtLCx4o
放課後
男「ふい〜、終わった終わった」
友「これからどうする?」
男「そうだな…部活行こうぜ」
女「私も…」
男「お前は生徒会の仕事な?」
女「はーい」
ガラガラガラガラ
友「意外とはまってるからね、女さんの生徒会長は」
男「外は完璧だからな、内側の変態性を隠せば生徒会長の器だろうよ」
女「・・・男」
男「ん?どうした?」
女「その…生徒会室までついてきてくれないか…?」
男「いきなりどうした」
女「い、嫌だったら嫌で断ってくれてもいいからな!?」
男「ついてってやるよ、なんか心配だし」
女「・・・」ニヤリ
友「男はあれだね、押されてもびくともしないけど、引かれたらホイホイついていくタイプだね」
男「なんか言ったか?」
友「なんにも」
女「さあいくぞ男!!」
男「うわっ!?ちょ!!引っ張るな!!」
14: 1:2012/6/8(金) 18:08:53 ID:ee5LtLCx4o
女「♪〜♪」
男「ゴキゲンだな…さっきのしおらしさはどこに行ったんだよ」
女「ふっ、それもこれもこうしてお前と腕を組んだりするためだ」
男「いいのか?そんなんで」
女子「会長、おはようございます」
女「ああ、おはよう」
女子「相変わらず仲がよろしいですね」
女「ふふふ、ありがとう」
男「なんか嫌だ」
「会長、こんな所にいらしたんですか」
女「お、すまない会計」
会計「いえ、私に謝らずに副会長に謝罪を」
女「うむ、後でそうしておく」
会計「すみません、会長が無理を言ったみたいで」
男「いや、構わねーよ」
会計「では、私達はこれにて失礼いたします。部活頑張って下さいね、会長の旦那さん」
男「おう…いや、待てよ」
15: 1:2012/6/8(金) 18:13:51 ID:nMeSdMoNoA
会計「何か?」
男「いや、さっきのセリフ」
会計「部活頑張って下さいね」
男「その後!!」
会計「会長の旦那さん」
男「それだ、俺はお前らにそう呼ばせるのを許した覚えは無いし、第一そんな風に呼ばせる筋合いもない」
会計「しかし…会長が男さんの事をそう呼べと」
男「・・・」
女「そんなに見つめるな…発情するだろ?」
男「とりあえず、この変態早く連行して」
会計「わかりました」
女「会計!?裏切る気か!?」
会計「男さんの命令は絶対という命令を下したのは会長の方だと記憶してますが?」
女「くっ!!」
男「じゃあな、女。運が良ければまた会おうぜ」
16: 1:2012/6/8(金) 18:22:31 ID:nMeSdMoNoA
武道場
友「ふーん、それで遅れたの?」
男「まあな、おっと、足がお留守」
友「させないけどね」
男「ちっ、フェイントかよ」
友「男はややフェイントに引っ掛かり気味だね、直さないとまずいよ?」
男「お前が掛けすぎなんだよ」
友「技の友と呼ばれてはないし」
男「おいおい」
主将「男!!友!!頑張ってるな!!」
男「主将」
友「どうも」
主将「友、手合わせ頼めるか?」
友「構いませんよ」
主将「っしゃー!!こい!!」
17: 1:2012/6/8(金) 18:33:07 ID:nMeSdMoNoA
主将「でぇぇいやぁぁ!!」
友「っ!!」
部員「凄い試合ですね」
男「力の主将と技の友、内の高校の剣道部のエース二人だからな〜」
部員「なんですかそれ?」
男「お前一年か、だったら知らないのも無理は無いな」
男「主将は見ての通り圧倒的な力で試合をするんだ」
男「フェイントや、相手の技すらも凌駕する程の気迫と力で幾多の試合を勝ってきた」
男「一方の友は見た限りは防戦してるが、巧みなフェイントと技で主将に揺さぶりをかけている」
男「多分、まともに主将と試合出来るのは、友くらいだよ」
主将「何を言ってるか男!!」
友「過ぎる謙遜は返って嫌味だよ!!男!!」
男「二人とも、喋ってたら隙が…」
主将「ぬおっ!?」グラ
友「今だ!!」ヒュン
主将「ちぇすとぉ!!」
ガシン!!
18: 1:2012/6/8(金) 18:38:49 ID:ee5LtLCx4o
男「・・・これは」
友「どっち…だ?」
主将「くっ!!」
男「見た限りは主将が面を打ってるように見えっけど…タッチの差で友の胴が速かったな」
主将「はっはっは!!やっぱり強いな!!友は!!」
友「何を言ってるんだい、主将だって十分強いじゃないか」
男「つまり二人とも強いってことで」
友&主将「おい」
男「とりあえず二人とも休め、かなり激しく動いただろ、特に主将」
主将「う…うむ…」
友「じゃあ僕も休ませてもらうよ…」
男「さて…と」
男「おーい、誰か濡れタオル持ってきてくれ」
女「はい」
男「サンキュー…って」
男「なんでいる?」
19: 1:2012/6/8(金) 18:52:28 ID:nMeSdMoNoA
女「いちゃ悪いか?」
男「そうだな、とりあえずお前は生徒会長なのと、生徒会の職務はどうしたのかと、お前は部員じゃないだろうというのがいちゃいけない理由かな」
女「職務に関してだが、今年度の部活の部費予算の見直しがあってな、生徒会役員全員でそれぞれ部活を見回っているんだ。そして私は剣道部を強せ…割り振られたからだ」
男「ほー、それで?剣道部の部費は?」
女「活動に勤しんでいるみたいだし、部費上昇は間違いないだろう」
女「なんなら、会長特権で更に増やしてやるが?」
男「いらん。帰れ」
20: 1:2012/6/8(金) 23:16:47 ID:pgetIhYfwI
主将「おーい、男ースポーツドリンクの差し入れが…って、生徒会長!?」
女「うむ、邪魔をしている」
主将「邪魔だなんてとんでもない!!こんな男だらけのむさ苦しい所によくぞ!!」
女「確か、近い内に大会があるのだったな」
主将「ええ、我が部からは自分と友と男が出る予定です」
女「そうか、期待している。頑張ってくれ」
主将「自分の出せる全力を尽くします!!」
友「これだけ見てると、主将が女さんに気があるみたいに見えるよね」
男「そうだな、二人とも別の意味で眼中に入れてないけどな」
男「っと、いけね」
友「どうしたの?」
男「今日は早く帰んなきゃならん用事があったんだ」
友「そっか、じゃあね」
男「おう、主将!!先に失礼するぞ!!」
主将「わかったー!!」
21: 1:2012/6/8(金) 23:21:38 ID:CxQyg6B8SQ
男「・・・」
女「・・・」
男「なあ、なんでついてくるんだ?」
女「近頃は最近物騒だからな、男に守ってもらおうかと思ってな」
男「お前が守ってもらえるような奴かよ」
女「恋する乙女というのは好きな人に守ってもらいたいものだよ」
男「お前って、フェンシング全国三位だっけ」
女「ああ、だが世界にはたくさんの強者がいる。私も、精進せねばな」
男「本当、羨ましいよ」
女「男…私は別に力が欲しいわけじゃないんだ」
女「ただ…お前の隣に立ちたい…それだけなんだ」
男「女…」
男「おやすみメールは返さないからな?」
女「殺生な!?」
22: 1:2012/6/8(金) 23:24:20 ID:CxQyg6B8SQ
男「んじゃ、俺はここで」
女「うむ」
女「男」
男「ん?」
女「また明日、な」
男「っ!!あ、ああ!!また明日」
女「ではな」
スタスタスタスタ
男「・・・」
男「あいつも普通にしてりゃあな…」
男「メール…しといてやるか」
男「勘違いするなよ、決して女のためなんかじゃなく、部費予算上昇のお礼を兼ねてみたいなやつだからな」
男「・・・誰に言い訳してんだか」
男「帰るか」
23: 1:2012/6/8(金) 23:29:18 ID:pgetIhYfwI
家
男「ただいま〜」
母「お、と、こ、くぅぅぅん!!」
男「・・・」
母「聞いて!!父君がね、帰りが遅くなるんだって!!」
男「いつもの事だろ」
母「違うの!!いつもより30分も遅くなっちゃうらしいの!!」
男「じゃあ待てばいいだろ」
母「そんな!!その30分の間に父君に何かあったりしたら…私!!」
男「じゃあメールでもなんでもして確認すればいいだろ」
母「でも!!何回もメールしたらしつこい女って思われるかもしれないじゃない!!」
男「父さんがそう思うはず無いだろ。だったら、何かあったら連絡下さいとか、その辺を送ればいいだろ?」
母「・・・男君って、天才?」
男「普通に考え付くだろ」
24: 1:2012/6/8(金) 23:37:35 ID:pgetIhYfwI
母「じゃあそう送ってみるね♪ありがとう男君、大好き!!」
男「はいはい」
男「あれが…我が母親だとはな…」
男「母さんは今年で26になるのだが、異様に背が小さく、童顔だ」
男「そのため、まず間違いなく高校生に見られる。そして一緒に歩くと妹に見られる」
母「何か言った?」
男「なんでも、可愛いよ、母さん」
母「やだ、もう///」
男「(何が悲しくて実の母親に可愛いと言わにゃらんのか…)」
母「それで?今日は学校で何かあった?」
男「特に何にも」
母「ぶー、つまんないなぁ」
男「・・・」
母「それで?女ちゃんとはどこまでいったの?」
男「どうしてそこで女が出てくるんだよ」
母「だって、二人はスッゴい仲良しじゃない」
母「お母さんはね、男君が選んだ女の子なら構わないけど…女ちゃんだったらいつでもお嫁さんにしてもいいんだからね?」
男「する気はないから安心してくれ」
母「お母さん、可愛いお嫁さん欲しいなぁ…」
男「これが今流行りの脅迫か」
25: 1:2012/6/8(金) 23:45:41 ID:CxQyg6B8SQ
男「部屋に引きこもってるから、ご飯出来たら呼んでくれ」
母「はーい♪」
男「さて…」
ガチャ
男「暇だな…女にでもメールしてみるか…」
男『今何してる?』
ピロリロピロリロ
男「早っ!」
女『今か?今はお前を妄想しながら瞑想し、なんとか透視出来ないかと奮戦してた所だ』
男『頑張らんでいいわ、そんなの』
女『最初から出来ないと決めつけてかかっていたら、何もできなくなってしまうだろう?』
男『へいへい、ご立派ですこと。そいや、母さんがお前を家に連れてこいってさ』
女『お母様が?それは是非招待に預かりたいな』
男『お前、母さんに気に入られてるからな』
女『気に入られてるとは人聞きの悪い。少しでも私の事を見てくださるよう努力の賜物だ』
男『ま、とりあえずいつかは家にこい』
女『じゃあ今から』
男『却下』
26: 1:2012/6/8(金) 23:52:07 ID:CxQyg6B8SQ
女『ふむ…確かに、急いては事を仕損じると言うしな』
男『何を仕損じるんだよ』
女『子作りとか』
男『喧嘩売ってる?』
女『喧嘩は売ってないぞ、処女を売ってるだけだ』
男『尚更たちが悪いわ!!』
母「男くーん、ご飯できたよ〜」
男「わかったー!!」
女『ふむ、どうやらここまでのようだな』
男『なんでわかるんだよ』
女『お母様はいつもこの時間に夕飯をお作りになられるからな』
男『なんかすげーな(あらゆる意味で)』
女『ではな、明日を楽しみにしているよ』
男『おう、じゃあな』
27: 1:2012/6/8(金) 23:52:46 ID:CxQyg6B8SQ
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
28: 名無しさん@読者の声:2012/6/9(土) 00:18:07 ID:gxLkv6Sa3g
誰も突っ込んでないけど高校生(仮に16才として)の母親が25才だと‘男’は母が9才のときに産まれた事になるが…
29: 1:2012/6/9(土) 00:34:33 ID:JU.Wfch0O2
>>28
すいませんm(__)m
完璧にこちらの表記ミスです
男は18で、母は38でした
非常に申し訳ない
30: 1:2012/6/9(土) 07:48:16 ID:/EAYt.Qw9g
母「どうぞ召し上がれ♪」
男「いただきます」
母「父君、いつ帰ってくるかなぁ…」
男「そのうちだろ」
母「帰ってきたら、第一声はなんて言おっか」
男「ただいまでいいだろ」
母「それだと味気ないでしょ?何か一声つけ足したいなぁって」
男「じゃあ愛してるなり、そばにいてほしいなり言えばいいだろ」
母「男君は女心がわかってないな〜」
男「(わからんでええ!!)」
ガチャ
父「ただいま〜」
母「嘘!?」ガタッ
母「父君!?速かったの!?」
父「新米がミスをして、それの始末書を書く予定だったんだけど、上司がそれを免除してくれたんだよ」
母「ち、ちちぐぅん!!」
父「はは、相変わらず母は泣き虫だなぁ」
母「ふええ!!心配したんだよぅ!!」
男「・・・」
31: 1:2012/6/9(土) 08:19:17 ID:/EAYt.Qw9g
父「ただいま、男君」
男「お帰り、父さん」
父「美味しそうな物を食べているね」
母「あっ!!すぐ予想からね!!」
父「母さん、焦んなくていいからね」
母「大丈…きゃふ!!」
男「しかし…本当にデコボコだよなぁ」
父「何がだい?」
男「父さんと母さん、今時あんな童顔な人はいないだろ」
父「確かに、母さん程幼く見える人はいないよね」
父「でもそこが、かわいくて…守ってあげたくなる場所じゃないか…」
男「随分と自信あるよな」
父「大人の余裕ってやつだよ、男君も大人になればわかるよ」
32: 1:2012/6/9(土) 08:23:10 ID:/EAYt.Qw9g
母「お待たせ〜」
父「ありがとう、母さん」
男「そういや、さっき母さん言い間違えてたよな」
母「へ?」
父「ああ、よそうと予想?」
母「っ///あ、あれは…」
男「母さん、そんなごまかさんでいいから」
母「ち、違うもん!!ふ、二人の会話を予想するからねって意味でわざとだもん!!」
父「じゃあ予想して?」
母「ふああああ!!」
父「(可愛いなぁ…)」
男「(やかましいな…)」
33: 1:2012/6/9(土) 09:39:48 ID:SW8mh3ctWE
父「そうだ男君」
男「ん?」
父「すまないけど、明日から三日間博多に出張に行かなくちゃいけないんだ」
男「へー」
ガシャーン!!
母「そ…そんな!!」
母「やだやだやだやだ!!父君に3日も会えないなんて、そんなのやだぁ!!」
父「母さん、話は最後まで聞くものだよ」
母「私もいくー!!」
男「母さん、無茶言うなよ…」
父「じゃあそうしよっか」
母&男「え?」
父「一緒にいこう、母さん」
母「ち、父君…!!」
父「それで、ここからが本題。三日間僕達は家を空けちゃうわけだから、男君にお留守番しててもらう事になるんだけど」
男「食事とかだろ?家事は一応は出来るし、インスタントとかで済ませれば…」
父「うん、でもやっぱり一人だと限界があるから、寂しくないように助っ人を呼んできたよ」
男「は?」
ピンポーン
34: 1:2012/6/9(土) 09:43:26 ID:SW8mh3ctWE
父「噂をすれば、かな?男君、お出迎えして」
男「?」
男「はーい、ただいま」
ガチャ
女「男!!」
男「間違えましたすみません」
バタン
男「・・・なんで?」
ガチャ
女「来客がいるのに、いきなり閉めるのは失礼にも程があるのでな…」
バタン
男「・・・疲れてるんだな」
ガチャ
女「だから閉めるなと言っている!!」
男「嘘だと言ってよバーニィー!!」
35: 1:2012/6/9(土) 09:49:08 ID:SW8mh3ctWE
父「というわけで、僕達が三日間留守の間、男君が寂しくないように、女さんを招きました」
女「お招き下さり光栄です」
母「よろしくね、女ちゃん」
女「はい、私の全力を持って、この家の安全と男の身を守ります」
男「できれば俺の貞操も守ってほしい」
女「断る」
父「頼もしいね、留守の間はよろしくお願いします」
女「おまかせ下さい」
男「ていうか、いいのかよ?家の人はいいって言ったのか?」
女「母さんも父さんも喜んでどうぞと」
男「あの二人は…」
父「とりあえずは明日からまた本格的に、今日は顔見せ程度だから」
女「わかりました。それてば私はこれで失礼いたします」
36: 1:2012/6/9(土) 10:01:01 ID:SW8mh3ctWE
男「なあ、本当に良かったのか?」
父「僕は自分を信じるよ?」
男「そうじゃなくて…顔見知りとはいえ、年頃の男女が一つ屋根の下で二人っきりだぞ?」
父「いいんじゃない?」
男「は!?」
母「お母さんはね、可愛い女の子が欲しいな」
男「ちょ!!待て!!」
父「まあ、仮に間違いが起こったとしても女さんなら大丈夫だよ」
母「女ちゃんなら任せられるからね〜」
男「・・・マジかよ」
父「でも、そんなことは差し引いたとしても、女さんになら、任せられると思ったんだよ?」
男「・・・」
母「そして何より、私達は男君がそんなことをする子じゃないってわかってるし、信じてるからね」
男「母さん…」
母「でも男の子なら多少強引にいかないと駄目よ?」
男「・・・」
37: 1:2012/6/9(土) 10:05:18 ID:SW8mh3ctWE
母「思い出すなぁ…父君の優しいながらも強引で男らしいアプローチの数々」
父「母さん、その話は…」
母「月の明るいあの夜…父君は私を優しく抱き締めながら…」
父「母さん」グイ
母「きゃっ!?」
父「そんなこといってたら…苛めたくなるじゃないか…」
母「は、はひ…」
男「駄目だこの夫婦」
父「さて、よいこは寝る時間だよ、男君」
母「あ、あれだからね!?お母さん達は…」
男「母さん」
母「な、何!?」
男「防音はしっかりね、お休み」
母「お、お休み//」
父「おやすみなさい」
38: 1:2012/6/9(土) 10:12:16 ID:SW8mh3ctWE
翌日
男「ふああ…よく寝た…」
男「父さん達…もういったみたいだな…」
男「なんかいい匂いするし…早く顔洗って…ん?いい匂い?」
男「・・・」チラッ
女「♪〜♪」
男「・・・なんだ夢か」
女「微妙に失礼だな、おはよう。その様子だとグッスリ眠れたみたいだな」
男「おう…」ボー
女「しかし…」ジー
男「んー?」
女「押し倒していいか?」
男「朝っぱらからトンデモ発言すんなよ」
女「パジャマでぼーっとしてるお前を見ての素直な感想だ」
男「顔洗ってくるから、待っててくれ」
女「わかった」
39: 1:2012/6/9(土) 10:16:51 ID:SW8mh3ctWE
男「・・・」パクパク
女「・・・」ジー
男「ん?どした?」
女「いや!?なんでも!!」
男「そうか?ならいいが…」
女「あ、ソースとかいるか?」
男「いいよ、このままで十分旨いし」
女「そ、そうか…」
男「お前って料理も上手いしな…本当にいい嫁さんになれそうだ」
女「・・・」
男「(あ、地雷踏んだ)」
女「っ!!こ、こうしてると、まるで新婚みたいだな…」
男「(堪えたか…)そうだな」
女「いつかこういう日が来るだろうか…」
男「お前なら大丈夫だろ、相手は誰かはわからんがな」
女「私の相手はお前しか勤まらない、そうだろ?」
男「・・・完全否定出来ない自分がいるな」
40: 1:2012/6/9(土) 10:21:53 ID:SW8mh3ctWE
男「ごっそさん」
女「ああ、支度はいいのか?」
男「これからする」
女「そうか」ジー
男「何?」
女「いや、生着替えを今のうちに拝んでおこうかと」
男「・・・着替えるから向こう行っててくれ」
女「断る、脱げ」
男「それ…普通の女子は絶対に言わねーよ」
女「いいだろう、減るもんじゃないし」
男「俺の中の何かが減るのと、俺の貞操がヤバイの」
女「流石に朝からハアハアは…しないぞ?」
男「なんで疑問系なんだよ…まあいいや」バサッ
女「脱ぎたてパジャマ!!」
男「とりあえずさっきの言葉取り消せ」
41: 1:2012/6/9(土) 14:50:28 ID:clWUJ94e0k
女「支度は済んだな?」
男「ああ、バッチリだ」
男「鍵をかけるから少し待っててくれ」
男「いってきます」
女「家には誰もいないぞ?」
男「いいんだよ、言いたい気分なんだ」
女「ふむ…」
女「いってきます」
男「女?」
女「言いたい気分だったんだ」
男「ふっ、ほんとわけわかんねー」
女「私が私たる由縁だが、少々寂しいな」
男「その内わかるようになるだろ」
女「・・・告白か?」
男「違う」
42: 1:2012/6/9(土) 14:55:45 ID:clWUJ94e0k
学校
友「おはよう、二人一緒に通学なんて珍しいね」
女「うむ、おはよう友」
男「お前こそ珍しいな、通学で会うなんて」
友「たまには早く家をでるのもいいものだよ、それで?なんで二人は一緒なの?」
男「お前に関係ないだろ」
友「直接はないけど、知っといた方がいい気がするし」
女「うむ、実は新婚生活中なのだよ」
男「おま!?」
友「面白そうだね、詳しく教えてくれるかい?」
女「ああ、事情を知ってる者がいれば動きやすいしな」
男「(俺の意見は無視か…?)」
43: 1:2012/6/9(土) 15:02:51 ID:clWUJ94e0k
教室
友「・・・つまり、要約すると、男のご両親が博多に三日間の出張の間、家事手伝い諸々の助っ人ど女さんが同居していると」
女「まあ、そうだな」
幼「凄いね〜」
男「そうだな、俺としてはなんでいつの間にか教室にいて幼がここにいるのか甚だ疑問に思うんだがな」
幼「え!?ご、ごめん…」
友「細かい事を気にする人は嫌われるよ?」
女「だが安心しろ、私はお前を愛しているから嫌いになどなるはずがないからな」
男「全然フォローにすらなってねぇな…幼、怒ってないから謝るな」
幼「う、うん…」
44: 1:2012/6/9(土) 23:17:23 ID:kXPawxb5SU
友「でも、よくご両親が許してくれたね」
男「あー…それは…」
女「私の両親も男のご両親も快く承諾してくれた」
幼「快く承諾していいことなのかな…」
女「私と男の仲だからな」
友「まあ、頷けるね」
男「頷かないでくれ、頼むから」
女「男、もう公認なのになんで頑なに嫌がるんだ」
男「これから起こるであろう惨劇が目に浮かぶからだよ!!ていうか公認じゃないし!!」
女「公認だろう?何を言って…」
「せんぱーい!!」
45: 1:2012/6/9(土) 23:26:53 ID:Ttc/iBXMT2
女「おお、後輩か」
後輩「先輩♪おはようございます♪」
友「おはよう、後輩」
幼「おはよう、後輩ちゃん」
後輩「友先輩、幼先輩、おはようございます!!」
男「よっす」
後輩「ああ、男さんいたんですか」
男「露骨に嫌そうな態度、まあ慣れたけど…」
女「後輩、男も先輩なのだからちゃんとした態度を…」
後輩「先輩、私はちゃんと年上として尊敬してます。しかし!!こんな人が先輩をたぶらかそうとしてるのは一目瞭然です!!」
後輩「先輩の美しさや可憐さに鼻を伸ばしまくりですし、先輩のお人柄につけこんできっと悪事を働くつもりです!!」
男「わーお、言いたい放題」
女「後輩、男はそんな奴じゃない…それは私が一番知ってるんだ」
男「・・・あ、いた」
友「ん?」
男「公認してない人」
友&幼「あ」
後輩「?」
46: 1:2012/6/9(土) 23:40:20 ID:kXPawxb5SU
後輩「な、なななな、なんですってー!?」
後輩「せ、先輩が…同居?しかも…こいつと!?」
男「年下にこいつと呼ばれる空しさ」
後輩「だ、駄目です!!いけません!!先輩の貞操が!!」
男「いや、寧ろ俺の貞操が…」
後輩「貴方は黙っててください!!」
男「黙れと言われた」
女「しかし…これは双方の両親が決めた事で、私と男もそれに賛同してるし」
後輩「何を言ってるんですか!!男は皆獣です!!特に先輩みたいな方には躊躇いなく襲いかかるような…」
男「いや、だから逆…」
後輩「喋んないで下さい!!」
男「発言権まで失った」
47: 1:2012/6/9(土) 23:49:12 ID:Ttc/iBXMT2
女「とにかく、もう決まった事だから、とやかく言う必要はない」
後輩「でも…!!」
友「盛り上がってるところ悪いけど、そろそろHRだよ?後輩は戻った方がいいんじゃない?」
後輩「っ!!いけない!!」
後輩「とにかく!!私は認めませんからね!!」
ガラガラガラガラ
男「やれやれ、後輩の頑固にも困ったものだ」
幼「でも、あんなに言ってもらえるなんて、女ちゃんの事を大事に思ってるんだね」
女「思われるのは、悪い事ではないがな」
男「思い過ぎもよくないがな」
女「全くだ」
男「(お前が言うな!!)」
48: 1:2012/6/9(土) 23:50:02 ID:Ttc/iBXMT2
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
49: 名無しさん@読者の声:2012/6/10(日) 10:34:01 ID:jYBzi03SXk
タイトルが最近のラノベ臭い。もっと要約しろよ。
50: 1:2012/6/10(日) 14:45:49 ID:dGLdUlbveo
>>49
最近のラノベはこんな感じのタイトルなんですか?
ラノベはあまり見ない人間なんでよくわかりません
でも、次からは気を付けようと思います
51: 1:2012/6/10(日) 14:52:00 ID:P2PgA.Nq/A
昼休み
男「よーし、飯だ」
友「あれ?今日はなんか風呂敷が違うね」
男「ん?そういや今日は女が作ったんだっけか」
女「・・・///」
男「普段なら和むところなんだろうが、こいつが赤らめても何か企んでるようにしか見えないんだが」
友「細かい事を気にしたら負けなんじゃないかな」
男「細かくねーよ、さらっと重大案件だよ」
幼「わー、女ちゃんのお弁当凄いね!!」
女「朝早くに起きてしまってな、折角だから少し力を入れてみた」
男「・・・」カパッ
友「わお」
女「お揃い…だね」
男「自演しながらいうセリフじゃないことはわかった」
52: 1:2012/6/10(日) 15:01:09 ID:P2PgA.Nq/A
ガラガラガラガラ
後輩「先輩!!」
女「後輩、そんな大きな声を出すもんじゃ…」
後輩「大丈夫ですか!?こいつに変なことされてませんか!?嫌なことさせられてませんか!?」
男「落ち着け」
後輩「これが落ち着いていられま…って、なんですかそれ!!」
男「え、弁当」
後輩「そういうことを聞いてるんじゃありません!!」
男「朝早くに女が起きて作った(らしい)」
後輩「な…な…」
後輩「(朝早くに先輩を無理矢理起こして、あんな豪華な弁当を作らせた!?しかも!!)」
後輩「なんで全く中身が同じなんですか!?」
女「後輩、これは私が勝手に…」
後輩「先輩!!やっぱり先輩は人がいいから、この男に騙されてるんですよ!!朝早くに起こしてこんな弁当を無理矢理作らせるなんて、正気の沙汰じゃありません!!」
女「無理矢理?後輩、これは私が自主的に作ったんだが?」
後輩「へ?」
女「私は別に起こされてもないし、弁当作りを強要されてもない。全て私の意志だ」
後輩「う…で、でも…」
女「それ以上何かを言うつもりなら、私もそれなりの対応をしなくてはならないが…」
53: 1:2012/6/10(日) 15:06:07 ID:P2PgA.Nq/A
男「勘違いなんて誰にでもあるだろ、後輩も勘違いしただけなんだからそんな責めるなよ」
後輩「・・・」
女「む…それもそうだな」
友&幼「(責めてたかなぁ?)」
後輩「わかりました…お弁当に関してはもう何も言いません」
女「わかってくれればいいんだ」
後輩「ですが先輩、注意してくださいね?いつ押し倒されるか…」
女「・・・そうだな、いつでも準備しておかないとな」
男「こっちみんな」
後輩「先輩、隣いいですか?」
女「いいぞ」
後輩「失礼します♪」
54: 1:2012/6/10(日) 15:19:02 ID:P2PgA.Nq/A
男「ところで、結局どうなったんだ?」
女「何が?」
男「ほら、昨日の部費の件」
女「ああ、概ね上昇した部活、同好会が多かったな」
友「概ね、ということは削減した部活もあるんだね」
女「ああ、削減及び、活動停止を命じた部活もあったな」
幼「活動停止!?」
女「うむ…学業や高校生らしい規律を学ぶにあたり全く関係のなさそうな部活が幾つかあってな」
後輩「例えば、どんなのですか?」
女「少し待て…あった」
女「『絶対領域について論議する会』という同好会もあってな」
男「なんでそんな同好会が今まで黙認されてたんだよ」
女「それだが、前年度生徒会の上層部の多数が、その同好会の関係者及び関係者と繋がっていてな、顧問も先生の名前を借りて生き延びていたらしい」
友「権力にものを言わせて生き延びてたということかな?」
女「そういう事になるな。因みにこの高校には全部で60の部活、同好会があるらしい」
男「ふーん」
後輩「先輩が喋ってるんですから、少しは真面目に聞いてください!!」
女「だが、その60の内、まともに活動しているのは、20もないんだ…」
55: 1:2012/6/10(日) 15:30:30 ID:P2PgA.Nq/A
幼「えっと…なんで?」
男「さっきの同好会みたいに、あまり学業に関係がなかったり、後は重複したりするのか?」
女「流石だ、内容が似たような部活が多いのだ」
女「例えば、剣道部を応援する会、とかな」
男「そんなのがあったのか!?」
女「活動目的、内容としては剣道部のフォローや応援するといった内容だが…それを理由に部費を不正に受け取っていたんだ」
男「そんな同好会あったことすら知らんし、何より応援に来てた記憶すらない」
女「とにかく、活動停止及び部費削減したリストがこれだ」
友「僕達に見せていいの?」
女「データ自体は管理してるし、別にお前達がこれを見てどうこうする気はないと思ってるからな」
幼「なんか…本当に生徒会長って感じがするね」
女「まあ、生徒会の役員がまとめてくれたんだがな」
男「いいじゃねーか、会長自らが率先して動こうとする気があるんだから」
女「気だけでなく、本当に私は自らも行動を起こせる人物になりたい。任命されたからには恥ずかしくないような生徒会長になりたいからな」
後輩「大丈夫ですよ♪先輩は全校生徒の憧れの的ですから♪」
56: 1:2012/6/10(日) 15:36:30 ID:dGLdUlbveo
女「ありがとう…後輩」
後輩「いえいえ(やった!!先輩に誉められた!!)」
男「お前が頑張ってるのは皆知ってるんだ、だから役員の奴らもお前に無理させないよう頑張ってるんだろ」
女「男…」
後輩「む」
男「寧ろ俺達はお前が頑張り過ぎてぶっ倒れないか心配してんだよ。頑張るのはいいが、少しは力抜こうぜ」
女「お前も…そう思ってるのか?」
男「まあな」
女「・・・ありがとう」
男「気にすんな」
後輩「(空気を読んで下さいよ!!折角私が締めて先輩といい雰囲気だったのになんで邪魔するんですか!?)」
男「(なんか寒気が…)」
57: 1:2012/6/10(日) 15:46:22 ID:dGLdUlbveo
後輩「それじゃあ私は自分のクラスに戻りますけど…」
後輩「先輩に手を出したらただじゃおきませんからね!?」
ガラガラガラガラ
男「俺…いったい何をされるんだろうか」
女「男、別に私はいつでも構わないからな?後輩が怖いのは分かるが怖がってばかりでは何も始まらないからな」
男「怖がってないし、始める気すらない」
友「男、据え膳食わねば男の恥というよ?」
男「だーかーらー、無理なもんは無理!!」
幼「なんで?二人ともお似合いだよー?」
男「それは…その」
友「大きな声で言わないとわからないよ?」
男「俺達、未成年だし…結婚してないし…」
三人「(なんだこの可愛い生き物)」
男「とにかく!!駄目なもんは駄目だ!!」
友「はいはい、そろそろ午後の授業が始まるから、お開きね」
男「お前らが振ったんだろうが!!」
58: 1:2012/6/10(日) 15:50:29 ID:dGLdUlbveo
下駄箱
女子「会長、さようならー」
女「さようなら」
女「ん?男!!」
男「お、女か」
女「どうした?いま帰りか?」
男「ああ、特に何の用事もないしな」
女「そうか…」
男「・・・一緒に帰るか?」
女「当然だ、さあ早くいくぞ」
男「ちょ、腕を引っ張るな!!」
女「ん?」カタッ
男「どうした?」
女「手紙がある」
男「・・・開ければ?」
女「いや、中身はわかってるからいい」
男「そうなのか…」
女「気になるのか?」
男「少しは」
女「仕方のない奴だ」
59: 1:2012/6/10(日) 15:59:58 ID:P2PgA.Nq/A
女「女様、突然のお手紙申し訳ありません」
女「貴女を一目見たときから私の中で貴女に対する気持ちが膨れ上がるのを感じます」
女「生徒会長として演説したり、優秀な頭脳で問題を解いたり、運動神経の良さを披露したり、何より、お友達の皆さんと楽しく談笑する様子を見ているのが私の幸せでした」
女「ですが、日に日に私の貴女に対する気持ちを押し殺すのに限界を感じるようになって参りました」
女「どうしても伝えたい事がありますので、旧校舎の空き教室にきていただけると嬉しいです」
男「そりゃあ…」
後輩「ラブレターですね」
男「後輩!?」
女「なんでここに」
後輩「帰ろうとしたら先輩の麗しいお声が聞こえてきたので、邪魔付録もいましたが」
男「もはや人扱いされてない件について」
後輩「先輩に目をつけるその審美眼は評価しますが、誘うにはありきたり過ぎますね、芸が無いです」
男「辛辣だな」
後輩「なんせ、先輩に一番近い後輩ですから」
女「文面を見る限り…これは一年だな」
男「そこまでわかるのか!?」
後輩「流石先輩!!」
60: 1:2012/6/10(日) 16:06:48 ID:P2PgA.Nq/A
男「いくのか?」
女「まあな」
男「マジで!?」
女「何故だ?」
男「いや…普通に放置安定だろ」
女「しかし…折角手紙を出してくれたのだ、断るにしても待たせるわけにはいかないだろう」
後輩「そうですよ!!先輩は優しい方なんです!!貴方と一緒にしないで下さい!!」
女「というわけで行ってくる、すまないが二人はここで待っててくれ」
男&後輩「え!?」
61: 1:2012/6/10(日) 17:42:54 ID:hfHoRZvP6I
男「・・・」
後輩「・・・」
男「なんか…喋れよ…」
後輩「嫌です。貴方と話す事なんかありません」
男「嫌われてるな…」
後輩「当然です。先輩に近づく輩は大体が邪な事を考えてます」
男「断定したぞおい」
後輩「それに…貴方には幼先輩がいるじゃないですか」
男「あー、あいつは無理」
後輩「何故ですか?」
男「近すぎて対象にならないんだよ。いい意味でも悪い意味でも」
後輩「言葉の意味がわかりません」
男「わからなくていい」
後輩「・・・貴方は、先輩が好きなんですか?」
男「いきなりだな…嫌いではないな」
後輩「も、もしもですよ?先輩とお付き合い出来るって言われたら…どう思いますか。」
男「俺だったら断るな、友達としてなら楽しいが、恋人としては考えられないし」
62: 1:2012/6/10(日) 17:51:24 ID:WzVoGk3UGA
後輩「私は…お付き合いしたいです…」
男「・・・」
後輩「わかってます、先輩は女性で、私も女だから…現実的に考えて…無理だなんて事…」
後輩「それでも…私は先輩が好きです。一人の女性として…」
男「後輩…」
後輩「だから…先輩に好かれている貴方を、私はいつまでも羨ましく思いながらライバル視します」
男「さらっとライバル宣言かよ」
後輩「私は諦めませんからね!!絶対に先輩を振り向かせてみせます!!」
男「そういや、なんでお前そんなに女が好きなんだ?お前くらい可愛いならすぐに彼氏作れるだろ」
後輩「っ!!貴方には関係ないでしょう!!」
男「へいへい」
男「まああれだ、女を振り向かせるなら頑張れとしか言いようがないんだよな…別に俺は女を狙ってるわけじゃないし、ただ友達としていたいだけだし」
後輩「・・・貴方のそういう鈍感な所が嫌です」
男「なんか言ったか?」
後輩「なんにも」
63: 1:2012/6/10(日) 17:59:27 ID:WzVoGk3UGA
女「二人とも、待たせたな」
後輩「先輩!!」
男「お疲れ」
女「待ち合わせの場所に行ったら一年の女子がいてな…」
後輩「やっぱりですか」
男「え、お前わかってたの!?」
後輩「今時男は手紙なんて回りくどい方法使いませんよ」
男「(そうなのか…)」
女「最近にしては珍しく真っ直ぐな女子だった。だからこそ、間違ってる事を諭しながら断ってきたよ」
女「同性愛で得られる物など、何もないとな」
後輩「・・・」
男「あー、お前って同性愛とかに偏見もつタイプ?」
女「偏見を持った覚えはないが…まあ、そうだろうな。男は?」
男「うーん、まあ社会的には悪く見られるかも知れんが…お互いが幸せならそれでいいんじゃないか?」
女「お互いが幸せに…か」
後輩「・・・」
女「こんなところで考え込んでも何も始まらないだろう、帰ろうか」
男「そうだな」
後輩「はい」
後輩「男さん」
男「ん?」
後輩「ありがとうございます」ボソッ
男「・・・素直じゃないな」
64: 1:2012/6/10(日) 18:04:24 ID:WzVoGk3UGA
後輩「それじゃあ、私はこれで失礼しますが…」
女「ああ、さようなら」
男「じゃあな」
後輩「先輩に手を出さないで下さいね!!」
男「釘を刺さんでも大丈夫だって」
後輩「貴方はいまいち信用できません」
後輩「先輩、気を付けてくださいね?」
女「わかっている。羽目をはずさないように注意しよう」
男「見事に会話が噛み合ってないな」
後輩「では、さようなら」
女「・・・さて、いこうか?愛の巣へ」
男「そんな表現をするな、あそこは俺の家だ、目をギラつかせるな!!」
女「ふふふ、断る」
65: 1:2012/6/10(日) 18:40:50 ID:ldWGV.t3wA
家
男「ただいまー」
女「ただいま帰りました」
男「なんで丁寧?」
女「癖だ、気にするな」
女「・・・男、すまんがもう一回入り直してくれないか?」
男「構わんが…」
ガチャ
男「ただいまー」
女「おかえり、ご飯にする?お風呂にする?それとも…私?」
男「飯で」
女「・・・色気が無いな、君は」
男「当たり前だ、色気なんか出したらアウトだからな」
男「さってと、飯作るか」
女「男、その前に着替えてこい。制服が汚れたら困るだろう?」
男「そうだな」ゴソゴソ
女「ほら、ハンガー」
男「悪いな」
男「・・・どうした?じっと見つめて」
女「いや、下はいつ脱ぐのかなって」
男「着替えてくる、部屋に入ってくんなよ」
女「・・・ちっ」
66: 1:2012/6/10(日) 18:53:49 ID:t8aNSXkeh6
男「よし…気を取り直して…」
女「遅かったな」
男「・・・」
女「ん?どうした?」
男「いや…その…」
女「なんだ、言いたい事があるならはっきり言え」
男「なんで…ワイシャツの上からエプロン?」
女「駄目か?裸エプロンの方が良かったか?」
男「良くはない、駄目じゃないけど…服なかったか?」
女「ああ、先に料理を作ってから着替えようかと思ってな」
男「いいよ、着替えてこいよ、俺がやってるから」
女「しかし…」
男「制服汚れたら困るんだろ?それに同居してんだから頼ってくれよ」
女「・・・そうだな、ならお言葉に甘えるとしよう」
67: 名無しさん@読者の声:2012/6/10(日) 21:06:29 ID:15n5Hr/MwA
(・∀・)つC
ところでSS絵スレで描かせて頂いてもよろしいでしょうか…?
68: 1:2012/6/10(日) 22:53:56 ID:wz6xtL30n6
>>67
ありがとうございます!!
是非書いて下さい!!
お願いします!!
支援感謝です♪
69: 1:2012/6/10(日) 23:01:13 ID:016FgWqR/.
男「さて、ここからが腕の見せ所…」
女「ただいま」
男「早っ!!」
女「ワイシャツとスカートを脱ぐだけの簡単な作業だったからな」
男「おいおい、Tシャツにハーフパンツはまだ肌寒いんじゃないか?」
女「これくらいがちょうどいい」
男「健康的ですこと」
女「・・・健康的なのは嫌いか?」
男「いや?元気があって好きだな」
女「好き…」
女「よし!!寝るぞ!!」
男「え!?もう!?まだご飯食べてな…」
女「初めては痛いと聞いているが、お前なら大丈夫だ。私なら耐えられる」
男「え!?あ!!ひょっとして寝るってそっちの意味か!?」
女「告白されたその日に既成事実を作らねば」
男「違っ!!好きっていうのは元気な意味の方でお前に告白したわけじゃ…」
女「・・・私の事は、嫌いか?」
男「え…いや、嫌いじゃないけど…」
女「じゃあいいな」
男「ちがーう!!」
女「ふふ、全部冗談だよ」
男「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ」
女「さあ、早く作って夕飯にしよう」
70: 1:2012/6/10(日) 23:07:25 ID:wz6xtL30n6
女「結局カレーか…」
男「不満そうだな?」
女「1日目だからこそ豪華にいきたかったんだが…」
男「これくらいがちょうどいい」
女「・・・そうだな」
男&女「いただきます」
カチャカチャ
男「お、うめー」
女「やはりカレーは王道だな、美味しい味というのが根付いている」
男「カレーをまずいっていい奴は少数だしな」
女「カレーといえば、カレー粉を使った私オリジナルのレシピがあるぞ」
男「本当か!?」
女「あ、ああ…」
男「機会あったら食わせてくれよ」
女「当然だ、明日食べさせる」
男「あ、もう?」
女「うむ。食べたいといったからにはすぐにでも食べさせてあげたいからな」
男「ありがとな、女」
女「気にしなくていい」
71: 1:2012/6/10(日) 23:13:36 ID:016FgWqR/.
男「ご馳走さま」
女「久しぶりに有意義な食事をしたな」
男「食事に有意義も何もないだろ」
女「たった一人で食べる弁当と、皆で話しながら食べる弁当。どっちが美味しいと感じる?」
男「例えがリアルだな」
女「食事というのは寂しいものじゃない、団欒を手助けするものだと私は解釈している」
男「確かにな、旨いやつを皆で食べたらもっと旨く感じるもんな」
女「成分比率的には変わってないが、楽しいという感覚が味覚に刺激を与えてるんだ」
男「ここまできて勉強は勘弁してくれ」
女「すまない」
男「さて…お前が寝る場所だが…」
女「男のとな…」
男「父さんと母さんの部屋使ってくれ、確か布団があったから」
女「・・・男、聞いて欲しい事がある」
男「なんだよ」
女「実は…私は一人じゃ寝れないんだ!!」
男「・・・へー」
72: 1:2012/6/10(日) 23:19:51 ID:016FgWqR/.
女「真面目に聞いて欲しい。三日間とはいえ同居するお前には知っててもらいたい事だ」
女「私が子供の頃、少しだけ両親が留守をしていた時の話だ」
女「幼い私はその時、両親に挟まれて寝てたのだが…ふと目が覚めた時に隣に両親がいなかった…」
女「後で知った事だが、両親は私を寝かしつけた後、近くの居酒屋にいっていたらしい」
女「だが幼い私はそんなことを知る由もなく、真っ暗な部屋にたった一人…」
男「・・・」
女「それ以来、暗い部屋に一人で寝るのがトラウマでな…」
男「それさ、電気つけて寝ればいいだけの話じゃね?」
女「・・・」
男「つか、嘘だろ。それ」
女「・・・」
男「大体幼いお前残して居酒屋いくとかどんだけ薄情な両親だよ。ていうかお前の両親はそんなに薄情じゃねーし」
女「・・・ちっ」
73: 1:2012/6/10(日) 23:23:45 ID:wz6xtL30n6
男「はい、というわけでお前は父さん達の部屋、俺は自分の部屋で寝るから」
女「・・・わかった」
男「ちょっと風呂沸かしてくる」ガタッ
女「ああ」
男「(さて…ああは厳しく言ったが…)」
ガラガラガラガラ
男「父さん達の部屋、だだっ広いんだよな…」
男「(こんな広い部屋に一人は、確かに寂しいだろうしな…)」
男「はー、しょうがねぇか…」
男「どっかの誰かさんも、据え膳はなんとやらって言ってたし…食う気はないけど」
友「くしゅん!!」
友「風邪・・・かな?」
74: 1:2012/6/10(日) 23:30:52 ID:wz6xtL30n6
男「女ー、風呂沸かしてきたぞー」
女「ありがとう」
男「(あれ?意外に普通)」
男「女…寝床の件なんだが…」
女「男、この家の風呂は広いのか?」
男「いきなりだな…まあ広い方だな…父さんと母さんがしょっちゅう一緒に入ってるし…」
女「ふむ…」
男「それでさ…寝床の…」
女「よし!!一緒に風呂に入るぞ」
男「何でだ!?」
女「実は…」
男「まーた、パチもんのトラウマ話か?」
女「いや?光熱費や水道代を考えての提案だが?」
男「・・・先に入ってこい」
女「む、君が言うなら…お言葉に甘えよう」
75: 1:2012/6/10(日) 23:31:48 ID:016FgWqR/.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
76: 1:2012/6/11(月) 17:43:57 ID:2q43mcTqes
男「さて…女が風呂に入っているが…」
男「ここで健全な男子ならソワソワして落ち着きが無くなるが…俺は逆に落ち着いている。寧ろ安心すらしている」
男「あいつが風呂にいる間は…俺も休まるしな…」
男「実に有意義だ。いっそ清々しいな」
ガラガラガラガラ
男「お、女があがったか」
女「・・・」
男「どうした?何か不満そうだな?」
女「・・・」
男「シャンプーとかあわなかったか?」
女「何故…」
男「ん?」
女「何故覗きにこない」
男「いくか!!」
77: 1:2012/6/11(月) 17:49:54 ID:FA6vlfWzhM
男「じゃあ俺入ってくるけど…」
女「うむ」
男「覗くなよ?」
女「うむ」
男「じゃあなんでついてくるんだよ?」
女「もちろん脱ぎたての服を回収して好きなだけその香りを堪能した後、名残惜しそうに洗濯機に放り込む為だ」
男「・・・とりあえず、風呂入るから」
女「うむ」
男「さっきからお前うむしか言ってなくない!?」
女「すまないな、いまから香りを堪能出来ると思うと我を押さえれそうにないからな…今のうちに平静を保って置こうと」
男「発言からして既に平静保ててねーよ」
78: 1:2012/6/11(月) 18:02:07 ID:2q43mcTqes
風呂場
ジャーーー
男「ふう…さっぱりするな…」
男「女もなー、普通にしてれば文句ないけど…」
男「でも…あれが女らしさだから、女がおしとやかな所とか…」
男「考え付かねーな」
女「男ー」
男「うおっ!?なんだ!?」
女「いや、部屋とかを掃除しようと思うんだが…」
男「あ、ああ…そしたら適当に整理しててくれ」
女「・・・了解♪」
男「今、語尾がなんか変に明るかったような…」
男「・・・嫌な予感がする」
79: 1:2012/6/11(月) 18:12:38 ID:ZWiU091xL2
男「リビングにおらず、父さん達の部屋にもいなくて…少しだけ空いている俺の部屋の扉…」
男「・・・」チラッ
女「ふぅ…男のベッド…なんとも言えぬ極楽…」
男「・・・」
女「服も中々だったが…やはりベッドは格別だな。就寝起床、1日の大半をここで過ごすそれ即ち香りが染み付いているという事だ」
女「一緒に寝れないなら、せめてこれくらいの我が儘は許されるだろう…ふふふ」
男「おい変態」
女「お、男!?」
男「何勝手に人の部屋に侵入して人のベッドまさぐってんだ」
女「まさぐるとは失礼な、香りを堪能…」
男「ていうか、出てけよ」
女「男、知ってるか?ウサギは寂しいと死んでしまうんだぞ?」
男「お前はウサギじゃない」
女「・・・ちっ」
80: 1:2012/6/11(月) 18:24:44 ID:PnhwljDVNk
男「・・・ほら、早く寝るぞ」
女「ん?」
男「その…あの部屋は意外に広いからさ…一人じゃ寂しいかなって…」
女「・・・」
男「た、ただし!!布団とかは離して配置…」
女「男」
男「ん?」
女「犯させてくれ、頼むから」
男「嫌だよ!!」
女「す、すまない…その…柄にもなく気分が高揚してるのを感じる…」
男「・・・」
女「その…ありがとう」
81: 1:2012/6/11(月) 22:03:57 ID:btuKyHPVPI
男「・・・まあ、好意は素直に受けとっとけ」
女「行為!!」
男「字が違う」
女「す、すまない」
男「はあ…寝るか」
女「うむ」
男「・・・」
女「・・・」ジリジリ
男「なあ」
女「な、ななななんだ!?」
男「いや…まあ、あれだ…」
男「これから三日間とはいえ同居するわけだし…その、お互いが出来る事をして助け合っていこうって思ってさ」
女「男…」
男「んー、まあ…お前が出来ない事なんて無いとは思うけど、俺が出来ない事はお前に手伝ってもらうことになるし…俺の事を頼っても構わないし…」
女「大抵の事は一人でこなせるが?」
男「・・・可愛くねー」
女「だが…そうだな…」
男「女?」クルッ
女「私が出来ないこと、苦手としている事を、男にも手伝ってもらいたい。出来るだろうか?」
男「か、顔が近い!!」
男「善処はする…」
女「ふふふ、ありがとう」
82: 1:2012/6/11(月) 22:06:32 ID:btuKyHPVPI
女「男、そちらに寄ってもいいか?」
男「いいぞ」
女「では遠慮なく」
男「おい、近い」
女「いいじゃないか」
男「腕組むな、柔らかいのが当たってるんだよ」
女「当ててるんだ」
男「・・・やっぱ、お前って変態だわ」
女「今日は…久しぶりに…よく…寝れそうだ…」
女「zzz」
男「寝つき早いな…」
男「お休み、女」
83: 1:2012/6/11(月) 22:10:35 ID:JJaYRlKk3U
翌日
男「ん…朝か…」
男「あれ?女?」
男「手紙…先に行ったのか…」
男「生徒会関係で朝早く登校する。朝食は机の上に用意したので温めて食べてくれ。弁当を忘れるな…か」
男「とりあえず、顔を洗おう」
男「えーと、鏡、鏡と」
男「ん…?なんだこの赤いの…」
男「首筋に…虫に食われたわけじゃないし…まさか!!」
男「やられた…覚えとけよ、女!!」
84: 1:2012/6/11(月) 22:17:14 ID:btuKyHPVPI
生徒会室
女「♪〜♪」
会計「ご機嫌ですね、会長」
副会長「大方、男となんかあったんだろ。気にすんな」
庶務「やれやれ、会長のおノロケにも困ったもんですよ」
書記「会長が…ご機嫌なのは…九割は男さんが絡んでる…」
副会長「なあ、なんでもいいから会議始めようぜ?」
女「すまない、では始めようか」
女「今回の議題は、夏服の服装についてだ」
副会長「今は移行期間だよな?来週から導入か?」
女「その事だが、今週にでも導入しようかと思っている」
庶務「えらく急ですね」
会計「何かあったんですか?」
書記「温暖化の…影響で…ここ最近の平均気温の上昇…」
女「その通り、書記が言ってくれたが、気温が上がりつつあるんだ」
85: 1:2012/6/11(月) 22:23:38 ID:btuKyHPVPI
庶務「でも、そんな急に変える必要があるんですか?」
女「今は夏服を着用してる者が多いが、移行期間と言うことは冬服を着用してる者もいる。書記がそうだろう」
副会長「暑くねーの?」
書記「平気…です」
女「やはり体温調節の関係や、個人の理由で冬服を着用しているだろうが、このままでは熱射病になりかねない」
会計「なるほど、生徒の安全面を考えての事ですね・・・ん?」
副会長「俺は賛成だな、学ランなんか暑くて着れねーっつの」
庶務「あ、自分もです。流石に夏くらい涼しい格好したいですし」
女「書記は?」
書記「・・・構いません」
女「ふむ、賛成多数だな…会計、君はどうだ?会計?」
会計「あ、はい!!私はいいと思いますよ!!」
女「訪問者か?ちょうどいい、第三者の意見も聞きたかった所だ、通してくれ」
会計「あ、あはは…わかりました〜」
86: 1:2012/6/11(月) 22:29:07 ID:JJaYRlKk3U
男「おい女!!どういう事か説明してもらおうか?」
女「男?何をそんなに騒いで…」
副会長「うげ!?お前学ランとか、暑くねーの!?」
庶務「男先輩…そりゃ暑いでしょうよ…」
男「暑いわ!!でも仕方ないだろ!!ワイシャツじゃ丸見えなんだから!!」
副会長「ワイシャツじゃ丸見え?」
書記「何か…隠してる…」
男「あ、いや…」
女「男、いくらお前と言えど学校に危険物は…」
男「お前のせいだろうが!!」
女「私?」
男「とぼけんな!!首筋のキスマーク!!これお前がやったんだろ!?」
会&庶&副「キスマーク!?」
書記「・・・」
男「・・・あ」
87: 1:2012/6/11(月) 22:30:07 ID:JJaYRlKk3U
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
88: 名無しさん@読者の声:2012/6/12(火) 02:07:33 ID:MYJvpq/mxY
(^∀^)ノ@
続きが楽しみだ
89: 名無しさん@読者の声:2012/6/12(火) 02:09:45 ID:MYJvpq/mxY
↑間違えちまった
(^ω^)ノCCC
90: 1:2012/6/12(火) 06:30:45 ID:9vfxhweHZ6
>>89
支援感謝です♪
見てくださる方がいるとわかるだけで随分と気が楽になりますねwww
91: 1:2012/6/12(火) 06:37:49 ID:9vfxhweHZ6
女「気がついたか!!それを作るのには苦労したな…」
女「まずお前の首筋に口づけをしようとするて何故か半狂乱になりかけるから、気持ちを落ち着かせて深呼吸をする。それから吸い付くのだが、これが中々難しい」
女「強く吸い付くと男が起きてしまうから程よく加減してたのだが、中々つかないからだんだんと焦りはじめてな…仕方ないからおもいっきり強く吸い付いたんだ」
女「ところがその後が問題でな…無事に印を付けたまでは良かったが、男の首の味にたまらぬ美味を感じてつい舐め回していた」
男「・・・お前、朝から元気だな」
女「私はいつも健康だが?」
男「そういう意味じゃなくてな…」
副会長「つーかよ、その話聞く限りじゃ会長は朝早くに男の家に行ってそんなことしたのか?」
女「いや?最初から男の家にいたが?」
会計「え…それってつまり…」
書記「一緒に…住んでる…」
女「うむ」
92: 1:2012/6/12(火) 06:44:35 ID:SW8mh3ctWE
男「ちょ!?お前何言って…」
庶務「会長、流石に見える位置にキスマークはヤバいですよ…」
会計「隠す男さんの身にもなって下さいね?」
女「う、うむ…そうだな…迂闊だった。次から腹とかにしよう」
男「いや、そもそもまず俺達が同居してることに突っ込めよ」
庶務「なんでですか?」
男「え!?いや、悪いことなんじゃないかって…」
会計「だって公認カップルなんですから、同居してても普通なんじゃないですか?」
副会長「寧ろ自然かもな」
男「副会長!?お前まで!?」
副会長「なあ、早くさ、議題終わらせようぜ」
女「そうだな、すまんが男。この話は後で」
男「ああ、後でじっくり聞かせて貰うからな」
女「望む所だ」
男「すいません無理です。望まないで下さい」
93: 1:2012/6/12(火) 19:40:06 ID:YhSVxlQFnk
教室
ガラガラガラガラ
男「くっそー、女め…」
幼「おはよーって、うわ!?何その格好!?」
男「・・・ファッションだ」
友「見ているこっちが暑くなるから脱いでほしいんだけど」
後輩「さては、先輩と一緒にいておかしくなっちゃったんですね?」
幼「そうなの!?」
後輩「ふ、先輩は周り人たちを無意識に狂わせるくらいの美貌ですから…」
幼「お、女ちゃんって…体から電波を発してるんだ…」
友「幼さん。それ違う」
男「あー、脱ぐのは完璧してくれ」
友「ほう?つまりそれは何か脱げない訳があるのかな?」
男「ま、まあな…」
94: 1:2012/6/12(火) 19:45:30 ID:YhSVxlQFnk
友「その訳を話してくれないかい?」
男「嫌だ」
友「僕達…友達だろ?」
男「くっ…!!」
男「あ、ああ…首筋を虫に食われたみたいでな…結構赤く腫れてるから見せたくないんだ…」
友「ダウト」
男「・・・いや、本当だって」
友「じゃあ見せてよ」
男「いや、見せられないくらいに酷いんだよ」
友「ダウト、だったら包帯くらい巻いてきた方が早い」
男「・・・あ」
友「さあ、脱ごうか」
男「い、嫌だ!!」
友「まあ無理矢理脱がすけど」ガシッ
男「は、離せ!!」
友「僕から逃げれるとでも?そんなこと言ってる間にそーい」バサッ
男「ばっ!!やめっ!!」
ガラガラガラガラ
95: 1:2012/6/12(火) 19:52:36 ID:YhSVxlQFnk
女「男、待たせたな…」
男&友「あ」
女「・・・な、な」
女「何をしてるんだお前ら!!」
男「いや!!これには深い訳が!!」
友「ごめん女さん、実は僕達ずっと前からこんな関係だったんだ…」
男「お前何言ってくれてんの!?」
幼「え!?二人ってそういう趣味だったの!?」
男「真面目にとらえるなよ!!」
後輩「先輩というものがありながら…最低です!!」
男「お前も悪ノリするんじゃねーよ!!」
女「友!!」
友「何?」
女「何故そんな美味しいポジションを黙っていた!!」
男「そっち!?」
友「一緒に、どう?」
女「無論だ!!」
男「ちょ!!こっちくんなぁぁぁぁぁ!!」
96: 1:2012/6/12(火) 22:37:20 ID:Y5rT4ClWNg
友「なるほどねぇ…一緒に寝た油断から首筋にキスマークをつけられて、それを誰かに見られるのが恥ずかしかったから隠していたと」
男「こんな時期じゃ、虫食われも言い訳になんないからな」
女「まあ、私のお前に対する愛の証とでも思ってもらえれば構わない」
男「迷惑だわ!!」
幼「お、女ちゃんらしいね…あはは」
後輩「よくも!!よくも先輩の純潔を!!」
女「おいおい、服を掴むな後輩。伸びてしまうだろう?」
男「あはは…もうなんでもいいや…」
友「ふむ…意外に女さんの押しに弱くなっているな…これなら…」
男「友?なんか言ったか?」
友「なんでもないよ。さあ、後輩は自分のクラスに戻ろうね」
後輩「先輩!!何かされたら私にすぐ連絡してくださいね!?」
女「わかった」
後輩「先輩に手を出したらもぎ取りますからね!?」
ガラガラガラガラ
男「・・・何をもぎ取るつもりなのか」
女「全く、男も意外に鈍感だな…可愛らしくて押し倒しそうだ」ガタン!!
男「押し倒してから言うな!!」
97: 1:2012/6/12(火) 22:43:12 ID:Y5rT4ClWNg
幼「今ふっと思ったんだけどね」
友「うん」
幼「男君って身長はそれなりにあるよね?」
友「平均はあるよ」
幼「でも女ちゃんに押し倒されてるよね」
友「そうだね」
幼「体格とか、大丈夫なのかなぁ…」
女「でかい女は嫌いかい?」
男「もが!!もがが!!(口の中に指突っ込むな!!)」
女「ふふ、男の中は熱いね…火傷しそうだ」
男「もがー!!(妙な言い回しすんなー!!)」
幼「これが普通の光景なんだよね…」
友「慣れてしまった僕達が悪いのか、こんな光景を毎日見せる二人が悪いのか…」
先生「とりあえず授業始まってるからそこの二人は席に戻ろうな」
98: 1:2012/6/12(火) 22:50:28 ID:Y5rT4ClWNg
先生「えー、授業の時間を少しだけとって皆に話したい事がある」
先生「まず一つ目は…これは女から話したほうが分かりやすそうだな」
女「わかりました」
幼「やっぱり女ちゃんかっこいいね〜」
友「あの凛々しい表情に人気の秘訣があるんだね」
男「単に会長モードと変態モードを使い分けてるだけだろ…」
女「さて…まずは皆が気になっている夏服だが」
女「早ければ今週から夏服を実装しようかと思っている」
女「近年の温暖化に伴い、ここ最近の気温が上昇してるのは皆周知の上だろう」
女「熱射病やその他の体調不良に備え、会議で早めに夏服の着用を義務付ける事になった」
女「皆には、理解と協力をお願いしたい」
先生「まー、要約すると、夏服着用が早まるってことだ」
先生「ネクタイとか、学ランとか着てきた奴は恥ずかしいからな〜、注意しろよ」
先生「二点目、体育祭に関してだ」
99: 1:2012/6/12(火) 22:56:45 ID:Y5rT4ClWNg
先生「例年通り、体育祭を開催するからな〜、お前らにとっては最後の体育祭なんだから、気合いいれてけよ〜」
先生「まあ、とりあえず出場種目とかちゃっちゃと決めてくれや、先生は職員室でコー…書類整理してるから。時間はフルに使っていいからな」
ガラガラガラガラ
男「絶対あれ、職員室で一服決め込んでるぜ」
友「先生にも、休養は必要じゃない?」
幼「喋ってばっかりだと疲れるもんね〜」
友「とりあえず、幼さんは少し喋らないでおこうか」
幼「ほえ?」
男「幼、可愛いよ、幼」
女「男、私は?」
男「はいはい、可愛い可愛い」
女「男ー!!」ガバッ
男「だー!!ひっつくな!!抱きつくな!!撫でるな!!舐めるな!!すりすりするなー!!」
友「この状況を全校男子に見せたらどうなるかな」
幼「女ちゃん人気者だからね〜」
友「・・・幼さん」
100: 1:2012/6/12(火) 23:03:01 ID:qSBYKq0mME
男「で、結局種目はどうやって決めるんだよ?」
女「先生は特に何も指定しなかったからな…」
友「話し合いだと長引くしね」
男「もう出たい奴がでれば良くね?」
女「それはだめだ、競技に偏りが出てしまう」
友「クラスでどれくらいでなくちゃいけないんだっけ?」
女「少なくとも一人一種目だな」
男「めんどくせー」
女「そう言うな、ちなみに男は何の種目に出るつもりだ?
男「俺?…短距離でいいや」
女「じゃ、私も」
男「待て、当然のようにエントリーすんなよ」
女「ならば問わせてもらうが、私以外に誰がいるんだ?」
男「・・・お前しかいないな」
女「安心しろ。お前しか見ずに走るから」
男「普通に走れよ!!」
101: 1:2012/6/12(火) 23:09:22 ID:Y5rT4ClWNg
先生「おーい、話し合い終わったかー?」
女「先生、これを」
先生「お?まとまったのか」
女「体育行事委員と協力してまとめました」
先生「流石だな」
女「いえ、自分に出来る事をしたまでです」
先生「ん、了解。当日に向けて整理しとく」
女「ありがとうございます」
男「なんとかまとまったな」
女「クラスの皆と、体育行事委員が優秀だったお陰だ」
幼「女ちゃんが頑張ったからだよ〜」
友「自信を持ってもいいと思うよ」
女「二人とも…」
男「ま、お前は頼られてるんだし、もっと胸はってもいいと思うぞ」
女「男…」
男「お疲れ」ナデナデ
女「・・・ああ」
友「(女さんが飛び付かない!?)」
男「(あり?マジでお疲れだった?)」
102: 1:2012/6/12(火) 23:09:53 ID:Y5rT4ClWNg
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
103: かきし:2012/6/12(火) 23:24:04 ID:wkf3gcUFOE
1さんからさぎしたんの匂いがする
違ったら大変申し訳ない(´;ω;`)
このSS好きだわ つCCC
104: 名無しさん@読者の声:2012/6/13(水) 08:03:42 ID:I47rnOUxiI
>>103
そう思ったとしても名乗らないってところで空気読もうなっ☆
つ44444
105: 1:2012/6/13(水) 19:35:12 ID:SW8mh3ctWE
>>103
私って匂いますかね?
さぎし臭…なんか嫌だ
間違ってないから大丈夫ですよwww
>>104
いや、別に隠してるつもりは…無くはないんですよ。ただ速攻でバレますけどwww
モンハン関係のSSにはコテをつけて、それ以外のオリジナルなるのSSには1で通してるだけですよ
空気?空気は吸うものだ!!
支援感謝です♪
106: 1:2012/6/13(水) 19:39:34 ID:SW8mh3ctWE
男「女、大丈夫か?」
女「え?あ、ああ…すまない」
男「?」
女「私は大丈夫だ。ありがとう」
男「なら…いいけど」
友「無理はよくないからね?」
幼「いつでも相談していいんだからね?」
女「ありがとう…二人とも」
男「・・・」
107: 1:2012/6/13(水) 19:51:05 ID:9vfxhweHZ6
昼休み
後輩「せんぱーい♪」
女「後輩か、よくきたな」
書記「会長…どうも」
女「書記も一緒だったか」
男「そっか、書記は後輩と一緒のクラスだったか」
後輩「書記ちゃんに触らないで下さい!!」
書記「・・・」
男「いや、触ってねーよ」
書記「大丈夫…です」
男「書記はちっさくて可愛いな」
女「男!!私は!?」
男「はいはい綺麗綺麗」
後輩「先輩は美しくて、可憐で、気高くて、凛々しくて、完璧な存在です!!」
幼「このコメントの量の差」
女「綺麗だなんて…そんな//」
友「そしてこの反応」
後輩「納得できませんー!!」
108: 1:2012/6/13(水) 20:14:53 ID:2EUh8zo71k
書記「賑やか…ですね」
男「大体こんなもんだ」
書記「会長…楽しそうです」
男「楽しくなかったら笑わんだろ」
書記「男先輩の…力ですよ」
男「元々あいつが持ってたカリスマってやつだろ」
書記「カリスマなら…男先輩にも…ありますよ」
男「どうかな…あいつみたいに人をまとめるのは得意じゃないし…」
書記「人をまとめるのだけが…カリスマじゃないですよ」
男「?」
書記「内緒…です」
後輩「書記ちゃん!!早く男さんから離れた方がいいよ!!毒牙に噛まれちゃうから!!」
男「俺は蛇か!?」
女「男!!さあ噛め!!」
男「服を脱ぐな!!」
後輩「先輩の首筋…はう…」
男「うおーい!!後輩が鼻血出して倒れたぞ!!」
109: 1:2012/6/13(水) 23:07:50 ID:TDl7vJQLYY
放課後
男「疲れた…」
友「お疲れ、このあとどうする?」
男「悪い…部活には出れそうにない」
友「伝えとくよ、じゃあね」
男「おう、頑張れよ」
後輩「あ」
男「なんだ、後輩か」
後輩「・・・これから帰りですか?」
男「そうだよ」
後輩「先輩は一緒じゃないんですか?」
男「生徒会関係で残るんだとよ」
後輩「・・・ふっ」
男「何鼻で笑ってんだよ」
後輩「別にー?気をつけて帰りやがってください」
男「おう、帰らせてもらう」
後輩「・・・疲れてたみたいですね」
110: 1:2012/6/13(水) 23:13:26 ID:XTCvqz4qAk
家
男「ただいま〜」ヨロヨロ
男「駄目だ…なんか力はいんね…」
男「なんか…ぼーっとするし…だるいし…」
男「制服…脱がねーと…」
男「やべ…眠くなって…」
男「制服…脱いで…布団に…入らな…」
男「・・・」
111: 1:2012/6/13(水) 23:20:13 ID:XTCvqz4qAk
男「(・・・なんだ?体が温かい?)」
男「(それに…なんだかいい匂いするし…安心する)」
男「ん…?」
女「起きたか?」
男「女…?なん…で」
女「後輩からお前が具合が悪そうだと聞いてな、走って帰ってきた」
男「生徒会…は?」
女「今頃副会長がまとめてくれてるさ、彼は本当に良くできた人間だよ…」
男「そうか…」
女「お前な、熱が出てたぞ」
男「そうか…って、お前…感染るぞ」
女「私しか看病する人間がいないし、目を離すと無茶をしそうだからな、近くで看病することにした」
男「・・・だからって同じ布団に入ることないだろ」
女「私の趣味だ、気にするな」
男「・・・」
女「今は眠れ、しばらくしたらおじやを作ってやるから」
男「・・・悪い」
女「気にするな、同居人だろ?」
112: 1:2012/6/13(水) 23:26:31 ID:TDl7vJQLYY
男「・・・」
男「・・・ん」
男「女…?」
女「呼んだか?」
男「・・・どれくらい眠ってた?」
女「二時間程、体調はどうだ?」
男「動きたくない」
女「だろうな、ほら。食べれるか?」
男「おう…」
女「熱いかもしれんから、しっかり冷ませよ?」
男「子供じゃないんだから」
女「すまないな、熱を出して弱ってるお前を見てると、ついな」
男「・・・」
女「そんな顔をするな」
男「ありがとな…女」
女「・・・」
男「これ食ったら、薬飲んで…寝るわ…」
女「わかった…」
スタスタスタスタ
男「女?」
男「怒らせたか?」
113: 1:2012/6/13(水) 23:31:57 ID:TDl7vJQLYY
女「ふぅ…危なかったな…」
女「思わず我を忘れて飛びかかりそうになってしまった…」
女「男は病人なのに…弱ってるのを利用してあんなことやこんなこと…」
女「・・・私は未来から来た猫型ロボットか」
女「とにかく、これ以上男がなんらかのアクションを起こす前に、早く寝てもらわなければ」
女「・・・その前に私の理性が保つだろうか」
女「とにかく…男と目を合わせないようにして、出来るだけ素っ気なく…」
女「でないと、男が危険だ」
女「そろそろ戻るか、悪化したりしたら大変だ」
114: 1:2012/6/13(水) 23:38:01 ID:TDl7vJQLYY
女「男?」
男「zzz」スースー
女「良かった…寝てくれたか…」
男「ん…」
女「おっと、布団がずれているな…冷やしたら大変…」
男「・・・」
女「(男は病人男は病人男は病人男は病人)」
女「・・・よし、落ち着いた」
男「おん…な…」
女「!?」
男「zzz」
女「寝言か…それにしても」
女「私の夢でも見てるのだろうか…だとすればますます襲いかか…いやいや」
女「精神統一、一局集中。よし」
女「添い寝なら許されるだろ」ゴソゴソ
115: 1:2012/6/13(水) 23:38:36 ID:XTCvqz4qAk
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
116: 名無しさん@読者の声:2012/6/13(水) 23:45:17 ID:hjrIB/v.3k
つC
117: 名無しさん@読者の声:2012/6/14(木) 10:18:44 ID:1JX4PIHG3g
精神統一して添い寝ってww
よっぽど耐えられなかったのか?w
支援支援〜
118: 1:2012/6/14(木) 17:44:24 ID:yu66c8TPA2
>>117
精神統一をした結果、男に添い寝をするという結論に達したんですよ
女「わかるか?あのワイシャツから覗く鎖骨が…こう、私を誘ってるようにチラチラと…」
男「力説すんな」
支援感謝です♪
119: 1:2012/6/14(木) 18:11:15 ID:cG9X5aQXNY
翌日
男「・・・頭いてー」
男「っ!?体が動か…」
女「・・・」スースー
男「なんでこいつは俺の布団で寝ているのか、なんでこいつは俺に体を絡めているのか、なんで俺は服を脱がされた痕跡があるのか、なんでこいつはやや服が乱れているのか」
女「う…ん…起きたか?」
男「説明してもらおうか?」
女「・・・昨日は、激しかったな」
男「ぶん殴るぞ」
女「冗談だ、普通に看病していた」
男「なんで服が微妙に脱がされた痕跡があるんだ?」
女「汗を拭くために、衣服を脱がしてもらった」
男「そして何故お前は微妙に服を脱いでいる?」
女「体温直に感じたくてな」
男「お前さ…自分の面とスタイルと汗ばんだ女が出す凶器的なまでの魅力を考えてからやれよ」
女「考えた結果がこれだ」
男「駄目だこいつ」
120: 1:2012/6/14(木) 18:39:33 ID:RwlwXEKSDo
女「体の調子はどうだ?」
男「とりあえず布団からでろ」
女「・・・体の調子はどうだ?」ゴソゴソ
男「昨日よりは大分ましになったな、まだふらつくけど」
女「なるほど、ならば今日は休むか?」
男「休まない…といいたいが、周りに感染したりしたら嫌だからな…マスクしてく」
女「・・・私としては、あまり無理はしてほしくないのだが」
男「やばそうだったら、真っ直ぐ家に帰るさ」
女「・・・」
男「そういや、今日で最後だな」
女「そうだな」
男「まあ…お互い言いたい事はあるだろうけど、帰ってからな」
女「うむ」
121: 1:2012/6/14(木) 19:04:49 ID:wKFQxgFLw2
学校
幼「おはよーって、あれ?男君?」
友「風邪かい?珍しいね、季節外れの風邪は治りが遅いからお大事にね」
男「おう…迷惑かけるな…」
幼「大丈夫だよ!!私達に出来る事があったらなんでも言ってね?」
男「なんでもか?」
幼「うん!!」
男「じゃあ…膝枕」
幼「ふええええ!?」
女「任せろー!!さあこい男!!」
男「冗談だ、少し静かにしててくれ」
幼「わかった!!」
女「ふ、焦らしプレイか…興奮するな」
友「とにかくカオスな事はわかったね」
122: 1:2012/6/14(木) 20:35:04 ID:/0z50Z.FBw
後輩「先輩♪おはようございます♪」
女「おはよう後輩、昨日は本当にありがとう。助かった」
後輩「い、いえ…私は先輩が知るべき事を伝えただけですから…」
男「・・・」
後輩「・・・大丈夫、ですか?」
男「なんとかな」
後輩「早く治してくださいね」
友「こ、後輩が!?」
幼「男君を気遣った!?」
後輩「か、勘違いしないで下さいよ!!貴方が元気じゃないと先輩が落ち込んじゃうから言ってるだけなんですからね!!」
幼「ツンデレだ!!」
男「悪いな…サンキュー」
後輩「うぐ…と、とにかく!!早く治して下さいよ!!」
男「無茶言うなよ…」
女「後輩、今男は弱ってるからあまり大きな声を出さないでくれ」
後輩「す、すみません先輩」
123: 1:2012/6/14(木) 20:51:42 ID:ynGaeQyDgc
女「男、決して無理はするなよ?何かあったら頼れよ?」
男「はは、男らしいな」
後輩「ぐぬぬ…男さんめぇ…」
幼「そういえば、昨日どうしたの?女ちゃんが看病したの?」
男「ああ、おかげで大分楽になったな」
女「ああ、肌と肌を重ねて汗を流したかいがあったものだ」
三人「!?」
男「おい、妙な言い回し…」
後輩「ど、どどどどういう事ですか!?」
幼「男君…まさか…」
友「おめでとう、遂に童貞卒業だね」
男「人の話を…」
後輩「貴方って人は!!風邪を引いて先輩に甘えられるのをいいことに先輩の純潔までぇ!!」
幼「い、いくら二人が仲がいいからってえっちぃ事は駄目だよぅ!!」
友「おめでとう、式には呼んでね?後、子供の名付け親にもなるよ?」
女「半裸で抱き合い見つめあう二人…潤む瞳…」
後輩「いやああああ!!」
男「・・・なんだこれ」
124: 1:2012/6/14(木) 21:00:55 ID:/0z50Z.FBw
昼休み
男「・・・」
幼「男君、大丈夫?」
男「・・・」
友「返事がない、ただの男のようだ」
女「確か、目を覚まさなくなった王子は姫のキスで目覚めるんだったな」
幼「王子様のキスでお姫様が目覚めるんじゃなかったっけ?」
友「どちらにせよ、理由をつけてキスする気満々だね」
女「いただきまーす」
幼「男君食べられちゃうの!?」
友「そうだね(性的な意味で)」
男「食べられてたまるかよ、ていうか食べるのは俺の方だろ」
女「よし!!食せ!!」
男「だが断る」
125: 1:2012/6/14(木) 22:52:56 ID:8Ov6B9ua7.
