┌──────────┐
1.拾った猫が女の子になった……。助けて……(45)
2.犬ミミとネコミミ、あなたはどっち!?(861)
3.父親が悪の組織のボスになっちゃったwwどうしよう(459)
└──────────┘
「ふぅ、やっぱ駄目か〜」
PCでスレを建ててみたものの、猫が女の子になることが常識的に考えて、
「妄想乙ww」やら「糞スレだ」とか言われるのがオチなのに何をボケていたのだろうか……。
698: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:19:40 ID:ek.5SuFRzg
「ま、俺も思うわ」
あ、そこ同意するんだな……。
「大体、正義の味方ってガキの遊びかってぇの……。こんな時間だけ食う面倒事は嫌いなんだよ」
この男、かなりの面倒臭がりだ。
「一般人には手は出さないよな」
「ま、そいつ等の動き次第だがな」
それは不審な動きをすれば即座に始末する、というに聞こえた。
「今は従っておいた方が得策ね」
那由多の言う通りだな。
699: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:33:12 ID:ek.5SuFRzg
1時間くらい経っただろうか。一般人の方に動きが出始めた。
中年の男がソワソワし始め、額に汗を浮かばせる。
「おい、オッサン。どうした?」
黒服の1人が男に聞く。どうやら、トイレを我慢しているようだ。
「不味いよ、大地」
風が耳元で囁いてくる。
「あの人、逃げようとすると思う」
「逃げるとしたら、縄を外された瞬間かな」
那由多が話に加わってくる。
「逃げたら間違いなく殺られますね。そしたら……」
「パニック確定ね」
ファの推測に先輩が付け加える。
もし、そうなったらここにいる全員が始末されるだろうな。
700: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 16:38:02 ID:ek.5SuFRzg
「もし、彼が逃げ出そうとした時に、黒服たちに動きがあれば……」
那由多の言葉で4人がこっちを向く。
ため息混じりに俺は言う。
「そうなったら、あいつ等をブッ飛ばしてやれ」
各々が首を縦に振った。
701: 名無しさん@読者の声:2011/12/4(日) 16:42:21 ID:vwr6kDUtNM
更新キタ----(・∀・)----!!
702: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/4(日) 17:12:19 ID:yvEPXiu.Rw
>>701
テスト前だからあまり更新できなくてごめんさい
年内には終わらしたいと思うが、無理な気がする
703: 名無しさん@読者の声:2011/12/4(日) 17:18:29 ID:VDOy82iYU.
>>702
ゆっくりでいい、ゆっくりでいいぞぉ!!
704: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:11:10 ID:piwV0qFrog
男の縄が外れる。やはり男は逃げ出そうとした。
だが、黒服たちの対応は早い。
1人が男を組み伏せた。まるで、予想していたかのように。
それと同時に怒号が耳を突く。
「てめぇら、動くなぁぁ!!!!」
あのシマウマスーツの男がパニックを防ぐために放ったものだった。そして、その声はこっちの出鼻を挫くのにも一役を買っていた。
「やられたわね……」
そう言って那由多が歯噛みした。
705: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:23:21 ID:Ztizk4nQHk
「もう限界です。いつまで縛っておくのですか!」
ファがシマウマスーツに対して吠える。
「そうは言っても正義の味方さんが来ないと、ねぇ」
この問答は何回目になるだろうか。
もう日は西に傾き、空が朱に染まり始めていた。
「居ないのを待っていても仕方がないでしょう!?」
ファは何故かいつもと違って焦っている気がする。
「おい、ファ。何でそんなに焦って……」
俺が全ての言葉を紡ぐ前に、空気が変わった。
706: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/5(月) 19:34:34 ID:Ztizk4nQHk
全ての視線が後ろに集中する。俺もそれに習う。
夕日をバックに誰かが立っていた。
「何者だ、貴様!!」
黒服の1人が叫んだ。
「……貴様等に名乗る名などない」
そう言ってそいつは消えた。
「ぐっ!?」
「がはっ!!」
「ごふっ!!」
そして、ステージの方から呻き声が聞こえた。
周りの黒服は地に伏していた。
あの一瞬で?
