お題【出会い】
下記の順番でお願いします。
◆WfagbE5V86
ゆこ ◆Ryuko..Wy.
繭 ◆TFyL7CT/Mk
龍 ◆RYU....FU.
すに ◆cjb8xYwtrY
>>1-10 >>11-20 >>21-30 >>31-40 >>41-50
28: 繭 ◆TFyL7CT/Mk:2012/3/12(月) 13:03:29 ID:P2/yVcR/xs
俺には、見えない彼女のお祖母さんの小指の糸。
リボン結びどころか…誰とも繋がっているようには思えなかった。
どういうことなんだろう。
彼女が言う、祖父以外の男と繋がってしまった小指の糸とは…何なのか。
「遠い所からようこそ、この子が男の子を連れてくるなんて珍しいからビックリしたんですよ」
やはり、叔父絡みという事が大きいのだろうか。
お祖母さん自身が金に汚いのではなく、まだ会ったことのない叔父と言う存在が…何か。
そこまで考えたところで、
縁側、といったものの物凄く広い綺麗な庭と面しており普通の田舎の縁側…と思っていたら、大きく違う印象を持つだろう。
「……叔父さんに、お金が必要だからお母さんに頼んでいたんだよね」
「そうでしょうね、あの……クソ男が」
ギリッと憎々しげに唇をかみしめた彼女の横顔は普段の可憐さを塗り潰すほどに憎悪に彩られている。
何と声を掛ければいいのか分からなかったが、彼女の言っていた事故の時の話を思い出した。
叔父が、事故の一部始終を見ていた。
何故だろう。何故、見ていたのかが引っかかった。
酷い話だが、少し考えれば、事故を図ったのは叔父だ。
そしてそれは、義姉が亡くなった時に入る保険金を奪う目的から…でも、それだけじゃ無いような気がして仕方がなかったんだ。
車から必死に抜け出した彼女、その様子を見ていた…叔父。
「……貴女が、いたから…」
「……え…」
「叔父さんの目的は、お金だけじゃなくて貴女だったんじゃ────」
言い終わる前に、背後の襖が大きく開かれた。
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