副会長「お前ら相変わらず仲がいいのな」
男「副会長…?どうしてここに?」
副会長「昨日会長が参加してなかった議題の報告書、見舞いがてら持ってきた」
女「ふむ、すまないな」
副会長「男、早く治せよ」
男「努力はする」
副会長「じゃあな」
ガラガラガラガラ
幼「副会長君、やっぱり少し近寄り難い雰囲気があるなぁ…昔ほどじゃないけど」
友「さすがに元不良だからね…」
男「これ以上副会長についてつつくのは止めようぜ」
女「そうだな、本編終了後に尺が余るなら女編で描写すると天の声も言っているし」
男「サラッと告知したな」
女「副会長含め、生徒会役員には色々と事情があるのだよ…勿論私もな」
男「どうでもいいけど、雰囲気ぶち壊さないでくれよ?」
女「善処しよう」
126: 1:2012/6/14(木) 22:58:01 ID:ZxIN6RUJYk
友「・・・いや、既に雰囲気は壊れている」
男「友?」
幼「え、えっと…この雰囲気を修正するにはどうすればいいのかな。友君」
男「カンペ、見えてんぞ」
友「女さんが男に抱きつけば無問題」
男「お前ら…」
女「こうか?」ギュ
男「お前も乗るなよ…うつっても知らんぞ?」
女「男の風邪なら本望だ、むしろこい」
男「・・・お前の変態加減に、風邪も逃げ出すだろうよ」
友「さて…そろそろ午後の授業が始まるよ」
幼「準備しなくちゃね」
男「といっても授業描写が無いから無意味だけどな」
女「本当に私達は授業を受けているのだろうか…」
男「そこは言わないお約束」
127: 1:2012/6/14(木) 23:02:38 ID:ZxIN6RUJYk
放課後
男「・・・よし、終わった」
友「男、帰るかい?良かったら送っていくよ?」
男「おう…頼むわ」
会計「あ、会長の旦那さーん」
男「・・・もう否定する気力もない」
会計「はい、会長から渡してくれって」
男「なんだこりゃ…」
会計「メモ書きみたいだね、中身みたら殺されそうだから見てないよ」
男「わかった…サンキュー」
会計「お大事に〜」
友「いこうか」
男「おう…」
128: 1:2012/6/14(木) 23:10:48 ID:ZxIN6RUJYk
家
男「ただいま〜っと」
男「やっぱり無理はするもんじゃねーな…頭が痛い痛い」
男「おっと、そういやメモ書きを預かってたな」
『男へ、これを見てるということは、副会長、庶務、書記、会計いずれかからこのメモを受け取った物と判断する』
男「職権濫用だな」
『まず、家についたら体が動くなら制服を着替えろ。そして冷蔵庫にあるスポーツドリンクを一口飲むか、取り出してタオルと一緒に枕元に置いて寝ててくれ。生徒会の会議を早めに切り上げて帰るつもりだが、何かあったら躊躇わずに私か友や幼に連絡してほしい。』
男「・・・何だかんだで心配してくれてんだな」
男「体が動く内に、着替えだけ済ませちまうか」
男「・・・三日間、長いようで短かったな」
男「今度、女の家に泊まってみるか…無事ではいられなさそうだけど…」
男「いかんな…病は気からなんていうが…案外馬鹿に出来ない物だな」
男「・・・寝るか」
129: 1:2012/6/14(木) 23:14:39 ID:ZxIN6RUJYk
ガチャ
女「・・・靴はある。帰ってるみたいだな」
女「ただいま」
男「・・・」スースー
女「寝てるのか、起こしてはまずいな」
男「・・・女か?」
女「起こしてしまったか?」
男「大丈夫だ」
女「具合はどうだ?」
男「んー、微妙」
女「そうか」
男「・・・なんかな、眠れそうで寝れないな」
女「膝枕でもしてやろうか?」
男「・・・頼む」
女「あ、ああ!!」
男「悪いな…」
女「いや、こちらこそ…着替えるから待っててくれ」
130: 1:2012/6/14(木) 23:19:19 ID:ZxIN6RUJYk
女「待たせたな」
男「・・・おう」
女「本当に大丈夫か?」
男「大丈夫だ。ただ目の前がぐんにゃりするだけだし」
女「どこが大丈夫なんだ…頭あげるぞ?」スッ
男「おう」
男「・・・柔らかいな」
女「そ、そうか…?」
男「これなら…よく寝れそう…だ」
女「眠れ、早く治るのを祈りながら」
男「女…三日間…ありがとな…」
女「そんな別れみたいに言わなくてもいいだろうに」
男「今度…お前の家に…いくわ」
女「是非来てくれ、たっぷりもてなそう」
男「そりゃ…楽しみだ」
男「・・・」スースー
女「・・・」
131: 1:2012/6/14(木) 23:20:27 ID:8Ov6B9ua7.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
132: 1(今日は少量更新です):2012/6/15(金) 23:01:32 ID:P2kcD4Hnh6
「君…男…」
男「う…ん?」
母「男君、おはよう」
男「母…さん?あれ?帰って…」
母「うん、ついさっきね…父君も一緒だよ」
男「父さんもか…女は!?」
母「女ちゃん?女ちゃんなら男君を看病した後お家に帰ったわよ」
男「え?」
母「静かにしといた方がいいみたいって、あ、肉じゃがを作っておいてくれたのよ?凄く美味しそうで、でも男君も食べたいだろうから、待ってたんだからね?」
父「母さん、待ってたじゃなくて、食べたいから男君を起こした、だよね?」
母「あう…父君のいぢわる…」
父「おはよう、男君」
男「お帰り…父さん」
133: 1:2012/6/15(金) 23:10:46 ID:3e8dAw1C92
父「具合が悪いみたいだからまだ無理はしない方がいいね、母さん、肉じゃがを温めて」
母「うん♪」
父「それで、三日間はどうだった?」
男「楽しかったよ」
父「へえ?それは良かった」
男「本当に…楽しかったよ」
男「最初はどうなるかって思ったけど…終わってみると、なんだか呆気なくて…寂しいな」
父「そっか…」
男「でも…やっぱり父さん達が帰ってくると安心するな…」
父「でも、本当の所は?」
男「少し…物足りない」
父「大丈夫だよ。男君はもうすぐ卒業しちゃうから独り暮らし…いや、新婚生活を体験させてあげないとね」
男「卒業までもうすこしあるし、新婚じゃないし」
父「あはは、それはそうだね」
母「肉じゃが温まったよー」
父「さあ、女さん手作りの肉じゃがを食べにいこうか」
男「ああ…」
134: 1:2012/6/15(金) 23:14:29 ID:P2kcD4Hnh6
女の家
女「ただいま…」
女母「お帰りなさい、女」
女「ただいま…母」
女母「あら、やけに暗いわね…男君と何かあった?」
女「そういうわけではないんだ…ただ、少しな」
女母「あなたは昔っから頑張り屋さんだものね、でも頑張り過ぎもよくないからね?吐き出したりとか、一回落ち着いたたりするのもいいわよ?」
女「ありがとう」
女母「あらあら…」
女父「女、帰っていたのか」
女「父…」
女父「・・・後で俺の部屋にこい」
女「わかった」
135: 1:2012/6/15(金) 23:23:37 ID:P2kcD4Hnh6
女「失礼する」
女父「おう、座れ」
女「・・・」
女父「何日ぶりだろうな、こんな風にお前とゆっくり話すのは」
女「父は忙しいからな、仕方がないさ」
女父「仕方ない…か、家族の団欒を過ごせないのを仕方ないで済ませる事なのかな…」
女「失言だったか?すまない」
女父「いや大丈夫だ。お前の言葉が痛い程にしみる」
女父「まあ、年寄りの戯れ言だと思って聞き流せや」
女「・・・」
女父「大人ってのは独りで生きていかにゃならん。働いて金稼がねーと、おまんま食いっぱぐれちまう」
女父「だけどな、ガキの内は誰かに甘えたり、頼ったりするのが許されるんだよ」
女父「もちろん、頼り過ぎもよくねーけど、頼れる時に頼ったもん勝ちってのが世の中だ」
女父「お前は俺と母さんの娘だからな…自分の事をしっかりとわかってる前提で物を言うぞ?」
女父「ちったぁ甘えろ、親の威厳台無しじゃねーか」
女「父…」
136: 1:2012/6/15(金) 23:29:54 ID:P2kcD4Hnh6
女「2日かけて…男の看病をしていたんだ」
女父「男君風邪かい、珍しい事もあるもんだ」
女「本人は元気そうにしてたし、たまに弱ったところを見せても、すぐに明るく振る舞うから、余計にハラハラしたよ」
女父「男ってのはみんなそういうもんよ、女の前じゃ弱々しい姿見られたくねーんだよ」
女「・・・怖いんだ、私が」
女父「・・・」
女「怖いんだよ、自分が怖い。弱ってる男に襲いかかるかもしれない、体が聞かないのをいいことに好きにしてしまうかもしれない。実際この二日間危ない時が何度もあった」
女「私は男に好意を抱いている。それは周りも知っているし、男も理解してくれている…でも」
女「二人っきりだと…理性のタガが外れそうで怖い…」
女「許容量が一瞬で限界になり、暴走しかける」
女「怖いんだ…嫌われたくない…でも襲いたい。そんな自分に板挟みにされてると…」
137: 1:2012/6/15(金) 23:37:13 ID:3e8dAw1C92
女父「ったく、可愛くねーなー、こんな時くらい泣いてみろや」
女「私の涙腺が固いのは父が一番よく知ってるだろう?」
女父「はあ…まあいいや、要するにお前は男君を独占したいだけなんだろ」
女「そうかもしれない…」
女父「かもしれないじゃなくてそうなんだよ。ただの独占的の強いガキの葛藤じゃねーか、真面目に聞いて損した」
女「父…私も羞恥を忍んで打ち明けんだが?」
女父「俺からいわせれば、尻の青いガキが駄々をこねてるのとなんら変わりねーんだよ」
女「・・・」
女父「許容量なんて作るだけ無駄だ、ストッパー?外しちまえ、んなもん」
女父「お前らしさをなんで出さない?お前らしさで勝負してみろよ」
女「しかし…私らしさだと…男が…」
女父「バッキャロー、相手の都合なんざ無視だ無視」
女「ご、強引だな…」
女父「これくらい強引の方が返って惚れるもんなんだよ、おっと、性別逆だったな」
138: 1:2012/6/15(金) 23:41:39 ID:3e8dAw1C92
女「全く…相変わらず父の助言は役にたたないな」
女父「あっ、てめ!!」
女「だが楽になった。ありがとう」
女父「・・・へっ、いい面だ」
女「失礼したな、明日に備える」
女父「おう」
ガチャ
女父「・・・」
女母「相変わらず素直じゃないですねぇ…励ますなら普通に励ませばいいのに」
女父「うおっ!?聞いてたのか」
女母「最初からぜーんぶ」
女父「ぬ、盗み聞きとは!!卑怯だぞ!!」
女母「あら?私は別に貴方と勝負した覚えはありませんよ?」
女父「ぐぬぬ…わーってらい!!」
女母「ふふ、そんな意地っ張りで強引で素直じゃないところ全部含めて大好きですよ」
女父「・・・おう」
139: 1:2012/6/15(金) 23:42:25 ID:P2kcD4Hnh6
今日の投下はこれで終了となります
少量更新申し訳ありませんでした
見てくださった方々
ありがとうございました!!
140: 名無しさん@読者の声:2012/6/16(土) 01:09:53 ID:O0VRzTzFRc
べ、別にさぎしさんだと確信できなくて支援してなかったんじゃなくて ただちょっと受験勉強で忙しかっただけなんだからね!
…すみません調子に乗りました
つCCCCCCCC
141: 1:2012/6/16(土) 17:24:24 ID:BcrssMrxBk
>>140
わざわざ受験勉強中にありがとうございます♪
えーと、その言葉はそのままの意味として受け取っても構いませんよね?
支援感謝です♪
142: 1:2012/6/16(土) 17:30:49 ID:OtYpbDso4Y
家
母「おかわりまだまだあるからたくさん食べてね〜」
父「母さんが作ったんじゃないよね?」
母「わかってますー、言ってみただけですー」
父「でも、こんなに美味しいからたくさんおかわりしちゃうかもね」
母「うん…本当に美味しいよね…ああん、女ちゃんがお嫁さんにきたら私負けるー!!」
父「大丈夫だよ、母さんの料理は残さず僕が食べるから」
母「父君!!」
父「男君、さっきから箸は…進んでるね、しゃべらないけどまだ具合が悪いのかい?」
男「え、ああ…悪い」
父「怒ってなんかないよ、肉じゃが、美味しいんだね?」
男「・・・」コクン
母「お母さんのとどっちが美味しい!?」
男「女」
母「・・・びえー!!男君がいぢめるー!!」
父「大丈夫だよ、母さんの肉じゃがは日本一だから」
母「父君!!」
男「さっきもみたぞ、このやり取り」
143: 1:2012/6/16(土) 17:35:05 ID:OtYpbDso4Y
父「大分調子が戻ってきたみたいだね・・・肉じゃが効果かな?」
男「そんなんじゃねーよ」
母「・・・」ニヤニヤ
男「ニヤニヤすんなよ!!」
母「息子に怒鳴られたー!!」
父「男君、母さんを怒鳴っちゃ駄目だよ」
男「なんだこの人たち」
母「男君が割とかなりきつい冷たい目で見てくるよ!!父君!!」
父「・・・」ジッ
母「ああ!!今度は父君が男君にあついまなざしを!!」
男「・・・無理」
母「あああ!!男君が目を逸らした!!」
父「まだまだ甘いね、男君」
母「流石父君!!日本一!!最強!!」
父「母さん、少し黙ろうか」
母「・・・」
144: 1:2012/6/16(土) 17:40:41 ID:BcrssMrxBk
父「とりあえず今日はもう寝なさい。まだ体がふらつくだろうし。薬を飲んでゆっくり寝るんだよ」
男「おう」
母「子守唄を歌ったあげようか!?」
男「断る」
母「男くんがー!!」
父「母さん、後でたっぷり可愛がってあげるからね」
母「/////」
男「んじゃ…お休み」
父「おやすみなさい」
145: 1:2012/6/16(土) 17:44:35 ID:BcrssMrxBk
翌日
男「さて…と」
父「おや、早いね」
男「父さん」
父「すっかり元気になったみたいだね」
男「まあな…あ、そうそう」
男「昨晩はお楽しみでしたね?」
父「・・・うん」
男「ちっ、面白くないな」
父「母さん相手なら効くんだろうけどね、それにしても昨晩の母さんは可愛かったなぁ…」
男「朝からそんな濃い話は聞きたくないんだが」
父「おっと、これは申し訳ない」
父「学校だろう?いってらっしゃい」
男「いってきます」
146: 1:2012/6/16(土) 18:07:32 ID:q9KgFhzQLA
通学路
男&女「あ」
男「よ、よう…」
女「治ったみたいだな」
男「お前の看病のお陰でな、ありがとな、女」
女「別に、私は大した事はしていない」
男「でも、俺はお前のお陰で今ここにこうして立てているんだから…」
女「そうか…」
男「ありがとな、本当に」
女「学校にいこうか…」
男「女?具合でも悪いのか?なんか変だぞ?」
147: 1:2012/6/16(土) 18:17:32 ID:FvrBfYap26
女「体の事に関しては君よりはましだとは思うが…どこか変か?」
男「いや…なんか、お前らしくないと言おうか…」
女「・・・私らしさとは、一体なんだ?」
男「俺に聞くのか!?んーと、まあ、変態で冷静で、的確で…俺に対して積極的?」
女「・・・」
男「そ、その…あれだ、こんなこと言ったら笑われるかもしれないけど、お前にとって俺は特別で…俺にとってもただの友達じゃないし…」
女「!!」
男「ああっと…だから…な…」
女「ありがとう…男」
男「ななな!!何して…」
女「少しでいい、こうさせてくれ」
男「・・・おう」
女「嬉しかった…男にそんな風に思ってもらえているなんて…」
男「・・・」
女「ありがとう…本当にありがとう」
男「学校、いくか?」
女「ああ」
148: 1:2012/6/16(土) 18:20:47 ID:FvrBfYap26
学校
男「まだ誰も来てないみたいだな…」
女「そうだな」ジリジリ
男「・・・何してんだ?」
女「お前に飛びかかる準備を」
男「止めろ」
女「だが断る」
男「友達以上とは言ったがそんなのを許した覚えはない」
女「貴様に拒否権はない!!」
男「やめろおおおお!!」
149: 1:2012/6/16(土) 23:20:34 ID:0ENYFnacLI
ガラガラガラガラ
先生「ふう、見回りも中々疲れるもの…」
女「・・・」
男「・・・あ」
先生「な!?お、お前ら!!」
男「先生!!これには訳が…」
先生「普通逆だろうが!!なんで女が男を押し倒してるんだ!!」
男「そっち!?」
女「ふむ…それもそうだな…よし!!」グリン
男「のわっと!!」
女「こい!!男!!」
男「いけるかー!!」
150: 1:2012/6/16(土) 23:26:00 ID:EyeWsxzT2I
先生「なるほどな、女が落とした物を二人が同時に拾おうとして、足がからんで、咄嗟に男が女を支えようとしたが、体勢が崩れてあの状態になったと」
男「はい、大体そんな感じです」
女「それは違…むぐ」
男「お前は黙ってろ」
先生「ふむ…事故なら仕方がないが、あまり変な噂を立てられんようにな?お前たちはただでさえ周りに注目されてるんだから」
男「わかりました」
女「・・・」
151: 1:2012/6/16(土) 23:29:27 ID:0ENYFnacLI
先生「じゃあな、あまり変な事はするなよ?」
ガラガラガラガラ
男「はあ…危なかった…」
女「・・・」
男「あっと、悪い!!口を抑えたまんまだったな…」
女「ふぅ…いい体験だったな」
男「マジで怖いわお前」
女「しかし、私達がそんな風に見られてたとはな」
男「俺達、学校公認のカップルだもんな…あ」
女「カップル…」ジリジリ
男「だー!!こっちくんなー!!」
女「逃がさん!!」
ガラガラガラガラ
友「・・・」
男&女「あ」
152: 1:2012/6/16(土) 23:34:52 ID:cG9X5aQXNY
友「おはよう、朝から元気だね」
女「うむ!!」
男「友!!助けてくれ!!」
友「女さん、そのまま腕を男の首に回すようにしながら抱き抱えるようにして抱きついてみて」
女「こうか?」ムギュ
男「んーっ!?///」
友「計画通り」
女「男、あまり暴れるな…その、胸に当たってる…」
男「お前が押し付けてんだろうが!!」
女「あう、息が…当たって…」
友「よし、男はそのまま女さんの胸に顔を埋めて…」
男「なあ、二人して俺を追い込んで楽しいか?」
友&女「凄く楽しい」
男「息ぴったりだな…くそっ!」
友「男の嫉妬は見苦しいよ?」
男「だまらっしゃい!!」
153: 1:2012/6/16(土) 23:42:34 ID:yu66c8TPA2
ガラガラガラガラ
幼「おっはよー!!」
男「よーっす」ハアハア
友「おはよう、幼さん」
女「おはよう、幼」
幼「あれ?なんだか男君息が切れてない?」
男「さっきまで…スクワット、腹筋、腕立てを30回ずつやってたからな」
幼「病み上がりでしょ?無理して大丈夫?」
男「体を慣れさせないと、寝たきりで体力が落ちるかもしれないし」
幼「そうだね、汗凄いよ?ハンカチ使う?」
男「いや、大丈夫だ」
女「そうだぞ、幼」
幼「女ちゃん」
女「心配しなくても、私が全て舐めとるから心配無用だ」
三人「・・・」
154: 1:2012/6/16(土) 23:47:44 ID:cG9X5aQXNY
幼「なんか…女ちゃんって感じするね…」
友「うん、確かに」
男「ここ数日は、俺のせいで本調子じゃなかったからな」
女「な、なんだいきなり」
男「いや、やっぱお前らしくていいなぁって」
友「うん。やっぱり女さんは女じゃないとね」
幼「えへへ、女ちゃんは女ちゃんだよ」
女「・・・皆、ありがとう///」
男「おー、照れてる」
後輩「照れてる先輩可愛い照れてる先輩可愛い照れてる先輩可愛い」
男「うおっ!?いつの間に!?」
後輩「幼先輩が入ったのと同じに入りましたよ、周囲に気を配らないからですね、情けない」
男「だ、誰も気づかねーよ!!」
友「僕は気づいてたよ?」
女「私もだな」
幼「あ、私も」
幼「ふっ」
男「なんか納得いかねー!!」
155: 1:2012/6/16(土) 23:57:50 ID:cG9X5aQXNY
後輩「・・・」ジトー
男「なんだよ」
後輩「いえ、風邪、治ったんですね」
男「おう」
後輩「よかったです。貴方が元気じゃないと、先輩がおかしくなっちゃいますから」
男「通常運転のあいつもおかしいがな」
後輩「ただ一つだけ言いたい事が…」
男「うん?」
後輩「先輩に貴方の汗は舐めさせませんからね!!」
男「そっち!?」
後輩「・・・そういえば、さっき先輩のお胸に顔を埋めてましたよね?」
男「ま、待て!!」
後輩「問答無用!!」ゲシッ
友「素晴らしい蹴りだね」
幼「うん、それでいて綺麗だよね」
女「雄々しさの中に優雅さもある、実に素晴らしい蹴りだ」
男「お前ら、俺が蹴られた事にはスルーなのね…」
156: 1:2012/6/17(日) 00:06:03 ID:yu66c8TPA2
後輩「それでは先輩。私は時間なので自分のクラスに戻りますが…決して気を許さないようにしてくださいね?」
女「ああ、皆の期待に応えなければならないからな」
後輩「先輩…流石です!!」
後輩「それでは失礼しますね」
ガラガラガラガラ
女「うむ、後輩は実に真っ直ぐないい目をしている。将来が楽しみだ」
幼「毎度ながら、激しく会話が噛み合ってないよね」
友「当然でしょ」
男「そしてお前らが俺の心配をしないのも毎度なのか?」
友&幼「当然」
男「泣きたくなってきた」
女「男、いつでも私の胸を借りていいからな?さあ、飛び込んでこい」
男「俺がもし飛び込んだら?」
女「何もしない。そのまま包み込むだけだ」
男「それが怖いんだよ!!」
157: 1:2012/6/17(日) 00:08:21 ID:yu66c8TPA2
今日の投下はこれで終了となります
昨日の遅れを取り戻せたかな…
見てくださった方々
ありがとうございました!!
158: 名無しさん@読者の声:2012/6/17(日) 08:08:47 ID:ysxUJk7sHM
支援 つ CCCCC
159: 1 支援感謝です♪:2012/6/17(日) 08:42:29 ID:ZJmrEce0Hw
校庭
男「さて…今日から本格的に体育祭の練習が始まる訳ですが」
女「うむ」
男「・・・準備体操するほどか?」
女「当然だ、何事も備えあれば憂いはなく、万全の状態で挑むべきだからな。先に体をほぐしておかないと怪我にも繋がる」
男「へいへい」
女「お前もあの二人を見習え」
友「・・・」
幼「おいっちにー、さんしー」
男「なんで幼はラジオ体操してんだよ、しかもテンポずれてるし…友に至っては無表情の無言で器械体操だよ!怖いわ!!」
女「さあ男!!」
男「あれだからな?決して周りが体操をしてるから仲間外れが嫌だからじゃなくて、体操しておかないと怪我するのが嫌だから体操するんだからな?」
女「全く…言い訳する君は実にそそるな」
男「おい、こっちくんな」
160: 1:2012/6/17(日) 08:48:16 ID:ZJmrEce0Hw
女「どうする男?短距離の練習でもするか?」
男「どうせ結果はわかってんだ、焦る事はねーよ」
女「む?そうなのか?」
男「女子の方はお前が一位。男子の方は俺が一位だ」
女「私を評価してくれりのは凄く嬉しいが、当日はわからんぞ?」
男「わかるんだよ。なんなら、走ってみるか?」
女「お前とか?」
男「俺以外に誰がいるんだよ…あ、言っとくけど、手加減しないかんな、全速力で走るから」
女「望むところだ、途中で転ぶなよ?」
161: 1:2012/6/17(日) 08:56:43 ID:UCmE.7Fcjo
友「で、僕がスターターなの?」
幼「二人とも頑張れー」
男「悪いな、友」
女「公平なジャッジを期待している」
友「はあ…それじゃ、位置について」
女子「みて!!会長が走るらしいわよ!!」
男子「男ー!!手加減してやれよー!!」
友「よーい…ドン!!」
ダダダダダダダダダ!!
全員「はやっ!?」
友「男…最初から全力はかっこ悪…女さん早いね…」
幼「おおー、風みたいだね」
ズシャアア!!
男「どっちだ!?」
女「際どいな…」
友「うーん、僅かに女さんが早かったね…」
男「ちっくしょー」
女「そうか…男、いい勝負だったよ、立てるか?」
男「なんとかな、あーあ、女に負けるなんてな…」
女「何を言ってる、私の全力に並走できたのはお前が初めてだぞ?」
162: 1:2012/6/17(日) 08:59:44 ID:ZJmrEce0Hw
男「お前の初めてか、そりゃいいな」
女「いい…」
男「ん?」
女「それで?私の初めてはいつ貰ってくれるのかな?」
男「貰うか!!」
友「二人とも、後片付けするよ」
男「おう、悪い」
女「すぐいく」
男「女」
女「ん?」
男「当日、勝つぞ」
女「・・・ふっ、当然だ」
163: 1:2012/6/17(日) 09:09:34 ID:UCmE.7Fcjo
昼休み
男「・・・」モムモム
友「あれ?男、今日はパンなの?」
男「おう、両親が夜の体育祭を開始したせいでな」
女「その出場選手枠に当然私と男ははいっているんだろうな?」
男「はいってないな」
幼「大丈夫?パンだけで?」
男「大丈夫だ」
幼「お弁当分けてあげようか?」
男「お前は食え、ただでさえ小さいんだから」
幼「小さくないもん!!女の子の標準だもん!!」
女「・・・」
友「ねえ、女さんが弁当二つ持ってなにかを考え込んでるんだけど」
男「お?」
女「あ、朝早く起きちゃって作りすぎちゃったからあんたにあげるわ。べ、別に深い意味はないんだからね!?」
男「・・・」
女「今流行りのツンデレというものに挑戦してみた、どうだろうか?」
男「(一瞬可愛いとか思ってしまった自分を殴りたい)」
164: 1:2012/6/17(日) 19:00:01 ID:dGLdUlbveo
友「しかし、いつみても女さんの作った弁当は美味しそうだね」
男「媚薬とか入ってたりしてな」パクパク
友「そういいながら食べるんだね」
男「ほうへんはほ」
幼「こら男君!!口に物が入ってるのに喋らない!!」
男「うるせーな…お前は母さんかっての」
幼「違うもん!!」
友「(そっくりだ…)」
女「ふむ…媚薬か…」
書記「会長…犯罪は駄目です」
四人「書記(ちゃん)!?」
165: 1:2012/6/17(日) 19:04:53 ID:P2PgA.Nq/A
女「い、いったいいつから…」
書記「さっきから…」
男「全く気がつかなかったな」
友「男はともかく…女さんが気がつかないなんて…」
男「おい、それどういう意味だ」
書記「得意…ですから」
書記「影…薄くするの…」
男「・・・それって」
幼「えっと…あれだよね…なんていうか」
女「あまり誉められた能力ではないな」
友「はっきり言った!?」
男「うーん、それがお前の持ち味(?)なら強制はしないが…明るくな?暗いばかりじゃ駄目だぞ?」
書記「はい…」ニコ
男「っ!!わ、わかればいいよ」
女「男が照れた男が照れた男が照れた」
友「もはや呪文だね」
166: 1:2012/6/17(日) 19:17:54 ID:P2PgA.Nq/A
書記「体育祭…なんですけど…企画案が出されたので…放課後生徒会室にお願いします…」
女「ああ、必ずいく」
書記「では…」
ガラガラガラガラ
女「毎回書記には助けらるている。あの気配りには脱帽するばかりだ」
男「しかし…あんま喋らないよな」
女「そうだな…会議では的確な発言はしてくれるが、積極的とは言えないし…」
幼「でも、初めて会った時からあんな感じだったよね?」
男「まあ、俺としてはあれぐらいが丁度いいかもな?
友「ロリコンなの?」
男「年は一つしか違わないんですが」
幼「でも…書記ちゃんの見た目と背を見たら…ねえ?」
女「お兄ちゃんと呼べばいいか?」
友「女さんだったら、お兄ちゃんよりお兄様かな?」
167: 1:2012/6/17(日) 19:57:47 ID:Y5rT4ClWNg
男「とにかく、俺は書記のことをそういう風にはみて…」
書記「・・・」チラッ
男「いや、別に全く見ていないわけじゃないぞ?寧ろ頻度としてはかなり見てる方で…ああ、でも俺にはそんな趣味はないし、ましてや恋愛感情なんて抱く筈が…そりゃお互いのことをわかり会えば抱かないこともないレベルだけど…つまり」
男「見守りたい…のかな」
書記「・・・」
男「なんというか…お前もやっぱり大事な後輩の一人だからさ…」
書記「男先輩は…優しいですね」
男「お、俺は思ったを口にしただけだし…」
書記「ありがとうございます…では」
ガラガラガラガラ
男「本当に…いったか?」
男「・・・いったみたいだな」
幼「お、男君…」
友「君は…実に面白いね…」
男「なんだ、二人とも」
女「男、失礼を承知で一つ言わせてくれ…臭い」
男「ぐはっ!!」
168: 1:2012/6/17(日) 20:04:54 ID:qSBYKq0mME
男「な、なんだよ皆して!!俺、良いこと言っただろ?」
幼「友君が言った方がいいかもしれない」
男「ぐっ!!」
女「ふむ…いくら良い発言をしても、発言者次第で変わってしまうのか…難しいな」
男「ああもう!!とりあえずこの話は止め!!」
女「む…それもそうだな…午後もあるし」
友「午後にも、体育祭練習が組み込まれているみたいだよ。しかも二学年と共有らしい」
女「しっかり先輩らしい姿を見せないとな」
男「めんどくせ」
女「何を言ってる。私達が頑張らねば、他のだれが頑張るてというのだ?それに我々がここで頑張らねば、私達は働かなかった希代の悪者として呼ばれるようになるんだぞ?」
男「長い!!・・・まあ、頑張るか」
女「その意気だ」
169: 1:2012/6/17(日) 23:02:49 ID:Y5rT4ClWNg
校庭
後輩「せーんぱーい♪」
女「こらこら、あまりくっつくな」
後輩「えへへ〜♪」
男「二学年って後輩のクラスとかよ!?」
友「人数の関係上だ、しょうがないだろ?」
幼「私は大丈夫だよ、後輩ちゃんがいるから楽しいし」
男「そういう問題じゃなくてな…」
後輩「友先輩!!幼先輩!!一緒に頑張りましょうね!!」
友「うん」
幼「頑張ろうね!!」
後輩「さあいきましょう!!」
男「相変わらずの全力スルー、まあ慣れたからいいけど」
書記「・・・」
男「ん、お前も余ったのか?」
書記「影…薄くしてました」
男「なんでまた…」
書記「人混みは…苦手です」
男「そりゃ災難だな、俺は大勢でワイワイ出来た方が楽しいと思うが」
書記「少人数なら…大丈夫です」
男「ま、個人の思考とかがあるしな、無理に合わせなくてもいいぜ」ポン
書記「・・・はい」
170: 1:2012/6/17(日) 23:07:59 ID:qSBYKq0mME
後輩「先輩、先輩は何の競技に出場されるんですか?」
女「男と一緒に短距離だ」
後輩「あ…そうなんですか」
女「そういえば、男の気配が遠退いたような…」
後輩「男さんなら書記ちゃんと仲良くしてましたよ」
女「何!?書記と!?」
後輩「随分仲良さげでしたよ?」
女「な、なんてことだ…」
後輩「(チャンス!!)先輩…そんな薄情な男さんより…」
女「年下を思いやる気持ち、つまり大人の余裕を見せているんだな!!負けてはおれん!!」ダッ
後輩「あ!!先輩!!」
後輩「いっちゃった…むきー!!なんでいつも男さんがー!!」
幼「女ちゃんって、天然だよね」
友「(幼さんが言うの…?)」
171: 1:2012/6/17(日) 23:11:48 ID:Y5rT4ClWNg
男「書記、大丈夫か?」
書記「平気…です。何故…心配を…?」
男「いや…なんとなく書記って太陽に弱いイメージがあるから…って、これは偏見か…」
書記「あながち…間違いじゃありません」
書記「お日様より…お月様が好きです…日向より…日陰が好きです」
男「そっか」
書記「はい」
男「まあ、きつそうだったらいつでも言え」
女「書記ー!!大丈夫か!?熱中症は起こしてないか?水分は?適度に休憩しながら…」
男「お前は空気を読めー!!」
172: 1:2012/6/17(日) 23:15:36 ID:qSBYKq0mME
書記「あの…私は大丈夫です」
女「む、そうか」
男「あのなぁ、書記は心配せんでも大丈夫だって」
書記「男さんが…」
男「書記はしっかりしてるんだから、自分の体調管理くらいできるだろ」
女「ふむ…確かにな」
男「なあ、書記」
書記「・・・」
男「な、なんだよ?その目は」
書記「なんでも…ありません」
女「書記、具合でも悪いのか?無理しない方がいい」
書記「会長…ありがとうございます」
書記「召集かかってるので…いきますね」
男「わかった」
女「後でな」
173: 1:2012/6/17(日) 23:19:27 ID:Y5rT4ClWNg
後輩「いいなー、書記ちゃん。先輩に心配されて」
書記「後輩も…心配してくれるよ…」
後輩「でもねー、先輩に心配されたいのと、されたくないっていう気持ちが混じってるからねー」
書記「行動と思考の矛盾…だね」
後輩「それに先輩が見てるのは男さんだし…」
書記「でも…会長…凄く嬉しそう」
後輩「・・・認めるのは癪だけど、先輩にあんな顔をさせてるのは…男さんなんだよね…」
書記「大丈夫…」
後輩「書記ちゃん…」
書記「きっと…いい人見つかるよ…」
後輩「諦める前提!?」
174: 1:2012/6/17(日) 23:23:04 ID:Y5rT4ClWNg
放課後
友「男、どうする?」
男「部活いく、ここんところ顔出してないし」
友「それがいいね、主将も心配してたよ」
男「主将な…心配してくれんのは助かるんだけど…暑苦しいんだよな…」
友「だって主将だし」
女「男、帰りか?」
男「いんや、部活。お前は会議だっけか?」
女「ああ、体育祭に関してな、ひょっとしたら競技が増えるかもしれん」
男「そうか、頑張れよ」
女「お前もな、あまり無茶はするなよ?」
男「無理な話だ。じゃあな」
女「ああ」
175: 1:2012/6/17(日) 23:24:03 ID:qSBYKq0mME
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
176: 名無しさん@読者の声:2012/6/18(月) 07:57:44 ID:ysxUJk7sHM
支援 っ CCCCC
177: 1「支援感謝!!」:2012/6/18(月) 10:11:29 ID:P2kcD4Hnh6
生徒会室
女「皆、待たせた」
書記「・・・」
女「書記だけか?他は?」
書記「・・・」フルフル
女「そうか…なら待つとしよう」
書記「・・・」
女「なあ…書記」
書記「なん…ですか?」
女「その…あれだ、男とは仲がいいのか?」
書記「男さんは…優しいです」
女「うむ、男は人を思いやれる心を持っているからな」
女「私も…その優しさがなかったら…今の私は無かっただろうな」
書記「会長にとって…男さんは特別…なんですね」
女「勿論だ、男は私の動力源であり、私の全てだからな…」
女「男の隣に立てれば…私はそれでいい…」
書記「・・・」
178: 1:2012/6/18(月) 10:36:53 ID:P2kcD4Hnh6
ガラガラガラガラ
副会長「ういーす」
会計「お待たせしましたー」
庶務「遅れましたー」
女「遅いぞ」
会計「あれ?会長もういらしてたんですか?」
副会長「俺達が飲み物を買いに行ってる来たんだろ」
庶務「うはー、会長忍者ですか?」
女「忍者だったら楽に男の背後を取れるかな」
副会長「うわ、またそれかよ」
会計「ひょっとして書記ちゃん。会長にノロケ話聞かされてた?」
書記「かなり…」
女「そ、そんなか?」
書記「男さんは…私の全てだって…」
会計「わお」
庶務「す、すげー!!」
副会長「でかすぎだろ」
女「い、今聞いたことは忘れてくれ!!」
179: 1:2012/6/18(月) 22:49:18 ID:yKjCNIESmY
女「ところで書記、体育祭に新しく追加されりかもしれない競技とはいったいなんだ?」
書記「これ…です」スッ
『カップル二人三脚リレー』
四人「・・・」
副会長「こりゃ…」
会計「あれ…だね」
庶務「なんつーか…ボケを狙ってるんですかね?」
女「それぞれのクラスから男女一組を出場させ、一位のクラスには大量得点…か」
副会長「おいおい、まさかこんなの秤にかけろってのか?無茶だろ?」
会計「確かに…こんなのに参加するなんて…」
庶務「余程精神が強いか…少なくとも自分は嫌です」
女「ふむ…面白い」
三人「ここにいたー!!」
女「だが…私個人の意見では流石に決めかねられない…意見を聞きたい」
180: 1:2012/6/18(月) 22:58:02 ID:zd9Jg8k992
副会長「俺はマジでゴメンだな、恥さらしもいいところだ」
庶務「自分もっす」
会計「私はいいかなって思うけどな…」
副会長「おい、正気か?」
会計「だって会長と男さんでしょ?出るの」
副会長「・・・あ」
庶務「そうか!!それなら!!」
書記「大丈夫…です」
女「おいおい、私はまだ出ると決まった訳じゃ…」
会計「そのわりに顔がにやけてますよ?」
女「そ、そんなことはないぞ!?」
181: 1:2012/6/18(月) 23:09:18 ID:zd9Jg8k992
女「け、結局どうするんだ?この競技を受けるのか受けないのか」
三人「受けます」
書記「・・・」
女「わ、わかった…」
女「それでは、カップル二人三脚リレーを体育祭の種目として認定する。」
女「それでは…これを体育行事委員会に提出してくるが…いったいだれがこんな案を出したんだ?」
書記「体育行事委員…です」
女「・・・了承待ちだったと言うわけか」
182: 1:2012/6/18(月) 23:23:21 ID:yKjCNIESmY
家
男「ただいまー」
母「お帰り!男君!!」
男「どうした?やけに嬉しそうだけど…」
母「今日はね!!父君が早く帰ってきてくれるんだって!!」
男「ああ…そう」
母「それにもうすぐ男君の体育祭でしょ?私頑張るからね!!」
男「ああ、頑張るのはいいんだけど、必ず父さんと一緒に来てな」
母「やぁだ、男君ったら甘えん坊♪」
男「母さんが一人で来ると必ずナンパされるから対応に困るんだよ!!」
母「大丈夫よ、お母さんは父君だけのお母さんだから」
男「そういう問題じゃないんだよな…」
183: 1:2012/6/18(月) 23:31:54 ID:yKjCNIESmY
母「それで、お弁当だけど、男君ね好きな物をつくってあげるね♪」
男「へいへい」
母「それで、何に出るの?」
男「短距離かな」
母「男君足が速いからね…」
男「母さんは遅いのにな」
母「ち、違うもん!!本気を出してないだけだもん!!」
男「この前、走って息が切れてたよな?」
母「あ、あれは…む、胸が重かったから…//」
男「ふーん、父さんに揉まれて大きくなったの?」
母「それがね!!父君と結婚してから胸が少ししか大きくなってないの!!どう思う!?」
男「(少しは大きくなってんのか…)」
184: 1:2012/6/18(月) 23:33:58 ID:yKjCNIESmY
今日の投下はこれで終了となります
少量更新申し訳ありません。そして諸事情によりしばらく少量更新が続くと思います
見てくださってる方々、本当に申し訳ありません
見てくださった方々
ありがとうございました!!
185: 名無しさん@読者の声:2012/6/19(火) 07:36:14 ID:8URiPplZdQ
(支援)っ CCCCC
186: 1(支援感謝!!):2012/6/19(火) 17:33:12 ID:0ENYFnacLI
体育祭当日 学校
校長「えー、本日は絶好の、えー、体育祭日和となりました。えー、今日の為に皆さん沢山の練習をしてきたと思います。えー、全力を出しきり、頑張っていきましょう」
放送「校長先生、ありがとうございました。続いて競技に移ります」
男「始まったな」
女「うむ」
男「短距離って、結構早いよな?」
女「ああ、三番目くらいだ」
男「とりあえず準備はしておくか…」
友「男、女さん。こんなところにいたんだ」
男「こんなところって…俺は自分の席から動いてないぜ?」
女「そんな私は男の側から動いていないが?」
男「召集かかったか?」
友「いや、変な噂を聞いたから知らせとこうかと」
女「噂?」
友「どこのクラスかはわからないけど、あるクラスが優勝するために様々な妨害行動するという情報を聞いたんだ」
男「いたずらじゃないのか?」
友「そうかもしれないけど、火のない所に煙はたたないっていうし…警戒しておいて損はないと思う」
187: 1:2012/6/19(火) 17:46:43 ID:EyeWsxzT2I
男「そうだなぁ…」
女「もしもそれが本当なら、生徒会として不正行為や、生徒に危険が及ぶのは見過ごせないな…」
女「生徒会や風紀委員会と協力して、警備をしてみよう」
男「うーん…まあ、いいのか?」
女「男?」
男「体育祭は体育祭で楽しみたいし…そんなピリピリとした雰囲気出してちゃな…」
女「一理あるな…しかし、危険かもしれない事をほっとく訳にはいかないだろう」
男「気持ちはわかるが…」
女「私だって同じだ、だが生徒に危険が及ぶのは防ぎたいし、ましてや私の知人や友人が傷つけられるのなんて見たくない…」
男「女…」
女「わかってくれ…」
188: 1:2012/6/19(火) 17:56:25 ID:0ENYFnacLI
男「別に反対はしてねーよ」
男「お前が決めたならそれでいいだろ。お前が正しいのは俺達が一番よく知ってるんだからな」
女「男…」
女「犯していいか?」
男「だが、正しくないときもあるな」
放送「短距離に出場される選手は、入場門にお集まり下さい」
男「お、一緒にいくか」
女「い、一緒にイクかだなんて…///」
友「男が全速力で走っていったんだけど」
女「まてー!!男ー!!」
男「くんなーー!!」
189: 1:2012/6/19(火) 18:03:18 ID:EyeWsxzT2I
後輩「先輩♪」
女「後輩も短距離だったのか」
男「(確かこいつ玉入れじゃなかったか?)」
後輩「先輩、一緒に頑張りましょうね!!」
女「もちろんだ、たとえ誰が相手だろうと全力でぶつかるのみ」
後輩「先輩…格好いいです!!」
男「(俺…これ完全に空気だな)」
女「男と一緒なら、私は負けないさ」
後輩「・・・先輩の足を引っ張ったら、ぶっ殺しますからね?」ボソッ
男「なんか殺気が刺さってるんだが…」
190: 1:2012/6/19(火) 18:08:55 ID:EyeWsxzT2I
審判「ヨーイ」パン!!
ワーワーワーワー
女「ふむ、今年の一年は粒揃いだな」
男「足が速いな…」
女「私達も頑張らねばな」
男「お、次は後輩のレースっぽいぞ」
女「応援しなければな」
後輩「(先輩、見てくれるかな…)」ドキドキ
女「後輩!!」
後輩「!!」
女「負けるな!!」
後輩「はい!!先輩!!」
審判「ヨーイ」パン!!
後輩「元気1万倍!!」
ドドドドドドドド!!
男「はやっ!?」
女「素晴らしい脚力だ…あの脚力は私やお前でもだせないんじゃないのか?」
男「あのトランザムには間違いなくお前が一枚噛んでるがな」
191: 1:2012/6/19(火) 18:13:17 ID:EyeWsxzT2I
女「次は私のレースだな、いってくる」
男「頑張れよ」
女「・・・一位の旗をお前にプレゼントしよう」
男「いらん」
女「冗談だ」
審判「ヨーイ」パン!!
女「(よし!!走り出しは順調!!このままコーナーを…っ!!)」
女「(あんな所に石!?整備は何をやって…駄目だ避けきれない!!)」
女「なめるな!!」ヒラリ
放送「おーっと!!我らが生徒会長、走ってる最中に華麗なエアリアルジャンプを披露しました!!」
後輩「先輩…素敵!!」
男「女…?」
192: 1:2012/6/19(火) 18:18:04 ID:EyeWsxzT2I
女「ふぅ…なんとかなったか…」
後輩「流石です!!先輩!!華麗な技を披露して一位なんて!!」
女「ああ、ありがとう」
男「次は俺かな」
女「男!!コースの最中に…」
男「女」
女「な、なんだ?」
男「いってくる」
女「!!」
後輩「期待してませんけど、まあ頑張ってください」
男「ひどいな、いってくる」
193: 1:2012/6/19(火) 22:50:35 ID:VgQhG.IFVc
後輩「ところで先輩、先程何か言いかけてましたけど…なんですか?」
女「ああ、コースの途中に妨害とみられる石が置いてあった」
後輩「それでさっきのジャンプを!?」
女「ああ、恐らく男や他の人のコースにも仕掛けられてるだろう」
審判「ヨーイ」パン!!
男「ふっ!!」ダッ
放送「おーっと!!男選手、いきなりのスタートダッシュです!!」
女「しかし…あんな速さだといざというときに反応できないのでは?」
後輩「何か考えがあるんじゃないですか?」
男「(さっきの女のジャンプ…恐らくあれにはコースに何かしらの障害物があったはずだ…)」
男「(見てる人にはわからず、走ってる人は気づく…その大きさは恐らく拳大!!)」
男「(だが…走り出しても何もな…)」
ヌプリ
男「何!?」
女「男!!」
後輩「あそこ!!変にぬかるんでます!!」
男「くそっ、負けるかぁ!!」
ヌプヌプヌプヌプヌプ
後輩「ぬ、ぬかるみを無理矢理…」
女「全く…無茶をするな…」
194: 1:2012/6/19(火) 22:55:24 ID:wLTMvP0M0.
放送「ゴール!!男選手が見事に一位を奪っていきました!!」
放送「しかし、走り最中に動きがやや鈍くなっていましたが、あれはいったいなんなんだったんでしょうね?」
解説「そうですね、恐らく男さんの体調不良と思われてると思いますが…」
放送「というと?」
解説「動きが鈍くなった原因はズバリ足の運びにあります。レース中の男選手の足の運びが悪くなったのはあの辺りですから、恐らくあの辺りになんらかの細工があると思われます」
放送「なるほど…ありがとうございました(この人誰だろう?)」
195: 1:2012/6/19(火) 22:59:45 ID:wLTMvP0M0.
男「ふいー、疲れた」
友「お疲れ」
女「男、大丈夫か?」
男「俺はな、お前は?見事なエアリアルジャンプかましたんだから」
女「問題ない、準備体操はしっかりしたぞ」
男「さいでっか」
友「えーと、次は幼さんが出る障害物競争だよ」
男「障害物競争か…今考えたらかなりヤバイな」
女「ああ、何か仕掛けられても障害物として片付けられてしまうな…」
友「それについては大丈夫」
男&女「?」
友「監視役、副会長」
男&女「あー、なるほど」
男「・・・ハモるなよ」
女「・・・ハメるぞ?」
男「なんか一文字違う!!」
196: 1:2012/6/19(火) 23:04:52 ID:VgQhG.IFVc
副会長「あー、この障害物競争では、それぞれ体力、知性、そしてモラルを駆使して、ゴールまで走ってもらう。」
副会長「もちろん、不正をした奴から特別指導だからな?間違っても不正すんなよ?」
副会長「んじゃま、スタート」
「「「投げやりだ!?」」」
幼「よーし、頑張らないと!!」
幼「まずは体力だね!!」
男「幼!!無理すんなよ!!」
幼「だーいじょー…きゃふ!!」
友「あ、転んだ」
女「前を見ろとあれほど…」
副会長「何やってんだあいつ」
197: 1:2012/6/19(火) 23:05:31 ID:wLTMvP0M0.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
198: 1:2012/6/20(水) 22:44:04 ID:5tlMgBkm06
幼「えーと…まずはこの荷物を持って、あそこまで走ればいいんだね」
幼「よいしょ、よいしょ」
幼「ふー、疲れたぁ」
幼「えーと…次は」
幼「1,000円を持って280円のお肉と105円のリンゴと395円の調味料を買いました。お釣はいくらですか?」
幼「・・・395円もする調味料っていったいなんだろ」
男「突っ込むとこそこかよ!?」
幼「あ、そうだ!!計算!!」
幼「えーと、お肉が280円なんだから…」
幼「お肉ってgで金額決まるんだよね、このお肉なんgでなんgがいくらなんだろ」
女「幼!!遅れてるぞ!!」
幼「わ、わかった!!」
幼「280円に、395円に、105円…」
幼「105円のリンゴっていったい…」
男&女「いいから走れ!!」
幼「は、はいぃ!!」
199: 1:2012/6/20(水) 22:50:41 ID:5tlMgBkm06
幼「よ、よし!!最後はモラルだね!!」
男「モラルか…」
女「幼にはある意味一番得意な課題だな」
友「でも、問題の内容によるよね」
男「そこは乗り切ってくれとしか…」
問題
貴方は砂漠を歩いています。食料は何もなく、水さえありません。このままでは死んでしまいます。暫く歩くと、老人が倒れていました。急いで駆け寄ると、老人はしゃがれた声で言いました
「お若いの、近くにある鞄に一口分だけ残っておる。すまんがそれを取ってくれんかのう?」
鞄を開けると、確かに一口分だけの水がありました。
さて、貴方はどうしますか?
@老人に水を飲ませる
A自分が飲む
Bその他(自由解答)
200: 1:2012/6/20(水) 23:01:43 ID:5tlMgBkm06
幼「うーんと…これは…」
男「難しいな…」
女「確かに、一般的解答ならば、@だが、それでは全てが終わってしまうな」
友「うん、仮にこの砂漠から抜け出せると仮定しても、水は必要不可欠」
男「だが…ここで水を渡さねば主人公は悪人決定だ…」
女「だが、水を飲まなければ死んでしまうばかりか、物語がそこで終わってしまう…」
友「そもそもこれがモラルを測る問題なのか疑問なんだけど」
男「羅○門みたいなもんだろ」
女「いずれにせよ、この問題に答えはない。幼の考え次第だ…」
201: 1:2012/6/20(水) 23:05:18 ID:J7qYLn/Rgc
幼「よーし!!決めた!!」
副会長「お、来たか。そんで答えは?」
幼「B!!その他!!」
副会長「ほう?」
幼「水を飲んで老人を背負って歩く!!」
副会長「・・・」
幼「えっへん」
副会長「まあ、通れ」
幼「よーっし!!後はゴールまでだ!!」ダッ
副会長「水を飲んで老人を背負う…か」
202: 1:2012/6/20(水) 23:13:07 ID:5tlMgBkm06
男「幼…なんて答えたのかな…」
女「さあな、この種目は@、A、Bのどの解答をしても余程非人道的な答えをしない限り通れるようになっているからな」
友「結局は、個人の考えだからね」
幼「お待たせー、最下位になっちゃった」
男「いいよ、それよりさ」
幼「何?」
男「お前、何選んだ?」
幼「・・・秘密」
男「はあ!?」
幼「男君ならいつかわかるよ」
男「わけわかんねー」
幼「いいの、それが男なんだから。あ、できれば女さんと一緒に考えてね!!」
女「私と?」
幼「うん!!」
幼「二人はね、一緒に悩んで、考えて、答えを出すんだよ」
203: 1:2012/6/20(水) 23:16:18 ID:5tlMgBkm06
男「いや…だからなんなん…」
放送「綱引きに出場される皆様、入場門にお集まり下さい」
男「む…いくか」
女「ああ」
幼「張り切るからね!!」
友「幼さんは無理しないようにね」
204: 1:2012/6/20(水) 23:23:01 ID:J7qYLn/Rgc
昼休憩
男「前半終了!!」
女「皆、よく頑張ってくれた」
幼「後半も頑張ろうね!!」
友「といっても、騎馬戦と全員リレーくらいしか出るの無いけどね…」
幼「あう…」
男「にしても…遅いな…母さん」
女「弁当はお母様がお作りになられるのか?」
男「ああ、昼休憩の時に渡しに来てくれるって言ってたんだが…」
母「男君!!お待たせー!!」
男「おせーよ」
父「ごめんよ、母さんが捕まっちゃってね」
男「またか…ていうか父さんがいてもか」
父「数は少ない方だったよ?」
男「そういう問題じゃない」
205: 1:2012/6/20(水) 23:27:02 ID:J7qYLn/Rgc
母「はい!!お弁当!!男君の好きな物たくさんいれたからね!!」
男「サンキュー」
父「それを食べて、午後も怪我が無いように頑張るんだよ」
男「わかってる」
母「あ、女ちゃん!!」
女「はい」
母「これ、良かったら食べてね」
女「私の…分ですか?」
母「そうよ、ちなみに…」
母「これ、男君と同じ中身だから…食べさせあいっこができるわよ」ヒソ
女「!!」
母「それじゃ、頑張ってねー」
206: 1:2012/6/20(水) 23:27:49 ID:5tlMgBkm06
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見てくださった方々
ありがとうございました!!
207: 名無しさん@読者の声:2012/6/21(木) 00:14:55 ID:r5mfv85vFI
みてるおー支援
208: 名無しさん@読者の声:2012/6/21(木) 08:43:43 ID:RrCtuu5I6o
っC
209: 1:2012/6/21(木) 21:39:49 ID:qSBYKq0mME
>>207
>>208
支援ありがとうございます!!
よかった…見てくれてる人がいて下さって…
見てくれてる方がいると書く気が沸き上がりますね!!現金すみませんwww
210: 1:2012/6/21(木) 21:47:47 ID:qSBYKq0mME
男「とにかく…後半はなんとか巻き返さないとな〜」
友「今の所は二位…上がるにしても下がるにしてもキープはしておきたいし」
幼「う…ご、ごめん…」
女「・・・」
男「そこんとこはやっぱり得点が大きい奴で稼ぐしかないだろうな…って、また唐揚げかよ…旨いからいいけど…」
男「とりあえず…今は飯だ。腹が減っては戦は出来んっていうしな」
男「おい女、お前も少しは…」
女「あ、ああ!!」
男「・・・おい、その弁当」
女「こ、これはだな!」
男「・・・母さんか、全く」
211: 1:2012/6/21(木) 21:52:26 ID:aamXwR1ZLM
女「お、お前はこういうのが好きなのか…?」
男「そうだよ、悪かったな子供っぽくて」
幼「うわ!!たこさんウインナーとか久しぶりに見た!!」
友「小学生並みだね」
男「やかましいわ!!」
女「お、男…」スッ
男「なんだよ」
女「あーん」
男「・・・」
女「早く食べろ、冷めてしまうだろ」
男「何もしないよな?」
女「・・・まあな」
男「その間が怖い!!」
212: 1:2012/6/21(木) 21:56:59 ID:aamXwR1ZLM
女「ほら、早く」
男「・・・」パクッ
女「うむ、可愛い小動物に餌付けをしている気分だ」
男「そりゃよござんしたね」
女「・・・」ジー
男「・・・あーん」
女「はむ」パクッ
男「旨いか?」
女「ああ、お母様が作られた上に、お前から食べさせてもらったのだ。これ以上の美味はないよ」
男「意外だな、てっきり口移しの方が好きだと思ってたのに…あ」
女「・・・友、幼」
友「了解」スッ
幼「援護するよ!!」スッ
男「ばっ!?お前ら離せ!!女!!馬乗りになるな!!」
女「大丈夫だ、すぐ終わる」ジュルル
男「のわー!!涎!!涎ー!!」
213: 1:2012/6/21(木) 22:03:42 ID:aamXwR1ZLM
女「ふう、実に有意義な昼休憩だった」
男「・・・」ズーン
友「女さんがヤバイくらいにツヤツヤしてるね」
幼「そして男君はこの世の終わりみたいな雰囲気を出しているね」
女「しかし…やはり口移しできなかったのが悔やまれるな…」
男「俺としてはあの状況を作ってしまった事が悔やまれるよ」
男「(面とスタイルがいい奴に体操着姿で馬乗りにされてみろよ!!どんだけつらいか!!)」
男「はあ…終わったかな…」
女「何がだ?」
男「いや…こっちの話」
友「何?興奮したの?」ヒソ
男「・・・少しだけな」ヒソ
友「女さんに迫られるとか、男じゃないと一生味わえないシチュエーションだよ?嬉しそうにしたら?」ヒソ
男「まるで変態じゃねーか」
214: 1:2012/6/21(木) 22:09:17 ID:aamXwR1ZLM
幼「あー!!男の子同士でえっちぃ会話をしてるんだー!!」
女「何!?私も混ぜろ!!」
友「申し訳ないんだけど、女さんと幼さんは先に行っててくれる?」
幼「わかったけど…」
女「早くこいよ?」
スタスタスタスタスタ
友「で?どうなの?実際」
男「なにがだよ…」
友「もう君、苦悩男から鈍感男に改名した方がいいいんじゃないの?」
男「存在否定!?」
215: 1:2012/6/21(木) 22:18:21 ID:0rZgl6m/L.
友「女さんを異性として見てるかって事」
男「異性として見てなかったら、こんな悩まねーだろーよ」
友「一応苦悩はしているんだね」
男「今までとは違う苦悩だがな」
友「それで?」
男「正直いつものようなやり取りがかれこれ一年も続いてるんだぜ?」
友「そういえば、女さんが男に話しかけ始めたのはそれぐらいだよね」
男「未だによく理由はわかってないんだよなー、なんかしらのスイッチが入ったのか…」
友「男がいれたんじゃなくて?」
男「一年前だぞ?その頃はあまり女と仲良くなかったしな」
友「じゃあ…何でだろうね」
男「とにかく…早く戻ろうぜ。待たしたら悪い」
友「そうだね…」
友「(女さんは…いったいいつから男を好きになったんだ?)」
216: 1:2012/6/21(木) 22:26:11 ID:0rZgl6m/L.
女「遅かったな」
男「待たせた」
幼「いやらしい話をしてたんでしょー」ジトー
男「してねーよ!!」
友「幼さん、僕からも言わせてもらうよ」
幼「友君が言うなら信じるよ」
男「ひでぇ!?」
女「大丈夫だ男、私はお前を信じてるからな!!」
男「ありがとよ」
男「・・・なあ、女」
女「ん?なんだ?」
男「いいや、なんでもない」
女「溜めるのはあまり良くないぞ?言いたい事があるならはっきり言え?」
男「・・・綺麗だな」
女「・・・ふっ」
女「い、今更誉めたところで、べ、別に私はう、嬉しいなんて思わないからな!!ど、どうせ油断させるか、持ち上げる作戦に決まっている!!」
男「(すっげー動揺してるな)」
友「(分かりやすいな…)」
217: 1:2012/6/21(木) 22:39:33 ID:0rZgl6m/L.
男「どんな感じ?」
幼「全然。ずっと変わらずにおいかけっこをしてるよ」
女「状況変わらず…だな」
友「だけど、もうすぐ騎馬戦だからね」
男「おう、頑張って巻き返すからな!!」
幼「女子は出れないから…一生懸命応援するね!!」
男「サンキュー、幼」
女「怪我だけはしないようにな」
男「わかってる」
友「それじゃあ…いこうか」
218: 1:2012/6/21(木) 22:44:29 ID:aamXwR1ZLM
放送「さあ!!始まりました!!体育祭のメインイベントの一つとも言える騎馬戦!!」
解説「三学年男子全員による荒々しくも雄々しい戦いに目が離せませんね」
放送「そうですね(だから誰?)」
放送「選手の入場です!!」
解説「やはり皆さん、気合いが入っていますね」
放送「この騎馬戦は最後の一組になるまで戦い抜き、勝ったクラスに高得点が追加されますからね!!」
解説「一位のクラスは差を開き、二位以下のクラスは追い抜く事ができますからね」
放送「さあ、今馬が整ったようです!!」
放送「それでは、騎馬戦…始め!!」
219: 1:2012/6/21(木) 22:47:13 ID:0rZgl6m/L.
友「男!!どうする!?」
男「とにかくまずは一位のクラスを潰す!!サイドステップだ!!」
馬男子「無茶言うな!!」
男子「男!!貰った!!」
男「甘い!!」シュバ!!
男子「な!?いつのまにハチマキを!?」
男「ふ、隙を突いたつもりだろうが、甘かった…のわ!?」グン
友「ここだと移動できないから場所を変えるよ!!」
男「動く前に言え!!」
220: 1:2012/6/21(木) 22:47:49 ID:0rZgl6m/L.
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見てくださった方々
ありがとうございました!!
221: 1:2012/6/22(金) 09:06:41 ID:xfj0pqs9rU
男「どこもかしこも乱戦だな…」
男子「見つけたぞ男!!」
男子「いつも女さんとイチャイチャしやがって!!」
男子「恥を知れ!!」
男「うお!!三人相手かよ!!ていうかお前ら別クラスだろ?なんでハチマキ奪わねーんだよ」
男子「ふ、知れたこと」
男子「俺達が全校男子を代表して、お前に引導を渡してやる!!」
男子「覚悟ー!!」
男「ちっ!!流石に三人同時はきついか?」
友「男!!激しくいくよ!!」
男「わかった!!」
男子「そりゃー!!あれ?」
バタン!!
222: 1:2012/6/22(金) 09:11:34 ID:xfj0pqs9rU
幼「え!?触ってないのに馬が崩れた!?」
女「・・・」
男子「何やってんだ落ちこぼれ!!」
男子「うるせー!!やってみやがれ!!」
男子「俺達は頭を使っ…」
男「いや、ハチマキガードしろよ」シュバ!!
男子「い、いつのまにぃ!?」
男子「うおおお!!体育会系男子も負けねーぜ!!」
男「友!!」
友「わかってる!!」
男子「ふははは、もう逃げられ…おおう!!」
ドシーン!!
男子「あ、足をひっかけたな!?」
男「あほか、んなことしたら反則で失格じゃねーか」
幼「また触ってないのに馬が崩れた…何が起きてるの?」
女「フェイントランニング法」
幼「へ?」
223: 1:2012/6/22(金) 09:15:48 ID:xfj0pqs9rU
女「足を素早く動かし、走ったように見せかける歩法だ」
女「だが、実際はその場から動いておらず、馬は何もないところに突進し、バランスを崩して転倒する…友のやりそうな事だ」
幼「でも…馬は三人だよ?友君がやってもあまり効果はないんじゃ…」
女「なら注意を引き付ければいい」
女「わざと大きな声をだして、注意を引いたんだ。男もそれに乗っかってな」
幼「おおー!!なるほど!!」
女「このまま順調に行けばいいんだがな…ん?」
女「(あの馬…なんであんな所に…っ!?)」
女「男!!後ろだ!!」
224: 1:2012/6/22(金) 09:21:18 ID:5TbqIRrKNQ
男「なん…うわ!!」
男「アブね…女が言ってくれなきゃハチマキとられてたな…」
男子「・・・」ジリジリ
男「へっ!!一対一なら負けねーぜ!!」
ドカッ!!
男「がっ!!」グラリ
女「男!!」
友「男!!」
男子「悪く思うなよ…これも俺達が勝つ為だ…」
男「待て…よ、てめぇ…」ガクッ
友「直接攻撃!!しかも審判にわからないように…」
友「男を保健室に運ぶよ!!」
馬男子「わ、わかった!!」
女「・・・」
幼「男君…大丈夫かな…」
女「保健室いってくる」
幼「あ、私も!!」
225: 1:2012/6/22(金) 09:26:50 ID:xfj0pqs9rU
保健室
先生「騎馬戦だからしょうがないとは思うけど…」
男「・・・」
先生「右足の捻挫に、背中は打撲…首にも痣があるわね…いったい何があったの?」
友「馬が崩れたんですよ」
先生「それにしてはやや酷くない?」
馬男子「そう言われてもなあ…」
ガラガラガラガラ
女「失礼します」
先生「あら、お嫁さんご降臨」
女「男の様子は?」
先生「今は大丈夫よ、気絶しちゃってるけどね」
女「そうですか…」
先生「先生巡回してくるから、男君が目覚めたら適当に状態聞いてそこに書いといて、後で処置するから」
女「わかりました」
226: 1:2012/6/22(金) 17:24:02 ID:OdtXJJI3gA
馬男子「悪い、俺達も準備とかあるからいくわ」
友「ありがとう、運んでくれて」
ガラガラガラガラ
女「友…誰がやったか見ていたか?」
友「いきなりだったからね…ハチマキの色まで見れなかった…ごめん」
女「友が謝る必要はない。悪いのは向こうだ」
友「うん…」
男「そうだな、審判の目を盗んで直接攻撃してくる奴らだしな」
女「男!?」
友「起きてたのかい?」
男「さっきな…っ」
女「動くな、傷が開く」
227: 1:2012/6/22(金) 17:30:52 ID:OdtXJJI3gA
男「・・・いや、傷ねーよ?」
女「何を言うか、擦りむいたり切ったりしてるだろう」
男「ああ…」
友「本当に大丈夫かい?」
男「んー、微妙…あちこち痛い」
女「少なくとももう競技には出れないな…」
男「無理すんなって言われてるし…お前ら出す気無いだろ」
女「当然だ」
友「全員リレーは誰か代役を立てるとして…」
女「私が二回走ろう」
男「大丈夫か?」
女「問題ない」
228: 1:2012/6/22(金) 17:40:24 ID:lFqhfFxm2w
友「じゃあ僕らは戻るけど…動いちゃ駄目だよ?」
男「へいへい」
女「・・・」
友「女さん?」
女「少しだけ…ここにいさせてくれ」
友「わかった」
ガラガラガラガラ
男「・・・なあ」
女「なんだ?」
男「別にお前が気負う必要はないんだからな?」
女「わかっている」
男「強がんなよ」
女「強がってなど!!」
男「わかるんだよ、お前は無理してるときは顔を伏せて目を合わせないようにするから、一発でわかる」
229: 1:2012/6/23(土) 00:09:16 ID:g49bKJIrj.