そいつは、シマウマスーツにこう言った。
「あえて言うなら…………、ヒーローだ」
707: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:35:32 ID:EcB1hKr8to
「おいおい……、マジで現れたよ」
シマウマスーツの男が今までで一番面倒な顔をし、目を細める。
「こりゃあ、退くに限るな……」
って、逃げるのかよ……。そのまま戦闘に突入かと思ったんだが。
「主人。一般人は皆、避難しました」
ファが俺の縄をほどく。
「早く私たちも……」
「どうしたんだ、ファ。お前、いつも以上に焦ってるよな」
「彼は危険です。特に、私たち悪の組織にとっては」
縄が解けた。
俺はもう一度ステージの方を見る。
「………………」
そこには正義の味方が1人、こっちを見て立っているだけだった。
708: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:44:38 ID:/t3u.bxZ6I
今、ここに居るのは俺とファ、そしてヒーローだった。
那由多たちは先に行っている。
目の前が二つの影によって暗くなる。
「お前か、猫」
「覚えていらっしゃるとは、光栄で!!」
ファの拳が空を切る。
「お前は俺が唯一仕留め損ねた敵だ」
ヒーローは少し離れて着地する。
「今回はベラベラ喋るのですね。さっさと掛かってきたらどうですか?」
ファは目を細めて、跳んだ。
709: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:52:28 ID:/t3u.bxZ6I
ファの全力はコンクリートをも砕く。今、目の前で証明されている。
だが、当たらなければ意味がない。
「ちょこまか、と!!」
蹴り出された足を奴は半身を逸らして避ける。
無駄がない。
ヒーローの動きはそう見えた。
奴は逸らした半身を戻す。
「ぐふっ!」
そして、拳を彼女に放っていた。
710: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/6(火) 17:59:11 ID:/t3u.bxZ6I
ファはステージから弾き出される。
「ファ!!」
彼女の元へ向かう。
だが、奴は許さない。
「お前は、あの猫の……悪の仲間か、一般人?」
足が固まる。いや、震える。奴が大きく見える。
「仲間か?」
奴は俺に掌を見せた。
711: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/7(水) 07:27:51 ID:.AL642LWkg
俺に触れようとしていたヒーローの姿が横にぶれる。
「……し、主人には触らせません」
ファだ。何とか無事みたいだった。
しかし、無傷ではない。左腕は明らかに違う方向へ曲がり、額から出た血が右目を塞いでいる。
「主人、に……逃げましょう」
彼女の姿を見て分かる。逃げた方がいいと。
「ああ。だけど……」
奴がブッ飛んだ方向を見れば、もう立ち上がってこっちを、いや、ファを睨んでいた。
712: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:13:06 ID:jwabo7NvG2
「主人、私が囮になりますから逃げてください」
「嫌だ」
「で、でも! 主人が居ても何も変わりません!!」
地味に胸を突くことを言ってきたな、おい。
「話は終わったか?」
「ご丁寧にどうも。まあ、まだなんだがな」
「行くぞ」
問答が面倒になったのか、奴がこっちに向かってきた。
713: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:30:53 ID:jwabo7NvG2
ファは体を捻り、蹴る。
「どうした、重さが感じられないぞ?」
ファの体が逆さになった。
「こんなものか……」
奴が拳を振り抜こうとする。
──主人!!
ファが口を開いたのかは知らない。だけど、聞こえた。
俺は足を動かす。
怖さなんて関係なかった。ファを助けたい一心でいる。
俺はヒーローに向かって突き進んだ。
714: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 07:47:44 ID:1F5QczKvnc
後先の考えない無様なタックルだ。俺はぶつかった後、盛大に地に体を擦り付ける。
だが、奴の体勢を崩すには上出来だった。
奴の手から離れたファがやや遠くで着地した。
「さっきの俺に対しての質問に答えようか。ファとはどんな関係だという質問によ」
俺はヒーローに向かって言う。
「ファはな、俺の家族だ!!」
715: 名無しさん@読者の声:2011/12/8(木) 08:15:38 ID:ywmIqZSp2o
大地カッコいいな
716: 名無しさん@読者の声:2011/12/8(木) 13:41:33 ID:3EPWydNmto
なんつうカッコよさ。
同じ名前だし、すげぇwktkする。
CCCCC
717: 枕 ◆gTg4MOyrUY:2011/12/8(木) 23:36:11 ID:LuxIfDOYRs
>>715、>>716
たまには主人公らしさも必要だね
ぶっちゃけると、>>714の最後の台詞を言わせたかっただけなんだ
支援さんくすだ(・ω・´)
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