目が覚めたら、俺は見覚えの無い部屋にいた。
「いやほんと、ここどこなの?」
上半身をベッドから起こし、もう一度呟く。
「それにしても、広い部屋だなおい」
漫画やアニメに出てくるような、洋風なお屋敷そのまんまという感じだろうか。
非常に広い。ビックリするほど広い。
261: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:53:05 ID:Gw.rmFALzE
ん?ちょっと意味がわからないぞ?この子は一体何を言っているのかな?さっぱりわからないやHAHAHA
なんて現実逃避してる場合じゃねぇ!!
早速、知ったばかりの電話番号を呼び出す。
まるで電話がかかってくる事を予見していたように、2コール目に入らないうちに繋がった。
『もしもし』
「おい!何やってんだよ!」
『すいません、どちらさまですか?ちょっと誰だか分からないんですけど』
「あっ、すいません。浅井です。……って電話に表示されるだろ!!」
『それは盲点』
「絶対嘘だろ!!」
『うん、嘘』
「だろうと思ったわ!何がしたいんだよ!」
『何がしたいって……嫌がらせ?』
「最悪だなおい」
『ちなみにメールの内容は冗談だから安心して』
「冗談なのかよ!本格的に何がしたいんだよ!」
『嫌がらせ』
「無駄に一貫してんな!!」
『それじゃあ、私はあなたと違って忙しいからもう切るわね』
「おいちょっと待て!……ホントに切りやがった」
262: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:53:24 ID:Gw.rmFALzE
なんなのこの無駄な時間。勿体無さすぎる。というか、忙しいならあんなメールすんなよ。
「ただいまー」
俺のテンションが著しく下がっていたところで、姉貴が帰ってきた。
「ああ、おかえり」
「なんか疲れてるみたいけど、大丈夫?」
「ああうん、そっとしといて……」
「何があったか気になるけど、まあいいや。ところで、穂香のとこはどうだった?」
ああ、そういえば今日の本題はそっちだったか。完全に忘れていた。というか、どうだったって言われても答えようがない気がする。ただ聞かれたことに答えてただけだし。
「まあ役に立ったんじゃない?」
「ちゃんと挨拶した?」
「したした」
「礼儀正しくしてた?」
「してたしてた」
「ナンパもした?」
「したした──って言うと思ったか!!」
「引っ掛からなかったかー、残念」
263: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:53:40 ID:Gw.rmFALzE
そもそも、なんでここでナンパが出てくる。流れに無理がありすぎだろ。というか、挨拶した?とか18に言う台詞か?
「俺、そっとしといてって言ったよな?」
「ごめんごめん、うっかりしてた」
「ああ、それなら仕方ないな」
姉貴は俺に「わざとだろ!」って感じにつっこんで欲しそうな雰囲気を醸し出していたが、疲れてるからスルーだ。今日は姉貴の相手までする元気はないのだ。
俺だっていつも姉貴の思うように動くわけじゃないんだぜ、ふふん──なんて考えていたら、姉貴がニヤリと口の端を釣り上げた。
264: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:54:04 ID:Gw.rmFALzE
「そーいえば〜、涼は今日、由奈ちゃんとイチャイチャしてたらしいね〜」
「な、な、何の話カナ!?」
動揺しまくりです、本当にどうもありがとうございました。
「隠しても無駄だよ〜?だって本人から聞いた話だからね〜」
アイツが黒幕かああああああああ!!!
もはや天敵と言っても過言ではないかもしれない!
「電脳空間内の由奈ちゃんともイチャイチャしてたもんね〜」
これ以上に、ニヤニヤしているという表現がピッタリ当てはまる表情は無いと言えるくらいにニヤニヤしている姉貴。俺には家にすら心を休められる場所がないのでしょうか?
「い、言っとくけど、イチャイチャなんて良いもんじゃなかったからな!単に振り回されていただけだからな!」
「美少女に振り回されるのはモテる主人公の特権だと思わない?」
「それはフィクション限定だ!」
今まではヘタレ主人公うぜぇ、なんて思っていたが、意外と世の中の主人公達も大変なのかもしれないなと、今は同情したい気分だ。
265: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:58:28 ID:Gw.rmFALzE
「まあ、でもね」
さっきまでの雰囲気とは一変、優しげな表情で切り出す姉貴。俺は相づちを打つことなく、続きを待つ。
「あれでも彼女なりに仲良くなりたいと思ってるんだよ」
「そうは全然見えなかったんだけど?」
「ほら、変化球気味のツンデレってことよ」
「いやいや、全く分からないよ!?」
「とにかく、由奈ちゃんとは仲良くしなさい。分かった?」
「とりあえず善処するよ。っても今後会うことはあんまりないと思うけど?」
「ふふふ、今に分かるわよ」
「こわっ!なにその預言者風な語り口」
「ま、今は無駄なことしないで勉強に集中しなさい。もうそんなに無いんだから」
「姉貴の俺弄りが一番無駄な気がするから、今後は無視でいい?」
「それはダメ」
266: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:58:49 ID:Gw.rmFALzE
その後、無事に大学に進学した俺は再び香村由奈と出会うことになる。
やはりというべきか、俺は彼女に度々振り回され、色々な経験をすることになるのだが、それはまたの機会にしよう。
267: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/14(日) 15:59:33 ID:Gw.rmFALzE
はい、というわけで、ついに完結です!やったねちゃんと終わったよ!
最初の投稿が2月ですからね、約8ヶ月。文章の量のわりに時間がかかったもんです。
こんな遅筆に付き合ってくださった読者の皆様には感謝してもしきれません。
また、ランキングに入ることはないだろうな、なんて思っていたので、一度だけとはいえランキング入り出来たのは良い思い出です。
センターまで100日切りましたし、これで暫く書くことは無くなるかと思いますが、受験が一段落ついたらまた何か書きたいなと考えていますので、その時は是非よろしくお願いします!
何か質問などありましたら御気軽にどうぞです!無さそうであれば保管庫依頼してきますね。
最後になりますが、この作品を読んでいただき、本当にありがとうございました!また次作品の投稿時にはよろしくお願いします!
268: 名無しさん@読者の声:2012/10/16(火) 01:46:13 ID:DQWY5sGu1o
乙ー!続きが期待できる終わり方で良かった!
蛇足ですが僕も受験生です、センター頑張りましょうね!C
269: マキシ ◆KCXDu/KctI:2012/10/17(水) 00:02:59 ID:Gw.rmFALzE
>>268
乙ありです!!次作でも何らかの形で登場させたいと思っていますよん♪
お互い勉強頑張りましょうっ!!
270: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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