女「お前には…隠せないか…」
男「俺が落馬したとき…どう思った?」
女「・・・胸が、裂ける思いだった」
男「そっか…悪い、心配かけて」
女「男は…悪くないさ」
男「だから…強がんなって…」
女「強がってなどいないさ」
女「ただ…人に涙を見られるのが嫌なだけだ」
男「女…」ギュ
先生「(うーん…これは中々入りづらい…)」
230: 1:2012/6/23(土) 00:13:53 ID:Wz8RFu3YWU
男「席…戻れよ」
女「ああ」
女「後でな、男」
ガラガラガラガラ
男「・・・」
先生「貴方は本当に幸せ者ねー、あんないい娘に想ってもらえるんだから」
男「見てたんですか…」
先生「そんな暇人じゃないわよ、ただ何があったか想像つくだけ」
先生「さあ、今の状態は?」
男「身体中痛い」
先生「そりゃごもっとも」
男「先生」
先生「んー?」
男「席に戻れますか?」
先生「・・・戻りたい?」
男「はい」
先生「ん、じゃあいってていいわよ、無理したらベッドに縛り付けるだけだし」
男「ありがとうございます」
ガラガラガラガラ
先生「やれやれ…甘くなったわね…」
231: 1:2012/6/23(土) 00:18:47 ID:g49bKJIrj.
女「いよいよだな…」
友「うん…」
幼「最終種目、三学年による全員リレーだね」
女「・・・」
友「気になる?」
女「まあな…男に暴力を働いた輩がいると思うと…」
友「・・・」
男「言っとくけど、復讐とかは俺は望んでないからな。やるなら正々堂々戦えよ?」
三人「男(君)!?」
男「応援しにきた」
友「体は?」
男「いてーよ、でも…応援しなくちゃなって」
女「・・・」
男「女、何も考える必要は無いんだよ」
男「ただ、走って、勝てばいい」
女「・・・ああ」
232: 1:2012/6/23(土) 00:24:14 ID:Wz8RFu3YWU
放送「大変長らくお待たせしました!!いよいよ最終種目、三学年による全員リレーのスタートです!!」
解説「今回のメインイベントであり、ある意味一番得点配点が高い種目ですね」
放送「この日の為に遅くまで残り、バトンの受け渡しを練習したクラスがいたとか!!」
解説「そのクラスには、是非練習の成果を発揮してほしいですね」
放送「いよいよ第一走者の準備が整ったようです!!」
審判「位置について」
審判「よーい!!」
パン!!
233: 1:2012/6/23(土) 00:29:20 ID:g49bKJIrj.
幼「始まった!!」
女「皆、気圧されるな!!私たちがベストだと思う走り方でいけ!!」
友「大丈夫!!僕達ならやれる!!」
男「皆…頼む」
放送「さあ!!第一走者が走りだしました!!」
解説「今の所、一位を独走していますが、走る順番によっては、変わっていきますね!!」
放送「そうですね…ああっと!!転倒だ!!」
解説「序盤から大波乱になりそうですね」
放送「さあ、そうこうしてる内に第二走者にバトンが渡されます!!」
解説「いやにバトンの渡し方が上手いクラスがありますが、もしかしなくてもあれが例のクラスなんでしょうね」
234: 1:2012/6/23(土) 00:34:24 ID:g49bKJIrj.
女子「幼!!」
幼「まかせて!!」
放送「さて、第四走者にバトンが移りまして、一位を走っているのは幼選手!!その後ろを男子選手が虎視眈々と狙っています!!」
解説「幼選手は障害物競争では最下位という残念な結果でしたが、走るだけの競技ならずば抜けて早いですね」
放送「というより、幼さんの所属するクラスは全体的に足の速い人が多いんですけどね」
解説「といってる合間に、既にバトンは手渡されていますね。ただいま第七走者です。」
放送「果たして逃げ切れるか?それとも一位を抜くのか?これからの展開に目が離せませんね!!」
235: 1:2012/6/23(土) 00:39:47 ID:g49bKJIrj.
男子「友!!」
友「了解した!!」
放送「ここで次の走者にバトンが手渡されます!!一位は依然として友選手!!」
解説「友選手は剣道部の技のエースですからね。足にも自信があるかと思います」
放送「作者はその設定を忘れてましたけどね」
解説「細かい事は言わない方が身のためですよ」
放送「さて、全く先の読めないこのリレー、果たしてどのクラスが勝利の栄光を手にするのか!!」
解説「しかし…最下位のクラスが気にかかりますね…」
放送「というと?」
解説「わざと手を抜いているような…そんな印象を受けます」
放送「私には一生懸命に見えますよ?」
解説「一位争いに目が行きがちですが、ひょっとしたら最下位のごぼう抜きが始まるかもしれませんね」
236: 1:2012/6/23(土) 00:40:21 ID:g49bKJIrj.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
237: 1:2012/6/23(土) 17:10:50 ID:P2kcD4Hnh6
友「女さん!!」
女「任せろ!!」
放送「ここで!!我らが生徒会長の女さんにバトンが渡されました!!」
解説「女さんのクラスは騎馬戦で頑張りましたから、ここでも頑張って欲しいですね」
放送「女さんはこのレースと、次のレースを連続で走るようです」
解説「先程の騎馬戦で、男さんが負傷したからですね」
放送「負傷…かどうかはさておき、速い速い!!まるで一陣の風ですね!!」
解説「どんな誉め言葉も、彼女の前ではただの言葉になってしまいますね」
放送「おおっと!?ここで最下位クラスが猛烈な追い上げをしています!!」
女「っ!?」
解説「これは驚きましたね、女さんと並走…いや、たったいま抜きました」
放送「他のクラスは大きく差をつけられてしまいましたね」
238: 1:2012/6/23(土) 17:16:41 ID:3e8dAw1C92
女「私は…負けられない!!男の為にも!!」ダッ
放送「ここで女さんが加速しました!!」
解説「事実上、最後の追い上げですね。なんとしても頑張ってもらいたいですね」
放送「さあ!!ここで最後の走者にバトンが…っと、なんだあれはー!!」
女「何!?」
放送「女さんがバトンを手渡すはずの最終走者がいません!!これはいったい何があったんでしょうか!?」
解説「いずれにせよ、このままでは女さんが三周走らなくてはなりません。しかし、女さんには…」
放送「体力が…無いんじゃ…」
239: 1:2012/6/23(土) 17:27:23 ID:TaTSbUjyn.
女「(何故だ!?何故最終走者がいない!?)」
幼「女ちゃん!!」
友「女さん!!もういいから!!止まるんだ!!」
女「わ、私は…」
女「(何をしているんだ!!私は!!男を卑劣な手で危害を加えた輩に正々堂々一矢報いる為にも走っているのに!!腕が、足が、言うことを聞かない!!)」
男子「女さん!!もういいよ!!大丈夫だよ!!」
女子「無理しないで!!」
女「(皆が、走るのを止めろと言っている…私は頑張った…よな?)」
男「女!!」
女「!!」
男「いけ!!」
女「(私は…皆の為に走っている…それと同時に男の為にも!!)」
女「(私は!!男が好きだ!!愛している!!だから、諦めない!!)」
女「はああああ!!」
放送「お、女さんのスピードが更に上がりました!!」
一位男子「何!?」
解説「徐々に距離を詰めていきます!!残り50mでゴールです!!」
240: 1:2012/6/23(土) 17:31:59 ID:TaTSbUjyn.
幼「女ちゃん!!」
友「女さん!!」
男子「うおー!!走れー!!」
女子「女ー!!負けないで!!」
女「(苦しい…もう、走りたくない…けど!!)」
男「いけー!!」
女「(お前がいるから…お前がいてくれるから…)」
女「私は!!まだ走れる!!」
放送「ご、ゴール!!」
解説「素晴らしい完走でしたね。最後に一位を抜き去り華麗なゴールを決めました」
放送「一位男子は唖然としていますね」
解説「さしずめ、絆の勝利と言ったところでしょうか」
女「勝った…のか…」グラリ
幼「女ちゃん!!」
ガシッ
男「大丈夫か?」
女「男…」
男「頑張ったな…」
女「・・・ああ」
女「疲れた…少し…休む」
241: 1:2012/6/23(土) 17:37:33 ID:clWUJ94e0k
女「・・・ん」
女「ここは…教室…か?」
幼「あ、気がついた!?」
女「幼…」
友「よかった…倒れてから死んだように眠るからどうなるかと思ったけど…大丈夫そうだね」
女「体育祭は?」
幼「私達のクラス、優勝だよ!!」
女「本当…か?」
友「うん。男も喜んでた」
女「男も…っ!!男は!?どこに!?」
幼「保健室だよ。女ちゃを受け止める為に走ったせいで悪化しちゃったからね」
女「み、見舞いにいかなくては…」
友「それなら、落ち着き次第、男を送ってあげてね?結構重傷だし」
女「無論だ」
242: 1:2012/6/23(土) 17:45:20 ID:TaTSbUjyn.
保健室
女「失礼する…」
先生「本当、馬鹿ねぇ…絶対安静って言わなかった?」
男「しょうがねえだろ」
先生「しょうがなくありません。何かあったら先生に言われちゃうのよ?」
男「はーい」
先生「絶対に反省してないわね…ん?」
先生「あら、女さん」
男「!!」
女「あ、はい…」
先生「何そんな畏まっちゃってるのよ、早く入んなさい」
女「し、失礼します…」
先生「じゃ、先生は怪我人リストを職員室に提出しちゃうから、荷物まとめて出ていってね」
男「言い方が酷くないか?」
先生「なんかいった?」
男「いいえ、何にも」
先生「じゃあね〜」
ガラガラガラガラ
243: 1:2012/6/23(土) 17:51:02 ID:TaTSbUjyn.
女「・・・」
男「大丈夫か?」
女「それはこちらのセリフだ」
男「俺か?俺は駄目そうだけどな」
女「そうか…」
男「本当にどうした?何か変だぞ?」
女「っ、男!!」ガバッ
男「おわ!?いきなり抱きつく…」
女「好きだ…」
男「・・・」
女「好きだ、お前が好きなんだ」
男「女…」
男「悪い…それには…上手く返事できねーんだ」
男「よくわかんねーんだよ。お前をどう思ってるのか…」
男「さっき走ったのだって…気がついたらだしな…」
女「・・・」
男「だからさ…その、もう少し待ってくれ…」
男「この気持ちを説明できるくらいには、きっと返事もできるはずだから…」
女「安心しろ…」
女「待つのは得意だ」
男「ありがとよ…」
244: 1:2012/6/23(土) 17:55:21 ID:wQ07uzyZs2
女「動けるか?」
男「なんとかな」
女「家まで送ろう」
男「そいつはありがたいな。一人じゃ倒れそうだし」
女「ふむ…あえて一人にしてその様を興奮しながら見てるのも悪くないな…」
男「おい変態」
女「冗談だ。せいぜい馬乗りになって上着を脱がすだけだ」
男「ますます変態」
女「ふふ、さあ、いこうか」
男「ああ」
245: 1:2012/6/23(土) 22:57:44 ID:YhSVxlQFnk
家
男「ここまでありがとな」
女「ああ」
女「・・・」
男「どうした?」
女「その…君さえ迷惑でなければ…明日見舞いにいってもいい…」
バン!!
母「男君!!お帰り!!帰ってきてたのね!!」
男「あ…ただいま」
母「騎馬戦で怪我したって聞いた時はお母さん心臓が止まる思いで…」
男「大袈裟だろ」
母「女ちゃんが送ってくれたのね?本当にありがとう!!」
女「いえ…私はただ男が辛いだろうと…」
母「迷惑かけてごめんね?見舞いに来てくれたら男君喜ぶから!!」
女「は、はい…」
男「無理矢理すぎんだろ」
母「あ!!お鍋に火をかけてたの忘れてた!!」
母「男君!!あまりおしゃべりせずに、早く女ちゃんを帰してあげてね!!疲れてるんだから!!」
男「わかってるよ」
246: 1:2012/6/23(土) 23:00:44 ID:lFqhfFxm2w
男「やれやれ…相変わらず騒がしい」
女「・・・」
男「そういや、さっき何かいいかけてなかったか?」
女「え?あ、ああ」
女「迷惑じゃなければ、見舞いに来てもいいだろうかというのを聞きたかったんだが…」
男「母さんが嬉しいみたいだし、来てくれ」
女「・・・お前は?」
男「俺か?まあ、安心はするな」
女「そうか…」
女「今日は疲労が溜まってるから帰らせてもらう。ではな」
男「おう」
男「・・・いてて、身体中ギシギシいいやがる」
247: 1:2012/6/23(土) 23:07:20 ID:YhSVxlQFnk
母「・・・」ニヤニヤ
男「何ニヤニヤしてんだよ、気持ち悪い」
母「気持ち悪いって言われた!!」
男「事実だ」
母「いや?随分女ちゃんと仲が良さそうだなーって」
男「仲が良いのは元々だろ?」
母「・・・」
男「大体母さんが思ってるような事はなんもねーよ」
母「ええー、つまんないのー」
男「母さんのつまんなくない事っていったいなんだよ」
母「もっちろん!!女ちゃんがお嫁さんにきて可愛い孫が生まれる事!!」
男「・・・なあ、なんでそんなに俺と女をくっつけさせたいんだ?」
母「え?男君、女ちゃんが好きなんじゃないの?」
男「違…くはないか」
母「ほらねー?お母さんの目は誤魔化せません」
男「そんなもんか?」
母「そういう物ですー」
248: 1:2012/6/23(土) 23:12:37 ID:lFqhfFxm2w
母「でもね…お母さんは男君が連れてきた女の子なら誰でもいいのよ」
母「男君がその子と一緒にいて、幸せだって思うなら…その子にしなさい」
男「母さん…」
母「まあお母さんも父君がいなかったらずっと独身だったしね!!」
男「そうなの!?」
母「そうよ〜、あれは雨の降る日だったわ…」
男「(あ、これは回想が始まりそうなあれだ)」
男「ネタとしてはいいんだが…今言われるとな…よし!!」
男「母さん、鍋」
母「え?きゃあああ!?吹いてる!!吹いてる!!」
男「ちょ!!落ち着けって!!」
249: 1:2012/6/23(土) 23:16:53 ID:YhSVxlQFnk
母「・・・」
男「・・・焦げたな」
母「ち、違うもん!!私は悪くないもん!!悪くないんだもん!!」
男「小学生か!?いいから、処理するぞ」
母「駄目ー!!父君は今日のご飯楽しみにしてたんだからー!!」
男「あんたは父さんに丸焦げの物を食わせるつもりか!?」
母「じゃ、じゃあ…どうすれば…」
男「いや…作り直せばよくね?」
母「でも、一回目に比べておいしくなかったら…」
男「大丈夫だって、父さんなら食べてくれるよ」
母「・・・うん」
250: 1:2012/6/23(土) 23:17:39 ID:lFqhfFxm2w
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ありがとうございました!!
251: 1:2012/6/24(日) 16:31:57 ID:RwlwXEKSDo
男「はー、つっかれたー」
男「うわ…一回ねっころがったら二度と起き上がりたくねえ…」
男「・・・今夜はよく眠れそうだな」
男「寝るか…」
ガチャ
母「男君、起きてる?」
男「今まさに眠ろうとしていたところだ」
母「明日、お母さんは父君と一緒にデートしてくるから、お留守番よろしくね?」
男「はいはい」
母「じゃあ、お休みー」
男「中年にもなってデートかよ…」
252: 1:2012/6/24(日) 16:37:33 ID:VgckIble7c
翌日
男「(朝か…そろそろ起きなきゃな…)」
男「(ん?柔らかい?なんで?ていうか温い…)」
女「やれやれ、とんだ甘えん坊さんだ」ナデナデ
男「・・・なんでいる?」
女「朝方、お母様とお父様にあってな、ついでだからと起こしてほしいと頼まれたのだ」
男「じゃあなんでベッドの中に入っているんだ?」
女「もちろん、入りたかったからだ」
男「・・・」
女「寝顔、可愛かったぞ?」
男「とりあえず出てけ」
女「断る」ギュー
男「・・・なんだかなぁ」
253: 1:2012/6/24(日) 16:42:09 ID:VgckIble7c
女「お前にしては珍しく抵抗しないな、まだ傷が痛むのか?」
男「そうじゃないんだと思う」
男「迷惑じゃなくて…もう少しこうしてもらいたいのかな…」
女「!!」
男「まあ、弱気になっているだけかも…」
女「ん…」スッ
男「・・・なにしてんだ?いや、何した?」
女「すまない、嬉しさを抑えられなかった」
男「はあ…見境なくやるなよ?」
女「当然だ。お前以外の奴にはやらないさ」
女「朝御飯ができている。早く降りてこいよ」
バタン
男「・・・柔らかかったな」
254: 1:2012/6/24(日) 16:47:16 ID:VgckIble7c
男「おー、これお前が全部作ったのか?」
女「いや、お母様が用意してくださった」
男「ふーん」
女「今日は遅くまで外出なさるらしい」
男「聞いてる。デートだってよ」
女「非常に仲睦まじい夫婦だ。羨ましいよ」
男「俺達もするか?」
女「は?」
男「デート」
女「っ!?」ガチャン!!
男「あ、落とした」
255: 1:2012/6/24(日) 16:56:32 ID:RwlwXEKSDo
女「き、君はっ!!熱でもあるんじゃないのか!?」
男「失敬な!!」
女「だ、だって…あまりにも…その…」
女「積極的…じゃないか…」
男「照れてる?」
女「そうかも…しれん///」
男「(可愛い…)気分転換にどうだ?」
女「そこまで…言うなら」
男「(普段と立場が逆だな)」
256: 1:2012/6/24(日) 17:00:49 ID:RwlwXEKSDo
女「しかし…本当に傷は大丈夫なのか?」
男「大丈夫…だろ」
女「先程は興奮していたが、冷静に考えたら君の体を考えて家で療養が一番だと思うんだが…」
男「なんだよ、室内デートかよ」
女「だから!!何故そこに持っていく!!」
男「すまん、お前が可愛いからつい」
女「・・・え?」
男「あ…」
女「本当にか…?」
男「あ、うん…」
女「・・・」
男「(選択肢ミスったか?こりゃ)」
257: 1:2012/6/24(日) 23:04:28 ID:UCmE.7Fcjo
女「やはり、君はどこかおかしいのではないか?」
女「普段ならあり得ない発言や、やらない行動をとりすぎだ」
女「私をからかっているのか!?」
男「わかんねー、けど、お前と一緒にいたいのかも」
女「・・・」
男「駄目か…?俺と一緒は嫌か…」
女「っ!!そんなはずない!!」
女「本当は!!すごく嬉しいんだ、でも、君らしくない発言に疑いを持つ自分がいて…それが堪らなく嫌で…」
男「確かに…俺はお前に対してこんな事を言わないもんな…」
男「けどな、やっぱり…色々考えてみたんだ」
男「ただの友達でもなければ、恋人でもない微妙な関係、この先もずっとこのままなのか…って」
男「そう考えたらさ、なんかスッゴク嫌なんだ…中途半端なのが」
男「だから…真剣に考えてみたんだ…俺の気持ちを」
男「俺は…お前の事を…」
258: 1:2012/6/24(日) 23:07:51 ID:UCmE.7Fcjo
女「い、言うな!!言わないでくれ!!」
男「女?」
女「わからない…わからないんだ。ただ、お前のその言葉の続きを聞いたら抑えられない気がする」
男「そりゃあ…そうだな」
男「(朝っぱらからベッドインは勘弁だしな…)」
女「・・・」
男「わかった…ごめん」
女「き、君が謝る事ではない…」
男「気を取り直してさ、どっか出掛けようぜ。気分転換にさ」
女「うむ…それならいいだろう」
259: 名無しさん@読者の声:2012/6/24(日) 23:08:15 ID:iJQh/zmbuA
はよ
はよ
260: 1:2012/6/24(日) 23:11:42 ID:UCmE.7Fcjo
商店街
男「ふーん、ここの商店街まだ消えてなかったのか」
女「ご無沙汰だったのか?」
男「まあな…子供の頃に幼とよく二人で金持って来たもんだ」
女「ふむ…子供の頃の思い出…か」
男「そいや、あいつここのラムネアイスが好きだったっけ。休みになると飽きもせずに食べてたな…」
女「幼がそこまで執心するとは…余程美味なのだろうな」
男「食べてみるか?店が残ってるならあるだろ」
女「ぜひ頂こう」
261: 1:2012/6/24(日) 23:17:04 ID:UCmE.7Fcjo
男「えーと、確かこの辺に…お、あったあった」
女「な、中々風格がある店だな…」
男「ボロいだけだ」
店主「ほう、家の店をボロいと言うなんて…男も随分とえらくなったもんだなぁ?」
男「げ、店主さん…」
店主「よう、しばらくぶりだな。最後に来たのはいつだ?」
男「高校入ってからあまり来なくなったしな…」
店主「はっはっは、すっかり学生の本分に勤しんじゃってまあ…で、こちらのお嬢さんは?男の彼女?」
男「・・・ああ」
女「・・・」
店主「なんだよ、その間は」
男「それはいいから、早く商売しろよ」
262: 1:2012/6/24(日) 23:21:33 ID:ZJmrEce0Hw
店主「お、何をお求めだい?」
男「わざわざここにきて、ここの名物以外を頼む奴の顔が見てみたいね」
店主「ラムネアイス一筋10年!!この商店街の顔といっても過言ではない家のラムネアイスを買いに来たか、いい心掛けだ」
男「もうなんも言わねーよ」
店主「今日は懐かしい顔が沢山くるなぁ…」
男「懐かしい顔?」
店主「ここで食ってくだろ?さあ、中に入った入った!!クーラー効いてて涼しいぜ!!」
女「なら、お言葉に甘えるとしよう」
店主「お嬢さん、話わかるねー、よし!!ラムネアイス奢っちゃう!!」
男「俺のは?」
店主「てめーで払え」
男「うわ、酷」
女「それでは、邪魔をする」
店主「おう!!我が家のように寛いでてくれ!!」
263: 1:2012/6/24(日) 23:26:19 ID:UCmE.7Fcjo
店内
友「男!?」
幼「はふぇ?ほほほふん?」
女「友!?幼!?」
男「ていうか幼はいったい何本買ってんだよ」
幼「はっふぇ、ほひひーんはほん♪」
友「幼さん、口に物が入ったまま喋らない」
女「懐かしい顔とはお前たちの事だったのか」
店主「ああ、幼ちゃんは三日おきに来てくれてるからね、もうこの店の常連さ」
幼「店主さんいっぱいラムネアイスくれるから大好きー!!」
店主「幼ちゃんみたいな可愛い子に惚れられるなんて、俺もまだまだ捨てたもんじゃないな…」
男「妄想は大概にしとけよ、中年」
264: 1:2012/6/24(日) 23:31:22 ID:ZJmrEce0Hw
男「しかし、友もこの店を知ってとはな」
友「僕は幼さんに連れられて来たんだよ」
友「たまたま帰りが一緒だったときに、このお店を紹介されたんだ」
店主「友君は半ば引きずられてたけどな」
友「店主さん!!」
店主「ま、今やラムネアイスの味に魅せられて、たまに幼ちゃんと食べに来てるぜ。いっつも教科書とか広げてるのはあえて聞かないけど」
幼「う…」
男「ああ、ここ夏休みになると学生の溜まり場になるしな」
女「うむ、店内は広く涼しく、親しみ溢れる店主に安価で購入できる氷菓子…勉学に励めそうな場所だ」
店主「お、女ちゃんわかるねー!!よし、もう一本おまけしちゃお」
女「あ、ありがとう…」
男「商売として成り立ってんのか?これ」
265: 1:2012/6/24(日) 23:33:09 ID:ZJmrEce0Hw
>>259
sir!!yes!!sir!!
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266: 名無しさん@読者の声:2012/6/25(月) 10:16:47 ID:1JX4PIHG3g
色々ムズかゆくなる
ムズムズしながら支援
267: 1:2012/6/25(月) 22:12:57 ID:R4aTeypL7c
>>266
つムヒ
支援感謝です♪
268: 1:2012/6/25(月) 22:33:07 ID:R4aTeypL7c
友「それで?君達はここに何しに?」
女「う、うむ…」
男「別に?暇だしやることないからここに来ただけだ」
友「そっか…」
幼「ところで、男君は怪我は大丈夫なの?」
男「所々痛むが、大した事はない」
女「本人が無理をしないようにと、私が見張りみたいなものだ」
幼「女ちゃんなら安心だね!!」
友「(寧ろ危ない気が…)」
269: 1:2012/6/25(月) 22:48:38 ID:G4eqxH.xT.
店主「へえ?男君ケガしたのかい?」
男「ああ、でも大丈夫だよ」
友「ところで、体育祭が終わって一段落したけど…わかってるよね?」
男「・・・言うな」
幼「何が?」
友「期末試験、もうすぐそこだよ?」
幼「・・・」ベチャ
店主「幼ちゃんがラムネアイス落とした!?」
女「そういえば期末試験だったな、ここのところバタバタしてたりしてすっかり忘れていた」
男「いや、お前は忘れちゃ駄目だろ」
幼「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
友「ちょ!?幼さん落ち着いて!!」
幼「勉強嫌い勉強怖い勉強嫌い勉強怖い勉強嫌い勉強怖い勉強嫌い勉強怖い」
男「わかんないところは教えてやるからさ」
女「私たちの仲だ。気にすることはない」
幼「みんな〜…」
270: 1:2012/6/25(月) 22:51:59 ID:0vwHAujT4Q
男「と、いいながら俺もあんまり自信は無いんだよな…」
友「大丈夫でしょ」
男「大丈夫じゃないから愚痴るんだけどな…」
友「いるじゃない、すぐ近くに頼れる人が」
男「・・・」チラッ
女「?」
男「ま、最終手段だ」
友「(最終手段と言おうか…最凶手段と言おうか…)」
幼「女ちゃん!!勉強教えてね?」
女「任せろ」
男「女、俺も頼む」
女「わかった、二人まとめて相手してやる」
271: 1:2012/6/25(月) 22:54:47 ID:G4eqxH.xT.
男「と、もうこんな時間か」
店主「用事があるのか?」
男「いや、適当に商店街をブラブラするだけだしな…いくぞー女」
女「わかった」
男「あ、これ代金な」
女「ご馳走になった」
店主「毎度、また来てくれよ」
幼「ねぇ、あれってデートだよね?」
友「見ようによってはそうなんじゃない?」
店主「(君達も充分デートに見えるよ…)」
272: 1:2012/6/25(月) 22:59:45 ID:G4eqxH.xT.
女「どうする?」
男「とりあえず何軒か回って、家に帰るか」
女「・・・正直めんどくさいだけなのではないか?」
男「誰に言ってるかはあえて聞かないけどな」
女「しかし…賑わっているな」
男「まあ、この商店街はでかい方だしな…お、あそこ入ってみよーぜ」
女「小物屋か…構わないが随分可愛らしいな」
男「まあ、あれくらいが丁度いいんだろ」
女「?」
273: 1:2012/6/25(月) 23:02:43 ID:G4eqxH.xT.
女「鯆…か」
男「こっちには鯨もあるな」
女「随分と可愛らしいモチーフをしているな、嫌いなわけではないからな?」
男「うーん、熊に兎に犬に猫に…数えたらキリがないな…」
男「女、お前の好きな動物」
女「いきなりだな…」
女「この中では鯆だな」
男「わかった、すいませんこれください」
女「ちょ!?」
店員「ありがとーございまーす」
274: 1:2012/6/25(月) 23:06:06 ID:0vwHAujT4Q
女「いいのか?もらっても」
男「もらってほしいから買ったんだろ?」
女「君は…直球だな」
男「日頃世話になってるしな」
女「そうなのか?てっきり迷惑をかけているかと…」
男「迷惑をかけている自覚はあったんだな」
女「流石の私でもそれくらいは分かる」
女「お前の反応が可愛すぎるからついやってしまうんだ」
男「ちなみになんの反応もしなかったら?」
女「私の気の済むまでひっつく」
男「結局同じじゃねーか!!」
275: 1:2012/6/25(月) 23:09:50 ID:G4eqxH.xT.
男「・・・あー、女」
女「なんだ?」
男「昨日と…今朝の事なんだが…」
女「・・・ああ」
男「俺はお前の事を少なからず異性として見てきてるし、一緒にいて楽しいと思ってる」
男「でも…恋人って言われると首を傾げるんだ」
女「・・・」
男「だからさ、俺はお前の事を知りたいんだ」
男「俺が知らないお前を知りたい…恋人じゃないけど…」
女「それはつまり、友達以上恋人未満というやつか?」
男「そんな感じ…かな」
女「・・・君らしいよ」
276: 1:2012/6/25(月) 23:12:55 ID:G4eqxH.xT.
女「ふむ、他ならぬ君の提案だ。前向きに検討しよう…といっても、もう答えは出ているがね」
女「私もお前の事が知りたい。いつも通りのお前も勿論、違ったお前もだ」
女「恋人という視点からは見られないお前を見たい」
男「・・・交渉成立だな」
女「今のが交渉なのか疑問に思うがな…ふふ」
男「帰るか」
女「・・・ああ」
277: 1:2012/6/25(月) 23:16:49 ID:G4eqxH.xT.
家
女「それでは私はここで別れるとしよう」
男「あがらないのか?」
女「先程一歩引いた関係を築きたいと言ったのは君だろう?こんな状態だと君を押し倒す事必至だが?」
男「そりゃ、止めた方がよさそうだ」
女「それに、今日は朝から疲れてるし、いい体験もさせてもらった」
男「どういたしまして」
女「ではな…男」
男「おう」
女「愛してるからな」
男「へいへい」
278: 1:2012/6/25(月) 23:17:26 ID:G4eqxH.xT.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
279: 名無しさん@読者の声:2012/6/25(月) 23:24:32 ID:IjkQq.6kjQ
支援 っCCC
280: 名無しさん@読者の声:2012/6/25(月) 23:26:15 ID:KzWj5TTtlk
っCHCCC
281: 1:2012/6/26(火) 16:25:16 ID:1k0jp6IeZk
>>279
>>280
支援ありがとうございます!!
幼「ま、Hだって!!私の事言われてるんだぁ!!」
友「落ち着いて!!幼さん!!」
男「そうだな、寧ろHなのは作者の方だな」
女「存在否定か」
282: 1:2012/6/26(火) 16:29:27 ID:1k0jp6IeZk
母「ただいま〜♪」
男「お帰り…あれ、父さんは?」
母「・・・」
男「?」
母「ち…父君なんか…知らないもん」
男「・・・何があった?」
母「ち、父君が…父君が!!」
母「浮気したんだもん!!」
男「・・・は?」
283: 1:2012/6/26(火) 18:53:04 ID:3e8dAw1C92
男「あー、つまり…」
母「ひくっ、ぐすっ」
男「会社の同僚さんか上司さんか友人ぐるみの付き合いの人に捕まったんだね?」
女「うわーん!!どうせ私なんかよりよっぽど楽しいんだー!!」
男「そういうわけじゃないと思うんだが…」
プルルルルルル
男「ん?母さん、電話鳴って…」
母「父君!!」シュバ!!
男「忍者もびっくりの反応速度だな」
母「うん、うん…わかった…後でね」
284: 1:2012/6/26(火) 19:01:39 ID:3e8dAw1C92
母「父君、今、女ちゃんのお家にいるんだって」
男「なんでさ!?」
母「うーん、向こうのご両親が上物のワインをてにいれたとかで、良かったら一緒にって誘ったみたい」
男「(母さん…誘われてるの気づいてないのか?)」
母「でも、なんで父君だけ誘ったんだろ?」
男「(気づいてない!!)」
男「あー、母さん…そのな?母さんも誘われてるよ?」
母「え?」
男「いや、父さんは多分これを見越して先に行ったんじゃないかな?」
母「つまり?」
男「母さんが、ワインパーティーの招待を受けたのを忘れてたってこと」
母「・・・そういえば、父君がしきりに時間気にしてたっけ」
285: 1:2012/6/26(火) 19:03:28 ID:P2kcD4Hnh6
男「とにかくいってくれば?」
母「そうだね、いこっか」
男「・・・いや、勝手にいけよ」
母「男君も一緒だからね」
男「なんでさ!?」
母「女ちゃんいるんだよ?」
男「か、関係ないだろ…」
母「ふーん?」
男「いけばいいんだろ、いけば」
母「わかればよろしい」
286: 1:2012/6/26(火) 19:18:26 ID:3e8dAw1C92
女の家
母「本日はお招きありがとうございます」
女母「いえいえ、足を運ばせて申し訳ありません」
父「やっぱり…忘れてたんだね?」
母「だ、だって…」
女父「いいじゃないですか!!人間だもの!!」
父「はあ…」
男「みつおか?」
女父「お?男君も来たんだね!?」
男「女父さん、久しぶりなのにわるいんですけど…酔ってます?」
女父「いや〜、ワインが旨いんだな!!これが」
女母「お父さん、お客様の前ですよ?」
女父「こいつは失敬!!」
287: 1:2012/6/26(火) 19:46:53 ID:fsrNRSRw6k
女「父、客が来てるから興奮するのは分かるが…少しうるさいぞ。勉強に集中出来ない」
女父「何ー?お前、勉強だー!?」
女「試験が近いんだから当然だろう?」
女母「女、お母さんがなんとかしておくから、お部屋に戻ってなさい」
女「すまない」
女母「あ、ついでに男君も避難させといてね」
男「!?」
女「わかった」
男「無反応!?」
女「こっちだ、ついてきてくれ」
男「あ、ああ…」
288: 1:2012/6/26(火) 19:52:02 ID:9UpRvybFk6
女父「けっ!!勉強なんて可愛くねー事言いやがって…」
父「そうですか?女さんらしくていいと思いますよ?」
女父「俺はあんな風に育てたおぼろろろ」
父「ちょ!?大丈夫ですか!?」
女父「へへっ…ドジっちまった…」
父「しっかりしてください!!女父さん!!」
女父「俺はもう駄目だ…女は父さん…あんたに託します…」
父「しっかりしてください!!女さんなら男君がしっかりと面倒みます!!」
女父「それが聞ければ…十分…だ…」
父「女父さーん!!」
母「まっらくぅ、あんろ酔っぱらいどもらぁ〜」
女母「母さん、貴女もですよ」
289: 1:2012/6/26(火) 19:55:53 ID:9UpRvybFk6
父「ふう、女父さんは酔うとこんな感じなのですか?」
女母「まあ、だいたいこんな感じですわね」
母「こらぁ、父君は私とラブラブなんだぞぉ」
女母「ふふ、愛されてますね」
父「ええ…///」
母「父くぅ〜ん」スリスリ
父「全く、甘えん坊だね」
母「・・・うぷ」
父「・・・」
母「おべろろろろ」
父「・・・」
女母「あらあら、酔っぱらい二人がdownね」
父「申し訳ありません」
女母「大丈夫ですよ。酔っぱらいの取り扱いには慣れてますから」
290: 1:2012/6/26(火) 21:25:19 ID:JU.Wfch0O2
男「(これが女の部屋か…なんか思ったより普通だな…)」
男「(もっとこう…本いっぱいとか、想像してたんだけどな…)」
女「ところで、一つ聞いていいだろうか?」
男「ん?なんだ?」
女「何故君がここにいる?」
男「・・・かくかくしかじか」
女「ふむ…ワインパーティーか…そういえば父がてにいれていたとか言っていたな」
男「なるほど、原因はそれか」
女「しかし…見たところかなり上物のワインだったはず…大丈夫か?」
男「どうなんかな…女父さんは酒に弱くて酒好きだし」
女「恥態を晒してなければいいが…」
291: 1:2012/6/26(火) 21:30:48 ID:K3r6PlanLA
男「下はどうなってるんだろうな」
女「見に行くか?」
男「いや…大体予想はつく」
男「母さんと女父さんが酔いつぶれているに一票」
女「ふむ…」
女「お母様と父が酔いつぶれ、その二人に優しく布団をかけるお父様とその後ろでツマミを用意している母に一票」
男「えらく具体的だな…そしてあり得そうだから笑えないし」
女「まあ、そんなことはどうでもいい」
男「いいのかよ!?」
女「今は…二人で楽しもうか?」
男「結局それか」
292: 1:2012/6/26(火) 22:29:53 ID:5TbqIRrKNQ
女「といっても楽しむ事が出来ないのだがな」
男「え、そうなの?」
女「うむ、本来ならこんなまたとないチャンス…しかし、今は試験が間近に迫っている為勉強をしたい…ジレンマだな」
男「そうか…」
女「今、安心したな?」
男「そ、そんなことは無いぞ!?」
女「まあいい、適当に部屋でも見ててくれ。私は勉強に戻る」
男「お、おう…」
男「(普通部屋を自由に見せるなんでしないよな?)」
男「(女だからなのか…それとも信頼されているからなのか…)」
女「・・・」
293: 1:2012/6/26(火) 22:38:44 ID:xfj0pqs9rU
父「やれやれ、二人とも寝てしまいましたね…」
母「んにゅー、父君は…私とラブラブー…えへへ〜」
女父「んがぁー、俺はぁ、勉強なんてーくそくらえだー…うがー」
女母「もう…酔いやすいのにお酒ばっかり飲むんだから」
父「でも、これ結構アルコール強いですね」
女母「確かに…平気な顔をなされてますね…羨ましいですわ」
父「ほろ酔いしてますよ。女母さんこそ、酒豪ですか?」
女母「夫が弱すぎるだけですわよ」
父「・・・憧れだったんですよね、こんな風に酒を飲みながらの談笑は」
女母「・・・」
父「妻は、酒は飲めるんですけど、酔いやすいからいつも先に潰れるんです」
女母「家もそうですよ」
父「ですから、たまに思う時があるんです。もしも女母さんが僕の妻だったら、こんなのが毎日できるんじゃないかって」
女母「・・・」
294: 1:2012/6/26(火) 22:42:50 ID:xfj0pqs9rU
父「でも、そこまで考えたとき、頭によぎるんですよね」チラッ
母「えへへ〜父くぅ〜ん♪」
父「この可愛くて幼く頼りないこの人を誰が守るんだって」
女母「私も、時々父さんが夫だったらと思う時がありますよ」
女母「でも、そうしたら誰がこの人の面倒を見るんでしょうねって」
女父「勉強するくらいなら〜野球しろ〜」
女母「ふふ、やっぱり私しかこの人の側にいれないんですよ」
父「僕以外に、あの存在を独占させたくありませんしね」
父&女母「やっぱり妻(夫)が一番です」
295: 1:2012/6/26(火) 22:45:38 ID:xfj0pqs9rU
女母「私達は似た者同士なんですね」
父「ええ、だからこそ悩みを共有できます」
女母「だからこそ、一緒にいてもなんの特もありませんしね」
父「僕達は多少世話を焼く方が、あってますからね」
父「貴女が、僕の友人でよかった」
女母「ええ、本当に」
女母「ナッツとチーズがありますけど、いかがなさいます?」
父「それはいいですね。ありがたく頂きます」
女母「はい」
296: 1:2012/6/26(火) 22:46:48 ID:xfj0pqs9rU
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297: 名無しさん@読者の声:2012/6/27(水) 01:05:01 ID:qoCgGTwtME
ナッツとチーズは私が貰ったっ!
代わりに っCCCCC
298: 1:2012/6/27(水) 23:03:32 ID:kXPawxb5SU
>>297
父「おつまみとられちゃいましたね」
母「駄目ー!!チーズは父君にあーんってしてもらうから取っちゃ駄目ー!!」
女父「バッキャロー!!ナッツは俺のだ!!」
女母「そういいながらポテチの袋を抱えないでください」
支援感謝です♪
299: 1:2012/6/27(水) 23:07:46 ID:kXPawxb5SU
男「なあ…下の様子見に行かねーの?」
女「気になるのか?」
男「少しな」
女「ふむ、問題ないだろう」
男「そういうもんか…?」
女「時に男、お前は勉強はしているのか?」
男「え、ああ…やってないな…」
女「それは試験が余裕と思っていると判断していいのか?」
男「そういうわけじゃないが…」
女「なら、すぐに始める事だな。知識は持っていて損はない」
男「方程式とか日常生活で役立つかよ…」
女「勉強が嫌いな奴の典型的な屁理屈だな」
男「うぐ…返せん…」
300: 1:2012/6/27(水) 23:12:33 ID:kXPawxb5SU
男「あ、じゃあさ…」
女「ん?」
男「教えてくれよ、勉強」
女「私が?お前に?」
男「ああ」
女「構わんが…お前は私が教える程の成績ではないだろう?」
男「いくら俺でも苦手なもんくらいあるわ」
女「ふむ…それなら復習にもなるし、お前の苦手をひょっとしたら無くせるかもしれんな」
女「いいだろう」
男「よし…じゃ、適当に教科書見せてもらうぞー」
女「あ!!その教科書は!!」
パサッ
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・なんだ?これは?」
女「お前の盗撮写真だな」
301: 1:2012/6/27(水) 23:14:57 ID:kXPawxb5SU
男「なんでそんなのが教科書に挟まってるんだ?」
女「見られたくないからだろうな」
男「・・・」スッ
女「あ、そっちは…」
パサッ
男「・・・」
女「うむ、お前の寝顔だな。実に襲いたくなるくらいの可愛…」
男「もういいや…適当に勉強教えてくれよ」
女「苦手な問題があるのではないか?」
男「なんか、もういいや…」
302: 1:2012/6/27(水) 23:23:37 ID:kXPawxb5SU
女「ふむ、ならばこちらにこい」
男「おう…」
女「私が今勉強しているところだが…まあ、お前なら理解出来るだろう」
男「ん?ここ、俺得意だぜ?」
女「本当か!?」
男「あ、ああ…」
女「すまない、ならば私に教えてくれないだろうか?理解はしているのだがいまいち要領を掴めなくてな…」
男「ああ、まあこの問題は式っつーよりは感覚だからな〜」
女「か、感覚か…」
男「おう…まずはここがこうなるだろ?そしたら…」
女「・・・」
男「そしてここが…って、どうした?」
女「キスしていいか?」
男「断る」
女「断る事を断る」スッ
男「・・・」
女「・・・ん」
女「ふふ、お前の唇を奪ったのは実質二度目だな」
男「いいから、続きやるぞ」
女「ああ」
303: 1:2012/6/27(水) 23:29:22 ID:Ttc/iBXMT2
男「…と、いうわけだ。理解出来たか?」
女「大丈夫だ」
男「本当か?わからない事あったら聞いてくれよ?」
女「ならば一つだけ」
男「ん?」
女「何故キスをせがむ度に悲しそうな顔をするんだ?罪悪感に駆られるだろう」
男「・・・」
女「ほら、それだ」
男「…んな…いき…いだろ…」
女「ん?」
男「なんでもない。それより他には?」
女「ああ、特に何もない…君は教えるのが上手いな」
男「そんなことはねーよ、俺の説明ですんなり理解する女が凄いだけだ」
女「当然だ。誰よりもお前の事を理解したいと思ってるからな」
男「・・・それ、他の奴に聞かせたらなんて思うんだろうな」
女「そろそろ下に降りようか」
男「ん、そうだな」
304: 1:2012/6/27(水) 23:37:02 ID:Ttc/iBXMT2
女母「あら、丁度いいところに来たわね、女」
女「うむ…お楽しみ中だったか?」
女母「そんなところね」
男「父さん…母さんが拗ねるから程ほどにな?」
父「わかってるよ。久しぶりにお酒が進んじゃってね、話が盛り上がったんだ」
女「父は…いつも通りか」
女父「ぐがー!!すごー!!」
父「豪快な寝方だよぬ」
母「スピー、スピー」
男「母さんはよく寝れるな…」
女母「もう可愛らしくて…父さんと一緒に頬を続いてしまいましたわ、幼子のように柔らかいんですよ」
男「あー、知ってます」
305: 1:2012/6/27(水) 23:42:52 ID:kXPawxb5SU
女母「ところで、お夕飯は?」
父「あ、妻が起き次第、帰って作ろうかと」
女母「もしよろしければ、家でお召し上がりになっていきませんか?」
父「そんな、ワインを振る舞っていただいたのに夕飯まで…」
女母「いいんですよ、大食らいは寝ていますから」
父「じゃあ…お言葉に甘えますか…」
女「何か仲良くなってないか?」ヒソヒソ
男「多分父さんが酔ってるか、意気投合したかだな」ヒソヒソ
女母「女、少し手伝って」
女「了解した」
女「すみませんが、席に座ってお待ち下さい」
父「わかりました」
306: 1:2012/6/27(水) 23:46:24 ID:kXPawxb5SU
父「男君」
男「ん?」
父「女さんとはどこまでいったんだい?」
男「いきなりだな…」
父「ほらほら、隠してたら何もわからないよ?」
男「別に…大した事はないよ…キス以外」
父「ほう、キスか…さぞかしロマンチックなムードだったんだろうね」
男「ロマンチック…かは別として、関係あるのか?」
父「未来のお嫁さんさんとの進展を確かめたいしね」
男「はあ…」
307: 1:2012/6/27(水) 23:51:29 ID:Ttc/iBXMT2
女母「お待たせしましたー」
女「母、少し作り過ぎだ。四人分より多いぞ」
女母「大食らいが起きたら食べてもらうし、母さんが起きたら食べてもらいたいからね」
女「冷めてしまうのではないか?」
父「ここで食べてしまい。余ったら持ち帰り妻に食べてもらいたい…そういうことですね?」
女母「流石です。父さん」
女母「ほら女、盛り付けて」
女「全く、人使いが荒いな」
男「あ、俺手伝…」
女「男は座っていろ」
男「・・・はい」
父「(これは…将来尻に敷かれそうだね…)」
308: 1:2012/6/27(水) 23:52:14 ID:kXPawxb5SU
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309: 1:2012/6/28(木) 19:32:52 ID:R1/9kjJeRI
男「旨い…」
父「こんな美味しい物を毎日食べれるなんて、女父さんは幸せですね」
女母「そんなことありませんよ、有り合わせで適当に作った物ですから」
男「いや、それでも美味しいですよ」
女「人間、食べ続ければいつか飽きが来るからな、男」
女母「あら?嫉妬?」
女「ああ」
男「せめて隠せよ」
310: 1:2012/6/28(木) 19:47:13 ID:OdtXJJI3gA
父「本日はありがとうございました」
女母「いえいえ、大したお構いも出来ず」
父「いえいえ、美味しいワインに夕飯までご馳走になりましたよ」
女「またな、男」
男「おう」
母「ふにゅ〜」
父「ほら、母さん。買えるよ」
母「わかってるよ〜」
母「じゃあね〜、女ちゃん。女母ちゃん」
女母「はい」
311: 1:2012/6/28(木) 22:48:33 ID:t8aNSXkeh6
家
父「楽しい一時だったね」
男「なあ、父さん…何を買う…」
父「やっぱり我が家は落ち着くね!!女さんの家が悪いってわけじゃないよ?」
男「だから何を買う…」
母「男君…いちいち揚げ足を取らないの」
男「いや、気になる…」
父「男君…僕はね、お母さんの愛を買うつもりだったんだよ」
男「なんで!?つか、何で!?」
父「もちろん」スッ
父「僕の愛で…かな?」
母「はぅぅ〜…」キュン
男「・・・勝手にやっててくれ」
312: 1:2012/6/28(木) 22:54:06 ID:ldWGV.t3wA
男「ふい〜、今日は色々あったな…」
男「疲れたし…さっさと寝…」
ピルルルルルルル
男「・・・誰だよ」
男「友?」
友『明日、どこかに二人で出掛けないかい?』
男「珍しいな、あいつから誘うなんて」
男『特に用事もないし、いいぜ』
友『ありがとう。じゃあ10時に喫茶店でね。お休み』
男「どこの喫茶店だよ…」
313: 1:2012/6/28(木) 22:56:29 ID:t8aNSXkeh6
翌日 喫茶店
友「遅い」
男「何言ってんだ、ちゃんと10時には来たぞ?」
友「ふぅ…普通は5分前くらいにくるのが当たり前だよ?」
男「そりゃ悪かったな」
友「まあ、立ち話もなんだし、座ろうか」
男「そうだな」
314: 1:2012/6/28(木) 23:06:09 ID:t8aNSXkeh6
男「で?話は?」
友「そうだね、まずは夏の大会かな」
男「まずは…ってことは何個かあるのか…そういや近いな…」
友「すっかり忘れ去られていて作者でさえつい最近思い出した設定だけどね」
男「いや、それは言わなくてもいいんじゃないか?」
友「レス稼ぎと物語を繋げる為だけに掘り起こされたこの設定だけど」
男「だから言わなくてもいいだろ」
友「夏の大会…主将から連絡は来た?」
男「いや?ていうか俺、主将の連絡先知らないんだけど」
友「・・・」
男「とりあえずその可哀想な動物を見るような目をするのは止めてくれ」
315: 1:2012/6/28(木) 23:12:48 ID:ldWGV.t3wA
友「まあ、説教は後でするとして」
男「主将の連絡先知らないだけで説教かよ」
友「一回戦で、檀浦高校と当たるらしい」
男「檀浦高校!?もしかしてあの?」
友「そう…」
友「一年前の大会、僕達がまだ剣道部にいなかったときに…準決勝で参対零で負けた試合だよ」
男「そんな強豪と一回戦当たりかよ、運悪いな」
友「主将は僕達がいるから負けないって思ってるらしいし、僕も負ける気はないけど…」
男「けど?」
友「今年はそんな簡単に行かないみたいなんだ」
316: 1:2012/6/28(木) 23:20:33 ID:t8aNSXkeh6
男「つまり、どういう事だってばよ?」
友「・・・檀浦が警戒している高校があるらしい」
男「?」
友「いままで無名だった高校が、ここにきて急激に力を強めてるんだ」
男「人員が変わったからじゃねーの?もしくはコーチとか師匠とか」
友「それにしても、力をつけすぎじゃないか?」
男「いや、実際に見てないからわからねーよ」
友「体育祭があった日、ある高校で交流戦が行われたらしい」
友「草津高校対赤崎高校」
男「えーと、草津はそこそこ強かった高校だな。そんで赤崎が初戦敗退だっけか?」
友「・・・赤崎が圧勝だったらしい」
男「!?」
317: 1:2012/6/28(木) 23:27:00 ID:t8aNSXkeh6
友「赤崎高校の先鋒がとにかく強かったらしい…すっかりそれに気圧されてどんどん討ち取られたみたいだ」
男「強いって、具体的にどれくらいだよ」
友「さあ?ただ、見た人の話によると…」
友「圧倒的なパワーだったらしい…技さえも打ち消す程の」
男「・・・」
友「とにかく、今年は気を引き締めていこう」
男「わかった」
友「後、主将の連絡先を入手しておくこと」
男「へいへい」
318: 1:2012/6/28(木) 23:33:29 ID:t8aNSXkeh6
友「じゃあ、次にだけど」
男「まだなんかあんのかよ」
友「女さんと何かあったの?」
男「ブフォッ!!」
友「やっぱり」
男「謀ったな!?」
友「で?何かあったの?」
男「誰にも言わないか?」
友「君と何年友達をしてると思ってるの?」
男「まあ…実は…」
319: 1:2012/6/28(木) 23:40:31 ID:t8aNSXkeh6
友「ふーん、そんなことがあったんだ」
男「ああ、未だに混乱してる」
友「素直になればいいのに」
男「なにがだよ」
友「いや?別に」
友「男としてはどうなの?」
男「わからねーから相談してるんだろ?」
友「そうだけどね…」
男「俺はいったい何がしたいんだろうな」
友「迷えばいいじゃない。迷いながらも男は答えを探そうとしてるんだから」
男「それじゃあ女に悪い気がするんだよな…」
友「女さんはそういうの気にしない人だと思うし、ウジウジしてて結論を先伸ばしにするよりは全然マシだと思うよ?」
男「…そうだな」
友「言っておくけど、迷う事は悪い事じゃないからね」
友「迷うということは少なからずその答えに自信を持っているんだ。でもその答えがあっているかわからないから迷いを感じる」
友「信じなよ。自分を、周りを」
男「・・・ああ」
320: 1:2012/6/28(木) 23:41:03 ID:t8aNSXkeh6
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321: 1:2012/6/30(土) 10:22:33 ID:/EAYt.Qw9g
友「さて、話はこれでおしまい。悪かったね、時間を取らせて」
男「いや、それは構わねーけど」
友「?」
男「主将の連絡先って、どう聞けばいい?」
友「・・・馬鹿?」
男「馬鹿とはなんだ!!」
友「普通に主将に聞けばいいじゃん」
男「いや…今更聞くってのもどうかな…って」
友「明日聞きなよ?どのみち明日から練習が増えるんだから」
男「むー、そうだな」
322: 1:2012/6/30(土) 10:32:52 ID:/EAYt.Qw9g
友「じゃあね、あ、ここのお金は払っておくから」
男「いや、俺が出…」
友「僕が出すから」
男「・・・はい」
友「そうだな…もうしばらくゆっくりしてれば?」
男「?」
カランカラン
男「なんだ?何が言いたかったんだ…」
女「前の奴と同じものを頼む」
店員「かしこまりましたー」
男「・・・おい」
323: 1:2012/6/30(土) 10:41:54 ID:1k0jp6IeZk
男「どっから沸いた?というより、いつからいた?何故いる?」
女「質問が多いな、一つ一つ答えていくとだな」
女「まず、どっから沸いただが、普通に入店したぞ?お前の隙をついてな」
女「いつからいただが、私もたった今来たばっかだ。もちろんお前が友とここに来ていたのは知っていたが」
男「・・・」
女「何故いるかも、家から出たお前を尾行していたからだな」
男「お前もう探偵にでもなってろよ」
女「探偵か…いいかもしれないな」
男「乗り気かよ!?」
324: 1:2012/6/30(土) 12:21:07 ID:8v5FubDKos
男「で?目的は?」
女「お前に会いたかったからだ」
男「・・・」
女「それに、ここなら私もなんとか抑えられるしな…お前にとってもいいだろ?」
男「いいけどよ…」
女「そういえば大会があったのだな」
男「試合な」
女「失礼、試合はお前は出るのか?」
男「中堅か副将で出るだろうな…ちなみに個人的希望は先鋒だがな」
女「ほう?何故だ?」
男「先鋒の方が弱いし、早く終わるから」
女「弱い…か、あまり敵を下に見すぎるなよ?」
男「だって弱いもんはしょうがないだろ」
325: 1:2012/6/30(土) 12:25:21 ID:YRAHgft8dE
女「ふふ、自分の腕に余程自信がなければ言えない台詞だな」
男「いいんだよ、別に」
女「なら、今度私と手合わせしてもらおうか?」
男「断る」
女「遠慮することはない。勝負の世界では性別など無いに等しいからな」
男「いやだ、だって負けるもん」
女「やりもしない内に言うな、わからんだろう?」
男「わかるんだよ」
男「お前が出た日本の代表選抜試合…見たよ」
女「あれを見られたのか…恥ずかしいな」
男「どこかだよ、相手に同情したくなるくらいの突きだったじゃねーか」
女「だが、私は負けたんだ」
男「ああ、審判の誤判定でな」
326: 1:2012/6/30(土) 12:50:38 ID:8Ov6B9ua7.
女「あの時の審判は公平だったさ。今更とやかく言うつもりはない」
女「それに…あの時は審判は間違っていなかったさ」
男「・・・」
女「あれ以上戦っていたら、どちらも深い傷を負っていたからな」
男「女…」
女「だから私はあの試合に関しては何の未練もないんだ」
女「それより、お前こそどうなんだ?自信だけでは勝てないぞ?」
男「大丈夫だよ。友や主将がいるし、今年は優秀な新人が入ったからな」
女「それは楽しみだ。剣道部の試合は全校を上げて応援しにいくからな」
男「止めてください」
女「む…ならば知り合いに片っ端から声をかけて…」
男「それも勘弁」
327: 1:2012/6/30(土) 12:55:26 ID:ZxIN6RUJYk
女「何にせよ、大会は楽しみにしているぞ」
男「へいへい」
女「ふむ、ただ応援するだけじゃ芸がないな…」
男「普通に応援でいいだろ」
女「よし、では試合内容で賭けをしよう」
男「はあ!?」
女「試合の勝利か敗北で賭けをしよう」
男「おいおい…」
女「私はあえて敗北の方に賭けよう」
男「さっきの応援どこいった」
328: 1:2012/6/30(土) 13:00:06 ID:8Ov6B9ua7.
女「そうだな…もしもお前たちが敗北したら…」
男「まて、話が見えん」
女「よし、もしも敗北したら…1日私はお前を好きにしていい権利をもらおうか」
男「横暴だ!?」
女「忘れてないか?お前たちが勝てばいいだけの話だろう?」
男「もしも勝てたら?」
女「それは男、君が考える事だ」
男「んだよそれ…そうだな」
男「1日お前を好きにしていい権利…かな」
女「それはなんとも心踊る権利だな」
男「ていうか、賭けなんて俺はしないからな?」
女「軽い余興だよ。試合に力が入りやすいようにするためだ」
男「逆に力が抜けそうなんだが…」
329: 1:2012/6/30(土) 13:13:00 ID:ZxIN6RUJYk
女「さて、そろそろ店を出ようか。いつまでもここを占領するのは悪いだろう」
男「そうだな…っと、金は俺が払うから」
女「いや…私が」
男「お、れ、だ」
女「くっ…卑怯者め」
男「なんとでもいえ、俺は既に一度友に逃げられてるんだ」
店員「ありがとうございましたー(リア充砕け散れー)」
330: 1:2012/6/30(土) 13:22:25 ID:SW8mh3ctWE
女「これからどうするつもりだ?」
男「ん?別に…特に何の用事も…」
ガシッ!!
女「それは良かった」
男「おい、何故腕を掴む。何故引きずる。どこに連行するつもりだ」
女「私の家だ」
男「何の脈絡もないな」
女「意味ならあるぞ。勉強をしよう」
男「ちゃんと本音を言おうぜ」
女「至って本音だが?」
男「絶対に嘘だ」
女「ふふふ、さあ?観念しておとなしくするがいい」
男「もはや勉強に誘う口調じゃないな」
331: 名無しさん@読者の声:2012/6/30(土) 19:40:57 ID:BwmwaivHGk
先鋒ってだいたい強いじゃね?wwwwwww
支援
332: 1:2012/6/30(土) 23:28:16 ID:LN/rrBLob2
>>331
支援感謝です♪
そういうもんなんですか?
初めて知りました
以後、気を付けたいと思いますm(__)m
333: 1:2012/6/30(土) 23:31:54 ID:w8wKLdHj/I
女の家
女「ただいまー」
男「お邪魔しまーす」
女「別にただいまでも構わんぞ?」
男「アホ、人の家にあがるときただいまは無いだろ」
女「将来的に自分の家のような物になるのにか?」
男「それは関係ない」
女「第一、お邪魔などではない」
男「?」
女「何故なら、この家にはお前と私の二人っきりだからな」
男「・・・あー!!俺用事思い出したなー!!」
女「ふふふ、逃がさんぞ?」
男「おま!!ひっつくな!!首筋を撫でるな!!耳を噛むな!!」
334: 1:2012/6/30(土) 23:36:14 ID:w8wKLdHj/I
女「さて、それでは勉強を始めるが…」
男「おう」
女「何故リビングなのだ?私の部屋の方が…」
男「色々と(俺にとって)都合が悪いんだよ」
女「色々…」
以下、女の妄想
女「お、男!!せ、積極的過ぎやしないか?」
男「何言ってんだ?誘ってきたのはお前だろ?」
女「あ…た、確かに…ん!!私が誘ったようなものだが…んあ!!き、君はこういう事は…ひん!!に、苦手としているのでは?」
男「激しいのは…嫌いか?」
女「男…///」
男「折角だ、楽しもうぜ?」
335: 1:2012/6/30(土) 23:38:50 ID:LN/rrBLob2
女「ふむ…確かに都合が悪いかもしれんな…」
男「お前にしては珍しく意見が合うな…ま、そういうことだ」
女「だが、私は別に激しいのは嫌いではないぞ?」
男「・・・何言ってんだ?」
女「何って、お前が…」
女「すまん…少し願望が入り交じった夢を見ていたようだ?」
男「おいおい、大丈夫かよ」
女「問題ない。さあ、やろう」
男「へいへい」
336: 1:2012/6/30(土) 23:47:08 ID:w8wKLdHj/I
女「・・・」カリカリ
男「うーむ…」
女「・・・」パラパラ
男「あれ…これなんだっけ…」
女「・・・」チラッ
男「だー!!わかんねー!!」
女「(くっ!!今すぐ男を私の部屋に連れ込みたい!!そしてベッドに押し倒してシャツを脱がした後に乳首をペロペロして○○○を×××してピーピー)」
女「(落ち着け私…今焦っては事を仕損じるぞ…落ち着いて、冷静に戦況を見極めるんだ…)」
男「(すっげー悩んでるみたいだけど…何に対して悩んでいるかは聞かない方が良さそうだな…)」
337: 1:2012/6/30(土) 23:53:47 ID:w8wKLdHj/I
女「お、男…何かわからない箇所はあるか?私が教えられる範囲で解説してやるぞ?」
男「サンキュー、それじゃあこの問題を…」
チョン
女「うわあああ!!」
男「うおおおお!?ど、どどどどした!?」
女「すまない、心拍数が急上昇した」
男「なんだそれ…」
女「(なんてことだ!!ラブコメ王道の指と指が触れ合うだけでこんなにも襲いたいゲージがあがるとは!!)」
女「(もしも次に何かラブコメ的展開があったとしたら…私は、抑えられるか…?)」
男「おい、本当に大丈夫か?」
女「ああ…大丈…」
男「うーん、熱は…無いみたいだな…」ピトッ
女「っ!?」ガバッ
男「うおっ!?お、おい!!」
338: 1:2012/6/30(土) 23:59:07 ID:LN/rrBLob2
女「んはぁ…おいひ…」
男「ちょ!!指舐めんなって!!」
女「もう我慢のげんかいだ。私は君を味わい尽くすまで決して離れない」
男「おいおいおい!!なんかのスイッチ入っちまったんじゃねーの!?んぶ!?」
女「はあ…ん…んむ…」
男「むー!!むー!!ぷはっ!!」
男「落ち着け!!女!!」
女「はあ…はあ…男の…匂い…」
男「駄目だこりゃ…じゃなくて!!どうする!?」
男「ちっ!!これだけはやりたくなかったが…仕方ない!!」
男「女!!」ギュー
女「男!!もっと!!もっと私を強く抱き締めてくれ!!君以外の事を考えられないくらいに強く!!」
男「ああ!!俺以外の事なんて考えさせないくらいに激しくしてやるよ!!」
女「ああ…男…」クタッ
339: 1:2012/7/1(日) 00:04:18 ID:eEfZqNrbHk
女「・・・んん」
女「ここは…と、私の家か」
女「何があった…?確か…っ!?」
ガチャ
男「お、気がついたか?」
女「お、男!?」
男「いや〜、気を失った時は、かなり焦ったぜ」
女「・・・」
男「どうした?まだどこか痛いか?ごめんな、あまり加減できなかったからさ…」
女「ふふふ…みっともない所を見られてしまったな…」
女「そうさ…私はいつもあんな風にお前に触れ合いたいと思っていた…どんなに表面を取り繕っても…中身は、醜い雌豚さ…」
女「軽蔑しただろう?いいんだ…覚悟はしている…」
男「んー、なんか勘違いしてねーか?」
女「は?」
男「いや…びっくりはしたけど…お前の事を軽蔑なんてしないぜ?」
340: 1:2012/7/1(日) 00:08:20 ID:eEfZqNrbHk
女「し、しかし…私は君に…」
男「まー、確かにいつもより過激だったし、チョイこっちもヤバかったけど」
男「それでも、お前が俺をあれくらい想ってくれてるってわかって、なんか嬉しかったな」
女「っ!!///あう…///」
男「どうした?」
女「な、なんでもない!!」
男「とりあえず…しばらく休めよ?俺は下で続きしてるからさ」
バタン
女「〜〜〜〜〜っ!!」
女「(嬉しい!!嬉しい!!嬉しい!!)」
女「(恐らく今の私は顔が真っ赤なのだろうな…)」
女「ほとぼりが冷めるまで、しばらくここにいよう…」
341: 1:2012/7/1(日) 00:11:11 ID:eEfZqNrbHk
男「・・・」カリカリ
男「あー、ヤバかった」
男「さっきの女…反則なくらいに可愛いすぎんだろ…」
男「普段滅多に恥ずかしがらないし…ギャップがな…」
男「・・・あー、駄目だな、こりゃ」
男「俺、女の事好きなのかもしれんな…」
男「間違っても本人の目の前では言えんけど」
男「さって、勉強勉強!!テストテスト!!」
342: 1:2012/7/1(日) 00:12:38 ID:eEfZqNrbHk
皆さんこんばんわ
今日は昨日更新できなかったので、二日分の更新をいたしました
えっと…大量更新すみません…
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
343: 1:2012/7/1(日) 21:20:26 ID:.7VlUS1Pgg
女「・・・」
男「うーん…確かこの式はこう使ったような…」
女「その方程式は解が2つあるから注意しろよ?」
男「うわ!?女!?」
女「なんだ?」
男「いつから?ていうか、大丈夫か?」
女「ついさっき降りてきたばかりだ。体調に関しては何の問題もない」
男「そ、そうか…」
女「隣、失礼するぞ」
男「お、おう…」
女「・・・」カリカリ
男「なんか…おかしくね?」
女「そうか?いつも通りだと思うが」
344: 1:2012/7/1(日) 21:25:56 ID:.7VlUS1Pgg
女「(自分でも驚くくらいに落ち着いているのを感じる…男が奇妙に思うのも無理はないか…)」
女「(心が実に安らかだ…今ならどんな誘惑にも勝てる気がする…なるほど、これが所謂賢者タイムという奴か…)」
女「(本来なら男性しか体験できないはずのこの時間、しかし悟りを開いてしまえば女性にも簡単に味わえるな…)」
女「ふふ…実に気分がいい」
男「本当に大丈夫か?」
女「奇妙に感じているのはわかっている。だが、心配は無用だ」
男「(女の奴、ひどく落ち着いているな…)」
男「ま、お前がそういうなら信じるよ」
女「ありがとう」
345: 1:2012/7/1(日) 21:30:38 ID:sUngrJedTY
男「うっし…大分進んだな…」
女「ああ、今日1日で試験範囲を勉強し終えてしまったな」
男「やっぱり落ち着いた雰囲気で勉強するとはかどるんだな」
男「って、もうこんな時間かよ!?」
女「随分と長くいたようだな…」
男「ああ、なんだか短く感じたな」
女「そういうものさ」
男「んじゃま、お暇させてもらうわ」
女「家まで送るよ」
男「それ、俺の台詞」
346: 1:2012/7/1(日) 21:37:43 ID:.7VlUS1Pgg
男「なあ」
女「ん?」
男「やっぱり試験には力いれてんのか?」
女「ああ、生徒達の代表として恥ずかしい点は取りたくはないし、お前の前で格好悪い所を見せる気はない」
男「お前の頭なら勉強しなくても大丈夫だろ?」
女「それは買いかぶり過ぎという奴だ。完璧な人間なんていないのだからな」
男「ふーん、俺から見ればお前は完璧だけどな」
女「・・・そうか」
男「と、ここで別れるか」
女「そうだな。また明日学校で会おう」
男「ああ」
347: 1:2012/7/1(日) 21:46:18 ID:.7VlUS1Pgg
家
男「ただいま」
男「あれ?誰もいないのか?」
男「手紙?」カサッ
『男君へ、父君とデートに行ってきます♪冷蔵庫に夕飯があるから温めて食べてNE 母』
男「・・・」
男「はあ…お盛んだねぇ…」
男「デート…か、俺も誘ってみるかな」
男「・・・いや、誰をだよ。そもそも付き合ってないだろ」
男「はあ…こういうとき、父さんと母さんが羨ましく思えるな…普段はやかましいのに」
男「夕飯食って、風呂入って寝よ」
348: 1:2012/7/1(日) 21:51:15 ID:.7VlUS1Pgg
翌日
男「ん…朝か…」
母「おはよう♪」
男「・・・おはよう」
母「昨日はごめんね?お母さん父君とのデートでかなり受かれてて…」
男「いや、大丈夫だよ」
母「男君…拗ねてるよね?」
男「いや、拗ねてないし」
母「よーし!!おはようのチューを…」
男「お願いですから止めてくださいお願いします」
母「敬語で拒否された!?」
349: 1:2012/7/1(日) 21:56:36 ID:.7VlUS1Pgg
父「おはよう、よく眠れたかい?」
男「ああ、騒がしいのがいなかったからね」
母「それお母さんの事!?男君ひっどーい!!」
男「事実だろ?」
父「それはそうと、もうすぐ大会だよね?」
母「後テストもだよね」
男「まあな」
父「大変だろうけど、無理はしちゃダメだからね?」
母「男君が倒れたら、添い寝してあげるからね?」
男「無理しない程度に頑張るよ。それと、高校生にもなって妹に間違われそうなくらいに小さい+童顔の母親と寝る気持ちを考えろ」
母「む、胸は大きいもん!!」
男「ロリ巨乳はわかったから。そして今そこはどうでもいい」
母「うえーん!!男君がいぢめるよー!!」
父「はいはい、泣かないの」
350: 1:2012/7/1(日) 22:03:47 ID:sUngrJedTY
男「なあ…父さん」
父「ん?どうしたの?」
男「ああ…その…」
父「?」
母「悩み事ならお母さんに話しt」
父「母さん、確か役所に届けなきゃいけない書類がなかったかい?」
母「あ!!忘れてた!!いってきます!!」
バタン!!
父「さて、お母さんはいなくなったよ?」
男「父さん…」
父「雰囲気的に、お母さんに聞かれたくないことだと判断したけど?違う?」
男「いや、違わない」
351: 1:2012/7/1(日) 22:10:26 ID:sUngrJedTY
男「その…さ、母さんに告白した時って…どんな気持ちだった?」
父「凄くドキドキしたよ。心臓がまるで違う生き物みたいでドクドク脈打つんだ」
男「・・・」
父「そして母さんさんから返事を貰った時は、嬉しいというよりは安心したね」
父「良かった…って、素直にそう思った」
男「父さんでも、緊張はするんだ」
父「まあね、寧ろ緊張しない人なんていないんじゃないかな?」
男「・・・」
父「さて、男君からの質問に答えたし、次は僕の質問に答えてもらおうかな?」
男「う…」
父「さっきの質問は、女さんが関係しているのかな?」
352: 1:2012/7/1(日) 22:18:23 ID:.7VlUS1Pgg
男「そう…だと思う」
父「確証はないんだね」
男「俺は女が好き…なんだと思う」
父「・・・」
男「でもさ、友達の好きってわけでもないし、恋人の好きってわけでもないんだよな…」
父「その答えは男君が見つけるんだよ?」
男「わかってる…」
父「でも、一人で抱え込まずに、周りに相談するのは悪くない事だからね。相談してくれてありがとう」
父「答えは出せないけど、ヒントならあげられるよ」
父「女さんと接する時に、男君が何を考えながら接しているのかを考えてごらん?」
男「・・・」
父「僕は君達二人はお似合いだと思うよ?ただ、男君が少し遠慮気味なんじゃないかな?」
父「女さんは自分に素直だよね?男君も少しだけ、自分に素直になってごらん?」
男「・・・」
353: 1:2012/7/1(日) 22:21:45 ID:.7VlUS1Pgg
父「はい、話はこれでおしまい。学校でしょ?いってらっしゃい」
男「いってきます」
バタン
父「やれやれ…ようやく好きと認めたか…これは大きな進歩かな?」
ガチャ
母「ただいまー、ゴミだしついでにご近所さんと話し込んじゃったー」
父「浮気?酷いな…」
母「何を言ってるの!!父君以上に素敵な人はいないよ!!」
父「ありがとう…ねえ母さん」
母「何?」
父「愛してるよ」
母「あ…は、はい///」
父「もう、可愛いなぁ」
354: 1:2012/7/1(日) 22:24:13 ID:.7VlUS1Pgg
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
いるかどうかはわかりませんが、ありがとうございました!!
355: 名無しさん@読者の声:2012/7/1(日) 23:57:38 ID:lZtcw.o/Is
見てるでござる!
356: 名無しさん@読者の声:2012/7/2(月) 00:04:03 ID:0CFZeMxBvg
毎日見てるよ!
っCCCC
357: 1:2012/7/2(月) 17:59:15 ID:Gsyx0wPbl2
>>355
ありがとうごさいますでござる!!頑張らせていただくでござる!!
>>356
ありがとうございます!!
なんか気を遣わせてしまったみたいで申し訳ないと思いつつも支援感謝です!!
358: 1:2012/7/2(月) 18:16:59 ID:GMHrV7kuVo
学校
男「うーす」
友「おはよう」
幼「おはよう、男君」
後輩「・・・」
男「あり?後輩がいるなんて珍しいな」
幼「あ、折角だから男君も相談に…」
後輩「この人に話す事なんてありません!!」
幼「ご、ごめん…」
後輩「あ、いや…その…私もすみません…」
友「後輩、今は少しでも情報を共有出来る人がいた方がいいと思うよ?」
後輩「む…わかりました…」
359: 1:2012/7/2(月) 19:19:40 ID:vFRPYtFYaE
友「最近、後輩がストーカーの被害にあってるらしいんだ」
男「ストーカー?なんでまた」
友「なんでも、帰りに後をつけられたり、一週間に一回変な手紙を送られてくるらしいんだ」
男「うわ、典型的だな」
幼「でも、そういう人って何するかわからないし、下手に刺激したらダメでしょ?後輩ちゃんもそれで悩んでいて…」
男「お前なら一人でも大丈夫なんじゃねーの?」
後輩「は?」
男「いいぞ、続けてくれ」
360: 1:2012/7/2(月) 19:24:06 ID:vFRPYtFYaE
友「それでどうしようか考えてたんだけど…」
男「んなもん、証拠掴んで警察につき出せばいいんじゃねーか?」
友「実際に被害にあわないと警察は動いてくれないよ」
後輩「それに…自分でなんとかしなきゃって思うんですけど…今は試験期間だし…迷惑かけちゃいけないって…」ポロポロ
男「後輩…」
女「なるほど、それは大変だな」
後輩「先輩!?」
男「女!?」
361: 1:2012/7/2(月) 19:28:20 ID:fqcL.KG2s2
女「生徒を脅かす存在を放ってはおけないな、しかし後輩、何故相談してくれなかった?」
後輩「えっと…試験期間でしたし…迷惑…」
女「何を水臭い事を、可愛い後輩の為なら私は試験等惜しくはないよ」
後輩「先輩!!」
女「さあ、涙を拭いて私に説明してごらん?」
後輩「はい!!」
男「もう、女に任せとけば良くね?」
友「僕もそう思ったけど、事情を知ったからには手伝ってもらうからね」
男「へいへい」
362: 1:2012/7/2(月) 19:40:38 ID:fqcL.KG2s2
女「なるほど…つまり数週間前から怪文書含め後をつけられるようなったと?」
後輩「はい…」
女「ストーカーは、歪んだ愛情表現からくるというのを聞いた事がある。そのストーカーは後輩に好意を持っていると考えるのが妥当だろうな」
後輩「そんな人!!こっちから願い下げです!!」
女「わかっている。いくら愛情を持ったとはいえ、歪んだ愛情では気持ちの押し付けに過ぎないからな」
男「具体的にどうするんだ?」
女「そうだな、ここは一つ…ストーカーには諦めてもらうか」
四人「?」
363: 1:2012/7/2(月) 23:22:51 ID:qdQyCN2U6g
女「簡単な事だ。後輩が一人でいるから狙われるのだ。だったら後輩の彼氏を仕立てればいい」
後輩「ええええええ!?」
女「ただ、この作戦の問題は逆上したストーカーが無茶な行動にでて危害を加えてこないか…という点だ」
友「なるほど、つまり彼氏役の人はある程度対応が出来る人がいいんだね?」
女「そういうことだ」
後輩「い、嫌です!!私、先輩以外に彼氏作る気はありません!!」
女「後輩…気持ちは嬉しいんだが…」
幼「女ちゃんは女の子だから彼氏じゃなくて彼女だよ〜」
男「突っ込むべき場所が違うと思うのは俺だけか?」
友「僕もそう思ってる」
364: 1:2012/7/2(月) 23:30:59 ID:qdQyCN2U6g
女「友、男。どちらかに頼みたいのだが…」
友「僕は無理かな」
男「どこがだよ」
友「・・・持病」
男「嘘つくんじゃねーよ」
女「ふむ…となると男なんだが…」
男「やー、俺も無理だな。なんせ蹴り殺されるし」
女「誰にだ?」
男「誰って…」チラッ
後輩「・・・」ギチギチ
男「うわーお、見たことがないくらいの殺意と憎悪の波動」
女「困ったな…私の知り合いでは後は副会長くらいしか頼めそうな奴がいないんだが…」
後輩「先輩がついてきてくだされば大丈夫ですよ!!」
女「私か?」
幼「でも、女ちゃんなら後輩ちゃんを守れるかもしれないよね〜」
女「しかし…彼氏にはどうみても見られないだろう?」
365: 1:2012/7/2(月) 23:37:00 ID:7mKDXznsN.
男「・・・いや、大丈夫だ」
女「男?」
男「女と腕を組んで歩き、ストーカーに見せつける…そうだな?」
後輩「あら、貴方にしては珍しく鋭いじゃないですか」
後輩「先輩と仲良さそうに歩けば、ストーカーもきっと勘違いしますよ♪」
女「そ、そういうものなのか?」
後輩「そういうものです♪」
女「う、うむ…しかし…うむむ…」
男「二人が危なくなったら、俺たちがでればいいだろ?」
後輩「は?」
女「そうか、二重尾行か!!冴えているな!!男」
男「ただ、後輩からの視線というなのレーザーが俺を貫くという結果しか見えないんだが」
366: 1:2012/7/2(月) 23:42:32 ID:7mKDXznsN.
後輩「早速今日の放課後に実践しましょう!!」
女「い、いきなりか?まだ作戦とかが…」
男「早い内がいいんじゃないか?」
女「男が…そういうなら…」
後輩「・・・あの」グイッ
男「おい、引っ張るな」
後輩「今日はやけに気を利かせてくれますけど、なんかあったんですか?頭がどうかしちゃったんですか?」
男「大分失礼だな」
男「別に、生徒を守るっていう女の意志を汲んだのと、俺も大事な後輩の力になりたいと思ってるしな」
後輩「なっ!?///」
後輩「あ、貴方がどんなに良いことを言ったとしとも、女さんを狙う変態なのは変わりありませんからね!?」
男「なんで俺が変態扱いされなきゃならんのだ」
367: 1:2012/7/2(月) 23:43:13 ID:7mKDXznsN.
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
368: 1:2012/7/3(火) 13:14:19 ID:m5eJmx4D/U
放課後
女「よし、それでは作戦を決行する」
後輩「はい!!」
女「作戦は単純、私と後輩の後を男と友がついていき、ストーカーを挟むような陣形をとるぞ」
男「ま、異論はないな」
後輩「いきましょ!!先輩♪」
女「おいおい、そんなひっつくな、動けないだろ?」
後輩「えへへ〜」
女「全く、甘えん坊な後輩だ」
女「それじゃあ、行ってくる」
男「無理はすんなよ?」
369: 1:2012/7/3(火) 13:19:33 ID:KyX.ipKrAE
男「しかし…不安だな」
友「女さんが心配?」
男「それもあるけど…やっぱり後輩だな」
友「・・・」
男「あいつ、女との時間を邪魔されたりしたらぶち切れてストーカー以上に怖いことするからな」
友「でも…あれくらいの方が丁度いいのかもね」
男「そうだな、ストーカーには後輩は女にしか興味がないってのを見せつけないとな」
友「それさ…状況が状況ならかなりヤバイよ?」
男「状況がどうのいうなら女子高生を追いかけ回す俺達の世間体が疑われるな」
友「・・・」
男「黙るなよ!?」
370: 1:2012/7/3(火) 13:24:00 ID:m5eJmx4D/U
友「しかし…後輩、幸せそうな顔してるねぇ」
男「当然だろ。理由をつけて女に引っ付けるんだから、これ以上ない役得だろうよ」
友「ストーカーの事を忘れてたりしてね」
男「流石にそれはないだろ」
友「…ねえ、あの人」
男「わかってる…後輩たちを見てるな」
友「例のストーカーかな?」
男「わからん、もう少し様子を見よう」
371: 1:2012/7/3(火) 13:28:20 ID:KyX.ipKrAE
後輩「それでですね!!この近くに凄く美味しいケーキ屋さんがあるんですよ!!」
女「そんなに美味しいのか?」
後輩「はい!!ある意味デートスポットですよ!!」
女「そうか…是非行ってみたいものだ」
後輩「試験が終わったら二人でいきましょう!!先輩!!」
女「そうだな」
女「・・・」
後輩「先輩?そんなに怖い顔をしてどうし…」
女「そろそろ出てきたらどうだ?それとも、まさか隠れているつもりか?」
「っ!!」
372: 1:2012/7/3(火) 13:34:07 ID:KyX.ipKrAE
後輩「あ、貴方は!!」
女「後輩、こいつか?」
後輩「は、はい…」
女「そうか…」
スト男「・・・」
女「何故後輩。つけ回していた?答えろ」
スト男「・・・そだ」
女「?」
スト男「嘘だ、嘘だ、嘘だ!!」
スト男「後輩ちゃんは僕の天使なんだぞ!!お前みたいな一般市民が気安く近づいていいわけがないんだよ!!」
女「ほう?ならばお前はその資格を持っているというのか?」
スト男「勿論だ!!なんて言ったって、僕は後輩ちゃんを見守る会の会長だからね!!」
女「その後輩を見守る会にはいったい何人在籍してるのだ?」
スト男「う…ま、まだ一人だけど…いつかは全国に羽ばたくんだ!!」
373: 1:2012/7/3(火) 18:14:29 ID:Wq2Z7fdcNw
スト男「き、君こそ!!いったい後輩ちゃんのなんなんだ!?」
女「私は後輩の先…いや」
女「私は、後輩の彼氏だが?」
後輩「先輩…///」
スト男「う、嘘だ…後輩ちゃんはそんな百合属性なんてあるわけがない!!」
女「しかし、これが現実だ。認めろ」
後輩「そうですよ!!私と先輩はラブラブなんです!!貴方が入る隙間はありません!!」
スト男「ぐぬ…ぐぬぬ…ぐぬぬぬぬ…」
374: 1:2012/7/3(火) 18:22:14 ID:kn/CgXgYDg
スト男「認めない…認めない!!」
スト男「うおおおお!!」
後輩「きゃあああ!!」
女「後輩!!下がれ!!」
男「っ!!女!!」ダッ
スト男「ぐおおお!!離せ!!僕が!!僕が後輩ちゃんを幸せにぃぃぃ!!」
男「ぐっ、こいつ!!力強!!」
スト男「うがあああ!!」
パン!!
スト男「・・・」
男「女…?」
後輩「せ、先輩…」
女「まだわからないのか!?貴様のやっていることは後輩を怖がらせてしかいないことに!!」
スト男「!!」
375: 1:2012/7/3(火) 18:27:57 ID:Wq2Z7fdcNw
女「本当に後輩を幸せにしたいなら、今お前がやるべき事、そして後輩が幸せになるために成すべき事を考えろ!!」
女「後輩!!」
後輩「は、はい!!」
女「お前が言え」
後輩「は、はい…」
後輩「えっと…」
スト男「こ、後輩ちゃんは迷惑だった?僕は…良かれと思って…」
後輩「えと…気持ちは嬉しいんですけど…駄目です。貴方とは、お付き合いできません…」
スト男「・・・」
スト男「わかって…たんだ。こんなことしても、君が僕の事を見てくれないことなんて…」
スト男「でも、もしかしたらって思って、ずっと希望にすがってた…」
スト男「でも…君を怖がらせてただけなんだね…」
376: 1:2012/7/3(火) 18:33:34 ID:Wq2Z7fdcNw
スト男「もう、後をつけるのは止める。手紙もおしまいにするよ」
後輩「・・・」
スト男「一つだけ聞いていいかな?貴女は、本当に後輩ちゃんの彼氏ですか?」
女「す、すまない…お前にわからせる為に、一芝居打っただけだから…嘘だ」
スト男「そうですか…後輩ちゃんが、そんな趣味あるわけないって、冷静に考えればわかるのに…はは」
後輩「確かに、先輩は私の彼氏ではありません。ですが…私の好きな人です」
スト男「え…それって…」
後輩「すいません、失礼します」
女「今回の事は、お前にとってはいい経験になっただろう。この経験を活かして、新しい恋路を見つけるといい…ではな」
377: 1:2012/7/3(火) 18:39:34 ID:Wq2Z7fdcNw
男「結局、俺達あんま出番なかったな」
女「何を言ってる、お前たちが抑えててくれなかったら、諭せなかったかもしれないんだ。功労賞を送りたいよ」
後輩「でも、先輩格好良かったです!!」
後輩「幸せにするために成すべき事を考えろ…凄くいい言葉です」
女「大袈裟だな、それに…半分は自分に向けて言ったようなものだからな」
男「・・・」
友「とにかく、これで解決かな?」
女「そうだな、皆ご苦労だった」
男「ん、じゃあな」
友「あれ、帰るの?」
男「ああ、帰って寝る」
女「・・・」
男「幸せにするために成すべき事を考えろ…か」
378: 1:2012/7/3(火) 18:54:52 ID:M9dHo2FuSs
家
男「ただいまーって、いるわけが…」
父「お帰り」
男「・・・なんでいる?」
父「いちゃ悪い?」
男「割りとビックリするから止めて欲しい」
父「了解、次は連絡いれるよ」
男「そういう問題じゃないんだけどな…」
父「何か悩み事?僕で良ければ相談に乗るよ?」
男「父さんはさ、母さんが幸せにするためにやった事ってあるか?」
父「おや?朝からどうにも積極的だね?」
男「やかましい」
父「そうだね…僕がいること、かな?」
男「はあ?」
379: 1:2012/7/3(火) 19:01:36 ID:5dNGH9djHw
父「別に自惚れてるわけじゃないよ、母さんは僕を愛してくれてるし、僕も母さんを愛しているから」
父「だから、母さんが喜ぶ事ならなんだってしてあげたいし、なんだってやってあげるんだ」
父「でも、母さんは何をしても喜んでくれるから、最初は気を遣ってるのかと勘違いしてたよ」
父「でも、後で気づいたんだ」
父「僕がやるから喜んでくれるんだって…僕だから、意味があるんだって」
父「そういう人、男君の周りにもいない?」
男「・・・わかんねー」
父「そう?ならいいんだけど」
父「そうそう、母さん今日は遅いから先に食べててだって」
男「ふーん、じゃあなんか作るか」
父「いや、外で食べようか?」
男「なんでだよ」
父「なんとなくだよ」
380: 1:2012/7/3(火) 22:51:26 ID:wSCN2jx8Hc
居酒屋
男「なんで高校生を居酒屋につれていくかね…」
父「ちゃんと個室があるから大丈夫だよ」
男「はあ…」
父「すいません、予約をした父といいますが」
店員「はい、承っております。先にお着きになられていますよ」
父「ありがとうございます」
男「お客さん?」
父「うん、一緒に飲もうって約束をしてね」
男「女の人?男の人?」
父「女の人かな」
男「(おいおい、それ浮気かもしれないんじゃないか?)」
381: 1:2012/7/3(火) 22:58:00 ID:wSCN2jx8Hc
個室
父「お待たせしました」
女母「いえいえ、こちらも今来たところですよ」
男「なんだよ…女母さんかよ…」
父「男君、まさか僕が浮気をするのかと思ったのかい?」
男「半分くらいな」
父「浮気だったら君を連れてくるわけないだろ?」
男「そうだな…で?俺を連れてきた意味は?」
父「その内わかるよ」
男「はあ?」
ガラガラガラ
女「母、待ち人が来てるなら一言声をかけてから…」
男「・・・」
父「さあ、皆揃ったみたいだし、始めようか」
382: 1:2012/7/3(火) 23:02:35 ID:I7oCFnU6xU
父「男君、何か食べたいものある?」
男「・・・雑炊」
父「あっさりしてるね…女さんは?」
女「男と同じので」
男「女、お前こっちの魚介雑炊にしとけ、俺はこっちの卵雑炊にするから、味を比べようぜ」
女「いいだろう」
女母「私達はどうします?」
父「酒のつまみで膨らましますか?」
女「ふふ、それもいいですね」
父「冗談ですよ、このキムチ鍋でも食べましょう」
383: 1:2012/7/3(火) 23:24:09 ID:klXJlN7p4w
男「なあ」
女「ん?」
男「なんか、行く先々で会うな」
女「運命という奴かな?お前にとってはいたずらかもしれんが…」
男「別に嫌なわけじゃないぞ?」
女「!!…そうか」
父「男君…まずは先制のデレで空気を引き込んだね…」
女母「ここから女はどうやって取り戻すんでしょうね」
男「そういや、今日はお疲れ」
女「心配はいらないさ。可愛い後輩の為だからな」
男「ところでさ、お前、後輩についてどう思ってる?」
女「後輩か?可愛いが?」
男「あー、そうじゃなくてな…」
女母「あの子、自然に話題をずらすのが得意なのよね〜」
父「あの手際には惚れ惚れするね」
384: 1:2012/7/3(火) 23:30:19 ID:klXJlN7p4w
男「後輩がお前をどう思ってるかはわかるか?」
女「ふむ…好意を寄せられれているのはわかっている…」
男「好意つーか、まあ好意だな」
女「だが、私に対する憧れがそうさせているのもあるのだろうな…できれば普通に接してもらいたいのだが…」
男「じゃあなんとかするしかないんじゃないのか?」
女「しかし…具体的な案が見つからないのもまた事実」
男「そりゃそうだ、俺だってさっぱりだしな」
女「困ったな…」
父「恋のライバルかな?」
女母「恋のライバルなんですかね?」
385: 1:2012/7/3(火) 23:31:04 ID:kcUjvD4cU2
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
386: 1:2012/7/4(水) 20:31:16 ID:i8qIIA4RvI
店員「お待たせしましたー、卵雑炊と魚介雑炊のお客様ー」
男&女「はい」
男&女「・・・」
男&女「はい!!」
店員「えーと…」
男「卵は俺です」
女「魚介は私だ」
店員「かしこまりました」
女母「変な所、息ぴったりですね」
父「これくらいずれてた方がある意味二人らしいですよ」
387: 1:2012/7/4(水) 20:39:01 ID:i8qIIA4RvI
男「しっかし、テスト憂鬱だわ…」
女「そうなのか?私の見る限りお前の今の学力なら高得点が期待できるんだが?」
男「あー、そうじゃなくて、いい点を取りすぎるとな、母さんがやかましいんだ」
女「いいじゃないか、お母様に愛されている証拠だ」
男「もうガキじゃねーんだから、ご褒美とか勘弁してほしい」
女「具体的にどんな?」
男「まず頭をこれでもかと撫でられる。そして答案を見ながら誉めちぎる。最後に力いっぱい抱きついてくる」
女「お母様らしいご褒美だな」
男「実の母親にやられても嬉しくねーよ」
女「何もないよりはマシだろう?」
男「むしろ何もないほうがマシだな」
女「人の親切は無下にするものではないぞ」
男「お前は俺の母親かよ」
女「彼女希望だ」
388: 1:2012/7/4(水) 20:48:49 ID:quejT6K01c
男「・・・なんかさ、本当にお前って、割りきりいいというか、清々しいというか」
女「これが私らしさだと言ってくれたのはお前だと認識しているが?」
男「俺、お前のそういう所好きだよ」
父&女母「!?」
女「ふふ、知っている」
男「可愛くねーな」
女「私に可愛げを求めるのが間違っているな」
父「男君が好きって言いましたよ!?」
女母「女が無反応でしたよ!?」
父「・・・子供って、知らぬ間に成長してるんですね」
女母「・・・少し、寂しい気もしますね」
389: 1:2012/7/4(水) 20:55:15 ID:i8qIIA4RvI
男「なあ、魚介どうだ?」
女「食べてみるか?」
男「おう」
女「あーん」
男「どれどれ」パクッ
女「どうだ?」
男「うーん、まあ旨い」
女「微妙な反応だな」
男「雑炊はやっぱりノーマルが一番だろ、つーわけで、ほいあーん」
女「ふむ」パクッ
男「な?」
女「シンプルイズザベスト、というやつか…中々的を得ているな」
390: 1:2012/7/4(水) 21:00:00 ID:i8qIIA4RvI
男「そいや父さん、俺をここに連れてきた目的は?」
女「そういえば私も聞かされてないな」
父「別に、普通にお酒が飲みたいなぁって思って、女母さんに連絡したら今日が空いているから飲みましょうってなって、ついでだから男連れてきたら、向こうも女さんを連れてきてたんだよ」
女「つまり、全くの偶然というわけか」
女母「そんなところね」
女母&父「(まあ仕組んだんだけど)」
女「しかし…お母様に妙な目でみられるのではないですか?」
父「それに関しては大丈夫。母さん素直だからなんでも信じるし」
男「母さん騙すの!?」
父「嘘も方便だよ、男君」
391: 1:2012/7/4(水) 21:07:49 ID:quejT6K01c
男「はあ…まあ、いいか…」
父「そして男君、わかっているとは思うけど」
男「母さんには言うな、だろ?わかってるよ」
男「これ以上事態をややこしくしたら俺が困る」
父「よろしい、てば、学生は学生のトークに花でも咲かせてなさい」
男「おっさん臭いな」
女「男、偶然とはいえ折角この場を設けてもらったのだ。ここは活用しようではないか」
392: 1:2012/7/4(水) 21:18:11 ID:quejT6K01c
男「んじゃま、何話す?」
女「子供は何人欲しい?」
男「いきなり突拍子も無いこと言うなよ…ビックリするだろ?」
女「にしてはリアクションが薄いな」
男「お前は口を開けばそういう事しか言わないだろ」
女「それなら、お前が話題を出してくれ」
男「はあ?いきなり言われてもな…」
女「そんなに悩まずとも、今お前が思っている事や私に言いたい事でもいいぞ?」
男「んなこと言われてもな…」
男「デート…してみるか?」
女「・・・は?」
393: 1:2012/7/4(水) 21:22:02 ID:i8qIIA4RvI
男「別に深い意味はないんだが、試験が終わったらこう気晴らしに…」
ガバッ!!
女「〜〜っ!!」ギュー
男「ちょ!?お、おい!!」
女「嬉しいんだ…お前が、少しでも私を女として見てくれてる事に…」
男「・・・お前が女だなんて、大分前からわかってるよ」
女「ありがとう…男」
父「これ、僕たち凄いお邪魔ですよね」
女母「いないものとして考えてもらいましょう」
394: 1:2012/7/4(水) 21:27:11 ID:i8qIIA4RvI
女「男…折角誘ってもらったのに悪いが、試験が終わったら、私は少し多忙になりそうだ」
男「生徒会の仕事か?」
女「それもあるが、剣道部の応援の話をしただろう?あれを校長に掛け合ったら、快諾してくれたからな、今はメンバー等を話し合っているんだ」
男「皆が応援に来るのか、それは負けられないな」
女「ああ、楽しみにしているぞ」
男「んじゃ、デートはまたの機会にだな」
女「ああ…それも楽しみにしている」
女「しかし…前から思っていたのだが、なんだか積極的になったな」
男「考えがまとまんねーから、自分の思った通りに行動しているだけだ」
395: 1:2012/7/4(水) 21:34:23 ID:i8qIIA4RvI
女「それ、私以外の人間になら誤解されそうなセリフだな」クス
男「こんな風に言っても理解してくれる存在がお前ぐらいしかいねーんだよ」
女「全く…君は相変わらず私に期待させるような事を言うな…」ボソッ
男「なんか言ったか?」
女「何にも」
父「二人とも、そろそろいい時間だからお店を出るよ」
男「わかった」
女「わかりました」
396: 1:2012/7/4(水) 21:36:55 ID:i8qIIA4RvI
父「今日はありがとうございました」
女母「いえいえ、こちらこそ久しぶりに話が弾みましたよ」
父「またこんな時間を作れるといいですね」
女母「是非」
父「それでは、この辺で」
女母「お気をつけて」
男「じゃあな、また明日」
女「ああ、帰り道気を付けろよ?」
男「それはこっちのセリフだ」
397: 1:2012/7/4(水) 21:41:20 ID:i8qIIA4RvI
家
父「ただいまー」
男「しっかし、父さん結構飲んだな」
父「まあね〜」
男「ほろ良いってか、父親が酔ってるのを見ると溜め息が出るのは息子の宿命なのか…」
父「お布団敷いて、早く寝ちゃおうか」
男「その前に、水を一杯でいいから飲んでおけよ?酒が抜けるとは限らんが、大分マシだろ」
父「そうだね、男君は悪知恵が働くなぁ」
男「これから起こるであろう夫婦喧嘩に巻き込まれたくねーんだよ」
父「ごめんごめん、なるべく静かにしているよ」
398: 1:2012/7/4(水) 21:42:47 ID:i8qIIA4RvI
今日の投下はこれで終了となります
気がつけばこのSSも後少しで400ですね
改めて、支援ご回覧くださり感謝です♪
見てくださった方々
ありがとうございました!!
399: 399:2012/7/4(水) 23:37:59 ID:koX/URCjrE
支援っ CCCCC
400: 1(支援感謝です♪):2012/7/5(木) 19:57:38 ID:SZEVTH1fAU
翌日
男「うー、昨日は結局静か過ぎて眠れんかった…」
男「・・・いや、静か過ぎて眠れんってなんだよ」
男「やっぱり、あの二人は多少騒がしいくらいが…」
父「zzz」
母「zzz」
男「・・・へ?」
男「何、この二人はなんで向かい合って座ったまんま寝てるの?ん?」
男「文字が書かれた大量の紙に…缶ビール?」
母「んん…」
男「おい、母さん…こんなところで寝てたら風邪引く…」
母「ん…そんな、激しくしちゃいやぁ…」
男「・・・」
どうでもいい
そっとしておこう←
起こそう
401: 1:2012/7/5(木) 20:02:17 ID:SZEVTH1fAU
男「さってと、準備するか」
父「ん…」
男「今度は父さんか!?」
父「あ、おはよう…」
男「説明を求む」
父「そんな説明するほどじゃないよ…男君が静かにしろって言うから筆談で会話してたら、ビールを飲むことになって、一生懸命に飲む母さんが可愛いからセクハ…いたずらしながら一緒に飲んでたんだ」
男「なるほどな…」
男「って、肝心の母さんの機嫌は?」
父「セクハラしたら治った」
男「言っちゃったよ!?折角オブラートに包んだのに台無しだよ!?」
父「今日から試験期間だっけ?頑張ってね」
男「ん、いってきます」
父「いってらっしゃい」
402: 1(今日は少量更新です):2012/7/5(木) 21:04:16 ID:FTpf6Dw/sU
学校
男「ういーす…って、あれ?」
友「おはよう、男」
男「友…なんか人多くね?」
友「そりゃあ、テスト当日だからね…朝早くに来て勉強したほうがいいって思うんじゃない?」
男「ふーん…」
友「男はどうなの?勉強したの?」
男「あー、一応」
友「ふーん」
男「優秀な家庭教師が来たからな」
友「そっか、まあ頑張ってね」
男「素っ気ないな」
友「心配する必要ないし、ていうか、他に心配しなきゃいけない人がいるし」
男「・・・ああ」
403: 1:2012/7/5(木) 21:11:00 ID:/IYOYjJJsM
幼「男くぅーん!!友くぅーん!!」
男「・・・どうした?」
幼「べ、勉強ね?しようと思ったのに…つい…」
幼「八時間ぐっすり寝ちゃったー!!」
男「わお、健康的」
友「ほらほら、泣かないでノートと教科書見せて?教えてあげるから」
幼「ぐす…ありがと」
幼「でも…二人はいいな…試験なんて余裕でしょ?」
友「そんなことないよ、自分の事で手一杯さ」
幼「ふえ?でもなんで…」
友「幼さんだから…だよ」
幼「友君…」
幼「特別扱いは駄目だよ?」
友「・・・」
男「うん、まあ、だろうな」
幼「へ!?な、何!?」
404: 1:2012/7/5(木) 21:23:17 ID:FTpf6Dw/sU
幼「ていうか、男君も勉強しなきゃ駄目だよ?」
男「わーってるよ」
友「幼さん、男は勉強なんかしなくても余裕って言いたいんだよ」
幼「そっかー」
友「幼さん…そこは嫌味で返さないと…」
男「基本、幼に突っ込みは無理だな…それに俺にはまだ死亡フラグというものがある」
男「俺…このテストが終わったら…女に告白するんだ…」
友「それなんて予言?」
女「・・・」
男「・・・えーと」
女「男」
男「はい!!」
女「楽しみにしてるぞ?」
男「・・・はい」
友「頑張れ」ポン
405: 1:2012/7/5(木) 21:30:27 ID:/IYOYjJJsM
男「まだだ!!まだ死亡フラグの効果はある!!」
先生「テスト用紙配るから静かにしろー」
男「(大丈夫、この日のために勉強はそんなにしなかった…俺なら…出来る!!)」
男「・・・」カサッ
男「(なん・・・だと?)」
男「(問題の八割が選択問題!?さらに記入欄に語群がある!?)」
男「(しかもピンポイントで女と勉強したとこじゃねーかぁぁぁ!!)」
女「・・・」カリカリ
友「(今年はやや手抜きだな…)」
幼「(あ、あれ!?Aだっけ?Bだっけ?)」
406: 1:2012/7/5(木) 21:53:07 ID:wSCN2jx8Hc
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
そして400突破感謝!!
407: 名無しさん@読者の声:2012/7/5(木) 22:22:34 ID:GeuF5UaDyk
400突破おめでとう!
っCCCCC
408: 1(支援感謝):2012/7/7(土) 07:28:26 ID:JT2H7YbAmk
数時間後
男「終わった…色んな意味で終わった」
女「ふむ…見直しが少し甘かったような気がしたが…まあ、大丈夫か」
友「今年はやや手抜き感があったからね、多分大丈夫でしょ」
幼「ふ、ふええ…友君…」
友「どうしたの?」
幼「問三の答えって、Aだよね?」
友「・・・僕はBだったよ?」
男「俺もだ」
女「私もBだったな」
幼「・・・」
友「ま、まあ、試験はまだ2日あるし…大丈夫だよ、ね?」
幼「うん…」
409: 1:2012/7/7(土) 07:36:03 ID:JT2H7YbAmk
翌日
男「(またか…また勉強したとこにジャストミートじゃねーか!!)」
女「(似たような問題の羅列…これは問題作成側に問題があるのではないか?)」
友「(あからさまに選択問題で数を稼いでるなぁ…)」
幼「(・・・もう、ゴールしてもいいよね?)」
友「(幼さん、ゴールしちゃ駄目だ)」
女「(そうだ、諦めたらそこで試合終了と某先生も言っていたぞ)」
幼「(二人とも…ありがとう!!)」
男「(ていうか、お前ら思考で会話すんなよ)」
410: 1:2012/7/7(土) 07:45:47 ID:JT2H7YbAmk
更に翌日
幼「(わかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんない)」
男「幼、怖い」
友「オーラが溢れてるね」
女「うむ…あそこまでいくともはや可哀想になってくるな…」
後輩「もう試験は終わりましたのに…」
友「試験中は幼さんはかなり集中してたみたいだから大丈夫だと思ったんだけど…やっぱりダメージは大きかったんだね…驚きだよ」
後輩「なんとか幼先輩を元気付けてあげたいです…」
男「おれは当然のようにここにいるお前の方に驚きだよ」
411: 1:2012/7/7(土) 07:55:09 ID:ebTLpdRHNY
友「男、そういえば来週からの練習だけど」
男「わかってる」
友「ならよかった」
女「ふむ…私もそろそろ生徒会の方にいかねばならないな…」
幼「後輩ちゃん…」
後輩「はい?」
幼「これから…用事ある?」
後輩「いえ…特には」
幼「じゃ、いこっか」
後輩「へ!?へ?どこにですか?ちょ、幼先輩!?」
男「おー、引きずられていったな」
友「まあ、君もひきずられるんだけどね」
男「引きずらなくてもいくっつの!!」
412: 1:2012/7/7(土) 07:59:57 ID:JT2H7YbAmk
生徒会室
女「皆、待たせた」
会計「会長、遅いですよ」
女「すまない、少し雑談に染まっていた」
庶務「雑談って、試験結果についてですか?」
女「まあ、そうだな」
副会長「けっ、結果なんてアホらしい」
女「副会長、お前のそういう打ち込まない姿勢はあまり感心しないな」
副会長「ノルマさえいってればいいだろ?」
女「そういうのではなくてだな…」
書記「・・・議題」
女「すまない、書記」
女「それでは、本日の会議を始める」
413: 1:2012/7/7(土) 08:05:14 ID:ebTLpdRHNY
女「それでは、決を取らせてもらうが…ごみの分別及び、リサイクル活動は先程の案でいいか?」
書記「・・・」コクン
会計「異論無しです」
書記「向かいに同じく」
女「ありがとう、副会長は?」
副会長「反対する理由がねーだろ」
女「全く、素直に言えばいいものを」
副会長「るせー」
女「やや時間が余ってしまったな…試験についてでも話し合ってみるか?」
庶務「ちょ!!それはいいっすよ!!」
女「まずは…庶務からだな」
庶務「えー…自分からっすか…」
庶務「あー、まー、平均はいいっすよ?」
女「私が聞いているのは出来たか出来ないかだ」
庶務「・・・あまり出来ませんでした」
女「まあ、チャンスはまだあるさ」
414: 1:2012/7/7(土) 08:11:19 ID:ebTLpdRHNY
女「会計は?」
会計「普通ですよ、わかったりわからなかったりの繰り返しです」
庶務「そ、そう!!自分もそんな感z」
女「ふむ…まあ、会計の成績なら当然か」
庶務「・・・」
女「書記は?」
書記「問題…ありません」
女「そうか?ならばいいのだが…」
庶務「意義あり!!どこが問題無いのかをできるだけ詳しく!!」
書記「…問題の…八割は選択問題の羅列…故に答えは自ずと高くなる…更に授業のノートを見返せば六割はとれてた…」
庶務「なん・・・だと?」
女「ノートか…そういえば見返してなかったな」
庶務「え」
会計「でたよ、会長お得意の丸暗記」
副会長「特に男に関しての情報は親より詳しいときたもんだからな」
女「よせ…照れるじゃないか…」
庶務「(照れる内容じゃないと思うんすけど…)」
415: 1:2012/7/7(土) 08:18:16 ID:JT2H7YbAmk
女「さあ副会長、残るはお前だけだが…まさか、皆が言ったのにお前だけ言わないという卑怯な手は取るまいな?」
副会長「ちっ、計算通りか」
副会長「会計と同じだよ。普通、だな」
女「ほう?」
庶務「あれ?でも確か副会長先輩、この前の抜き打ちで一位でしたよね?」
会計「そうそう、会長を抜かしたもんね」
女「あの時は油断した上に不覚をとったな…」
副会長「あん時は…あれだよ、たまたま見た教科書の内容がそっくりそのままテストに…」
庶務「元不良なのに頭がいいって、どんだけハイスペックなんですか」
副会長「・・・埋めるぞ?」
庶務「サーセン!!」
416: 1:2012/7/7(土) 08:51:37 ID:uCOOGAqkaA
副会長「それで?例の剣道部の応援はどうなったんだ?」
女「む、折角私が雑談で場を繋いでたのに…」
会計「その様子だと順調ではないんですか?」
女「いや、恐ろしいくらいにすごぶる順調だ…だが」
庶務「だが?」
女「全校生徒をそのままいかせるわけにはいかないからな…有志を募って数人いくというわけだ」
副会長「俺パス」
会計「あ、私も」
庶務「向かいに同じく」
書記「・・・行きます」
女「そうか…皆いかないか…ん?」
女「書記?くるのか?」
書記「行きます」
417: 1:2012/7/7(土) 15:57:20 ID:EvAzpROGN6
副会長「珍しいな、こういうのには基本だんまりなお前が」
書記「・・・」
女「だが、これを通じて積極性に目覚めたり、スポーツに興味を持つのはいいことだと私は思うぞ」
副会長「(興味を持つ…?)」
副会長「おい、書記」
書記「?」
副会長「別に話したくなければいいが、なんでいくんだ?」ヒソヒソ
書記「男さんが…出るから」
副会長「おま…それって」
女「書記、日程について打ち合わせをしたいから来てくれ」
書記「はい」
副会長「・・・マジかよ」
418: 1:2012/7/7(土) 16:06:16 ID:Gsyx0wPbl2
剣道場
主将「遅い!!そんな踏み込みで相手の面がとれるか!!」
部員「はい!!主将!!」
主将「脇の締めがゆるい!!そんなんじゃすぐに体制を崩されるぞ!!」
部員「はい!!主将!!」
主将「そして友!!」
友「何?」
主将「いい加減に面を打たせてくれないかな!?」
友「嫌だよ、負けるじゃん」
主将「うがああああ!!」
友「っ!!力押しって…」
部員「ていうか主将、友さんとの試合中に俺達の事見てたのか、すげーな」
部員「おい!!向こうで男さんが試合やってんぞ!!」
友&主将「!?」
419: 1:2012/7/7(土) 16:12:25 ID:GMHrV7kuVo
男「・・・」
部員「(な、なんてプレッシャーだ…踏み込めない!!)」
男「・・・ふぅぅぅ」
部員「(う、打たなきゃ負ける!!)」
部員「うわあああ!!」
男「・・・」ヒョイ
部員「・・・あ」
男「瞬迅k」
友「はいストップ」
男「なんだよ、折角のチャンスだったのに」
友「ただの突きに変な名前をつけないでよ、ただでさえ気味悪がられてるんだから」
男「へいへい」
友「出来たの?一回戦の作戦」
男「ごり押し」
友「・・・」
男「一回戦相手に一々策を弄する必要ねーだろ」
友「そういうわけじゃないんだけどな…」
420: 1:2012/7/7(土) 16:20:01 ID:Gsyx0wPbl2
主将「男!!その心意気は立派だが、備えあれば憂いなしというもの!!どんな敵が相手だろうと、自分の全力を出しきって戦うのだぞ!!」
男「てか、一回戦の相手は檀浦だろ?今さら知ってる相手だしな〜」
主将「敵を知り己を知れば百戦危うからず、今年はお前たちに期待しているぞ」
友「全力をだすよ」
男「それなりにな」
主将「・・・」
男「な、なんだよ…その目は…」
友「主将、そんなオブラートに包まなくても、もっとこう…養豚場にいる豚を見るような目をしてもいいんだよ?」
男「お前はさりげなく酷いな」
421: 名無しさん@読者の声:2012/7/7(土) 16:34:13 ID:R.4SEAs2Bs
男と戦ってる部員その気持ちは痛いほどわかるぞ
422: 1:2012/7/7(土) 22:07:30 ID:YPLqxLbIOU
>>421
男「なんだよ、皆して俺を化け物みたいに」
友「化け物みたいだと尊敬されてるんだよ」
男「嬉しくねーなおい」
423: 1:2012/7/7(土) 22:12:42 ID:NH9BauUQ56
主将「とにかく!!大会当日まで、各々が出来るさいだゃいげんの…」
男「(噛んだな…)」
友「(噛んだね…)」
部員s「(噛んだ…)」
主将「・・・今噛んだって思った奴、全員前でろ」
男「わーお、怖い」
友「ふざけてる場合?」
男「じゃ、あと任せた…部員」
部員「俺ですか!?」
主将「とにかく!!大会まで数日もない、気合いを入れていけ!!」
男「ようやく締まったな」
424: 1:2012/7/7(土) 22:15:11 ID:NH9BauUQ56
下駄箱
男「ようやく帰れるな」
副会長「おい」
男「ん?よう、副会長」
副会長「ちょっと、面貸せや」
男「え…帰りたいんだけど」
副会長「すぐ済む」
男「?」
副会長「ついてこい」
男「・・・」カタン
男「よし…帰るか」
副会長「帰んなよ」
425: 1:2012/7/7(土) 22:25:00 ID:YPLqxLbIOU
男「で?なんだよ、話って」
副会長「会長からすでに聞いていると思うが、お前たち剣道部の大会についてだ」
男「あー、確か応援するとかなんとか言ってたな」
副会長「まあな、それで今のところ候補者は会長と書記の二人だけだ。まあ、まだ増えるけどな」
男「へー、書記がね」
副会長「お前…書記と何かあったのか?」
男「なんでそうなる」
副会長「かくかくしかじか」
男「書記の立候補の理由が俺?」
副会長「お前がいるからいくんだとよ」
男「・・・」
副会長「お前には会長がいるからそんなことないとは思うが…一応伝えとくぞ?」
男「この事、女は?」
副会長「知らない、つか言ってない」
男「そうか…」
副会長「あいつがこんなことで書記を敵視する奴じゃないのはわかってるつもりだが…念には念をいれてな」
男「わかった、教えてくれてありがとう」
副会長「おう、悪いな引き留めて、気をつけて帰れよ」
男「ああ」
426: 1:2012/7/7(土) 22:35:59 ID:YPLqxLbIOU
男「書記が…俺を理由に応援に…か」
男「なんでそんなこと…ていうか、どうして俺は後ろめたさを感じているんだ?」
男「はあ…試験終わったばっかで頭疲れてるってのに」
女「それは大変だ。素早く帰宅をし、脳を休めるといい」
男「うお!?女?」
女「あまり人を見て驚くのは感心しないな」
男「いや…どうしてここに?」
女「お前が玄関から出ていくのを生徒会室から確認したので、走って追いかけてみた」
男「・・・」
女「む、どうした?」
男「あ、いや…なんでもない」
女「試験疲れでややナーバスになっているみたいだな…こんなときはゆっくり休養に限るぞ」
男「あ、ああ…」
女「さて、立ち話もなんだし、帰ろうか」
男「おう…」
427: 1:2012/7/7(土) 22:43:40 ID:NH9BauUQ56
女「そういえば、大会の応援の件だが…」
男「お前と書記が来てくれるんだろ?心強いよ」
女「誰かから聞いたのか?」
男「副会長がな」
女「全く、表面では興味ない素振りを見せながらも、しっかりと役目をこなしているな」
男「あいつはそんな奴だったよ今も、昔も」
女「やはり、彼を副会長にして間違いはなかったな」
男「今のセリフを聞かしてやりたいよ」
女「ふふ、別にいつでも言ってやるぞ?」
男「っと、着いたな」
女「うむ、ではここでお別れだな」
女「男、愛しているぞ。また明日な」
男「なんか間違ってる気がするが…じゃあな」
バタン
女「・・・やはり、まだ返してはくれないか」
428: 1:2012/7/7(土) 22:45:40 ID:YPLqxLbIOU
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
429: 1:2012/7/8(日) 11:27:05 ID:YPLqxLbIOU
家
男「ただいまー」
母「♪〜♪」
男「母さんが凄い上機嫌だ…」
男「(長年の経験から言わせてもらえば…恐らく)」
母「お、と、こ、君?」
男「なに?」
母「もうすぐ夏休みだよねぇ?」
男「そうだな」
母「7月には大会があるんだよねぇ?」
男「そう…だけど?」
母「8月はなんもないよねぇ?」
男「何が言いたい」
母「海行こう!!海!!」
男「あんたは小学生か!?」
430: 1:2012/7/8(日) 11:38:35 ID:v30u1fEZ4U
母「家族皆で海…楽しみだね…」
男「毎年行ってるから特に何の面白みもないがな」
母「今年はどんなのにしよっかな〜」
男「そしてナンパされまくるんだろ」
母「父君の水着楽しみだなぁ…」
男「両親がナンパされる息子の気持ちを考えた事はあるのか?」
母「そうだ!!今年は女ちゃん一家も誘いました!!」
男「だからいきなり…え?」
母「何〜?楽しみ〜?」
男「・・・まあな」
母「・・・男君がデレたー!!」
男「やかましい!!」
431: 1:2012/7/8(日) 11:54:02 ID:yNzGmcFMN2
母「なんで?ねえなんで!?」
男「気、気の持ちようだろ」
母「ふーん?」ニヤニヤ
男「とりあえず殴っていい?」
母「家庭内暴力反対!!」
男「殴られた人より…殴った拳の方が痛いんだぞ?」
母「とりあえず殴らんといて!!」
男「まあいいや、疲れてるから部屋で休んでる」
432: 1:2012/7/8(日) 12:33:18 ID:2ggFDejXpI
男「つっかれた…そいや女の家族も誘うんだっけか…」
男「そろそろ女から連絡来そうだな…」チラッ
男「って、一体何に期待して…」
プルルルルルルル
男「・・・」
男「もしもし?」
女「お、男!!今、家か!?」
男「そうだが?」
女「お、落ち着いて聞いてくれ!!私もたった今帰宅したばかりなのだが」
男「とりあえずお前が落ち着け」
女「う、海…に、いくらしいんだ…私と、お前の家族で」
男「うん、聞いた」
女「そ、そうなのか…それで…だが…」
女「私は行くのを…辞退しようと思う」
433: 1:2012/7/8(日) 12:37:06 ID:hsxByxJUlA
男「は?なんで?」
女「な、なんでって…迷惑だろうし…それに…」
男「・・・」
女「実は…先程父から話を聞いた時から…お前の水着姿の妄想が止まらないんだ…妄想でさえいっぱいいっぱいなのに…もしも現物を見たりしたら…私は」
男「いんじゃねーの?俺もお前がいたら楽しいし」
女「男…」
男「とにかく来いよ、寂しいだろ?」
女「ま、前向きに考えてみよう…ではな」
男「おう」
男「前向き…ね」
母「ご飯できたよー」
男「わかった」
434: 1:2012/7/8(日) 16:37:01 ID:KyX.ipKrAE
母「ねえねえ」
男「どうした?」
母「裸エプロンって、喜ばれるかな?」
男「ブフー!!」
母「や、やっぱり変かな?」
男「その前になんで裸エプロンとやらになったのかの説明を求む」
母「えっと…今日仕事で同僚さんが、裸エプロンで旦那は喜ぶって…」
男「・・・あー、喜ぶかどうかには個人差があってだな」
母「父君喜ぶかな?」
男「・・・」
男「(喜ぶ喜ばない以前に、夜の営みを開催されちゃこまる…だが)」
男「父さんなら母さんがどんな格好してても喜ぶだろ」
母「本当!?」
男「父さんなら大丈夫だろ」
435: 1:2012/7/8(日) 16:43:45 ID:KyX.ipKrAE
母「良かったー、男君の意見はためになるね」
男「・・・」
母「あ、でも私がそんな格好するのは父君の前だけだからね?子供には刺激が強すぎます」
男「(子供には刺激が強いってわかってんのになんで聞いた!?)」
母「ところで、父君いつ帰ってくるのかな…男君わかる?」
男「わからん」
母「そっかー」
男「・・・」
母「裸エプロン…見たい?」
男「なんでそうなるんだよ!?」
母「だって見たそうな顔…」
男「してねーよ」
母「ふふ、女ちゃんやってもらいなさいね」
男「あいつがそんなこと…」
男「・・・しそうだ」
436: 1:2012/7/8(日) 16:51:17 ID:m5eJmx4D/U
男「はあ…母親がこんなにボケ属性があると苦労するよ」
母「?」
男「(ていうか、今更だが父さんも微妙に天然だよな?あれ?となるとこの俺の突っ込みは誰?)」
母「あ、そうだ」ゴソゴソ
男「?」
母「じゃーん!!」
男「ネックレスに…お守り?」
母「そうだよ、大会に向けて頑張ろうね」
男「お守りはともかく、ネックレスはつけちゃ駄目なんだが」
母「あ、そのネックレスはペアだから」
男「は?」
母「もうひとつは、男君が渡したい人に渡してね」
男「・・・」
437: 1:2012/7/8(日) 16:54:33 ID:m5eJmx4D/U
男「それじゃ、誰かに渡しとくか」
母「ふっふー」ニヤニヤ
男「部屋でゴロゴロしてる」
母「はいはーい」
母「男君」
男「ん?」
母「甘えたくなったら、いつでも甘えていいんだゼ?」
男「・・・ふっ」
バタン
母「・・・」
母「うにゃー!!男君にゴミを見るような目をされたー!!父君いないー!!」
男「うるせぇ…」
438: 1:2012/7/8(日) 23:42:24 ID:yNzGmcFMN2
男「はあ…やれやれ」
男「大会に女に書記に海に…やることいっぱいだな」
男「一つ一つほどいていかんと、俺の頭がもちそうにないな」
男「とにかく…もうすぐ夏休みか…」
男「今年は忙しい夏休みになりそうだ…」
439: 1:2012/7/8(日) 23:50:52 ID:yNzGmcFMN2
翌日 学校
校長「えー、であるからにして、生徒の皆さんは楽しい夏休みを、えー、過ごしてほしいと思います。三年生は進路等であまりゆっくりはできないとは思いますが、えー、楽しんできてください」
男「校長…話長いよ…」
女「たるんでるぞ男、心頭滅却すれば火もまた涼しだ」
男「暑いもんは暑い」
女「わがままな奴だな」
男「はあ…夏休み前に憂鬱にさせんといてくれ」
440: 1:2012/7/9(月) 00:05:38 ID:0CncDXXLC.
教室
男「無理…しんどい…嫌だ…」
友「本当に暑さに弱いんだね」
男「いや、弱いんじゃなくて、体育館が暑いだけだ…」
幼「もうすぐ夏休みだねー、皆なんか用事ある?」
友「大会の後は、勉強かな」
男「大学いくんだっけ」
友「うん」
男「まあ、頑張れよ」
友「男はどうするの?」
男「大学の後は海に拉致られる」
友「お父さんとお母さんにだね」
幼「毎年だねぇ〜」
男「毎年同じ地獄を見せられるんだぞ?」
友「男だから仕方ない」
441: 1:2012/7/9(月) 00:07:07 ID:yNzGmcFMN2
今日の投下はこれで終わりになります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
それと、投票してくださった皆さんありがとうございました!!
本当に感謝しています
これからも更新頑張りますね
442: 1(見返したら誤字があった…orz):2012/7/10(火) 15:32:16 ID:w6dNu/OzNI
男「俺は大学なんかいかねーからな!!」
女「いきなりどうした」
男「いや、前回のあらすじ的な物を」
友「大丈夫だよ、誰も気にしてないから」
男「とにかく、大会の後は海だ」
男「・・・女を連れてな」
女「!!」
幼「あれ?女ちゃんもいくんだ?」
女「あ、ああ…両親が誘われたから…着いてこいと」
友「つまりデート?」
男「親同伴だがな」
友「それなんていうお見合い?」
443: 1:2012/7/10(火) 15:38:48 ID:w6dNu/OzNI
女「幼はどうだ?何か用事があるのか?」
幼「私はね〜」
友「宿題」
幼「・・・はい」
男「幼は典型的な8月31日タイプだからな」
幼「ち、ちょっと忘れてるだけだもん!!」
男「それで、俺と友をこきつかう、と」
幼「だって早く終わるし…」
女「安心しろ、今年は私も手伝えるからな」
444: 1:2012/7/10(火) 17:09:59 ID:2h1TThKKVc
ガラガラガラガラ
後輩「せーんぱーい!!」
女「おっと」
後輩「えへへ〜先輩の匂いだー」スリスリ
女「こらこら、そんなに引っ付くな」
後輩「・・・」ジー
男「ん?」
後輩「(いい気味だわ〜、貴方はこんなこと出来ないでしょう?やったら変態認定ですもんね〜、ふふふ、女の子同士の特権なんだから、あんたはそこで指加えて見てなさいよ!!)」
男「なんだろう、凄いバカにされてる気がする」
445: 1:2012/7/10(火) 17:14:01 ID:2h1TThKKVc
女「・・・ふむ」
後輩「先輩?どうし…」
ぎゅー
後輩「っ!!」
女「おお、後輩の抱き心地は素晴らしいな、安眠枕を抱いているみたいだ」
後輩「・・・」
女「ふむ…それにこの香り…シャンプーかな?いいのを使っているな後輩…後輩?」
友「後輩が至福の笑顔で気絶してるんだけど」
男「やれやれ、クラスに運んでやるか…」
友「頑張れ」
男「人任せかよ…まあ、行ってくる」
ガラガラガラガラ
446: 1:2012/7/10(火) 17:26:49 ID:ax.EP6To5c
女「・・・」
友「どうしたの?」
女「いや、なんでもない」
友「寂しさ半分、安心半分…って所かな」
女「・・・」
友「男と何かあった?」
女「ここ数日…男と一緒にいる時間が長くてな…改めて私は男が好きなのだと気づかされたよ」
女「男は私の気持ちを考えてくれると言ってくれた…私は、それを利用してるのかもしれない」
女「私がいつも通り接して、男がいつも通りの反応をする…最近、男に無理をさせてるんじゃないか、答えを急がせてるんじゃないかって…思う時がある」
友「男は無理をしてはいないと思うよ、あくまで勘だけど」
幼「少なくとも、無理はしてないかな…勘だけど」
女「ありがとう…お前たちが言ってくれるなら、無理はしてはいないんだろうな…」
447: 1:2012/7/10(火) 18:00:42 ID:2h1TThKKVc
後輩「うへへへ…先輩…そんなとこ駄目ですよ〜」
男「こいつどんな夢見てんだ?」
書記「あ…男さん」
男「お、書記」
書記「なに…してるんですか?」
男「後輩を背負ってる」
書記「なんで…ですか?」
男「気絶したんだよ」
書記「会長…ですか?」
男「まあな、お前って後輩と同じクラスだよな」
書記「はい」
男「悪い、ついてきてくれ、さすがに下の学年の教室には入りづらいわ」
書記「手…繋いでも…いいですか?」
男「ん、構わんぞ」
書記「・・・」
後輩「(そんな…書記ちゃん?)」
448: 1:2012/7/10(火) 18:05:47 ID:2h1TThKKVc
男「ここでいいか?」
書記「はい」
男「おーい、後輩、起きろー」
後輩「んん…っ!?なんで貴方に背負われてるんですか!?先輩の肉体は!?」
男「言い方が生々し過ぎんだろ」
後輩「降ろしてください!!この変態!!」
男「運んだだけで変態呼ばわり…いいよ、帰るよ」
書記「・・・」
男「ん?どうした?書記」
書記「送ります…」
後輩「!!」
男「はは、大丈夫だよ」
後輩「駄目だよ!!書記ちゃんまでこの人の毒牙にかかっちゃう!!」
男「蛇かなんかか…じゃあな」
後輩「二度とこないでください!!」
書記「・・・」ノシ
449: 1:2012/7/10(火) 18:08:20 ID:2h1TThKKVc
後輩「ねえ…書記ちゃん」
書記「何?」
後輩「ひょっとして…男さんのこと…」
書記「・・・秘密」
書記「授業…始まるよ」
後輩「あ、うん」
後輩「(認めるのは癪だけど、先輩は男さんが好きなんだし…でも、書記ちゃんも男さんのことが…)」
後輩「くっ…複雑だなぁ」
書記「?」
450: 1:2012/7/10(火) 18:11:26 ID:2h1TThKKVc
ガラガラガラガラ
男「ただいま」
女「お、お帰り」
男「?」
友「ほら、女さん」
女「わ、わかってる!!」
女「えーと、だな…その…なんと言おうか…」
男「なんだよ」
幼「女ちゃん、ファイト!!」
女「お、男は!!」
男「うおっ!?」
女「私の事が…好き…か?」
男「なんだよ…とつぜ…」
友&幼「・・・」
男「(そういうことか)」
451: 1:2012/7/10(火) 18:14:11 ID:2h1TThKKVc
男「嫌いだったらこんな風に会話してないだろ」
女「あ…う…」
友「女さん?」
女「う…そうじゃくて…異性としてだ」
男「前にも言わなかったから?好きだけど、本気の好きじゃないた」
幼「・・・はあ」
男「え?」
友「がっかりだ…」
男「何がだよ」
女「ふふ…惨めな思いか…悪くない…ふふ、ふふふ」
男「お前らいったい何があった」
452: 1:2012/7/11(水) 00:26:18 ID:ZzXqDf.7IU
友「正直に言わせてもらうよ?君達二人を見てるとイライラする」
女「・・・」
男「濡れ衣だ」
友「お互い好きなのになんですれ違うのさ」
男「すれ違ってなんかねーよ、俺だって女に告白を…」
女「・・・え?」
幼「・・・」
友「わお」
男「あ…っ!と、とにかく!!すれ違いなんかねーから!!」
女「っ!!」ダッ
男「あ、おい!!女!!」
453: 1:2012/7/11(水) 00:29:30 ID:ZzXqDf.7IU
友「追いかけなよ」
男「え…でも…」
友「いいから」
男「あーもー!!」ダッ
ガラガラガラガラ
友「・・・まさか、男があんなこと言うなんてね」
幼「えーと…つまり、二人は両想いってこと?」
友「前からね、ただ…二人とも恥ずかしがって中々口に出さなかっただけなんだよ」
幼「う〜、よくわかんない」
友「そのうちわかるよ」
友「唯一残念なのは…女さんの顔が見れない事か…まあ、男以外が見るのは野暮って物だしね」
454: 1:2012/7/11(水) 00:34:03 ID:5bnePVgPgg
女「はあ…はあ…」
女「し、しまった…思わず走り出してしまったが、授業が始まってしまうではないか」
女「・・・教室には、戻りづらいな…」
女「・・・」
女「男が…私に…告白を…」
女「お、落ち着け!!ひょっとしたら私をからかってるだけかも…」
女「〜〜〜〜っ!!」
女「くそっ…私は本当に男が好きなのたな…」
副会長「何百面相してんだよ」
女「のわあああ!?」
副会長「うおおおお!?」
女「ふ、ふ、副会長か!!驚かすな!!」
副会長「驚いたのはこっちだ!!ていうか、授業始まるぞ?こんなとこにいていいのかよ?」
女「・・・」
副会長「訳あり…か」
女「実は…」
455: 1:2012/7/11(水) 00:40:27 ID:ZzXqDf.7IU
副会長「・・・マジ?」
女「//////」
副会長「(うわぁ…会長が乙女だよ…見せてぇ、生徒会の奴ら、特に会計に見せてぇ…)」
女「私は…逃げたのだろうか…」
副会長「・・・」
女「男が紡ぐであろう言葉を恐れて、逃げ出したのか…」
副会長「ただ単にあたまがこんがらがっただけだろ」
女「・・・」
副会長「ってか、お前は悩み過ぎなんだよ、もうちょい楽観すればいいじゃねーか」
女「楽観…か」
副会長「少なくとも男はお前を想ってくれてたんだろ?いいじゃねーかそれで」
副会長「男がお前に対して告白をしようとしたと仮定しよう、しかし男は先の言葉を続けなかった。何故かわかるか?」
女「それは…私の暴走を危惧して…」
副会長「アホ、とっくにお前の暴走なんて慣れっこだよ」
副会長「タイミングだろ。今は告白するタイミングじゃないんだろ、あいつの中では」
副会長「だったらお前が出来るのは待ってやる事じゃねーの?」
女「・・・」
456: 1:2012/7/11(水) 00:43:19 ID:5bnePVgPgg
副会長「ま、それは本人にしかわかんねーけどな」
女「お前が私をお前呼ばわりするのは久しぶりだな」
副会長「あの空気で会長って呼ぶのは結構きついぜ?」
女「待ってやる…か」
副会長「出来るか?」
女「安心しろ、待つのには慣れてる」
副会長「それでこそ我らが会長だ」
副会長「ほら、お迎えが来たみたいだぜ」
女「男…」
副会長「じゃあな、授業、サボりにならないといいな」
457: 1:2012/7/11(水) 00:44:49 ID:5bnePVgPgg
今日の投下はこれで終わりになります
段々キャラ崩壊ががが
そして展開がいつまでたっても進まない…
こんなんじゃつまらないですよねと思いつつも何故か展開を進められない
本当に申し訳ありません
見てくださった方々
ありがとうございました!!
458: 名無しさん@読者の声:2012/7/11(水) 09:56:55 ID:/ZKK41.bWM
壁|´・ω・)ノC ソッ
壁|ミ サッ
459: 名無しさん@読者の声:2012/7/11(水) 12:28:32 ID:c4UmHF1I6U
SSのことよくわからんけど
このむず痒くなる感じがいいんじゃないかな!
少なくとも俺は毎日の楽しみにします!
つCCCC
460: 1:2012/7/11(水) 19:41:38 ID:Y31WlCCwuM
>>458
可愛いなこんちくしょう
ナデナデしてモフモフしてぎゅーするから出ておいで、今ならお菓子つけるよ
支援感謝です♪
>>459
おおう、勿体なきお言葉。ありがとうございます!!
支援感謝です♪
461: 1:2012/7/11(水) 22:44:26 ID:swa4Hc0nRk
男「女…ここにいたのか」
女「男・・・」
男「ああっと…だな」
男「必ず、必ず返事を出すからさ、それまで待ってて欲しいっていうか…いつもどおりに接して欲しいっていうか…」
女「・・・」
男「お前が焦らせてるわけでもないし…えーと、つまり何が言いたいかって言うとだな…」
女「…ぷっ、くくく…」
男「なんで笑うんだよ」
女「くく…いやすまない、なんだか…力を入れているのが酷く滑稽に思えてな…」
男「んだよ…って、授業始まるぞ!?」
女「それはいかん、走るぞ男!!」
男「誰のせいだ誰の!!」ダッ
462: 1:2012/7/11(水) 23:43:33 ID:0xceCmYMJ6
昼休み
男「あー、危なかった…」
女「全くだ、危うく欠席になるところだった」
友「青春するのもいいけど、ほどほどにね」
男「なんかもう突っ込む気も失せるわ」
幼「でも、あと何日かで夏休みか〜」
男「明日から短縮授業になるんだっけか?」
友「うん、午後の授業を全部カットして、昼までの授業になるね」
男「といっても、俺達に休みはないんだろうがな」
「その通り!!」
463: 1:2012/7/11(水) 23:49:38 ID:uUPduihc4c
主将「我が剣道部も夏の大会に向けて猛特訓をするぞ!!」
男「主将、とりあえずうっさい」
友「ていうか暑苦しい」
主将「お前たち!!たるでいるぞ!!男児たるものいつでも気を引き締めておけ!!」
男「・・・嫌だ」
主将「一言!?」
友「部活で頑張ってるからいいでしょ?」
主将「友まで!?」
464: 1:2012/7/12(木) 00:44:05 ID:KyX.ipKrAE
主将「ぐぬぬ…貴様らには向上心というものがないのか!?」
男「そんなもの母親の体内に置いてきた」
友「僕の辞書にあったその項目は破り捨てた」
主将「見事に後ろ向き走法!?」
主将「会長!!礼を失しているのは百も承知だが…頼む!!貴女からもこの二人に出るように…」
女「というわけだ、一生で今しか体験出来ない高校生の青春をしてこい」
男「ちっ、しゃあねーな」
友「女さんが頼むなら断れないね」
主将「・・・泣いていいか?」
465: 1:2012/7/12(木) 00:47:14 ID:KyX.ipKrAE
男「でもよ、そんな意気込まなくてもいいと思うぜ?」
主将「何!?」
男「この作者の事だ、恐らく数日後とかでスキップするだろうよ」
主将「ははは、そんなわけなかろう!!」
友「このセリフがフラグだということにまだ気づかないのか…」
主将「ではな、男!!友!!剣道場で会おう!!」
466: 1:2012/7/12(木) 13:44:28 ID:eEfZqNrbHk
数日後
男「いやー、かなり厳しい練習だったなー」
友「でも、得たものもあるよね」
主将「・・・」
男「主将、拗ねんなよ」
主将「別に、拗ねてないし。折角の俺の出番の練習シーンが潰れて作者消えろとか思ってないし」
友「ちなみに修了式は終わっています」
男「そういうわけだ」
主将「解せぬ」
男「細かい事気にする奴はモテないぜ?」
主将「やかましい!!お前に言われたくないわー!!」
467: 1:2012/7/12(木) 14:43:08 ID:cyWMw/Cl.6
友「ほら、今日から夏休みなんだから、いっぱい練習するんでしょ?」
主将「勿論だ!!泣いたって止めてやらんからな!!」
男「訴えたら?」
主将「それは…止める」
友「(可愛いな…)」
男「まあ、練習あるのみだろ?」
主将「ふふふ、貴様らからはやる気が感じられんな…」
男「いきなりどうした」
主将「そう思い、今日は特別ゲストを呼ん…」
女「主将、竹刀が二本痛んでいたぞ。手入れはしっかりした方がいい」
主将「はいすみません!!」
468: 1:2012/7/12(木) 15:05:09 ID:cyWMw/Cl.6
男「何故いる」
女「呼ばれたからだ、いちゃ悪いか?」
男「いや…他にやることとかあんだろ」
女「うむ…お前を影から少女漫画よろしく見つめる事か?」
男「それ見つめるちゃう、覗きや」
主将「会長はたるんでるお前らに喝をいれてくださ…」
女「ほらほら、ここか?ん?ここがいいのか?」
男「ばっか!!胴着脱がすな!!体を絡めるな!!」
主将「・・・」
友「男専用の喝もとい妨害だね」
469: 1:2012/7/12(木) 15:25:27 ID:9GMRMogL2I
女「・・・」
男「あー、じゃあ練習始めんぞー」
友「その前に女さんが不満そうな顔で隅っこに座ってる説明は?」
男「好きに妄想していいし、後で構うから、隅っこで大人しくしてろと交渉してきた」
友「交渉?」
男「それと引き換えに、練習で汗だくの俺を見せろだとよ」
友「女さんらしい条件だね」
男「というわけだ主将」
男「全力でこい」スッ
主将「くくく、お前と戦うのは久しぶりだな」
主将「いいだろう」スッ
友「(これは…なし崩し的に僕が審判なんだろうな…はあ)」
470: 1:2012/7/12(木) 15:29:12 ID:9GMRMogL2I
男「うおおおおお!!」
主将「はああああ!!」
友「暑苦しいね〜」
女「これこそが剣道というものだろう」
友「男が全力出すのは久しぶりなんじゃない?」
女「そうなのか?」
友「うん、いつもは疲れたくないから手を抜いているらしいけど」
女「ということは、あれが今の全力か」
友「いや…まだ全力じゃない」
女「?」
友「男が全力を出すのは…女さん、君が関わってくると思うよ」
471: 1:2012/7/12(木) 18:23:54 ID:q4PxVscOMk
主将「どうした!?手を抜くのに慣れて腕が錆びついたか!?」
男「ぬかせ!!主将こそ、俺の動きについてこれんのかよ!!」
主将「ふん!!見せてやる!!」
主将「ふぅぅぅぅぅ」
男「っ!?」ピタッ
女「む?男の動きが止まったが?」
友「主将が後の構え、つまりカウンターの構えを取ったんだよ」
女「なるほど、それなら迂闊に攻められないな」
472: 1:2012/7/12(木) 18:28:31 ID:q4PxVscOMk
男「っ!!卑怯だぞ!!正々堂々戦え!!」
主将「ふはは、ただ闇雲に攻撃するだけが剣道にあらず!!」
主将「怒涛に攻め、山のように守るのもまた戦術!!」
男「くそ…」スッ
女「今度は男が構えを変えたが?」
友「うーん…突き、かな」
女「ほう、あれが突きか?しかし…」
友「貫くだけなら誰でもできるんだけど…あの後の構えにどう対応するつもりなんだろ」
女「貫くというより、穿つといったほうが正しいかもしれん」
友「へ?」
女「見ておけ、これから二人が何をするか」
473: 1:2012/7/12(木) 18:50:48 ID:C6QmoG8oLc
男「・・・」
主将「(男よ…お前の狙いは既に見切った!!)」
主将「(恐らくお前は、突きでフェイントをかけて俺の防御を崩す気だろう…だが!!)」
主将「(フェイントだとわかっていれば終始防御をしていれば問題ない!!)」
男「・・・よし」
主将「(くるかっ!?)」
男「そぉーい!!」ビュン
友「全力で突きにいった!?」
主将「(何!?)」
主将「うぼああああ!!」
女「吹っ飛んだぞ」
友「そうか…重心の矛盾を逆手に取ったのか」
474: 1:2012/7/12(木) 19:53:10 ID:SZEVTH1fAU
女「相手が最も重心を置いてある部分、そこを全力で貫いたのか」
友「重心を置いてあるから安心するという相手の油断をついたんだ」
友「最も、重心を見極める観察眼、重心を正確に貫く正確性、何より、反撃を恐れない勇気が必要だけどね」
女「ああ、見事な一撃だった」
男「・・・ぇぇ」
友「?」
男「怖ぇぇ!!反撃されてたらヤバかったー!!」
女「・・・反撃を恐れない…勇気?」
友「・・・」
475: 1:2012/7/12(木) 19:56:36 ID:SZEVTH1fAU
主将「うぐ…見事だ…男」
男「主将…」
主将「これなら…安心して…後を任せられる」
主将「後は…頼んだ…」
男「主将ー!!」
女「男!!約束はどうした!?おいで!!」
男「あー、女との約束あるからいくわ」
主将「・・・」
友「・・・」ポン
主将「ひっく…ぐす…」
476: 1:2012/7/13(金) 00:14:58 ID:wSCN2jx8Hc
女「おお…これが…汗まみれの男…」
男「・・・あまり寄らないでくれ」
女「なんか…こう…フェロモンみたいなものが身体中から溢れているのを感じる」
男「アバウトだな」
女「こ、この距離で意識が持ってかれそうなのに…至近距離で浴びたら…ふふ、ふふふ…」
男「おーい」
女「とりあえず胴着を脱げ、話はそれからだ」
男「急に冷静になったな」
477: 1:2012/7/13(金) 00:22:10 ID:wSCN2jx8Hc
カチャカチャ
男「これでいいか?」
女「・・・」
男「?」
女「(汗が、汗が体育着を湿らせて男の裸を写し出している!!飛び付きたいぃ!!落ち着け私!!欲望に打ち勝てばそのあとに待つ褒美が…)」
男「大丈夫か?」
女「やっぱ無理ー!!」
男「うわああ!?」
女「はあああん!!男の匂いだ!!汗だ!!体臭だ!!」
男「ヤバい事口走ってるぞこいつ!!」
女「もう我慢できん!!その熱くたぎった手や舌やピーで私のピーをピーピー!!」
男「ピー音使いすぎだろ!!」
478: 1:2012/7/13(金) 00:34:55 ID:I7oCFnU6xU
友「まああっちのバカップルは放っておいて」
男「放っとくな!!」
友「どうするの?何か作戦とかはあるの?」
主将「うむ、男と戦ってみてわかったが、そこらの雑兵ごときではまず倒されないだろう」
友「これ剣道の試合だよね?戦争じゃないよね?ていうか、戦争と剣道ってなんかにてるけど全然違うからね?」
主将「友、真顔で突っ込むな、怖い」
主将「ともかく、全五試合中、三勝を取ればいいだけの話だか、やはり初戦は華々しく全勝で始めたいと思う」
友「先鋒、次鋒は大丈夫なの?」
主将「うむ、俺考案の特別練習をやらせてみた」
友「え」
主将「何故か俺に恨みのこもった視線を浴びせてきたが、強くなるためには仕方ない」
友「(それ本当に恨み買ってると思うよ…)さて」
友「あれ、どうしようか」
479: 1:2012/7/13(金) 00:43:01 ID:wSCN2jx8Hc
女「ふふふふ…逃げられんぞ…大人しく私にまさぐられろ、ていうか私をまさぐれ」
男「どっちも断る!!」
主将「・・・」
友「えーと…男に馬乗りになってワイシャツがはだけて下着が見えるか見えないかぐらいのきわどいチラリズムを披露しながら男の体に蛇のように手足を絡めようとする女さんとそれを阻止せんと引き剥がそうと努力をするものの体が密着しているからふとした拍子に胸を触ってしまうかもしれないため男はあまり手を動かせず女さんもその意図を読み更に体を密着させてますます男は女さん引き剥がせなく…」
主将「なんだこれ」
友「そうだね、状況説明及び解説実況をしてる僕が一番言いたいね」
480: 1:2012/7/13(金) 00:43:35 ID:I7oCFnU6xU
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481: 1:2012/7/13(金) 23:05:11 ID:jV4unYXmYY
女「ほら、水だ」
男「おう、すまねぇ」
女「いい汗をかいたな」
男「俺にとっては嫌な汗だけどな」
女「しかし、試合まで後数日もないのだろう?大丈夫なのか?」
男「わからん」
主将「大丈夫ですよ、会長」
主将「我ら、決して相手を見くびってはいないものの、全勝をして見せます」
女「頼もしいな」
主将「それに、檀浦とは因縁がありますから…なんとしても勝たなければ…」
友「学校から応援も来るんだ、負けるはずがないよ」
主将「そうだな」
482: 1:2012/7/13(金) 23:11:02 ID:C6QmoG8oLc
男「・・・」
女「どうした?複雑そうな顔をして…まさか、怖じ気づいたのではないだろうな?」
男「んなわけあるか」
友「あ、そういえば防具に傷があったんだっけ?」
女「ああ、少しばかりな」
友「ついでに買っておこうか、いってくるよ」
主将「ならば俺もいこう。自分を守る防具は自分で選びたいからな」
友「男は?」
男「お前らに任せる」
友「わかった、いこうか主将」
主将「ああ」
483: 1:2012/7/13(金) 23:16:01 ID:jV4unYXmYY
男「・・・」
女「・・・」
男「もう…夏だな」
女「ああ」
男「昨今の若者は、部活やらで青春の汗を流してるんだろうな」
女「お前だって流しているだろう」
男「どうなんだろうな…なんか、真剣に打ち込んでるって思えないんだ」
女「周りの評価が気になるのか?」
男「多少」
女「らしくないな、いつだってお前はお前だろうに」
女「周りを気にせず自分のスタイルを貫け、評価なんて後からついてくる」
男「!!」
女「覚えてるか?お前と初めて会った時にお前が私に言ってくれた言葉だよ」
484: 1:2012/7/13(金) 23:20:14 ID:C6QmoG8oLc
男「また懐かしいのを…」
女「お前にとってはどうでもいい記憶かもしれんが、私にとってはとても大事な思い出なんだぞ?」
女「生き方が変わったからな」
男「そうか…」
女「だから…周りなんて気にするな、私が好きなお前でいてくれ」
男「努力はしてみるよ」
女「自分らしくするのに努力は必要ないと思うがな」
男「女…」
女「ん?」
男「この大会が終わったら、お前に伝えたい事がある」
女「・・・」
女「ああ、楽しみに待っている」
485: 1:2012/7/13(金) 23:23:15 ID:jV4unYXmYY
男「しっかし、友の奴ら遅いな…」
女「案外、気を遣っているのかもしれんぞ?」
男「あ?誰に」
女「・・・」
男「・・・逃げ」
女「れないからな?」ニコ
男「うぎゃあああ!!」
友「結局こうなるんだねぇ」
主将「覗きとは…趣味が悪いぞ、友」
友「主将だって楽しいくせに」
486: 1:2012/7/13(金) 23:40:02 ID:jV4unYXmYY
大会当日
主将「いいか!!皆!!」
主将「これからいよいよ大会が始まる!!」
主将「初戦の相手はあの檀浦高校だが、臆するな!!この日のために練習をしてきた自分の実力を信じろ!!」
主将「更に今日は会長をはじめ、有志の人が応援に来てくれた!!」
主将「無様な体は晒すなよ!?」
先鋒「はい!!」
次鋒「わかりました」
友「全力は尽くすよ」
男「ま、応援に応えるとするか」
主将「では…出陣!!」
487: 1:2012/7/13(金) 23:43:22 ID:C6QmoG8oLc
審判「それでは、先鋒、前へ」
先鋒「・・・」ドキドキ
敵先鋒「・・・」
審判「互いに礼!!」
審判「始め!!」
先鋒「はあああああ!!」
敵先鋒「いやああああ!!」
男「まずは互いに牽制か」
友「うん、ここからだね」
先鋒「はっ!!」ダン!!
敵先鋒「くっ!!」
先鋒「そこ!!」
敵先鋒「うぐっ」
先鋒「せいやぁ!!」タン
審判「面有り!!」バッ
主将「よっし!!」
友「まずは一勝だね」
男「ああ、いいスタートだ」
488: 1:2012/7/13(金) 23:47:15 ID:C6QmoG8oLc
審判「次鋒、前へ」
次鋒「・・・」スッ
敵次鋒「・・・」
審判「・・・始め!!」
敵次鋒「いやあああ!!」
次鋒「・・・」
友「ん?次鋒、どうしたんだ?」
男「見てればわかる」
主将「ふふん」
敵次鋒「(打ってこない?だったら先に仕掛ける!!)」
敵次鋒「はああ!!」
次鋒「・・・遅い!!」
審判「抜き胴!!」バッ
敵次鋒「な…!?」
次鋒「・・・」
友「なるほど、返し技を狙ってたのか」
男「馬鹿みたいに雄叫びをあげる奴はあれに引っ掛かりやすいからな」
主将「友、しっかり決めてこい」
友「うん」
489: 1:2012/7/13(金) 23:52:02 ID:C6QmoG8oLc
審判「中堅、前へ」
友「・・・」スッ
中堅「・・・」ザッ
男「うわ、ガタイがいいな…」
主将「うむ…だが、体格で勝ちが決まるわけではない」
審判「・・・始め!!」
中堅「うおおおおお!!」
友「・・・」チャキ
490: 1:2012/7/13(金) 23:54:17 ID:C6QmoG8oLc
幼「あれ?会場ってこっちで合ってるよね?」
女「ああ、パンフレットを見る限りはな」
書記「・・・」
後輩「あ、友先輩!!」
女「どこだ!!」
書記「あそこ…です」
幼「いた…うわ!?相手の人大きいよ!?」
女「友!!頑張れ!!」
後輩「友先輩!!ファイトです!!」
491: 1:2012/7/13(金) 23:59:13 ID:C6QmoG8oLc
友「ふふ、応援されるっていいことだね…負けたくないって思うよ」
中堅「!!」
友「だから…全力でいくよ」
友「ふっ!!」ヒュン
中堅「(速!?避け、無理!!当たる!!)」
審判「面有り!!」
中堅「・・・」
友「ふぅ…」スタスタ
中堅「ま、待ってくれ!!」
友「・・・」
中堅「何故、何故そんなに強い!?」
友「決まってるだろ」
友「応援してくれてる人がいて、後ろに後を任せられる人がいる。そんな人たちに無様な姿は見せられないからね」
中堅「・・・」
友「後を信用してないわけじゃない、信頼してるから勝つんだ」
中堅「信頼してるから…勝つ」
友「そうそう、うちの副将と大将は強いから」
492: 1:2012/7/14(土) 00:01:36 ID:C6QmoG8oLc
男「お疲れ」
友「ん」
主将「圧倒的だったな」
友「男、しくじったら承知しないからね」
男「わかってる」チラ
女「・・・」
男「負ける所を見せたくない奴らが見てるからな」
主将「ああ、そうだな」
男「よし…いってくる」
493: 1:2012/7/14(土) 00:02:21 ID:C6QmoG8oLc
今日の投下はこれで終了となります
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494: 1:2012/7/14(土) 14:48:59 ID:2EhyZ4mXbI
審判「副将、前へ!!」
男「・・・よし」
幼「あ、男君が出るよ!!」
女「・・・」
後輩「ま、まあ頑張ってもらいたいものですね」
書記「男さん…ファイト…」
後輩「!?」
幼「女ちゃん、応援しないの?」
女「何故だ?」
幼「だって…応援…」
女「勝つとわかっている試合を何故応援せねばならない?」
後輩「ま、万にひとつの可能性も…」
女「それすらも覆すのが男さ」
495: 1:2012/7/14(土) 14:53:15 ID:2EhyZ4mXbI
審判「始め!!」
男「・・・」
副将「ヒッヒヒ、女たちに応援されるたぁ、とんだリア充だぜぇ」
男「何が言いたい」
副将「てめえみてぇな軟弱な野郎が剣士とはよぅ…虫酸が走るんだよぉ!!」
男「奇遇だな」
副将「な!?」
男「俺もそう思っていたところだ」
副将「(いつの間にこんな近くに!?避け、いや無理!!捌く!!)」
副将「うああああ!!」
男「っと、流石にゆっくりし過ぎたか」
副将「はあ…はあ…」
496: 1:2012/7/14(土) 14:56:37 ID:9V8icDA8WQ
幼「ああ!!折角あんなに近づいたのに…」
後輩「捌かれちゃいましたね…」
女「ふむ…」
書記「・・・」
主将「男ー!!情けをかけるな!!一気に決めろ!!」
男「わかってるよ!!」
副将「(終わる?馬鹿な?この俺が!?)」
副将「(い、嫌だ!!俺には才能があるんだ!!こんな奴らよりよっぽど上手いんだ!!それをこんな奴に負けるなんて!!)」
副将「(負け犬?敗北?落ちこぼれ?)」
副将「嫌だあああああ!!」
男「っ!!」
497: 1:2012/7/14(土) 15:02:03 ID:9V8icDA8WQ
審判「君!!それは反則行為…」
副将「うるせぇ!!」バシッ
審判「っ!!」
副将「俺はぁ、強いんだ!!てめえみたいな凡人に負けてたまるかよ!!」
男「はあ…全く」
副将「何溜め息ついてんだてめえ!!」ダッ
男「抜刀演舞、弐ノ型」
男「五月雨!!」タン!!
副将「うあっ!!」
男「審判さん、大丈夫ですか?」
審判「ありがとう、なんとかね…面有り!!」
副将「嘘だ…負けてない…負けて…」
男「・・・」
498: 1:2012/7/14(土) 15:12:03 ID:2EhyZ4mXbI
主将「ご苦労」
友「お疲れ様」
男「ん」
主将「気にやむ必要はない、ああいった輩には一発ガツンとやらなくてはならないからな」
男「わかってるよ、それよりしくじんなよ?」
友「ここまで全勝、凄いプレッシャーだね」
主将「ふふん、こんな重圧、気合いでなんとかしてくれるわ」
男「お前の場合本当になんとかしそうで怖いよ」
友「勝て…なんて、もういらないね」
男「いってこい、主将」
主将「応!!」
499: 1:2012/7/14(土) 15:16:41 ID:2EhyZ4mXbI
審判「大将、前へ」
主将「・・・」
大将「・・・」
審判「大将戦…始め!!」
大将「(今年の相手のデータは既に頭に入っている)」
大将「(こいつは信じられない程の力の持ち主、ゆえに攻撃が単調)」
大将「(冷静に攻撃を見極め、柔軟に対処し、臨機応変に技を繰り出せば…勝てる)」
主将「・・・すぅぅ」
大将「?」
友「あ」
男「お前ら!!耳塞げ!!」
幼「へ!?」
男「早く!!」
女「!!」ギュ
主将「ぶるああああああああ!!!!!!」ビリビリ
大将「っっ!?」
500: 1(500記念支援感謝!!):2012/7/14(土) 18:51:03 ID:wbmvmi.Dv6
大将「(な、なんだ!!このばかでかい声は!!)」
大将「(いや、声の大きさだけじゃない…構えに、隙がなくなった!?)」
主将「はああああ!!」
主将「豪破刃剣!!」
大将「なっ!?」
審判「!?」
「お、おい…今、竹刀から何か出なかったか?」
「ば、馬鹿言うなよ…」
ざわざわ…ざわざわ…
501: 1:2012/7/14(土) 18:54:42 ID:2TFT4mDCRU
大将「(馬鹿な!!ありえない!!竹刀から何かを出すなど科学的に考えて不可能だ!!)」
大将「(惑わされるな!!先程の威嚇といい、これは相手の戦術、冷静に対処…)」
主将「ぬぅぅん!!」ビュン
大将「(だ、駄目だ!!近づいたらやられる!!)」
大将「(近づいたら駄目、離れても先程の謎の攻撃…どうすればいい!?)」
主将「・・・」
502: 1:2012/7/14(土) 19:01:44 ID:quejT6K01c
友「見事に引っ掛かってるね」
男「あいつ、なんとなく理数系みたいな奴だからな」
友「さしずめ、先程の攻撃に混乱してるみたいだね」
男「実際は種も仕掛けもあるんだがな」
幼「な、何あれ!?波が、波が出たよ!?」
後輩「な、なんなんですか!?あれ!?人間なんですか!?」
書記「・・・」
女「落ち着け、光の反射さ」
女「といっても、簡単ではないがな…」
503: 1:2012/7/14(土) 19:06:02 ID:i8qIIA4RvI
男「しっかし、あれ格好いいよな」
友「男には一生無理だからね」
男「どうせあんな馬鹿でかい声ねーよ」
友「空気を震わせる程の大音量で、空気にある埃を浮かせて、勢いよく振った竹刀の剣圧と風圧で埃を飛ばす、その時に電気の光を反射させて、いかにも何かを出したように見せる」
男「実際にはダメージは無いけど、何もない竹刀からあんなん出たらびびるよな」
友「そして怖じ気づいた相手を」
主将「はああああ!!」
大将「く、くるなあああ!!」
男「力で終わらす…と」
審判「面有り!!」
504: 1:2012/7/14(土) 23:13:03 ID:NELhYH7MzI
主将「っしゃあああ!!」
幼「凄い!!全勝だ!!」
後輩「凄かったですね…特に最後の試合」
女「彼らならやってくれると、私は信じていたよ」
書記「皆さん…頑張りました」
友「まだ、気は抜けないけどね」
男「ああ、これから激戦になるしな…」
主将「うむ、皆、今日の勝利は胸に秘め、次の戦いに備えよう」
男「そうだな」
505: 1:2012/7/14(土) 23:19:24 ID:NELhYH7MzI
友「それじゃ、僕はこれで」
主将「うむ、俺もここで失礼しよう」
幼「男君、お疲れ様!!」
男「幼か、応援サンキュー」
後輩「先輩の前で無様な醜態を見せずにすみましたね」
男「そうだな」
書記「格好…よかったです」
男「ありがとな」
後輩「・・・」
506: 1:2012/7/14(土) 23:22:24 ID:MkB87Js9kk
女「初戦の感想は?」
男「意外に楽だったな、お前は?勝てる試合を見た感想は?」
女「そうだな、結末のわかってる物語はおもしろくないと思っていたが、どういう風に終わるのかを見る価値があるな」
男「そっか」
女「帰るのだろう?」
男「ああ、皆、帰ろうぜ」
507: 1:2012/7/14(土) 23:22:57 ID:MkB87Js9kk
今日の投下はこれで終了となります
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ありがとうございました
508: 1:2012/7/15(日) 09:31:32 ID:gnbnkKGQ4M
翌日
男「よっす」
主将「遅いぞ」
友「試合はもう始まってるよ」
男「いいじゃねーか、どうせ今日は試合は無いんだから」
主将「敵を知り己を知れば百戦危うからずというだろうが」
男「あーもー、んなことわざ引用しなくてもわかるっつの」
友「それで、今日はどこをマークするの?」
主将「ああ…赤井か、関原かな」
男「二回戦でどちらかと当たるんだろ?」
主将「うむ」
友「今日の試合で少しでも相手を調べておきたいね」
509: 1:2012/7/15(日) 09:41:59 ID:.bMWHj9yPU
男「お…いたいた」
友「今から先鋒戦だね」
主将「いいか、一手一足から少しでも情報を…」
男「ちょいまち、赤井を見てみろ」
友「あれは…突きの構え?」
主将「いきなり突きか?読まれるのではないか?」
男「・・・いや、あれは」
友「関原も構えをとったよ」
主将「馬鹿な、下段!?」
男「相手の突きの構えに対して下段構え?勝負を捨てたのか?」
友「赤井が動いた」
主将「真っ直ぐに突く…!?」
男「突くと見せかけて抜き胴!?」
友「でも、抜き胴に対しては、下段構えは効果的だ!!」
主将「関原は、これを読んでいたのか?」
510: 1:2012/7/15(日) 09:47:44 ID:.bMWHj9yPU
男「いや…赤井はあえて抜き胴を放ったんだ」
主将「どういう事だ?」
男「初動稼働範囲の広さだ」
男「剣を振りかぶってから突いたり薙いだりする場合は一度剣を引かなくちゃならない」
男「だが、突きからなら振りかぶりと違いいちいち剣を引かなくてもいい」
友「なるほど、突きの構えで高さを調節しておけば何を打つか決められるからね」
主将「しかし、あえて抜き胴を?下段なら小手や面を狙った方が…」
男「力の差を見せる為だ」
友「相手に精神的動揺を与える為だね」
511: 1:2012/7/16(月) 08:05:13 ID:LSStPKC926
主将「だが…関原には目立った動揺は見られないが?」
男「そこが謎なんだよな」
友「何か作戦があるのか、それともハッタリか」
男「何にせよ、目を離せないな」
主将「うむ」
友「次が始まるみたいだよ」
512: 1:2012/7/16(月) 08:19:07 ID:UhnBkjKWCI
男「・・・今のところ二対二」
友「大将戦で勝負がきまるけど…どうなのかな…」
主将「赤井は全員が突きの構えで来ていたな」
男「恐らく何を打ってくるかわからなくさせる作戦だろうな」
友「でも、それに反応できた関原の次鋒と副将は凄かったね」
主将「ああ…大将戦だ」
男「・・・」
友「やっぱり赤井は突きか」
主将「関原は中段だな…」
男「っ!!赤井はそのまま突きにいったぞ!!」
友「早い!!」
主将「む、関原は?」
男「柄で…払った?」
友「ということは面が…空いている…」
主将「うむ、関原の勝ちだな」
513: 1:2012/7/16(月) 08:26:11 ID:UhnBkjKWCI
男「はあ…結局何か掴んだか?」
友「威嚇が効きづらいかもしれないね」
主将「ああ…それ以外は普通だったしな」
男「うーん、まあ、なるようになるの…かな」
友「なんとかするしかない」
主将「戦う前から弱気でどうする、俺達ならやれる」
男「そうだな」
主将「今日はもう解散しよう、次の試合に備えてじっくり休んでくれ」
514: 1:2012/7/16(月) 13:45:32 ID:1tJwId4gUs
喫茶店
男「二回戦は関原とか…苦戦はしなさそうだけど、いまいち相手の得意としている手とかを見切れてないしな…」
女「ああ、だが不安要素があるからこそ戦いというのは面白いものだ」
男「うん…でも、やっぱり不安なもんは不安だな」
女「不安だと思うなら策を練るなり、対策を立てればいい、人間は不安がれば不安がるほど、頭の回転が早いものだ」
男「そうだな…ところで」
男「なんでいる?」
女「・・・ストーキングした」
男「・・・」
515: 1:2012/7/16(月) 13:52:53 ID:YchaTlPF1M
女「というのは軽い冗談で、会場から出てきたお前を偶然発見して尾行しただけだ」
男「・・・偶然?」
女「ああ、偶然だ」
男「・・・」ジー
女「・・・」
男「まあ、お前が言うなら」
女「お前の信頼が高くなってるみたいで嬉しいよ」
男「そいや、今日は何してたんだ?会場にはいなかったし…」
女「朝に幼からの救援要請があってな、ヘルプにいっていた」
男「ああ…」
女「友がお前たちと一緒にいっていたからな、今頃は友が教えてるんじゃないか?」
男「あいつも苦労してんな」
516: 1:2012/7/16(月) 13:58:53 ID:YchaTlPF1M
女「関原に対する作戦は出来そうか?」
男「・・・朧気に」
女「そうか…なら、試合当日にはっきりとさせる事だ」
男「ああ、そうだな」
女「お前たちなら問題はないだろうがな」
ピルピルピルピルピル
女「む、失礼」
女「もしもし…ああ、それか…今日か?構わないが…む、そうだな…わかった」ピッ
男「誰から?」
女「書記からだ」
男「珍しい相手だな」
女「いや、夏期休暇中に宿題を見るという約束をしていたんだが、今日やりたいらしくな」
男「書記なら必要ないと思うんだがな」
女「同感だ、だが生徒会メンバーであり、可愛い後輩の誘いを無下にはできまい?」
男「そうだな、頑張れよ」
女「・・・」
男「ん?」
女「お前もこい」ガシッ
男「結局こうなるんだな」
517: 1:2012/7/16(月) 14:05:08 ID:1tJwId4gUs
女の家
男「なんだか当然のようにあがりこんじまってるな…」
女「当然も何も、お前の第二の家なのだからな」
男「まだ違うだろ…」
女「まだ?まだということは少しでも可能性があるということか?」
男「・・・かもな」
女「ふふ、ようやく素直に…」
ピンポーン
女「おっと、到着したみたいだな…迎えに行ってくる」
518: 名無しさん@読者の声:2012/7/16(月) 17:38:54 ID:d/sT5KdvIY
支援!見てるからね!
頑張れよ!!
519: 1:2012/7/17(火) 14:18:49 ID:FTpf6Dw/sU
>>518
ありがとうございます!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!
正直このSS誰にも見られてないかと思ってましたwww
支援感謝です♪頑張らせていただきます!!
520: 1:2012/7/17(火) 14:21:28 ID:/IYOYjJJsM
書記「こんにちは…」
女「そんな固くならずとも、我が家のようにくつろいでくれ」
書記「はい…」
女「あ、リビングは曲がった所にあるから、飲み物を持ってこよう」
書記「ありがとう…ございます」
トコトコトコトコ
書記「・・・」
男「お、よう」
書記「男…さん?」
男「んーと、拉致された」
書記「ああ…なるほど」
男「なんで納得するんだ?」
521: 1:2012/7/17(火) 14:25:34 ID:/IYOYjJJsM
女「と、いうわけで…今日は私と男の二人で勉強を見る事になった」
男「よろしく」
書記「よろしく…お願いします」
男「しっかし…相変わらず無表情だな〜」
女「む?書記はご機嫌だぞ?」
男「へ?」
女「目が明るいではないか」
男「・・・注視してもわからんが?」
女「全く、もう少し観察眼を鍛えろ」
男「わからねーもんはわからねーよ」
書記「・・・♪」
522: 1:2012/7/17(火) 14:30:13 ID:FTpf6Dw/sU
書記「ここ…なんですけど…」
男「ブフーーー!!」
女「これは…」
書記「?」
男「おま!?これ俺達の学年で習う内容だぞ!?」
書記「先生が…時間あったら…やってみろって…」
女「つまり…学校から出された宿題は?」
書記「終わって…ます」
男「おいおい…これは予想外過ぎんだろ…」
女「これは私も油断していた」
523: 1:2012/7/17(火) 18:12:15 ID:6uLKaTGzmA
女「まあいい、全くわからないというわけではないしな」
男「そうだな…」
女「しかし…先生からこのような問題を渡されるとは…書記はよほど頭がいいのだな」
書記「そんなこと…ないです」
女「謙遜なぞせずとも、皆分かっているよ」
男「ま、会長がこんな天才じゃな」
女「私は関係無いだろう」
男「憧れってのもあるだろ」
書記「私は…」
男「ん?」
書記「私は…会長と、男さん…お二人に…憧れてます…」
女「・・・」
男「お、おお…」
書記「・・・」ニコ
524: 1:2012/7/17(火) 18:16:43 ID:kplRWseVFM
男「(うわ…完璧な不意討ちだ)」
男「(女はどうなんだ…?)」
女「嬉しい事を言ってくれるな。さあ、やろうか」
書記「はい…」
男「(なんとも…なさそうだな)」
男「・・・」
男「(なんか…馬鹿みたいだな…勝手に期待して、舞い上がって…)」
男「はあ…」
書記「・・・」
525: 1:2012/7/17(火) 18:26:02 ID:6uLKaTGzmA
女「と、いうような感じでこの問題を解いていくんだ」
書記「この式の応用ですね」
女「その通りだ、書記は覚えがいいな。教えがいがある」
書記「そんなこと…ないです」
女「ふむ、実力を見せびらかせとは言わんが、あまり謙遜をし過ぎるとかえって嫌味に聞こえる時もある。頭の片隅にいれておけ」
書記「はい…」
女「男からは何かあるか?」
男「え?あ、ああ…」
男「んー、特にないな…よく出来てるし、大丈夫だろ」
書記「・・・」グッ
男「(今、ちっさくガッツポーズしたな)」
女「当初の予定していた時間より、大分早く終わってしまったな」
書記「お二人の…教えかたが…上手だったから…ですよ」
男「まあ、早く終わって悪いことは無いだろ」
女「まあ…そうだな…」
男「?」
526: 1:2012/7/17(火) 18:31:21 ID:kplRWseVFM
男「どうした?えらく歯切れが悪いな?」ヒソヒソ
女「う…うむ…」
男「なんか予定していたのか?」ヒソヒソ
女「いや…書記が送り出したらの話だったんだが…」
書記「・・・」
男「あー、書記、少し耳塞いでなさい」
書記「はい…」スッ
男「で?なんなんだよ?」
女「書記を送り出したら…お前をどのように縛り付けて蹂躙しようかと…」
男「そういえばこいつ変態だった」
女「だが…やはり書記には刺激が強すぎるのではないかと…」
男「書記の心配をするくらいならまず俺の心配をしてくれ」
527: 1:2012/7/17(火) 18:34:05 ID:kplRWseVFM
書記「あの…もういい…ですか?」
男「あ、ああ、いいぞ」
女「すまなかったな」
男「(ここはいかに書記を引き留めるかが鍵だな…)」
書記「あの…」
女「なんだ?」
男「(しかし…頼みの綱の勉強は終わったし…ここは女に何かやらせて時間を稼…)」
書記「今日は…イチャイチャしないん…ですか?」
男&女「!?」
528: 1:2012/7/17(火) 18:38:21 ID:kplRWseVFM
男「え?え!?えええええ!?」
女「そ、それはだな…」
女「どうなっている!?書記は私の心が読めるのか!?」ヒソヒソ
男「わかるかよ!!本人に聞けよ!!」ヒソヒソ
女「あー、書記」
書記「はい?」
女「なぜ、そう思うんだ?」
書記「お二人が…楽しそうにしてるのを…見れるから」
男「(まさかの伏兵!?)」
女「・・・」
男「は、はは…まあ、イチャイチャするのにも、TPOというものがあってだな…」
女「書記」
書記「はい」
女「お前は、私と男が絡む姿を見たいのか?」
書記「はい」
女「男」
男「!?」
女「観念しろ」ニコ
男「く、くるなああああ!!」
529: 名無しさん@読者の声:2012/7/17(火) 21:04:46 ID:hDE98dHwz2
毎日楽しみに見てるよ
CCC
530: 名無しさん@読者の声:2012/7/17(火) 22:01:24 ID:EsWpY9/cZQ
毎日、楽しみにしてるよ〜☆
つCCC
531: 1:2012/7/17(火) 22:42:06 ID:ax.EP6To5c
>>529
>>530
ありがとうございます!!ありがとうございます!!
なんかもう…感無量です…
期待に応えられるように頑張りたいと思います!!
532: 1:2012/7/17(火) 22:51:50 ID:ax.EP6To5c
男「・・・」ピクピク
書記「・・・」ツンツン
書記「会長…男さん動きませんよ」
女「ふぅ…そっとしておいてやれ」
男「ご満悦な顔で…心配顔すん…な…」
書記「・・・」
女「なんだ?まだ遊び足らないのか?」
男「おま…」
533: 1:2012/7/17(火) 22:57:38 ID:2h1TThKKVc
書記「お水…です」
男「おう…悪いな」
女「しかし…物足りな」
男「くないからな」
書記「文字通り…絡んでましたね…」
男「ああ…生命の危機を感じたぜ…」
女「私は絶頂を感じたぞ」
男「お前の意見は聞いてない」
書記「あ…そろそろ帰らないと」
女「む…すっかり引き留めてしまったな…」
書記「いえ…私がお願いしましたし…」
男「お願いの結果がこれだよ」
書記「また…我が儘聞いてもらっても…いいですか?」
女「ああ、私達にできることならなんでも言ってくれ」
534: 1:2012/7/17(火) 22:59:49 ID:2h1TThKKVc
書記「それでは…お邪魔しました」
バタン
男「ふー、じゃ、俺も帰るか」
女「ああ、気をつけて帰れよ」
男「・・・」
女「?」
男「言動と行動の矛盾って知ってるか?」
女「もちろんだ」
男「なら、この裾を掴んでいる手を離せ」
女「断る」
535: 1:2012/7/17(火) 23:00:59 ID:ax.EP6To5c
今日の投下はこれで終了となります
久しぶりにこれをやった気がする…最近の不定期すみませんでした…
見てくださった方々
ありがとうございました!!
536: 名無しさん@読者の声:2012/7/17(火) 23:53:40 ID:hiTIis0v.A
っCCCCC
537: 1(支援感謝!!):2012/7/18(水) 20:28:31 ID:gxNMEzG2XU
女「好きな人を…独占したいと思うのは…我が儘だろうか?」
男「う…」
女「・・・」
男「(女がこんなにしおらしくなるなんて…よっぽどなんだな…)」
男「と、思うだろ?もう騙されんからな」
女「仕方ない…力づくでもいてもらおう」
男「結局実力行使なんだな」
538: 1:2012/7/18(水) 20:34:26 ID:RFdAxRm82Y
ガチャ
女母「あら、男君」
男「あ、お邪魔してます」
女「お帰り」
女母「女、お客さんがいるなら連絡をいれなさいと言ってるでしょ」
女「うむ、忘れてた」
男「お前な…」
女母「男君、ごめんなさいね。いつも我が儘聞いてもらって」
男「ええ、振り回されてます」
女「振り回してはいない、絡み付いているだけだ」
女母「こういう風に正直に墓穴を掘るから二人とも可愛いわね…」
539: 1:2012/7/18(水) 20:37:25 ID:RFdAxRm82Y
女母「帰る所だったんでしょう?」
男「あ、はい」
女「ちっ」
女母「女、送ってあげなさい」
女「任せろ!!男は私が守る!!」
男「普通逆なんだが…って、前にもいったような気がする…」
女「さあ、早くいくぞ!!」
女母「女、先に行ってなさい、少し男君とお話するから」
女「わかった」
バタン
540: 1:2012/7/18(水) 20:41:04 ID:gxNMEzG2XU
男「話って…なんですか?」
女母「そんな身構えなくても大丈夫よ」
女母「貴方には、本当に感謝しているわ」
女母「貴方と出会う前の彼女は、なんというか、言われた事を淡々とこなす人形のような子だったから」
女母「親として…言うのはどうかと思うんだけど…私達には何も出来なかったわ」
女母「貴方に出会ってから、あんなにイキイキとしてるのを見たのは久しぶりなの」
女母「本当に…ありがとう」
男「いや…俺は、そんな」
女母「引き留めてごめんなさいね、さあ行きなさい」
男「お邪魔しました」
バタン
541: 1:2012/7/18(水) 20:46:42 ID:2ggFDejXpI
女「よし、行こうか」
男「お、おお」
男「・・・」
女「・・・」
男「なあ」
女「うん?」
男「聞かないのか?俺と女母さんが何話してたのか」
女「お前が話したいなら聞くし、話したくないなら聞かない」
男「そっか…」
女「気にならないといえば嘘になる。しかし、お前を大事に思ってるからあえて聞かない」
男「・・・俺と出会ってくれて、ありがとうだってよ」
542: 1:2012/7/18(水) 20:50:43 ID:2ggFDejXpI
女「なるほど…淡々とこなす人形…か、中々上手い事を言うな」
女「確かに、私はそんな風に動いていた時もあったな…お前と出会って、変わったがな」
男「まさか自分の発言が生き方を変える事になろうとは」
女「私はそれに感謝している。いいじゃないか」
男「・・・そうだな」
女「それに…私はこんな時間をひょっとしたら経験出来なかったかもしれない…」
女「私からも言わせてくれ…ありがとう、男」
男「・・・」
543: 1:2012/7/18(水) 20:55:43 ID:2ggFDejXpI
家
女「ではな、男」
男「ああ」
ガチャ
母「お帰り♪遅かったね?」
男「ん、まあ色々」
母「女ちゃんとイチャイチャしてたくせに〜」
男「母さん」
母「何?」
男「ありがとう」
母「何々〜?お母さんの偉大さに気づいた?」
男「いや、全然」
母「ええ〜」
544: 1(投下終了):2012/7/19(木) 00:39:21 ID:RsOYWN/GDI
翌々日
主将「・・・皆、よくきた」
主将「これから二回戦の相手である関原と戦う」
主将「二回戦とあって厳しいになるだろう…だが、恐れるな!!」
主将「今まで自分たちが培ってきた力を全て出し切るのだ!!」
先鋒&次鋒「はい!!」
男「おう」
友「うん」
主将「それでは…出陣!!」
男「どうでもいいけど、それ流行ってんのか?」
545: 1:2012/7/19(木) 20:31:59 ID:FJ2siJcQWM
審判「大将戦…始め!!」
大将「うおおおお!!」
主将「はああああ!!」
スパーン!!
男「・・・なあ」
友「ん?」
男「これさ…二回戦の関原と戦ってるんだよな?」
友「うん」
男「なんでさ…なんで俺達」
審判「一本!!面有り!!」
男「関原に全勝してんの?」
友「・・・」
546: 1:2012/7/19(木) 20:36:38 ID:R5p1mCJ59I
友「それは作者がめんど…もとい、僕たちが楽に勝てる相手だったからだよ」
男「・・・」
友「決して剣道の試合描写が難しいとかめんどくさいとかそういうのが理由じゃないから」
男「サラッと本音出たなおい」
友「まあ、勝てたしいいじゃない」
男「ていうか俺としてそこそこ謎を残しながらもその実力を発揮できずに悲しく散っていったあいつらに同情せざるを得なかったんだが」
547: 1:2012/7/19(木) 20:41:07 ID:FJ2siJcQWM
主将「厳しい戦いだったな…」
友「お帰り主将」
男「お疲れー」
主将「・・・お前ら、少しは相手を労ってやろうという努力をだな」
男「あいつら弱すぎ、無理」
友「同情どこいった」
関原一同「解せぬ」
主将「ともかく、二回戦は無事に突破したわけだ…皆!!ご苦労だった」
友「三回戦は明日だっけ?」
男「息つく暇もない…か」
主将「ああ、だが俺達なら勝てる!!」
548: 1:2012/7/19(木) 20:48:36 ID:FJ2siJcQWM
主将「今日はこれで解散しよう。皆、明日の為に英気を養っていてくれ」
主将「それでは…解散!!」
友「お疲れ」
男「ん」
友「これからどうす」
男「帰る」
友「・・・セリフを被せぎみに言わないでほしいんだけど」
男「お前は?」
友「んーと、勉強をしてから幼さんの家に」
男「家庭教師乙」
友「埋めるよ?」
男「・・・あれだ、辛いなら言えよ?手助けくらいは出来るからさ」
友「大丈夫だよ、少し疲労が溜まってるだけだし」
549: 1:2012/7/19(木) 20:54:04 ID:R5p1mCJ59I
男「・・・」
男「(間違いない…)」
男「(これは…誰かに後をつけられている…)」
男「(奴は一定の間隔で俺の歩く速度とほぼ同じ速さでついてきている)」
男「(恐らく会場を出た辺りからつけられている…ということは、他の学校の偵察か?)」
男「(なんにせよ、黙って後をつけられるわけにはいかないし…あの曲がり角で待ち伏せするか)」
男「・・・」スッ
男「・・・今だ!!」
「きゃっ!!」
男「・・・」
550: 1:2012/7/19(木) 20:57:50 ID:R5p1mCJ59I
女「路上でいきなり襲いかかるとはモラルがないな男」
男「・・・」
女「だが…お前になら…乱暴にされても…//」
男「・・・」スタスタ
女「どこへ行く気だ」
男「帰るんだよ」
女「一人でか?」
男「それ以外に何があるんだ?」
女「私を路地に誘い込んで犯…」
男「またな、女」スタスタ
551: 1:2012/7/20(金) 17:34:40 ID:FPkpTXQawA
女「ちょ、ちょっと待て!!」
男「なんだよ」
女「私は今日はお前たちの応援にいかなかったな」
男「そうだな」
女「何故だと思う?」
男「応援するのが面倒くさくなったから」
女「そんなわけあるか!!」
男「・・・はい」
552: 1:2012/7/20(金) 17:40:01 ID:jtsL.vQCcI
女「私は三回戦の相手を偵察に行っていたのだ」
男「おお〜、凄いな!!女!!」
女「そ、そんなに真面目に返されたら…照れるな…」
男「それで、どんな戦法なんだ?」
女「そうだな…一言で言えば謎だ」
男「は?」
女「一人一人の力はそれほどではないのだが、数手打ち合った途端に相手の戦意が喪失して、負けるという試合が多かったな」
男「戦意を喪失?なんでだ?」
女「そこまでは私にもわからなかった…すまない」
男「いや、いいよ。ありがとう女」
女「三回戦は城塞とだ」
男「城塞…か」
553: 1:2012/7/20(金) 17:42:04 ID:FPkpTXQawA
女「ではな」
男「どこかいくのか?」
女「ああ、少し用事がある」
男「わかった…じゃあな」
女「ああ」
男「戦意を喪失…ねぇ」
554: 1:2012/7/20(金) 17:58:33 ID:gnbnkKGQ4M
女「・・・」
女「いるのだろう、出てきたらどうだ?」
「おやおや…見目麗しき女性かと思えば…中々に鋭い」
女「何者だ」
「名乗る程の者ではありませんよ…ですが、貴方が先ほど話をしていた男性に関係あるとだけ言っておきます」
女「・・・城塞か」
「なんと…たったこれだけの情報でこちらを見破るとは…」
女「お前の素性を暴こうなどとは考えん、何が目的だ」
「いえいえ、別に用というほどのものではありませんよ。貴方が先ほど話されていた男性は三回戦の相手ですからね、相手を偵察するのは当然でしょう?」
女「ではなぜ私を追いかける?」
「貴女が、あの男性にとってどういうご関係かを知りたいだけですよ」
555: 1:2012/7/20(金) 18:04:35 ID:.bMWHj9yPU
女「・・・絶賛、片思い中だよ」
「貴女みたいな麗しき女性に見向きもしないとは…」
女「違う、逆だ」
「?」
女「男は私の事を見ていてくれている。そうして必死に私の事を考えてくれている…だから私は待つんだ」
「話が読めませんが?」
女「読まなくていい、どうせお前たちは明日負ける事になる」
「大層な自信ですが、そうと決まったわけではありませんよ」
女「何?」
「例えば…ここで貴女を人質として使えば、あの男性は戦えなくなりますしね」パチン
女「!!」
「捕まえなさい。抵抗するようなら多少乱暴にしても構いません」
「「はっ!!」」
「いい結果を期待してますよ」スタスタ
女「待て!!」
556: 1:2012/7/20(金) 18:07:34 ID:.bMWHj9yPU
「行かせん!!」
「大人しく捕まるがいい!!」
女「くっ…二体か…」
「やああああ!!」
女「ふっ!!」ヒョイ
「ふん!!」ブン
女「くっ!!」ヒョイ
「もらった!!」ガシッ
女「しまった!?」
「でかした!!そのまま捕まえて…ぐあああ!!」
「!?」
女「!!」
男「女相手に二人がかりとは卑怯以前に大人気ないんじゃないか?」
女「男!!」
557: 1:2012/7/20(金) 18:11:02 ID:.bMWHj9yPU
「お前っ!!リストの!!」
男「なんのリストかしんねーけど、そいつ離してくれない?」
「ふざけるな!!誰が離す…」
女「ふっ!!」ビュン
「ぐあっ!!この女…」
男「見事な蹴りで」
女「ふざけてる場合か!!」
男「はあ…ここで暴力起こしたら、俺、試合がヤバイんだけど…」
「そ、そうだ!!我々を殴ったりなどしたら…」
ドカッ!!
「ぐへっ!!」ズシャアア
男「蹴りは大丈夫か?」
女「いや、駄目だろう」
558: 1:2012/7/20(金) 18:14:14 ID:gnbnkKGQ4M
「ぐっ…ならば、女の方を!!」バッ
女「・・・」スッ
「な!?き、消えた!?」
女「遅い!!」ズム
「うぐ、ああああ!!」
男「おま…脇腹に肘鉄とか…」
女「加減する暇なんて無かったからな、かなり深く入ったぞ」
男「こいつらどうする?」
女「捨て置いてもいいだろう」
女「(それに…さっきの奴は恐らく城塞の大将…かなりのやり手だと聞いてはいたが…これほどとは…)」
559: 1:2012/7/20(金) 18:18:06 ID:gnbnkKGQ4M
男「そいや、用事は?」
女「・・・」
男「・・・まさかとは思うが」
女「すまない、一人だと思ったから私一人でも大丈夫だと思ったんだ」
男「一人より二人の方がいいだろ…変に気を使うなよ」
女「すまない…」
男「まあ…無事で良かったけど」
女「!!」
男「送るよ、また来ないとも限らないし」
女「ああ…」
560: 1:2012/7/20(金) 18:22:06 ID:.bMWHj9yPU
「・・・失敗した?」
「はい」
「・・・うーん、武術の心得はあると踏んでたけど、まさかこれ程なんてね」
「いかがなさいますか?」
「いいよ、策の一つが潰れただけだし…斥候に過ぎないしね」
「明日の試合、君が大将をやってくれるかい?」
「私が…ですか?」
「うん。向こうの大将を追い込むのは恐らく君が上手いだろうし」
「それに…男って人に興味持っちゃった」
「かしこまりました」
561: 1:2012/7/20(金) 21:54:31 ID:Wq2Z7fdcNw
翌日
主将「いいか!!遂に三回戦だ!!」
主将「初戦、二回戦と違い手強くなってきている、皆、気を引き締めて…」
男「以下省略」
主将「おまっ!!」
男「どんな奴が相手だろうと必ず勝つ。そうだろ?」
主将「・・・ああ」
女「男…」
男「多分、大丈夫だ」
女「気を付けろ。城塞は必ずなにかを仕掛けてくるはずだ」
男「何かくるのがわかってるなら不意は突かれないだろ」
男「俺達には、小細工なんて効かない」
女「・・・」
主将「では…出陣!!」
562: 1:2012/7/20(金) 21:56:52 ID:Wq2Z7fdcNw
幼「女ちゃん、なんか心配そうだね?」
女「まあな…」
後輩「大丈夫ですよ。友先輩や主将先輩がいますし」
書記「男さんも…います」
後輩「ついで、ですけどね」
女「嫌な予感しかしない…」
女「頼む…何も起こらないでくれ…」
563: 1:2012/7/20(金) 22:02:00 ID:Wq2Z7fdcNw
審判「それでは…先鋒戦、始め!!」
先鋒「よし…一撃で決める!!」
先鋒「はああああ!!」
「ククク…いいのかな?こんなことしてて…」
先鋒「っ!?」ピタッ
男「先鋒の動きが止まった?」
友「何かあったのか?」
「成績もあまりよくないし、先生にも目をつけられている…そのくせ部活に出てるから、勉強が出来やしない…」
「主将達が憎い…勉強が出来なくて、先生にネチネチ言われて…家でも言われる…」
先鋒「や、止めろ…」
「主将達に会わなければ…もっとマシな人生を歩めたのに…
先鋒「っ!!止めろぉ!!」
男「よせっ!!先鋒!!」
友「相手は後の構えだ!!」
先鋒「っ!?」
スパーン!!
564: 1:2012/7/20(金) 22:06:39 ID:kn/CgXgYDg
「ほーら、負けた」
先鋒「あ…、あ…」
「これもみ〜んな、主将達のせいだ」
先鋒「違う…違う…俺は…違う…」
審判「面有り!!」
主将「むぅ…」
男「先鋒の奴…なんで後の構えをしてるに正面から行ったんだ?」
友「それもあるけど、みなよ、先鋒を」
先鋒「・・・」
友「明らかに普通じゃない…恐らく何かの暗示をかけられたんじゃないかな?」
男「んなアホな」
主将「あり得ない話ではない」
主将「古より伝わりし剣道は、必ずしも力が強かったわけではない、言葉巧みに相手を翻弄するのもまた戦術」
男「・・・めんどくせーやつと当たったな」
565: 1:2012/7/20(金) 22:11:13 ID:kn/CgXgYDg
友「それより、もしかしたら城塞は全員その戦法で来るかもしれない…」
主将「精神力の高さが鍵…か」
次鋒「任せて下さい」
男「次鋒」
次鋒「中学の頃に、催眠術研究クラブというのに所属していた時があります」
主将「なるほど、目には目をか」
男「いや、それよりなんでそんな怪しげなクラブがあるんだよ」
次鋒「そんなわけですから、相手がしてきそうな事は大体予想がつきます」
主将「頼もしいな」
男「ここにきてまさかの次鋒大活躍か?」
次鋒「まあ、大会編が終わったら出番が無くなり、忘れ去られるモブキャラですけどね」
友「何を口走ってるんだ」
566: 1:2012/7/20(金) 22:16:23 ID:kn/CgXgYDg
審判「次鋒戦、始め!!」
次鋒「手早く終わらせるか」
「フヒ、高校デビューに性格をいっぺn…」
次鋒「やかましい」
スパーン!!
審判「面有り!!」
男「早っ!?」
友「呆気ないね」
主将「神速のごとき攻撃、見事だ!!」
次鋒「とまあ、こんな感じです」
次鋒「主将がおっしゃられたみたいに、相手は言葉で責めてきます。なら、言わせないか、いう前に攻撃すれば勝てます。」
次鋒「相手の実力は大体見切りました。三人なら余裕で勝てます」
友「いい情報をありがとう」
次鋒「いえ、頑張ってくださいね」
567: 1:2012/7/20(金) 22:18:54 ID:kn/CgXgYDg
女「一勝一敗か」
後輩「三回戦ですからね、これぐらいが普通なんじゃないですか?」
幼「でも…先鋒君惜しかったね」
書記「このままの空気でいけば…多分勝てる」
女「・・・そうだな」
女「(何を心配してるのか…私は)」
568: 1:2012/7/20(金) 22:19:53 ID:Wq2Z7fdcNw
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
569: 1:2012/7/21(土) 11:58:38 ID:Y31WlCCwuM
審判「中堅、前へ」
男「気を付けろよ」
友「言葉巧みにといっても大体は推論を元にした根拠のない妄言だ」
友「僕は負けない」
審判「中堅戦、始め!!」
友「(一瞬で決める!!)」
「何をやっても振り向いてくれない…自分はこんなに好きなのに…」
友「っ!?」ピタッ
男「友も止まった?」
「どんなにフォローしても、どんなに勉強を教えたりしても、結局は彼女の中で自分はいい人止まり」
「報われないとわかっていながらそれでも続ける自分の道化ぶりに嘆きながらも止められない」
「そして彼女に勉強を教えているせいで、自分の勉強も危うくなってる」
「でも言い出したのは自分だから自分からは言い出せない」
「そして自分はいつまで経っても、いい人止まり」
570: 1:2012/7/21(土) 12:06:08 ID:sbNuT5QUgs
「自分はこんなに好きなのに、自分はこんなに頑張っているのに、いつまで経っても見てくれない」
友「黙れ!!」
「いいの?見てるんだよ?彼女」
友「っ!!」
男「友!!惑わされんな!!」
「思うでしょ?自分はどうして報われないのかって」
友「・・・」
「だからさ、もういいじゃない…やめちゃえば?こんなどうしようもない状況から抜け出そうよ」
友「・・・」
571: 1:2012/7/21(土) 12:09:58 ID:sbNuT5QUgs
「告白すれば?案外OKもらえるかもよ?部活止めるって言い出せば?勉強に集中出来るよ?彼女を突き放せば?」
「楽に…なれるよ?」
友「楽に…なれる」
男「おい友!!しっかりしろ!!」
主将「友!!」
女「友!!」
友「・・・」
幼「友君!!」
友「!!」
572: 1:2012/7/21(土) 12:15:24 ID:sbNuT5QUgs
幼「頑張ってー!!」
友「幼…さん」
「今の応援だって、自分をいい人だと思ってるから応援したわけで…」
ヒュン!!
「っ!!」
友「うるさい」
友「僕はこの立ち位置が気に入っているんだ。根拠のない妄言は見苦しいよ?」
「なっ!!君は今の状況に満足して…」
友「ないよ、だったら自分が変えればいい。他人に言われなくてもそんなことわかってるさ」
友「さて…お仕置きの時間だ」
「っ!!」
スパーン!!
審判「面有り!!」
573: 1:2012/7/21(土) 12:19:39 ID:Y31WlCCwuM
男「危ねーなー、ヒヤヒヤさせんなよ」
友「勝ったし、いいだろ」
男「へいへい」
友「・・・」チラッ
幼「ほえ?」
友「ありがとう」
女「ほう」
幼「え、え?今友君なんて言ったの?」
女「さあな、わかるときがくるだろ」
幼「ええ〜」
後輩「次は男さんですか、まあ期待はしてませんが」
書記「・・・」
574: 1:2012/7/21(土) 14:57:34 ID:iwvBN/FceE
男「よし、行ってくる」
友「気を付けてね」
男「おう」
審判「副将戦、始め!!」
男「(何してくるかわかんねーし、やや引き気味に…)」
「こんにちは、男さん」
男「・・・」
「やだなぁ、そんな怖い顔をしないで下さいよ」
男「誰だ?」
「昨日、貴方と女さんを襲わせるように仕向けた人物、とでも言っておきましょうか」
男「昨日のか」
「実は僕、城塞の大将なんですよ」
男「は?」
「うちの優秀な副将に無理を言って変わってもらいました」
男「なんのために?」
「決まってるじゃないですか」ダン!!
男「っ!!」
「貴方に、興味が出たからですよ」
575: 1:2012/7/21(土) 15:04:19 ID:mp/oc/co2M
「城塞は言葉巧みに責め、相手を翻弄してから勝利を掴むと思われてますが、確かにその通りです」
「ですが、実際は先鋒から中堅まではそこらへんにいる使えない人物を寄せ集めただけです」
男「つまり、お前と副将の実力は本物だと?」
「はい♪」
男「解せねぇな、なんで副将と主将を当てさせる?実力ってんなら、副将を俺に当てるべきだろ」
「わかりませんか?先鋒から中堅までが何故言葉巧みに責める事が出来るのかを…」
男「・・・まさか!?」
「その通り、僕と副将が彼らに教えてあげているんですよ…突くべき弱点を…ね」
「後は彼らが頑張って一勝さえしてくれれば、僕達が二勝して勝ちというわけです」
男「つまり…俺はお前に倒されると?」
「そういう事になりますね」
576: 1:2012/7/21(土) 15:07:17 ID:mp/oc/co2M
男「はあっ!!」ビュン
「っ!?」ヒョイ
男「随分と安く買われたもんだ。俺が負ける?寝言は寝て言いやがれ」
「いやいや、僕も楽に勝てるとは思ってないよ。ただ、接戦の末に僕が立って…」
男「ぬかせ」ヒュン!!
「っ!!」
男「俺はお前には負けない、何故なら負けられない理由があるからだ」
577: 1:2012/7/21(土) 15:10:53 ID:mp/oc/co2M
男「一つ目は友や次鋒が繋いでくれたこの勝ちを俺が蹴る訳にはいかねー」
男「二つ目は、個人的に俺はお前が嫌いだからだ」
男「そして…三つ目は」
男「女を危険に巻き込んだこと、これだけは誰が許しても…俺が許さない」
男「こいよ、下手な小細工ごと…潰してやる」
「・・・いい目だ」
「久しぶりに剣士の目をみた気がするよ」
「いいよ、さあ、闘ろうか」
578: 1:2012/7/21(土) 15:16:14 ID:mp/oc/co2M
友「どうやら、小細工抜きで来るみたいだね」
主将「ああ…だがあの城塞の副将…本当に副将なのか?」
友「?」
主将「あの体さばき、間違いなく大将クラスだ」
友「・・・」
主将「男…無理はするなよ」
後輩「さっきからにらみあってるだけかと思ったら、急に動き出しましたね」
書記「男さん…頑張れ…」
幼「大丈夫だよ!!男君と主将君なら!!」
女「・・・」
579: 1:2012/7/21(土) 15:20:28 ID:iwvBN/FceE
男「だあぁりゃあああ!!」
「はずれ」
男「ちぃ!!」
「またはずれ」
男「そこかぁ!!」
「はずれ、当てる気、ある?」
男「じゃあ避けんなよ!!」
「全く、あんまり時間かけないでよね…判定になっちゃうじゃんか」
男「判定…それだ!!」
男「うぉらあああ!!」
「だから、当てる気、あるの?」
男「そこ!!」ビュン!!
「っ!!」ヒョイ
「(さっきより正確に攻撃を仕掛けてきてる…これは)」
580: 1:2012/7/21(土) 15:25:53 ID:iwvBN/FceE
男「(一発…一発でも当たれば…!!)」
「なるほど…判定勝ちか…厄介だな」
男「そこ!!」
「遅い!!」
男「なっ!!」
スパーン!!
友「抜き胴!?」
主将「だが…浅いっ」
男「くそ…」
審判「技あり!!」
「よし…これで後は逃げ続けるだけで僕の勝ちだ」
581: 1:2012/7/21(土) 20:42:51 ID:FeJUoY9kJo
男「くそっ!!ふざけやがって!!」
「怒りに任せての単調な攻撃…目を瞑っても避けれるよ…」
男「いや、目を瞑っちゃまずいだろ」
パン!!
「ぐっ!!小手!?」
男「面を取りにいったら返されるからな、これでおあいこだ」
「・・・なるほど」
582: 1:2012/7/21(土) 20:44:38 ID:nKOIHCN9hU
主将「もうすぐ試合終了時間だな…」
審判「・・・」チラッ
友「このままじゃ判定になるけど…どっちが勝つと思う?」
主将「・・・」
友「・・・」
審判「そこまで!!」
男「ちっ!!」
「・・・」
583: 1:2012/7/21(土) 20:50:57 ID:FeJUoY9kJo
審判「勝者…城塞高校!!」
男「・・・っ!!」
「ふう…ま、当然の結果だね」
主将「男…」
男「悪い…負けちまった…」
友「いい戦いだったよ」
主将「お前は頑張ったさ」
男「・・・ああ」
幼「男君…負けちゃったね」
後輩「・・・」
書記「言わないの?…情けないとか」
後輩「…今の男さんに、言えないよ」
書記「・・・」
女「・・・」
584: 1:2012/7/21(土) 20:59:30 ID:nKOIHCN9hU
副将「お見事です」
「・・・」
副将「残すところあと一勝となりましたが…浮かない顔ですね」
「・・・勝った気がしない」
副将「・・・」
「もしも、ルールや判定なんて関係ない土俵で戦ってたら…果たしてどっちが勝ってたんだろう」
副将「それは誰にもわかりません。ですが、今わかっている事は」
副将「残り一勝で、私達は上に上がります」
「うん…任せたよ」
副将「はい」
「相手は本当の大将だ。油断しないようにね」
副将「全力を尽くします」
585: 1(投下終了):2012/7/21(土) 22:44:41 ID:djiSqyRZ2o
主将「さて…いよいよか」
男「主将…」
主将「・・・ふん」ゴチ
男「いて!?」
主将「情けない顔をするな。お前は頑張ったんだ。もっと胸を張れ」
男「・・・」
主将「お前が勝とうが負けようが、俺が闘う事には代わりあるまい。少しだけ緊張感が増した程度だ」
男「ああ」
主将「ま、そこで指くわえて見ていろ」
男「ぬかせ」
586: 1:2012/7/22(日) 16:42:59 ID:5bnePVgPgg
審判「大将、前へ」
主将「・・・」
副将「・・・」
男「あ、そういやあいつは本当の大将じゃなかったんだっけ」
友「本当かい?」
男「ああ…なんか、無理を言って変わったって」
友「だったら…かなり楽に戦えるんじゃないかな」
男「うーん、どうだろ」
587: 1(更新不定期すみません):2012/7/23(月) 14:01:15 ID:5TeemYJAUM
審判「大将戦、始め!!」
主将「でぇぇいやぁぁぁぁ!!」
男「相変わらずうるせー」
友「でも、これくらいしないと威嚇になんないし…」
副将「・・・」
男「微動だにしてねーぞ、おい」
友「気圧された…わけじゃないみたいだし」
副将「主将殿、見事な威嚇。しかし…それ故に古い、貴方の限界」
主将「っ!?」
副将「重圧とは声だけにあらず。気迫で圧するのもまた戦術」
男「なんてプレッシャーだ…頼まれても立ちたくねーな」
友「あんなプレッシャーをまともにくらえば立ってるかどうかも危ういね」
男「ああ…だが、そんなプレッシャーさえもはね除けるのが主将だ」
友「うん」
588: 1:2012/7/23(月) 14:05:52 ID:9JOURJdBCA
主将「なるほど…見事な重圧だ…だが…」
主将「これしきの重圧、幾度となく乗り越えてきた!!」
副将「いい瞳だ…しかし、それだけに惜しい」
「あ、副将…」
副将「これは私の戦いです。口は挟まないで頂きたい」
「・・・はいはい」
副将「蛇拳…大蛇構え」
主将「・・・何?」
589: 1:2012/7/24(火) 00:26:25 ID:k2Vp3TLy0A
男「なんだありゃ…」
友「手首を上にしてるのに竹刀を下に傾けている…まるで蛇の鎌首みたいだ」
男「そういや蛇拳とかいってたな」
友「古来より、武術は動物の動きを参考にした型があると言われているが…まさか、それなのか?」
主将「面妖な策を労しても、俺の心は折れん!!」
副将「それも計算済み、この型はあくまでも策の一つに過ぎない」
主将「御託はいい!!こい!!」
副将「母親に恩返しをしようといつも空回り」
主将「っ!?」
590: 1:2012/7/24(火) 00:27:24 ID:k2Vp3TLy0A
副将「もともと物覚えの悪い頭なのに、今の高校に入ろうと猛勉強。母親にも多額の金をださせて、ようやくはいった」
591: 1(ミスです。すみません):2012/7/24(火) 00:32:18 ID:1VeMiRM5eM
副将「それなのに、周りについていけず散々な成績…唯一の取り柄の剣道も防具や竹刀代でで更に家計が圧迫される」
主将「ぐぬ…」
副将「大会に出るのを願いながら働く母親に対して、いつまで経っても予選通過も出来ない体たらく」ビュン!!
主将「くっ!!」キン!!
副将「極めつけに…自分の無茶に嫌な顔せずついてくる部員が、貴方にとっての最大の枷」
主将「!!」
副将「母親に悪いと思い、部員にも悪いと思い悩む板挟み。それに逃げるかのように稽古に明け暮れる…待っているのは、空しさだけ」
主将「・・・」
592: 1:2012/7/24(火) 00:38:15 ID:1VeMiRM5eM
副将「だから貴方は古い。弱い、脆い」
副将「こんなところにいるくらいなら、孝行の一つでもした方がいいのでは!!」ビュン!!
主将「・・・」ヒョイ
副将「!?」
「かわした!?」
男「主将!!」
主将「そうだな…確かに、俺は能無しかもしれん」
主将「男のように和ませる術を持たず、友のように知恵も持たない。次鋒のように機転が利くわけでも、先鋒のように、何に対してもがむしゃらじゃない」
主将「だが…今更遅いんだ…俺にはもう剣しかない」
主将「だから、例え蔑まされようと、妬まれようと、恨まれようと、俺は足を止める訳にはいかない」
主将「部員の為、母親の為に、色んな物を犠牲にしてきたから…俺は貴様を越える!!」
主将「はああああ!!」ダッ
「副将!!側面に回り込むんだ!!」
副将「くっ!!」キュッキュ
主将「ちぇぇぇい!!」
ゴウッ!!
副将「!!」
593: 1:2012/7/24(火) 00:42:49 ID:k2Vp3TLy0A
「剣圧で…空気を斬った?」
男「よう」
「っ!?」
男「すげーだろ?人間技じゃねーだろ?あれが、俺達の主将だよ」
男「ただただ剣だけに全てを費やして、剣を降り続けて、剣の為に色んな物を犠牲にした一太刀…受けるあいつはいい経験になるだろうな」
「・・・」
主将「うぉぉぉぉぉ!!」
副将「(防御!!間に合う!!)」
バチン!!
副将「っ!?」
「防御を砕いた!?」
男「ああ」
男「あの一太刀には、色んな物が詰まってる。あんなちゃちい体で、耐えられる訳がない」
スパーン!!
審判「面有り!!」
594: 1:2012/7/24(火) 00:49:51 ID:1VeMiRM5eM
副将「・・・」
主将「・・・ありがとうございました」
副将「・・・はい」
主将「・・・ふぅ」
男「お疲れ」
主将「・・・あやつが言っていた事も、あながち間違いではないのだな」
男「・・・何言ってんだお前」
主将「!?」
男「お前憎んでたら、わざわざ大会なんてでないし、何より勝ちを妨害するはずだろ?」
男「俺達は全力で戦ったよ。もちろん優勝の為であるが、主将…お前の為でもあるんだよ」
友「僕達もだけど、君は最後のチャンスだからね、是非優勝してほしいんだ」
主将「おまえら…」
次鋒「今回は多少相手が悪かっただけですし、主将がいるから私達は頑張れるんです」
先鋒「あの…なんていうか、主将はすごくかっこいいです!!俺は憧れてます!!ですから、その…」
主将「・・・すまない、皆」
主将「吹っ切れた気がする…ありがとう」
男「やれやれ」
595: 1:2012/7/24(火) 00:54:22 ID:k2Vp3TLy0A
副将「・・・」
「お疲れ」
副将「申し訳…ありません」
「いいよ」
副将「一歩、惑わしきれませんでした…」
「多分…あの人は僕も惑わせないかもしれない」
副将「・・・」
「あの人にはね、一本の線があるんだ。どんなに引きちぎろうとしても絶対に切れない鋼鉄の線」
「あれを断ち切るのは…多分無理だ…」
副将「・・・」
596: 1:2012/7/24(火) 00:57:55 ID:k2Vp3TLy0A
女「・・・」
男「あー、その」
後輩「あ、負けた人だ」
男「うぐっ!!」
幼「ちょっ!?後輩ちゃん!!」
後輩「事実です」
書記「男さん…頑張りました」
女「男…」
男「悪い…負けちまった」
女「別に気にしてない…」
女「よかった…お前の戦意が喪失した姿など、見たくなかったからな」
女「戦い抜いてくれて、ありがとう」
男「・・・おう」
書記「・・・」ニコ
後輩「(しょ、書記ちゃんがはにかんでる!?なんで!?)」
597: 1:2012/7/24(火) 01:01:02 ID:1VeMiRM5eM
どうも、1です
このSSが600に届きそうな頃、ようやく大会編が終わりに近づきました
正直、大会編が終わった次の話が恐らくこのSS最大の山場のはず(作者の中では)なので、さっさと終わらせたいです
それて、3位という名誉ある結果に私自身驚きを隠せません。投票して下さり、誠にありがとうございます。
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
598: 1:2012/7/24(火) 10:46:13 ID:R5p1mCJ59I
主将「皆、言いたい事や思う事はあるだろうが、今は帰って体を休める事を優先してくれ」
男「おう…あ、そうだ、幼」
幼「何?」
男「友の奴を家まで送ってあげてくれね?」
友「!?」
幼「え?うん…大丈夫だけど…」
友「だ、大丈夫だよ。幼さんのを手を患わせるわけにはいかないし…」
男「嘘つけ、立ってるのもやっとのくせに」
友「それは君も同じだろう?」
男「俺は頑丈だからいいんだよ」
599: 1:2012/7/24(火) 13:55:41 ID:lVbX9hpDWE
後輩「・・・てい」ゲシッ
男「いってぇぇぇ!?」
後輩「ズタボロじゃないですか」
男「おまっ!!普通蹴るか!?」
友「君こそ、付き添いが必要なんじゃないの?」
女「安心しろ。いざとなったら担いででも付き添うからな」
男「それ…付き添いじよなくて運搬じゃね?」
書記「私も…付き添い…ます」
後輩「先輩がいくなら私もいきますからね」
友「なんだ、ただのハーレムか」
男「おい」
600: 1:2012/7/24(火) 13:59:54 ID:lVbX9hpDWE
男「そんじゃ、また後でな」
友「うん」
女「いくぞ、男」
男「だー、担ごうとするな!!」
後輩「男さん!!先輩の体に触れられるからってニヤニヤしないでくださいうらやましい!!」
男「ニヤニヤしてねぇ!!っていうか、なんか本音出てたぞ!?」
書記「・・・」
男「書記!?お前も運ぼうとしなくていいから!!」
友「・・・賑やかだね」
幼「皆仲良しなんだよ〜ほら、友君」
友「?」
幼「手」
友「あ、ああ…うん」
先鋒「リア充の集まりですね」
主将「くそっ!!」
次鋒「あ、自分彼女いるんで」
二人「裏切り者!!」
601: 1:2012/7/24(火) 14:05:34 ID:64Npvv9idc
女「・・・」ヒシッ
男「おい、女…近い」
書記「・・・」ヒシッ
男「書記も真似しなくていいから」
後輩「・・・」
男「そしてお前は無言で殺意を飛ばすなよ!!怖いだろ!?」
後輩「先輩というものがありながら…書記ちゃんにもデレデレしちゃって…」
男「別にデレデレなんかしてな…」
書記「・・・」
男「・・・えーとだな…まあ、あれだ、うん」
女「男!!私は!?」
男「普通」
女「よしっ!!」
後輩「先輩!?喜ぶところじゃないですよ!?」
602: 1:2012/7/24(火) 14:13:17 ID:lVbX9hpDWE
後輩「・・・ていうか、お二人は付き合ってるんですか?」
女「・・・」
男「まだ…だな」
女「ああ」
後輩「え」
書記「・・・」
男「でも、この煮え切らない関係に決着はつけたいと思ってるからさ、そのために女には待っててもらってる」
女「ああ、毎日お前を思いながら夜な夜な…」
男「それは関係ないっつーか、少しは恥ずかしがれよ」
女「私の辞書に恥じらいの文字はない」
後輩「じゃあ書記ちゃんにもまだチャンスはあるんじゃないかな…」ボソッ
女「ん?書記がどうかしたのか?」
書記「・・・」
後輩「な!?なななな、なんでもないです!!」
603: 1:2012/7/24(火) 16:27:32 ID:YPLqxLbIOU
女「そういえば書記、あれから理解出来たか?」
書記「はい…あのあとに…もう一度復習してみました」
後輩「へ?」
男「ああ、書記は前に女の家に来て勉強を教わったんだよ」
書記「会長と…男さんのお陰で…すごくよくわかりました…」
後輩「!?」
男「俺はなんもしてないけどな」
後輩「書記ちゃん…」
書記「?」
後輩「ううん…なんでもない」
604: 1:2012/7/25(水) 08:14:23 ID:cE1lNvuHzs
後輩「それじゃ、私達はこれで」
書記「さようなら…」
女「うむ、またな」
女「・・・さて、ようやく二人っきりだな」
男「やっぱりそうきたか」
女「と、言いたい所だが…流石に試合で疲れてるお前を追い込むような真似はしないさ」
男「そうか…って、追い込んでる自覚ああったのかよ」
女「うむ。困ったような顔を見るのがこの上なく楽しくてな」
男「お前って普通に性格悪いよな」
605: 1:2012/7/25(水) 08:41:41 ID:UhnBkjKWCI
家
男「ただいまー…あれ?誰もいないのか?」
男「まいったな…まあ、伸び伸び出来るしいいか…」
女「む、やや埃が目立つな…ちゃんと掃除しているのか?」
男「・・・」
女「全く…お母様とお父様のお部屋はこんなにも綺麗だというのに…」
男「いや、気づけよ」
女「?」
男「誰も入っていいなんて言ってないぞ?」
女「お前を一人にしたら何かと危険そうだからな」
男「むしろお前がいることで危険が増してるんだけど?」
606: 1:2012/7/25(水) 08:45:06 ID:LSStPKC926
女「安心しろ、、私だってお前をどうこうする気は…」
女「・・・無い?」
男「なんで疑問系なんだよ。そこは断定してくれよ」
女「とにかく!!ここにいたいんだ!!」
男「まあ…いるのは構わんが…」
女「・・・」ニヤリ
男「あ、すげぇ嫌な予感」
女「とりあえずうつ伏せになれ」
男「はい?」
女「いいから」
男「・・・」スッ
607: 1:2012/7/25(水) 08:48:06 ID:UhnBkjKWCI
女「よっと…こんな所か」
男「何してんだ?」
女「直にわかる、始めるぞ」
男「・・・おー」
女「どうだ?あまりこういうのは心得がなくてな…上手く出来てるかどうかわからんのだが…」
男「いや…凄い気持ちいい」
女「そうか、他にやって欲しいところはあるか?」
男「んー、肩を頼む」
女「わかった」
608: 1:2012/7/25(水) 08:52:16 ID:LSStPKC926
女「・・・」ギュッギュッ
男「あー、気持ちいい…」
女「よかった…」
男「なんだろうな…お前にやってもらってるてのもあるかもな」
女「!!」
男「まあ、ただ単にお前くらいしかやってくれる奴がいないだけかもしれないんだけどな」
女「っ!!」ギュー
男「ん?女?」
女「すまない…少しだけこうさせてくれ」
男「あー…まあ、うん…あれだ…」
男「次さ、決勝じゃん」
女「・・・うん」
男「まあ、当然激戦になるわけだよ」
女「・・・うん」
男「向こうも本気だしさ、こっちも手加減なんかしてらんないわけよ」
女「・・・」
男「だからさ、応援してくれよ…そしたら、頑張れるからさ…」
609: 1:2012/7/25(水) 08:54:45 ID:LSStPKC926
女「・・・」ペシッ
男「って」
女「当たり前だ、愚か者」
女「後輩と書記と幼とたった四人しかいないが…それでも、誰よりもお前たちを応援するからな」
男「・・・ヘタな応援団より、勇気を貰えるな」
女「その代わり、優勝しなかったら…承知しないからな?」
男「・・・ああ」
610: 1:2012/7/25(水) 22:31:14 ID:lVbX9hpDWE
男「ところでだ」
女「うん?」
男「いつまで引っ付いているつもりだ?」
女「・・・」
男「離れような?」
女「ふっ…離れろと言われて素直に離れる私ではな…」
男「離れろ」
女「わかった」
611: 1:2012/7/25(水) 22:37:00 ID:lVbX9hpDWE
男「疲れた体にお前がのし掛かってくると重いんだよ」
女「男、仮にも女子である私に重いは少し失礼だと思うが?」
男「お前相手だから色々言えるんだろうが」
男「それに…その…あれだな」
女「?」
男「あ…」
女「あ?」
男「暑い」
女「・・・そこは当たってると言うべきだろうが愚か者!!」
男「嫌だよ!!何回同じやりとりを繰り広げなきゃいけないんだよ!!」
女「私が満足するまでだ!!」
男「身勝手過ぎる!!」
612: 1:2012/7/25(水) 22:41:47 ID:lVbX9hpDWE
男「やべ…怒鳴ったら…体が…」フラッ
女「無理をするな」
男「悪い…これじゃどっちがどっちだか、わかんねーな」
女「人間、疲労すると弱気になるものだ。今は休め」
男「・・・ああ」
男「側に…いてくれるか?」
女「当たり前だ」
男「そっか…」
女「・・・弱気になると、自分が誘っている事にも気づかんのだな」
男「ん?」
女「全く…お前は本当に愛しいよ」ナデナデ
男「ばっか、恥ずかしいから止めろって」
ガチャ
男&女「!?」
613: 1:2012/7/25(水) 22:51:49 ID:64Npvv9idc
母「たっだいまー!!今日はお疲れの男君にぴったりのスタミナ料理…を…」
女「・・・」
男「・・・」
母「あ、あはは、あははは…」
父「母さん?男君も疲れてるんだからあまりうるさくしちゃ…おや、これはこれは」
男「いや!!あの!!これはだな」
母「ご、ごめんなさい…その、お取り込み中とは知らなくて…」
女「いや、取り込み中…ですが、そういう意味では…いや、将来的にはあり得る話ですが」
男「お前何いっちゃってんの!?」
父「母さん、ここは若い二人だけにさせてあげようじゃないか」
母「う、うん…」
男「おい!!仲裁入ったふりをしてさりげなく誘導してんじゃねーよ!!」
女「・・・」ジュルリ
男「お前も期待すんなよ!!」
母「えっと…ごゆっくり…」
父「男君、男を見せるんだよ。男君だけに」
男「全然うまくねーし、ゆっくりできねーし、誤解したまんまだし、俺の突っ込みも長すぎるし!!」
614: 1:2012/7/25(水) 22:56:57 ID:lVbX9hpDWE
女「・・・というわけなんです」
母「やぁだもう、そうならそうと早く言ってよ!!変に期待しちゃったじゃない!!」
男「言おうとしたわけなんだがな」
父「それはそうと、男君をみてくれていて、ありがとうね、女さん」
女「いえ、私は私に出来る精一杯の事をしたまでです」
母「やだ、かっこいい!!」
父「誤解をしてしまったお詫びに、夕飯をご馳走するよ」
女「喜んで」
男「少しは断れよ!?」
母「いいじゃない、女ちゃんもそう思うわよね〜?」
女「はい」
男「くっ、女同士で結束しやがって…」
父「女さんだけに…」
男「やかましい!!」
615: 1:2012/7/25(水) 23:02:34 ID:64Npvv9idc
母「というわけで、今日は私と女ちゃんが作るから、男君と父君はリビングでボーイズトークでもしてなさい!!」
男「何故!?」
女「楽しみにお待ち下さい」
父「うん、楽しみにしてるね」
ガラガラガラガラ
男「結局追い出されたな」
父「家の中なのに追い出されたとは、これいかに」
男「父さん…キャラ変わってね?」
母「やだ!!女ちゃん可愛い!!」
女「こ、こういうのはあまり着けた事がないので…」
母「写真!!写真とっていい!?」
女「か、構いませんが…」
母「次、次これね?」
女「こ、こんなフリフリのエプロンが!?き、着ますよ…」
母「あーん!!もう可愛い過ぎるー!!」
男「・・・料理する気があるのか?」
父「どう…かな」
616: 1:2012/7/25(水) 23:04:37 ID:64Npvv9idc
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
617: 1:2012/7/26(木) 13:10:55 ID:honoxdsWL6
父「ところで男君、女さんとは最近どうなのかな?」
男「いきなりだな」
父「恥ずかしがらずに言っちゃいなよ」
男「んーと、まあ、うまくやってるよ」
父「・・・ん?」
男「やっぱり…なんだろうな…側にいてくれると…安心するっていうか…」
父「・・・はい?」
男「仲良くはやっているよ」
父「・・・告白とかしないの?」
男「・・・一度蹴ってるしな」
父「そんなことを気にする人じゃないことは、君が一番よくわかってると思うんだけどな」
男「うん」
618: 1:2012/7/26(木) 15:16:14 ID:0CncDXXLC.
母「お待たせー」
父「出来たみたいだね」
男「・・・おう」
母「今日はね〜ニンニクをふんだんに使ったスタミナ煮込みを…」
父「吸血鬼が逃げ出しそうなメニューだね」
男「・・・」
女「心ここにあらず、といった感じだな」
男「ん」
女「大会に関してなら大丈夫だろう。お前たちなら勝つさ」
男「そうだな…」
女「それとも、口に合わなかったかな?」
男「いや…」
母「男君!!今日はお母さんと女ちゃんが作ったんだよ!?」
男「誰もまずいなんて言ってないだろ」
父「大丈夫、とっても美味しいよ」ニコ
母「やだ…//」
619: 1:2012/7/26(木) 15:28:05 ID:0CncDXXLC.
男「俺…父さんと母さんみたいな家庭作れるかな…」
女「無理だな」
男「即答かよ」
女「人には人それぞれの家庭がある。お二人のような家庭を作るのは不可能というものだ」
女「ただ…どの家庭も共通しているのは幸せ、ということだ」
男「・・・」
女「お前なら、お前なりの幸せな家庭を作れるさ」
男「そうだな…」
620: 1:2012/7/26(木) 15:32:27 ID:0CncDXXLC.
男「ご馳走さま」
父「美味しかったよ、ご馳走さま」
女「お口に合ったようで、なによりです」
母「当然!!私と女ちゃんの共同作業だからね!!」
父「ははは、共同作業取られちゃったね」
男「嫌でも作業するだろ…女、送っていくよ」
父&母「!?」
女「あ、ああ…頼む」
男「じゃ、女を送っていくから」
バタン
母「・・・お」
母「男君が凄い積極的だよ!?何があったの!?」
父「落ち着いて、母さん」
父「子供はね、知らない間に成長するものなんだよ」
母「あぅぅ…なんだか嬉しいような悲しいような…」
父「(男君…頑張れ!!)」
621: 1:2012/7/26(木) 15:36:06 ID:0CncDXXLC.
女「どういう風の吹き回しだ?」
男「別に、俺がやりたいようにしてるだけだし」
女「ヤりたいようにシてるだけ!?」
男「変換すんなよ」
女「失礼」
男「たまにはいいんじゃないか?こんなのも」
女「む、ならば私は精一杯この状況を利用するぞ?」
男「へいへい」
女「まず手を…いや、腕を組もう」
男「こうか?」
女「うむ♪」
622: 1:2012/7/26(木) 15:39:55 ID:0CncDXXLC.
女「実に心地よい…」
男「腕を組んでるだけだぞ?」
女「私にはそれがいいんだ」
男「・・・」
女「男?」
男「いや、周りに誰もいないよな〜と」
女「いないが?」
男「よし」ギュー
女「っ!?」
男「じゃあなー」スタスタ
女「・・・ふ」
女「不意打ちなんて…卑怯…じゃないか…//」
623: 1:2012/7/26(木) 15:42:53 ID:yNzGmcFMN2
男「・・・」
男「抱きしめ…たな」
男「着実に成長しているのかな…」
男「ああー、なんか、今日の俺変だ」
男「いや…変なんじゃなくて…今までが変だったのか?」
男「・・・」
男「帰るか」
624: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 17:55:41 ID:.RV3qC3J3U
(^.^)っC
大会編末期だけど漫画の《バンブーブレード(YG)/バンブーブレードB(GC)》をオススメ♪
B側は連載中の漫画だし、たぶん読めば大会番外とか書きたくなるかも?ww
625: 1:2012/7/27(金) 19:23:37 ID:yKbDrhsE6s
>>624
参考書物を教えて下さりありがとうございます!!
せっかくですが、剣道はもうこりごりですwww大会番外もちょっとwww
レスが余れば番外とかは書くつもりですが、まあ、試合の番外だけは手をつけたくはありませんねwww
支援感謝です♪
今日は事情により更新がかなり不定期です
申し訳ありません
626: 1:2012/7/27(金) 21:02:54 ID:WXBW503foE
翌日 家
ピンポーン
母「はーい」
母「あら、女ちゃん」
女「おはようございます。男いますか?」
母「おはよう♪男君はね、なんか朝からでてちゃったのよ〜」
女「はあ…」
母「何か用?」
女「いえ、デートに誘おうかと」
母「相変わらず真っ直ぐで積極的ね〜羨ましいわ〜」
女「わかりました。ありがとうございました」
母「場所がわかったり、帰ってきたら連絡するように言っておくからね」
女「ありがとうございます、では」
627: 1:2012/7/27(金) 21:10:07 ID:WXBW503foE
商店街
男「店主、アイス」
店主「お?珍しいな、男が一人で店に来るなんて」
男「涼みに来ただけだよ」
店主「なんだ、随分と素っ気ないな」
男「親しみ溢れるのは勝手だが、あまり踏み込み過ぎんなよ?」
店主「はっはっは、こりゃ一本取られたな」
店主「で?今日はどういった御用で?」
男「・・・」
店主「涼みに来るだけなら図書館なりなんなりあるはずだろ?誰かに聞いてもらいたいとか、愚痴りたいとか、あるんじゃないのか?」
男「・・・ほーんと、お節介だな」
店主「お節介やかなきゃ、この商売は勤まらんよ」
628: 1:2012/7/27(金) 21:16:02 ID:WXBW503foE
男「最近…自分でも変だと感じてるんだ。変だと感じる理由も検討はついている…でも、解決しようとしても、解決できない」
店主「解決するために行動できないと?」
男「行動…そうかもしれないな」
店主「当事者じゃないから、なんとも言えんな…」
男「ああ…って、わかるのかよ」
店主「前に来てくれた女さんだろ?」
男「・・・」
店主「あのな〜、あんなにお前にホの字な娘さんを知ってるのに他の娘さんを出すか?」
男「出さねーな」
店主「だろ?で、本題はその女さんに嫌気がさしたのか、それとも気になり始めたのか」
男「気になり…始めた…いや、最初から気になっていただな」
629: 1:2012/7/27(金) 21:19:54 ID:v1Td8UUCos
店主「なるほどな、つまり最初になってようやく自分の気持ちに気づいた訳だが散々突っぱねてたから不安だと」
男「的確すぎんだろ」
店主「こんな商売してんじゃ、自然と観察眼も身に付くってもんだ」
店主「ただ…お前の性格なら、答えは出てるが、後押しをしてほしい。だろ?」
男「・・・」
店主「惚れてんなら突き進めよ、愛してんならその想いを伝えてやれ、ほら!!ジュテーム!!」
男「恥ずかしいな」
店主「んな真顔で返すなよ」
630: 1:2012/7/27(金) 21:22:33 ID:WXBW503foE
男「ん…まあ、後押しはしてもらった…かな」
店主「疑問系かこの野郎」
男「だって店主だし」
店主「っと、そうだ。大会の決勝だっけか?」
男「ああ」
店主「頑張れよ、応援してるからな」
男「中年のおっさんに応援されても嬉しくねーな」
店主「あっと、もう一つ」
男「まだあんのか」
店主「新作食ってけ、金はいらんから」
631: 1:2012/7/27(金) 21:28:26 ID:WXBW503foE
男「ピンク色…ピーチか?」
店主「ふっふっふ、新作は恋味だ」
男「(駄目だこのおっさん。現実と空想が曖昧になってやがる…)」
店主「なんだよ、その可哀想な生き物を見るような目は」
店主「いいから食えよ」
男「・・・甘酸っぱいな」
店主「だろう?恋愛ってのは、甘酸っぱいもんなのさ」
男「駄目だこのおっさん。現実と空想が曖昧になってやがる」
店主「口に出して言いやがった!?」
632: 1:2012/7/28(土) 08:22:14 ID:ZzXqDf.7IU
男「んー、まあ、なんか答えが出たような気がする」
店主「おう、そうか」
男「じゃあな」
店主「おう」
ガラガラガラガラ
店主「全く…青春しやがって…」
店主「っと、そろそろ友君と幼ちゃんが来るころだな」
店主「あの二人も中々青春してるよな〜、まあ、青春してるのは友君の方だが」
633: 1:2012/7/28(土) 08:47:36 ID:5bnePVgPgg
男「んー…これからどうすっかな…てか」
男「暑…もう夏か」
男「今年は猛暑だなんだの騒がれてるからな〜」
男「暑くてたまら…ん?」
女「・・・」キョロキョロ
男「女…?また、なんともタイミングがいいような悪いような…」
女「・・・ふぅ」
男「疲れて…そうだな」
634: 1:2012/7/28(土) 18:40:28 ID:fcKLsfYnRA
男「おい、女」
女「お、男か」
男「なんでこんなところにいるんだよ、ていうか…」
女「な、なんだ…」
男「顔、赤くね?」
女「え、あ、いや…これはあれだ…」
男「おい、お前なんか熱いぞ?」ピトッ
女「だ、大丈夫だ…問題…な…」フラッ
男「お、おい!!」
女「くっ…不甲斐ない…」
男「無理すんなって…俺の家いくぞ」
女「迷惑を…かけるな…」
635: 1:2012/7/28(土) 18:57:25 ID:bkF.wHY/GQ
家
母「お帰…って、女ちゃん!?どうしたの!?」
男「説明は後だ、濡らしたタオルと保冷剤を頼む」
母「う、うん!!」
男「さってと、とりあえず寝かして…」
男「・・・」
男「こ、こっからどうすりゃいいんだ?」
男「と、とりあえず…涼しくするには…服を…脱がす…のか?」
母「あ、男君!!」
男「はい!!」
母「女ちゃんの体がすぐ冷やせるように、服を脱がしておいて」
男「あ、ああ…」
636: 1:2012/7/28(土) 19:01:04 ID:I4jXcNaZew
男「(ひ、冷やすとはいえ…こんなこといいのか!?)」
男「で、でも…女が苦しんでるし…」
女「う…く…」
男「・・・南無三!!」
女「おと…こ…?」
男「!?」
男「き、気がついたか?」
女「ああ…まだ…ぼんやりとはするが…ここは?」
男「俺の家だ」
女「そうか…」
男「あんなとこで…何してたんだ?」
女「・・・」
637: 1:2012/7/28(土) 19:07:31 ID:bkF.wHY/GQ
女「お前を…デートに誘おうとしたんだが…ふふ、みっともない姿を見せてしまったな…」
男「・・・そんなことねーよ」
女「男…?」
男「俺のせいだよな…責任、取らせてくれ」スッ
女「き、君が気にする事ではない!!だから…その…近いぞ//」
男「・・・力抜いて」
女「あ、ああ…」
男「服、脱がさせてもらうぞ」
女「っ!!う、うむ…//」
638: 1:2012/7/28(土) 19:10:31 ID:I4jXcNaZew
女「あ、汗臭いから…あまり近くには…」
男「そんなことねーよ」
男「女の香りがする」
女「・・・///」
男「保冷剤、当てるぞ」
女「ん…」
男「(やべぇ…女、可愛い過ぎる)」
女「(何故だろう…いつもより男が…)」
男「女…」スッ
女「男…」スッ
パッカーン!!
男「ぐへっ!?」
639: 1:2012/7/28(土) 19:35:26 ID:SZEVTH1fAU
母「こらー!!いくら可愛いからって弱ってるのに襲っちゃ駄目でしょー!!」
男「いや…襲ってな…」
母「問答無用!!」
パッカーン!!
男「ぐへら!!銀のお盆で叩くなよ!!」
母「獣には当然の処置です!!」
女「・・・ぷっ、く、あっははははは!!」
母「ふえ!?」
男「女?」
女「す、すみま、せ…ぷっくくく…さっきの緊張が嘘みたいで…くくく」
母「え!?襲われてたんじゃないの!?」
女「違いますよ、男は私を介抱してくれてました」
母「なんだ…服を脱がして覆い被さってたから、てっきり…」
男「服を脱がせと命令したのはあんたなんだがな」
640: 1:2012/7/28(土) 19:46:50 ID:R5p1mCJ59I
母「まあそんな事はどうでもいいとして」
男「よくねーよ」
母「女ちゃん!!体調はどう!?」
女「万全とは言えませんが、先程よりは大分楽になりました」
母「よかった〜♪」
女「ご迷惑をお掛けします」
母「とんでもない!!治るまでいていいんだからね…あ、男君が一緒なら治るの早いかな?」
男「んなわけ…」
女「はい」
男「!?」
母「そっか♪じゃ、私はお買い物にいってくるから、男君はお留守番と女ちゃんの看病ね」
男「へいへい」
641: 1:2012/7/28(土) 22:15:42 ID:odDgfJ6YoQ
男「正直看病イベントなんか需要無いだろうに…」
女「いきなりどうした」
男「あふれでる作者の気持ちを代弁しただけだ。それより、気分はどうだ?」
女「大分落ち着いてはいる」
男「そっか…よかった」
女「ところで、二人っきりだな」
男「似たような展開ばかり繰り返してたら…そりゃ飽きられるわな…」
女「さっきからどうした?」
男「あふれでる(ry)」
女「まあ、今の私も本調子じゃないからな…」
男「本調子だったらどうにかなっていたのか」
女「なっていたな」
男「おおこわいこわい」
642: 1:2012/7/28(土) 22:20:26 ID:odDgfJ6YoQ
女「決勝に関しての意気込みは?」
男「頑張ってるぞ(主に作者が)」
女「そうか、それは楽しみだな」
男「しかし、こんな炎天下に防止も被らずにいたら、そりゃ熱中症になるわな」
女「ほんの二、三時間いただけだ」
男「それが問題だっつの」
女「すまん、気を付ける」
男「勘弁してくれよ?心臓に悪いんだから…」
女「私が君を好きだと知っててその発言か?いい性格をしてるな」
男「お前には負けるがな」
女「くく…違いない」
643: 1:2012/7/28(土) 22:25:17 ID:odDgfJ6YoQ
女「さて…調子も戻ってきたし、お母様には悪いが私は失礼させていただこう」
男「もう大丈夫なのか?」
女「ああ、これ以上はお前にも悪影響だしな」
男「・・・言えてる」
女「決勝前の大事な時にいらぬ心労はかけたくないからな」
男「お前が倒れた事が心労なんだがな」
女「ふふふ、では失礼する」
男「送ってかなくていいのか?」
女「ほう?余程路地裏に連れ込まれたいと見える」
男「さっさといけ」
644: 1:2012/7/28(土) 22:35:22 ID:Ldk0B9ky3M
皆様こんばんは
1でございます
まずは、ここ数日の無言投下終了及び不定期更新。挙げ句の果てには少量更新しかしないという体たらく。しかもそんな体たらくの理由が新しい話を考えていたという始末。楽しみに待っていた方々には本当に申し訳ありませんでした
それと、このSSですがようやく物語の半ばが終わり、第一部が終わりとなります。第一部ということは第二部もあるのか、ということですが
はい、あります
詳しくはSSをご覧になっていけば自ずとお分かりになられるかと思います
それでは、今日のお盆投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
645: 1(お盆投下ってなんだよ…):2012/7/29(日) 16:11:13 ID:ZjXDVymqKs
大会当日
主将「・・・」
男「・・・」
友「・・・」
先鋒「・・・」ゴク
次鋒「・・・」
主将「皆…今日のためによく戦ってくれた…改めて、礼を言わせてくれ」
主将「思えば…長い道のりだった…」
主将「今日この日が来るためには、俺一人の力では絶対に不可能だった」
主将「皆が力を合わせ、一人の事に全力を出しきる」
主将「その成果が、今この場にあると思う」
主将「・・・もう、言葉はいらんな」
主将「・・・勝つぞ!!」
646: 1:2012/7/29(日) 16:16:26 ID:gqulGgaIg.
幼「もう決勝かぁ…なんか、ドキドキするね!!」
後輩「はい!!ここまで来たんですね!!」
書記「皆さん…とても…頑張りました」
女「ああ、少し早いが学校で祝勝会も設置してある。抜かりはない」
後輩「そ、それは少し早すぎなんじゃないですか?先輩」
書記「・・・」
女「私達に出来るのは、ただ信じるだけだ。あいつらを」
幼「そうだね…」
647: 1:2012/7/29(日) 16:22:00 ID:ZjXDVymqKs
男「・・・」
友「腹にあった物が無くなったってところかな?」
男「ああ…答えが出た」
友「そう」
男「俺はこの試合、なんとしてでも勝つ」
男「勝たなきゃ…意味がないんだ」
友「あまり力まないでね、滑られたらこっちが困るんだから」
男「悪い、ところで今日戦う高校は?」
友「五月女高校って所だけど…」
男「けど?」
友「元女子校なんだ」
男「へえ?てことは共学にはなったが、男子は少ないのか」
友「うん。だから、剣道部はある意味五月女高校男子の看板を背負ってるかもね」
男「なんかめんどくせーな」
648: 1:2012/7/29(日) 16:24:46 ID:gqulGgaIg.
主将「二人とも、相手選手の入場だ」
男「ん」
友「やはり…ここまで勝ち上がって来ただけに…貫禄があるね…」
審判「これより、決勝を行います。互いに礼」
審判「先鋒、前へ」
先鋒「・・・」
「・・・」
審判「始め!!」
649: 1:2012/7/29(日) 16:29:05 ID:gqulGgaIg.
先鋒「やあああああ!!」
「はああああああ!!」
男「っ!?今の!!」
友「女の子の声…だね」
先鋒「なっ!?」
「やああああ!!」ブン
先鋒「くっ!!」
男「先鋒!!落ち着け!!」
友「なんで女の子が?」
主将「簡単な事だ」
男「は?」
主将「五月女高校では、男より女が上…つまり、男は役に立たない存在なんだ」
男「でも試合だぜ?普通なら…」
主将「五月女高校では、例年特例が認められているらしい。実力や実績が備わっているからな」
友「つまり?」
主将「五月女高校の出場選手は…全員女子だ」
650: 1:2012/7/29(日) 16:33:43 ID:ZjXDVymqKs
先鋒「(出場選手が全員女子?簡単に言ってくれるよ!!)」
先鋒「(一太刀が鋭く重い、この子は本当に女の子なのか!?)」
「この子は本当に女の子なのか、そうお思いになられていますね」
先鋒「!?」
「問題はありません。私達と当たった高校は皆さんそのようにお思いになられていましたから、恥ずべき事ではありません」
「そんな輩には思い知らせてあげるのです。男など、女の足元にも及ばないと」ヒュン!!
先鋒「くっ!!突きか!!」
「いいえ、詰みです」
先鋒「なっ!?」
スパーン!!
審判「面有り!!一本!!」
651: 1:2012/7/29(日) 16:37:40 ID:ZjXDVymqKs
先鋒「そん…な…」
「あなた方が私達を女と見くびっているのであれば、私達には絶対に勝てません。その事をお忘れなきよう…」
先鋒「くっ!!」
友「先鋒…」
次鋒「辛い戦いになりそうですね…」
主将「うむ…」
男「負けたら弱いってレッテル貼られるもんな」
次鋒「いや、今そこは関係ないんじゃ」
男「ともかく、相手は性別を武器にする気は無さそうだし、全力でいってもいいだろ」
先鋒「さっきの…全力だったんですけど…」
男「・・・まあ、頑張ったよ」
652: 1:2012/7/29(日) 16:44:53 ID:ZjXDVymqKs
審判「次鋒、前へ」
審判「始め!!」
次鋒「嫌ですね〜、自分はあまり女性に暴力は振るいたくはないのですが」
「まあ、紳士的ですわね」
次鋒「でも」ビュン!!
「・・・」ヒョイ
次鋒「暴力は振るいませんけど、攻撃をしないとは言いませんよ?」
「好意的な方ですわね」
次鋒「すいません。心に決めた人がいるので」
「まあ、残念」
次鋒「残念に思うんなら少しくらい太刀筋を緩めてくれてもいいんじゃないですかね」
「それは出来ない相談ですわね」
次鋒「まあ、だろうとは思いましたけど」
653: 1:2012/7/29(日) 16:55:02 ID:gqulGgaIg.
次鋒「(さて…かれこれ一分間はにらみあったままなんですが…)」
次鋒「(嫌ですね〜、この空気は…あからさまに腹に一物ありと言ってるみたいなもんじゃないですか)」
「攻撃なされないのですか?」
次鋒「作戦会議中です」
「そうですか」ニッコリ
次鋒「(さて…このままにらめっこしてれば、判定も何もありませんし、引き分け確定…下手に負けるよりかはここで引き分けておいて後のお三方に託すのも手ですが…)」チラッ
主将「・・・」
男「・・・」
友「・・・」
次鋒「(ああ〜、あのお三方、特に主将が、俺、お前の事だけは信じてるから的な感じの視線送ってきますよ)」
654: 1:2012/7/29(日) 17:00:18 ID:gqulGgaIg.
次鋒「(正直、期待されるとか、注目されるとか、柄じゃないんですよね…)」
次鋒「(常に一歩引いた位置くらいがちょうどいいんですよ、僕は)」
次鋒「(期待するのは勝手なんですけど、応えられませんよって言いたいですよ…でも)」
次鋒「(こんな僕でも、あのお三方、あっと先鋒もか…普通に接してくれた)」
次鋒「(こんな面倒くさい奴に絡むなんて、余程物好きなんですね…だからこそ)」スッ
「構えを変えた…きますか」
次鋒「あのお三方に格好悪い所は見せられないので!!」ダッ
655: 1:2012/7/29(日) 17:05:41 ID:ZjXDVymqKs
「世の中には蝶のように舞い蜂のように刺すという言葉があります」
「一見これは綺麗な方を示す慣用句になりがちですが…実は回避しながら攻撃をしているというのを指し示しています」
「つまり、あなたの攻撃を蝶のように舞う動きで避け…」
スパーン!!
「・・・え?」
次鋒「悪いけど、社交ダンスなら他を当たってください」
次鋒「ここは…神聖なる剣道場ですので…」
656: 1:2012/7/29(日) 17:09:42 ID:ZjXDVymqKs
友「お疲れ」
主将「よくやった」
次鋒「全く、変に期待しないでくださいよ。無駄に頑張っちゃったじゃないですか」
主将「無駄とはなんだ!!」
友「はいはい落ち着いて」
男「・・・」
次鋒「どうも」
男「何考えてた?」
次鋒「・・・色々、です」
男「そっか…」
次鋒「物好きが集まる部活に入れて、僕は幸せですよ」
男「なんだそりゃ」
次鋒「こっちの話です」
657: 名無しさん@読者の声:2012/7/30(月) 10:23:35 ID:/ZKK41.bWM
まさか次鋒がこんなにかっこいい奴だったとは…!
支援支援
658: 1:2012/7/30(月) 17:44:10 ID:eEfZqNrbHk
>>657
次鋒「支援感謝です」
次鋒「ですが、僕は所詮大会編でしか活躍出来ないモブですし」
男「そんなこと言うなよ!!」
659: 1:2012/7/30(月) 17:49:56 ID:eEfZqNrbHk
審判「中堅、前へ」
友「いってくる」
男「おう」
審判「始め!!」
友「・・・」スッ
中堅「現れましたね!!悪の組織!!」
友「・・・」
中堅「この中堅ちゃんが、月に代わっておしおきなのです!!このエクスカリバーで!!」
友「・・・」
男「おい、温度差が激しすぎるぞ」
主将「う、うむぅ…」
次鋒「でもあの電波っぽいのが相手を油断させる罠だったとしたら、友先輩には効果がありませんね」
男「ああ、この試合…もらったな…」
中堅「覚悟しなさい!!必殺!!」
中堅「覇王滅封剣!!」
ドゴン!!
友「!?」
660: 1:2012/7/30(月) 17:54:04 ID:OSHfq9G7Xc
男「おい!?今凄い音したぞ!?竹刀じゃ絶対に出ない音したぞ!?」
主将「っ!!おい、床を見ろ!!」
男「床を…!!」
次鋒「へこんで…ますね」
先鋒「あんなのに当たったら!!」
主将「笑い事ではなくなるな」
男「友!!落ち着いていけよ!!」
661: 1:2012/7/30(月) 18:19:41 ID:eEfZqNrbHk
友「落ち着いて…か」
中堅「むむ、今のをかわしますか…ただのしたっぱじゃないみたいですね」
友「一つだけ教えてほしい。僕が所属している悪の組織って、なんだっけ?」
中堅「自分の組織なのにわからないんですか?頭を疑います」
友「・・・」ビキッ
中堅「あなたの所属してるう組織は道行く女性を襲っては蹂躙する最低の組織ではないですか!!この変態!!」
友「・・・」ビキビキ
662: 1:2012/7/31(火) 16:13:38 ID:9V8icDA8WQ
友「そ、そんなことをしてたんだね…、そうかそうだった…」
男「ありゃ、かなりキテんな」
主将「MK5といったところか…」
次鋒「(ていうか、今時MK5使う人って…)」
中堅「お喋りはここまでです!!次は本気でいきますよ!!」
中堅「やあああああ!!」
友「くっ!!」
男「早いな…」
主将「ああ…どうやらあれは天然らしいな」
男「天然…!!」
663: 1:2012/7/31(火) 16:27:52 ID:WXBW503foE
友「言動行動はともかく、実力は本物みたいだね」
中堅「何当たり前の事を言ってるんですか!!」
友「・・・」
中堅「こないからこちらからいきますよ!!」
中堅「たっ!!やっ!!てやっ!!」
友「・・・」ヒョイ
主将「怒涛の突きか!!」
男「でもそれを全てかわしているな…紙一重で」
中堅「なんで攻撃しないんですか!?さては、このエクスカリバーと私に恐れをなしましたね!?」
友「いや、それはあり得ない」
中堅「ならばこれはどうです!?」
中堅「剣舞 猪鹿蝶!!」
ヒュン!!ブン!!ビュン!!
友「くっ!!」カキン
男「一発受け止めた!!」
主将「やはり…実力本物か…」
664: 1:2012/7/31(火) 16:33:35 ID:v1Td8UUCos
中堅「むー!!あなたが何もしないで負けるのは勝手ですが、せめて一太刀くらい私にあびせようとか思わないんですか!?」
友「一太刀か…わかった」
友「次の一太刀で…決める」
中堅「っ!?この悪のオーラ…ようやく正体を表しましたね!!」
中堅「負けません!!この星の平和を守るため!!このエクスカリバーであなたの野望を止めてみせる!!」
友「・・・」スッ
中堅「はあああ!!」ブン
友「奥義…無影剣」
中堅「っ!!きゃあああ!!」
665: 1:2012/7/31(火) 16:37:07 ID:WXBW503foE
友「・・・」
中堅「・・・あ、あれ?」
中堅「(た、確かに面を打たれた感覚が…でも…向こうは動いてない?)」
友「・・・」スッ
中堅「(剣を降ろした?降参…)」
スパーン!!
中堅「・・・あ」
審判「め、面有り!!」
先鋒「え!?いまの…」
次鋒「音が…後から」
男「まさかとは思うが…音速の剣とか言うんじゃないんだろうな…」
主将「だが…それ以外に…」
666: 1:2012/7/31(火) 16:41:13 ID:v1Td8UUCos
中堅「そんな…悪の組織に負けるなんて…」
友「確かに正義が勝つのは王道だ」
中堅「っ!!」ビクッ
友「でもね…悪が勝つことだって…あるんだよ?」ニヤリ
中堅「ひっ!!」
友「まあ、この敗北をバネに、強くなって今度こそ倒すってのもあるけどね…」
中堅「え?」
友「じゃあね、君はまだ強くなるから」
中堅「お、襲わない…の?」
友「生憎、僕はそういうのに興味がなくてね」
667: 1:2012/7/31(火) 16:49:03 ID:WXBW503foE
男「お疲れ」
友「うん。疲れた」
主将「最後は見事な剣だったな」
次鋒「流石です。友先輩」
友「ありがとう、ところで…」
友「どうして男はやや離れて尻を押さえてるの?」
男「いや…お前が興味がないとかいうから」
友「・・・竹刀刺すよ?」
男「どこに!?」
友「こんな茶番やってる暇あったら早く準備する」
男「へいへい」
友「あ、それから」
男「?」
友「女性だからってなめてかからないほうがいい」
友「実力は本物だ」
男「アホ、俺の知り合いにもいるわ」
友「・・・ああ」
男「じゃ、いってくる」
668: 1:2012/7/31(火) 16:52:45 ID:WXBW503foE
審判「副将、前へ」
男「・・・」
副将「・・・」
審判「始め!!」
男「・・・」スッ
副将「男だな…噂は聞いている」
男「は?」
副将「始めに言っておこう。私の敵はお前ではない」
副将「そう…女だ」
男「どういう意味だ?」
副将「忘れもしない!!あの日本一を決める大会の時!!」
669: 1:2012/7/31(火) 16:57:15 ID:WXBW503foE
副将「その時の私はフェンシングの期待の若手だった」
副将「日本一も夢じゃないと周りから期待されていた時にあの女が現れた」
副将「あの時…私は体調は完璧で、負けない自信があった!!なのにあの女はそんな私を軽々と倒し、あまつさえ試合終了後に手加減をしていたと謝罪してきたのだ!!」
男「女が…」
女「・・・」
670: 1:2012/7/31(火) 17:01:23 ID:v1Td8UUCos
副将「それから私は試合を思うように勝てなくなり…最悪の結果と終わった…」
副将「わかるか!?私はあの女に台無しにされたんだ!!」
男「・・・」
副将「自棄になって、剣道を始めたが…これはこれで面白い」
副将「更に、風の噂で聞けば、あの女は一人の男に骨抜きにされているそうじゃないか」
副将「お前たち二人を見かけた時は愕然としたな、あの女があんなにもデレデレしているのを…」
副将「そして私は情報網を使い、お前を調べ、大会に出ることを知った」
副将「つまり、お前をここで私と戦う事は必然だったというわけだ」
男「・・・」
671: 1:2012/7/31(火) 17:05:23 ID:WXBW503foE
副将「そして私は考えた。女が愛するお前を目の前で私が倒せば、あの時の借りを返せる…」
副将「くくく…あの女の絶望した顔が目に浮かぶ…」
副将「そういう訳だ、私の復讐の糧と…!?」
ガキン!!
副将「くっ!!」ギリギリ
男「・・・」
副将「ふん!!まさかとは思うが、怒ったのか?知っているぞ、お前はあのにまとわりつかれて迷惑している…」
男「うるせぇ」
副将「っ!!」
672: 1:2012/7/31(火) 17:09:33 ID:v1Td8UUCos
男「てめぇが復讐したいとか、女に恨み持ってるとか、んなもん知ったこっちゃねーよ」
男「復讐するならどうぞご自由に、だ」
副将「!?」
男「ただな、つまんねー策を講じて、回りくどい手を使ってるようなお前に…女は一生負けない」
副将「戯れ言を!!」
男「試してみるか?」
男「少なくとも、俺を倒せないようじゃ…女を倒すなんて夢のまた夢だ」
副将「・・・いいだろう。私とて剣士の端くれ、勝負には応じよう」
副将「貴様を倒し!!私はあの女に勝つ!!」
673: 1:2012/7/31(火) 17:13:43 ID:v1Td8UUCos
副将「はああああ!!」
男「・・・」スッ
副将「そこだ!!」
男「っ!!遅い!!」
スパーン!!
審判「面有り!!」
副将「な…に…」
男「ほら見ろ、やっぱり女しか見えてねーじゃねーか」
副将「馬鹿な…この私が?」
男「目の前の敵を見れないような奴に…復讐なんて無理だ」
男「諦めろ、お前は負けてんだよ。最初からな」
副将「嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁ!!」
674: 1:2012/7/31(火) 17:16:01 ID:v1Td8UUCos
女「副将!!」
副将「っ!?」
女「私は逃げも隠れもしない!!いつでも挑みにかかるがいい!!その時は、私も全力で戦おう!!」
副将「女…」
男「ま、本人もああ言ってんだ」
男「どうするかは、お前次第だからな…」
副将「・・・すまなかった」ボソッ
男「別に」
675: 1:2012/7/31(火) 20:43:32 ID:7mKDXznsN.
男「やれやれ」
友「勝ったのに、浮かない顔だね」
男「んー、まあ惚れた女の事を悪く言われたら少しくらいへこむだろ」
友「え」
男「ん?どうした?」
友「いや…なんでも」
友「(男は勇気を出して進んでる…僕も進むべきなんだろうな…)」
男「さて…後は主将だな」
主将「やっとか、今までの激戦を見て体が疼いておるわ」
友「うん。キャラも変わってるね」
主将「くくく、我が竹刀が血を欲しておるわ」
男「先鋒、次鋒、思いっきり主将の頭をぶん殴って」
先次「そぉーい」
主将「ぐはっ!!」
676: 1:2012/7/31(火) 20:47:56 ID:9HAvJrIf6M
主将「すまん…取り乱した」
男「ほら、準備しろよ」
友「相手が女の子だからって、油断しないでね」
先鋒「ところでずっと気になってたんですけど…五月女高校の大将…小さくありません?」
次鋒「確かに…やけに小さいですね」
主将「小さいと馬鹿にしてはいかん。面妖な動きをしてくるかもしれん」
男「そうだな。警戒するに越したことはないな」
677: 名無しさん@読者の声:2012/8/1(水) 18:57:55 ID:gYb/l1VPKE
取り乱し方が何か変だろ主将ww
始めから見てる支援
678: 1:2012/8/1(水) 19:24:54 ID:6RvnrFfxHI
>>677
主将「支援感謝する」
主将「まああれだ、取り乱した事にはあまり深く追及しないでくれ」
主将「別にキャラが薄いとか、名前がついているだけのモブキャラとかって事を気にしているわけではないからな」
679: 1:2012/8/1(水) 19:28:26 ID:aZC9frxMSU
審判「大将、前へ」
審判「始め!!」
主将「ぬぅぅぅぅん!!」
大将「!!」
主将「逃げも隠れもせん!!どこからでもこい!!」
大将「よろしく♪お兄ちゃん♪」
主将「なん・・・だと?」
大将「ほんきでいくからねー!!てやー…わ、わわ!!」ベシャ
主将「・・・」
友「ドジッ娘?」
男「ドジッ娘というよりは」
大将「えへへ…失敗失敗、ごめんね、お兄ちゃん」
男「たんなるロリ」
680: 1:2012/8/1(水) 19:31:47 ID:6RvnrFfxHI
主将「くく、くくく…」
男「・・・あ、まずい」
友「?」
男「忘れたのか?主将は…」
友「・・・あ」
主将「ふぉぉぉぉぉ!!」
大将「あはは♪お兄ちゃんおもしろーい♪」
主将「ぐっ、攻撃出来ん!!」
大将「どうしたの?気分悪いのお兄ちゃん?」
主将「ち、近づくな!!」
大将「お兄ちゃん…大将のこと…キライなの?」
主将「ぐっ!!」
男「主将には厳しい戦いかもな」
友「なんせ、ロリコンだからね、彼」
先&次「え!?」
681: 1:2012/8/1(水) 19:37:10 ID:aZC9frxMSU
主将「(落ち着け…明鏡止水だ…)」
主将「(相手がいかなロリとはいえ…今は決勝!!この戦いを勝たねばならん!!)」
大将「お兄ちゃん…無理しないで…?」ソッ
主将「(っ!?いつの間にこんなに近くに!?)」
大将「お兄ちゃん…最近がんばりすぎだよ…大将、そんなお兄ちゃん見たくないよ…」
主将「・・・」
主将「(せ、精神統一!!激流に身を任せ、流れと同化するのだ!!)」
大将「お兄ちゃんはもう三勝してるんだよ?もういいんだよ…」
主将「(次鋒と、友と、男が繋いでくれた…三勝…)」
大将「大将の事、好きにしてもいいんだよ?」
主将「(あの三人が頑張ってくれた…だから…俺はもう…)」
大将「(勝った…)」ニヤリ
682: 1:2012/8/1(水) 19:43:10 ID:aZC9frxMSU
主将「そうだな…俺はもう…頑張ったな…」
男「おい!!主将…」
友「試合中だよ、男」
男「だけど!!」
友「忘れたのか?いくら主将がロリコンだからって、主将が剣道にかける思いはそれ以上なんだよ?」
男「・・・」
大将「そうだよ♪お兄ちゃんはもう頑張ったよ♪」
主将「そうだな…」
大将「だからね?大将と遊ぼ…」
ヒュン!!
大将「っ!!」
主将「ああ…確かに俺は頑張ったな…三人が三勝しているからこの試合は勝つ必要がない」
主将「だからといって…俺が試合放棄する理由にはならない」
主将「俺が頑張らねば、男達が繋いでくれたこの勝利を俺は受け取らねばならん!!」
主将「こい…俺の、俺達の思いを込めた剣で…お前を倒す…」
大将「こ、怖いよ…お兄ちゃん…」
主将「いいかげんその目障りな芝居を止めたらどうだ?」
大将「!!」
683: 1:2012/8/1(水) 19:46:14 ID:6RvnrFfxHI
大将「・・・あーあ、なんだ、気づいてたんだ」
主将「ふっ」
大将「正直、お兄ちゃん連呼するの気持ち悪かったんだよね〜でさ、どこでわかったの?」
主将「簡単な事だ」
主将「ロリの微笑みがあんな邪悪なわけがなかろう!!」
大将「・・・」
友「・・・」
男「・・・」
会場「・・・」
男「剣道にかける思いが、なんだっけ?」
友「なんだ、ただのロリコンか」
男「話を逸らすな」
684: 1:2012/8/1(水) 19:49:06 ID:aZC9frxMSU
大将「はあ…なにいってるかよくわかんないケド」
大将「アンタ、大柄だから攻撃も大振りでしょ?だから避けるのはかんた…」
ビュン!!
大将「っ!?」
主将「なら…早く降り下ろせばいいだけの話」
主将「さっきのが遅いなら、更に早く。それでも駄目なら、更に早く!!」
主将「この一閃で進むべき道を切り拓…」
男「アウトー!!」
685: 1:2012/8/1(水) 19:53:52 ID:6RvnrFfxHI
男「審判さん。ちょっとだけ失礼します」
審判「あ、ああ」
男「お前馬鹿なの?死ぬの?何やってんの?」
主将「いや、最終決戦に相応し」
男「馬鹿だろ!!空を割れるんですか!?ペガサス切れるんですか!?」
主将「大事なのはできる出来ないじゃない、やるかやらないか…」
男「時と場合を考えろ!!てめーの脳内でやってろよ!!」
主将「しかし…キャラが…」
男「イイカラマジメニシアイヤリヤガレコノスットコドッコイ」
主将「こ、心得た!!」
686: 1:2012/8/3(金) 17:43:59 ID:dWmEEQph1A
主将「では…ゆくぞ!!」
大将「っ!!はやっ!!」
ガキン!!
主将「ふんぬ!!」
大将「こ、こんな馬鹿力と正面からやりあえないから!!」ヒョイ
主将「む、避けられたか」
大将「(冗談じゃないわよ…あいつロリコンじゃなかったの!?私の可愛さが効かないなんて…)」
主将「なるほど、そういう事か」
大将「?」
主将「つまり、貴様のスタミナが尽きるのが先か、俺のスタミナが尽きるのが先か勝負というわけだな!!」
大将「違うから!!」
主将「はああああ!!」
大将「ちょ!?くんなー!!」
687: 1:2012/8/3(金) 17:51:36 ID:dWmEEQph1A
主将「せや!!はあ!!でやぁ!!」
大将「くっ!!」
主将「感じる!!感じるぞ!!」
大将「(いきなり何言い出すのこの人!?)」
主将「貴様がこの大会にかける想いが!!」
大将「っ!?」
主将「男女差別…とりわけスポーツは激しいからな…この大会で優勝し、世に訴えるわけか」
大将「・・・そうよ、悪い?」
大将「毎回言われるわよ。女がスポーツ、女がやることじゃない」
大将「私たちだって!!やりたいことぐらいあるのよ!!世間はそれを認めようともしない!!」
大将「だから…この大会に勝って…なんとしても皆の気持ちに応えないといけないのよ!!」
主将「・・・いい精神だ」
大将「!?」
主将「誰かの為に全力を出す…とても真似できるものではない…」
688: 1:2012/8/3(金) 17:54:15 ID:dWmEEQph1A
主将「だが、俺にも勝たなければならないわけがある」
主将「貴様には悪いが、この戦いだけは負けられない」
大将「・・・どっちも引けないなら、しょうがないわよね」
主将「ああ」スッ
大将「・・・」スッ
主将「はああああ!!」
大将「やああああ!!」
スパーン!!
689: 1:2012/8/3(金) 18:00:45 ID:uG76tHGYho
大将「・・・」
主将「・・・っ」
大将「あーあ…残念」
審判「面有り!!」
主将「・・・」
大将「強かったよ…アンタ」
主将「いつか、スポーツ、武術に男女分け隔てなくなる時がくる」
大将「・・・」
主将「貴様がやっていることは、決して無駄にはならない」
大将「・・・アリガト」
主将「・・・」
690: 1:2012/8/3(金) 18:08:47 ID:uG76tHGYho
友「お疲れ様」
先鋒「俺達…勝った…んですよね?」
次鋒「あまり実感湧きませんけど」
主将「誇っていい。勝ったんだ。俺達は」
友「よかったね、男」
男「え!?あ、うん」
友「ほら、表彰式にいくよ」
男「あ、ああ…」
男「勝ったんだな…俺達」
691: 1:2012/8/3(金) 18:15:50 ID:uG76tHGYho
幼「す、すごいよ!?優勝!!優勝だよ男君たち!!」
女「ははは、幼、服を引っ張るな。伸びてしまうだろう?」
後輩「皆さん頑張りましたよね!!男さん以外!!」
書記「後輩…本音…出てる」
女「勝ったか…よくやってくれたな…」
後輩「表彰式始まるみたいですし、私達もいきましょう!!」
女「ああ」
692: 1:2012/8/3(金) 18:33:42 ID:dWmEEQph1A
男「いや〜、話長かったな…表彰式」
友「安定のカットである」
男「正直めんど…需要ないからな」
友「(考えるのがめんどくさかったんだな…)」
男「そいや主将は?」
主将「・・・」
友「さっきからずっとおし黙ってるんだよ」
男「なんかあったのか?表彰式の時は普通に見えたが…」
主将「いや…終わったと思うと…妙に心が落ち着いて何もしたくなくなるように…」
男&友「(燃え尽きた!?)」
主将「ふむ…どうやらここ数日の疲れが押し寄せて来たようだ」
男「疲れって…普通に休んでただろ?」
主将「試合がない日はずっと特訓していた」
男「・・・」
693: 1:2012/8/3(金) 18:38:56 ID:RlSRqpaV0I
男「先鋒達はどうだ?」
先鋒「正直…結構キツイです…」
次鋒「右に同じく」
男「その割りには涼しい顔してんな」
次鋒「仕様です」
友「まあ、二人とも初めてだからね」
次鋒「お二方もですよね?」
男「・・・」
友「・・・」
先鋒「た、タフですね…」
主将「とにかく…皆ご苦労だった…今日はしっかりと休んでくれ」
男「お前に一番言いたいよ」
主将「では、俺は先にいかせてもらう」
先鋒「あ、自分もです」
次鋒「同じく」
男「おう、じゃあな」
694: 1:2012/8/3(金) 18:44:13 ID:RlSRqpaV0I
男「はあ…疲れた」
幼「男君ー!!友くーん!!」
友「幼さん」
幼「二人ともお疲れ様!!よくわからなかったけどすごかったよ!!」
友「ありがとう」
後輩「友先輩!!優勝おめでとうございます!!」
友「ありがとう、応援嬉しかったよ」
後輩「えへへ〜」
男「ナチュラルに俺をスルーな件について」
後輩「・・・ああ、頑張りましたね」
男「うわお、最大限の譲歩が凄いにじみ出てる」
695: 1:2012/8/3(金) 18:47:59 ID:A2tRVLAHGg
書記「おめでとう…ございます」
男「応援サンキューな、書記」
書記「頭…撫でてください」
男「普通逆じゃね?」
書記「撫でられたい…ですか?」
男「聞くなよ」ナデナデ
書記「えへへ…」
女「ご苦労だった」
男「おう。勝ったぞ」
女「日本一か…ふふ、いつか手合わせ願いたいものだ」
男「俺一人の力じゃねーよ」
女「だが、お前はよく頑張った、誇りに思ってもいいぞ」
男「ああ」
696: 1:2012/8/3(金) 18:53:16 ID:A2tRVLAHGg
友「男、これからどうするの?」
男「普通に帰る」
女「ならば私が送っていこう。疲れているだろうしな」
男「頼むわ」
友「そっか、じゃあ僕も帰るとするよ」
幼「友君疲れてるよね?」
友「え?まあ…ね」
幼「よーし!!私が送ってあげるよ!!」
友「幼さん…僕の家知ってるっけ?」
幼「・・・あ」
友「送るよ」
幼「うう…恥ずかしすぎる…」
697: 1:2012/8/3(金) 18:59:10 ID:RlSRqpaV0I
後輩「先輩♪お供しま…」
男「後輩、お前は書記を頼むわ」
後輩「貴方に命令される筋合いはありませんよ!!」
女「後輩、私からも頼む」
後輩「うぐ…」
書記「・・・」
後輩「ち、違うよ!?書記ちゃんが嫌いなわけじゃないからね!?ただ男さんと先輩を二人っきりにしたら何かよからぬ事が…」
男「流石に疲れてるからそりゃねーよ…」
後輩「・・・わかりました。責任を持って書記ちゃんを送ります」
女「書記、後輩を頼むぞ」
書記「はい…会長」
後輩「!?」
698: 1:2012/8/3(金) 19:02:16 ID:A2tRVLAHGg
男「・・・いくか」
女「ああ」
男「まあ…あれだ、大会終わったから色々と余裕出てきてな…考えてみたんだ…」
女「・・・」
男「つーか、大会中もずっと考えてたけど…答えが上手く出なかったって感じかな」
女「答えは出たのか?」
男「ああ…出た」
男「自分の気持ちに対する答えが」
男「俺、女が好きだ」
699: 1:2012/8/3(金) 19:07:59 ID:RlSRqpaV0I
女「今さらだな。私は前からあんなにお前に求愛していたというのに」
男「そう言われても仕方ないと思ってるよ」
男「気持ちに気づいてやれなかった…俺の落ち度だ」
女「遅かったとは思わなかったのか?」
男「すまん…」
女「もし仮に、私がお前に対してもう何の感情を抱いていないといったらどうする?」
男「だったら、もう一度お前が惚れるように努力する…」
女「・・・」
男「それが俺の答…」
女「・・・」スッ
700: 1:2012/8/3(金) 19:11:24 ID:A2tRVLAHGg
女「今のが私なりの先程の答えだ」
男「・・・」
女「これから、よろしく頼む」
男「・・・ああ」
女「さて…これからはお前の事を気にすることなく好き放題やれるわけだが…」
男「おいおい、勘弁してくれよ」
女「冗談だ。明日から手加減はしないぞ?」
男「手加減してくれ…」
女「まあ…今はこの幸せを噛みしめさせてくれ…」
男「ああ」
701: 1:2012/8/3(金) 19:15:15 ID:A2tRVLAHGg
どうも皆様こんばんは
1でございます
このSSもついに700までいき、物語の中盤が終わりました。後は終盤まで走り続けるだけです
今さらながらここまでこのSSが続いたのも皆様のご支援のおかげです
本当にありがとうございました
よろしければ最後までご覧になっていただけるとありがたいです
それでは、また後程お会いしましょう
702: 名無しさん@読者の声:2012/8/3(金) 20:32:16 ID:abqwXZJLig
大会を頑張った主将達に
つCCC
703: 名無しさん@読者の声:2012/8/4(土) 01:40:33 ID:4zgS4/5ioM
主将と決勝の大将がイイカンジになるとしんじて
支援
704: 1:2012/8/4(土) 21:13:18 ID:kiQogx9Yi.
後程参上するとか言っておきながら…申し訳ない
>>702
先鋒「支援ありがとうございます!!」
次鋒「こういうのは素直に嬉しいよね」
主将「まあ二人は大会が終わったら出番がめっきり減るからな」
先鋒「・・・」クイッ
次鋒「・・・」コク
先&次「そぉい!!」ガン
主将「ぐはっ!!」
>>703
大将「はあ?何言ってんの?私みたいな可愛いロリがあんなどうみても熊みたい奴とイイカンジになるわけないじゃない」
主将「・・・」
大将「ま、それはともかく、支援ありがと」
705: 1:2012/8/4(土) 21:18:17 ID:kiQogx9Yi.
翌日 家
母「男君ー、もうお昼だよー」
男「後…二時間」
母「疲れてるのはわかるけど、もう起きなきゃ駄目だよ?」
男「わかってる…」
母「お昼できてるからね?早く起きてきてね」
男「おう…」
706: 1:2012/8/4(土) 21:24:55 ID:UYHXeI46no
男「ああ…起きなきゃな…」
男「目覚まし…目覚ましどこだっけ…」
ムニュ
女「ん…」
男「・・・」
女「男…君が望むなら私はいいが、まだ陽は明るいぞ?」
男「やや頬を紅潮させながら言っても説得力ないから、後お前これ不法侵入だから」
女「細かいことはきにするな」ギュー
男「抱きつくな。暑い」
707: 1:2012/8/4(土) 21:28:03 ID:UYHXeI46no
母「おはよー」
父「おそようだよ、母さん」
男「家のなかに不法侵入している輩がいる不具合があるんだが?」
母「仕様です」
父「何?そんなに嬉しかったの?」ニヤニヤ
男「・・・まあな」
父「!?」
母「お、男君が!?男君がツンじゃないよ!!」
父「落ち着いて母さん!!まずは深呼吸!!」
母「ひっひっふー!!ひっひっふー!!」
父「それなんか違うよ!?」
男「どうみてもテンプレ漫才です。本当にありがry」
708: 1:2012/8/4(土) 21:41:50 ID:UYHXeI46no
男「で?冗談抜きで一体何でいるんだよ」
女「別に、昨日別れた後にお前から言われた好きだを脳内再生した瞬間発狂してしまい母に殴られ落ち着いてまた脳内再生をして発狂して殴られてをひたすら繰り返していた」
男「・・・」
女「そしてどうしようもなくお前の顔が見たくなったが、時は既に深夜。流石に迷惑だと思い朝方に忍び込みベッドに潜り込んだ訳だ」
男「なんかもうプライバシーとかそんなん関係無いな」
女「だが…問題があってな…」
男「ん?」
女「エロゲ展開よろしく起き抜けで寝ぼけてるお前に襲われるイベントを期待していたのだが、この作者が申し訳程度のエロしか書けないため急遽添い寝に落ち着いたのだ」
男「なんかもう理由がどうでもいい」
709: 1:2012/8/4(土) 21:53:45 ID:UYHXeI46no
女「で?この後は何か用事があるのか?」
男「家でゴロゴロ」
女「よし、デートするぞ」
男「なんでだよ」
女「言葉は無用」ズリズリ
母「いってらっしゃーい」
父「気を付けてねー」
男「はあ…まあ、いいか」
710: 1:2012/8/4(土) 22:00:17 ID:UYHXeI46no
遊園地
女「ついたぞ」
男「ハツラツしてんなぁ」
女「もちろんだ、ようやくお前とちゃんとしたデートが出来るんだからな」
男「(そうか…今までは女が一方的に気持ちをぶつけてただけで…心が通って無かったんだよな…)」
男「(向き合うって決めたのは俺なんだから…しっかりしないとな)」
男「ほら」
女「ん?」
男「お前を一人にしてると危なっかしくてしょうがない」
女「ふふ、普通に手を繋ぎたいと言えばいいだろう」
男「ほら、繋がないなら繋がないぞ」
女「冗談だ」
711: 1:2012/8/4(土) 22:10:09 ID:ai0jBRG7/E
男「で?どこか行きたい所はあるか?」
女「やはり遊園地の定番ていえばジェットコースター、観覧車、お化け屋敷etc…」
女「どれも子供騙…いや、実に興味深いアトラクションだ」
男「(今絶対子供騙しっていいかけたな…)」
女「しかし理由をつけてお前に抱きつけるのを見逃しはしない」
男「そっちが本命か」
女「さあ?何にいく?」
712: 1:2012/8/4(土) 22:14:18 ID:ai0jBRG7/E
さて、日常イチャコラが始まった所で今日の投下を終了したいと思いますが
残りレス数を考えると果たして1スレで埋まるかという不安があります
なんとか詰め込んでみますが
見てくださった方々
ありがとうございました!!
713: 名無しさん@読者の声:2012/8/4(土) 22:35:47 ID:4lCRqu7Hkw
追い付いた!
つCCC
714: 名無しさん@読者の声:2012/8/5(日) 19:29:05 ID:96tNzcvs.g
次鋒かっこいい
支援です
715: 1:2012/8/5(日) 23:20:08 ID:8t7JqUWKX2
>>713
追い付かれました
かくなる上は通常の三倍のスピードで更新するしか!!
はい、普通に無理です
支援感謝です♪
>>714
次鋒「支援感謝です」
次鋒「何故か僕の人気がありますから先に言わせていただきますが」
次鋒「僕、もう心に決めた人がおりますので」
716: 1:2012/8/5(日) 23:33:44 ID:8t7JqUWKX2
女「男!!ここに入ろう!!」
男「お化け屋敷か、また無難に飛び付けそうなものを…」
女「♪〜♪」
男「女…普通に楽しそうだな」
女「見ろ!!男!!ちゃちぃろくろ首だ!!」
男「・・・」
女「あそこに手があるぞ!!なんのためにあるのかまるで理解出来ないな!!」
男「おい…」
プシュー!!
女「ふふ、この煙はいったい何のために存在しているんだろうな?」
男「もうやめてやれよ…」
女「これでは抱きつけんぞ、もっと怖い仕掛けはないのか?」
717: 1:2012/8/6(月) 00:03:39 ID:KHK.4n0eiE
男「もう…出ようぜ?」
女「何故だ?まだ楽しんでないぞ?」
男「楽しんでたの!?」
女「それなりにな」
女「こういったようなアトラクションの改善点を指摘するのは楽しくてな」
男「・・・」
女「しかし…やはり物足りないな…私が男に抱き付けるレベルの仕掛けがほしいのだが…」
男「俺としてはこれくらいがちょうどいい」
女「ふむ、お前がそういうならそうしよう」
男「ありがとよ」
718: 1:2012/8/6(月) 00:09:57 ID:KHK.4n0eiE
女「ふぅ、最後の辺りは中々楽しめたな」
男「そりゃあ、係員が本気だしたからな…」
女「よし!!次はあれだ!!」
男「フリーフォールか」
女「早く、早く」
男「ちょ、手を引くなって!!」
719: 1:2012/8/6(月) 13:06:16 ID:oox8c4Juns
女「しかし…前から思っていたのだが」
男「ん?」
女「ただ上がって落ちるだけの何が怖いのだろうな」
男「それ、乗り込んでから言うか?」
女「緩急をつけて落とすのは非常に効率がいいが、その緩急に慣れてしまったら怖がる事はできなくなってしまうのではないか?」
男「そうだな」
女「やはり高さが足りないのか?いや、落下時に感じる浮遊感を考えれば…」
男「おい、もう上がってるぞ」
女「む?」
ガコン!!
男「おー、落ちてる落ちてる」
女「・・・しまった!!」
男「どうした?」
女「これではお前に抱きつけない!!」
男「今更かよ!?」
係員「(あの二人…なんであんなに余裕なんだよ…)」
720: 1:2012/8/6(月) 13:11:27 ID:cEDH8mZGnI
女「くっ…私としたことが男に抱き付けるチャンスを逃すなど…」
男「そんなにがっかりすんなよ。ほら、アイス」
女「買ってきてくれたのか?」
男「まあな」
女「・・・ありがとう」
男「別に、彼女気にかけるのは当然だろ?」
女「彼女…そうか、私は男の彼女だったな…」
男「え」
女「いや、忘れていたわけではないんだ。ただあまりにもいつも通りで意識していなかったといおうか…そうだ!!」
男「なんだよ」
女「考えてみれば私が行きたい所ばかり行っていたから、今度は男が行きたい場所に行こう」
男「えー、別に行きたい所なんかないんだが」
女「そう言うな。1つくらいはあるだろう」
721: 1:2012/8/6(月) 13:15:24 ID:oox8c4Juns
男「俺はお前が行きたい所についてくだけで十分だよ」
女「っ!!そ、そうか…」
男「(あー、そういやこいつ不意打ちに弱いんだっけ)」
女「そ、そうだな…つ、次は…」
男「女、行きたい所があるんだが」
女「よしきた!!どこだ!?」
男「メリーゴーランド」
女「・・・」
男「メリーゴーランド」
女「り、了解した」
722: 1:2012/8/6(月) 13:19:30 ID:oox8c4Juns
女「男、理由を聞いてもいいか?」
男「んー?いいぜ」
女「まあ、人の趣味にとやかく口を挟むつもりはないが…何故にメリーゴーランド?」
男「うるさくないし、びっくりしないし、上がらないし、早くならないし、落ちないから」
女「・・・ひょっとして絶叫は苦手だっか?」
男「そうじゃない、めんどくさいだけだ」
女「そうか…ついでにもう1つ聞いていいか?」
男「おう」
女「メリーゴーランドで何故に馬車に乗るんだ?」
男「普通に馬に乗ったらつまらないだろ」
女「・・・」
723: 1:2012/8/6(月) 13:24:16 ID:oox8c4Juns
男「さてと…腹がへってきたな…」
女「ああ、もう昼時だしな」
男「どこか入るか?この時間ならレストランとかは少し混んでそうだが…」
女「それなら問題ない」
女「こんなこともあろうかとお前の家に忍び込んだ時に作っておいた弁当があるぞ」
男「まて、その弁当どっから取り出した?」
女「・・・四次元」
男「謝れ、某未来の猫型ロボットに謝れ」
女「いいから、早く人気のない場所にいくぞ」
男「人気のないは余計だ」
724: 1:2012/8/6(月) 15:20:38 ID:1DR/auaJ4Q
女「よし…ここなんかどうだ?」
男「お前って本当こういう場所を見つける天才だよな」
女「ふふ、褒めても何も出ないぞ?」
男「褒めてねぇ」
女「さあ、まずは食え。話はそれからだ」
男「はあ…腑に落ちないが…いただきます」パクッ
女「・・・」
男「相変わらずむかつくくらい旨い」
女「当然だ。お前の舌は知り尽くしてるからな」
男「ほう?なら、試してみるか?」
女「な…ん!?」
725: 1:2012/8/6(月) 15:23:49 ID:P9bsPKuybc
男「んむ…ぷはっ」
女「い、いいいいきなり何をする!?」
男「いや、舌を知り尽くしてるって言ったから…本当かなって」
女「だ、だからっていきなりキスをする必要はないだろう!?」
男「嫌だったか?」
女「嫌なわけあるか!!」
男「どっちだよ」
女「〜〜っ!!いいだろう、君がその気なら私にも考えがあるぞ…」
男「え、ちょ、おま!!」
ガバッ
女「ふふふ、観念しろ?」
男「薮蛇だったか…ガッデム」
726: 1:2012/8/6(月) 15:27:44 ID:1DR/auaJ4Q
数分後
女「さあ♪次はどこへいく?」
男「・・・どこにでも」
女「よし♪なら、あそこにいくぞ」
男「いえっさー」ズリズリ
男「(何があったかは読者のご想像にお任せします…ぐふ)」
女「ほらほら、しゃきってしないか」
男「誰のせいだ…誰の…」
女「しかし…久しぶりに味わったな…」
男「うっとりとすんな」
女「やはりあれは極上の味わい…あれ以上の珍味はあるまい」
男「お願い、マジで止めて。それ以上言ったらこのSS打ちきりになっちゃう」
727: 1:2012/8/6(月) 15:31:17 ID:P9bsPKuybc
女「男!!次はあれ乗るぞ」
男「ん?観覧車か…」
男「観覧車なら落ち着けるしいいな…行こうぜ」
女「では、いこうか」
男「・・・」
女「ん?どうした?なにかを考え込むような顔をして」
男「いや、なんでもない」
728: 1:2012/8/6(月) 15:35:04 ID:P9bsPKuybc
ゴゥンゴゥン
男「これこれ、このゆっくり上がっていく感がもどかしくていいんだよな」
女「変わった楽しみ方だな」
男「徐々に変わる景色よりかは、一番上まで上がった時の景色の方が綺麗だからな」
女「まあ、異論は無いな」
男「・・・なあ、女」
女「ん?」
男「今日、楽しめたか?」
女「・・・何故それを聞く?」
男「いや…デートしてるんだけどさ、ノリとかテンションとかいつもとおんなじだからさ…あんまり楽しめてないんじゃないかって…」
女「・・・」スッ
729: 1:2012/8/6(月) 15:38:29 ID:P9bsPKuybc
男「女?」
女「愚問だな、男」
女「私はお前といることこそに喜びや幸せを感じられるんだ。だからいつも通りだからと気を使わなくてもいい」
女「私は、そんなお前に惚れたのだから…」
男「・・・これじゃ、どっちがどっちだかわかんねーな」
女「ふふ、なあ、キスしていいか?」
男「聞くなよ」
女「聞いてみただけだ」
男「ん…」
女「・・・今日の事は、絶対に忘れないからな」
男「ああ…俺もだ」
730: 1:2012/8/6(月) 21:16:25 ID:.7pdmL8Vio
女「今日は本当に楽しかった。また誘ってもいいか?」
男「別に構わねーよ」
女「そうはいかない。お母様からお前を頼むと言われてるからな」
男「はは、そりゃご苦労様」
女「笑い事ではない。目を離したら何をするかわからんからな」
男「そりゃ、お前だ」
女「ふふ、そうかもしれないな…」
731: 1:2012/8/6(月) 21:21:12 ID:Ug.dOx/0Xo
女「男」
男「ん?」
女「お前をこの世で誰よりも愛しているぞ」
男「・・・はいはい」
女「む、乙女の赤面ものの告白を一蹴か?」
男「お前は乙女じゃねーよ。第一、んなもん、言わなくてもわかってるだろ…」
女「・・・ああ」
男「じゃあなー」
女「ああ、またあし…」
キキーッ!!ドン!!グシャ!!
女「・・・え?」
女「あ…な…」
女「男ーーーー!!」
732: 1:2012/8/6(月) 21:26:30 ID:Ug.dOx/0Xo
病院
女「・・・」
ウィィィン
母「女ちゃん!!」
女「お母…様」
母「な、何があったの!?男君が轢かれたって聞いて!!」
父「落ち着いて、母さん」
父「女さん。何があったか説明出来る?」
女「男が…私の目の前で…飛び出してきた車に…轢かれました」
父「!!」
女「私の…せいです。私が…男に注意を促してれば…こんなことに…」
女「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめん…なさ…」
母「女ちゃんは悪くないよ!!」
父「・・・」
733: 1:2012/8/6(月) 21:28:37 ID:Ug.dOx/0Xo
医者「ご家族の方ですか?」
父「はい」
医者「患者さんの状態をご説明いたしますので、こちらへ」
父「わかりました」
父「母さんはここで女さんと一緒にいてて」
母「うん…」
女「・・・男」
父「・・・」
734: 1:2012/8/6(月) 21:31:55 ID:Ug.dOx/0Xo
医者「まず、今の状態ですが、命に別状はありません」
父「ありがとうございます」
医者「いえ、礼ならあの女さんという方に」
父「女さんが?」
医者「彼女の応急処置は完璧でした。普通なら、目の前で轢かれたら気が動転してしまいますが…大した精神力をお持ちです」
父「・・・辛かったろうに」
医者「それで、男さんですが、命に別状はありませんが、事故時に頭を打っていましてね…」
父「それが?」
医者「脳に何らかの障害が残るかもしれません」
父「!!」
735: 1:2012/8/6(月) 21:33:50 ID:Ug.dOx/0Xo
父「あの…一体どんな障害が?」
医者「それは経過を見てみない事にはなんとも、幸い気絶しているような症状なので、すぐ回復すると思われます」
父「・・・わかりました」
医者「それでは、待合室にてお待ちください」
父「はい」
736: 1:2012/8/6(月) 21:37:44 ID:Ug.dOx/0Xo
ウィィィン
父「・・・君達は」
幼「おじさん!!」
友「お久しぶりです。男の容態は?」
父「命に別状はないらしい」
女「!!」
幼「よかったね!!女ちゃん!!」
父「ただ…」
友「ただ?」
父「頭を打って、脳に何らかの障害が残るかもしれないらしんだ」
友「障害!?」
母「お、男君はどうなっちゃうの!?」
父「今は気絶してるだけだから、回復を待つしかないって…」
女「良かった…男…」
父「・・・」
737: 1:2012/8/6(月) 21:41:55 ID:.7pdmL8Vio
医者「皆さん。お待たせしました」
医者「男さんですが、今日は絶対安静なので、このまま入院ということになりますがよろしいですか?」
父「はい、お願いします」
医者「わかりました。男さんがお目覚め次第ご連絡を差し上げたいと思いますので、今はひとまず心の整理が必要かと」
父「そうですね」
父「皆、いこうか」
女「男…」
738: 1:2012/8/6(月) 21:43:33 ID:.7pdmL8Vio
皆様こんばんは
1でございます
いよいよ、私が書きたかったシナリオに突入いたしました
なのに相変わらず不定期更新申し訳ない
かなり早いですが、今日の投下を終了したいと思います
見てくださった方々
ありがとうございました!!
739: 名無しさん@読者の声:2012/8/7(火) 13:29:29 ID:gYb/l1VPKE
まさかこんな展開になるとは…
これから男がどうなるか、気になる所だ
740: 名無しさん@読者の声:2012/8/7(火) 13:56:00 ID:pB8Ftf/b7E
wktk( ゚∀゚)o彡C\
741: 1(支援感謝!!):2012/8/7(火) 16:36:11 ID:z4yAGKR12A
女の家
女「ただいま」
女母「お帰り、女」
女母「男君の事…その…連絡がさっき入ってきて…」
女「そうか…」
女母「気を、しっかり持つのよ?」
女「わかっている」
女「今は…少し一人になりたいんだ」
バタン
女母「女…」
742: 1:2012/8/7(火) 16:39:56 ID:Of15mdnRgc
翌日
女「・・・結局一睡も出来なかったな。まあ、今はその方がありがたいが」
コンコン
女父「女、入るぞ?」
女「父か、構わないが」
女父「おう、さっき連絡来てな、男君目を覚ましたみたいだっt…」
女「!!」ガタン!!
ダダダダダダダ
女父「うおっ!?はやっ!?」
女父「やれやれ…」
743: 1:2012/8/7(火) 16:43:19 ID:z4yAGKR12A
病室
ガラガラ
女「男は!?」
医者「・・・」
女「…あ、申し訳ない」
医者「経過は順調ですよ。今はあちらで皆さんと談笑なさっています」
女「ありがとうございます」
幼「あ、女ちゃん!!」
友「おはよう…眠れたわけじゃないみたいだね…まあ、無理もないか」
母「良かった…本当に良かった…」
男「ったく、大袈裟なんだよ」
女「男…良かった」
744: 1:2012/8/7(火) 16:45:58 ID:z4yAGKR12A
幼「全く!!皆心配したんだからね!?」
男「悪かったって」
友「女さんなんか、君の事を誰よりも心配してたんだからね」
男「女?」
女「男…」
父「さて、後は若い二人に任せようか」
母「そうだね…皆、部屋から出よ…」
男「お前…誰?」
女「・・・え?」
745: 1:2012/8/7(火) 16:50:51 ID:Of15mdnRgc
男「幼と友の友達か?」
幼「え…?」
友「男、いくら冗談でもいっていいことと悪い事が…」
男「いや、だから誰だよ」
女「・・・」
幼「男…君?本当にわかんないの?」
男「・・・」ジー
男「すまん。さっぱりわからん」
女「!!」
友「本当にわからないの?少しでも見覚えは?」
男「無いな。つか、こんな美人普通忘れないだろ」
746: 1:2012/8/7(火) 16:55:01 ID:z4yAGKR12A
女「・・・っ」フルフル
男「え?え!?何!?ど、どうした!?」
父「その人は女さん…男君の彼女さんだよ」
男「はああああ!?」
男「・・・いや、記憶にないんだが」
父「少し二人で話し合ってみたら?何か思い出すかもよ?」
男「思い出すも何もな…」
父「さあ、僕達は出ようか」
747: 1:2012/8/7(火) 16:57:06 ID:Of15mdnRgc
母「そんな…どうして女ちゃんだけ!!」
父「少し先生に話を聞いてくるよ…」
友「僕達はまだいます。フォローに入らなくちゃいけませんし」
父「ありがとう…」
幼「女ちゃん…これじゃ…女ちゃんが可哀想だよ…ヒク」
父「・・・」
748: 1:2012/8/7(火) 17:01:33 ID:Of15mdnRgc
女「・・・」
男「・・・あー、えーと、だな」
女「男」
男「はい!!」
女「本当に、何も覚えていないのか?」
男「女…さんのことは、悪いけど面識が無いんだよなぁ…俺の中では」
女「・・・そうか」
男「でも、父さんや母さん。それに友や幼が嘘をつくような奴じゃないのは知ってるから…やっぱり関係があるんだろうな…」
女「・・・」
男「あー、えーと…なんか…ごめん」
女「別に…お前が謝る必要はない」
男「あー、女さん」
女「女でいい。そう呼んでくれ」
男「あ、ああ…」
749: 名無しさん@読者の声:2012/8/7(火) 17:03:02 ID:Fvgn8qVEps
花男を思い出すな…
750: 1:2012/8/7(火) 17:06:42 ID:Of15mdnRgc
医者「事故のショックによる、一時的な記憶障害ですね」
父「・・・」
医者「恐らく頭を打った時に、記憶の一部が欠落してしまったものと思われます」
父「何故…女さんとの記憶だけ?」
医者「詳しくはわかりませんが、事故の直前に強く記憶していたからかもしれません」
父「一時的ということは、元に戻るんですか?」
医者「・・・断言はできません」
父「・・・」
医者「ショックで記憶を失ったのなら、記憶を戻すのもまたショックです。適度な刺激を与え続ければあるいは…」
父「わかりました…」
医者「大丈夫だとは思いますが、一応二、三日様子見で入院することになりますが?」
父「はい。お願いします」
751: 1:2012/8/7(火) 21:02:31 ID:esEXmAVAKI
幼「やほー、どんな感じ?」
男「全くもって進展なし」
女「・・・」
友「・・・まあ、徐々に思い出せばいいよ」
男「わるいな…ほんとに」
幼「女ちゃん…」
女「なんだ?」
幼「あ、えっと…」
友「男が退院したら、また皆で商店街のアイス屋さんにいこうか」
幼「そ、そう!!それ!!」
男「えー?最近行ったからもういい」
友「最近?それはいつの話?」
男「大会中に行ったんだよ」
752: 1:2012/8/7(火) 21:06:56 ID:7P5hU/bei.
友「その時の会話、思い出せる?」
男「お前、馬鹿にしてんだろ」
男「店主からお小言食らったよ」
友「内容は?」
男「そりゃあ…あ…れ…?」
男「嘘…だろ?」
幼「どうしたの?」
男「確かに店主の所に行ったんだ。でも、会話を覚えてない…」
友「思い出せない?」
男「何か…言われてたような…」
女「もういい」
男「女…?」
753: 1:2012/8/7(火) 21:11:08 ID:esEXmAVAKI
女「無理に思い出そうとすると、かえって脳が混乱すると聞いたことがある」
男「でも…これって多分お前に関係する…!!」
女「・・・いいんだ」
男「ああ…」
男「(なんでだ?女のあの顔をまともに見れない…)」
友「とにかく、今は無事だったことを祝おうか」
幼「友君!?」
女「そうだな…」
幼「(本当に、本当にそれでいいの?女ちゃん)」
754: 1:2012/8/8(水) 00:10:55 ID:KALh0lqMj2
ガラガラ
父「皆、聞いてくれ」
父「男君は様子見でもう二、三日入院することになったから」
男「んー、了解」
父「それと…記憶の事だけど」
男「・・・」
父「一時的に忘れてるだけかもしれないからな、少ししたら元に戻るかもしれないって」
男「そうか…早く思い出さないとな」
女「あまり焦らなくてもいい」
男「(じゃあ…なんでそんな顔するんだよ…)」
755: 1:2012/8/8(水) 00:13:41 ID:i/0U46ReMQ
父「とりあえず、皆出ようか」
幼「男君…お大事に」
友「知り合いとか連れてくるから」
男「はは…騒がしくなりそうだな」
女「また明日」
男「おう、明日な。なんとか思い出せるように頑張るからさ」
女「・・・っ」スタスタ
男「・・・」
父「じゃあね、男君」
母「お腹出して寝ちゃ駄目だからね?」
男「一体なんの心配をしてんだよ」
756: 1:2012/8/8(水) 00:17:51 ID:KALh0lqMj2
男「・・・さてと、一人になったわけだが」
男「病院って所はどうにも好きになれんな。なんか雰囲気が嫌だ」
男「・・・」
男「なんで、女のあの顔が頭にこびりついて離れないんだろうな…」
男「彼女…か、もしそれが本当なら俺すげぇな…」
男「大事な事…なんだろうな…多分」
男「女には、あんな顔してほしくないな…なんでかわからんけど…」
757: 1:2012/8/8(水) 00:20:06 ID:KALh0lqMj2
皆様こんばんは
1でございます
えーと、物語は急展開にはいりました。強いて言うなら記憶喪失編ってとこですかね
前々から書きたいと思っていた話なんで、恐らく更新に力が入るとおもいます。現金すみませんwww
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
758: 1:2012/8/8(水) 06:19:12 ID:eiZOfVqBeo
翌日
ガラガラ
男「ん?」
女「おはよう」
男「うおっ!!お前か」
女「また明日と言っただろうに」
男「いくらなんでも早すぎだろ!?」
女「当然だ。病院が空いたと同時に入ったからな」
男「なんでそこまで…」
女「決まっているだろう?お前が好きだからだ」
男「・・・わかんねーよ」
759: 1:2012/8/8(水) 06:25:19 ID:cfI3EapVnM
男「なんともおもわねーのかよ!?俺、お前の事忘れちまってるんだぞ!!薄情な奴だって思わないのかよ!?」
女「いいんだ」
男「っ!?」
女「私には…お前が生きていてくれた事だけで…いいんだ」
男「お前の事を忘れてるのにか?」
女「ふふ、相変わらず不器用な優しさだな」
男「なっ!?」
女「冷たく接して、私を遠ざけようというつもりらしいが、甘かったな。私はお前から二度と離れない」
女「折角捕まえたんだ。離してたまるか」
男「でも…本当になんも覚えてないのに」
女「私をわすれていても、私が好きな男はいるよ」
女「人望があって、不器用だけど優しくて、誰よりも人の事を考えられる」
男「・・・」
女「そんなお前だから、好きになれたのだ」
760: 1:2012/8/8(水) 06:30:09 ID:cfI3EapVnM
男「なんか…変な気分だな…知らない奴に自分の事を言われるなんて…」
女「いい経験になったじゃないか」
男「変だけどさ…なんか、懐かしい…」
女「・・・」
男「なあ、俺が退院するまで朝早くに来るのか?」
女「当然だ。誰よりも早く来るぞ?」
男「うげ…ありがたいんだか迷惑なんだか…」
女「人の好意は素直に受け取っておくものだ」
761: 1:2012/8/8(水) 06:35:48 ID:cfI3EapVnM
男「なんか本当に変な感じだよ。初対面の奴とこんな風に話してて楽しいって感じるなんてさ」
女「ああ、私達は相性が良かったからな、心も体も」
男「体…///」
女「ん?どうした?」ニヤニヤ
男「あ…のさ、俺達って…その…したのか?」
女「どうかな〜?激しかったとだけ言っておくか」
男「・・・それ、嘘だろ」
女「ああ、嘘だ」
男「こんの、変態女!!」
女「!!」
762: 1:2012/8/8(水) 06:39:56 ID:cfI3EapVnM
男「あ、ごめ…そんなつもりじゃ…」
女「も、もう一回!!」
男「へ!?」
女「頼む!!もう一回言ってくれ!!」
男「えーと…変態女?」
女「もっと激しく!!」
男「普通に無理だろ!!」
女「どうして諦めるんだそこで!!お前ならこの淫らな淫乱雌豚くらい言えるはずだ!!」
男「さりげにハードル上がってる!?」
女「ええいじれったい!!そこを動くな!!」
男「だー!!馬乗りになるなー!!」
ガラガラ
763: 1:2012/8/8(水) 06:51:16 ID:Y4.w9f0Cco
後輩「・・・何してるんですか?」
男「おお、後輩か」
女「なんだ、ずいぶんと早いな」
後輩「先輩の行動パターンを把握していますから…それより」
後輩「なんで先輩が男さんに馬乗りになってるんですか?まさか、男さんがそう命令したんですか?だとしたらとんでもない変態ですね死ねばいいのに」
男「誤解だ!!変態は女の方だから!!」
女「最高の誉め言葉だ」
後輩「とりあえず先輩が汚れる前に先輩はそこから降りて下さい」
男「だから…お前はなんでいつも…いつも?」
男「あれ…?そういやなんで後輩と俺って仲良くなったんだ?」
後輩「仲良くなんかなってません…友先輩と幼先輩が言っていた事は本当だったんですね…聞いたときはまさかと思いましたが…」
男「後輩?」
後輩「先輩、すいませんが少しだけ席を外して下さい」
女「む…わかった」
764: 名無しさん@読者の声:2012/8/8(水) 18:33:07 ID:Gx4fYe.C7s
バンバン はよ
バン バンバンはよ
(∩`・д・) バン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン
(∩`・ω・) バン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
バンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン
ドゴォォォォン!!
;´ ;
\,,(⌒`;;)
(;(´・:;⌒)/
(;(´⌒`,;))
(´・ω・)((´:( ,;;),`
765: 1:2012/8/8(水) 18:58:59 ID:YnhHdkTLIo
>>764
お、お待たせして申し訳ないぃ!!
ただいま!!ただいま更新いたしますので!!
766: 1:2012/8/8(水) 19:05:12 ID:YnhHdkTLIo
後輩「・・・」
男「後輩?なにそんな怖い顔して…」
パァン!!
男「っ!!」
後輩「なんで…なんで忘れちゃうんですか!!」
男「んなこと…」
後輩「どうして!?どうして貴方なんですか!?」
後輩「貴方と先輩の間に割り込めないとわかってた!!でもなんだか悔しかったから一生懸命に貴方から先輩を奪おうと必死だった!!」
後輩「先輩は優しいから!!先輩の優しさに甘えてながらでも、先輩の隣に立ちたかった!!」
後輩「でも先輩が隣に立ってほしかったのは貴方で!!私は可愛い後輩としか見られなかった!!」
後輩「なのに…なのになんで貴方は…」
男「・・・」
後輩「私の方が先輩をずっと好きになれる!!私の方が先輩を大事に思える!!私の…方が…」
767: 1:2012/8/8(水) 19:11:29 ID:YnhHdkTLIo
男「後輩…」
後輩「いっつも…羨ましかった…先輩に頼りにされる貴方が…羨ましかった…でも…貴方と一緒の時の先輩は…とってもいい笑顔だったから…」
後輩「ずるい…ずるいです…ひっく、なんで…私じゃ駄目なんですか?同じ性別だからですか…?」
男「・・・後輩、それは違うよ」
男「今の俺が言っても説得力ないけど…俺と女が付き合ってたのは、お互いの不足を補う為だったんだよ…」
後輩「・・・」
男「女と話しててさ…なんとなく、強さの内に脆さがあるんだよ」
男「だから…多分だけど、俺はその脆さを守るために女と付き合ってたんだと思う」
後輩「先輩は…弱くなんかないです」
男「当たり前だ…あいつは強いよ」
768: 1:2012/8/8(水) 19:16:19 ID:YnhHdkTLIo
男「だから…俺はなんとしても思い出さなくちゃいけないんだと思う」
後輩「私としては思い出さない方が都合がいいんですけどね」
男「おま」
後輩「・・・先輩、いいですよ」
ガラガラ
女「あ、ああ…」
男「聞こえ…てるよな、あんなにでかくちゃ」
女「あー、後輩。私はだな…」
後輩「先輩…ん」
女「!?」
男「な!?」
後輩「先輩、好きです。もちろん一人の女性として」
女「だが…私は」
後輩「わかってます。ですから、はっきりさせておきたかったんです」
後輩「必ず、貴方を男さんから奪ってみせます」
女「・・・ふふ、大した宣戦布告だ」
女「いいだろう。受けてたつ」
男「(何、この空気)」
769: 1:2012/8/8(水) 19:22:58 ID:YnhHdkTLIo
後輩「男さん。早く思い出さないと、先輩を奪いますからね」
男「なにそれこわい」
後輩「じゃ、私はこれで失礼しますね♪」
ガラガラ
男「・・・女の子同士でキスってするんだな」
女「お前は何を見ていたんだ?あれはどう見ても不意打ちだっただろう」
女「まあ初めてではないからそこまで驚きはしなかったがな」
男「え」
女「さて、お前の健診の時間も迫っているし、私も失礼しよう」
男「どうせ午後も来るんだろ?」
女「当然だ。嫌だといっても行くからな」
男「・・・なんだか、お前らしいと思うよ」
女「ふふ、ではまたあとでな」
男「ああ」
770: 1:2012/8/8(水) 19:57:47 ID:on4c7rVtcU
男「段々…頭の中のモヤモヤが大きくなってきてるな…」
男「キーワードが、頭で渦巻いてるな…」
男「このモヤモヤを晴らせば思い出せるかな…」
男「物足りない…そう表現すんのが一番正しいな」
男「もう少し…もう少しヒントが欲しい…」
771: 1:2012/8/8(水) 20:01:42 ID:zDMrtV5n4A
ガラガラ
女「待たせたな」
男「大して待ってないとだけ答えておく」
副会長「なんだ。いつもどおりじゃねーか」
男「おお、副会長か」
副会長「なんだ、結構ピンピンしてんじゃねーか」
女「男だぞ?」
副会長「そいやそうだったな」
副会長「なあ、本当に会長の事を忘れてんのか?」
男「ああ」
副会長「どこまで覚えてる?」
男「女に関係する事以外、後は俺が直接関わった事か」
副会長「ふーん」
772: 1:2012/8/8(水) 20:05:40 ID:zDMrtV5n4A
女「ただ、私としてはあまり無理に思い出さなくてもいいと思っている」
副会長「会長の家族とかは?」
男「・・・わからん」
副会長「マジで会長の事だけすっぽぬけてんな」
男「そいや、女って生徒会長だったんだな」
副会長「そこからか?そこからなのか?」
男「・・・あれ?そもそも今まで俺は生徒会長が誰かわかってなかったのか?」
副会長「なるほどねぇ…こりゃちと面倒だな」
女「なにがだ?」
副会長「無理にでも思い出させないと手遅れになっちまうかもしんねー」
773: 1:2012/8/8(水) 20:09:18 ID:on4c7rVtcU
男「どういう事だ?」
副会長「お前の生活や記憶に、会長が密着してんだよ」
副会長「だがお前は会長を忘れちまってるから、記憶に矛盾が起きてんだよ」
副会長「今のうちになんとかしねーと、最悪会長に関わった記憶を脳が修正という形で処理しちまうかもしんねー」
774: 1:2012/8/8(水) 20:13:15 ID:zDMrtV5n4A
男「なんか…お前詳しいな…」
女「副会長は期末試験等で私と競っていたからな」
副会長「会長に勝てるわけねーだろ」
男「・・・生徒会か」
副会長「なんか覚えてるか?」
男「会計に…庶務に…書記か」
副会長「書記か…書記もかなり会長関連だな」
男「書記といえば…なんか約束してた気がする…」
女「!!」
男「確か…また甘えていいかって聞かれて…それにいいよって答えて…そんときに誰かいた気がする…」
775: 1:2012/8/9(木) 00:19:02 ID:l.8.Uadn0U
副会長「ふ…む、全く覚えてないわけではないんだな」
男「ああ…でも、断片的にしか覚えてないし、肝心な所が雲を掴むようで…」
副会長「まあ、追々思い出せばいいだろ」
副会長「しかし…これは光明が見えたかもわからんな」
女「何故だ?」
副会長「会長に関連することは断片的ではあるが覚えているということは、引き続き会長に関係する人物や事柄を整理していけば思い出すかもしんねー」
副会長「・・・とりあえず頭を一発ぶん殴っていい?」
男「なんでだよ!?」
776: 1:2012/8/9(木) 00:23:25 ID:o9QzXz3wiU
副会長「ショック療法でなんとかなると思ったけど、全部忘れられたら困るしな」
女「それは私も勘弁だな。男を私色に調教する手間が出てくる」
男「さらっとヤバい単語がでなかったか?」
副会長「ん?お前ら二人の間では日常茶飯事だったが?」
男「どんだけお前変態なんだよ…」
女「そう誉めるな…襲いたくなるだろう?」
男「持って帰って、今すぐ」
副会長「だが断る」
男「なん・・・だと?」
777: 1:2012/8/9(木) 00:27:32 ID:o9QzXz3wiU
>>777ゲトー!!
ラッキーセブンきた!!これで勝つる!!
はい、完璧自作自演ですねサーセン
えっとですね、私がここに現れたということは投下を終了するというのをお知らせですが、無い脳ミソをフル回転させて計算した結果、ひょっとしたら次スレにもつれこむ恐れが出てきました
次スレにもつれこんだ時はまたお見苦しいものをお見せすることになりますが、ご理解の程をお願いします
見てくださった方々
ありがとうございました!!
778: 1:2012/8/9(木) 07:34:25 ID:vRa6btuqfM
副会長「そんじゃま、色々と調べてみるわ」
男「もう行くのか?」
副会長「色々やることがあるんだよ。じゃあな」
ガラガラ
男「いったな…」
女「ああ…だが、流石は副会長といった所か、有益な情報を引き出してくれた」
男「元不良だなんて絶対に思えないわ…そいや、あいつなんで不良から副会長になったんだっけか」
女「それは…」
男「知ってるはずなのに覚えてない…これもお前関連か」
女「そうだ」
男「うぐぐ…何を思い出すにしても覚えてない…俺のなかでお前は一体どういう存在だったんだ?」
女「それはわからないが、私のなかではお前が全てだったな」
男「・・・」
女「ん?どうした?」
男「いや、そんな恥ずかしい事をよく真顔で言えるなって…」
女「事実だからな」
779: 1:2012/8/9(木) 07:38:28 ID:bIti8vtZMM
男「あーもー、なんかこう、思い出せないのがやけにイライラするな」
女「端から見れば、通常運転そのものなんだがな」
男「お前はどうなんだよ?」
女「なにがだ?」
男「いや…なんかイライラしないか?」
女「そうだな…悶々としてるお前を見れるから別に構わないな」
男「・・・」
女「何故そんな顔をする」
男「だって…あ」
女「?」
780: 1:2012/8/9(木) 07:41:37 ID:bIti8vtZMM
男「試しにいつも通りに接してみてくんねー?」
女「これがいつも通りだが?」
男「どんだけ夫婦漫才したいんだよ…俺達」
女「ふむ、確かにいつも通りに接すれば何かを思い出すかもしれんな…」
男「ああ、思いっきりやってくれ」
女「では遠慮なく」ガバッ
男「ちょいタンマ」
女「ん?」
男「いつもはこんな感じで俺が押し倒されるのか?」
女「ああ」
男「おかしいだろ!!こんなの誰かに見られたら…」
ガラガラ
781: 1:2012/8/9(木) 07:45:54 ID:bIti8vtZMM
幼「やほー、男君生きてるー?」
男「・・・あ」
友「記憶が戻ったのかい!?」
男「いや戻ってない。ていうかこの状況でなんでそんな結論が出せるんだよ」
幼「だって…いつもの光景が広がってから…ねぇ?」
友「確かに誰だって思うよ」
女「うむ。その通りだな」
男「(本当に女は俺の彼女だったのか?なんだか不安になってきた…)」
782: 1:2012/8/9(木) 14:39:49 ID:C5WbOkUIdA
幼「そうだ!!何か思い出せるかもしれないから書記ちゃん連れてきたよ!!」
書記「・・・」ペコリ
男「書記は物かなんかか?」
女「随分タイムリーな人選だな」
友「で、どう?何か思い出せそう?」
男「それで思い出せてたら苦労しねーよ」
書記「あ…の…」
男「ん?」
書記「好き…です」
男「・・・は?」
女「・・・」
783: 1:2012/8/9(木) 14:43:54 ID:C5WbOkUIdA
書記「ずっと…言おうかどうか…迷ってたんですけど…」
男「いやいやいやいや!!このタイミングで!?」
女「・・・」
幼「お、女ちゃん。無表情が、無表情が怖いよ!?」
書記「後…会長も好きです」
男「へ?」
女「・・・」グッ
友「さりげなくガッツポーズ」
書記「お二人は…いつも私に優しくしてくれて…お兄ちゃんとお姉ちゃんみたい存在でした…」
幼「な、なぁんだ、そういうことか…」
友「修羅場だけは勘弁だけどね」
784: 1:2012/8/9(木) 14:48:40 ID:CB9844hsSA
男「書記、そういうのはもうちょい具体的に言おうな?誤解を招くからさ」
書記「ごめんなさい…お兄ちゃん」
男「・・・」ズキューン
男「ま、まあ書記だしな…可愛いから許す」
女「お前には妹萌えがあったのか?」
書記「・・・」ジー
女「・・・」ズキュ-ン
女「書記は私達二人の妹みたいなものだからな、可愛い奴め」ナデナデ
幼「女ちゃんも陥落した!!」
友「というより早く本題に入ろうよ」
785: 1:2012/8/9(木) 14:59:59 ID:CB9844hsSA
友「大筋は話したから、後はなんとなく男が思い出しそうな事を言ってくれないかな?」
書記「・・・勉強会」
女「大会中に私の自宅でやったな」
男「あー…そういえば書記の勉強をみた覚えがあるな…そんときに誰がいたかは覚えてないが」
書記「男さんが…会長と仲良くしてました…」
男「・・・駄目だな、まるで思い出せない」
男「あー、もう!!胸の辺りまででかかってるのに!!」
友「やっぱり難しいね…」
幼「頭を殴るしかないかな?」
男「お前の思考回路は副会長レベルか」
786: 1:2012/8/9(木) 15:06:11 ID:C5WbOkUIdA
書記「どうしても…思い出せませんか?」
男「・・・ああ」
書記「・・・」
女「書記…」
書記「私は…嫌です」
書記「男さんと、会長が楽しそうにしてるのを見るのが…好きなんです…でも…今は会長は無理をしてるし…男さんは…」
女「・・・」
男「・・・」
書記「私…記憶が戻るなら…手段を選びませんから…」
男「サンキュー、書記」
男「大丈夫。絶対に思い出すよ…必ず」
男「なあ、おん…って、あれ?」
幼「あれ?さっきまでいたのに…」
友「僕が探してくる。皆はここで待ってて」
787: 1:2012/8/9(木) 15:16:44 ID:CB9844hsSA
屋上
女「・・・」
友「・・・」
女「いつかはバレると思ってはいたさ」
女「いつか、ガタがくるってわかっていた」
女「でも…書記の奴、やってくれたな…ふふ」
友「男に知られたくなかった?」
女「ああ…無理してるのはその内見破られていただろうが…男にだけは…まだ知られたくなかった」
女「あいつは…頑張ってるんだ…だから、負担はかけたく…ないのに…」
友「泣いてもいいよ。僕だけしか見てないし」
女「まだ…泣くわけにはいかない」
友「・・・強いね」
女「強いものか、ちっぽけな人間だよ」
女「愛する人一人救えない…愚かで弱い人間だよ…」
友「・・・」
788: 1:2012/8/9(木) 15:28:17 ID:C5WbOkUIdA
幼「女ちゃん…どこいったんだろ…」
男「なあ書記…さっきの無理してるって、やっぱり」
書記「はい…会長…辛そうでした…」
男「・・・」
書記「でも…それで男さんが負い目を感じたら…悪循環だと思います…」
男「・・・だろうな」
書記「私はお二人に笑っていて欲しいです…」
男「・・・ちょっと、女探してくる」
ガラガラ
789: 名無しさん@読者の声:2012/8/10(金) 12:35:01 ID:qtcIuyrIQQ
やっと追い付いた。
更新楽しみにしてます。
頑張ってください。
790: 1(感謝です!!):2012/8/10(金) 15:37:05 ID:PH6tXBDEx6
屋上
友「まあ、どうするかは女さんの勝手だから僕はこれ以上は何も言わないけど」
女「・・・」
友「記憶が無いとはいえ、男は男なんだからね」
女「・・・」
友「・・・そのあたり覚えておいてね」
ガチャ
男「・・・あ」
友「・・・」
女「男…」
友「後は頑張ってね」ボソ
バタン
791: 1:2012/8/10(金) 15:43:42 ID:PH6tXBDEx6
男「あー…うん、その…だな」
女「探しに来てくれたのか?心配をかけたようですまなかったな」
男「まあ…な」
女「私ならもう大丈夫だ。病室へ戻ろうか」
男「・・・」
女「男?」
男「やっぱり…俺が忘れてるからか?」
女「いきなり何を言い出すんだ。それとこれとは関係ないだろう?ましてや今のお前には…」
男「ああ、そうだな。確かに今の俺がお前を心配してもなんの説得力も無い」
男「でも…どんなに忘れてたって…無意識にお前の事を考えちまう俺がいるんだよ」
女「!!」
男「お前との思い出を忘れてるはずなのに、気がついたらお前の事しか考えてなくて、考える前に体が動いてた…」
792: 1:2012/8/10(金) 15:49:35 ID:YnhHdkTLIo
男「わかるんだよ…自分でもわからないはずなのに…お前が無理してるって…」
女「書記の観察眼は素晴らしいが、私はそこまで無理はしてな…」
男「じゃあなんでそんな泣きそうな顔してんだよ!!」
女「っ!!」
男「わけわかんねーんだよ!!お前が泣きそうな度に、辛そうにしてる度に、俺の中の何かが責めてるように痛む!!」
男「なんも出来ない自分が歯がゆくて!!悔しくて!!お前の為に動けないでいる自分にすげームカついてる!!」
男「俺はどうすればいいんだよ!!こんな気持ち初めてで…何すればいいか…」
女「・・・」ダッ
793: 1:2012/8/10(金) 15:55:31 ID:YnhHdkTLIo
男「っ!?女…?」
女「何も…しなくていい…ただ、今は胸を貸してくれ…」
女「ふっく、おと…こ…男、男!!うわぁぁぁん!!」
男「女…」ギュー
男「いっぱい…泣け。泣いて…すっぎり…しちまえ」
女「貴様だって…ひぐ、泣いてるじゃ、ないか…」
男「馬鹿野郎…これはな…夕日が目に染みたんだよ…」
女「今は…曇りだ…愚か者」
男「・・・」
女「ぷっ、くっ、あははははは!!」
男「めんどくせー奴だな…泣いたり笑ったり、忙しい奴だ」
女「お前がそうさせたんだろう」
男「病室…戻ろうぜ」
女「・・・ああ」
794: 1:2012/8/10(金) 16:02:54 ID:YnhHdkTLIo
病室
幼「結局今日は何も収穫なかったね…」
友「急いては事を仕損じる。落ち着いていこう」
書記「博識…です」
男「この完璧超人が」
友「誉め言葉と受け取っておくよ」
女「進展がまるで無かったわけではないし、良しとしよう」
男「・・・そうだな」
女「さて…私は失礼するとしよう」
幼「え?女ちゃん言っちゃうの?」
女「ああ。場の雰囲気とはいえ、最も見られたくない相手に恥ずかしい醜態を晒してしまったのでな」チラッ
男「なんか凄い視線を感じるんだが」
795: 1:2012/8/10(金) 16:26:53 ID:XzM9BPbFfI
友「まあ、僕も用事があるからこの辺で」
幼「え!?」
書記「あ…私もです」
幼「!?」
男「・・・」
幼「あ…あう…」
男「幼、帰れ」
幼「・・・はい」
女「男、それはかなり冷た過ぎやしないか?」
友「最低だね…」
書記「幻滅…です」
男「お前ら打ち合わせでもしたの?」
女「冗談だ、ではな」
友「じゃあね」
書記「お大事に…」
幼「早く戻るといいね」
ガラガラ
男「・・・」
796: 1:2012/8/10(金) 22:49:34 ID:I3n4uegHZI
男「全く、相変わらず友は一言多いんだよな」
男「書記は場の空気を読むのが上手いし…」
男「幼は…まあ、置いといて」
男「それにしても…女が泣くなんて初めて見た…え?」
男「なんで俺、女が泣いた所を初めて見たなんて言えるんだ?」
男「・・・駄目だ、まるで靄を掴むみたいに」
ガラガラ
母「男君〜?」
男「母さん」
母「元気そうで良かったね♪先生はもう今日にでも退院できるって」
男「元々なんの異常も無かったしな」
母「まだ…女ちゃんのことは思い出せない?」
男「・・・ああ」
797: 1:2012/8/10(金) 22:52:46 ID:mNilGnhRFk
母「そっ…か…」
男「大丈夫だよ、母さん」
男「必ず思い出すから。女の涙に誓ったし」
母「うん…必ず思い出さないとね…って、女ちゃん泣かしたの!?」
男「え!?あ…いや、成り行きで?」
母「こらー!!あれほど女ちゃんを泣かすなって言ったでしょー!!」
男「うわ!?不可抗力だし、仕方ないだろ!?」
母「ダメー!!お仕置き!!」
男「なんでだよ!?」
798: 1:2012/8/10(金) 22:57:52 ID:mNilGnhRFk
母「まあ、お仕置きは後にして…荷物まとめて」
男「え?」
母「だから、退院」
男「もう!?早くね!?」
母「んふふ〜、驚かせようと思ってね、ビックリした?」
男「ビックリしたはしたけど…」
母「あり、あんましドーンって来なかった?」
男「まあな」
母「ちぇ…手続きをしてくるからロビーで待ってて」
男「わかった」
799: 1:2012/8/10(金) 23:06:55 ID:I3n4uegHZI
ロビー
男「・・・やっぱ病院は好きになれん」
男「母さん遅いな…ナンパされてるんじゃないだろうな?」
女「ふむ。確かにな…お母様万人受けする顔立ちだからな…心配だ…」
男「そうだな…ちょっくら見てくる…前に質問だな」
女「なんだ?」ハアハア
男「一つ目、何故いる?二つ目、何故ハアハアしてる?」
女「お母様から連絡が入ってな。退院するから付き添いを任せたいと、息が切れているのは全速力で走ったからだ…ゴホッ」
男「お、おい…大丈夫か?」
女「はあ…すまないが、背中を擦ってくれないか?」
男「よしきた」
女「そのままブラのホックを外してくれ」
男「それは断る」
800: 1:2012/8/10(金) 23:10:58 ID:mNilGnhRFk
母「お待たせ〜、女ちゃん来てくれたのね」
女「いえ、お母様の頼みなら断るわけにはまいりませんから」
母「ありがとうね♪そのまま男君を家まで送ってあげてくれる?」
女「わかりました」
母「よろしくね〜」
ウィィィーン
女「よし…いくか」
男「手を繋ぐ必要あるか?」
女「黙って繋いでくれ」
女「もう…あんな光景は…見たくないんだ…」
男「・・・」
801: 1(800突破支援感謝!!):2012/8/10(金) 23:14:04 ID:I3n4uegHZI
家
男「何のハプニングもなく家に到着」
女「ふぅ…良かった…」
男「せっかくだからあがっていけよ。茶くらいは出すぞ?」
女「ならお言葉に甘えよう」
ガチャ
男「ただいまー」
女「ただいま帰りました」
男「とりあえず居間にでも座って…」
女「やかん借りるぞ」ガサゴソ
男「・・・ああ」
802: 1:2012/8/10(金) 23:22:39 ID:mNilGnhRFk
男「・・・」ズズ
女「・・・」ズズ
男「うーむ…」
女「どうした?口に合わなかったか?」
男「いや、そうじゃないんだ…ただ、前に飲んだ事がある味わいだからさ…」
女「私が家にお邪魔したときはいつもこのブレンドだからな」
男「そっか…」
女「・・・」
男「実はというとさ、もう大部分思い出してるような気がするんだよな」
女「・・・」
男「経験した事ないのにした記憶がある…その記憶の中にはいつも必ず誰かがそばにいて…」
男「お前だって…結論づければ丸く収まるんだ…」
女「だが…納得いかないと?」
男「・・・悪い」
女「謝る事はない、確証を欲しがるのは当然の事だ」
女「何か…決定的な事があればいいんだがな…」
803: 1:2012/8/11(土) 13:51:28 ID:g2GhWr2I9E
男「そう・・・だな」
女「眠そうだな?」
男「うーん…まあ、病院じゃあまり落ち着けなかったからな…実はあまり寝てないんだよ」
女「それはいかんな、すぐに布団を敷こう」
男「うん…悪いな…」
女「まるで大きな子供だな…今にも寝そうではないか、ふふ」
男「・・・」
女「ほら、こっちだ。そんな所で寝るな」
男「おう…」ポスッ
女「お休み…男」
804: 1:2012/8/11(土) 14:00:09 ID:KHK.4n0eiE
男「う…ん…」
男「あれ?俺寝ちまったのか…?」
男「そういや…女が側にいてくれてたんだっけか…」
男「ん…手紙?」
男「用事があるから先に帰らしてもらう…か」
男「まあいいや、顔でも洗おう」
男「えーと、鏡、鏡と」
男「ん…?なんだこの赤いの…」
男「首筋に…虫に食われたわけじゃないし…!?」
男「あ…そうか…」
男「やられた…待ってろよ?女」ニヤリ
805: 1:2012/8/11(土) 14:05:00 ID:KHK.4n0eiE
女の家
ピンポーン
女「はい?」ガチャ
男「よう」
女「おお、起きたのか。すまんな一人にしてしまって」
男「お互い様だ。気にすんな」
女「そうか?…ん?待てよ?」
女「お前に私の家を教えた覚えはない…」
男「二度も同じ手使いやがって…」
女「・・・ま、まさか」
男「まーた首を舐め回したのか?」
女「男…男なのか?」
男「・・・ただいま」
女「っ!!」バッ
男「おっと、泣くなよ?頼むから…」
女「泣いてなど…いない!!」
806: 1:2012/8/11(土) 14:07:23 ID:g2GhWr2I9E
女「しかし…何故?」
男「キスマーク見た瞬間に何もかも」
女「そうか…」
男「サンキューな、女…後、悪かった」
女「全くだ。私がどれだけ心配したと思った?」
男「わからんな」
女「よろしい。ならばお仕置きだ」
男「意味がわかんねーよ!!」
807: 1:2012/8/11(土) 14:11:14 ID:g2GhWr2I9E
女「でも…本当に戻ってきたのだな…」
男「ああ」
女「ありがとう…」
男「しおらしいのはお前らしくないぜ…女」スッ
女「ん…」
男「まずこれがお詫び。そしてこれが感謝の気持ち」スッ
男「そして…これが…今の俺の気持ち」
女「ん…はぁ、男…」
男「女…愛してる」
女「ああ…私もだ…ん」
808: 1:2012/8/11(土) 14:14:37 ID:g2GhWr2I9E
男「さて…まずは迷惑や心配かけた奴に謝りにいかないとな…」
女「男…もう一回」
男「ああ、はいはい」スッ
男「後は…まあ自堕落に生活かな…?つってももうすぐ新学期始まるわけだが…」
女「男…もう一回」
男「へいへい」スッ
男「後は…」
女「男…もう一回」
男「お前は何回キスをせがむんだよ」
女「私が満足するまでだ」
男「とんだ我が儘お嬢様だよ…全く」
809: 1:2012/8/11(土) 22:43:24 ID:tW.MZgafGU
男「そいや海にいく予定だったんだっけか…準備とかしないとな…」
女「男…」
男「今度はなんだよ」
女「抱きしめてくれ…強く。離れないように」
男「(強そうに振る舞ってたけど…やっぱり淋しかったんだよな…)」
男「(つい忘れがちになりそうだけど…一番心配をかけたのはこいつで、誰よりも心配をしてくれたのもこいつなんだよな…)」
男「わかってる…もう、離さないから」
女「ん…」
男「(やばい、凄く可愛い。下心とか多分無いだろうから余計に可愛い)」
女「男…?」
男「俺の女がこんなに可愛いわけがない」
女母「あれ…どうします?」ヒソヒソ
女父「・・・若いやつらに任せてやれ」
女母「(あら、案外優しい)」
810: 1:2012/8/11(土) 22:50:36 ID:tW.MZgafGU
男「あっと…そういえば当然のように居座ってたけど…家に帰らなきゃな…」
女「・・・」ギュー
男「女…」
女「いくな…」
男「大丈夫だって…もういなくなったりしないし…それに」
男「いい加減視線がきつい」
女「?」
男「いや…女母さんと女父さんがね?」
女母&父「!?」
女「っ!?///」
女母「ご、ごめんね?決して覗こうとしたわけじゃないのよ?」
女父「お、おう。不可抗力だ」
男「な?離してくれると嬉しいんだが」
女「っ!!」ギュー
男「逆効果!?」
811: 1:2012/8/11(土) 22:56:06 ID:RBJYeQmqLs
女母「あらあら…まるで小さい頃の女を見てる気分ね」
女父「懐かしいな…誕生日に買ってやった熊のぬいぐるみを抱きしめて離さなかったな」
女「そ、それは今は関係無いだろう!?」
男「いや?普通に可愛いと思うが?」
女「なっ!?」
男「どちらにせよって…まあ、いいか…」
ピッピッピ
男「これでよし」
女「何をした?」
男「ん?家に女絡みで帰りが遅くなるって伝えた」
女「あっ、すまない…すぐにでも…」
男「いや、いいよ…今日はお前の側にいてやりたいからさ」
女「/////」
女母「青春ね…」
女父「なんか複雑だ…」
812: 1:2012/8/11(土) 23:02:51 ID:RBJYeQmqLs
女母「さあさ、どうせイチャイチャするならお父さんの目の届かないところでやってなさい」
女母「男君、お家に遅くなるっていれたんだし、折角だから夕飯食べていきなさい」
女父「・・・すまんが、男君は少しだけ残ってくれ」
女「父!!」
女母「あなた!!」
男「わかりました」
女父「悪いな…あんまり手間はとらせねぇから」
813: 1:2012/8/11(土) 23:05:58 ID:RBJYeQmqLs
女父「さて…と」
女母「・・・」
女父「そんな睨むなよ…説教するわけじゃねんーだから」
男「女母さん。俺は大丈夫ですから」
女母「そう…何かあったらすぐに叫ぶのよ?」
女父「俺は獣かよ」
女父「さて…説明してくれるかい?ここ数日女は様子がおかしかったからな…何か知ってるというより、一枚噛んでるだろ?」
男「実は…」
814: 1:2012/8/11(土) 23:12:08 ID:tW.MZgafGU
女父「なるほどね…交通事故に記憶喪失か…」
女母「そんなことがあったなんて…」
男「女は、何も?」
女父「情けない事に…何も聞かされてない」
男「そうなんですか…」
女父「でも俺は女を責める気はない」
女父「女がしっかりしすぎてることに甘えて、何も聞かなかった俺達が悪い」
女母「・・・」コクリ
女父「ここ数日も、いつもよりやや落ち込んでる程度にしか思わなかったんだ…まさかそんな事になってるなんてな…」
男「俺は女に償いきれない程の迷惑をかけましたから…」
女父「男君は何も悪くねーよ、事故はしょうがねー」
女「・・・」
815: 1:2012/8/11(土) 23:21:08 ID:tW.MZgafGU
女の部屋
男「ただいまー、ん?違うくねーか?」
女「大体あってるぞ。お帰り。何を話してたんだ?」
男「あー、まあ、あれだ…最近女とはどうなんだって」
女「・・・そうか」
男「まあ、心配する必要は無いって答えといたから」
女「ふふ、私達にはこれ以上ない程に当てはまるな」
男「ところで…なんで距離を置いてるんだ?」
女「・・・気のせいだ」
男「さっきの事気にしてんのか?お前の小さい頃なんか笑わねーよ」
女「そうじゃないんだ…今お前を抱き締めたら…どうにかなってしまいそうで…」
男「俺は別に構わないぜ?」
女「な!?」
男「好きにしても、構わないぞ?」
816: 1:2012/8/11(土) 23:25:46 ID:RBJYeQmqLs
女「あ…う…くっ!!」
女「(落ち着くんだ私!!これはどう考えても男の罠!!恐らくこの挑発に乗れば返されてしまうだろう…だが、今までの態度から推察にするにこれは罠ではないという考えも否定は出来ない!!)」
男「どうした?」
女「(どっちだ!?乗るか?反るか?)」
男「早くしないと…」スッ
男「俺から…やるぜ?」
女「っ!?」ボン!!
男「あ、ショートした」
817: 1:2012/8/11(土) 23:31:56 ID:RBJYeQmqLs
皆様こんばんは、1でございます
イチャコラからそのまま情事にもつれ込ませそうな描写をしましたが、女には気絶してもらいました
自分、エロ書けない人間なんで
えっとですね、今後の話ですが…話をかなり省略して一気に終わりまで書いちゃうか、次スレまで丁寧に完結させるかの2つで迷ってます
前者は、新作が早く書けますが、正直腑に落ちない終わりになり、後者は終わりはスッキリする程度です
どちらも一長一短がありますので考えあぐねていますが、とりあえずはこのSSの完結を目指しています
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
818: 名無しさん@読者の声:2012/8/12(日) 00:15:18 ID:N7ZLn0CfpM
丁寧に!お願い致します!
私は一向にかまわんッ!!
819: 名無しさん@読者の声:2012/8/12(日) 00:47:02 ID:Jcn7OCI51w
すっきりと終わらせてほすぃ
毎日更新楽しみにしてやす!
820: 名無しさん@読者の声:2012/8/12(日) 03:57:11 ID:p8z74PFjMk
丁寧で!!
821: 名無しさん@読者の声:2012/8/12(日) 05:18:39 ID:qtcIuyrIQQ
丁寧!
822: 1:2012/8/12(日) 05:24:20 ID:Q2PfZzGuiU
おうふ…何故か胸騒ぎがして朝早く起きてみたら…
丁寧の意見が多い…ていうか、丁寧しかないようなので、丁寧に事を終わらせたいと思います
丁寧丁寧言い過ぎて丁寧がゲシュタルト崩壊
\(^o^)/
>>819
毎日更新くらいしか取り柄がないのでwww
感謝です!!
823: 1:2012/8/12(日) 05:31:45 ID:z0U8ZQhYEg
女「・・・」ムク
男「お、起きたか?」
女「作者を殴る」
男「いきなり何を言い出しやがる」
女「作者のせいで…私は…私は…濃密なイチャコラをお預けになったんだぞ?」
男「そんな涙目で震えた声で言う事か?」
女「まあ、先はまだあるから焦る必要は無くなったがな」
男「何この落ち着き様」
824: 1:2012/8/12(日) 05:34:38 ID:z0U8ZQhYEg
女「私はどのくらい寝ていた?」
男「30分くらいだな」
女「そうか…」
男「なんだよ、なんかソワソワしてんな」
女「すまないが鏡をとってくれないか?」
男「ああ…はい」
女「・・・」
男「なんでそんなあからさまにがっかりしたような顔してんだよ」
女「なんで…」
男「ん?」
女「なんでキスマークがついてないんだー!!」
男「そこかよ!?」
825: 1:2012/8/12(日) 05:44:21 ID:Q2PfZzGuiU
女「おかしいだろう!?なんで私につかないんだ!?」
男「いや、当然の事だろ」
女「私はつけたのに男はつけないなんておかしい!!私がどんな思いでキスマークをつけたか…」
男「勝手に半狂乱になっただけだろ」
女「とにかく、お前は私にキスマークをつける義務がある」
男「何その右の頬を殴られたら左の頬を殴り返せ理論!!」
女「さあつけろ!!」
男「ちょ、ちょっとまてよ!!」
男「男が女の鎖骨に吸い付いてキスマークをつける所を想像してみろ」
女「ご褒美だな」
男「いや、一般的な男と女って意味だ」
女「変態だな」
男「わかってて言ってんのかこの野郎」
826: 1:2012/8/12(日) 05:58:14 ID:URLHZqIv8Y
女「とにかく、やれ!!」
男「わかった、わかったから服をはだけるな!!」
男「全く…なんで俺がこんなこと…」スッ
女「んっ」
男「変な声だすな!!」
女「仕方ないだろ!!鼻息がくすぐったいんだ!!」
男「我慢しろ!!」
男「えーと、吸い付けばいいのか?」
チューー!!
女「あん!!」
男「だから紛らわしい声出すなっつの!!」
女「濡れないだけマシだ!!」
男「もうやだこいつ」
827: 1:2012/8/12(日) 06:00:32 ID:8rRrom8v5s
女「ふう…ついたか?」
男「ああ、なんとかな…ほら、鏡」
女「おお…ついてる」
女「♪〜♪」
男「やっぱりそういうのって欲しいものなのか?」
女「そうだな…やはり愛する証というのは欲しいな」
男「ふ〜ん…そっか」
828: 1:2012/8/12(日) 19:36:24 ID:vpnDUhc2Yg
女「ありがとう。我が儘を言ったようですまなかったな」
男「我が儘って自覚してんのかよ…」
女「そういえば、もうすぐ海にいくな」
男「ああ」
女「ご家族に招待されたから、しっかりとした態度でいきたいし…それなりの格好で参加したいしな」
男「水着ね…去年のがあったが…多分もう入らないだろうな…新しいの買うか」
女「それは非常にいいことを聞いた」
男「嫌な予感しかしないが、言ってみろ」
女「一緒に水着を買いにいくぞ」
男「ははは、断る」
女「残念、これは命令だ」
男「俺はいつからお前の部下になったんだ?」
829: 1:2012/8/12(日) 19:41:28 ID:vpnDUhc2Yg
女「明日が非常に楽しみだ」
男「ちょっとまて、明日行くのか?」
女「ああ。何か予定があるのか?」
男「いや、特にはないんだが…早すぎじゃないか?」
女「善は急げというし、何より私が見たいからな」
男「確実に後半が本音なのはわかった」
女「お前だって楽しみだろ?この変態め」
男「うん。お前にだけは絶対に言われたくない」
女「ふふ…先程は気絶してしまったが…次は絶対に…」
女母「二人ともー、ご飯できたわよー」
女「・・・」
男「だそうだ」
女「母…恨むぞ!!」
830: 1:2012/8/12(日) 20:07:59 ID:D8fqAEkGBA
女母「さあさあ、冷めない内に召し上がれ」
男「ありがとうございます。美味しそうだ…」
女「・・・」
女母「女、そんな納得のいかない目で睨み付けられても、私とお父さんがいる間はそんな事はさせませんよ」
女父「ん?そんな事ってなんだ?」
男「女父さんは知らないでもいいと思いますよ。(俺の生命的な意味で)」
女「なら、二人が留守の時ならいいのだな?」
女母「ええ、出来るならね」
男「女母さん、それフラグです」
831: 1:2012/8/13(月) 13:11:43 ID:LSMfCPNcH.
女「まあ男を押し倒す計画は後にとっておくとして」
女父「ブフーーー!!」
男「言っちゃった!?」
女母「時に母、相談が…」
女母「海にいくんでしょう?知ってますよ」
男「!?」
女母「私がどれだけ長い間貴女の母親をやってると思ってるの?貴女が部屋で黙々とファッション雑誌の水着特集を見てたらそりゃ気がつくわよ」
女「母!!それは言う必要が無いだろう!!」
女母「事実、を言っただけですよ?」
832: 1:2012/8/13(月) 13:15:22 ID:LSMfCPNcH.
男「はあ…」
女父「どうだ?普通に女の子してるだろ?」
男「まあ…ですね」
女父「親の俺から見ても、変わり者の判子押される娘が、恋愛すると変わるんだな…って、前から思うよ」
男「本質まるで変わってませんけどね」
女父「人間、そう簡単には変われんよ。ただ、恋愛なんて興味無さそうな娘が、普通に女の子やってるとね、新鮮なんだよ」
男「はあ…」
女父「娘を、頼んだ」
男「・・・」
833: 1:2012/8/13(月) 13:19:17 ID:MvoRsaa9fA
男「ごちそうさま」
女母「あら?いつの間に」
女「む?」
男「いやぁ、美味しくて箸が進んじゃいました」
女父「あたぼうよ、なんてたって母さんの料理は世界一…」
女母「やだ、もう」ガン
女父「ぐへっ」
男「それじゃあ、この辺りで失礼します」
女「あ、私も…」
男「じゃあ、明日な。女」
女「あ、ああ…明日」
834: 1:2012/8/13(月) 13:22:21 ID:MvoRsaa9fA
家
男「ただいまー」
母「お帰り〜♪」
男「・・・なんでそんなに上機嫌?」
母「だってぇ、息子が童貞を捨ててきたんですもの」
男「・・・はい?」
母「ね、初めての感想は?どうだった?」
男「・・・」
母「なるほど…言葉にならないほど気持ちよかったと…」
男「違う。つか、まだ捨ててねぇ」
835: 1:2012/8/13(月) 13:26:58 ID:MvoRsaa9fA
父「母さん。少しはしゃぎすぎだよ」
父「お帰り男君」
男「ただいま…なんでもいいからこれをどうにかしてくれ」
母「母親をこれ呼ばわりってひどーい!!」
父「ははは、それはそうと」
男「ん?」
父「おめでとう。一線を越えれたんだね」
男「二人ともグルか」
男「疲れてるんだから早めに寝るわ」
父「疲れてる!?」
母「ということはやっぱり!?」
男「あんたらマジで殴るぞ」
836: 1:2012/8/13(月) 13:35:47 ID:MvoRsaa9fA
翌日
男「ん…朝か…」
男「あー、準備しないとな…」
男「眠い…だが寝たらさらに酷い目にあいそうな気がするから起きよう」
837: 1:2012/8/13(月) 13:38:26 ID:MvoRsaa9fA
男「おはよう」
父「おはよう、早いね?」
男「まあな」
父「男君が朝早く起きるときはなにかが起こるからね」
男「なにかってなんだよ」
父「さあ?なにかだよ」
母「おはよ〜う」フラフラ
男「おはよう」
父「おはようって、母さん…髪ボサボサだよ?パジャマのまんまだし…ほら、顔洗う」
母「んー」
男「完璧に大きな子供だな」
838: 1:2012/8/13(月) 13:45:02 ID:MvoRsaa9fA
母「ふあ〜ぁ、おはよう男君」
男「さっき言ったんだがな」
母「ん?男君がおはよう?」ズイッ
男「ちょ、近い」
母「男君がおはよう!!」
男「日本語でおけ」
母「ど、どどどどうしよう!!」
父「落ち着いて、母さん」
男「そこはかとなく失礼だな」
839: 1:2012/8/13(月) 20:34:23 ID:z0U8ZQhYEg
母「ふう…朝から取り乱してしまったわ…」
男「ようやく落ち着いたか」
母「全く、恥ずかしいわ…お嫁にいけない…」
父「大丈夫。僕が貰うよ」
母「父君…」
男「感動の場面悪いけど、あんたはもう嫁だし、父さんも貰う必要ないからな?」
母「もうっ、男君はお堅いなぁ…」
父「母さん…そろそろ」
母「あ、そっか…じゃ、いってきまーす」
父「留守番よろしくね?」
男「はーい」
840: 1:2012/8/13(月) 20:38:23 ID:z0U8ZQhYEg
男「さて…行ったか」
男「ようやく自由だ…」
男「女が来るまで…てか、女がいつ来るかわからんけど…まだ時間あるしな」
男「よし、ブラつくか」
男「とりあえず女にはメールしとくか…って言っても、一分も経たずに返事来るんだけどな…」
男「よし…いくか」
841: 1:2012/8/14(火) 14:53:35 ID:lPwmwzxc4s
男「そいや、こんな風に朝早く町歩くのは初めてだな…」
男「何か発見があったりしてな…ま、なんもないと思…」
主将「お、男ー!!」
男「ん?主将か」
主将「珍しいな、お前がこんなに朝早く町にいるなんて」
男「あー、そういやお前はこの時間はランニングだっけか」
主将「う…うむ、まあそうだな」
男「?」
「ちょっと、呼び出しといて遅刻とかないんじゃないの?」
男「あれ…お前は」
842: 1:2012/8/14(火) 14:57:08 ID:lPwmwzxc4s
男「決勝戦の大将!?」
大将「誰?アンタ」
主将「あー、そのー、だな」
大将「あ、思い出した。この変態の副将」
男「嫌な覚えかただな」
大将「ていうか、アンタ知り合いだよね?こいつなんとかしてくんない?」
男「主将、何かしたのか?」
主将「な、何も」
大将「この人、偶然特訓の場所や時間が同じだったからって、こうしてくっついて回ってきてんの」
主将「あ、あれは本当に偶然だったんだ!!」
843: 1:2012/8/14(火) 15:01:42 ID:ARUV0.9HW.
男「あれ?おかしくね?」
大将「何が」
男「俺、主将の特訓場所や時間知ってるし、暇な時はちょくちょく覗きに言ってるけど、お前を見たことないぞ」
大将「なっ!?」
男「それに、俺が見逃しても必ず主将が覚えてたりしてるはずだし…」
主将「そ、そうだ!!」
男「主将、大将と場所がかぶりはじめたのいつ頃だ?」
主将「・・・試合が終わった辺りからだな」
844: 1:2012/8/14(火) 15:06:45 ID:lPwmwzxc4s
大将「で、でも現に主将がここに…」
男「主将がかぶったんじゃなくて、お前が合わせたんだろ」
主将「え!?」
大将「・・・そうよ」
大将「主将の剣が、格好よかったから、何か秘密の特訓でもしてるのかなって思ったからこっそり調べたのよ…」
男「で、何かわかったのか?」
大将「全く!!こいつ怖いくらいにただ竹刀を振るだけなのよ!?信じらんない!!」
男「だろうな」
大将「200なら私もまだ妥協点だけど20000よ!?こいつ20000回振るのよ!?」
男「数えたのか、俺なんか途中で寝たのに…暇なんだな」
大将「い、今関係ないでしょ!!」
845: 1:2012/8/14(火) 15:12:41 ID:lPwmwzxc4s
男「で?さっきの呼び出しといてってのは?」
大将「う…こいつと連絡先交換して…どうせなら一緒にやらないかって誘われたから…」
主将「う…うむ」
男「・・・お前ら素直になれよ」
男「まああれだ、これ以上水を差すつもりはないし、ごゆっくり」
大将「ちょ!?それどういう意味!?」
主将「わ、わかった」
大将「アンタは返事しないでよ!?」
男「(やばいくらいにお似合いなんだが)」
男「じゃあな、俺いくから」
846: 1:2012/8/14(火) 19:18:05 ID:IlT5o9cUWQ
男「しっかし、まさかあの二人があんな関係になってたなんてな…何か作為的な物を感じるが」
男「主将に会った…てことは、次は…」
次鋒「おや?男先輩じゃないですか?」
男「次鋒…なんとなく会いそうな気がしたんだけど…」
次鋒「まあそれが歓迎するような偶然かはさておき、珍しいですね、こんな時間に」
男「まあな…たまには早起きもいいもんだろ」
次鋒「なるほど…まあそういう事にしておきます」
847: 1:2012/8/14(火) 19:23:54 ID:g4VVCs1.mI
男「お前は?買い物?」
次鋒「ええ、日用品を買いに」
男「まあお前らしいっちゃらしいけど…ん?」
男「栄養ドリンク?具合悪いのか?」
次鋒「いえ、体力が少々持たなそうにないので先を見越して…」
男「体力が持たない…?そういや、お前確か彼女が…」
次鋒「流石にこんな朝っぱらから股を開かせませんよ」
次鋒「まあ、大会での出来事から日本にはまだ強い人がいますからね、多少特訓を厳しくしてるだけです」
男「ああそう…まあ、体壊さんようにな」
次鋒「お気遣いありがとうございます。では」
男「おう、じゃあな」
848: 1:2012/8/14(火) 19:26:54 ID:IlT5o9cUWQ
男「おっと、メールか」
女『すまない、先程メールに気づいた。今どこにいる?お前さえよければ家に向かう』
男『そんな焦んなくてもいいよ。ブラブラしてただけだから、今から家にいくから待っててくれ』
女『了解。ちなみにブラブラしてたのはお前だよな?お前の息子ではないよな?そうだとしたら是非私はお前には合流しなくてはいけないのだが』
男『埋まれ』
849: 1:2012/8/14(火) 19:29:46 ID:IlT5o9cUWQ
男「悪い、待たせたな」
女「そんなには待っていない」
男「つか、お前あのメール非常識過ぎるだろ。セクハラもいい所だぞ」
女「場をほぐす軽いジョークだ。そう真剣に捉えるな」
男「お前の場合、冗談なのかマジなのかわかんねーんだよ」
女「安心しろ。八割方本気だ」
男「はあ、まあいこうぜ」
女「ん」
850: 1:2012/8/14(火) 19:33:43 ID:g4VVCs1.mI
男「そういや、お前と手を繋いだり腕を組んだりするのにあまり抵抗無くなってきたな」
女「前はあったのか?」
男「下手にしたら何されるかわかったもんじゃないしな」
女「ナニするか毎回考えていたからな」
男「ま、その点から言えば、お前の事を大事に思えてるんだなって思うよ」
女「・・・愚か者///」
男「まあ俺たちの事だ。何もないほうがおかしいんだからさ、何があっても二人で越えていこうぜ」
女「ああ…お前と二人ならなんだってできる気がする…」
男「・・・ああ」
851: 1:2012/8/14(火) 19:39:53 ID:g4VVCs1.mI
皆様こんばんは
まずは、お詫びを
ここ数日の不定期すいませんっしたぁ!!
スライディング土下座でもなんでもします!!
で、ですね、折角次スレに移る許可を頂けたので、残りは本編二割、ネタ八割くらいでお送りいたします。ちなみにこれからの流れ
海編+ネタ
↓
文化祭編+ネタ
↓
演劇編+ネタ
↓
修学旅行編+ネタ
↓
卒業式編+ネタ
↓
後日談編+ネタ
というような感じでお送りしたいと思います
とりあえず長々はよくないので、一応今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
852: 名無しさん@読者の声:2012/8/14(火) 20:40:00 ID:nvtaTQLXV2
乙
ネタの方も期待してる!
853: 名無しさん@読者の声:2012/8/14(火) 21:46:26 ID:28.LgqZw6g
乙です。
楽しみにしてます。
854: 名無しさん@読者の声:2012/8/15(水) 11:30:24 ID:gYb/l1VPKE
ネタだらけwww
でも支援(`・ω・)
855: 1:2012/8/15(水) 13:40:26 ID:Q2PfZzGuiU
皆様ありがとうございます
皆様の励ましのお言葉や、支援に感謝しつつ、投下をいたします
>>854
正直このSSはネタでお茶を濁さないとまるで進まんのですよwww
支援感謝です♪
856: 1:2012/8/15(水) 13:47:44 ID:Q2PfZzGuiU
デパート
男「やっぱりこの季節は海水浴フェアみたいなのがやってるな」
女「夏の新作…正直何が違うのかわからん」
男「値段」
女「それは新作だから当然だろう…で、これなんかどうだ?」
男「ん、いいんじゃね」
女「これは?」
男「いいと思うぞ」
女「・・・こっちは?」
男「似合ってるぞ」
女「お前…さっきから肯定しかしてないか?」
男「だって、何着ても似合うしな」
女「・・・だから、不意討ちは止めろと///」
857: 1:2012/8/15(水) 13:54:30 ID:Q2PfZzGuiU
男「事実だしなぁ…」
女「ならお前が選べ、私はそれを着よう」
男「お前…男が女物の水着を手にとって吟味する様を思い浮かべてみろよ…」
女「罰ゲームか何かだな」
858: 1:2012/8/15(水) 14:04:17 ID:z0U8ZQhYEg
男「しっかし…水着ね…」
男「ビキニ…競泳風…あいつはビキニかな…」
男「色は…わからんな…俺の好きな色でいいか…」
女「決まったか?」
男「あ、ああ…これでいいか?」
女「・・・これはお前の趣味か?」
男「趣味っつーか、まあ気になったからかな」
女「まあ…いい。これを買おう」
859: 1:2012/8/15(水) 14:11:52 ID:z0U8ZQhYEg
女「それで?お前のは?」
男「俺のは去年のがあ…」
女「よし、私が選んでやろう」ズンズン
男「ちょ、いいから!!」
女「遠慮することはない。お前と私の仲だ」
男「まって!!マジで恥ずかしいから!!」
女「断る♪」
860: 1:2012/8/15(水) 15:47:34 ID:Bj/dcObgEI
女「これか…いや、これもいいな…しかしこれも捨てがたい…」
男「大真面目で男物の水着を漁る女ってどう見える?どう見ても痴女です。本当にありがry」
女「ふむ…これは実際に着てもらわんとわからんな…」
男「それにしてもこの女、ノリノリである」
女「男!!試着だ!!」
男「はいは」
女「脱げ!!」
男「水着を貸せ、試着スペースにいくから」
女「わかった」スッ
男「そしてついてくんな」
861: 1:2012/8/15(水) 15:56:06 ID:Mpq3m6kKDg
男「全く…よく考えたら試着してお披露目なんてあいつが一番見逃すはずのないイベントなのに…」
女「着たか?」シャー
男「うぉい!?開けるなよ!?」
女「わかった」シャー
男「あっぶね…下脱いでなくて本当に良かった…」
男「っと、さっさと履かないとすぐみられるからな」ゴソゴソ
女「どうだ?」シャー
男「だから、無理矢理あけるなっつの」
女「・・・」
男「ん?ああ…お前が選んでくれたやつだ。うん。我ながら似合ってると思う…いいセンスだよな」
女「・・・」
862: 1:2012/8/15(水) 15:58:49 ID:Mpq3m6kKDg
男「さっきからどうした?おーい」
女「あ、ああ…に、似合ってるぞ」
男「・・・もしかして、見とれてた?」
女「・・・ああ」
男「そんなこったろうとは思ったがよ…あ、そうだ」
男「俺は見せたのに、お前だけ見せないのはずるいよな?」
女「む、お披露目か」
男「せっかく、選びっしたんだ、見せてくれよ?」
女「わかった、少し待っててくれ」
863: 1:2012/8/15(水) 20:51:07 ID:z0U8ZQhYEg
男「・・・遅いな」
男「よく考えたら…とんでもなく恥ずかしい指示してないか?俺」
男「水着着て見せろとか…正気の沙汰じゃないよな…」
女「男〜」
男「あ、終わったか?」
女「すまない…ちょっと手伝ってくれないか?」
男「あ、ああ…」シャー
男「っ!!お、おま!!」
女「ん?」
男「せ、背中!!背中の紐!!ほどけてる!!」
女「それを結んでほしい。頼めるか?」
男「あ、ああ…そう…」
シュルシュル
864: 1:2012/8/15(水) 20:58:47 ID:Ug.dOx/0Xo
女「どう…だろうか?」
男「あ、ああ…うん」
男「(やべぇ…滅茶苦茶可愛い…つか、反則だろ)」
女「男?」
男「可愛い…つか、綺麗だ…本当に、うん」
女「良かった…」
男「てか、本当にこれ俺が選んだんだな…」
女「ああ、お前のセンスがいいからな。誇りに思え」
865: 1:2012/8/15(水) 21:04:51 ID:Ug.dOx/0Xo
男「これでいいよな」
女「ああ。早速脱ぐ…」
シュルシュル パサッ
女「・・・」
男「・・・」
男「のわあああああ!?」
女「落ち着け、裸をみたくらいで騒ぐな」
男「おま!!少しは恥ずかしがれよ!!」
女「恥ずかしいから早く着替えたいんだ。出ていって…いや、出なくても構わないか?」
男「出る。今すぐ出る」
866: 1:2012/8/15(水) 23:32:25 ID:Hx8k4eDHC.
男「あー、びっくりした…まさか紐がほどけるなんて…」
男「・・・肌、白かったな」
男「い、いかんいかん!!これではまるで変態だろ!!」
男「・・・くそっ///」
女「何を自問自答している」
男「そいやぁあいあ!?」
女「落ち着け。それとも落ち着かせてやろうか?」
男「あ、あぶ、あばば」
女「・・・向こうで少し休もうか」
867: 1:2012/8/15(水) 23:36:21 ID:TnOZBUtdbM
男「・・・ごめん」
女「構わないさ」
男「なんというか…パニくって、テンパっちゃって…」
女「あの状況ならしょうがない事だ」
男「俺…俺…慌てて…」
女「よしよし」ナデナデ
女「しかし、本当は確信犯だったのではないか?」
男「は!?」
女「紐を結んだのはお前で、その紐がほどけたのなら、原因はお前にあるぞ?」
男「ち、違う!!」
女「何もない空間で、ひとりでに卵が潰れた時、潰れた原因は卵の中にある。ハオの卵理論だ」
868: 1:2012/8/15(水) 23:39:59 ID:TnOZBUtdbM
男「っ、だったら俺だって反論するぞ!!」
男「俺に見せる時に、紐を俺の死角に来るように体を傾けたのはお前だ!!その時にもしかして…」
女「・・・」
男「え?まさか…」
女「正解だ」ニコ
男「・・・やる気、売り切れた」
女「いやいや、私的には取り乱したお前を見れて良かったぞ?実に可愛かった」
男「見れて…良かった…」
男「っ!!/////」
女「ん?何を想像した?いや、何を思い出した?」ニヤニヤ
男「な、なんでもない!!」
869: 1:2012/8/15(水) 23:41:46 ID:TnOZBUtdbM
女「ふう…まあからかうのはこれくらいにしておこう。それで、これからどうするつもりだ?」
男「え?あ、ああ…」
男「・・・一つ寄りたい場所がある」
女「ふむ。お供しよう」
870: 1:2012/8/15(水) 23:45:32 ID:TnOZBUtdbM
皆様こんばんは
1でございます
いやぁ、この季節にはやはり水着パニックですよねぇwww一度やりたかったんですよ。ただ、文才ないから上手く表現できてない…orz
海編+ネタでこのスレを使いきれるように頑張りたいと思いますので、よろしければご支援、ご声援の程をよろしくお願い致します
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
871: 名無しさん@読者の声:2012/8/16(木) 00:05:52 ID:HhPm64R4mA
いやいや、十分良いパニックだw
策士な女に…っC
872: 名無しさん@読者の声:2012/8/16(木) 19:17:05 ID:nWr5jmtasY
今日投下しない?
873: 1:2012/8/16(木) 20:46:24 ID:igjZoSsHXM
>>871
女「現代に蘇った孔明とでも呼んでもらおうか」
男「お前がいつ頭脳戦繰り広げたんだよ」
女「支援感謝する」
>>872
すいません!!すいません!!投下します!!投下しますからゴミを見るような視線をこちらに向けないでください!!
874: 1:2012/8/16(木) 20:52:56 ID:igjZoSsHXM
男「さて…と」
女「雑貨?何か購入するのか?」
男「ん…まあな」
男「これでいいか」
女「ペンダント?」
男「ああ…お前には色々と迷惑をかけちまったからな…」
女「男…すまないが、私はそういうようなのは…」
男「わかってる…お前がこういうのは嫌いだってのは」
男「でも…これは俺に対する戒めみたいなもんなんだ…」
男「つけてくれとは言わない…ただ、持っていてくれて、それを見るたびに俺がお前にしたことを忘れないようにするために…」
女「・・・」
女「そういうことならもらっておこう」
875: 1:2012/8/16(木) 20:57:15 ID:igjZoSsHXM
男「これで全部かな」
女「水着も買ったしな」
男「・・・すまん、あまり思い出させないでくれ」
女「本当に作者がそういったものを書けなくて良かったな。そのまま更衣室で声を押し殺して…」
男「止めろ」
女「まあ作者も需要がない限りは書くつもりはないから安心しろ」
男「なあ…それ…」
女「ともかく、早くデパートから出よう。ここにいたらさっきを思い出してムラムラしてくる」
876: 1:2012/8/16(木) 21:04:18 ID:O8kC7FAT2M
男「大丈夫か?重くないか?」
女「重いも何も水着しか持ってないぞ?」
男「買い物帰りのテンプレ台詞だ。気にするな」
女「ふむ…そういえば重いな」
男「ん?」
女「お前の…想いが…」
男「いやー、軽そうで良かったわー」
女「・・・」
男「まあ…これで準備は大丈夫かな…」
母「あら?男君に女ちゃんじゃない」
877: 1:2012/8/16(木) 21:09:55 ID:igjZoSsHXM
男「母さん」
母「二人でお買い物?」
女「ええ、水着を購入しに」
母「やぁだ、言ってくれればお金くらい渡したのに」
女「いえ、お気持ちだけでありがたいです」
母「でも二人とも…特に男君が真剣に考えてくれてたのね〜」
男「まあな、女がいるんだし」
母「あ、そうそう。父君と一緒に三連休取れたの!!」
女「おめでとうございます」
母「これで予定した二泊三日にいけるね♪」
男&女「はい?」
878: 1:2012/8/16(木) 21:15:45 ID:igjZoSsHXM
男「二泊三日ってどういう事だよ」
女「お母様、私達は何も知らされてないのですが…」
母「あれ?父君から聞かされてない?」
母「1日だけじゃもったいないから、二泊三日にしようって、その方が思い出を作れるって父君が」
男&女「(三日間…同じ空間…そんなの…)」
男「(貞操の危機が全力でマッハ!!)」
女「(なんというご褒美シチュ!!)」
879: 1:2012/8/16(木) 21:26:19 ID:igjZoSsHXM
母「だから、女ちゃんもしっかり準備してね♪」
女「はい!!必ず準備します!!」
母「あ、男君」ヒソヒソ
男「ん?」
母「予約してある旅館…二部屋予約してあるから…しかも防音」ヒソヒソ
男「・・・」
母「私達を気にしないで…いいからね?」ヒソヒソ
男「誰がするかぁ!!」
880: 1:2012/8/16(木) 23:30:48 ID:DmEgGXQ9/.
母「そういうわけだから、二人とも準備しっかりね♪じゃあねー」
女「相変わらず素晴らし…突拍子もない事を仰るな」
男「お前にとってはご褒美以外の何物でもないがな…」
女「・・・まあな」
男「ん?」
女「私はお前と一緒にいられるだけで、幸せだよ…ではな」スタスタ
男「あ、おい…行っちまった」
男「帰るか…」
881: 1:2012/8/16(木) 23:36:38 ID:DmEgGXQ9/.
女「・・・はあ」
女「抑えていた、つもりなのだがな…」
女「やはり、欲に忠実なのは人間の性か」
女「怖い…なんてな、男に抱かれるのが…」
女「いつも想定していた事で、あまつさえ私が主導権を握るという筋書きすら考えていたはずなのに…いざその場に立つとしたら…私は拒絶するんだろうな…」
女「お笑い草だ。男に触れたい、触れていたいと常日頃から願っている私が…こんなにも深く触れる事を恐れているなんて…」
女「案外…私の方なのかもな…拒んでいるのは…」
882: 1:2012/8/16(木) 23:38:43 ID:DmEgGXQ9/.
家
男「ただいまー」
母「あれ?早いね」
男「まあな」
母「女ちゃんは?」
男「わからん。難しい顔して別れた」
母「・・・そう」
母「男君、母親であり、一人の女として男君に聞きたいことがあります」
男「な、なんだよ…」
母「いいから、座って」
男「・・・」
883: 1:2012/8/16(木) 23:43:28 ID:DmEgGXQ9/.
母「直接聞くわよ?女ちゃんの事を愛してる?」
男「な!?いきなりなん…」
母「いいから答えて」
男「・・・大事だとは思ってる」
母「そう…つまり、好きなんだけど、実感が湧いていないのね?」
男「そう…だな」
母「いいの。男君ぐらいの年頃はね、可能性があるのよ。でもその可能性を自分自身の手で潰してしまう事もある。だからある意味今が一番慎重な時期かもしれない」
男「・・・」
女「恐らくこのままいけば男君は実感の湧かない恋愛、生活を送る事になるかもしれないの」
884: 1:2012/8/16(木) 23:47:55 ID:DmEgGXQ9/.
母「今回の二泊三日も、父君と相談して貴方たちの為に儲けたの」
男「俺達の…」
母「そう…貴方たちはこの二泊三日で恐らく成長すると思う。悪い方か、いい方かはわからない」
母「男君が動かないと、女ちゃんとの間にある境界線みたいなものはいつまでたっても越えられないから」
男「一線を…越えなきゃいけないのか?」
母「・・・一つだけアドバイス」
男「?」
母「必ずしも一線を越える事だけが成長するわけではないわ、人の数だけ成長にも種類がある。今言ったのは一般的な例」
885: 1:2012/8/16(木) 23:52:44 ID:5m7vxPTq.w
男「どうすればいい?」
母「宿題」
男「は?」
母「この二泊三日で女ちゃんと一緒に考えなさい。そして、答えを出しなさい」
母「二泊三日の最終日に、答えを聞きます」
母「二人で、悩みなさい」
男「・・・もしも、間違った答えや、答えられなかったら?」
母「・・・女ちゃんには諦めてもらいます」
男「!!」
母「だから、女ちゃんが本当に大事なら、死ぬ気で答えにたどり着きなさい」
男「・・・わかった」
886: 1:2012/8/16(木) 23:55:27 ID:DmEgGXQ9/.
母「うん。じゃあこの話はこれでおしまいね」
男「待ってくれ母さん!!」
母「何?」
男「最後に一つだけ、母さんと父さんはどうやって成長を?」
母「・・・秘密」
母「宿題の答えが出たら、教えるよ」
男「・・・」
母「さーて、ご飯にしよっか♪お昼まだでしょ?」
男「あ、ああ…」
887: 1:2012/8/16(木) 23:59:48 ID:5m7vxPTq.w
皆様こんばんは
1でございます
えーと、ようやく海編の冒頭に入れた…のか?
あ、それで一つ注意点があるんですが、その場面が来たら直前でお知らせしますが、これからの内容に意見の相違、つまり皆様の考え方と私の考え方の違いが出てくると思います。それで、私の考え方に納得ができないという方も中にはいらっしゃるかもしれません。その人は非常に申し訳ありませんが、SSと割りきってお読み頂けたら幸いです
それでは、今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました!!
888: 名無しさん@読者の声:2012/8/17(金) 11:09:26 ID:gYb/l1VPKE
そんな謙虚じゃなくていいのにw
見てて楽しいので、身体には気を付けてゆっくり進めて下さいね。
889: 1(少量更新です明日は大量を予定):2012/8/18(土) 00:47:33 ID:zB3oAQSWFQ
男「食った食った、ごっそさん」
母「相変わらず男君は食べるねー」
男「そりゃ、母さんがチビなだけだ」
母「何よー、これでも食べてるんだからね!!」
男「栄養が全部胸にいってるのか…」
母「何か言った?」
男「なんも、ちょっと出てくる」
母「いってらっしゃい。夕飯までには帰ってくるのよ」
男「小学生かなんかか」
890: 1(本当に申し訳ない):2012/8/18(土) 00:50:08 ID:zB3oAQSWFQ
男「・・・」ピッピッ
女『もしもし』
男『会いたい。今から会えるか?』
女『私がお前に会うのを拒む理由が見当たらないな。どこだ?』
男『近くの公園。待ってる』
女『わかった。すぐにいく』
891: 1:2012/8/18(土) 00:56:27 ID:iq7hOCZZ4.
公園
女「すまない、待たせたか?」
男「俺も今来たとこだ、てか、そんな時間経ってないぞ?」
女「それで?お前が私に会いたがるからにはそれなりの事情があるのだろう?」
男「・・・ああ」
男「正直さ、女は俺の事をどう思ってる?」
女「そうだな、この世で最も愛しく大事で何があろうと守り抜き、願わくば、一緒側に居続けたいと思うような存在だ」
男「そうか…」
女「お前は?私の事をどう思ってくれてるんだ?」
男「どうって…」
女「別に隠さなくていい、思いの丈をぶつけてみろ」
男「女は…変態で、しっかりしてて、頼りに出来て、皆の信頼を得ていて、どんなときも側にいてくれる…」
女「ほう?お前にそこまで思われていたとはな」
男「でも…多分、好き止まりなんだ…愛してるまで…まだいってない」
女「・・・」
892: 1:2012/8/18(土) 01:00:06 ID:zB3oAQSWFQ
男「母さんに…忠告されたんだ…」
女「・・・」
男「このままいけば駄目になるから、成長しなさいって」
男「お前は俺をこんなに考えてくれてるのに、俺はお前に何一つしてやれないのかなって」
女「それは考えすぎというものだろう」
女「私はお前さえいてくれればそれで…」
男「そう、そこなんだ」
男「俺はお前がいてくれれば、なんて思えない。でもお前は思っている」
女「私の価値観とお前の価値観は違うだろう?」
893: 1:2012/8/18(土) 01:04:33 ID:zB3oAQSWFQ
男「よくさ…俺達、そういう雰囲気になるじゃないか」
女「まあ、大半は私が作り出してるがな」
男「それってさ、お前が張ってる予防線なんじゃないか?」
女「!!」
女「な、何を…」
男「そういう雰囲気になれば、嫌でも俺が拒む。お前はそれがわかってるからわざとそういう雰囲気に持っていく…でも、本当は違うんじゃないか?」
女「・・・めろ」
男「どんなに雰囲気が出ても、俺が止めるからそこまでいかない…したいけどしたくないっていう矛盾が出てるんじゃないか?」
女「止めろ…」
男「本当は、一番怖がってるのはお前なんじゃないか?」
女「止めてくれ!!」
男「・・・ごめん」
894: 1:2012/8/18(土) 01:09:26 ID:iq7hOCZZ4.
女「・・・お前の言う通りだ」
女「自分から仕掛けておきながら…その先に発展することを誰よりも恐れてるのは…私だ」
男「・・・」
女「だから私は甘えてたのだ。お前の理性に」
男「俺も甘えてたよ…お前の強さに…」
女「お母様は…なんと?」
男「二人で考えて、答えを出せって」
女「まるで宿題だな」
男「ああ…答えられなかったり、間違ってたら…」
女「・・・」
男「やっぱり…いい」
895: 1:2012/8/18(土) 01:12:22 ID:iq7hOCZZ4.
男「変な話をしちまったな…」
女「構わないさ。悩みを共有してくれるだけ」
男「俺のこと、軽蔑したか?」
女「まさか。私がお前を軽蔑するときは、私のより先に死ぬときだろうな」
男「はは、そりゃきつい」
男「女…」スッ
女「ん…」
男「今はこれが精一杯。でも…変わるからさ」
女「変われるよ、お前なら」
896: 1(更新終了):2012/8/18(土) 01:16:05 ID:zB3oAQSWFQ
女「ではな、また明日会おう」
男「そうだな」
女「・・・男」
男「ん?」
女「二人で、答えを必ず出そう」
男「!!」
女「私達二人なら…どんな難題も解き明かせる…少なくとも私はそう思ってる」
女「お前となら…どんな難題も…な」
男「・・・ああ」
男「絶対に解いて、母さんに宣戦布告だな」
女「また明日」
男「じゃあな」
897: 1:2012/8/18(土) 08:44:05 ID:SCiudrvTe.
家
男「ただいまーって、あれ?」
母「あ、お帰り」
男「どこかいくのか?」
母「会社!!」
男「なんだそりゃ…」
バタン
男「ん?母さん携帯置いていってるぞ…」
ブー!!ブー!!
男「のわい!!メールか?」
男「勝手に見るのは…悪いけどひょっとしたらあの急ぎようがわかるかもしれんし…」
男「メール…母さんの友人さんからだ…」
母友『母ちゃん!!父君があのハゲ部長に捕まっちゃったよ!!ひょっとしたらあの三連休の話も無しになっちゃうかもしれない!!今社員総出で講義してるから、早くきて!!』
898: 1:2012/8/18(土) 08:47:47 ID:SCiudrvTe.
男「ハゲ部長て…母友さん上司に対する感想それかよ…」
男「・・・旅行、無くなるのは嫌だな」
男「しょうがない、母さんに携帯を届ける体で様子を見に行くか」
男「頼むから俺が着くまで暴走してないでくれよ…母さん」
899: 1:2012/8/18(土) 08:52:06 ID:SCiudrvTe.
会社
男「・・・会社来るのって久しぶりだな」
男「まあいいや、とっとと様子見…」
母「いい加減にしてください!!不満があるなら直接言えばいいでしょう!?なんでそんな回りくどいやり方するんですか!?」
男「・・・ロビーまで聞こえてんぞおい」
男「はあ…まあ、場所がわかるからいいんだけど」
900: 1:2012/8/18(土) 08:57:42 ID:SCiudrvTe.
部長「君達の関係は知っているし、申し訳ない事をしていると思っている…だが、先方から優秀な人材を一人と言われては断れないのだよ」
母「じゃあなんで父君なんですか!?父君以上に優秀な人はいますし、何より有給を認めたのは部長じゃないですか!!」
部長「あー、社内恋愛は確かに許しているが、必要以上に絡む必要は無いと言いたいのだよ」
父「部長、お言葉ですが僕達が一度でもノルマを達成出来なかった時がありますか?」
部長「それは重々承知しているよ。でも、中には独り身の人達もいるだろう?そんな人達の事を考えて…」
「父さんと母さんを疎んでる人なんて社内にはいませんよ!!」
「そうだそうだー!!」
「二人は幸せなんですよ!?それなのに引き離すなんて最低です!!」
「そうだそうだー!!」
901: 1:2012/8/18(土) 09:01:52 ID:3.LOqKkPN6
母「大体、この前の出張だって、私には何一つ知らされてませんでしたし!!父君が言ってくれなかったら私は知らないままだったんですよ!?」
部長「とにかく!!決まった事は決まったんだ!!取り消しは出来ない!!」
部長「有給の件はまた別の日に日数を多くして…」
男「それってどうしても向こうにいかなきゃいけないのか?データを送るとかじゃ駄目なのか?」
母&父「男君!?」
902: 1:2012/8/18(土) 09:11:53 ID:3.LOqKkPN6
部長「な、なんだね君は?」
男「この夫婦の息子です。どうしても父さんが先方にいかなきゃいけないんですか?」
部長「・・・先方は、あくまでデータが送ってくれればいいと」
父「なら、今日中にこの会社でデータを作り、先方に送ればいいんですね?」
母「それなら手伝うよ!!父君!!」
「俺達もだー!!」
「私達もー!!」
部長「君達は何もわかっとらん!!ここにいる全員が協力しても捌ききれない量なんだぞ!?もしここに、天才的な事務作業センスの持ち主がいれば、不可能な話ではないが…」
男「要は事務作業の天才がいればいいんだよな」
ピッピッピ
男「もしもし…俺だ。理由は話せんが、とりあえず来てくれないか?うん…悪いな…ああ、好きなだけ甘えてこい」
部長「だ、誰を呼ぶつもりなんだね…?」
男「頼りになる助っ人達です。10分くらいあれば来れるそうです」
903: 1:2012/8/18(土) 09:18:28 ID:O8kC7FAT2M
女「待たせたな」
書記「お待たせ…しました…」
男「悪いな」
女「気にするな」
書記「問題…無いです」
母「男君!!貴方いつのまにこんなロリっ娘を!?」
男「ええいやかましい!!先ずは問題を片付ける事が大事だろが!!」
部長「な…し、書記?」
書記「お父さん…」
男「親父さんだったの!?」
部長「き、君!!娘とは一体どんな関係なんだね!?」
男「学校の後輩です。とにかくデータ見せてください」
904: 1:2012/8/18(土) 09:22:02 ID:igjZoSsHXM
書記「・・・」
男「どうだ?出来そうか、二人とも」
女「ふむ、時間はかかりそうだが問題ない」
書記「問題…無いです」
部長「当然だ。私の娘は家族の誰よりも…」
女「少し黙れ」
女「書記、いけるな?」
書記「はい…会長」
905: 1:2012/8/18(土) 09:26:39 ID:igjZoSsHXM
女「皆さんにもお手伝いいただけますと、恐らくかなり早く終わると思います。ご協力をお願いします」
父「女さん…元々の担当は僕だから…もちろんやらせてもらうよ」
母「私も頑張るからね!!」
「俺達もやるぞー!!」
「若い子に遅れはとらないわー!!」
男「じゃあ俺も…」
女「お前は入るな」
書記「男さんは…機械音痴だから…駄目です」
男「・・・はい」
906: 1:2012/8/18(土) 14:47:05 ID:2K0MngYrAs
30分後
書記「出来ました…」
女「こちらもだ」
ざわざわ…ざわざわ
「馬鹿な…あの量をたった30分で!?」
「天才か…」
女「予定していたより時間がかかってしまったな…」
書記「会長は…十分早い…です」
女「書記には負けるさ」
女「さて…これで文句はないな?」
部長「ぐぬ、ぐぬぬ…」
書記「お父さん…お母さんと喧嘩したからって…八つ当たりは駄目だよ…」
部長「それは今関係ない!!」
部長「とにかく!!こんなのは認められ…」
パン!!
907: 1:2012/8/18(土) 14:55:35 ID:2K0MngYrAs
女「愚か者!!私情を会社に持ち込むな!!」
部長「な!?私は持ち込んでなんかいな…」
女「いるから言ってるのだ!!」
女「貴様の嫉妬のせいで、どれだけの人間が迷惑をしてると思っている!!人の上に立つ者として恥ずかしくないのか!?」
女「いくら幸せそうだからといって、貴様がその幸せを踏みにじる権利も、妨害する権利もない!!」
女「幸せとは自分で掴む物だ!!他人の幸せを邪魔して得られるのは一時の満足感。そして拭えない罪悪感だけだ!!」
部長「・・・」
書記「お父さん…お母さんもう怒ってないよ…ね?」
908: 1:2012/8/18(土) 15:06:39 ID:qYlj2FltxY
部長「・・・すまなかった」
部長「有給の件は、承認しておく…後で書類を提出しておいてくれ」
父「部長…ご無礼、すみませんでした」
部長「・・・」
バタン
父「女さん。ありがとう…おかげで本当に助かったよ」
女「いえ、旅行の件では私にも関係がありますし、何より私が出来る事をしたまでです…それに」
女「男が…私を頼ってくれて嬉しかった…」
父「そっか…」
書記「お父さんは…多分大丈夫だと…思います」
母「ごめんね〜書記ちゃんも、本当にお疲れ様♪」
書記「・・・///」
母「あ〜ん、本当に可愛いなぁ…娘にしたいくらい」
女「・・・男?」
909: 1:2012/8/18(土) 15:12:48 ID:2K0MngYrAs
男「・・・」
女「こんなところにいたのか」
男「今回…役立たずだったからな」
女「そんなことはない。お前が私と書記を呼ばなければ、今頃どうなっていたか…」
男「どうなった?」
女「有給は取れるそうだ」
男「ん、良かった」
女「随分と軽いな」
男「お前なら、やってくれるってわかってたからな」
女「!!」
女「そ、そうか…良かった…うん///」
男「顔赤いぞ?大丈夫か?」
女「だ、だだだ大丈夫だ!!」
男「本当か?心配なんだが…」ズイッ
女「ほ、本当に、大丈夫…だから…///」
書記「・・・」ジー
910: 1:2012/8/18(土) 15:20:12 ID:qYlj2FltxY
男「うぉい!!書記!!いつのまに!?」
書記「ん、良かった…の辺りからです」
女「かなり最初の方だな…というより、なんで微妙に目をキラキラさせているんだ?」
書記「イチャイチャ…するんですか?」
男「え」
女「したいところだが、ここでは人目が多いからな…」
書記「残念…です」
男「普通イチャイチャは望まねーよ…」
911: 1:2012/8/18(土) 15:25:00 ID:2K0MngYrAs
書記「お父さんには…キツく言って…おきます」
男「ああ…そう」
書記「私達は…先に帰宅するように言われました…」
男「了解」
書記「それと…男さんのお母さんから、娘にしたいと…言われました」
男「は?」
書記「なって…いいですか?」
男「いやいやいや!!無理だから!!てかなんでそこまでして!?」
書記「事実上…私は男さんの妹…そして会長と結婚なされたら…会長の妹にもなれる…」
女「確かに、至極当然だな」
男「とにかく、帰ろうぜ?」
912: 名無しさん@読者の声:2012/8/18(土) 20:27:06 ID:vRa6btuqfM
何者なんだ女はwww
913: 1:2012/8/18(土) 20:46:39 ID:V9s2qbYObw
>>912
女「ただの一般人だ」
男「超がつく変態」
幼「勉強出来て、スポーツ出来て、皆に人気がある凄い人!!」
友「利己的な思考をもち、容姿端麗頭脳明晰。そして自分の意見を通す強さを持った素晴らしい人だよ」
後輩「先輩は凛々しくて気高くて可憐で優しくて高貴で優しくて万能で女神で触れるどころかお声をかけるのも躊躇ってしまうようなお人です!!」
副会長「変だけど、やるときはやる奴」
書記「お姉ちゃん…みたいな人…です」
父&母「男君のお嫁さん」
作者「だそうです」
914: 1:2012/8/18(土) 20:51:28 ID:QoV99feevk
男「しかし、なんとか収まって良かったな…」
書記「そういえば…旅行って…何の事ですか?」
女「私が男の家族に招待されてな、二泊三日の旅行にいってくる」
書記「おお…イチャイチャ?」
男「お前な…」
女「ああ、休ませずに絡むつもりだ」
書記「報告…詳しく…お願いします」
男「お、おお…」
男「(なんで俺なんだよ…)」
書記「じゃあ…私はこれで…お父さんにはキツく…言います」スタスタ
男「なんで二回も言うんだ?」
女「大事な事なので二回、というやつだろう」
男「ふーん」
915: 1:2012/8/18(土) 20:54:47 ID:QoV99feevk
女「では、私もこれで」
男「あれ?家に寄らないのか?」
女「寄りたいのは山々だが、疲れているのでな…それに、家にいたら何かと都合がよくないし…気持ちだけ受けとるとお二人に伝えてくれ」
男「あ、そういうことか…わかった」
女「ではな」
男「おう。明日集まる時間とかはメールで伝えておくから」
女「ああ」
916: 1:2012/8/18(土) 21:00:40 ID:QoV99feevk
家
母「ただいまー」
男「お、お帰り」
母「あれ?女ちゃんは?」
男「帰った」
母「ええー!!なんでー!?」
男「疲れてるんだってさ。気持ちだけ受けとるって」
母「あれ?ばれてた?」
父「だから言ったでしょ、女さんは多分遠慮するだろうって」
母「遠慮しなくてもいいのに〜」
母「あ、女ちゃんに伝えておいてね?明日から出発するから三日分の着替えと荷物を用意しておいてって」
男「わかった」ピッピッ
母「さあ!!私達も準備するわよ!!」
父「その前に、夕ご飯ね?」
母「・・・えへ」
917: 1(投下終了):2012/8/19(日) 00:45:04 ID:b0pTklISeQ
男『もしもし…俺だ』
男『ああ、時間と場所が決まった』
男『早いか?結構話したぞ、主に母さんが』
男『それでだ、明日6時に俺の家前に集合。早いか?』
男『少し遅いくらいって…お前どんだけ早起きなんだよ…』
男『まあいいや、明日な…ん?』
男『・・・ああ、俺も』
男『愛してる』ピッ
男「さて…寝るか」
918: 1:2012/8/19(日) 16:05:37 ID:8t7JqUWKX2
翌日
母「皆、準備出来たね!!」
父「母さん。タオル持った?」
母「ばっちり!!」
男「クーラーボックスは?」
母「任せなさい!!」
父「僕との愛は?」
母「もう…バカ//」
男「さっさといくか」
母「もう〜男君ったらお母さんが大好きだからって焼きもち妬かないの」
男「妬いてねぇよ」
919: 1:2012/8/19(日) 16:08:05 ID:8t7JqUWKX2
女「おはようございます」
母「おはよう♪女ちゃん」
父「本当にお早うだね…」
女「楽しみで寝付けなくて…寝坊しないかどうか不安でしたので少々早く来ました」
父「じゃあ、車を出してくるよ」
母「宿までは車で二時間くらいだからね。海も近くにあるし、きっと良いところだよ」
女「はい」
父「それじゃあ出発しようか」
920: 1:2012/8/19(日) 16:10:43 ID:bNgsl92qwg
父「しっかり捕まっててね」
男「安全運転の塊のようなあんたが言うか?」
父「癖みたいなものだよ」
母「大丈夫?眠たくない?」
女「はい。ご心配なく」
男「母さん、眠い」
母「えー、じゃあ寝ちゃいなさい」
男「わかっ…zzz」
女「男は、昨日夜遅くまで?」
母「んー、誰よりも早かったよ。女ちゃんも眠たくなったら寝ていいからね」
女「ありがとうございます」
921: 1:2012/8/19(日) 16:15:27 ID:8t7JqUWKX2
父「そうだ、これは女さんに伝えておくべき事なんじゃないかな」
女「?」
母「あのね…これから三日間は女ちゃんを私達の娘として扱います」
女「はい?」
父「つまり、遠慮する必要がないって事だよ」
女「遠慮なんて…」
母「もちろん、私達も女ちゃんを娘みたいに思うから遠慮しないからね」
父「その代わり、僕達に気を使わない、遠慮しない。いいね?」
女「はあ…わかりました」
母「じゃあもう一度聞くね、眠たくなったら寝てもいいからね」
女「・・・わかりました」
922: 1:2012/8/19(日) 16:19:23 ID:8t7JqUWKX2
男「zzz」
女「・・・」スースー
母「・・・ねえ、父君」ジー
父「どうしたの?」
母「女ちゃんの寝顔が可愛すぎて生きるのがつらい」
父「バックミラー越しでしか見えないけど…」
母「あーん!!もう可愛すぎる!!写真撮って良いかな!?」
父「僕に聞く?まあ、記録として残しておくのもいいかもね」
母「男君とツーショット〜♪」
父「・・・程々にね」
母「えへへ…男君の肩に寄りかかる女ちゃん…えへへ」
父「母さんが心配だ…」
923: 1:2012/8/19(日) 16:22:44 ID:8t7JqUWKX2
男「・・・ん」
母「お、ナイスタイミング」
男「・・・着いた?」
母「もうすぐだよ」
男「んー」
女「・・・」スースー
母「可愛いでしょう?」
男「んー」ナデナデ
女「ん…?」
男「おはよう。もうすぐ着くってさ」
女「了解…した」
924: 1:2012/8/19(日) 16:26:47 ID:bNgsl92qwg
旅館
主人「ようこそいらっしゃいました」
父「宿泊で三日です」
主人「はいはい、父様ご一行ですね。お部屋に案内いたします。兄ー!!弟ー!!」
兄「はいはい、呼んだ?っと、お客さんか」
弟「あ、いらっしゃいませ!!当旅館にようこそ!!」
主人「この二人、息子なんです。今はただ働きさせてますけど」
兄「部屋案内でしょ?」
主人「わかったらいく」
兄「はいはい」
925: 1:2012/8/19(日) 16:29:37 ID:8t7JqUWKX2
兄「ねえ、お二人さん名前なんていうの?」
男「男だ」
女「女だ、これから世話になる」
兄「ふーん…高校生?」
男「まあな、ちなみに三年」
兄「あれ、同い年じゃん。なんか親近感沸くとおもったら」
兄「まあ、ここで自己紹介。俺は兄、こっちは弟」
弟「よろしくお願いします!!」
男「よろしくな」
女「世話になる」
926: 1:2012/8/19(日) 16:33:27 ID:8t7JqUWKX2
兄「えーと、父さんと母さんのお部屋がこちらになります…で、お二人の部屋が…あれ?」
兄「部屋別なの?一緒じゃないの?」
男「あー、まあ…な」
兄「ていうか、二人って付き合ってんの?恋人同士?」
女「そんなところだ」
兄「恥ずかしげないね〜女ちゃん、カッコいい」
女「褒めても何も出ないぞ」
兄「んじゃま、お仕事なんでこの部屋を利用する注意点を言わせていただきます」
男「ん、頼む」
927: 1:2012/8/19(日) 16:38:04 ID:8t7JqUWKX2
兄「とまあ、説明はざっとこんな感じ。何か質問ある?」
男「んー、ないかな」
女「旅館の裏にある山に近づいてはいけないのは何故だ?」
兄「お?気になっちゃう?実はね…出るんだよ…コレが」
男「・・・マジ?」
兄「噂なんだけど、昔あの山で自殺した人がいて…今でもさまよっては踏み入れた人をひきずり込もうとしてるらしい…」
男「・・・」
兄「ま、噂だしな。実際崖とか多いし、危険だから近づかないでちょって事だよ」
女「驚かすな。怖がるだろう?男が」
男「俺かよ!?」
兄「君達面白いね〜、あ、海で泳ぐつもりなら更衣室は出て右だよ」
男「ありがとな」
兄「気にすんなよ。仕事だし、なんか仲良くできそうだしな」
928: 1:2012/8/19(日) 16:42:52 ID:CZyHu5L2/A
弟「兄ちゃん、終わったよ」
兄「お疲れ」
弟「あの二人、どう?」
兄「仲良く出来そうだし」
弟「そっか」
兄「女ちゃんの方が凄い可愛いしね」
弟「あ、兄ちゃん…そろそろ」
兄「おう、時間だな…いこうか」
兄「女ちゃん…いいね」ニヤ
929: 1:2012/8/20(月) 00:08:19 ID:A2tRVLAHGg
男「ふぅ…やっぱ、海はなんか落ち着くな…」
父「母さーん、待ってー」
母「うふふ、捕まえてご覧なさーい」
男「・・・」
男「いい年こいてって言いたいんだが、母さんの外見年齢が違和感を感じさせないんだよな…違和感仕事しろ」
女「ふっ、はっ」ザブザブ
男「女は女で本格的に競泳してるし、てか誰とだよ」
女「ふぅ…」ザバッ
女「泳がないのか?」
男「お前ら見てるだけでお腹いっぱいだよ」
女「泳げないのか?」
男「泳げるわ!!」
女「じゃあ問題ないな」
男「おい、引っ張るな。」
女「あそこまで競争だ。言っておくが、手加減は無しだからな」
男「・・・へいへい」
930: 1:2012/8/20(月) 00:12:23 ID:RlSRqpaV0I
男「はっ、はっ」ザブザブ
女「いいぞ!!中々のスピードだ!!流石男!!」
男「泳ぎながら喋るとか、がぼ!!器用だごぼぼ!!」
女「そら!!ラストスパートだ!!」バシャバシャ
男「がばごぼぼー!!(負けるかー!!)」バシャバシャ
母「ほぇ、あの二人凄いな〜」
父「捕まえた」
母「やーん、捕まっちゃった♪」
父「今度は母さんが鬼だよ」
母「うん♪」
男「ごばば!?(あれ鬼ごっこだったの!?)」
女「そこまでして突っ込むか!?」
931: 1:2012/8/20(月) 00:16:36 ID:RlSRqpaV0I
男「ぷはっ!!!」ザバッ
男「はあ…はあ…往復とか…無理…」
女「さすがに…これは…つらいな」
男「辛いなら…提案…すんなよ」
女「はあ…だが、泳ぎきれたな」
男「・・・」
女「疲れたし、シャワーを浴びてくる。戻ったら海でも眺めようか」
男「その前に腹ごしらえな」
女「そうだな」
932: 1:2012/8/20(月) 00:22:04 ID:RlSRqpaV0I
シャーーー
女「・・・」
コンコン
女「誰だ?すまないが今は使用している」
兄「女ちゃん?俺俺」
女「兄か、入っても構わないぞ」
兄「それじゃ失礼して…」
女「ん?どうした?」
兄「いや…めっちゃ綺麗な体してるな…って」
女「それほどでもない」
兄「いやいや、マジで綺麗だよ。うん…海岸の天使…いや、女神と言ってもいいかも」
女「ふふ、褒めても何も出ないぞ?」
兄「あーあ、男はいいなぁ…女ちゃんみたいな子を独り占め出来るなんて…」
女「嫉妬するほどか?お前も可愛らしい女子と親しげにしていたではないか」
兄「あれ?見られてた?参ったなぁ…」
933: 1:2012/8/20(月) 00:27:26 ID:A2tRVLAHGg
女「それで、何の用だ?」
兄「んー、特に用って程の物でもないかな…泳いでるのが見えて、ここに入ってくのを見たから声かけただけ」
女「なんだ、話しかければ良かったのに」
兄「二人の間にはさすがに入れないよ」
兄「にしても、男は本当に羨ましいよ…」
女「何を言う。兄は中々整った顔立ちをしているから、恋人等すぐに出来るだろう」
兄「なんかね…可愛いは可愛いんだけど…上っ面しか見てないっての?それが嫌なんだよね…」
女「それには同感だな」
兄「わかってくれる?案外俺達似た者同士かもね〜」
女「確かに、近い所はあるかもしれんな、ふふ」
兄「おっといけね、これ以上は仕事に遅れるし、男に怒られちまうな」
女「そうか、頑張れよ。ではな」
バタン
兄「あーい」
兄「・・・思ったとおり、いい女だぜ・・・」
934: 1:2012/8/20(月) 00:31:19 ID:RlSRqpaV0I
皆様こんばんは
1でございます
やはり長いと駄目なんですかね、身を持って痛感しましたよ…
さて、そんな話はともかく、お気づきの方もいらっしゃるかと思われますが、1レスをかなり長めにしてます。これは少しでもの抵抗ですねwww
とりあえずしばらくはこのままでやっていきたいと思われます
おそくなりましたが、投票していただいた方、本当に感謝です。
正直このSSをまだお読みになっていただいて至極恐悦でございます
それでは、今日の投下はこれで終了です
見てくださった方々
ありがとうございました!!
935: 1:2012/8/20(月) 14:06:59 ID:IMc0N1gmSo
旅館
男「うめぇ!!食べやすくてうめぇ!!」
女「中々の…美味だな」
母「うう…負けるかも…」
父「うん。確かに美味しいね」
男「旅館経営してるんだし、当然と言っちゃ当然か」
母「午後はどうするの?」
男「んー、休…」
女「遊泳禁止区画ギリギリまで行きます」
男「・・・らしい」
母「ふーん?気をつけて?」
女「おまかせください」
936: 1:2012/8/20(月) 14:11:56 ID:Dch5pfOfDw
海
男「んで…具体的にどこまでだよ」
女「あそこだ」
男「なあ…完璧に遊泳禁止って書いてあるんだが?」
女「恐れていては満足に泳げないぞ?」
男「プールじゃ駄目なのか?」
女「プールは好きではない。あの四角い空間でどうしても泳がされてる感が拭えんのだ」
女「やはり、海は広い…」
男「海が広いのはわかった。だからここだけは止めようぜ?な?」
女「・・・仕方ないな」
女「では先程の場所を二往復だ」
男「鬼ー!!」
937: 1:2012/8/20(月) 14:16:24 ID:Dch5pfOfDw
男「・・・」
女「・・・生きてるな」
男「前にもやったぞこのやり取り」
女「大丈夫そうだが…一応診るか?」
男「俺はいいよ…お前は?」
女「私か?私は…」
兄「だったら俺が二人とも診てあげようか?」
男「兄?」
兄「よっ、無茶な泳ぎする二人が見えてな」
男「ほら、やっぱり無茶だったんだよ」
女「私は無茶ではない」
男「お前の常識を押し付けんな」
兄「はいはい、言い争いはいいから、二人とも力抜いて」
938: 1:2012/8/20(月) 14:23:01 ID:IMc0N1gmSo
兄「うーん、男の方は何もないかな…てか、ガタイ良くね?何かしてるの?」
男「剣道をちょいと」
兄「へー、剣道ね…うん。適した筋肉のつきかただよ」
男「適したとかあるのか?」
兄「剣道するのに背中に筋肉いる?」
男「いらねーな」
兄「はい。これでおしまい。念のために違和感ある場所に湿布貼るといいよ、主に肩辺りかな」
兄「えーと…次は女ちゃんだけど…失礼しましてと…うわ…柔か…」
兄「でも、ただ柔らかいんじゃなくて、ちゃんと締まってるというか…」
女「診るんじゃないのか?」
兄「ごめんごめん。んー、筋肉も特に疲労してないみたいだし…タフだね」
女「少しばかり頑丈に出来ているからな」
兄「強いな〜、一応二人とも後でかあさんに診てもらって?俺の診察じゃ微妙に頼りないからさ」
男「大丈夫だとは思うんだけどな…」
兄「じゃ、仕事あるから…また夜に旅館で会おうな」
男「おう」
女「・・・」
939: 名無しさん@読者の声:2012/8/20(月) 14:23:22 ID:gYb/l1VPKE
兄の行動が気になるな…
何事も無ければいいが…
940: 1:2012/8/20(月) 14:30:50 ID:Dch5pfOfDw
夜
男「ふー、つっかれたー」
女「あのあとひたすら泳いだからな」
男「お前が無理矢理つれ回してな」
女「ふふ、なのに着いてきたということは…変た…」
男「お前が言うな」
母「二人とも若いわね〜、お母さんなんか所々筋肉痛よ?」
父「まだ痛む?夕方辺りにマッサージ(性的な意味も含めて)したんだけどなぁ…」
男「とりあえず何が原因かは大体わかった気がした」
ガラガラ
主人「失礼します。お夕飯はこちらにお運びしても?」
父「あ、おねがいします。なんかすみません」
主人「いえいえ、男様と女様には家の息子と仲良くしてもらってますから」
母「息子さん。とてもよく働きになりますね。同い年とは思えないです」
主人「普段がちゃらんぽらんなんですよ。今運ばせますね」
941: 1:2012/8/20(月) 23:38:48 ID:5m7vxPTq.w
母「この煮付け美味しい!!」
父「うん。漬物がいい味出してるね」
男「うめぇ!!食べやすくてうめぇ!!」
女「昼も同じ事を言ってなかったか?」
男「旨い物は旨いと言いながら食べるのが礼儀だ」
兄「よく食うね〜見てていっそ清々しいよ」コトッ
男「これは?」
兄「自家製のゼリー、コラーゲンたっぷりだからお肌プルプルになるよ」
兄「母さんはそれ以上お肌綺麗になったら、海岸一人で歩けなくなっちゃうんじゃないですか?」
母「やだ〜、上手なんだから〜」
兄「いやいや、実際お客さんの多数が母さん見てましたし…」
男「・・・」
兄「ま、女ちゃんもこれ食べて男を悩殺してみたら?」
女「そうだな。試してみるのも悪くない」
942: 1:2012/8/20(月) 23:42:07 ID:DmEgGXQ9/.
男「ふ〜ごちそうさん」
兄「じゃ、二人は向こうね」
男「あ…そういや別部屋だったな」
父&母「・・・」b
男「殴るぞ」
兄「それでは、おやすみなさい」
母「おやすみなさーい」
ガラガラ
兄「しっかし、マジで男の母さん幼いな」
男「あの見た目であの口調だからな」
兄「ぶっちゃけナンパされまくってんだろ」
男「町を歩けば兄妹扱いだよ」
兄「はは、おっと着いたぜ」
男「おう、サンキュー」
兄「ごゆっくり〜」
943: 1:2012/8/20(月) 23:48:55 ID:DmEgGXQ9/.
男「しっかし、いい旅館だよな…飯も旨いし、設備もいいし、フレンドリーだし」
女「そうだな」
男「(なんか反応がそっけないな…やっぱり泳ぎ疲れが…)」
女「男」
男「はい!?」
女「兄について、どう思う?」
男「へ?ああ、いい奴じゃないか?」
女「・・・そうか」
男「何か、あったのか?」
女「・・・まだな」
男「ふーん…ん?まだ?」
女「なんでもない。私のただの思い過ごしだろう」
男「そっか…」
コンコン
男「誰だ?」
兄「ああ、俺だけど…入っていいかな?」
944: 1:2012/8/20(月) 23:52:53 ID:5m7vxPTq.w
兄「へへ〜失礼しますっと」
弟「お邪魔します」
男「弟も一緒か」
兄「悪いな…二人の時間を邪魔するつもりはなかったんだけど、なんか寂しくてさ〜来ちゃった」
男「んな、軽いノリでくんなよ」
兄「お邪魔だったら出てくよ?」
女「いて構わないだろう」
男「女がいいなら、俺も構わない」
兄「ありがと、女ちゃん」
兄「まあ、あれだよね。二人の時間邪魔するかもしれないことをしに来たんだから、当然何かあると思うじゃん?」
男「何も期待してぬーよ」
兄「まあまあ、面白い話があるんだよ」
945: 1:2012/8/21(火) 00:02:41 ID:DmEgGXQ9/.
兄「そしたらさ、出した味噌汁の中に生きたカニが入ってんだよね。ちっこいやつ」
男「わお」
兄「したらその客大クレーム。この旅館はこんな味噌汁を客に飲ませるのか!!ってね」
兄「したらさ、弟がニッコリしながらなんて答えたと思う?」
弟「カニのダシが出てきっと美味しいと思いますし、カニが入り込むくらいに家の味噌汁は美味しいんですよって、言ったんです」
兄「そしたらその客、無言で出てったよ。俺、笑い堪えるのに必死だったわ」
弟「そのあと、おかあさんにたっぷり叱られましたけどね」
女「ふふ、とんだ災難だったな」
兄「まあね〜でも、この仕事結構楽しいから止められないんだよね〜」
弟「兄ちゃん、そろそろ」
兄「あっと、もうこんな時間か…じゃあ二人ともお休み。いい夢みろよ」
男「言われんでも分かってる」
兄「あ、もう1つ」
男「ん?」
兄「家、ゴムは置いてな…」
男「やかましい!!」
兄「はは、じゃあなー」
946: 1:2012/8/21(火) 00:18:15 ID:nHz6X6iLI2
弟「ねえ…兄ちゃん」
兄「んー?」
弟「明日さ、やるの?」
兄「勿論」
兄「こんな千載一遇のチャンス、逃すわけにはいかないよ」
弟「でも…彼氏さんいるよ?」
兄「いいのいいの。多分いける」
弟「・・・兄ちゃん」
兄「明日が楽しみだ」
947: 1:2012/8/21(火) 00:31:13 ID:q4muSAyMsg
皆様こんばんは
1でございます
まずは投下終了を伝えますが、その前に
>>939
それ…フラグ…ですよ?
見てくださった方々
ありがとうございました!!
948: 1:2012/8/21(火) 21:16:09 ID:H.sf1CG1AY
翌日
男「ういーす…」
母「男君、髪ボサボサだよ?」
男「わかってる…ブラシ取って」
母「はいはい」
父「女さんは?」
男「それがさ…朝起きたら隣にいなかったんだよな…」
母「隣に…とうとう…やった…」
男「してねーからな」
父「昨日の様子を見た限りじゃ、また泳ぎにいったんじゃないかな?」
男「まあ…だろうな」
男「ったく、朝飯も食わずに泳いだら腹痛くなるぞ」
949: 1:2012/8/21(火) 21:20:25 ID:H.sf1CG1AY
海岸
女「・・・」
兄「や、隣、いい?」
女「好きにしろ」
兄「一人?男は?」
女「多分、まだ寝てるだろう」
兄「一緒にいなくていいの?」
女「この方が返ってお前には好都合だろう?」
兄「・・・何の事か、よくわかんないよ」
兄「じゃあさ、1つ聞いていいかな?」
女「・・・」
兄「男ってさ、本当に女ちゃんの彼氏?」
女「・・・そうだ」
兄「ふーん、俺にはそうは思えないんだけどな…」
950: 1:2012/8/21(火) 21:33:19 ID:aNUtF.tCJI
兄「なんていうかな?恋人っぽくないんだよね」
兄「俺が女ちゃんに絡んでも素っ気ないしさ、もう少し妬いてもいいと思うわけよ。なのに淡白な反応でさ、ぶっちゃけ、あんまし大事に思われてないっていうか、恋人扱いされてないんじゃない?」
女「・・・そうだな」
兄「前にさ、話したじゃん?上っ面だけしか見ない奴。男もそんな奴じゃ…」
女「お前達が言う。普通の視点から見たら、私たちは恋人には見えないのだろうな…だが、私は所謂変人という奴でな、立派に恋しているのだよ」
兄「・・・俺じゃ、駄目かな?釣り合わないかな?」
女「お前とは似たような匂いを感じる…しかし、いい友人止まりになるだろうと私は予想している」
兄「・・・なんで?」
女「お前には私は理解出来ないよ」
兄「あんまり強引な手は使いたくなかったんだけどな…やれ」
ガサガサ!!
女「っ!?むぐ!!んー!!」
ドサッ
兄「よくやった、運ぶぞ」
弟「う、うん…」
951: 1:2012/8/21(火) 21:38:42 ID:H.sf1CG1AY
男「女ー、どこだー?」
男「あれー?おかしいな…泳いでないのかな…」
男「しっかし…他にあいつが行きそうな場所って…思い付かないよなぁ…」
男「しゃあない、一回旅館に戻るか」
男「そういえば朝から兄と弟を見てないよな…仕事忙しいと思うが、頑張って欲しいなぁ…」
952: 1:2012/8/21(火) 21:44:14 ID:aNUtF.tCJI
旅館
主人「ありがとうございました、またお越しくださいませ」
男「主人さん」
主人「あら、男様。どうなされましたか?」
男「女を見ませんでしたか?」
主人「女様でございますか?今朝はまだ見かけてはおりませんが…」
男「そうですか…兄と弟は?」
主人「この時間にいないということは…多分あの場所にいるわね…裏山の秘密基地」
男「秘密基地?」
主人「ああ、ごめんなさい。あの二人が小さい頃に見つけて作った秘密基地でしてね、私に叱られたりとか、イタズラの算段をするときとかによく利用してたんですよ」
男「なんか、微笑ましいですね」
主人「裏山にあるという事はわかるんですけど、二人が頑なに口を開かないから詳しい場所はわからないんですよね…でも?何故それを?」
男「あ、いや…なんか気になって…」
主人「そうですか…」
953: 1:2012/8/21(火) 21:48:11 ID:H.sf1CG1AY
男「しかし秘密基地ね…なんだか兄の知らない一面を見た気がするな…」
男「ていうか、本当に女はどこ行ったんだよ…」
男「・・・そういや、昨日」
女『兄について、どう思う?』
男『へ?ああ、いい奴じゃないか?』
女『・・・そうか』
男『何か、あったのか?』
女『・・・まだな』
男『ふーん…ん?まだ?』
女『なんでもない。私のただの思い過ごしだろう』
男「・・・まさか、な」
男「行ってみるか、裏山」
954: 1:2012/8/21(火) 22:52:51 ID:URLHZqIv8Y
女「う…ん…」
兄「気がついた?」
女「・・・ここは?」
兄「俺と弟しか知らない秘密基地」
弟「・・・」
女「そうか…やはりお前もか…」
兄「よく落ち着いていられるね〜」
女「そうだな、流石に手を縛られるのは初めての経験だがな」
兄「やっぱり、女ちゃんは普通の女の子じゃないよね、俺はさ、そこに好きになっちゃったんだよね」
女「ふむ、好意的に想われるの悪くは無いが、私がお前の事を友人としては見れるけど、恋人としては見えないと言ったら?」
兄「んー?時間はまだあるし…ゆっくりたっぷり聞かせる」
女「それでも駄目だったら?」
兄「・・・今の状況わかってんのか?」
955: 1:2012/8/21(火) 22:57:31 ID:URLHZqIv8Y
女「薬を嗅がされ誘拐されて手を縛られて知らない場所に監禁…普通ならパニックだな」
兄「なんでそんな落ち着いていられるの?まさかとは思うけど、男が助けにくるって信じちゃってるの?」
女「そのまさかだ」
兄「ここは俺と弟しか知らないよ。来れるわけもない」
女「それでも私は信じる」
兄「無駄だっつってんだよ!!」
女「信じるのはいけないことなのか?」
兄「っ!!」
弟「兄ちゃん…やっぱりもう止めようよ…」
兄「黙ってろ!!」
兄「・・・本当に助けに来るって、信じてるの?」
女「勿論だ」
956: 1:2012/8/21(火) 23:00:41 ID:8rRrom8v5s
兄「考えを改める気は?」
女「無い」
兄「・・・そう」
弟「に、兄ちゃん…なにする気?」
兄「言葉で言ってもわかんないなら体で教えるしかないだろ」
女「・・・」
弟「だ、駄目だよ!!」
兄「うるせぇ!!お前も共犯だからな!!」
弟「う…」
女「犯すのは別に構わないが、水着を破くのだけは勘弁してくれ」
兄「あ?」
女「この水着は男が買ってくれた奴でな、私の宝物だ」
兄「・・・ふーん」
957: 1:2012/8/21(火) 23:07:06 ID:8rRrom8v5s
兄「まあ、女ちゃんのお願いなら仕方ないよね」
女「手間をかけるな」
兄「・・・処女?」
女「ああ、バリバリの処女だ」
兄「それじゃあ加減しないとな、初めては痛いって聞くし…」
女「経験豊富な奴がリードしてくれればありがたいな」
兄「っ!!だから!!なんでそんな落ち着いていられるんだよ!?なんでそんな冷静なんだよ!?怖がれよ!!泣けよ!!」
女「・・・すまない」
兄「怖くねーのかよ!!今からレイプされるかもしんねーんだぞ!?」
女「なるほど、それが一般の恐怖というものか…だが、生憎私は違うな…」
女「私にとって恐怖とは…私の目の前から男が消えてなくなる事だ」
女「私にとって、男は全てだからな…」
958: 1:2012/8/21(火) 23:13:48 ID:8rRrom8v5s
兄「男は、そう思ってないかもしんないんだぞ」
女「それでも構わない。たとえ嫌われようと、私は男の側にいられればそれでいいんだ」
バキッ!!
女「・・・」
弟「兄ちゃん!!」
兄「ムカつくんだよ…そんな綺麗事吐いてる奴見ると!!」
兄「いいか?これが最後だ!!男を諦めて俺と付き合え!!」
女「断る」
兄「じゃあ…体に教え込むしかないみたいだなぁ!!」
弟「兄ちゃん!!」
女「弟、今この場で兄を止められるのはお前しかいないぞ?」
弟「う…」
兄「お前は俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ!!それでいつもおいしい思いしてんだろうが!!」
959: 1:2012/8/21(火) 23:19:22 ID:8rRrom8v5s
女「兄の間違いを正すのも、弟のお前にしか出来ない役目だぞ」
兄「さっきからごちゃごちゃうるせーんだよ!!」ガッ
女「ぐっ…」
弟「うう…」
兄「いいから早くお前も参加しろ!!」
弟「兄ちゃんは…俺の兄ちゃんはこんなことしない!!」
弟「止めろよ兄ちゃん!!」ガシッ
兄「離せ!!」ブン
弟「うわぁ!!」
女「弟に暴力を振るうのはあまり感心しないな」
兄「うるせぇ!!そんな生意気な口を叩けなくしてやるからな!!」
男「いや、軽口を叩けない女ってそれはそれで怖いぞ?」
兄「!?」
960: 1:2012/8/21(火) 23:22:21 ID:8rRrom8v5s
兄「な…んで…?」
男「主人さんに聞いた。裏山にお前らの秘密基地があるって」
男「大丈夫か?何回殴られた?」
女「二回だな。口の中が切れているみたいだ」
男「そうか」シュルシュル
男「さて…と」
兄「な、なんだよ…やるのか!?」
男「帰るぞ、女」
女「ああ」
男「またな、二人とも」
兄「・・・」
961: 1:2012/8/21(火) 23:26:22 ID:8rRrom8v5s
女「良かったのか?」
男「ん?」
女「腸、煮えくり返っているだろう?」
男「・・・まあな」
男「多分お前がいなかっら確実に殴ってた」
男「でも、兄を殴っても何も変わらないし、お前はそんなこと望んでないだろ」
女「まあな」
男「・・・ごめんな。情けなくて」
女「何を言う、お前のそんな所に惚れたんだ」
男「俺のこと、信じてくれてたんだよな」
女「ああ、お前なら必ず来てくれるって」
男「・・・ありがとう」
女「しかし、口の中が痛いな…男、旅館に戻ったら手当てしてくれ」
962: 1:2012/8/21(火) 23:30:22 ID:URLHZqIv8Y
旅館
兄「・・・」
弟「兄ちゃん…」
兄「さっきは、悪かった…」
弟「うん」
兄「かあさんに、叱られなきゃな…」
主人「あ、二人ともこんな所にいたのね?」
弟「かあさん…」
主人「ほら、早く手伝って。お客さんが待ってるんだから」
弟「え?」
兄「何も…聞いてないの?」
主人「何が?」
兄「いや…なんでもない」
主人「ほら、そんなことより早く手伝う!!お客さんは待ってくれないのよ!?」
弟「う、うん!!」
タタタタタッ
主人「・・・何も、言わないつもりなのね」
963: 1:2012/8/21(火) 23:36:00 ID:8rRrom8v5s
皆様こんばんは
1でございます
内容が内容だったので、一部sageにさせていただきました
実はこの話は一番書きたくなかったんですよね…寝取り未遂してるわけですし、暴力も振るってますしで色々と書いていて涙目でした
でも、話の都合上書かなきゃいけないから…ちくせう
今日の投下はこれで終了となります
見てくださった方々
ありがとうございました
964: 名無しさん@読者の声:2012/8/21(火) 23:49:33 ID:vZFZo1qu46
未遂で良かった…胸糞シナリオにならなくて良かったよ
(ノ_;)っC
965: 名無しさん@読者の声:2012/8/22(水) 00:47:25 ID:zHwuK7FO4E
ふっ…信じてたさ…!
支援しようかROMるか悩んだけどやっぱCCCCC
966: 名無しさん@読者の声:2012/8/22(水) 08:59:08 ID:LEM32y.hMM
あれ思い出した
支援
967: 名無しさん@読者の声:2012/8/22(水) 12:35:35 ID:uvoYi3UJbI
更新乙です。
きっと二人の結び付きがより強まるはず…と思い読みました。
が、まさかこのまま、兄に何のお咎めもなしとか
ないですよね?
968: 1:2012/8/22(水) 13:58:35 ID:uG76tHGYho
>>964
当初は盛り込む予定だったんですが…まあ、自分に嘘はつけないよね!!
支援感謝です
>>965
ありがとうございます!!支援ありがとうございます!!ありがとうございます!!大事な事なので二回言いました!!
>>966
何を思い出されたのか私も気になります…支援感謝です
>>967
結び付きを強めようとして意味不明な話になるのはご愛嬌(´-ω-`)
兄は…まあ、お咎めは一応は
969: 1:2012/8/22(水) 14:04:46 ID:uG76tHGYho
男「これでよし…と」
女「ほう、手当てが上手くなったな」
男「そりゃあな」
母「でも、災難だったわね…女ちゃんが転んで口の中切っちゃうなんて…」
女「誰が見ても危険な転びかたをしましたからね…いや、お恥ずかしい」
母「うっかりなんて誰にでもあるから、恥ずかしがる事なんかないよ」
父「・・・男君、いい?」
男「んー?」
父「あの角度じゃ、転んで口は切れないよ」
男「・・・」
女「お父様!!」
父「誰かに殴られでもしない限り…ね」
ガラガラ
弟「あ、あの…」
男「弟?」
970: 1:2012/8/22(水) 14:10:29 ID:dWmEEQph1A
弟「えっと…薬を持ってきました…」
男「ああ、悪いな」
弟「それと…ごめんなさい」
女「お前が謝る必要はない」
弟「でも兄ちゃんが…酷い事を…」
女「それでもお前は兄が間違いを正そうとして止めようとしたじゃないか」
弟「でも、止められなかった…」
女「大事なのは出来る出来ないじゃない、やるかやらないかだ」
女「お前は、自分の行動に誇りを持っていいぞ」
弟「・・・」
971: 1:2012/8/22(水) 14:13:56 ID:dWmEEQph1A
男「兄は?」
弟「えっと…仕事が終わったら…どこかに」
男「了解」
母「男君!!」
男「・・・」
母「何も…話してくれないの?」
男「ごめん母さん。でもこれは俺がやらなきゃいけないんだ。他の誰にも出来ない…俺が」
ガラガラ
弟「・・・」
女「安心しろ。男は兄に暴力は振るわない」
女「信じていいぞ。私は信じてる」
972: 1:2012/8/22(水) 14:21:49 ID:uG76tHGYho
裏山頂上
兄「・・・」
男「こんな所にいたのか」
兄「・・・何しに来たんだ」
男「隣いいか?」
兄「・・・」
男「凄いなここ、景色が一望出来るじゃねーか」
兄「お前は楽しく俺とお話しにきたのか?」
男「まあそんな所だ」
兄「呆れた奴だ。普通におかしいだろお前の彼女をあんな目に会わせた張本人が目の前にいるんだぞ?憎くないのか?」
男「憎いよ。なんだったらお前をここから突き落としても構わない」
男「でも、やらないし。したくない」
兄「は?」
男「たとえ演技だったとしても、仲良くなれた奴を殴りたくはない」
男「復讐なんて、やっても意味がないんだよ」
兄「・・・じゃあなんできたんだよ」
男「言ったろ、世間話」
973: 1:2012/8/22(水) 14:27:18 ID:uG76tHGYho
男「海ってさ、凄いよな」
男「見てるとなんか落ち着いてさ、自分がちっぽけな存在に思えて、悩んでるのがバカらしくなってくるんだよな」
兄「・・・つまり、何が言いたいんだよ」
男「んー、そんな気にするなって事だ」
兄「・・・馬鹿じゃねーの?」
男「多分な。でも、こんくらい馬鹿じゃないと、女と一緒にいれないからさ」
兄「・・・なんか、俺が駄目でお前がいい理由、わかった気がする」
男「何わかったか知らんが、早く戻れよ。主人さん心配してるから…あ、そうそう」
男「帰ったら女に謝れよ?謝んなかったら殴るかんな?」
男「じゃあなー」スタスタ
兄「本当、変な奴…」
974: 1:2012/8/22(水) 14:31:10 ID:uG76tHGYho
旅館
主人「この度は息子達が本当にすみません!!」
父「主人さん、頭をあげてください」
主人「いいえ!!一歩間違えてたらとりかえしのつかない事になっていたかもしれません!!」
母「でも…何もなかったですし…」
主人「お願いします…謝らせて下さい!!」
主人「そうしないと…情けなくて…」
弟「かあさん…」
弟「本当に、すみませんでした!!」
女「弟…」
ガラガラ
兄「・・・」
975: 1:2012/8/22(水) 14:38:05 ID:dWmEEQph1A
弟「兄ちゃん!!」
主人「兄!!どこに行ってたの!?早く謝罪しなさい!!」
兄「・・・」スタスタ
主人「兄!!」
兄「・・・」ピタッ
女「・・・」
兄「本当、お前らってわけわかんねー」
主人「!?」
兄「考えてる事普通じゃねーし、言動も行動もおかしいし」
兄「普通だって思ってた男も、結局はお前と似たような事ばっか言うから、うるさくてたまんねー」
女「・・・」
兄「でもさ…なんでかな…」
兄「言ってる事無茶苦茶なのに、何故か心に残る」
兄「本当に…悪かった」
女「・・・わかればいい」
976: 1:2012/8/22(水) 14:42:35 ID:uG76tHGYho
兄「この度は、本当に申し訳ありませんでした」
父「1ついい?」
兄「はい」
父「男君にはもう謝った?」
兄「まだ…です」
父「じゃあ、謝る相手が違うよね?」ニッコリ
兄「・・・」
母「(父君カッコいい父君カッコいい父君カッコいい父君カッコいい)」
ガラガラ
男「ふいー、やっと着いた…変に迷うな、あそこ」
兄「あそこ、地元民じゃないと迷うぞ」
男「え!?なんでお前俺より早くいんの!?」
兄「地元民なめんな」
977: 1:2012/8/22(水) 14:48:45 ID:uG76tHGYho
男「女には謝ったか?」
兄「ああ」
女「うむ」
男「そっか、良かった」
兄「ありがとな、気づかせてくれて」
男「な、なんだよ…急に」
兄「またさ…仲良くしていいかな?」
男「当然だろ?女は?」
女「友人としてなら大歓迎だ」
兄「・・・ありがとう」
978: 1:2012/8/22(水) 14:52:35 ID:dWmEEQph1A
女「主人、そういうわけだから。謝罪はもういい」
主人「わかりました…ですが、この二人には個人的に話があります」
兄「げ」
主人「来なさい!!みっちり説教です!!」
兄「え!?ちょ、そこは迷惑をかけてはいけないで締めくくる美談じゃ…」
主人「そんなお涙頂戴は今時流行りません!!」
弟「兄ちゃん…説教を受けようよ…」
兄「うへ〜」
979: 1:2012/8/22(水) 15:51:37 ID:5RvltjAJ0I
女「・・・」
男「どうした?心ここにあらずって感じだな」
女「あ、ああ…」
男「やっと一安心か?」
女「そうだな…」
男「本当は怖かったんだろ」
女「・・・かもしれん」
男「それでいいんだよ。下手に強がるより、よっぽどマシだ」
男「そうだな…信じてるからこそ、弱さを見せてもいいんじゃないか?」
男「俺はお前を信じてる。上手く言えないけど、お前は俺の前からいなくならないって」
女「・・・そうだな」
女「信じよう。私達の未来を…」
980: 1:2012/8/22(水) 15:59:49 ID:5RvltjAJ0I
男「ふー、ようやく一息つけ…」
父「男君?女さん?ちょっと」
男「・・・オレハライタイ」
父「片言で話しても無駄だからね?」
男「・・・はい」
女「お、お父様、男は私の為に」
父「女さんは少し黙ろうか」
女「・・・はい」
父「いいかい?二人が大人に近づくにつれて、行動に責任というものがのしかかるんだ。確かに男君の行動はけじめをつけるという点では良い行動かもしれない。でも周りに迷惑をかけるかけないの問題じゃなく、僕達は君達の一番の理解者なんだからね?今回は突発的に起こったから仕方のないことだろうけど、これからの二人の問題を二人だけで背負うんじゃなくて、もう少し、それこそ周りに相談しなさい」
男&女「・・・はい」
父「今日は色々あって、特に疲れてるだろうからこれくらいにしておくけど、二人は今日は外に出ちゃ駄目だからね?」
男「なん…」
父「何か、言った?」
女「な、なんでもありません!!」
父「さて母さん、お土産でも買いにいこうか…母さん?」
母「父君カッコいい父君カッコいい父君カッコいい」
父「・・・それじゃあ、行ってくるよ」
981: 1:2012/8/23(木) 00:38:54 ID:S8hgBGFHLQ
男「しかし、外出ちゃいかんのか…退屈だな」
女「まあお父様の仰有ることは一理あるからな」
女「それに、建前は外出禁止だが、裏を返せばゆっくり休めと言いたいのだろう…それに」
女「仲直りしてからの最初のスキンシップは重要だろう…なあ?」
ガラガラ
兄「・・・バレてた?」
女「気配でわかる」
男「うおっ、お前その顔どうした!?」
兄「ビンタされた」
女「随分と酷い顔だな…」
兄「大丈夫大丈夫、俺達がガキの頃はこんなんしょっちゅうだったから」
982: 1:2012/8/23(木) 02:58:08 ID:YnhHdkTLIo
兄「顔…ごめんな」
女「気にするな」
男「気にするなっていってんならあんま気にしなくていいぞ。てか、俺はお前の顔の方が気になるんだが」
兄「ほっとけ」
女「さて、聞かせてもらおうか?何故綺麗事を言う奴がムカつくんだ?」
兄「人間、皆汚れちまうからな…そんな風に綺麗に言われると…責められてる気がして…つい」
男「・・・」
女「なるほど、それは理解出来た」
女「確かに、綺麗に成長は出来ないだろう…だが、綺麗に成長しようと思うことが悪い事だとは私は思わない」
女「人の生き方など、千差万別だ。いちいち口を挟むだけ余計なお節介だよ」
兄「そんなもんかな…」
男「まああれだ…責められてると感じるって事は、少なからず自分の汚さを認めてるんだよ」
男「俺は凄いと思うな…俺だったら絶対に目を背けちまうから…」
女「安心しろ。私が無理矢理向かせてやる」
983: 1(投下終了):2012/8/23(木) 03:02:02 ID:YnhHdkTLIo
兄「なんか…お前らお似合いだよ。本当」
女「今更か?」
兄「全くだ」
男「まあ後1日だけの付き合いだけど、よろしく頼む」
兄「ああ…」
兄「じゃあな、仕事戻るわ」
ガラガラ
兄「・・・あいつらに会えて、変わったな、俺」
984: 1:2012/8/23(木) 23:21:26 ID:wA9RpEgro2
女「さて、ようやく二人っきりなわけだが」
男「だが断る」
女「まだ何も言ってないのだが」
男「お前の考えは大体わかるんだよ」
女「ほう?なら読んでみろ」
男「怪我人を逆手に取って好き放題俺を蹂躙」
女「・・・それもあったな」
男「なんか別の事を考えてたっぽい」
女「まあ折角提案してくれたのだ。やってみるか?」
男「おい」
女「なんだ?お前が言い出さなければ私は考えもつかなかったのだぞ?言い出しっぺはお前だ」
男「そこ言われたら何も反論出来ねぇ」
女「冗談だ。少しだけ横になる」
男「・・・おう」
985: 1:2012/8/23(木) 23:28:06 ID:Q2PfZzGuiU
母「ただいまー♪いっぱいお土産買ってきたよ〜」
男「お帰り」
母「あら、女ちゃん寝ちゃった?」
男「まあな」
母「それだったら静かにしなきゃだね…でも」
女「・・・」スースー
母「ああん!!もう!!なんで女ちゃんは天使の寝顔が出来るの!?可愛い!!食べちゃいたい!!」
男「母さん、そんな趣味があったの?」
母「失礼な、女ちゃん限定ですー」
母「あ、でも前に来た書記ちゃんも中々…」
男「あれだな、気に入った物を側に置いておかないと気が済まないタイプ」
父「そんなの、長年連れ添ってるから承知だよ」
父「ただ…逸れてしまった視線を元に戻すのが僕の役目だよ?」
男「おおこわいこわい」
986: 1:2012/8/23(木) 23:30:13 ID:z0U8ZQhYEg
母「男君」
男「ん?」
母「覚えてるとは思うけど…」
男「ああ、宿題ね」
母「うん」
男「うすらほんのり答えは出てるよ」
母「そっか…」
母「私を納得させなかったら…わかってるよね?」
男「もちろんさ」
男「後1日、真剣に考えてみるよ」
女「・・・」
987: 1:2012/8/23(木) 23:34:37 ID:Q2PfZzGuiU
女「・・・」ムクリ
男「お、起きたか」
女「お父様とお母様は?」
男「鬼ごっこ」
女「ああ…なるほど」
女「答えは出たのか?」
男「なんの?」
女「宿題だ」
男「んー、ぼんやり」
女「そうか」
男「疑わないのか?」
女「お前が出した結論に私は異論はない」
男「そっか…」
女「後1日…か」
男「・・・」
988: 1:2012/8/23(木) 23:41:06 ID:z0U8ZQhYEg
翌日
父「三日間、お世話になりました」
主人「いえいえ、こちらこそご迷惑をお掛けして…」
父「もういいですよ」
主人「本当にすみません」
兄「三日間、色々あったけどまあ、楽しかったよ」
男「そいつは良かった」
兄「また来てくれるか?」
女「気が向いたらな」
兄「こりゃ手厳しい」
兄「男!!」
男「ん?」
兄「女ちゃんを大事にしろよ!!」
男「・・・おう!!」
父「それでは」
主人「ご利用、ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
兄「またなー!!」
989: 1:2012/8/23(木) 23:48:01 ID:z0U8ZQhYEg
車内
父「色々あったけど、楽しかったね」
母「うん♪お土産もいっぱい買ったし、満足♪」
男「そいやお前って土産を家に買った?」
女「土産話で十分だ」
男「・・・お前な」
母「二人ともー、撮った写真を何枚か現像するんだけど、好きなの選んでー」
男「母さん結構撮ってたからな…どれどれ」
女「いい写真だらけですね。困ってしまいます」
男「おい、なんだこれ」
母「夜に撮ったのよ、一緒に寝てるなんて本当に仲良しなんだから」
男「確か、この日は別々の布団で寝たはずだが?」
女「気のせいだ」
男「何布団にもぐりこんでんだてめー!!」
990: 1:2012/8/23(木) 23:53:00 ID:Q2PfZzGuiU
家
父「皆、着いたよ」
母「んー!!三日ぶりの我が家!!」
男「んな、懐かしがる事か?」
母「女ちゃん。三日間お疲れ様」
女「いえ、私も楽しむ事が出来ましたし、同行できて本当に良かったです…それと、あの」
母「例の写真ね、大丈夫!!現像したら真っ先に渡すから!!」
男「おい、例の写真ってなんだ」
女「ありがとうございます」
男「おい、例の写真」
母「宝物になっちゃうかもね〜」
男「おい」
女「それでは、私はこれで失礼いたします」
母「大丈夫?男君を送らせようか?」
女「いえ、お気遣いなく」
991: 1:2012/8/23(木) 23:55:55 ID:z0U8ZQhYEg
男「あー、なんか…母さんの言ってた事がわかった気がする…」
母「でしょー!?部屋に入ったらいよいよ大きくなるんだから!!」
父「えーと、これと…これと…」
男「父さんなにしてんの?」
父「女さんのご家族へのお土産」
男「しっかり買ってたんだな」
父「まあね、僕は渡してくるから…男君」
男「ん?」
父「頑張るんだよ」
母「・・・」
男「・・・あー」
男「了解」
992: 1:2012/8/24(金) 00:04:05 ID:Q2PfZzGuiU
母「男君、この三日間で考えた事をお母さんに話してもらいます」
男「・・・」
母「二人にとって、成長とはなんなのか…答えて」
男「・・・俺達にとって、成長とは」
男「信じること」
母「お互いを?だとしたらお母さんはその答えに納得をすることは出来ないよ?」
男「もう信頼しきってるのに、これ以上何を信じろってんだよ」
男「俺が信じてるのは…同じ未来」
男「女と同じ時を刻んで、一緒に居続けたい」
男「最高じゃなくてもいい、最悪でも構わない」
男「二人一緒なら、乗り越えられる…きっとや多分じゃない…これは確信」
男「だから俺は信じる。同じ時、同じ未来を」
993: 1:2012/8/24(金) 00:08:17 ID:z0U8ZQhYEg
母「・・・そう」
男「女が拐われた時も、あまり心配はしてなかった」
男「ただ…あいつは俺が来ることを信じてる…そう思ったから…そしてそう思ってる事を信じてたから…」
母「・・・」
男「これが俺の出した結論」
母「・・・この先、想像を絶するような困難が二人を襲うかもしれない」
母「それでも男君は…二人で乗り越えられる?」
男「・・・」
男「余裕」
母「・・・そう」
母「じゃあ、早く女ちゃんに伝えてきなさい」
男「わかった!!」ダッ
母「もう…立派な男の子になっちゃって…」
994: 1:2012/8/24(金) 00:14:43 ID:z0U8ZQhYEg
公園
男「・・・」
女「来たか」
男「なんでいるんだよ」
女「別に、少し寄り道をしたかっただけだ。お前は?」
男「ここに来れば、お前に会えるような気がしたから」
女「ふ…私もだ」
男「下手な求愛も、芝居がかった言葉も、必要ない」
男「俺と、一緒にいてください」
女「・・・その言葉に、偽りはないな?」
男「もちろんだ」
女「そうか…なら、私も答えよう」
女「私でよければ、生涯を共に歩もう」
男「・・・ああ」
変態女と苦悩男と天然幼と真面目友
NEXT STAGE
995: 1:2012/8/24(金) 00:17:44 ID:z0U8ZQhYEg
えー、皆様
変態女と苦悩男と天然幼と真面目友
これにて第一部がめでたく終了になります
見てくださった方々
応援して下さった方々
支援して下さった方々
本当にありがとうございました!!本当にお疲れ様でした!!
語りたい事などは色々ありますが、それは第二部に回したいと思います
それでは、本当に長い間ありがとうございました!!
次スレでお会いしましょう!!
996: 名無しさん@読者の声:2012/8/24(金) 01:08:12 ID:Y5qdXqzM1Q
第一部ホントにお疲れさまでした!!
二部も楽しみに待ってますね
997: 名無しさん@読者の声:2012/8/24(金) 08:13:32 ID:aRB0251Tkw
+ ∧_∧ +
(0゚・∀・) ドキドキ
oノ∧つ⊂) + 。
( (0゚・∀・) ワクワク +
oノ∧つ⊂) + 。
( (0゚・∀・) テカテカ +
∪( ∪ ∪ 。
。 と__)__) +
998: 名無しさん@読者の声:2012/8/24(金) 10:52:36 ID:gYb/l1VPKE
ありきたりだが楽しませて貰いました。
二部も待ってます。
999: 名無しさん@読者の声:2012/8/24(金) 11:28:41 ID:xbdIvW/6Fg
第二部楽しみにしてます!
つCCC
1000: 名無しさん@読者の声:2012/8/24(金) 12:32:55 ID:Qv/P2DRY6w
つまんね
1001: 1001:Over 1000 Thread
| ̄| ∧∧
ニニニ(゚Д゚∩コ
|_|⊂ ノ
/ 0
し´
えっ…と、
1001はここかな…と
∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)| ̄|
`ヽ /)ニニニコ
|_=` |_|
∪ ∪
∧∧ ミ ドスッ
( ) _n_
/ つ 終了|
〜′ /´  ̄|| ̄
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